JPH07166293A - 耐硫化物割れ性に優れた鋼 - Google Patents

耐硫化物割れ性に優れた鋼

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JPH07166293A
JPH07166293A JP31537293A JP31537293A JPH07166293A JP H07166293 A JPH07166293 A JP H07166293A JP 31537293 A JP31537293 A JP 31537293A JP 31537293 A JP31537293 A JP 31537293A JP H07166293 A JPH07166293 A JP H07166293A
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steel
sulfide
hardness
less
cracking
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JP31537293A
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Masato Shimizu
眞人 清水
Kazuhiko Fujita
一彦 藤田
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 pH:3の如き苛酷な湿潤硫化水素環境下にお
いても良好な耐硫化物応力割れ性及び耐水素誘起割れ性
を有する耐硫化物割れ性に優れた鋼の提供。 【構成】 C:0.01 〜0.10%, Si:0.05〜0.60%, Mn:0.50
〜2.50%, P:0.010% 以下,S:0.002% 未満,Al:0.005
〜0.100%, Ti:0.005〜0.020%, Ca:0.0005〜0.0050% を
含有し、或いは更にCu:0.05 〜1.0%, Ni:0.05 〜1.0%,
Cr:0.05 〜1.0%,Mo:0.05 〜1.0%, Nb:0.005〜0.100%,
V:0.005〜0.100%, B:0.0005 〜0.0050%の1種又は2
種以上を含有すると共に、ミクロビッカース硬さが250
以下で、且つ該硬さの鋼厚み方向での偏差が60以下であ
る鋼、及び、上記C量,ミクロビッカース硬さ,該硬さ
の鋼厚み方向での偏差の値に代えて、C:0.10 〜0.20wt
%,硬さ:230以下, 硬さの鋼厚み方向での偏差:40以下
である鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐硫化物割れ性に優れ
た鋼に関し、詳細には、湿潤硫化水素環境下等での硫化
物割れが生じ難い鋼であり、特に、湿潤硫化水素環境下
で稼働する石油やガスのパイプライン、圧力容器等に用
いて好適な耐硫化物割れ性に優れた鋼(鋼板、鋼管)に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、湿潤硫化水素環境下で使用される
機器、例えば、硫化水素を含む原油や天然ガスを輸送す
るラインパイプや石油精製装置において、その構成材料
である鋼の水素誘起割れ(HIC)や硫化物応力割れ(SSC)
等の所謂硫化物割れに起因する事故が少なくなく、その
対策として耐硫化物割れ性に優れた鋼の開発が切望され
ている。
【0003】ここで、硫化物割れの発生機構について
は、明確ではないが、一般的には、構成材料である鋼と
水分を含む硫化水素との電気化学的反応によって発生し
た水素が原子状態で鋼中に侵入し拡散して鋼中の介在物
等の不連続部で分子化することにより生じる水素ガスの
圧力が作用して、硫化物割れが発生するとされている。
この硫化物割れの中、外部応力が存在しない場合でも発
生する割れは水素誘起割れ(HIC)、外部応力の存在下で
発生する割れは硫化物応力割れ(SSC)と呼ばれている。
【0004】従来、耐硫化物割れ性に優れた鋼又は鋼の
耐硫化物割れ性向上手段として、特開昭50-97515号公
報、特開昭51-9114318号公報、特開昭55-128536 号公
報、特開昭54-157718 号公報、特開昭57-73162号公報、
特開昭62-243737 号公報、特開昭63-134647 号公報等に
記載の如く、Cuの添加、介在物の低減及びその形態制
御、又は、炭窒化物の微細分散によって水素の侵入及び
拡散の抑制を図ったもの、鋼の偏析に起因する硬化部の
硬さの制御や、偏析に起因する硬化部の硬さ及び介在物
長さの制御によって耐硫化物割れ性の向上を図ったもの
が提案されている(以降、これらを従来技術という)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術によれ
ば、比較的耐水素誘起割れ性が良好な鋼が得られ、水素
誘起割れの発生を防止することが可能となってきてい
る。ところが、これら耐水素誘起割れ性に優れた鋼で
も、必ずしも耐硫化物応力割れ性が良好であるとは限ら
ず、苛酷な湿潤硫化水素環境下、例えばpH:3の如き湿
潤硫化水素環境下においては硫化物応力割れが発生する
という問題点がある。
【0006】本発明は、このような事情に着目してなさ
れたものであって、その目的は前記従来技術がもつ以上
のような問題点を解消し、苛酷な湿潤硫化水素環境下に
おいても良好な耐硫化物応力割れ性及び耐水素誘起割れ
性を有する耐硫化物割れ性に優れた鋼を提供しようとす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、鋼の耐硫化物割れ性を含む各種特性に及ぼ
す鋼の化学成分、硬さ等の影響について鋭意研究を重
ね、実験を繰り返した結果、化学成分の調整と、その成
分に応じたミクロビッカース硬さ及び該硬さの鋼厚み方
向での偏差の制御とによって、鋼の耐硫化物割れ性を著
しく向上し得、苛酷な湿潤硫化水素環境下においても耐
硫化物割れ性に優れた鋼となるという知見を得、ここに
本発明を完成するに至ったものであり、本発明は次のよ
うな構成の耐硫化物割れ性に優れた鋼としている。
【0008】即ち、請求項1記載の鋼(第1発明)は、
C:0.01〜0.10wt%, Si:0.05〜0.60wt%, Mn:0.50〜
2.50wt% ,P:0.010wt%以下,S:0.0020wt%未満,Al:
0.005〜0.100wt%, Ti:0.005 〜0.020wt%, Ca:0.0005
〜0.0050wt% を含有し、残部がFe及び不可避的不純物か
らなると共に、ミクロビッカース硬さが250 以下であ
り、且つ、該硬さの鋼厚み方向での偏差が60以下である
ことを特徴とする耐硫化物割れ性に優れた鋼である。
【0009】請求項2記載の鋼(第2発明)は、C:0.
01〜0.10wt%, Si:0.05〜0.60wt%,Mn:0.50〜2.50wt%
,P:0.010wt%以下,S:0.0020wt%未満,Al:0.005〜
0.100wt%, Ti:0.005 〜0.020wt%, Ca:0.0005〜0.0050
wt% を含有し、更にCu:0.05〜1.0wt%, Ni:0.05〜1.0w
t%, Cr:0.05〜1.0wt%, Mo:0.05〜1.0wt%, Nb:0.005
〜0.100wt%, V:0.005 〜0.100wt%, B:0.0005〜0.00
50wt% の1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び不可
避的不純物からなると共に、ミクロビッカース硬さが25
0 以下であり、且つ、該硬さの鋼厚み方向での偏差が60
以下であることを特徴とする耐硫化物割れ性に優れた鋼
である。
【0010】請求項3記載の鋼(第3発明)は、C:0.
10〜0.20wt%, Si:0.05〜0.60wt%,Mn:0.50〜2.50wt%
,P:0.010wt%以下,S:0.0020wt%未満,Al:0.005〜
0.100wt%, Ti:0.005 〜0.020wt%, Ca:0.0005〜0.0050
wt% を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなると
共に、ミクロビッカース硬さが230 以下であり、且つ、
該硬さの鋼厚み方向での偏差が40以下であることを特徴
とする耐硫化物割れ性に優れた鋼である。
【0011】請求項4記載の鋼(第4発明)は、C:0.
10〜0.20wt%, Si:0.05〜0.60wt%,Mn:0.50〜2.50wt%
,P:0.010wt%以下,S:0.0020wt%未満,Al:0.005〜
0.100wt%, Ti:0.005 〜0.020wt%, Ca:0.0005〜0.0050
wt% を含有し、更にCu:0.05〜1.0wt%, Ni:0.05〜1.0w
t%, Cr:0.05〜1.0wt%, Mo:0.05〜1.0wt%, Nb:0.005
〜0.100wt%, V:0.005 〜0.100wt%, B:0.0005〜0.00
50wt% の1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び不可
避的不純物からなると共に、ミクロビッカース硬さが23
0 以下であり、且つ、該硬さの鋼厚み方向での偏差が40
以下であることを特徴とする耐硫化物割れ性に優れた鋼
である。
【0012】
【作用】本発明は、前述の如く、化学成分(鋼組成)の
調整と、その成分に応じたミクロビッカース硬さ及び該
硬さの鋼厚み方向での偏差の制御とによって、鋼の耐硫
化物割れ性を著しく向上させるものであるので、化学成
分と、ミクロ硬さ及び該硬さの鋼厚み方向での偏差とは
密接不可分の関係にあり、これら両者が相俟って作用を
なすものである。以下、その作用について順次説明す
る。
【0013】請求項1記載の鋼(第1発明)において、
化学成分(鋼組成)を前記の如くしている理由から先ず
説明する。
【0014】Cは、鋼の強度確保のために必要な元素で
あって0.01wt% 以上含有させる必要があるが、0.20wt%
超では溶接性が低下し、従って、かかる鋼の強度及び溶
接性の点から、先ずはC:0.01〜0.20wt% にする必要が
ある。一方、鋼の耐硫化物割れ性を向上して苛酷な湿潤
硫化水素環境下においても耐硫化物割れ性に優れたもの
とするために必要なミクロビッカース硬さ及び該硬さの
鋼厚み方向での偏差は、特にC量と密接不可分の関係が
あり、C:0.10wt% を境にして異なり、従って、かかる
点から、C量は0.10wt% を境にして区別する(C:0.01
〜0.10wt% とC:0.10〜0.20wt% とに分ける)必要があ
る。そこで、第1発明及び第2発明においてはC:0.01
〜0.10wt% とし、他方、第3発明及び第4発明において
はC:0.10〜0.20wt% とした。
【0015】Siは、鋼の脱酸のため0.05wt% 以上添加す
るが、0.60wt% 超では靱性が劣化するので、0.05〜0.60
wt% とする。Mnは、強度確保のため0.50wt% 以上添加す
るが、2.50wt% 超では強度向上の効果が飽和すると共に
溶接性が劣化するので、0.50〜2.50wt% とする。
【0016】Pは、鋼の凝固時最終凝固部に偏析し易い
元素であり、鋼の焼入性が増し硬さの上昇をもたらして
耐硫化物応力割れ性を低下させる作用があり、かかる偏
析部の硬さ上昇による耐硫化物応力割れ性の劣化を抑制
するため、P:0.010wt%以下とする。Sは0.0020wt% 以
上では MnS等の如きA系介在物を生成して耐硫化物応力
割れ性を劣化させるので、0.0020wt% 未満とする必要が
ある。
【0017】Alは、脱酸のため0.005wt%以上添加する
が、0.100wt%超では介在物の形成により靱性が劣化する
ので、0.005 〜0.100wt%とする。
【0018】Tiは、炭窒化物として微細分散して耐硫化
物割れ性の向上に有効な元素であるが、0.005wt%未満で
はその効果がなく、一方0.020wt%超では粗大な炭窒化物
が析出して耐硫化物割れ性が劣化すると共に靱性が劣化
するので、0.005 〜0.020wt%とする。
【0019】Caは MnS等の介在物の形態制御をして耐硫
化物割れ性の向上に有効な元素であり、そのためには0.
0005wt% の添加が必要であるが、0.0050wt% 超では靱性
が劣化するので、0.0005〜0.0050wt% とする必要があ
る。
【0020】第1発明において、鋼の化学成分を以上の
如くすると共に、更にミクロビッカース硬さを250 以
下、且つ、該硬さの鋼厚み方向での偏差を60以下にする
必要がある。これは実験結果に基づくものであって、下
記の如く鋼の耐硫化物割れ性を向上させ、苛酷な湿潤硫
化水素環境下においても良好な耐硫化物応力割れ性及び
耐水素誘起割れ性を有する耐硫化物割れ性に優れた鋼と
するためである。
【0021】即ち、基本的に鋼の硬さと耐硫化物割れ性
とは関係があり、硬さが大きくなると耐硫化物割れ性が
低下する傾向にあり、耐硫化物割れ性の向上には化学成
分の調整と共に硬さの低下が必要である。第1発明での
前記化学成分の場合、硬さがミクロビッカース硬さで25
0 超になると、硫化物応力割れが生じ易いことはもとよ
り、pH:3の如き苛酷な湿潤硫化水素環境下においては
水素誘起割れも発生し、それさえ防止し得なくなるの
で、先ずはこの水素誘起割れの防止のためにミクロビッ
カース硬さを250 以下にする必要がある。ここで、ミク
ロビッカース硬さ:250 以下とは、鋼の各位置での硬さ
がミクロビッカース硬さで250 以下のことをいう。
【0022】しかしながら、ミクロビッカース硬さを25
0 以下にしたとしても、硫化物応力割れの発生を防止で
きるとは限らず、ミクロビッカース硬さの鋼厚み方向で
の偏差が60超になると、pH:3の如き苛酷な湿潤硫化水
素環境下では硫化物応力割れが生じるので、この硫化物
応力割れを防止するためにミクロビッカース硬さを250
以下にすると共に該硬さの鋼厚み方向での偏差を60以下
にする必要がある。ここで、鋼厚み方向とは、鋼が鋼板
である場合にはその板厚方向のことであり、鋼が鋼管で
ある場合にはその肉厚方向のことである。硬さの鋼厚み
方向での偏差とは、鋼厚み方向での硬さ分布における硬
さの最大値と最小値との差をいう。
【0023】上記のことは、前述の如く実験結果に基づ
くものであり、その実験結果の一例として示す図1から
も明らかである。即ち、図1は、第1発明に係る化学成
分を有すると共にミクロビッカース硬さが250 以下であ
る鋼板について、荷重0.1kgで測定されたミクロビッカ
ース硬さHvの鋼板厚み方向(板厚方向)での偏差ΔHv
と、耐硫化物応力割れ性との関係を示すものである。こ
こで、耐硫化物応力割れ性については、試験液としてH2
S を飽和させた0.5%酢酸−5%NaCl溶液(所謂NACE溶液)
を使用し、NACE Standard TM-01-77に準じて引張型SSC
試験を行うことにより、720 時間経過後未破断の場合の
最大付加応力(σ)を求め、このσと鋼板の降伏強度
(σy)との比(σ/σy)を耐硫化物応力割れ性として表
示している。この図1から明らかな如く、ミクロビッカ
ース硬さHvの板厚方向での偏差ΔHvと耐硫化物応力割れ
性(σ/σy)との間には密接な関係があり、ΔHvが60超
ではσ/σy が低いが、ΔHvが60以下ではσ/σy が0.
8 以上であり、耐硫化物応力割れ性に極めて優れてい
る。このようにミクロビッカース硬さの鋼厚み方向での
偏差を制御することにより耐硫化物応力割れ性が向上す
る機構については、未だ明らかではないが、ミクロ硬さ
の鋼厚み方向での偏差が大きな鋼では、外部応力が付加
されると、硬さの低い部分が塑性変形して硫化物応力割
れの起点となり、耐硫化物応力割れ性に劣り、一方、ミ
クロ硬さの鋼厚み方向での偏差が小さい鋼では、かかる
硫化物応力割れの起点が少なくなるために耐硫化物応力
割れ性が向上すると考えられる。
【0024】以上の如く、第1発明(請求項1記載の
鋼)は、鋼の化学成分が調整されるとと共に、ミクロビ
ッカース硬さが250 以下、且つ、該硬さの鋼厚み方向で
の偏差が60以下に制御されているので、耐硫化物割れ性
が向上し、苛酷な湿潤硫化水素環境下においても良好な
耐硫化物応力割れ性及び耐水素誘起割れ性を有する耐硫
化物割れ性に優れた鋼である。
【0025】ところで、鋼成分として更にCu:0.05〜1.
0wt%, Ni:0.05〜1.0wt%, Cr:0.05〜1.0wt%, Mo:0.05
〜1.0wt%, Nb:0.005 〜0.100wt%, V:0.005 〜0.100w
t%,B:0.0005〜0.0050wt% の1種又は2種以上を含有
させると、強度や靱性等をより一層確保し易く、もしく
は向上し得るようになるので、必要に応じて添加するこ
とが好ましい(請求項2記載の鋼:第2発明)。このと
き、添加量を上記の如くしている理由を以下説明する。
【0026】即ち、Cuは、0.05wt% 以上で強度上昇の効
果を発揮するが、1.0wt%超では鋼製造時の熱間加工性が
劣化するので、0.05〜1.0wt%とする。Niは、強度及び靱
性の向上に有効な元素であるが、0.05wt% 未満ではその
効果がなく、1.0wt%超では経済性を損なうので、0.05〜
1.0wt%とする。Cr及びMoは、強度上昇に有効であり、各
々0.05wt% 以上でその効果を発揮するが、1.0wt%超では
溶接性の劣化を招くので、0.05〜1.0wt%とする。Nb及び
Vは、強度上昇に有効であり、各々0.005wt%以上でその
効果を発揮するが、0.100wt%超では溶接性の劣化を招く
ので、0.005 〜0.100wt%とする。Bは、強度上昇に有効
な元素であり、0.0005wt% 以上でその効果を発揮する
が、0.0050wt% 超では靱性の劣化を招くので、0.0005〜
0.0050wt%とする。
【0027】次に、請求項3記載の鋼(第3発明)にお
いて、化学成分(鋼組成)を前記の如くしている理由に
ついては、先ず、Cは前述の通りであり(第1発明での
Cの限定理由と共に記載した通りであり)、C:0.10〜
0.20wt% としている。次に、Si,Mn,P,S,Al, Ti,
Caは、第1発明の場合と同様の理由により、同様の範囲
としている。
【0028】この第3発明において、鋼の化学成分を前
記の如くすると共に、更にミクロビッカース硬さを230
以下、且つ、該硬さの鋼厚み方向での偏差を40以下にす
る必要がある。これは第1発明の場合と同様に実験結果
に基づくものであって、鋼の耐硫化物割れ性を向上さ
せ、苛酷な湿潤硫化水素環境下においても良好な耐硫化
物応力割れ性及び耐水素誘起割れ性を有する耐硫化物割
れ性に優れた鋼とするためであり、その詳細も第1発明
の場合と同様である。但し、第3発明の場合には、第1
発明の場合に比し、C量が高いため、それに応じてミク
ロビッカース硬さ及び該硬さの鋼厚み方向での偏差を上
記の如く低くする必要がある。
【0029】上記のことは、実験結果の一例として示す
図2からも明らかである。即ち、図2は、第3発明に係
る化学成分を有すると共にミクロビッカース硬さが230
以下である鋼板について、ミクロビッカース硬さHv(荷
重0.1kg )の板厚方向での偏差ΔHvと、耐硫化物応力割
れ性(図1の場合と同様の試験により求めたσ/σy)と
の関係を示すものである。この図1からわかる如く、Δ
Hvが40超ではσ/σyが低いが、ΔHvが40以下ではσ/
σy が0.8 以上であり、耐硫化物応力割れ性に極めて優
れている。
【0030】以上の如く、第3発明(請求項3記載の
鋼)は、鋼の化学成分が調整されるとと共に、ミクロビ
ッカース硬さが230 以下、且つ、該硬さの鋼厚み方向で
の偏差が40以下に制御されているので、耐硫化物割れ性
が向上し、苛酷な湿潤硫化水素環境下においても良好な
耐硫化物応力割れ性及び耐水素誘起割れ性を有する耐硫
化物割れ性に優れた鋼である。
【0031】ところで、第3発明に対し、鋼成分として
更にCu:0.05〜1.0wt%, Ni:0.05〜1.0wt%, Cr:0.05〜
1.0wt%, Mo:0.05〜1.0wt%, Nb:0.005 〜0.100wt%,
V:0.005 〜0.100wt%, B:0.0005〜0.0050wt% の1種
又は2種以上を含有させると、強度や靱性等をより一層
確保し易く、もしくは向上し得るようになるので、必要
に応じて添加することが好ましい(請求項4記載の鋼:
第4発明)。このとき、添加量を上記の如くしている理
由は、前述の第2発明(請求項2記載の鋼)の場合と同
様である。
【0032】なお、ミクロビッカース硬さ及び該硬さの
鋼厚み方向での偏差は、ミクロビッカース硬度計で測定
することにより求められる。このとき、測定荷重は基本
的には限定されないが、上記硬さの鋼厚み方向での偏差
を精度よく求めることが望ましく、そのためには鋼厚み
方向での硬さ分布をできるだけ詳細に且つ精度よく求め
る必要があり、その点からすると、本発明に係る鋼の場
合、測定荷重としては0.1kg 程度が適している。
【0033】
【実施例】先ず、表1及び表3に示す化学成分を有する
鋼を溶製、鋳造、熱間圧延して、熱延鋼板(板厚:20m
m)を製造した。次に、これら熱延鋼板の各々につい
て、数個所切断し、その各断面について板厚方向0.2mm
ピッチで、ミクロビッカース硬度計により測定荷重0.1k
g で硬さを測定し、それにより各断面位置での板厚方向
硬さ分布を求めた。そして、この板厚方向硬さ分布よ
り、ミクロビッカース硬さHvの最大値(鋼板の最大硬
さ)Hvmax を求め、また、各断面位置における硬さの板
厚方向での偏差ΔHv(硬さの最大値と最小値との差)を
求め、この偏差の中から最大値(板厚方向硬さ偏差の最
大値)ΔHvmax を求めた。この鋼板の最大硬さHvmax
び板厚方向硬さ偏差の最大値ΔHvmax を表2及び表4に
示す。
【0034】ここで、表1及び3に示す鋼(No.1〜10)
は、表1からわかる如くC量が0.01〜0.10wt% の範囲に
あり、組成的には第1発明又は第2発明に係る組成範囲
内にあるが、表3からわかる如く、No.1〜6 の鋼とNo.7
〜10の鋼とは鋼板の最大硬さHvmax 及び板厚方向硬さ偏
差の最大値ΔHvmax の水準が異なり、前者のNo.1〜6の
鋼は第1発明又は第2発明の実施例に係る鋼であり、後
者のNo.7〜10の鋼は比較例に係る鋼である。尚、No.1〜
6 の鋼の中、No.1〜2 の鋼は第1発明の実施例、No.3〜
6 の鋼は第2発明の実施例に係る鋼である。
【0035】一方、表2及び4に示す鋼(No.11〜21)
は、表2からわかる如くC量が0.10〜0.20wt% の範囲に
あり、組成的には第3発明又は第4発明に係る組成範囲
内にあるが、表4からわかる如く、No.11 〜16の鋼とN
o.17 〜21の鋼とは鋼板の最大硬さHvmax 及び板厚方向
硬さ偏差の最大値ΔHvmax の水準が異なり、前者のNo.1
1〜16の鋼は第3発明又は第4発明の実施例に係る鋼で
あり、後者のNo.17 〜21の鋼は比較例に係る鋼である。
尚、No.11 〜16の鋼の中、No.11 〜12の鋼は第3発明の
実施例、No.13 〜16の鋼は第4発明の実施例に係る鋼で
ある。
【0036】次に、上記熱延鋼板の各々について、上記
硬さ測定位置と同様の位置(硬さ測定された断面と隣接
する硬さ測定位置近傍の位置)から、引張試験片、水素
誘起割れ(HIC)試験片、及び、硫化物応力割れ(SCC)試
験片を採取し、製作した。ここで、水素誘起割れ試験片
は、図3に示す如く試験片長手方向が鋼板圧延方向にな
るように採取し、それを長さ:100mm、幅:20mm 、厚み:1
8 mmの板状試験片に加工して製作したものである。硫化
物応力割れ試験片は、鋼板圧延方向と直角方向に試験片
長手方向がなるように採取し、それを図5に示す如く試
験部直径:6.35mmΦの引張型試験片に加工して製作した
ものである。引張試験片は、硫化物応力割れ試験片と同
様にして製作したものである。
【0037】これら試験片を用いて、引張試験、水素誘
起割れ試験及び硫化物応力割れ試験を行った。ここで、
引張試験は、JIS の方法に準じて室温で行った。硫化物
応力割れ試験は、前記図1(実験結果の一例)の場合に
説明した実験方法と同様の方法により行った。即ち、試
験液としてNACE溶液(試験初期のpH=3)を使用し、NA
CE Standard TM-01-77に準ずる引張型SSC 試験を、付加
応力をパラメータとして行い、720 時間経過後未破断の
場合の最大付加応力(σ)を求め、このσと鋼板の降伏
強度(σy)との比(σ/σy)で耐硫化物応力割れ性を評
価した。一方、水素誘起割れ試験は、試験液として硫化
物応力割れ試験の場合と同様のNACE溶液(試験初期のpH
=3)を使用し、NACE Standard TM-02-84に準じて無付
加状態で水素誘起割れ試験片を上記試験液に96時間浸漬
することにより行い、この浸漬後の試験片について図4
に示す断面位置(顕鏡面)での顕微鏡観察を行って割れ
長さ率(CLR)を測定し、それにより耐水素誘起割れ性を
評価した。尚、割れ長さ率とは、板厚に対する割れ長さ
の割合(百分率)をいう。
【0038】上記試験結果を表2及び表4に示す。尚、
表2に示す試験結果は、表1の化学成分を有する鋼(C
量が0.01〜0.10wt% の範囲内にある鋼)であって、第1
〜2発明に係る鋼及びその比較例に係る鋼についてのも
のであり、一方、表4に示す試験結果は、表2の化学成
分を有する鋼(C量が0.10〜0.20wt% の範囲内にある
鋼)であって、第3〜4発明に係る鋼及びその比較例に
係る鋼についてのものである。
【0039】表2からわかる如く、比較例に係る鋼につ
いては、水素誘起割れ試験での割れ長さ率CLR が0のも
のもあるが、34%のものもあり、耐水素誘起割れ性が必
ずしも充分ではなく、又、硫化物応力割れ試験でのσ/
σy が0.61〜0.77であり、耐硫化物応力割れ性に劣って
いる。これに対し、第1発明及び第2発明に係る鋼は、
水素誘起割れ試験での割れ長さ率CLR が全て0であり、
耐水素誘起割れ性に優れており、又、硫化物応力割れ試
験でのσ/σy が0.84〜0.91であって全て0.8以上であ
り、耐硫化物応力割れ性に優れており、NACE溶液(pH=
3)の如き苛酷な湿潤硫化水素環境下においても良好な
耐硫化物応力割れ性及び耐水素誘起割れ性を有してい
る。
【0040】又、表4からわかる如く、比較例に係る鋼
については、水素誘起割れ試験での割れ長さ率CLR が0
のものもあるが、33%のものもあり、耐水素誘起割れ性
が必ずしも充分ではなく、又、硫化物応力割れ試験での
σ/σy が0.60〜0.68であり、耐硫化物応力割れ性に劣
っている。これに対し、第3発明及び第4発明に係る鋼
は、水素誘起割れ試験での割れ長さ率CLR が全て0であ
り、耐水素誘起割れ性に優れており、又、硫化物応力割
れ試験でのσ/σy が0.84〜0.86であって全て0.8 以上
であり、耐硫化物応力割れ性に優れており、NACE溶液
(pH=3)の如き苛酷な湿潤硫化水素環境下においても
良好な耐硫化物応力割れ性及び耐水素誘起割れ性を有し
ている。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】本発明に係る耐硫化物割れ性に優れた鋼
は、以上の如き構成を有し作用をなすものであって、苛
酷な湿潤硫化水素環境下においても良好な耐硫化物応力
割れ性及び耐水素誘起割れ性を有する耐硫化物割れ性に
優れた鋼であり、従って、湿潤硫化水素環境下等で使用
される機器、構成物等の構成材料として好適に使用し
得、硫化物割れ(水素誘起割れ及び硫化物応力割れ)を
長期間生じることなく、機器、構成物等を使用し得、そ
の寿命を向上し得るようになるという効果を奏するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1発明に係る化学成分を有すると共にミク
ロビッカース硬さHvが250 以下である鋼板についての、
ミクロビッカース硬さの板厚方向での偏差の最大値ΔHv
max (0.1kg) と耐硫化物応力割れ性(σ/σy)との関係
の一例を示す図である。
【図2】 第3発明に係る化学成分を有すると共にミク
ロビッカース硬さHvが230 以下である鋼板についての、
ミクロビッカース硬さの板厚方向での偏差の最大値ΔHv
max (0.1kg) と耐硫化物応力割れ性(σ/σy)との関係
の一例を示す図である。
【図3】 実施例に係る鋼板からの水素誘起割れ試験片
の採取位置を説明する図である。
【図4】 実施例に係る水素誘起割れ試験後の試験片に
ついての検鏡面の位置を説明する図である。
【図5】 実施例に係る硫化物応力割れ試験片の概要を
示す正面断面図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.01〜0.10wt%, Si:0.05〜0.60wt
    %, Mn:0.50〜2.50wt% ,P:0.010wt%以下,S:0.002
    0wt%未満,Al:0.005〜0.100wt%, Ti:0.005〜0.020wt%,
    Ca:0.0005〜0.0050wt% を含有し、残部がFe及び不可
    避的不純物からなると共に、ミクロビッカース硬さが25
    0 以下であり、且つ、該硬さの鋼厚み方向での偏差が60
    以下であることを特徴とする耐硫化物割れ性に優れた
    鋼。
  2. 【請求項2】 C:0.01〜0.10wt%, Si:0.05〜0.60wt
    %, Mn:0.50〜2.50wt% ,P:0.010wt%以下,S:0.002
    0wt%未満,Al:0.005〜0.100wt%, Ti:0.005〜0.020wt%,
    Ca:0.0005〜0.0050wt% を含有し、更に、Cu:0.05〜
    1.0wt%, Ni:0.05〜1.0wt%, Cr:0.05〜1.0wt%, Mo:0.
    05〜1.0wt%, Nb:0.005 〜0.100wt%,V:0.005 〜0.100
    wt%, B:0.0005〜0.0050wt% の1種又は2種以上を含
    有し、残部がFe及び不可避的不純物からなると共に、ミ
    クロビッカース硬さが250 以下であり、且つ、該硬さの
    鋼厚み方向での偏差が60以下であることを特徴とする耐
    硫化物割れ性に優れた鋼。
  3. 【請求項3】 C:0.10〜0.20wt%, Si:0.05〜0.60wt
    %, Mn:0.50〜2.50wt% ,P:0.010wt%以下,S:0.002
    0wt%未満,Al:0.005〜0.100wt%, Ti:0.005〜0.020wt%,
    Ca:0.0005〜0.0050wt% を含有し、残部がFe及び不可
    避的不純物からなると共に、ミクロビッカース硬さが23
    0 以下であり、且つ、該硬さの鋼厚み方向での偏差が40
    以下であることを特徴とする耐硫化物割れ性に優れた
    鋼。
  4. 【請求項4】 C:0.10〜0.20wt%, Si:0.05〜0.60wt
    %, Mn:0.50〜2.50wt% ,P:0.010wt%以下,S:0.002
    0wt%未満,Al:0.005〜0.100wt%, Ti:0.005〜0.020wt%,
    Ca:0.0005〜0.0050wt% を含有し、更に、Cu:0.05〜
    1.0wt%, Ni:0.05〜1.0wt%, Cr:0.05〜1.0wt%, Mo:0.
    05〜1.0wt%, Nb:0.005 〜0.100wt%,V:0.005 〜0.100
    wt%, B:0.0005〜0.0050wt% の1種又は2種以上を含
    有し、残部がFe及び不可避的不純物からなると共に、ミ
    クロビッカース硬さが230 以下であり、且つ、該硬さの
    鋼厚み方向での偏差が40以下であることを特徴とする耐
    硫化物割れ性に優れた鋼。
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JP2013032584A (ja) * 2011-06-30 2013-02-14 Jfe Steel Corp 耐サワー性に優れたラインパイプ用厚肉高強度継目無鋼管およびその製造方法
WO2013094179A1 (ja) 2011-12-22 2013-06-27 Jfeスチール株式会社 耐硫化物応力割れ性に優れた油井用高強度継目無鋼管およびその製造方法

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