JPH0716584B2 - レーザー同位体分離装置 - Google Patents
レーザー同位体分離装置Info
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- JPH0716584B2 JPH0716584B2 JP1202653A JP20265389A JPH0716584B2 JP H0716584 B2 JPH0716584 B2 JP H0716584B2 JP 1202653 A JP1202653 A JP 1202653A JP 20265389 A JP20265389 A JP 20265389A JP H0716584 B2 JPH0716584 B2 JP H0716584B2
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- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J19/00—Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
- B01J19/08—Processes employing the direct application of electric or wave energy, or particle radiation; Apparatus therefor
- B01J19/12—Processes employing the direct application of electric or wave energy, or particle radiation; Apparatus therefor employing electromagnetic waves
- B01J19/121—Coherent waves, e.g. laser beams
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D59/00—Separation of different isotopes of the same chemical element
- B01D59/34—Separation by photochemical methods
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、質量数の異なる同位体の分離装置に関し、特
にレーザー同位体分離装置に関する。
にレーザー同位体分離装置に関する。
例えば、天然のパラジウムには質量数102(1%)、104
(11%)、105(22.2%)、106(27.3%)、108(26.7
%)、110(11.8%)の同位体が含まれている。また、
使用済核燃料を再処理した時の不溶解残渣に含まれてい
るパラジウムには上記の質量数の同位体に加えて、107
のものが例えば18%含まれている。このような白金族元
素の同位体を選択的に分離する有効な方法が望まれてい
る(例えば、質量数107のパラジウムのみが放射性であ
り、これを選択的に取り除ければ、使用済核燃料の再処
理不溶解残渣に含まれているパラジウムを資源として有
効に使用できる)。ところで、同位体を分離する方法と
して、レーザー同位体分離法が知られている。この方法
は、同位体を含む物質をガス化して直線偏光レーザー光
を当て、同位体シフトを用いて注目している同位体だけ
を選択的に励起し、選択励起された原子にさらにレーザ
ー光を当てて電離し、電離した原子を電場、磁場を印加
した電極により中性の他の同位体から分離する方法であ
る。
(11%)、105(22.2%)、106(27.3%)、108(26.7
%)、110(11.8%)の同位体が含まれている。また、
使用済核燃料を再処理した時の不溶解残渣に含まれてい
るパラジウムには上記の質量数の同位体に加えて、107
のものが例えば18%含まれている。このような白金族元
素の同位体を選択的に分離する有効な方法が望まれてい
る(例えば、質量数107のパラジウムのみが放射性であ
り、これを選択的に取り除ければ、使用済核燃料の再処
理不溶解残渣に含まれているパラジウムを資源として有
効に使用できる)。ところで、同位体を分離する方法と
して、レーザー同位体分離法が知られている。この方法
は、同位体を含む物質をガス化して直線偏光レーザー光
を当て、同位体シフトを用いて注目している同位体だけ
を選択的に励起し、選択励起された原子にさらにレーザ
ー光を当てて電離し、電離した原子を電場、磁場を印加
した電極により中性の他の同位体から分離する方法であ
る。
ウランを例にとって、従来のレーザー同位体分離法の原
理を説明する。第8図に示す概念図において、基底準位
にあるウラン235と238にλ1(〜591nm)の直線偏光レ
ーザー光を当てると、同位体シフト(280ミリcm-1)の
ためにウラン235のみが光を吸収して第1の中間励起準
位へ励起され、ウラン238は光を吸収せず励起されな
い。ウラン235にはさらにλ2(〜563nm)の直線偏光レ
ーザー光が当てられ、この中間準位から第2の中間励起
準位へ励起され、さらに第3の光(λ3=625nm)によ
りイオン化ポテンシャル(I.P.)以に励起されて電離す
る。他方、ウラン238は何ら励起されないままであるか
ら、イオン化されたウン235と中性のウラン238が混じっ
ているガスを電場、磁場を印加した電極により、一方を
他方から分離することができる。
理を説明する。第8図に示す概念図において、基底準位
にあるウラン235と238にλ1(〜591nm)の直線偏光レ
ーザー光を当てると、同位体シフト(280ミリcm-1)の
ためにウラン235のみが光を吸収して第1の中間励起準
位へ励起され、ウラン238は光を吸収せず励起されな
い。ウラン235にはさらにλ2(〜563nm)の直線偏光レ
ーザー光が当てられ、この中間準位から第2の中間励起
準位へ励起され、さらに第3の光(λ3=625nm)によ
りイオン化ポテンシャル(I.P.)以に励起されて電離す
る。他方、ウラン238は何ら励起されないままであるか
ら、イオン化されたウン235と中性のウラン238が混じっ
ているガスを電場、磁場を印加した電極により、一方を
他方から分離することができる。
ところで、同位体シフトは、第5図のグラフに示すよう
に、元素の質量数に依存していることが知られている。
質量数100前後を底にして、質量数が大きくなれば原子
の体積効果により同位体シフトは増大し、また、質量数
が小さくなれば原子の質量効果により同位体シフトは増
大する。このグラフから明らかなように、例えば質量数
102ないし110のパラジウム近辺にあっては、同位体シフ
トは極めて小さく、具体的には、8ミリcm-1程度しかな
い。これに対して、レーザー光の線幅は30ミリcm-1程度
であるので、上記した第8図の方法を質量数100前後の
元素に適用すると、同位体シフトがレーザー光の線幅よ
り小さいので、選択的に同位体を励起することができな
い。
に、元素の質量数に依存していることが知られている。
質量数100前後を底にして、質量数が大きくなれば原子
の体積効果により同位体シフトは増大し、また、質量数
が小さくなれば原子の質量効果により同位体シフトは増
大する。このグラフから明らかなように、例えば質量数
102ないし110のパラジウム近辺にあっては、同位体シフ
トは極めて小さく、具体的には、8ミリcm-1程度しかな
い。これに対して、レーザー光の線幅は30ミリcm-1程度
であるので、上記した第8図の方法を質量数100前後の
元素に適用すると、同位体シフトがレーザー光の線幅よ
り小さいので、選択的に同位体を励起することができな
い。
したがって、本発明の目的は、上記した従来のレーザー
同位体分離法の欠点を解決した新規なレーザー同位体分
離装置であって、特に同位体シフトがレーザー光の線幅
程度かそれよりも小さい同位体のためのレーザー同位体
分離装置を提供することである。
同位体分離法の欠点を解決した新規なレーザー同位体分
離装置であって、特に同位体シフトがレーザー光の線幅
程度かそれよりも小さい同位体のためのレーザー同位体
分離装置を提供することである。
本発明のレーザー同位体分離装置は、同位体シフトがレ
ーザー光の発振線幅程度かそれよりも小さい同位体のた
めのレーザー同位体分離装置であって、同位体を含む物
質をガス化して第1の波長のレーザー光を照射して特定
の質量数の同位体のみ又は全ての同位体を第1の励起準
位へ励起し、さらに第2の波長のレーザー光を照射して
第1の波長のレーザー光によって励起された同位体の全
て又は特定の質量数の同位体のみを第2の励起準位へ励
起し、さらに、第3の波長のレーザー光を照射して第2
励起準位にある同位体を電離し、電離した同位体を電
場、磁場を印加した電極により中性の他の同位体から分
離するレーザー同位体分離装置において、同一ポンピン
グ光源からの光により異なる2以上のレーザーをポンピ
ングするように構成し、各レーザーの中の少なくとも1
つからのレーザー光を非線形光学効果によって波長を変
換するように構成し、得られた2以上の波長の光のうち
前記第1の波長のレーザー光を円偏光変換器により右又
は左廻り円偏光に変換するように構成し、前記第2の波
長のレーザー光を円偏光変換器により右又は左廻り円偏
光に変換するように構成し、両者の光路長を光遅延回路
により一致させるように構成し、さらに、前記第1の円
偏光レーザー光と前記第2の円偏光レーザー光とを反対
方向からガス化した同位体を含む物質に照射するように
構成したことを特徴とするものである。
ーザー光の発振線幅程度かそれよりも小さい同位体のた
めのレーザー同位体分離装置であって、同位体を含む物
質をガス化して第1の波長のレーザー光を照射して特定
の質量数の同位体のみ又は全ての同位体を第1の励起準
位へ励起し、さらに第2の波長のレーザー光を照射して
第1の波長のレーザー光によって励起された同位体の全
て又は特定の質量数の同位体のみを第2の励起準位へ励
起し、さらに、第3の波長のレーザー光を照射して第2
励起準位にある同位体を電離し、電離した同位体を電
場、磁場を印加した電極により中性の他の同位体から分
離するレーザー同位体分離装置において、同一ポンピン
グ光源からの光により異なる2以上のレーザーをポンピ
ングするように構成し、各レーザーの中の少なくとも1
つからのレーザー光を非線形光学効果によって波長を変
換するように構成し、得られた2以上の波長の光のうち
前記第1の波長のレーザー光を円偏光変換器により右又
は左廻り円偏光に変換するように構成し、前記第2の波
長のレーザー光を円偏光変換器により右又は左廻り円偏
光に変換するように構成し、両者の光路長を光遅延回路
により一致させるように構成し、さらに、前記第1の円
偏光レーザー光と前記第2の円偏光レーザー光とを反対
方向からガス化した同位体を含む物質に照射するように
構成したことを特徴とするものである。
この装置は、第3の波長のレーザー光を同一ポンピング
光源からの光によってポンピングされた第1及び第2の
レーザーとは別の第3のレーザーによって発生させるよ
うに構成することが、望ましい。
光源からの光によってポンピングされた第1及び第2の
レーザーとは別の第3のレーザーによって発生させるよ
うに構成することが、望ましい。
また、分離される同位体中の異なる質量数の同位体をさ
らに相互に分離する場合には、発振線幅がこれらの同位
体間の同位体シフトより狭いリング色素レーザーからの
レーザー光を前記2以上のレーザーの中の1つによって
増幅し、この光を非線形光学効果によって波長を変換す
るか又はしないで前記第1又は第2の波長のレーザー光
とするように構成することが望ましい。
らに相互に分離する場合には、発振線幅がこれらの同位
体間の同位体シフトより狭いリング色素レーザーからの
レーザー光を前記2以上のレーザーの中の1つによって
増幅し、この光を非線形光学効果によって波長を変換す
るか又はしないで前記第1又は第2の波長のレーザー光
とするように構成することが望ましい。
この装置は、同位体を含む物質としてパラジウムに適用
でき、その場合、第2の波長のレーザー光が第3の波長
のレーザー光を兼ねているようにすることができ、さら
に具体的には、同一ポンピング光源が波長1064nmの光を
発するパルス動作YAGレーザーであり、非線形光学素子
により1/2の波長の532nmに変換して第1のレーザーをポ
ンピングし、第1のレーザーから波長552.6nmの光を発
振させて、この光を非線形光学効果によって1/2の波長
の276.3nmの光に変換して第1の波長のレーザー光と
し、前記パルス動作YAGレーザーからのレーザー光を非
線形光学素子により1/3の波長の355nmに変換して第2の
レーザーをポンピングし、第2のレーザーから波長521n
mの光を発振させて第2及び第3の波長のレーザー光と
するように構成することができる。
でき、その場合、第2の波長のレーザー光が第3の波長
のレーザー光を兼ねているようにすることができ、さら
に具体的には、同一ポンピング光源が波長1064nmの光を
発するパルス動作YAGレーザーであり、非線形光学素子
により1/2の波長の532nmに変換して第1のレーザーをポ
ンピングし、第1のレーザーから波長552.6nmの光を発
振させて、この光を非線形光学効果によって1/2の波長
の276.3nmの光に変換して第1の波長のレーザー光と
し、前記パルス動作YAGレーザーからのレーザー光を非
線形光学素子により1/3の波長の355nmに変換して第2の
レーザーをポンピングし、第2のレーザーから波長521n
mの光を発振させて第2及び第3の波長のレーザー光と
するように構成することができる。
また、本発明のレーザー同位体分離装置は、同位体を含
む物質がMg、Ca、Zn、Sr、Cd、Ba、Hg、Yb、C、Si、G
e、Sn、Sm、Pb、Puのいずれかである場合にも適用でき
る。
む物質がMg、Ca、Zn、Sr、Cd、Ba、Hg、Yb、C、Si、G
e、Sn、Sm、Pb、Puのいずれかである場合にも適用でき
る。
本発明のレーザー同位体分離装置は、同位体を第1又は
2の励起準位へ選択的に励起するのに円偏光を利用して
いる。同位体シフトがレーザー光の線幅程度かそれより
も小さい同位体であっても、同位体の質量数(又は、核
スピンがゼロでないものとゼロのもの)により、量子力
学の角運動量選択則によって円偏光を吸収して励起され
るものとされないものが存在するので、選択的に電離で
き、分離できる。このような角運動量選択則に基づく選
択励起及び電離を3段階の励起により行い、3つの励起
波長を同一ポンピング光源からの光によりポンピングさ
れる2以上のレーザーから発生させ、かつ、それらの光
路長を光遅延回路により一致させるように構成したの
で、レーザー光線がパルス動作するものであっても、選
択励起、電離を行わせることができる。また、第1の円
偏光レーザー光と第2の円偏光レーザー光とを反対方向
からガス化した同位体を含む物質に照射するように構成
したので、動いている原子のドップラー効果がベクトル
的に相殺する方向に作用し、分離効率が向上するととも
に、両方の光を前もって光学的に重ね合わせておく必要
がなく、効率的に円偏光した光を利用できる。
2の励起準位へ選択的に励起するのに円偏光を利用して
いる。同位体シフトがレーザー光の線幅程度かそれより
も小さい同位体であっても、同位体の質量数(又は、核
スピンがゼロでないものとゼロのもの)により、量子力
学の角運動量選択則によって円偏光を吸収して励起され
るものとされないものが存在するので、選択的に電離で
き、分離できる。このような角運動量選択則に基づく選
択励起及び電離を3段階の励起により行い、3つの励起
波長を同一ポンピング光源からの光によりポンピングさ
れる2以上のレーザーから発生させ、かつ、それらの光
路長を光遅延回路により一致させるように構成したの
で、レーザー光線がパルス動作するものであっても、選
択励起、電離を行わせることができる。また、第1の円
偏光レーザー光と第2の円偏光レーザー光とを反対方向
からガス化した同位体を含む物質に照射するように構成
したので、動いている原子のドップラー効果がベクトル
的に相殺する方向に作用し、分離効率が向上するととも
に、両方の光を前もって光学的に重ね合わせておく必要
がなく、効率的に円偏光した光を利用できる。
本発明の実施例を説明する前に、本発明のレーザー同位
体分離装置の同位体分離原理を説明する。本発明におい
て利用する原理は、角運動量選択則を利用したレーザー
同位体分離法であり、円偏光させた光の吸収に対する原
子の角運動選択則を利用したものである。例えばパラジ
ウムを例にとって説明すると、そのエネルギー準位に付
与される角運動量量子数の状態を模式的に示す第2図に
おいて、偶数質量数のパラジウム102、104、106、108、
110は、核スピンIがゼロであるため、エネルギー準位
に超数細構造がなく、第1の中間励起準位における全角
運動量量子数Mは1であり、第2の中間励起準位におけ
る全角運動量量子数Mも1である。このような準位間で
は、円偏光が入射したときに遷移は起こらない。すなわ
ち、左廻り円偏光が入射する場合全角運動量量子数の変
化ΔMが+1、右廻り円偏光が入射する場合全角運動量
量子数の変化ΔMが−1であるようなエネルギー準位間
でのみ遷移が起こるということが量子力学の角運動量選
択則から導かれる。ところが、M=1とM=1の準位間
では全角運動量量子数の変化はないから、円偏光を吸収
して励起が起こることはない。他方、奇数質量数のパラ
ジウム105、107は、核スピンIが5/2であってゼロでな
いため、核スピンが原子のエネルギー状態に影響を与
え、エネルギー準位に図示のような複雑な超微細構造が
生じる。そして、左廻り円偏光を入射させたとき、図示
の矢印の準位間でΔM=+1の全角運動量量子数の変化
が起こり、遷移が起きて励起される。したがって、パラ
ジウム102、104、105、106、107、108、110が混じって
いるがガスに適当な左廻り円偏光を照射することによ
り、パラジウム105、107を選択的にイオン化することが
でき、イオン化したものを電場、磁場を印加した電極に
より分離できる。
体分離装置の同位体分離原理を説明する。本発明におい
て利用する原理は、角運動量選択則を利用したレーザー
同位体分離法であり、円偏光させた光の吸収に対する原
子の角運動選択則を利用したものである。例えばパラジ
ウムを例にとって説明すると、そのエネルギー準位に付
与される角運動量量子数の状態を模式的に示す第2図に
おいて、偶数質量数のパラジウム102、104、106、108、
110は、核スピンIがゼロであるため、エネルギー準位
に超数細構造がなく、第1の中間励起準位における全角
運動量量子数Mは1であり、第2の中間励起準位におけ
る全角運動量量子数Mも1である。このような準位間で
は、円偏光が入射したときに遷移は起こらない。すなわ
ち、左廻り円偏光が入射する場合全角運動量量子数の変
化ΔMが+1、右廻り円偏光が入射する場合全角運動量
量子数の変化ΔMが−1であるようなエネルギー準位間
でのみ遷移が起こるということが量子力学の角運動量選
択則から導かれる。ところが、M=1とM=1の準位間
では全角運動量量子数の変化はないから、円偏光を吸収
して励起が起こることはない。他方、奇数質量数のパラ
ジウム105、107は、核スピンIが5/2であってゼロでな
いため、核スピンが原子のエネルギー状態に影響を与
え、エネルギー準位に図示のような複雑な超微細構造が
生じる。そして、左廻り円偏光を入射させたとき、図示
の矢印の準位間でΔM=+1の全角運動量量子数の変化
が起こり、遷移が起きて励起される。したがって、パラ
ジウム102、104、105、106、107、108、110が混じって
いるがガスに適当な左廻り円偏光を照射することによ
り、パラジウム105、107を選択的にイオン化することが
でき、イオン化したものを電場、磁場を印加した電極に
より分離できる。
以上の原理に従ったパラジウムのレーザー同位体分離法
は、第3図の概念図のようになる。すなわち、基底準位
にある奇数質量数のパラジウム105、107グループ、及
び、偶数質量数のパラジウム102、104、106、108、110
グループに波長λ1(〜276nm)の左廻り円偏光の第1
選択励起用レーザー光を当てると、両グループの原子何
れも第1の中間励起準位へ励起される。励起された両グ
ループの原子に波長λ2(〜521nm)の左廻り円偏光の
第2選択励起用レーザー光を当てると、第2図に示した
原理に従って奇数質量数のグループのみが光を吸収して
第2の中間励起準位へ励起され、偶数質量数のグループ
のパラジウムは光を吸収せず第2の中間励起準位へ励起
されない。奇数質量数のグループのパラジウムにはさら
にλ3(〜521nm)の左廻り円偏光の電離用レーザー光
が当てられ(この光は必ずしも円偏光である必要はな
い。)、イオン化ポテンシャル(I.P.)以上に励起され
て電離する。他方、偶数質量数のグループのパラジウム
は何ら励起されないままであるから、イオン化されたパ
ラジウム105、107が中性のパラジウム102、104、106、1
08、110に混じっているガスを電場、磁場を印加した電
極により、一方を他方から分離することができる。
は、第3図の概念図のようになる。すなわち、基底準位
にある奇数質量数のパラジウム105、107グループ、及
び、偶数質量数のパラジウム102、104、106、108、110
グループに波長λ1(〜276nm)の左廻り円偏光の第1
選択励起用レーザー光を当てると、両グループの原子何
れも第1の中間励起準位へ励起される。励起された両グ
ループの原子に波長λ2(〜521nm)の左廻り円偏光の
第2選択励起用レーザー光を当てると、第2図に示した
原理に従って奇数質量数のグループのみが光を吸収して
第2の中間励起準位へ励起され、偶数質量数のグループ
のパラジウムは光を吸収せず第2の中間励起準位へ励起
されない。奇数質量数のグループのパラジウムにはさら
にλ3(〜521nm)の左廻り円偏光の電離用レーザー光
が当てられ(この光は必ずしも円偏光である必要はな
い。)、イオン化ポテンシャル(I.P.)以上に励起され
て電離する。他方、偶数質量数のグループのパラジウム
は何ら励起されないままであるから、イオン化されたパ
ラジウム105、107が中性のパラジウム102、104、106、1
08、110に混じっているガスを電場、磁場を印加した電
極により、一方を他方から分離することができる。
第1図に、第3図のレーザーパラジウム同位体分離法を
実現するための本発明によるレーザー同位体分離装置の
1実施例の光路図を示してある。この装置は、主として
真空チャンバー1、坩堝2、排気装置3、入射窓4、YA
Gレーザー5、色素レーザー6、第二高調波発生結晶
7、円偏光発生器9、色素レーザー10、円偏光発生器1
1、オプティカルディレー12から成っており、真空チャ
ンバー1内の坩堝2に天然パラジウム試料又は使用済核
燃料の再処理不溶解残渣より回収されたパラジウム試料
を入れて、排気装置3により真空チャンバー1内を真空
にする。図示しない電子ビーム発生装置により斜め上方
より試料に電子ビームを当て、真空チャンバー1内にパ
ラジウムの蒸気を発生させる。真空チャンバー1には対
抗する側面に入射窓4、4′が設けられ、レーザー光が
入射するようになっている。後記するように、入射窓
4、4′を通して円偏光を導入するので、円偏光を効率
よく、また円偏光を損なうことなく真空チャンバー1内
に導くために、入射窓4、4′は、レーザー光の入射方
向に対して80゜の角度をなすように配置してある。とこ
ろで、レーザー光は、ポンピング用のパルス動作YAGレ
ーザー5によって色素レーザー6及び10をポンピングす
ることにより、第1選択励起用レーザー光及び第2選択
励起用レーザー光を同期して発生させる。このように、
同一ポンピング光源からの光により異なる2以上のレー
ザーをポンピングするようにすると、異なる2以上のレ
ーザーから励起用の2つ以上のレーザー光を同期して発
生させることができ、ポンピング光源がパルス動作をす
るものであっても選択励起、電離を確実に効率良く行う
ことができる。まず、第3図の波長λ1のレーザー光を
発生させるために、YAGレーザー5から出る波長1064nm
の光を、図示していない非線形光学素子により1/2の波
長の532nmにし(振動数を2倍にする。)、この光で色
素レーザー6をポンピングしてこれから波長552.6nmの
光を発射させる。この光をさらに第二高調波発生結晶7
に入射して1/2の波長の276.3nm(λ1)の光を出す。こ
のように、各レーザーの中の少なくとも1つからのレー
ザー光を非線形光学効果によって波長を変換するように
すると、選択励起、電離のための所望の波長のレーザー
光が容易に得られる。分光プリズム8にて不要な波長の
光を取り除き、1/4波長板から円偏光発生器9にて左廻
り円偏光にし、入射窓4を経て試料の蒸気に第1選択励
起用レーザー光として照射し、第1中間励起準位へ励起
する。また、第3図の波長λ2のレーザー光を発生させ
るために、YAGレーザー5から出る波長1064nmの光を図
示していない非線形光学素子により1/3の波長の355nmに
し(振動数を3倍にする。)、この光で色素レーザー10
をポンピングしてこれから波長521nmの光を発射させ
る。この光を1/4波長板からなる円偏光発生器11にて左
廻り円偏光にし、反射鏡M14〜M17からなりM15、M16の位
置が図の矢符方向へ調節可能なオプティカルディレー12
を経て、第1選択励起用レーザー光(λ1)とほぼ同時
に(励起状態にある間にその上の励起状態に持って行く
必要がある。)試料を照射するように光路長を合わせ
て、入射窓4′を経て試料の蒸気に第2選択励起用レー
ザー光として照射し、奇数質量数のパラジウム105、107
のみを選択的に第2中間励起準位へ励起する。
実現するための本発明によるレーザー同位体分離装置の
1実施例の光路図を示してある。この装置は、主として
真空チャンバー1、坩堝2、排気装置3、入射窓4、YA
Gレーザー5、色素レーザー6、第二高調波発生結晶
7、円偏光発生器9、色素レーザー10、円偏光発生器1
1、オプティカルディレー12から成っており、真空チャ
ンバー1内の坩堝2に天然パラジウム試料又は使用済核
燃料の再処理不溶解残渣より回収されたパラジウム試料
を入れて、排気装置3により真空チャンバー1内を真空
にする。図示しない電子ビーム発生装置により斜め上方
より試料に電子ビームを当て、真空チャンバー1内にパ
ラジウムの蒸気を発生させる。真空チャンバー1には対
抗する側面に入射窓4、4′が設けられ、レーザー光が
入射するようになっている。後記するように、入射窓
4、4′を通して円偏光を導入するので、円偏光を効率
よく、また円偏光を損なうことなく真空チャンバー1内
に導くために、入射窓4、4′は、レーザー光の入射方
向に対して80゜の角度をなすように配置してある。とこ
ろで、レーザー光は、ポンピング用のパルス動作YAGレ
ーザー5によって色素レーザー6及び10をポンピングす
ることにより、第1選択励起用レーザー光及び第2選択
励起用レーザー光を同期して発生させる。このように、
同一ポンピング光源からの光により異なる2以上のレー
ザーをポンピングするようにすると、異なる2以上のレ
ーザーから励起用の2つ以上のレーザー光を同期して発
生させることができ、ポンピング光源がパルス動作をす
るものであっても選択励起、電離を確実に効率良く行う
ことができる。まず、第3図の波長λ1のレーザー光を
発生させるために、YAGレーザー5から出る波長1064nm
の光を、図示していない非線形光学素子により1/2の波
長の532nmにし(振動数を2倍にする。)、この光で色
素レーザー6をポンピングしてこれから波長552.6nmの
光を発射させる。この光をさらに第二高調波発生結晶7
に入射して1/2の波長の276.3nm(λ1)の光を出す。こ
のように、各レーザーの中の少なくとも1つからのレー
ザー光を非線形光学効果によって波長を変換するように
すると、選択励起、電離のための所望の波長のレーザー
光が容易に得られる。分光プリズム8にて不要な波長の
光を取り除き、1/4波長板から円偏光発生器9にて左廻
り円偏光にし、入射窓4を経て試料の蒸気に第1選択励
起用レーザー光として照射し、第1中間励起準位へ励起
する。また、第3図の波長λ2のレーザー光を発生させ
るために、YAGレーザー5から出る波長1064nmの光を図
示していない非線形光学素子により1/3の波長の355nmに
し(振動数を3倍にする。)、この光で色素レーザー10
をポンピングしてこれから波長521nmの光を発射させ
る。この光を1/4波長板からなる円偏光発生器11にて左
廻り円偏光にし、反射鏡M14〜M17からなりM15、M16の位
置が図の矢符方向へ調節可能なオプティカルディレー12
を経て、第1選択励起用レーザー光(λ1)とほぼ同時
に(励起状態にある間にその上の励起状態に持って行く
必要がある。)試料を照射するように光路長を合わせ
て、入射窓4′を経て試料の蒸気に第2選択励起用レー
ザー光として照射し、奇数質量数のパラジウム105、107
のみを選択的に第2中間励起準位へ励起する。
このように、両者の光路長を光遅延回路(オプティカデ
ィレー)により一致させるようにすると、2つのレーザ
ー光をほぼ同時に試料を照射するようにすることがで
き、ポンピング光源がパルス動作をするものであっても
選択励起、電離を確実に効率良く行うことができる。
ィレー)により一致させるようにすると、2つのレーザ
ー光をほぼ同時に試料を照射するようにすることがで
き、ポンピング光源がパルス動作をするものであっても
選択励起、電離を確実に効率良く行うことができる。
この波長λ2のレーザー光は第3図の波長λ3の電離用
レーザー光も兼ねており、第2中間励起準位へ励起され
た奇数質量数のパラジウムはこの励起に引き続いて同時
に電離される。イオン化された質量数105、107のパラジ
ウムは、イオン化されていない偶数質量数のパラジウム
から図示していない電場、磁場を印加した電極により分
離される。
レーザー光も兼ねており、第2中間励起準位へ励起され
た奇数質量数のパラジウムはこの励起に引き続いて同時
に電離される。イオン化された質量数105、107のパラジ
ウムは、イオン化されていない偶数質量数のパラジウム
から図示していない電場、磁場を印加した電極により分
離される。
なお、挿脱可能な反射鏡M9、M7を介する波長λ2の光路
は、第2選択励起用レーザー光を波長λ1の第1選択励
起用レーザー光と同じ方向から入射させるための実験的
な光路であり、必ずしも必要なものではない。このよう
な光路を選択して、第1選択励起用レーザー光と第2選
択励起用レーザー光とを同じ方向から入射させると、動
いている原子のドップラー効果がベクトル的に重畳して
作用し、分離効率が低下するが、本発明のように、第1
選択励起用レーザー光と第2選択励起用レーザー光とを
完全に反対の方向から入射させると、動いている原子の
ドップラー効果がベクトル的に相殺する方向に作用し、
分離効率が向上する。また、本発明のように、円偏光し
た第1選択励起用レーザー光と第2選択励起用レーザー
光とを反対の方向から入射させるようにすると、両方の
光を光学的に前もって重ね合わせておく必要がなく極め
て有利である。円偏光した2つの光をロスなく効率的に
かつ偏光状態に影響を与えないで重ね合わせることは、
実際上不可能であるが、本発明のような配置を採ると、
この問題も解決できる。この点は本発明の1つの特徴で
ある。第1選択励起用レーザー光と第2選択励起用レー
ザー光とは、交差角が完全に0゜、すなわち全く同軸に
反対方向から入射させることが望ましいが、少なくとも
交差角が1゜以下になるように調整する必要がある。
は、第2選択励起用レーザー光を波長λ1の第1選択励
起用レーザー光と同じ方向から入射させるための実験的
な光路であり、必ずしも必要なものではない。このよう
な光路を選択して、第1選択励起用レーザー光と第2選
択励起用レーザー光とを同じ方向から入射させると、動
いている原子のドップラー効果がベクトル的に重畳して
作用し、分離効率が低下するが、本発明のように、第1
選択励起用レーザー光と第2選択励起用レーザー光とを
完全に反対の方向から入射させると、動いている原子の
ドップラー効果がベクトル的に相殺する方向に作用し、
分離効率が向上する。また、本発明のように、円偏光し
た第1選択励起用レーザー光と第2選択励起用レーザー
光とを反対の方向から入射させるようにすると、両方の
光を光学的に前もって重ね合わせておく必要がなく極め
て有利である。円偏光した2つの光をロスなく効率的に
かつ偏光状態に影響を与えないで重ね合わせることは、
実際上不可能であるが、本発明のような配置を採ると、
この問題も解決できる。この点は本発明の1つの特徴で
ある。第1選択励起用レーザー光と第2選択励起用レー
ザー光とは、交差角が完全に0゜、すなわち全く同軸に
反対方向から入射させることが望ましいが、少なくとも
交差角が1゜以下になるように調整する必要がある。
また、第1図中、半透鏡M10、固定反射鏡M11、M13、半
透鏡M12を経るバイパス光路15は、電離用レーザー光
(λ3)を円偏光させないで照射する場合に用いるもの
であり、必ずしも必要なものではない。さらに、アルゴ
ンイオンレーザー16、リングダイレーザー17、挿脱可能
な反射鏡M4、M5、固定反射鏡M6、M8からなる光路は、第
2図の励起準位の超微細構造を調べる実験目的のもの
で、必ずしも必要なものではない。なお、図中M1、M2、
M3、M18は固定ないし挿脱可能反射鏡であり、符号13で
示したものは各レーザーの制御装置である。
透鏡M12を経るバイパス光路15は、電離用レーザー光
(λ3)を円偏光させないで照射する場合に用いるもの
であり、必ずしも必要なものではない。さらに、アルゴ
ンイオンレーザー16、リングダイレーザー17、挿脱可能
な反射鏡M4、M5、固定反射鏡M6、M8からなる光路は、第
2図の励起準位の超微細構造を調べる実験目的のもの
で、必ずしも必要なものではない。なお、図中M1、M2、
M3、M18は固定ないし挿脱可能反射鏡であり、符号13で
示したものは各レーザーの制御装置である。
このようなレーザー同位体分離装置によって天然パラジ
ウム同位体を分離した結果を第4図に示す。分離のため
の条件は次の通りである。
ウム同位体を分離した結果を第4図に示す。分離のため
の条件は次の通りである。
パラジウムの坩堝容積3cc、勘熱電子銃のエミッション
電流は100mA、パラジウムの蒸発面温度は1850゜Kであ
り、5mm×20mmのコリメーター孔を通してその蒸気を平
行にした。そのレーザー光照射部における原子数密度は
6.3×109個/cm3であった。さらに、波長λ1のレーザー
光は、波長276.3nm、パルス幅10nsec、繰り返し数10H
z、ビーム径3mmφ、出力密度64W/cm2であり、波長λ2
のレーザー光は、波長521nm、パルス幅10nsec、繰り返
し数10Hz、ビーム径3mmφ、出力密度375kW/cm2であっ
た。
電流は100mA、パラジウムの蒸発面温度は1850゜Kであ
り、5mm×20mmのコリメーター孔を通してその蒸気を平
行にした。そのレーザー光照射部における原子数密度は
6.3×109個/cm3であった。さらに、波長λ1のレーザー
光は、波長276.3nm、パルス幅10nsec、繰り返し数10H
z、ビーム径3mmφ、出力密度64W/cm2であり、波長λ2
のレーザー光は、波長521nm、パルス幅10nsec、繰り返
し数10Hz、ビーム径3mmφ、出力密度375kW/cm2であっ
た。
第4図から明らかなように、パラジウム105(天然には
パラジウム107は存在しない。)の濃度は著しく向上す
る。この分離操作を繰り返すことにより、パラジウム10
5の濃度はさらに向上できる。
パラジウム107は存在しない。)の濃度は著しく向上す
る。この分離操作を繰り返すことにより、パラジウム10
5の濃度はさらに向上できる。
第1図の装置によって、例えば使用済核燃料の再処理不
溶解残渣により回収されたパラジウムに含まれているパ
ラジウム105と107とを相互に分離する必要が生じる。こ
れらの間の同位体シフトは8ミリcm-1程度であり、一
方、例えばアルゴンイオンレーザー励起のリング色素レ
ーザーの発振線幅は1ミリcm-1程度であり、上記同位体
シフトより狭いので、核スピンがゼロでないパラジウム
105、107のうちの、107のみを選択的に励起できる。し
たがって、この場合、第6図に示すように、第1図のも
のにアルコンイオンレーザー励起のリング色素レーザー
18を追加し、このリング色素レーザー18からの光をシー
ド光として色素レーザー6に入射すると、リング色素レ
ーザー18からの光は増幅されるとともに、YAGレーザー
5がパルス的に発振して色素レーザー6をポンピングし
ているため、色素レーザー6で増幅された光はパルス化
しており、この光はその後に円偏光発生器9にて左廻り
円偏光に変換され、この光にて励起すると、パラジウム
107を選択的に励起するこができ、パラジウム105と107
とを効率的に分離することができる。
溶解残渣により回収されたパラジウムに含まれているパ
ラジウム105と107とを相互に分離する必要が生じる。こ
れらの間の同位体シフトは8ミリcm-1程度であり、一
方、例えばアルゴンイオンレーザー励起のリング色素レ
ーザーの発振線幅は1ミリcm-1程度であり、上記同位体
シフトより狭いので、核スピンがゼロでないパラジウム
105、107のうちの、107のみを選択的に励起できる。し
たがって、この場合、第6図に示すように、第1図のも
のにアルコンイオンレーザー励起のリング色素レーザー
18を追加し、このリング色素レーザー18からの光をシー
ド光として色素レーザー6に入射すると、リング色素レ
ーザー18からの光は増幅されるとともに、YAGレーザー
5がパルス的に発振して色素レーザー6をポンピングし
ているため、色素レーザー6で増幅された光はパルス化
しており、この光はその後に円偏光発生器9にて左廻り
円偏光に変換され、この光にて励起すると、パラジウム
107を選択的に励起するこができ、パラジウム105と107
とを効率的に分離することができる。
ところで、第1図の装置の場合は、第2の波長のレーザ
ー光が電離用のレーザー光を兼ねている2波長3段階方
式を実施するものであったが、このような2波長3段階
方式によっては電離の効率が悪くなるものがある。この
ような場合には、第7図に示すように、電離用の第3の
レーザー19を付加して、ポンピング用のパルス動作レー
ザー5によってこの第3のレーザー19をポンピングする
ことにより、電離用のレーザー光を第2の波長のレーザ
ー光とは波長及び強度において独立にかつ同期して発生
させるようにすればよい。この場合、電離用のレーザー
光は円偏光である必要はないので、第2の波長のレーザ
ー光と電離用のレーザー光が円偏光発生器11に入る前
に、偏光ビーム結合器20を用いて、両者の直線偏光を相
互に偏光面が90゜異なるようにして結合させ、その後に
円偏光発生器11を通して、第2の波長のレーザー光のみ
を円偏光に変換するようにすればよい(円偏光発生器11
を構成する1/4波長板は、2つの波長が十分に離れてい
れば、一方のみを円偏光に変換するようにすることがで
きる)。なお、図中M19は固定半透鏡、M20、M21は固定
反射鏡である。
ー光が電離用のレーザー光を兼ねている2波長3段階方
式を実施するものであったが、このような2波長3段階
方式によっては電離の効率が悪くなるものがある。この
ような場合には、第7図に示すように、電離用の第3の
レーザー19を付加して、ポンピング用のパルス動作レー
ザー5によってこの第3のレーザー19をポンピングする
ことにより、電離用のレーザー光を第2の波長のレーザ
ー光とは波長及び強度において独立にかつ同期して発生
させるようにすればよい。この場合、電離用のレーザー
光は円偏光である必要はないので、第2の波長のレーザ
ー光と電離用のレーザー光が円偏光発生器11に入る前
に、偏光ビーム結合器20を用いて、両者の直線偏光を相
互に偏光面が90゜異なるようにして結合させ、その後に
円偏光発生器11を通して、第2の波長のレーザー光のみ
を円偏光に変換するようにすればよい(円偏光発生器11
を構成する1/4波長板は、2つの波長が十分に離れてい
れば、一方のみを円偏光に変換するようにすることがで
きる)。なお、図中M19は固定半透鏡、M20、M21は固定
反射鏡である。
以上、本発明のレーザー同位体分離装置は、主としてパ
ラジウムの核スピンがゼロでない同位体を他の同位体か
ら分離する場合の例について説明してきたが、パラジウ
ムに限らず、Mg、Ca、Zn、Sr、Cd、Ba、Hg、Yb、C、S
i、Ge、Sn、Sm、Pb、Pu等の核スピンがゼロでない同位
体を他の同位体から分離するために適用できる。
ラジウムの核スピンがゼロでない同位体を他の同位体か
ら分離する場合の例について説明してきたが、パラジウ
ムに限らず、Mg、Ca、Zn、Sr、Cd、Ba、Hg、Yb、C、S
i、Ge、Sn、Sm、Pb、Pu等の核スピンがゼロでない同位
体を他の同位体から分離するために適用できる。
本発明のレーザー同位体分離装置は、同位体を第1又は
2の励起準位へ選択的に励起するのに円偏光を利用して
いる。同位体の質量数(又は、核スピンがゼロでないも
のとゼロのもの)により、量子力学の角運動量選択則に
よって円偏光を吸収して励起されるものとされないもの
が存在するので、、本発明により、従来困難であった同
位体シフトがレーザー光の線幅程度かそれよりも小さい
同位体の選択的電離ができ、分離することができる。こ
のような角運動量選択則に基づく選択励起及び電離を3
段階の励起により行い、3つの励起波長を同一ポンピン
グ光源からの光によりポンピングされる2以上のレーザ
ーから発生させ、かつ、それらの光路長を光遅延回路に
より一致させるように構成したので、レーザー光源がパ
ルス動作するものであっても、選択励起、電離を行わせ
ることができる。また、第1の円偏光レーザー光と第2
の円偏光レーザー光とを反対方向からガス化した同位体
を含む物質に照射するように構成したので、動いている
原子のドップラー効果がベクトル的に相殺する方向に作
用し、分離効率が向上するとともに、両方の光を前もっ
て光学的に重ね合わせておく必要がなく、効率的に円偏
光したレーザー光を利用できる。
2の励起準位へ選択的に励起するのに円偏光を利用して
いる。同位体の質量数(又は、核スピンがゼロでないも
のとゼロのもの)により、量子力学の角運動量選択則に
よって円偏光を吸収して励起されるものとされないもの
が存在するので、、本発明により、従来困難であった同
位体シフトがレーザー光の線幅程度かそれよりも小さい
同位体の選択的電離ができ、分離することができる。こ
のような角運動量選択則に基づく選択励起及び電離を3
段階の励起により行い、3つの励起波長を同一ポンピン
グ光源からの光によりポンピングされる2以上のレーザ
ーから発生させ、かつ、それらの光路長を光遅延回路に
より一致させるように構成したので、レーザー光源がパ
ルス動作するものであっても、選択励起、電離を行わせ
ることができる。また、第1の円偏光レーザー光と第2
の円偏光レーザー光とを反対方向からガス化した同位体
を含む物質に照射するように構成したので、動いている
原子のドップラー効果がベクトル的に相殺する方向に作
用し、分離効率が向上するとともに、両方の光を前もっ
て光学的に重ね合わせておく必要がなく、効率的に円偏
光したレーザー光を利用できる。
本発明は、特にパラジウムの分離、精製用に適用して効
果のあるものであり、具体的には、使用済核燃料を再時
の不溶解残渣に含まれるパラジウムから唯一放射性であ
る質量数107の同位体を分離して、従来は不要な物とし
て廃棄物扱いを受けていた偶数質量数の非放射性パラジ
ウムを、貴金属として取り出すことができる。
果のあるものであり、具体的には、使用済核燃料を再時
の不溶解残渣に含まれるパラジウムから唯一放射性であ
る質量数107の同位体を分離して、従来は不要な物とし
て廃棄物扱いを受けていた偶数質量数の非放射性パラジ
ウムを、貴金属として取り出すことができる。
第1図は本発明によるレーザー同位体分離装置の1実施
例の光路図、第2図はパラジウム同位体の励起準位とそ
の角運動量選択則を説明するための図面、第3図は本発
明の原理を説明するためのパラジウムのレーザー同位体
分離法の概念図、第4図は第1図のレーザー同位体分離
装置によって天然パラジウム同位体を分離した結果を説
明するための図面、第5図は元素の同位体シフトの質量
数に対する依存関係を示す図面、第6図、第7図は第1
図の装置の変形例の光路図、第8図は従来のウランのレ
ーザー同位体分離法の概念図である。 1:真空チャンバー、2:坩堝、3:排気装置、4、4′:入
射窓、5:YAGレーザー、6:色素レーザー、7:第二高調波
発生結晶、8:分光プリズム、9:円偏光発生器、10:色素
レーザー、11:円偏光発生器、12:オプティカルディレ
ー、13:各レーザーの制御装置、14、15:バイパス光路、
16:アルゴンイオンレーザー、17:リング色素レーザー、
18:アルゴンイオンレーザー励起のリング色素レーザ
ー、19:電離用の第3のレーザー、M1〜M21:反射鏡
例の光路図、第2図はパラジウム同位体の励起準位とそ
の角運動量選択則を説明するための図面、第3図は本発
明の原理を説明するためのパラジウムのレーザー同位体
分離法の概念図、第4図は第1図のレーザー同位体分離
装置によって天然パラジウム同位体を分離した結果を説
明するための図面、第5図は元素の同位体シフトの質量
数に対する依存関係を示す図面、第6図、第7図は第1
図の装置の変形例の光路図、第8図は従来のウランのレ
ーザー同位体分離法の概念図である。 1:真空チャンバー、2:坩堝、3:排気装置、4、4′:入
射窓、5:YAGレーザー、6:色素レーザー、7:第二高調波
発生結晶、8:分光プリズム、9:円偏光発生器、10:色素
レーザー、11:円偏光発生器、12:オプティカルディレ
ー、13:各レーザーの制御装置、14、15:バイパス光路、
16:アルゴンイオンレーザー、17:リング色素レーザー、
18:アルゴンイオンレーザー励起のリング色素レーザ
ー、19:電離用の第3のレーザー、M1〜M21:反射鏡
Claims (6)
- 【請求項1】同位体シフトがレーザー光の発振線幅程度
かそれよりも小さい同位体のためのレーザー同位体分離
装置であって、同位体を含む物質をガス化して第1の波
長のレーザー光を照射して特定の質量数の同位体のみ又
は全ての同位体を第1の励起準位へ励起し、さらに第2
の波長のレーザー光を照射して第1の波長のレーザー光
によって励起された同位体の全て又は特定の質量数の同
位体のみを第2の励起準位へ励起し、さらに第3の波長
のレーザー光を照射して第2励起準位にある同位体を電
離し、電離した同位体を電場、磁場を印加した回収電極
により中性の他の同位体から分離するレーザー同位体分
離装置において、同一ポンピング光源からの光により異
なる2以上のレーザーをポンピングするように構成し、
各レーザーの中の少なくとも1つからのレーザー光を非
線形光学効果によって波長を変換するように構成し、得
られた2以上の波長の光のうち前記第1の波長のレーザ
ー光を円偏光変換器により右又は左廻り円偏光に変換す
るように構成し、前記第2の波長のレーザー光を円偏光
変換器により右又は左廻り円偏光に変換するように構成
し、両者の光路長を光遅延回路により一致させるように
構成し、さらに、前記第1の円偏光レーザー光と前記第
2の円偏光レーザー光とを反対方向からガス化した同位
体を含む物質に照射するように構成したことを特徴とす
るレーザー同位体分離装置。 - 【請求項2】第3の波長のレーザー光を同一ポンピング
光源からの光によってポンピングされた第1及び第2の
レーザーとは別の第3のレーザーによって発生させるよ
うに構成したことを特徴とする請求項1記載のレーザー
同位体分離装置。 - 【請求項3】分離される同位体中の異なる質量数の同位
体をさらに相互に分離するために、発振線幅がこれらの
同位体間の同位体シフトより狭いリング色素レーザーか
らのレーザー光を前記2以上のレーザーの中の1つによ
って増幅し、この光を非線形光学効果によって波長を変
換するか又はしないで前記第1又は第2の波長のレーザ
ー光とするように構成したことを特徴とする請求項1又
は2記載のレーザー同位体分離装置。 - 【請求項4】同位体を含む物質がパラジウムであり、第
2の波長のレーザー光が第3の波長のレーザー光を兼ね
ていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記
載のレーザー同位体分離装置。 - 【請求項5】同一ポンピング光源が波長1064nmの光を発
するパルス動作YAGレーザーであり、非線形光学素子に
より1/2の波長の532nmにし変換して第1のレーザーをポ
ンピングし、第1のレーザーから波長552.6nmの光を発
振させて、この光を非線形光学効果によって1/2の波長
の276.3nmの光に変換して第1の波長のレーザー光と
し、前記パルス動作YAGレーザーからのレーザー光を非
線形光学素子により1/3の波長の355nmに変換して第2の
レーザーをポンピングし、第2のレーザーから波長521n
mの光を発振させて第2及び第3の波長のレーザー光と
するように構成したことを特徴とする請求項4記載のレ
ーザー同位体分離装置。 - 【請求項6】同位体を含む物質がMg、Ca、Zn、Sr、Cd、
Ba、Hg、Yb、C、Si、Ge、Sn、Sm、Pb、Puのいずれかで
あることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載
のレーザー同位体分離装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1202653A JPH0716584B2 (ja) | 1989-08-04 | 1989-08-04 | レーザー同位体分離装置 |
US07/486,495 US5110562A (en) | 1989-08-04 | 1990-02-28 | Laser isotope separation apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1202653A JPH0716584B2 (ja) | 1989-08-04 | 1989-08-04 | レーザー同位体分離装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0368420A JPH0368420A (ja) | 1991-03-25 |
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