JPH071656A - 炭素強化繊維樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents
炭素強化繊維樹脂成形品及びその製造方法Info
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- JPH071656A JPH071656A JP14237793A JP14237793A JPH071656A JP H071656 A JPH071656 A JP H071656A JP 14237793 A JP14237793 A JP 14237793A JP 14237793 A JP14237793 A JP 14237793A JP H071656 A JPH071656 A JP H071656A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 炭素強化繊維樹脂成形品及びその製造方法に
係り、炭素繊維の部分を遮蔽状態として、高温環境にお
ける炭素繊維の酸化防止、耐酸化性等の環境に対する安
定性の向上、放出ガスの発生防止を達成する。 【構成】 アルミニウム材の間に樹脂含浸炭素繊維材を
介在させた複合材を加圧及び熱処理して一体化し、複合
材の縁部にシール金属層を形成して炭素繊維を隔離する
ことにより、炭素繊維の部分を周囲の環境と隔離し、両
方向のガスの挿通を防止する。
係り、炭素繊維の部分を遮蔽状態として、高温環境にお
ける炭素繊維の酸化防止、耐酸化性等の環境に対する安
定性の向上、放出ガスの発生防止を達成する。 【構成】 アルミニウム材の間に樹脂含浸炭素繊維材を
介在させた複合材を加圧及び熱処理して一体化し、複合
材の縁部にシール金属層を形成して炭素繊維を隔離する
ことにより、炭素繊維の部分を周囲の環境と隔離し、両
方向のガスの挿通を防止する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素強化繊維樹脂成形
品及びその製造方法に係り、特に、高温状態での高強
度、耐環境安定性を得る技術に関するものである。
品及びその製造方法に係り、特に、高温状態での高強
度、耐環境安定性を得る技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高温、高強度、高靱性、耐環境安定性が
特に必要とされる技術分野である航空機、ロケット、宇
宙、核融合、エネルギ関連技術分野では、超強度材料及
び超耐熱材料が求められている。
特に必要とされる技術分野である航空機、ロケット、宇
宙、核融合、エネルギ関連技術分野では、超強度材料及
び超耐熱材料が求められている。
【0003】かかる用途を完全に満たす材料を提供する
ことは困難であるが、要求に近い材料として、炭素系繊
維のプリプレグ材による炭素強化繊維樹脂成形品が検討
されている。
ことは困難であるが、要求に近い材料として、炭素系繊
維のプリプレグ材による炭素強化繊維樹脂成形品が検討
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般の炭素強
化繊維樹脂成形品は、炭素繊維が高温環境で酸化し易
く、耐酸化性等の環境に対する安定性が損なわれるとと
もに、真空雰囲気では放出ガスの発生を防止することが
できないという欠点を、解消するまでに至らないという
技術的課題が残されている。
化繊維樹脂成形品は、炭素繊維が高温環境で酸化し易
く、耐酸化性等の環境に対する安定性が損なわれるとと
もに、真空雰囲気では放出ガスの発生を防止することが
できないという欠点を、解消するまでに至らないという
技術的課題が残されている。
【0005】本発明は、これらの課題に鑑みてなされた
もので、炭素繊維の部分を遮蔽状態として、高温環境
における炭素繊維の酸化を防止し、環境に対する安定
性を向上させ、放出ガスの発生を防止することを目的
としている。
もので、炭素繊維の部分を遮蔽状態として、高温環境
における炭素繊維の酸化を防止し、環境に対する安定
性を向上させ、放出ガスの発生を防止することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の複数の手段を提案している。第1の手段に係る炭素強
化繊維樹脂成形品は、二つのアルミニウム層と、その間
に一体に介在させられる炭素強化繊維樹脂層と、アルミ
ニウム層及び炭素強化繊維樹脂層の複合体の縁部に配さ
れるシール金属層とを具備する構成を採用している。第
2の手段に係る炭素強化繊維樹脂成形品は、第1の手段
に付加して、複合体が円筒状をなす構成を採用してい
る。第3の手段に係る炭素強化繊維樹脂成形品は、第1
の手段または第2の手段に付加して、シール金属層が金
属メッキである構成を採用している。第4の手段に係る
炭素強化繊維樹脂成形品の製造方法は、薄肉状アルミニ
ウム材の間に樹脂含浸炭素繊維材を介在させた複合材と
する工程と、複合材を加圧及び熱処理する工程と、複合
材の縁部に樹脂含浸炭素繊維材を覆うシール金属層を形
成する工程とを有する構成を採用している。第5の手段
に係る炭素強化繊維樹脂成形品の製造方法は、第1の円
筒状アルミニウム材の内面に樹脂含浸炭素繊維材を介在
させる工程と、樹脂含浸炭素繊維材の内面に第2の円筒
状アルミニウム材を配して複合化する工程と、複合材を
内方から加圧するとともに熱処理する工程と、複合材の
縁部に樹脂含浸炭素繊維材を覆うシール金属層を形成す
る工程とを有する構成を採用している。第6の手段に係
る炭素強化繊維樹脂成形品の製造方法は、第4の手段ま
たは第5の手段に付加して、シール金属層を金属メッキ
によって形成する構成を採用している。
の複数の手段を提案している。第1の手段に係る炭素強
化繊維樹脂成形品は、二つのアルミニウム層と、その間
に一体に介在させられる炭素強化繊維樹脂層と、アルミ
ニウム層及び炭素強化繊維樹脂層の複合体の縁部に配さ
れるシール金属層とを具備する構成を採用している。第
2の手段に係る炭素強化繊維樹脂成形品は、第1の手段
に付加して、複合体が円筒状をなす構成を採用してい
る。第3の手段に係る炭素強化繊維樹脂成形品は、第1
の手段または第2の手段に付加して、シール金属層が金
属メッキである構成を採用している。第4の手段に係る
炭素強化繊維樹脂成形品の製造方法は、薄肉状アルミニ
ウム材の間に樹脂含浸炭素繊維材を介在させた複合材と
する工程と、複合材を加圧及び熱処理する工程と、複合
材の縁部に樹脂含浸炭素繊維材を覆うシール金属層を形
成する工程とを有する構成を採用している。第5の手段
に係る炭素強化繊維樹脂成形品の製造方法は、第1の円
筒状アルミニウム材の内面に樹脂含浸炭素繊維材を介在
させる工程と、樹脂含浸炭素繊維材の内面に第2の円筒
状アルミニウム材を配して複合化する工程と、複合材を
内方から加圧するとともに熱処理する工程と、複合材の
縁部に樹脂含浸炭素繊維材を覆うシール金属層を形成す
る工程とを有する構成を採用している。第6の手段に係
る炭素強化繊維樹脂成形品の製造方法は、第4の手段ま
たは第5の手段に付加して、シール金属層を金属メッキ
によって形成する構成を採用している。
【0007】
【作用】第1の手段及び第4の手段にあっては、加圧及
び熱処理の実施により、炭素強化繊維樹脂層が二つのア
ルミニウム層に一体化状態となって耐衝撃性が向上する
とともに、炭素強化繊維樹脂層の両面が周囲の環境から
遮蔽されて、周囲ガス等との接触防止、炭素強化繊維樹
脂層からのガス放出の阻止がなされる。そして、炭素強
化繊維樹脂層の縁部にあっても、シール金属層によって
面方向に沿った遮蔽が行なわれる。第2の手段及び第5
の手段にあっては、第1の手段または第4の手段による
作用に加えて、複合材を内方から加圧することによっ
て、内側のアルミニウム層及び炭素強化繊維樹脂層が、
外側のアルミニウム層に密着した状態となり、二つのア
ルミニウム層によって炭素繊維が保護されることによ
り、耐衝撃性が向上する。第3の手段及び第6の手段に
あっては、第1の手段、第2の手段、第4の手段または
第5の手段による作用に加えて、二つのアルミニウム層
に跨がる金属メッキの形成により、縁部の遮蔽が行なわ
れる。
び熱処理の実施により、炭素強化繊維樹脂層が二つのア
ルミニウム層に一体化状態となって耐衝撃性が向上する
とともに、炭素強化繊維樹脂層の両面が周囲の環境から
遮蔽されて、周囲ガス等との接触防止、炭素強化繊維樹
脂層からのガス放出の阻止がなされる。そして、炭素強
化繊維樹脂層の縁部にあっても、シール金属層によって
面方向に沿った遮蔽が行なわれる。第2の手段及び第5
の手段にあっては、第1の手段または第4の手段による
作用に加えて、複合材を内方から加圧することによっ
て、内側のアルミニウム層及び炭素強化繊維樹脂層が、
外側のアルミニウム層に密着した状態となり、二つのア
ルミニウム層によって炭素繊維が保護されることによ
り、耐衝撃性が向上する。第3の手段及び第6の手段に
あっては、第1の手段、第2の手段、第4の手段または
第5の手段による作用に加えて、二つのアルミニウム層
に跨がる金属メッキの形成により、縁部の遮蔽が行なわ
れる。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係る炭素強化繊維樹脂成形品
及びその製造方法の一実施例について、図1に基づいて
説明する。図1にあっては、円筒状をなす炭素強化繊維
樹脂成形品の製造工程を示している。図1において、符
号1は第1の円筒状アルミニウム材(アルミニウム
層)、2は第2の円筒状アルミニウム材(アルミニウム
層)、3は樹脂含浸炭素繊維材(炭素強化繊維樹脂
層)、4は複合材(複合体)、5は縁部、6A,6Bは
シール金属層(金属メッキ)、7A,7Bは成形型、7
Cは成形穴、7Dは膨張袋体、7Eは締結具、8は加圧
手段、9は加圧流体供給管、Zは炭素強化繊維樹脂成形
品である。
及びその製造方法の一実施例について、図1に基づいて
説明する。図1にあっては、円筒状をなす炭素強化繊維
樹脂成形品の製造工程を示している。図1において、符
号1は第1の円筒状アルミニウム材(アルミニウム
層)、2は第2の円筒状アルミニウム材(アルミニウム
層)、3は樹脂含浸炭素繊維材(炭素強化繊維樹脂
層)、4は複合材(複合体)、5は縁部、6A,6Bは
シール金属層(金属メッキ)、7A,7Bは成形型、7
Cは成形穴、7Dは膨張袋体、7Eは締結具、8は加圧
手段、9は加圧流体供給管、Zは炭素強化繊維樹脂成形
品である。
【0009】以下、製造工程順に説明すると、図1
(a)に示す第1の円筒状アルミニウム材(アルミニウ
ム層)1は、薄肉状でかつ高品質のアルミスリーブ等が
適用される。
(a)に示す第1の円筒状アルミニウム材(アルミニウ
ム層)1は、薄肉状でかつ高品質のアルミスリーブ等が
適用される。
【0010】図1(b)に示すように、第1の円筒状ア
ルミニウム材1の内部には、炭素系繊維のプリプレグ材
に粘着性のある樹脂を含浸させた樹脂含浸炭素繊維材3
が、第1の円筒状アルミニウム材1の内面に沿うように
適量ずつ挿入される。該炭素繊維は、複合材料としての
強化繊維であり、複数の単繊維を2次元方向に集合させ
るとともに、必要に応じて成形加工を施したもの等であ
る。
ルミニウム材1の内部には、炭素系繊維のプリプレグ材
に粘着性のある樹脂を含浸させた樹脂含浸炭素繊維材3
が、第1の円筒状アルミニウム材1の内面に沿うように
適量ずつ挿入される。該炭素繊維は、複合材料としての
強化繊維であり、複数の単繊維を2次元方向に集合させ
るとともに、必要に応じて成形加工を施したもの等であ
る。
【0011】図1(b)(c)に示すように、樹脂含浸
炭素繊維材3は、第1の円筒状アルミニウム材1の内面
全周に必要量挿入して付着させた状態とされるととも
に、その端部が第1の円筒状アルミニウム材1の端面と
一致するように必要に応じて切断除去される。
炭素繊維材3は、第1の円筒状アルミニウム材1の内面
全周に必要量挿入して付着させた状態とされるととも
に、その端部が第1の円筒状アルミニウム材1の端面と
一致するように必要に応じて切断除去される。
【0012】前述した第1の円筒状アルミニウム材1と
同様に、高品質でかつ薄肉状のアルミシートを袋巻き状
態とした第2の円筒状アルミニウム材2を、図1(c)
の矢印で示すように、樹脂含浸炭素繊維材3の内面に挿
入することにより複合化する。
同様に、高品質でかつ薄肉状のアルミシートを袋巻き状
態とした第2の円筒状アルミニウム材2を、図1(c)
の矢印で示すように、樹脂含浸炭素繊維材3の内面に挿
入することにより複合化する。
【0013】図1(d)に示すように、第1の円筒状ア
ルミニウム材1、第2の円筒状アルミニウム材2及び樹
脂含浸炭素繊維材3を複合化した複合材(複合体)4
は、二つ割り状の成形型7A,7Bの成形穴Cに挿入さ
れ、耐熱性プラスチックやシリコンゴム等によって形成
された膨張袋体7Dを挿入して成形型7A,7Bを閉
じ、ボルト・ナット等の締結具7Eによって固定した
後、加圧ポンプ等の加圧手段8で約0.1MPa〜1.
5MPaの加圧流体を、加圧流体供給管9を経由して膨
張袋体7Dの内部に送り込み、複合材4に内圧を印加す
ることにより半径外方向の力を掛ける。この際に、複合
材4を120℃〜140℃の温度で熱処理する。
ルミニウム材1、第2の円筒状アルミニウム材2及び樹
脂含浸炭素繊維材3を複合化した複合材(複合体)4
は、二つ割り状の成形型7A,7Bの成形穴Cに挿入さ
れ、耐熱性プラスチックやシリコンゴム等によって形成
された膨張袋体7Dを挿入して成形型7A,7Bを閉
じ、ボルト・ナット等の締結具7Eによって固定した
後、加圧ポンプ等の加圧手段8で約0.1MPa〜1.
5MPaの加圧流体を、加圧流体供給管9を経由して膨
張袋体7Dの内部に送り込み、複合材4に内圧を印加す
ることにより半径外方向の力を掛ける。この際に、複合
材4を120℃〜140℃の温度で熱処理する。
【0014】熱処理を施した複合材4について、図1
(e)に示すように、第2の円筒状アルミニウム材2の
合わせ目(突き合せ部分または重ね合わせ部分)に、例
えばアルミ蒸着を行なうことによる金属メッキを施し、
合わせ目を内方から覆った状態のシール金属層6Aを形
成する。
(e)に示すように、第2の円筒状アルミニウム材2の
合わせ目(突き合せ部分または重ね合わせ部分)に、例
えばアルミ蒸着を行なうことによる金属メッキを施し、
合わせ目を内方から覆った状態のシール金属層6Aを形
成する。
【0015】次いで、図1(f)に示すように、複合材
4の縁部5を覆うように、金属メッキ等によるシール金
属層6Bを形成して、所望形状である円筒状の炭素強化
繊維樹脂成形品Zを完成させる。該炭素強化繊維樹脂成
形品Zにおけるシール金属層6Bは、二つのアルミニウ
ム層1,2に跨がって、その間の炭素強化繊維樹脂層3
を遮蔽状態とする。
4の縁部5を覆うように、金属メッキ等によるシール金
属層6Bを形成して、所望形状である円筒状の炭素強化
繊維樹脂成形品Zを完成させる。該炭素強化繊維樹脂成
形品Zにおけるシール金属層6Bは、二つのアルミニウ
ム層1,2に跨がって、その間の炭素強化繊維樹脂層3
を遮蔽状態とする。
【0016】このように製造された炭素強化繊維樹脂成
形品Zは、二つのアルミニウム層1,2によって炭素強
化繊維樹脂層3が周囲の環境から隔離された状態とな
り、周囲の環境に酸化性の強いガス、例えば原子状酸素
が存在するような宇宙空間であっても、炭素強化繊維樹
脂層3が二つのアルミニウム層1,2やシール金属層6
A,6Bによって隔離された状態を確保することができ
る。そして、炭素強化繊維樹脂層3が隔離されているこ
とによって、炭素強化繊維樹脂層3の内部ガスの放出が
阻止される。
形品Zは、二つのアルミニウム層1,2によって炭素強
化繊維樹脂層3が周囲の環境から隔離された状態とな
り、周囲の環境に酸化性の強いガス、例えば原子状酸素
が存在するような宇宙空間であっても、炭素強化繊維樹
脂層3が二つのアルミニウム層1,2やシール金属層6
A,6Bによって隔離された状態を確保することができ
る。そして、炭素強化繊維樹脂層3が隔離されているこ
とによって、炭素強化繊維樹脂層3の内部ガスの放出が
阻止される。
【0017】また、炭素強化繊維樹脂成形品Zにあって
は、二つのアルミニウム層1,2と炭素強化繊維樹脂層
3とが一体化状態となっており、アルミニウム層1,2
が炭素強化繊維樹脂層3よりも変形し易く衝撃を吸収す
るために、耐衝撃性を向上させることができるととも
に、曲げ変形に対する強度向上を図ることができる。
は、二つのアルミニウム層1,2と炭素強化繊維樹脂層
3とが一体化状態となっており、アルミニウム層1,2
が炭素強化繊維樹脂層3よりも変形し易く衝撃を吸収す
るために、耐衝撃性を向上させることができるととも
に、曲げ変形に対する強度向上を図ることができる。
【0018】一方、図2は、本発明に係る炭素強化繊維
樹脂成形品の他の実施例を示すもので、板状をなすアル
ミニウム材1,2の間に、樹脂含浸炭素繊維材3を介在
させた状態で、加圧及び熱処理により複合化させられる
とともに、複合材4におけるアルミニウム材1,2の縁
部5に、溶接や前述の金属メッキに基づく接合状態のシ
ール金属層6Cが形成されて、炭素強化繊維樹脂成形品
Zが製造される。この炭素強化繊維樹脂成形品Zにあっ
ても、一実施例の円筒状の炭素強化繊維樹脂成形品Zと
同様に、炭素繊維の隔離等の作用効果を有するものであ
る。
樹脂成形品の他の実施例を示すもので、板状をなすアル
ミニウム材1,2の間に、樹脂含浸炭素繊維材3を介在
させた状態で、加圧及び熱処理により複合化させられる
とともに、複合材4におけるアルミニウム材1,2の縁
部5に、溶接や前述の金属メッキに基づく接合状態のシ
ール金属層6Cが形成されて、炭素強化繊維樹脂成形品
Zが製造される。この炭素強化繊維樹脂成形品Zにあっ
ても、一実施例の円筒状の炭素強化繊維樹脂成形品Zと
同様に、炭素繊維の隔離等の作用効果を有するものであ
る。
【0019】
【発明の効果】本発明に係る炭素強化繊維樹脂成形品及
びその製造方法によれば、以下のような優れた効果を奏
する。 (1) アルミニウム材の間に樹脂含浸炭素繊維材を介
在させた複合材を加圧及び熱処理して一体化し、複合材
の縁部にシール金属層を形成して、炭素繊維を周囲の環
境から隔離することにより、高温環境における炭素繊維
の酸化防止を図り、耐酸化性等の環境中における炭素繊
維への影響を長期間にわたって防止し、安定性を向上さ
せることができる。 (2) 炭素繊維の両面をアルミニウム層によって覆
い、かつその接合部分をシール金属層によって覆うこと
により、樹脂含浸炭素繊維材からガスが放出する現象の
発生を防止して、炭素強化繊維樹脂成形品の組成変化や
周囲環境への影響を抑制することができる。 (3) 円筒化した複合材を内方から加圧して成形品を
得ることにより、円筒状成形品を容易に得ることができ
るとともに、層の厚さ方向の密着性を高め、アルミニウ
ム層の間に炭素繊維を配して耐衝撃性を向上させること
ができる。 (4) 二つのアルミニウム層の接合部分を金属メッキ
によって遮蔽することにより、炭素繊維の遮蔽を容易に
かつ速やかに効率よく行なうことができる。
びその製造方法によれば、以下のような優れた効果を奏
する。 (1) アルミニウム材の間に樹脂含浸炭素繊維材を介
在させた複合材を加圧及び熱処理して一体化し、複合材
の縁部にシール金属層を形成して、炭素繊維を周囲の環
境から隔離することにより、高温環境における炭素繊維
の酸化防止を図り、耐酸化性等の環境中における炭素繊
維への影響を長期間にわたって防止し、安定性を向上さ
せることができる。 (2) 炭素繊維の両面をアルミニウム層によって覆
い、かつその接合部分をシール金属層によって覆うこと
により、樹脂含浸炭素繊維材からガスが放出する現象の
発生を防止して、炭素強化繊維樹脂成形品の組成変化や
周囲環境への影響を抑制することができる。 (3) 円筒化した複合材を内方から加圧して成形品を
得ることにより、円筒状成形品を容易に得ることができ
るとともに、層の厚さ方向の密着性を高め、アルミニウ
ム層の間に炭素繊維を配して耐衝撃性を向上させること
ができる。 (4) 二つのアルミニウム層の接合部分を金属メッキ
によって遮蔽することにより、炭素繊維の遮蔽を容易に
かつ速やかに効率よく行なうことができる。
【図1】本発明に係る炭素強化繊維樹脂成形品の製造工
程例の説明図である。
程例の説明図である。
【図2】本発明に係る炭素強化繊維樹脂成形品の他の例
を示す一部を切欠した斜視図である。
を示す一部を切欠した斜視図である。
1 第1の円筒状アルミニウム材(アルミニウム層) 2 第2の円筒状アルミニウム材(アルミニウム層) 3 樹脂含浸炭素繊維材(炭素強化繊維樹脂層) 4 複合材(複合体) 5 縁部 6A,6B,6C シール金属層(金属メッキ) 7A,7B 成形型 7C 成形穴 7D 膨張袋体 7E 締結具 8 加圧手段 9 加圧流体供給管 Z 炭素強化繊維樹脂成形品
Claims (6)
- 【請求項1】 二つのアルミニウム層と、その間に一体
に介在させられる炭素強化繊維樹脂層と、アルミニウム
層及び炭素強化繊維樹脂層の複合体の縁部に配されるシ
ール金属層とを具備することを特徴とする炭素強化繊維
樹脂成形品。 - 【請求項2】 複合体が円筒状をなすことを特徴とする
請求項1記載の炭素強化繊維樹脂成形品。 - 【請求項3】 シール金属層が金属メッキであることを
特徴とする請求項1または2記載の炭素強化繊維樹脂成
形品。 - 【請求項4】 薄肉状アルミニウム材の間に樹脂含浸炭
素繊維材を介在させた複合材とする工程と、複合材を加
圧及び熱処理する工程と、複合材の縁部に樹脂含浸炭素
繊維材を覆うシール金属層を形成する工程とを有する炭
素強化繊維樹脂成形品の製造方法。 - 【請求項5】 第1の円筒状アルミニウム材の内面に樹
脂含浸炭素繊維材を介在させる工程と、樹脂含浸炭素繊
維材の内面に第2の円筒状アルミニウム材を配して複合
化する工程と、複合材を内方から加圧するとともに熱処
理する工程と、複合材の縁部に樹脂含浸炭素繊維材を覆
うシール金属層を形成する工程とを有する炭素強化繊維
樹脂成形品の製造方法。 - 【請求項6】 シール金属層を金属メッキによって形成
することを特徴とする請求項4または5記載の炭素強化
繊維樹脂成形品の製造方法。
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---|---|---|---|
JP14237793A JP3186342B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | 炭素強化繊維樹脂成形品及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH071656A true JPH071656A (ja) | 1995-01-06 |
JP3186342B2 JP3186342B2 (ja) | 2001-07-11 |
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ID=15313966
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JP14237793A Expired - Fee Related JP3186342B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | 炭素強化繊維樹脂成形品及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3186342B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006508824A (ja) * | 2002-11-29 | 2006-03-16 | エプシロン コンポジット サルル | 複合材料からなる管の製造方法および得られた管 |
JP2006123209A (ja) * | 2004-10-26 | 2006-05-18 | Nippon Steel Composite Co Ltd | 精密機器用複合構造材、精密機器用複合構造材の製造方法及び精密機器用部品 |
JP2013159019A (ja) * | 2012-02-05 | 2013-08-19 | Delta Tooling Co Ltd | 金属樹脂複合体 |
CN109305119A (zh) * | 2018-10-18 | 2019-02-05 | 爱驰汽车(上海)有限公司 | 汽车防撞梁及其制备方法 |
-
1993
- 1993-06-14 JP JP14237793A patent/JP3186342B2/ja not_active Expired - Fee Related
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