JPH07164331A - 砥石車を構成する分割研磨シート片およびそのような分割研磨シート片を製造する方法 - Google Patents

砥石車を構成する分割研磨シート片およびそのような分割研磨シート片を製造する方法

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JPH07164331A
JPH07164331A JP6231110A JP23111094A JPH07164331A JP H07164331 A JPH07164331 A JP H07164331A JP 6231110 A JP6231110 A JP 6231110A JP 23111094 A JP23111094 A JP 23111094A JP H07164331 A JPH07164331 A JP H07164331A
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abrasive
backing
polishing
sheet
divided
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JP6231110A
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English (en)
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Sr Robert E Ward
ロバート・ユージーン・ワード・シニア
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3M Co
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Minnesota Mining and Manufacturing Co
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    • B24D13/00Wheels having flexibly-acting working parts, e.g. buffing wheels; Mountings therefor
    • B24D13/02Wheels having flexibly-acting working parts, e.g. buffing wheels; Mountings therefor acting by their periphery
    • B24D13/08Wheels having flexibly-acting working parts, e.g. buffing wheels; Mountings therefor acting by their periphery comprising annular or circular sheets packed side by side
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B3/00Sharpening cutting edges, e.g. of tools; Accessories therefor, e.g. for holding the tools
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
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    • B24D11/00Constructional features of flexible abrasive materials; Special features in the manufacture of such materials
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24DTOOLS FOR GRINDING, BUFFING OR SHARPENING
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 研磨ディスクをコンバートする際に生じてい
た無駄を最小にする。 【構成】 少なくとも3つの突出端110を有する分割シ
ート片110から構成される砥石車118。各突出端110を結
ぶ稜線116の曲率中心は分割シート片110の外側に位置し
ている。3つの稜線116の曲率半径は等しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の分割シート片を
有する砥石車に関する。各シート片は少なくとも3つの
突出端を有する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】1ま
たは2以上の円形の研磨ディスクを備えた砥石車は、回
転しながら物体表面を研磨する。一般的に、これらの円
形デイスクは、大きなシート状の研磨材からダイを使用
して打ち抜かれる。シート状の研磨材は、例えば、バッ
キングと、このバッキング内に接着された砥粒とを有し
ている。代表的な円形の研磨ディスクは、ミネソタ州セ
ントポールのミネソタ・マイニング・アンド・マニュファ
クチュアリング社(3M社)からスリーエマイト(Three-M
-ite)の商標名で発売されている樹脂接着ディスクであ
る。
【0003】ダイを使用して円形の研磨ディスクを製造
する切断工程においては、複数の円形のダイが配置され
ていて、シート状の研磨材から同一のディスクを複数切
断する。ダイの配置や切断されるディスクは、必要に応
じて選択される。そのような配置の例が図1および図2
に示されている。円形の研磨ディスクは、打ち抜き装置
によって大きなシート12から切断され、そのあとには複
数の開口部を有するシート材が残される。このような作
業は“コンバーティング"として知られている。コンバ
ーティングにおいては、大きなシート状研磨材を小さな
円形の研磨ディスクにコンバートする際に、打ち抜かれ
た後に残され無駄になる材料を最小にすることが望まし
い。しかしながら、矩形のシート材から円形のディスク
を打ち抜く場合には、多少の無駄は避けることができな
い。このような無駄になる材料(本明細書において、こ
れを残材と呼ぶ。)は、コンバートされた隣接する円形デ
ィスクの間に残るものであり、これまでは廃棄されてい
た。この残材の量は、シート材の総面積に対してかなり
の割合を占める。このように、“コンバーティング"は
無駄が多く、非効率的である。
【0004】したがって、これまで研磨ディスクをコン
バートする際に生じていた無駄を最小にすることが望ま
しい。
【0005】
【発明の開示】本発明には、分割研磨シート片が関連し
ている。分割研磨シート片は少なくとも3つの突出端を
有している。隣接する突出端は稜線によってむすばれて
いる。稜線の曲率中心は分割研磨シート片の外側に位置
している。コンバーティング工程において、分割研磨シ
ート片は研磨シート材から容易に切除することができ、
コンバーティング工程における無駄を低減することがで
きる。分割研磨シート片は、例えば、3または4以上の
突出端、中央貫通口、および稜線を備えており、各突出
端をむすぶ各稜線の曲率半径は等しくても、互いに異な
っていてもよい。
【0006】他の実施例においては、砥石車が提供され
る。この砥石車は、複数の分割研磨シート片、各分割研
磨シート片に形成された中央貫通口を通って当該複数の
分割研磨シート片を一体保持する手段、および砥石車を
回転駆動源に接続する手段から構成されている。各分割
研磨シート片は少なくとも3つの突出端を有している。
隣接する突出端は稜線によってむすばれている。稜線の
曲率中心は分割研磨シート片の外側に位置している。
【0007】さらに他の実施例においては、分割研磨シ
ート片を形成する方法が提供される。この方法は、研磨
シート材を用意して、研磨シート材から分割研磨シート
片を切除する手段を用意して、そして当該手段を使用し
て研磨シート材から分割研磨シート片を切除するもので
ある。分割研磨シート片は少なくとも3つの突出端を有
している。隣接する突出端は稜線によってむすばれてい
る。稜線の曲率中心は分割研磨シート片の外側に位置し
ている。この方法においては、研磨シート材から円形の
研磨ディスクが切除されて、残った残材から分割研磨シ
ート片が切除される。また、円形の研磨ディスクの切除
と、分割研磨シート片の切除とが同時に行なわれてもよ
い。
【0008】
【実施例】本発明の実施例を添付の図面を参照しつつ以
下に詳細に説明する。図面においては、同一の要素は同
一の符号で示されている。
【0009】本発明により、研磨ディスクのコンバーテ
ィングにおける無駄を低減することができる。それは、
これまでは廃棄されていたシート状研磨材の残材を使用
して有益な物品を作ることにより達成される。シート状
研磨材100の一部が図3に示されている。複数の円形研
磨ディスクは既に切断除去されており、同一の円形開口
部102が複数残されている。一般に、シート状研磨材100
は、砥粒がその表面または内部に接着された板材であ
る。適切なシート状研磨材としては、例えば米国特許第
5316812号明細書(スタウト、タイトル;コーテッド・アブ
レイシブ・バッキング)に開示されているような研磨材が
コートされたシートや、例えば米国特許第2958593号明
細書(フーバー等、タイトル;ロー・デンシティ・オープン
・ノンウーバン・ファイバラス・アブレイシブ・アーティク
ル)に開示されているような不織研磨材等がある。
【0010】米国特許第5316812号明細書に開示されて
いる研磨材がコートされたシートは、本発明において使
用するのに適しており、バッキングと第1接着層とを備
えている。第1接着層は、一般にメイクコート(make co
at)と呼ばれており、バッキングの作用面に適用され
る。第1接着層を設ける目的は、バッキングの作用面に
砥粒等の研磨材を確実に固定するためである。
【0011】一般にサイズコート(size coat)と呼ばれ
る第2接着層が、砥粒および第1接着層の上にコートさ
れる。第2接着層を設ける目的は、砥粒を確実に固定す
るためである。一般にスーパーサイズコート(supersize
coat)と呼ばれる第3接着層が、第2接着層の上にコー
トされる。第3接着層を設けるか否かは任意であり、代
表的には、ステンレス鋼や貴金属等の硬度の高いワーク
ピース表面を研磨する場合に設けられる。
【0012】バッキングの厚さは、代表的には約1.5mm
よりも小さい。したがって、可撓性が大きく、材料の節
約にもなる。可撓性をさらに大きくするために、バッキ
ングの厚さは約0.5〜1.2mmであることが好ましい。バッ
キングの厚さは約0.7〜1.0mmであることがさらに好まし
い。
【0013】研磨材がコートされたシートのバッキング
は、その使用目的に応じて、非常に多様な形状とするこ
とができる。例えば、バッキングをテーパ状にして中央
部を周囲よりも厚くすることや、バッキングの厚さを均
一にすることもできる。また、バッキングに浮き出し模
様を与えることや、中央部を周囲に対して凹状にするこ
ともできる。
【0014】特定の使用目的において好ましい場合に
は、バッキングに厚い部分と薄い部分とが交互に繰り返
されるように、型を用いてバッキングに一連のリブ状部
を設けてもよい。このように型成形されたリブ状部は、
所望の剛性または“使用感(feel during use)"(有限要
素法による)を付与し、冷却特性を改善し、一体性を高
め、または、トルク伝達特性を向上させるためのもので
ある。
【0015】型成形されるリブは、ディスクの半径方向
に対してどのような角度で成形されてもよい。つまり、
リブは半径方向に対して、つまり、ディスクの中心から
周縁部に延びる線分に対して、ある角度をもって成形す
ることができる。この角度は0〜90°である。また、半
径方向に対していろいろな角度を有するパターンでリブ
を成形して、ディスク表面の空気流を最大とすることも
できる。
【0016】さらに、バッキングを有孔とすることもで
きる。この場合には、研磨ディスクの使用中に、ワーク
ピースと研磨材との間から紛塵を逃がす紛塵制御を行う
ことができる。
【0017】研磨材がコートされたシートの好ましいバ
ッキングは、十分な可撓性を有していて、通常の研磨、
好ましくは過酷な研磨に耐え得るものである。本明細書
において“十分な可撓性"とは、バッキングが湾曲した
後、大きな永久変形を伴うことなく元の形状に戻り得る
程度の可撓性をいう。すなわち、好ましい研磨作業のた
めには、バッキングは、十分に柔軟であって研磨される
ワークピースの外表面に沿って永久変形を伴うことなく
当接することができ、しかも、ワークピースに対して押
し付けられながらその上を通過する際に十分な研磨力を
伝達できる程度の剛性を有していなければならない。
【0018】バッキングは、アメリカ材料試験協会(AST
M)のD790試験方法に規定されている幅が25.4mm、ジグを
横断するスパンが50.8mm、厚さが0.8〜1.0mm、変位速度
(rate of displacement)が4.8mm/秒のサンプルについ
て、大気条件(ambient conditions)において少なくとも
約17500kg/cm2の曲げ率を有していることが好ましい。
バッキングは、約17500〜141000kg/cm2の曲げ率を有し
ていることがさらに好ましい。一般に、バッキングの曲
げ率が約17500kg/cm2よりも小さい場合には、ワークピ
ースの表面を所望どおりに研磨するには剛性が不十分で
ある。一般に、バッキングの曲げ率が約141000kg/cm2
りも大きい場合には、ワークピースの表面に適合させる
には剛性が高すぎる。
【0019】好ましいバッキングは、過酷な研磨に耐え
得るよう、曲げに対する十分な耐性も有している。本明
細書において“曲げに対する十分な耐性"とは、バッキ
ングが過酷な研磨に耐え得る十分な剛性を有しており、
しかも、クラックが発生して一体性が低下してしまう程
脆くはない程度の耐性をいう。
【0020】バッキングの望ましい耐性は、研磨材がコ
ートされたバッキングの衝撃強さを測定することによっ
ても確かめることができる。衝撃強さは、ASTM D256ま
たはD3029に規定されている以下の試験方法によって測
定することができる。これらの方法においては、特定サ
イズの標準試料を破壊するのに必要な力が測定される。
バッキングは、厚さ0.89mmのサンプルについて大気条件
において、ガードナー衝撃値(Gardner Impact value)で
少なくとも約0.4ジュールの衝撃強さを有することが好
ましい。厚さ0.89mmのサンプルについて大気条件におい
て、バッキングは、ガードナー衝撃値で少なくとも約0.
9ジュールの衝撃強さを有することがさらに好ましく、
少なくとも約1.6ジュールの衝撃強さを有することがよ
り好ましい。
【0021】また、好ましいバッキングは望ましい引張
り強さを有する。引張り強さは、物質が分断することな
く耐え得る長手方向応力の最大値を示す尺度である。そ
れは、回転破壊やスナッギングに対する耐性を示すもの
である。回転破壊やスナッギングは、ワークピース上の
不連続面に対して、研磨材がコートされた研磨手段が強
い耐性を有する場合に起こる。望ましい引張り強さは、
約150℃において、厚さ約0.75〜1.0mmのサンプルの幅1
cmの部分に対して少なくとも約17.9kgである。
【0022】また、研磨材がコートされたシートの好ま
しいバッキングは、適切な形状維持能力を有しており、
湿度や温度等の周囲環境の影響を受けにくい。このこと
は、好ましいバッキングは、広範な周囲状況下において
前述の特性を有し得るということを意味している。バッ
キングは、約10〜30℃の温度範囲および約30〜50%の相
対湿度範囲において、前述の特性を有することが好まし
い。バッキングは、0℃よりも低い温度から100℃より
も高い温度までの広範な温度範囲、および10%よりも低
い相対湿度から90%よりも高い相対湿度までの広範な相
対湿度範囲において、前述の特性を有することがさらに
好ましい。
【0023】バッキングには、熱可塑性の結合剤がバッ
キングに対する重量割合で約60〜99%含まれることが好
ましく、約65〜95%含まれることがさらに好ましく、約
70〜85%含まれることがより好ましい。一般に好ましい
バッキングにおける残りの構成要素は、主に繊維補強材
であり、空隙部を若干含む場合もある。結合剤に他の要
素を加えることも可能であるが、研磨材がコートされた
シートに含まれる主な構成要素は、熱可塑性の結合剤と
適切な量の繊維補強材である。
【0024】一般に、補強材の含有量が多くなるとバッ
キングの強度も増す。しかし、結合剤の量が不足する
と、メイクコートつまり第1接着層への接着が不十分に
なる。また、繊維補強材の量が多すぎると、バッキング
はある所望の用途に対して不適切な程に脆くなってしま
う。例えば、ポリアミド熱可塑性結合剤とガラス補強繊
維とを選択する等、熱可塑性結合剤と繊維補強材とを適
切に選択することにより、かなり高いレベルの結合剤を
使用して硬度の高いバッキング組成を製造することがで
きる。このようなバッキング組成は、若干の空隙部を含
む場合もあり、また、前述の特性を有する。
【0025】硬度の高いバッキング組成に含まれる空隙
部の容積は約0.10%よりも小さいことが好ましい。本明
細書において、“空隙部の容積"とは、バッキング内の
空気またはガスで満たされている部分、つまり固体が存
在しない部分の容積をいう。空隙部の容積のパーセンテ
ージは、バッキング組成の実際の密度(質量/体積)と、
算出された各構成要素の密度の総計とを比較することに
より求めることができる。つまり、空隙部の容積のパー
センテージは、数式[1−(実際の密度/算出された密
度)]×100で表される。
【0026】研磨材がコートされたシートのバッキング
に含有される好ましい結合剤は、熱可塑性材料である。
熱可塑性結合剤は高分子材料(好ましくは、有機高分子
材料)である。高分子材料は、高温下において軟化し溶
融し、一般に、大気温度まで冷却されると元の状態、つ
まり元の物理的状態に戻る。製造工程において、熱可塑
性結合剤は、軟化点よりも高い温度(好ましくは、融点
よりも高い温度)まで加熱される。そして、流動してバ
ッキングに望まれる形状となる。バッキングが形成され
た後、熱可塑性結合剤は、冷却され固化される。このよ
うにして、熱可塑性結合剤を多様な形状およびサイズに
型成形することができる。
【0027】熱可塑性材料は他の高分子材料よりも好ま
しい。それは、少なくとも熱可塑性材料から製造される
製品は有利な特性を有し、バッキングの製造工程がより
効率的だからである。例えば、熱可塑性材料から作られ
るバッキングは、一般に、熱硬化性材料から作られるバ
ッキングよりも、脆性および吸湿性が低い。さらに、熱
可塑性材料を使用する工程は、熱硬化性樹脂を使用する
工程に比べて、工程数が少なく、また、必要とされる有
機溶剤や触媒等の材料も少ない。さらに、熱可塑性材料
を使用した場合には、射出成形等の標準的な型成形技術
を使用してバッキングを製造することができる。このよ
うに、従来の“ウエブ"工程に比べて、製造工程におい
て浪費される材料が少なくなる。
【0028】型成形を行うことが可能な好ましい熱可塑
性材料は、軟化点が高く、耐熱性および靭性が良好なも
のである。そして、そのような材料を含む硬度の高いバ
ッキング組成は、実質的に変形して一体性を損なうこと
なく研磨作業に耐えることができる。熱可塑性材料の靭
性は、衝撃強さによって評価することができる。熱可塑
性材料は、厚さ0.89mmのサンプルに対して大気条件で、
少なくとも約0.4ジュールのガードナー衝撃値を有する
ことが好ましい。バッキングに使用される靭性を有する
熱可塑性材料は、厚さ0.89mmのサンプルに対して大気条
件で、少なくとも約0.9ジュールのガードナー衝撃値を
有することが好ましく、少なくとも約1.6ジュールのガ
ードナー衝撃値を有することがさらに好ましい。
【0029】硬度の高い好ましいバッキング組成は、ワ
ークピースの研磨面において、少なくとも約200℃の温
度に、好ましくは約300℃の温度に耐え得え、そして、
少なくとも約7kg/cm2の圧力に、好ましくは約13.4kg/c
m2の圧力に耐え得る。すなわち、型成形が可能な好まし
い熱可塑性材料の軟化点は、少なくとも約200℃、好ま
しくは約220℃である。これらの状況に耐え得るバッキ
ングは、さらに、研磨材を含む接着層の硬化温度にも、
一体性を損なったり変形したりすることなく耐えること
ができる。また、靭性および耐熱性を有する熱可塑性材
料の融点は、繊維補強材の融点よりも十分低いこと(例
えば、少なくとも約25℃低いこと)が好ましい。この場
合には、補強材料は熱可塑性結合剤の型成形中に悪影響
を受けることがない。さらに、バッキングに含まれる熱
可塑性材料は、接着層に使用される材料に対して十分な
適合性を有する。このため、バッキングが劣悪になるこ
とはなく、研磨材に対する有効な接着性を有することが
できる。また、少なくとも研磨材がコートされた研磨手
段を湿った物体表面において使用する必要がある場合に
は、水分に対して溶解しにくい熱可塑性材料が好まし
い。
【0030】バッキングの製造に適した熱可塑性材料と
しては、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリ
エステル、ポリスルホン、ポリスチレン、アクリロニト
リル-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、アセター
ルポリマー、ポリアミド、またはそれらを組み合わせた
もの等がある。以上の材料の中では、ポリアミドとポリ
エステルが好ましい。ポリアミドは、最も好ましい熱可
塑性結合剤である。それは、少なくともそれらが本質的
に靭性および耐熱性を有しており、一般に、好ましい接
着樹脂に対してプライミングなしで良好な接着性を示
し、しかも比較的経済的だからである。
【0031】バッキングを構成する熱可塑性結合剤が、
ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエステ
ル、ポリスルホン、またはポリスチレンである場合は、
バッキングとメイクコートとの接着性を高めるためにプ
ライマーを塗布することが好ましい。本明細書において
いう“プライマー"とは、機械的または化学的なプライ
マーおよびプライミング工程を含む概念である。機械的
なプライミング工程としては、コロナ処理を行うことや
表面傷を付けることによりバッキングの表面積を増加さ
せることが考えられるが、これらに限定されるものでは
ない。好ましい化学的プライマーの例としては、米国特
許第4906523号明細書に開示されているように、例えば
ポリウレタン、アセトン、イソプロパノール、または水
のコロイド分散系、およびシリコンのコロイドの酸化物
等がある。
【0032】バッキングを構成する熱可塑性材料のうち
で最も好ましいものは、アミド基(-C(O)NH- )を有する
ことを特徴とするポリアミド樹脂である。例えば、6-
6ナイロンや6ナイロン等の多様なタイプのポリアミド
樹脂、すなわちナイロンを使用することができる。フェ
ノールをベースとするメイクコート(第1接着層)が採用
される場合には、6ナイロンが最も好ましい。その理由
は、6ナイロンとフェノールベースの接着剤との接着性
が卓越しているからである。
【0033】6-6ナイロンは、アジピン酸とヘキサメ
チレンジアミンを濃縮してできたものである。6-6ナ
イロンの融点は約264℃であり、引張り強さは約770kg/c
m2である。6ナイロンは、εカプロラクタムの重合体で
ある。6ナイロンの融点は約223℃であり、引張り強さ
は約700kg/cm2である。
【0034】バッキングとして使用可能なナイロン樹脂
で商業的に入手可能なものの例としては、ミズリー州セ
ントルイスのモンサント社の“ビディン(Vydyne)"、デ
ラウェア州ウィルミントンのデュポン社の“ジテル(Zyt
el)"および“ミンロン(Minlon)"、ニュージャージー州
ピスカタウェイのハルスアメリカ社の“トロガミド・テ
ィー(Trogamid T)"、ニュージャージー州モリスタウン
のアリードケミカル社の“カプロン(Capron)"、ペンシ
ルバニア州ピッツバーグのモベイ社の“ニーダー(Nydu
r)"、およびニュージャージー州パーシパニーのBAS
F社の“ウルトラミド(Ultramid)"等がある。前記“ミ
ンロン"は、ミネラルが充填された6ナイロンであり、
このようなミネラルが充填された熱可塑性材料を使用す
ることもできるが、ここでいうミネラルは繊維または繊
維状ではなく、粒子状のものである。そして、そのアス
ペクト比は、一般に100:1である。
【0035】バッキングは、熱可塑性結合剤に加えて、
適切量の繊維補強材を含む。本明細書において“適切
量"とは、少なくとも物理的特性を改善するのに十分な
量をいう。物理的特性とは、耐熱性、靭性、柔軟性、剛
性、形状維持特性(shape control)、接着性等である。
しかしながら、繊維補強材が多すぎる場合には、空隙部
が多く発生し、バッキングの一体性に悪影響を及ぼす。
バッキングに含まれる繊維補強材の量は、バッキングに
対する重量割合で、約1〜40%であることが好ましく、
約5〜35%であることがさらに好ましく、約15〜30%で
あることがより好ましい。
【0036】繊維補強材は、個別の繊維でも、繊維のス
トランドでもよい。また、マット状またはウエブ状であ
ってもよい。製造上の都合からは、個別の繊維またはス
トランド状の繊維からなる補強材が好ましい。繊維と
は、一般に少なくとも100:1のアスペクト比を有する細
い糸状のものをいう。繊維のアスペクト比とは、縦と横
との長さの比をいう。マット状またはウエブ状の繊維補
強材は、織られたものであっても不織のものであっても
よい。不織マットは繊維の不規則なかたまりであって、
機械的、熱的、または化学的な手段によって接着され、
または絡み付けられたものである。
【0037】有益な補強材としては、金属繊維または非
金属繊維等がある。非金属繊維には、ガラス繊維、カー
ボン繊維、ミネラル繊維、耐熱性有機材料からなる合成
または天然の繊維、またはセラミック繊維等がある。好
ましい繊維は非金属繊維であり、より好ましい繊維は、
耐熱性を有する有機繊維、ガラス繊維、またはセラミッ
ク繊維である。
【0038】耐熱性を有する有機繊維が好ましいという
ことは、使用可能な有機繊維は、バッキングの製造状況
および使用状況において、耐溶融性または耐破壊性を有
していなければならないということである。使用可能な
天然の有機繊維の例としては、ウール、シルク、コット
ン、またはセルロース等がある。使用可能な剛性の有機
繊維の例としては、ポリビニルアルコール繊維、ポリエ
ステル繊維、レーヨン繊維、ポリアミド繊維、アクリル
繊維、アラミド繊維、またはフェノール繊維等がある。
好ましい有機繊維はアラミド繊維である。そのような繊
維は、デラウェア州ウィルミントンのデュポン社から
“ケブラー(Kevlar)"および“ノメックス(Nomex)"の商
標名で発売されている。
【0039】一般に、セラミック繊維はすべて、研磨材
がコートされたバッキングに使用することができる。適
切なセラミック繊維の例としては、ミネソタ州セントポ
ールの3M社から発売されている“ネクステル(Nexte
l)"がある。
【0040】最も好ましい補強繊維はガラス繊維であ
る。それは、少なくともガラス繊維により、コートされ
ている研磨材に対して望ましい特性が付与され、そして
経済的だからである。さらに、ガラス繊維と熱可塑性材
料との接着性を高めるために適切な界面結合剤が使用さ
れる。ガラス繊維は一般に文字を用いた等級により分類
される。例えば、Eガラス(電気的特性の分類)やSガラ
ス(強度の分類)等である。また、文字コードが直径の範
囲を表示することもある。例えば、“D"サイズは直径
約6μmのフィラメントを表示し、“G"サイズは直径約
10μmのフィラメントを表示する。有益なガラス繊維の
等級は、D〜UまでのサイズのEガラスおよびSガラス
のフィラメントである。好ましいガラス繊維の等級は、
GサイズのEガラスおよびSガラスのフィラメントであ
る。ガラス繊維は、フロリダ州オルズマーのスペシャリ
ティーガラス社、オハイオ州トレドのオーウェンズ-コ
ーニング・ファイバーグラス社、およびミズリー州ロー
ラのMo-Sci社から発売されている。
【0041】ガラス繊維を使用する場合は、界面結合剤
(シラン等のカップリング剤)を混ぜて、熱可塑性材料へ
の接着性を高めることが好ましい。シランカップリング
剤の例としては、ミシガン州ミッドランドのダウ・コー
ニング社から発売されている“Z-6020"および“Z-6040"
等がある。
【0042】100μm程度の短い繊維材料または長い1本
の繊維を使用することが有利である。繊維の長さは約0.
5〜50mmであることが好ましく、約1〜25mmであること
がさらに好ましく、約1.5〜10mmであることがより好ま
しい。好ましい補強繊維の太さは約1〜5000デニールで
あり、代表的には約1〜1000デニールである。さらに好
ましくは約5〜300デニールであり、より好ましくは約
5〜200デニールである。どのような補強繊維を採用す
るかによって、繊維の太さが大きく異なるということが
理解できる。
【0043】補強繊維は、熱可塑性材料の表面部にのみ
埋められるよりも、補強繊維の全体つまりバッキング本
体の全体に含有されることが好ましい。これは、バッキ
ング本体全体にわたって強度および耐摩耗性を向上させ
るためである。繊維補強材が熱可塑性結合剤からなるバ
ッキング本体の全体に含有される構造は、個別の繊維ま
たは繊維のストランドを使用して達成することができ
る。また、そのような構成は、最終製品であるバッキン
グの寸法と実質的に同一の寸法の繊維マットまたは繊維
ウエブを使用して達成することもできる。この好ましい
実施例においては、繊維補強材が含まれてい特定の領域
がバッキング内に存在してもよいが、バッキングの全体
にわたって実質的に均一に繊維補強材が含まれているこ
とが好ましい。
【0044】繊維補強材は、個々の使用目的に応じてそ
の向きを決めることができる。すなわち、繊維の方向を
ランダムにすることもできるし、強度および耐摩耗性を
向上させるために特定の方向に向けることもできる。一
般的に、繊維を一定の方向に向ける場合には、裂けるの
を防止する方向に対して±20°の角度を有するように繊
維の方向が決められる。
【0045】バッキングには、適切量の強靭化剤(tough
ening agent)をさらに加えることができる。このこと
は、特定の使用目的において好ましい。強靭化剤を加え
る主な目的は、研磨材がコートされたバッキングの衝撃
強さを増加させるためである。“適切量の強靭化剤"を
加えることにより、少なくともバッキングを過度に柔軟
にすることなくその靭性を高めることができる。前述の
衝撃試験において所望の値を達成できるように、バッキ
ングに十分な強靭化剤を加えることが好ましい。
【0046】一般的に、好ましいバッキングは、バッキ
ングの総重量に対して約1〜30%の強靭化剤を含む。約
5〜15重量%の強靭化剤を含むことがさらに好ましい。
バッキングに含まれる強靭化剤の量は、どのような強靭
化剤が採用されるかによって異なる。例えば、強靭化剤
の弾性が低いほど、バッキングに所望の特性を付与する
ために必要な強靭化剤の量は多くなる。
【0047】バッキングに所望の剛性を付与する強靭化
剤としては、ゴム系の重合体および柔軟剤等がある。そ
れらの強靭化剤のうちで好ましいのはゴムであり、最も
好ましいのは合成エラストマーである。好ましい強靭化
剤、すなわちゴム系の重合体および柔軟剤の例として
は、トルエンスルホンアミド誘導体(例えば、N-ブチル-
p-トルエンスルホンアミドとN-エチル-p-トルエンスル
ホンアミドとの混合体等で、これは、イリノイ州シカゴ
のアクゾ・ケミカル社から“ケトジェンフレックス8(Ke
tjenflex8)"の商標名で発売されている。)、スチレン-
ブタジエン共重合体、ポリアミド内にポリエーテルを支
柱として配置したもの(ニュージャージー州グレンロッ
クのアトケン社から“ペバックス(Pebax)"の商標名で発
売されている。)、ゴム-ポリアミド共重合体(デラウェ
ア州ウィルミントンのデュポン社から“ジテル・エフ・エ
ヌ(Zytel FN)"の商標名で発売されている。)、スチレン
-(エチレン・ブタジエン)-スチレンの官能化されたトリ
ブロック重合体(テキサス州ヒューストンのシェル・ケミ
カル社から“クラトン・エフ・ジー1901(Kraton FG1901)"
の商標名で発売されている。)、およびこれらの混合体
等がある。これらのうちで、ゴム-ポリアミド共重合体
およびスチレン-(エチレン・ブタジエン)-スチレンのト
リブロック重合体が好ましい。それは、少なくともそれ
らを使用するとバッキングおよびその製造工程に有益だ
からである。ゴム-ポリアミド共重合体が最も好まし
い。それは、少なくともそれを使用するとバッキングの
衝撃特性および研磨特性が向上するからである。
【0048】バッキングが射出成形によって成形される
場合には、一般に、強靭化剤は乾燥した粒子状の状態で
他の構成要素と混合される。この場合には、繊維を含有
する熱可塑性材料の粒子と強靭化剤の粒子とを混合する
工程が行なわれる。熱可塑性材料と、補強繊維と、強靭
化剤とを適切な押出し成形機内で混合し、この混合物を
粒子状にし、この粒子を射出成形機内に供給するのが、
好ましい方法である。強靭化剤と熱可塑性材料との混合
物には、例えば、ニュージャージー州パーシパニーのB
ASF社から“ウルトラミド"の商標名で発売されてい
るものがある。具体的には、“ウルトラミドB3ZG
6"は、強靭化剤とガラス繊維とを含有する有益なナイ
ロン樹脂である。
【0049】バッキングにはその有するべき所望の特性
に応じて、前述の材料の他に、他の材料または構成要素
を含ませることができる。例えば、バッキングに形状安
定剤(すなわち、前述した熱可塑性結合剤の融点よりも
高い融点を有する熱可塑性重合体)を含ませることがで
きる。適切な形状安定剤には、それらに限定されるもの
ではないが、ポリ(フェニレンスルファイド)、ポリイミ
ド、およびポリアラミド等がある。好ましい形状安定剤
の1つであるポリフェニレンオキシドとナイロンとのブ
レンドは、マサチューセッツ州ピッツフィールドのジェ
ネラル・エレクトリック社から“ノリル・ジー・ティー・エ
ックス910(Noryl GTX910)"の商標名で発売されてい
る。しかしながら、研磨材がコートされている構造にお
いてフェノールをベースとするメイクコートおよびサイ
ズコートが採用される場合には、ポリフェニレンオキシ
ドとナイロンとのブレンドは使用しないほうが好まし
い。なぜなら、フェノール樹脂の接着層とナイロンとの
相互作用は不均一であり、その結果、形状安定剤の効果
が失われるからである。この不均一な相互作用は、ポリ
フェニレンオキシドとナイロンとの均一なブレンドを得
ることが困難であることに起因している。
【0050】特定の使用目的のためにバッキングに加え
ることのできる他の材料としては、無機充填材や有機充
填材等がある。無機充填材はミネラル充填材として知ら
れている。充填材は粒子状であり、そのサイズは、代表
的には約100μmよりも小さく、好ましくは約50μmより
も小さい。有益な充填材の例としては、カーボンブラッ
ク、カルシウムカーボネート、シリカ、カルシウム、メ
タシリケート、氷晶石、フェノール、およびポリビニル
アルコール等がある。充填材が使用される場合、理論的
には、充填材が補強繊維の間に入り込み、クラックの発
生を防止する。一般的に、充填材はバッキングに対する
重量割合で約20%を越えてはならない。少なくとも適切
量の充填材を使用することが好ましい。ここでいう“適
切量"とは、バッキング内に充填するのに十分ではある
が、その引張り強さを大きく損なうことはないような量
をいう。
【0051】特定の使用目的のためにバッキングに加え
ることのできる他の材料または要素としては、それらに
限定されるものではないが、顔料、オイル、静電防止
剤、難燃剤、熱安定剤、紫外線安定剤、内部潤滑剤、酸
化防止剤、および加工助剤等がある。一般的には、これ
らの要素は必要以上に使用すべきではない。
【0052】研磨材がコートされたシートに使用される
接着層は、樹脂接着剤から形成されている。各接着層を
同一の樹脂接着剤から形成することも、異なる樹脂接着
剤から形成することもできる。有益な樹脂接着剤は、バ
ッキングを構成する熱可塑性材料との適合性がよいもの
である。接着層が劣化しないように、また、あまりに早
く研磨材が離脱しないように樹脂接着剤を硬化すれば、
過酷な研磨に対する耐性が付与される。
【0053】樹脂接着剤は、熱硬化性樹脂層であること
が好ましい。使用可能な熱硬化性樹脂接着剤の例として
は、それらに限定されるものではないが、フェノール樹
脂、アミノ樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂、アクリル化イソシアヌレート樹脂、尿素樹脂、
イソシアヌレート樹脂、アクリル化ウレタン樹脂、アク
リル化エポキシ樹脂、およびそれらの混合物等がある。
【0054】熱硬化性樹脂接着剤層は、フェノール樹
脂、アミノ樹脂、またはそれらの混合物を含んでいるこ
とが好ましい。フェノール樹脂は、レゾールフェノール
樹脂が好ましい。商業的に入手可能なフェノール樹脂の
例としては、テキサス州ダラスのオキシケム社の“バル
カム(Varcum)"、オハイオ州コロンブスのアシュランド・
ケミカル社の“アロフェン(Arofene)"、およびコネティ
カット州ダンベリーのユニオン・カーバイド社の“ベ−
クライト(Bakelite)"等がある。アミノ樹脂は、1分子
あたり少なくとも1.1のペンダントα,β不飽和カルボニ
ル基を有するものが好ましく、米国特許第4903440号明
細書の開示に従って製造することができる。
【0055】第1および第2の接着層、すなわちメイク
コートおよびサイズコートは、通常の研磨材において使
用される他の材料(添加物)を含有していることが好まし
い。これらの添加物としては、研磨助剤、結合剤、湿潤
剤、染料、顔料、柔軟剤、はく離剤、またはこれらの混
合物がある。一般的に、これらの添加物は必要以上に使
用すべきではない。第1および第2の接着層には、添加
物として充填剤が使用されてもよい。経済性および有利
な結果のためには、使用される充填材は、接着材に対す
る重量割合で、メイクコートにおいては約50%以下、ザ
イズコートにおいては約70%以下である。有益な充填材
の例としては、シリカフラワー(つまり、粒子サイズが
4〜10mmシリカの粉末(イリノイ州シカゴのアクゾ・ケミ
−・アメリカ社から発売されている。))等のシリコンコ
ンパウンド、炭酸カルシウムやメタ珪酸カルシウム(ニ
ューヨーク州ウィルソボロのニコ社の“ウォラストカプ
(Wollastokup)"および“ウォラストナイト(Wollastonit
e)"として発売されている。)等のカルシウム塩等があ
る。
【0056】第3接着層すなわちスーパーサイズコート
には研磨助剤を含ませて、コートされている研磨材の研
磨特性を高めることが好ましい。研磨助剤の例として
は、テトラフルオロ硼酸カリウム、氷晶石、アンモニウ
ム氷晶石、硫黄、およびこれらの混合物等がある。一般
的には、これらの研磨助剤は必要以上に使用すべきでは
ない。
【0057】接着層(少なくとも第1および第2の接着
層)は、例えば、レゾールフェノール樹脂等、通常のカ
ルシウム塩が充填された樹脂から作られることが好まし
い。レゾールフェノール樹脂が好ましいのは、少なくと
もそれらの熱許容性、比較的低い感湿性、高強度、およ
び低コストによる。接着層は、レゾールフェノール樹脂
内に約45〜55%の炭酸カルシウムやメタ珪酸カルシウム
を含んでいることが好ましい。接着層は、約50%の炭酸
カルシウム充填材、約50%のレゾールフェノール樹脂、
アミノ樹脂、またはそれらの混合物を含んでいることが
最も好ましい。これらの値は、接着材に対する重量割合
である。
【0058】研磨材がコートされたシートに使用するの
に適した研磨材の例としては、溶融酸化アルミニウム、
熱処理された酸化アルミニウム、セラミック酸化アルミ
ニウム、炭化珪素、アルミナジルコニア、ざくろ石、ダ
イアモンド、立方体の窒化硼素、およびそれらの混合物
等がある。“研磨材"という語は、砥粒、球塊、複粒の
研磨粒剤(multi-grain abrasive granule)も含む概念で
ある。そのような球塊の例は、米国特許第4652275号明
細書に開示されている。
【0059】好ましい研磨材は、アルミナすなわちアル
ミニウム酸化物をベースとした砥粒である。有益なアル
ミニウム酸化物の砥粒としては、溶融酸化アルミニウ
ム、熱処理された酸化アルミニウム、およびセラミック
酸化アルミニウム等がある。有益なセラミック酸化アル
ミニウムの例が米国特許第4314827号明細書、同第47448
02号明細書、および同第4770671号明細書に開示されて
いる。
【0060】研磨材がコートされたバッキングに対する
有益な砥粒の平均粒子サイズは、少なくとも約0.1μmで
あり、好ましくは少なくとも約100μmである。約100μm
の粒子サイズは、アメリカ規格協会(ANSI)のスタン
ダードB74.18-1984によるグレード120の砥粒にほぼ対
応している。研磨材がコートされたバッキングの特定の
使用目的に応じて、バッキングに対する研磨材の方向を
定めてもよく、定めなくてもよい。
【0061】バッキングを構成する要素は、シート状ま
たはウエブ状に押出し成形することができ、結合剤およ
び砥石を均一にコートすることができ、続いて、ダイを
使用して切断して、所望の形状にコンバートすること、
すなわち所望の研磨手段を形成することができる。これ
らは、これまで研磨手段の製造において行なわれてきた
ことである。
【0062】また、ダイによる打抜き、ナイフによる切
断、水流による切断、レーザーによる切断等の手段を利
用して、シートまたはウエブを個々のシートまたはディ
スクに切断することもできる。次に、ローラー塗布およ
び静電沈積等の従来の手段を利用して、メイクコート、
砥粒、およびサイズコートを塗布して、研磨材がコート
されたシートを構成することができる。
【0063】フーバー等の不織研磨繊維は、本発明にお
いて使用するのに適切な研磨シートの第2の実施例にあ
たる。この研磨シートは、3次元の均一で空隙率が高く
嵩高の軽量不織ウエブからなる。この不織ウエブは、柔
軟で耐久性があり靭性を有する有機繊維が多数、ランダ
ムに配置されたものであり、水またはオイルに長時間さ
らされた場合にも相当の弾性および強度を有する。この
ウエブを構成する繊維は、互いに交差して接触する点に
おいて有機結合剤の小球によって強固に接着されてお
り、3次元構造を達成している。このウエブ内では繊維
に沿うあらゆる場所に、砥粒が結合剤の小球により強固
に接着されている。隣接する繊維の間には、実質的に結
合剤や砥粒が充填されていない多くのすき間が残存して
おり、この結果、非常に密度の低い複合構造が実現され
る。この複合構造は、多数の比較的大きな相通じる空隙
部で構成される網状構造を有する。これらの空隙部は、
複合構造の体積の少なくとも約3/4または4/5、好
ましくはそれ以上の容積を有する。この構造の空隙率は
十分に大きく、約1/4インチの厚さのものを光(通常
の昼光)にかざした場合に、半透明または透明である。
つまり、実質的にすべての光がこの構造を通過して観察
者の目に達する。また、この構造は柔軟で容易に圧縮す
ることができ、圧力を除去すれば完全に元の状態に戻
る。
【0064】密度の低い不織繊維からなる研磨構造は、
樹脂または接着結合剤の小球を含むものもある。樹脂ま
たは接着結合剤の小球は、繊維が互いに交差し接触する
点において当該繊維を接着する。この結果、3次元の一
体構造が実現される。前記小球内には砥粒が含まれてお
り、当該砥粒は繊維に確実に接着される。小球を近くか
ら観察すると砥粒を確認することができる。樹脂または
砥粒は繊維間のすき間を実質的に満たしてはおらず、空
隙部の容積は90%を越える。ウエブを結合剤および砥粒
でインプレグネーション(通常、この用語が使用される)
することは行なわれない(通常、この用語が使用され
る)。相通じる空隙部からなる3次元に拡がる網状構造
は、処理された繊維間に存在する。繊維の大部分はコー
トされておらず、または非常に薄いコーティングがなさ
れているだけであり、弾性を有するとともに降伏し得
る。従って網状構造も弾性を有するとともに降伏可能で
ある。したがって、砥粒が有効に作用し得る。
【0065】不織繊維からなる研磨構造の他の例におい
ては、繊維は互いに交差する点において、小球の形態で
構造体内に存在している2つの異なる結合剤によって接
着されている。構造体内のほぼ下半分の位置に存在する
黒っぽい小球は、比較的硬度の高い結合剤からなってお
り、弾性を有する繊維に砥粒を接着する。軽くうねって
いるように見える小球が構造体のほぼ上半分の位置に存
在している。この小球は、弾性を有するゴム状の結合剤
からなっており、使用中に作用する引裂き応力に対する
抵抗が非常に大きい。この構造体は空隙率が非常に大き
く全体にわたって密度が小さい。繊維と、研磨ミネラル
を接着する硬度の高い結合剤と、ゴム状の結合剤との間
には、相通じる空隙部が存在している。この構造体は約
90%の容積を占める空隙部を有し得る。実質的に構造体
を通過した光だけが観察者の目に届くようにしてこの構
造体を光にかざすと、それがたとえ1/4インチ(6.35m
m)の厚さを有していても驚くほど透明である。この構造
体を水栓から流れ出る水流にさらすと、水流は構造体を
通過する際にわずかに乱れるだけであった。これは構造
体の優れた洗浄性を証明するものである。
【0066】構造体の空隙率が高いこと、および密度が
低いことが非常に重要であることが分かった。空隙部の
容積は、約85%〜少なくとも約95%であることが好まし
い。空隙部の容積が85%よりもやや小さい構造は特定の
目的には有益であるが、通常は好ましくない。一方、空
隙部の容積が約75%よりも小さくなると、目立って有利
な特性は急激に減少することが分かった。例えば、床み
がきに使用される構造体においては、洗浄性が低下し、
それにつれて研磨能力も低下する。特に、空隙部の容積
および空隙率が前述の範囲以下になると、際立った半透
明性が低下する。
【0067】前述の組合わせ構造を有するウエブを、ナ
イロンやポリエステル等(例えば、“デークロン")の合
成繊維から作ることが好ましい。このタイプの繊維は、
その均一性および品質を細かく制御することができる。
また、これらの繊維は、水やオイルにさらされた場合で
も、その物理的特性を実質的に維持する。柔軟で、弾性
を有し、耐久性があり、靭性を有する種々の天然繊維を
使用することも可能である。例えば、シルクが適切であ
ることが分かった。また、特定の用途に対しては、馬の
毛も有益であることが分かった。一方、構造体は、水お
よび(または)オイルにさらされることが多いので、繊維
は、所望の特定用途においてそれらがさらされる媒体の
下でその物理的特性を維持し得るものを選択すべきであ
る。例えば、アセチルセルロースおよびビスコースレー
ヨンの繊維は、湿潤強度が小さいため、床メンテナンス
や台所の研磨材としては不適切であることが分かった。
しかし、何らかの欠点(例えば、湿潤強度が小さいこと)
を有する繊維は、その欠点を適切な処理によって改善可
能なものもある。
【0068】シルク糸等のように、“繊維"が実際には
小さな多数の繊維から構成されるものである場合には、
複合繊維内に結合剤が浸透しないように注意すべきであ
る。このことは、例えば、複合繊維をサイジング処理す
ること、または複合繊維を強くねじることにより防止す
ることができる。
【0069】全般的に、使用される繊維の長さは、空隙
率の大きい不織ウエブを製造する処理装置に関連する制
限に依存して異なる。このような組合わせ要素の製造に
おいては、ブレッシュの特許第2744294号明細書、第270
0188号明細書、および第2451915号明細書、ラングドン
等の特許第2703441号明細書に開示されているような装
置を使用することが好ましい。これらのうちで代表的な
装置は、“ランボー-ウエバー(Ranbo-Webber)"および
“ランボ−-フィーダー(Ranbo-Feeder)"等であり、ニュ
ーヨーク州ロチェスターのカールラトー社が販売してい
る。繊維長さは通常は1.5インチ(38.1mm)が好まし
く、このような処理装置を使用すれば、通常、繊維長さ
は約1/2〜4インチ(1.27〜101.6mm)に維持される。
しかし、他のタイプの装置を使用すれば、別の長さの繊
維や、種々の長さの繊維を組み合わせたものを使用し
て、本明細書において述べる最高の特性を有する空隙率
が大きく嵩高のウエブを製造することができる。同様
に、製造工程を考えなければ、繊維の厚さも重要ではな
く、製造されたウエブが所望の弾性および靭性を有する
ことが重要である。“ランボー-ウエバー"装置を使用す
る場合には、好ましい繊維厚さは約25〜250μmである。
【0070】嵩高で空隙率が高く3次元構造のウエブが
求められるのは、すべてのまたは相当量の繊維をクリン
プセットすることができるからである。しかし、繊維を
容易に組み合わせて高空隙率および嵩高性を容易に達成
し維持できる繊維が採用されている場合には、クリンピ
ングは不要である。
【0071】多様な無機研磨材結合剤を採用することが
できる。これらの結合剤を選択するに際しては、使用状
態において接着性を維持し得る能力は勿論、繊維および
無機研磨材の両方に対して確実に接着し得る接着性を有
する結合剤を選択しなければならない。一般に、使用に
際する摩擦係数の小さい結合剤(例えば、摩擦熱に反応
して、のり状になったり、粘着性になったりしないよう
な結合剤)を使用することが非常に好ましい。このよう
な観点からは、比較的硬度の高い複合樹脂が最良である
と思われる。しかし、のり状になる傾向のある材料(つ
まり、ゴム状の材料)でも、粒子状の充填材を充填すれ
ば使用可能になるものもある。特に適切であることが判
明した結合剤としては、フェノールアルデヒド樹脂、ブ
チル化尿素アルデヒド樹脂、エポキシド樹脂、およびポ
リエステル樹脂等があり、例えば、無水マレイン酸や無
水フタル酸とプロピレングリコールとの縮合物である。
通常、使用される結合剤の量は、繊維同士を交差接触す
る点において接着するのに必要最小限の量に、また、研
磨材結合剤においては、砥粒を確実に接着するのに必要
最小限の量に調節される。結合剤および結合剤を塗布す
るための溶剤は、使用される特定の繊維に対して、当該
繊維に浸透して脆化させることのないようなものを選択
すべきである。
【0072】前述のような研磨材がコートされた不織繊
維は、本発明において使用するのに適した研磨シート材
料の例示として記載したものにすぎず、これらの記載に
より本発明が限定されるものではないということに留意
する必要がある。本発明においては、適切な研磨シート
材のすべてを有効に利用することができる。
【0073】図3に示されているように、シートから研
磨ディスクがダイ打抜きされた後には残材106が残る。
研磨ディスクの打抜きと残材の切断とが同時に行なわれ
ることが好ましい。具体的には、残材106を小さな分割
シート片110に分割することができるように、切れ目108
が形成されている。図示された実施例においては、分割
シート片110は3つの突出端112を有している。心棒への
取付けを容易にするために必要な場合には、各分割シー
ト片110の中央に貫通口114が形成される。
【0074】図4に示された実施例においては、分割シ
ート片110は3つの突出端112を有している。隣接する突
出端112は、稜線116で結ばれている。稜線116は凹状で
あり、曲率半径Rを有している。曲率半径Rの中心は、
分割シート片110の外側に存在するCである。好ましい
実施例においては、各曲率半径は等しい。しかし、曲率
半径がそれぞれ異なっていてもよい。各突出端112の形
状は、必要に応じて選択することができる。例えば、尖
っていてもよいし、平坦つまり切頭状であってもよい。
【0075】分割シート片110の何枚かが互いに分離さ
れて、図5Aに示されているような方法で、砥石車118
が組み立てられる。中央に形成された貫通口114が重ね
られて、各分割シート片110が圧縮される。そして、ボ
ルト120を貫通口114に通して、各分割シート片110を心
棒122に固定する。ボルト120および心棒122は、他の固
定手段で代用してもよい。例えば、リベット等を使用す
ることができるが、それに限定されるものではない。組
み立てられた砥石車118の一例が図5Bに示されてい
る。固定手段は回転動力源に接続されており、砥石車11
8がワークピースを研磨することができる。分割シート
片110の数、サイズ、および相対位置は、必要に応じて
選択することができ、砥石車118の研磨特性等を最大に
することができる。
【0076】分割シート片は、より多くの突出端を有し
ていてもよい。例えば図6に示された研磨材シートは、
円形の研磨ディスクが切断除去された後に複数の開口部
202が残されている。円形の研磨ディスクがダイ打抜
きされた後には、残材206が残る。研磨ディスクの打
抜きと残材の切断とが同時に行なわれることが好まし
い。残材206を小さな分割シート片210に分割することが
できるように切れ目208が形成されている。分割シート
片210は4つの突出端を有している。図4に示された実
施例と同様に、稜線216は凹状であり、各分割シート片2
10の中央には貫通口214が形成されている。図5Aおよ
び図5Bに示された実施例と同様に、分割シート片210
から砥石車が組み立てられる。
【0077】図7にはさらに他の実施例が示されてい
る。研磨シート材から円形の研磨ディスクが切断除去さ
れた後に複数の開口部302が残されている。円形の研磨
ディスクがダイ打抜きされた後には、残材306が残る。
研磨ディスクの打抜きと残材の切断とが同時に行なわれ
ることが好ましい。残材306を小さな分割シート片310に
分割することができるように切れ目308が形成されてい
る。分割シート片310は5つの突出端を有している。図
4に示された実施例と同様に、稜線316は凹状である。
また、各分割シート片310の中央には貫通口314が形成さ
れており、分割シート片310を固定手段に容易に取り付
けることができる。図5Aおよび図5Bに示された実施
例と同様に、分割シート片310から砥石車が組み立てら
れる。
【0078】本発明の砥石車は、特に、断面が円形の貫
通口または通路の研磨またはバリ取りに有益である。例
えば、本発明の砥石車を回転駆動源に取り付けて、パイ
プ、チューブ、中空シャフト、およびワークピースに形
成された貫通口の内面を研磨することができる。以上の
ような使用においては、回転する砥石車で通路を手前側
から全長にわたって研磨し、そして通路の全長にわたっ
て引き抜くことが好ましい。砥石車は互いに反対側を向
く研磨面を有しているので、以上のような研磨工程の結
果、通路は2方向に研磨されることになる。以上の工程
は本発明を限定するものではなく、本発明の技術的範囲
内において他の応用もなし得る。
【0079】砥石車(および砥石車を構成する研磨シー
ト材)のサイズは、必要に応じて選択することができ
る。例えば、断面が円形の通路を研磨する場合は、砥石
車の直径が通路直径よりも大きいことが望ましい。こう
すれば、砥石車は通路の内壁に対して一定の接触状態を
保つことができる。
【0080】本発明の構成を以下の実施例に示す。実施例
【0081】ロール状の研磨シート材が、ダイ打抜き装
置に供給された。シート材はグレード180の樹脂接着布
スリーエマイテ(重量X、タイプFR)であった。このシ
ート材は、重量X(225g/m2(6.5オンス/平方ヤード))の
研磨材を含んだ布である。また、重量J(174g/m2(5.0オ
ンス/平方ヤード))の布から切断されたサンプルも、同
様に以下のように採用されてテストがなされ、良好な結
果が得られた。
【0082】ロール状の研磨シート材が、マサチューセ
ッツ州バーバリーのUSM・ハイドローリック・マシーナ
リー社から発売されているシングルカット衝撃プレス機
(モデルB2)に供給された。この衝撃プレス機は、研磨
シート材を図4に示されるような形状に切断し得るダイ
を備えていた。曲率半径Rはほぼ7.62cm(3.0インチ)
で、突出端の幅はほぼ0.6cm(0.236インチ)であった。各
ダイの表面は、3つの突出端を有する各分割シート片の
中央に円形の貫通口をダイ打抜きし得るように構成され
ていた。貫通口の直径は0.635cm(0.25インチ)であっ
た。研磨シート材は、研磨面がダイの切断表面とは反対
側を向くようにして配置された。そして、3つの突出端
を有する分割シート片がシート材からダイ打抜きされ
た。同様の方法で、さらに11個の分割シート片がシート
材からダイ打抜きされ、総計12個の分割シート片がダイ
打抜きされた。
【0083】次に6個の分割シート片が集められ、研磨
面が同一の方向に向けられた。分割シート片は貫通口を
利用して整列させられ、図5Aに示されるように扇風機
の羽根のような配列とされた。隣接する突出端の間の間
隔は均等であった。残りの6個の分割シート片が同様に
整列させられた。そして、それぞれが6個の分割シート
片からなる2組の群が、一方の群の研磨面と他方の群の
研磨面とが互いに反対側を向くようにして重ねられた。
その後、図5Aに示されているように、ボルトおよび心
棒を使用して全12個の分割シート片が固定された。この
ような構成により、組立後の砥石車は互いに反対側を向
く研磨面を有することができる。これは、例えば、円形
断面のパイプの内面のバリ取りまたは研磨を行う場合に
有益であると考えられる。このような構成を有する砥石
車の試験を行なった結果、有益であることが分かった。
【0084】本発明を幾つかの実施例によって説明して
きたが、この分野の当業者であれば、本発明の技術的範
囲から逸脱することなく、多くの変更を行うことが容易
である。したがって、本発明の技術的範囲はここに記載
した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に
記載された文言により規定される構成およびそれと均等
な構成によって定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 複数の円形研磨ディスクが打ち抜かれた後の
シート状研磨材を示す平面図である。
【図2】 複数の円形研磨ディスクが打ち抜かれた後の
シート状研磨材を示す平面図である。
【図3】 複数の円形研磨ディスクが切断除去された後
のシート状研磨材を示す平面図である。シート状研磨材
が、本発明に従って複数に切断されている。
【図4】 本発明に係るシート状研磨材の1つを示す平
面図である。突出端を3つ有することが示されている。
【図5】 図5Aは、本発明に係る砥石車を構成する複
数のシート状研磨材、ボルトおよび心棒を示す斜視図で
ある。図5Bは、本発明に係る砥石車の組み立てられた
状態を示す斜視図である。
【図6】 複数の円形の研磨ディスクが切断除去された
後のシート状研磨材の平面図である。シート状研磨材
が、本発明の他の実施例に従って複数に切断されてい
る。
【図7】 複数の円形の研磨ディスクが切断除去された
後のシート状研磨材の平面図である。シート状研磨材が
1つ、本発明のさらに他の実施例に従って切断されてい
る。
【符号の説明】
12 シート材 14、106、206、306 残材 100 シート状研磨材 102、202、302 円形開口部 108、208、308 切れ目 110、210、310 分割シート片 112 突出端 114、214、314 貫通口 116、216、316 稜線 118 砥石車 120 ボルト 122 心棒

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1枚の分割研磨シート片(110、210、31
    0)からなる研磨手段であって、 分割研磨シート片(110、210、310)は突出端(112)を少な
    くとも3つ有しており、隣接する突出端(112)は稜線(11
    6、216、316)によってむすばれており、 各稜線(116、216、316)の曲率中心は分割研磨シート片
    の外側に位置しており、各稜線(116、216、316)の曲率
    半径が等しい、研磨手段。
  2. 【請求項2】 前記分割研磨シート片(110、210、310)
    を複数枚有しており、各分割研磨シート片(110、210、3
    10)の中央には貫通口(114、214、314)が形成されてお
    り、 各分割研磨シート片(110、210、310)の貫通口(114、21
    4、314)に通されて、当該複数の分割研磨シート片(11
    0、210、310)を一体保持して砥石車を構成する手段と、 砥石車を回転駆動源に接続する手段とをさらに有する、
    請求項1記載の研磨手段。
  3. 【請求項3】 研磨シート材(100)を用意して、 研磨シート材(100)から円形の研磨ディスクを切除し
    て、そして研磨シート材(100)から分割研磨シート片(11
    0、210、310)を切除する、請求項1記載の研磨手段を製
    造する方法であって、 分割研磨シート片(110、210、310)の突出端(112)をむす
    ぶ稜線(116、216、316)は、研磨シート材(100)から円形
    の研磨ディスクを切除することにより形成される、方
    法。
JP6231110A 1993-09-27 1994-09-27 砥石車を構成する分割研磨シート片およびそのような分割研磨シート片を製造する方法 Pending JPH07164331A (ja)

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