JPH07163817A - 嵩高エレクトレットフィルター及びそのフィルターユニット - Google Patents

嵩高エレクトレットフィルター及びそのフィルターユニット

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JPH07163817A
JPH07163817A JP25714494A JP25714494A JPH07163817A JP H07163817 A JPH07163817 A JP H07163817A JP 25714494 A JP25714494 A JP 25714494A JP 25714494 A JP25714494 A JP 25714494A JP H07163817 A JPH07163817 A JP H07163817A
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JP
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filter
electret
bulky
fiber
frame
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JP25714494A
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Yatsuhiro Tani
八紘 谷
Seiji Tokuda
省二 徳田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エレクトレット繊維シートが折り畳まれ、相
隣り合うひだ面の全面又は一部が接合されてなる。嵩密
度が0.005g/cc以上0.1g/cc以下であ
る。 【効果】 高目付のフィルターにおいても高嵩高性ゆえ
に低圧力損失、高捕集効率であり、加えて繊維脱落のな
い形態保持性のよいエレクトレットフィルターが得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は気体、液体用フィルタ
ー、ワイパーなどに用いることのできる嵩高エレクトレ
ットフィルター及びそのフィルターユニットに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】空気等の流体に含まれる塵や埃等の微粒
子を除去するために、エレクトレット処理を施した繊維
からなるフィルターが一般に用いられている。例えば
特公昭56−47299号公報には、エレクトレット化
したフイルムスプリット繊維を用いてエレクトレットフ
ィルターとしているものが示されている。また繊維製フ
ィルターとして、カードウェブを樹脂液で固化接合した
ケミカルボンド濾材や、カードウェブのニードルパンチ
ング濾材などがある。
【0003】またフィルターの脱着可能なフィルターユ
ニットは、フィルターの形状保持のために、繊維製フィ
ルターの周辺もしくは端部でプラスチックフォーム材と
一体成形されており、この一体成形されたフィルターを
フィルター枠に収納して用いている。
【0004】フィルターユニットとしては、一般にプレ
フィルターと呼ばれている一般空調用の粗塵フィルター
ユニットが代表的に挙げられる。該フィルターユニット
は、濾材押さえ治具を流体の流入面に有するフィルター
枠と、該枠の内寸法と同一か或いはやや小さいフィルタ
ーからなり、該フィルターを上記フィルター枠の内側に
収めて使用するものである。使用により該フィルターユ
ニットが塵埃によって目詰まりを起こしたときは、フィ
ルターをフィルター枠から取り外し、洗浄の後再度フィ
ルター枠に収めて使用する。
【0005】特開昭57−107214号公報にはフ
ィルターユニットが示されており、この公報には、シー
ト状のフィルターをプリーツ加工によりジグザクに折
り、フィルター枠に収納したものが記載されている。該
フィルターはひだ面が相互に密着しない様になってお
り、波型スペンサーで流体の流れる隙間を形成してい
る。このひだ折りフィルターと波型スペンサーは、その
端面もしくは周辺部でプラスチックフォーム材によって
一体的に成形されている。この一体成形されたフィルタ
ー部材を上記フィルター枠に収納している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のエ
レクトレットフィルターでは、フィルターの目付を増大
したり、高風速下でフィルター性能を測定すると嵩密度
が大きくなり、目付あたりの捕集効率の減少や圧力損失
の増大が生じるという問題があり、さりとて、嵩密度を
小さくする加工を施すと繊維が脱落しやすいとか、取り
扱い時に寸法の伸縮変形を生じて形態保持性が悪くなる
という問題がある。例えば従来の上記のフィルターで
は実施例から推定すると嵩密度は0.05g/cc程度
と小さいが、前述の様にフィルターの目付を増大した
り、高風速下でフィルター性能を測定すると上記問題が
生じる。
【0007】また上記ケミカルボンド濾材や上記ニード
ルパンチング濾材といった中性能用,高性能用濾材の場
合、フィルターを構成する繊維の配向方向が流体の流れ
に対して略垂直となっている為、高流速下での圧力損失
が非常に高く、更に圧密化した超高性能フィルターにあ
っては圧力損失が極めて著しいという問題があった。
【0008】一方従来のフィルターユニットでは、フィ
ルター枠とフィルターの間に隙間があり、そこから流体
が漏れ、塵埃などを除去できないという問題があった。
上記一般空調用の粗塵フィルターユニットは空気中に浮
遊する数ミクロン以上の大きな塵埃を捕集するものであ
るが、空気漏れについてはなんら対策を講じていない。
従ってたとえフィルターを中性能用もしくは高性能用の
ものに替えたとしても、上記隙間から流出する塵埃は阻
止できないという問題があった。
【0009】上記従来のフィルターユニットにあって
は、フィルター面積が上記一般空調用粗塵フィルターユ
ニットに比べて数倍大きいことから、高風量下の使用で
もフィルター通過風速を低速で用いることができるもの
の、搬送や取扱い時に変形し易いという様に作業性が悪
いという問題がある。さりとてフィルターの端面もしく
は周辺部をプラスチックフォーム材で強固に一体成形す
ると、フィルター枠への収納がしにくいという問題が生
じ、また強固であるとプラスチックフォーム材とフィル
ター枠の寸法精度に狂いがあるときにはそれらの間に大
きな隙間を生じることがあり、上述の様に流体漏れが生
じるといった問題があった。
【0010】本発明はかかる問題に鑑み、鋭意検討した
結果、本発明に到達したものであり、高風速下において
も高い嵩高性のものであり、高捕集効率、極低圧力損失
で、繊維脱落がなく形態保持性の良い嵩高エレクトレッ
トフィルターを得ることを目的とする。
【0011】またフィルターとフィルター枠の間に隙間
がなく、且つフィルター枠へのフィルターの脱着の際の
作業性が良く、また収納性の良いフィルターユニットを
得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る嵩高エレク
トレットフィルターは、エレクトレット繊維シートが折
り畳まれた折り畳み構造を有し、隣り合うひだ面の全面
または一部が接合されてなり、嵩密度が0.005g/
cc以上0.1g/cc以下であることを要旨とする。
また上記ひだのシート面(以下単にひだ面と言うことが
ある)が、流体の流れ方向に対して略平行に配置されて
いることが好ましい。
【0013】また本発明のフィルターユニットは上記嵩
高エレクトレットフィルターをフィルター枠に収納して
なるものである。加えて、フィルター枠が矩形であり、
上記嵩高エレクトレットフィルターの辺の長さを上記フ
ィルター枠の対応する辺の長さの100.5〜130%
とするのが好ましい。
【0014】
【作用】本発明の嵩高エレクトレットフィルターの斜視
図を図1と図2に示した。本発明の嵩高エレクトレット
フィルター1は折り畳み加工される際に生じる折り畳み
部2が該フィルター1の片面あるいは両面を形成し、相
隣り合うひだ面3が全面又は一部で接合されているとこ
ろに第1の特徴がある。折り畳み部2が該フィルター1
の片面を形成する図2の例では、折り畳み部2とは反対
面4側から流体を流すと、塵埃による目詰りの進行を大
幅に遅らせることができるので、フィルターとしては長
寿命化され極めて好都合である。フィルター1のひだ面
は、図3に示す様に、流体の流れ方向(矢印B,C方
向)に対して略平行方向に配置するのが良い。
【0015】本発明におけるエレクトレット繊維シート
を構成するエレクトレット繊維は、溶融紡糸,乾式溶融
紡糸やフイルム割繊維法などの手段とエレクトレット化
手段とを組合せて作られるエレクトレット繊維や、ポリ
プロピレン繊維とモダアクリル繊維等の混合繊維から得
られる静電気帯電された繊維等が挙げられる。シートの
繊維形態としては、カード等のフリース、乾式不織布な
どの短繊維の集合体やスパンボンド、メルトブロー,乾
式溶液紡糸不織布などの長繊維の集合体がある。又、こ
れらエレクトレット繊維シートの嵩密度は小さい方が好
ましいが、0.1g/cc以上であっても何ら差しつか
えない。又、これらエレクトレット繊維シートの目付は
1g/m2 から500g/m2 、好ましくは5g/m2
から100g/m2 の範囲が挙げられる。
【0016】本発明におけるエレクトレット繊維シート
は熱融着繊維を含有するか、あるいはエレクトレット繊
維シートに熱融着繊維シート又は熱融着フィラメントな
どを全面もしくは一部分に重ねて用いられる。その熱融
着成分の含有量は90%以下、好ましくは70%、より
好ましくは50%以下である。更に好ましくは30%、
もっとも好ましくは20%以下である。
【0017】ここで使用される熱融着繊維の素材として
は、ポリエチレン、変性ポリエチレン、共重合ポリエス
テル、共重合ナイロン、エチレン酢酸ビニル共重合体な
どが挙げられる。その繊維断面形状は、丸断面、矩形断
面、或いは異形断面に加えて、多成分からなるサイドバ
イサイド構造やシースコア構造の複合繊維(例えばポリ
エチレン/ポリプロピレンの芯鞘構造繊維等)も用いら
れる。
【0018】本発明におけるエレクトレット繊維シート
のエレクトレット繊維の素材としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、α−ポリオレフィン、ポリカーボネー
ト、シンジオタクチックポリスチレン、テフロン、エチ
レンとクロロトリフロロエチレン共重合体などが挙げら
れる。この中でもエレクトレットの性質に加えて、熱融
着性を有するものが特に好ましい。
【0019】本発明におけるエレクトレット繊維シート
は主にエレクトレット繊維からなっているが、必要によ
り吸着性繊維、難燃繊維、イオン交換性繊維、抗菌性繊
維、芳香性繊維などを含有させることもできる。
【0020】本発明におけるエレクトレット繊維シート
の繊維の配向はその尺度としてシート長手方向の引張強
度と幅方向の引張強度の比が9/1〜5/5の範囲が好
ましい。該シートの繊維がシートの長手方向に高度に配
向していると、嵩高エレクトレットフィルターでは、該
フィルターのシート面に垂直に繊維配向が形成されるた
め、低圧力損失に加えて、エレクトレット繊維の分極面
が塵埃の捕集に対して有効に作用し高捕集効率を発揮す
る。従って従来のエレクトレットフィルターにはないす
ぐれたフィルター性能を有する。
【0021】本発明の嵩高エレクトレットフィルターは
エレクトレット繊維シートが折り畳まれ、相隣り合うひ
だ面の全面又は一部を接合して作製される。この場合、
エレクトレット繊維シートの折り畳みの幅は5mmから
300mmであり、好ましくは10mmから100m
m、より好ましくは15mmから50mmである。折り
畳まれたエレクトレット繊維シートは熱処理される。こ
の時、エレクトレット繊維シートに熱融着繊維を含有さ
せたり、熱融着繊維シートあるいは熱融着フィラメント
を重ねておくと、相隣り合うひだ面が全面あるいは一部
分で接合され、ひだ面に存在するそれぞれの熱融着繊維
が熱融着繊維同士あるいは熱融着繊維とエレクトレット
繊維シートの繊維間で熱融着接合され一体化され、嵩高
エレクトレットフィルターが得られる。本発明において
ひだの一体化については、熱融着繊維による融着一体化
や、機械的な絡合、縫製などの繊維交絡による一体化で
あってもさしつかえない。本発明において、エレクトレ
ット繊維シートの折り畳みは、歯車による折り加工、刃
の往復運動による折り加工や空気流による折り加工など
が用いられる。
【0022】本発明における嵩高エレクトレットフィル
ターの嵩密度を決める要因は該シートの嵩密度、接合す
るときの接合成分の密度や接合処理時の嵩密度があり、
該フィルターの嵩密度としては0.005g/cc以上
0.1g/cc以下であり、好ましくは0.01以上
0.05g/cc以下である。この嵩密度については、
上記嵩高エレクトレットフィルターがフィルター枠に収
納された後では、枠によって圧縮状態が保持されて多少
嵩密度が高くなるが、収納された後においても好適な嵩
密度は上記と同様である。
【0023】本発明はエレクトレット繊維シートの折り
畳まれ相隣り合うひだ面が接合されることで形態保持
性、耐繊維脱落性が改良されるのである。本発明の嵩高
エレクトレットフィルターの目付は、流体を流す方向に
垂直な面にあたる目付として、30g/m2 〜2000
g/m2 であり、高目付であるにもかかわらず極めて嵩
高であり、加えてフィルターの形態保持性が極めてすぐ
れており、更には繊維の脱落もなく高風速下で使用され
るフィルターとして好適な材料である。とりわけ高目付
における嵩高性は従来のエレクトレットフィルターでは
到底達し得ないものである。
【0024】次に本発明のフィルターユニットについて
説明する。図4(a)は本発明のフィルターユニットの
一例を示す一部切欠き斜視図である。図4(a)に示す
様に、フィルターユニットは、上記嵩高エレクトレット
フィルター1がフィルター枠5に収納されてなるもので
ある。図4(b)は、フィルター枠5へ収納される前の
嵩高エレクトレットフィルター1を示す斜視図であり、
本発明のフィルター1は前記形態保持性を有するのでフ
ィルター枠に収納しない状態であってもそのまま使用可
能である。
【0025】収納される嵩高エレクトレットフィルター
はフィルター枠の内側の寸法よりも大きいことが重要で
ある。このことで、該フィルターをフィルター枠に収納
したときに、フィルターの圧縮弾性回復力により、フィ
ルター枠を内側から外側へ向かって押しつけられる様に
密着しているから、フィルター枠とフィルターの間に隙
間がなくなる。従って従来の様に隙間からの流体漏れが
なくなり、加えてフィルターがフィルター枠に安定して
固定され、収納性がよい。
【0026】その嵩高エレクトレットフィルターの大き
さは前述の様に、フィルター枠5が矩形の場合では、フ
ィルター枠5の対応する辺の長さの100.5〜130
%である。そして好ましくは101〜120%であり、
更に好ましくは103〜115%である。
【0027】フィルター枠の形態としては、流体の流入
面が正方形等の矩形,多角形,丸形,異形等、どの様な
形状でも良く、かかる種々の形態に対しても、上記フィ
ルターをカッティングしフィルター枠に対応したやや大
きめの形態に調整することで、上述の様に漏れを生じさ
せない様にすることができる。
【0028】前述の様にフィルター枠へのフィルターの
固定は、フィルターの圧縮弾性回復力によってなされる
が、流体の流れが非常に速い使用条件でフィルターユニ
ットを使用する場合は、フィルターとフィルター枠内面
のそれぞれ接する部分に凸部や凹部を設け嵌合する構成
としたり、フィルター枠の流体流出面にフィルター枠の
内寸法よりも小さい止め枠を設けたり、或いはフィルタ
ー枠の流体流出面の全面に網等の通気性材料を設けるこ
となどが推奨される。尚上記止め枠や上記通気性材料は
脱着可能とする。本発明のフィルター枠5の材料として
は、合板,ボール紙,プラスチック,金属,無機材等が
挙げられる。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 <実施例1〜5、比較例1〜4>厚さ10μmで平均幅
50μmのスプリット状のポリプロピレンエレクトレッ
ト繊維90wt/wt %と共重合ポリエステル繊維(3デニ
ール)10wt/wt %からなるカードフリース(10g/
2 )を歯車で折り畳み後、夫々下記表1に示す目付量
で嵩密度0.03g/ccの容積になる様にプレスし、
110℃で熱処理を行って接合し、次いで折り畳み面を
けずり取って実施例1〜5を作製した。嵩密度は圧縮弾
性試験機(前田工業(株))を用いて押圧1.25g/
2 で厚さを測定し、目付から求めた。
【0030】フィルター性能は、図3に示す矢印Bまた
はCの方向から空気を1m/秒の風速で流し、フィルタ
ー上流と下流の大気塵濃度を粒子計測機(RION社
製)で計測して捕集効率を求め、マノスターゲージによ
り圧力損失を求めた。フィルターの総合濾過性能の尺度
としては100から捕集効率を引き、100で割って自
然対数をとった絶対値を圧力損失で割った濾過特性値を
用いた。繊維脱落性および形態保持性は実施例のフィル
ター(寸法10cm×10cm)に100gの板(寸法
10cm×10cm)を水平にして15cmの高さから
繰り返し3回落下させた後、該フィルターの下面におけ
る脱落繊維の有無と、フィルター厚さの変化をノギスで
測定し形態保持性を評価した。
【0031】尚、捕集効率や圧力損失を測定する際に用
いる測定装置を図5に示す。測定器ダクト6内のサンプ
ルホルダー7に実施例または比較例のフィルターが設置
されるようになっており、ブロアー11が動作すると矢
印A方向に空気が導入され、大気塵濃度が粒子計測機9
で計測される。また、フィルター上流側と下流側の圧力
差は差圧計8によって計測される様になっている。尚、
空気流量は流量計10によって測定される。
【0032】比較例として、実施例1〜5で用いたと同
じエレクトレット繊維でカードフリースを作製し、ウエ
ブレイヤーで積層後ニードルパンチ加工を行い比較例
1,2を得た。また、実施例1〜5と同じカードフリー
スをウエブレイヤーで積層後、実施例1〜5と同様に嵩
密度0.03g/ccになる容積にプレスし110℃で
熱処理を行い比較例3,4を得た。これら比較例1〜4
のフィルター性能、嵩密度について、実施例と同じ測定
法で測定した。これら実施例1〜5,比較例1〜4の結
果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から分かる様に、実施例1〜5のフィ
ルター特性値は目付に依存せず大きい値を示した。一
方、比較例1,2は高風速下によるフィルター内での空
気の乱れにより圧力損失は高く、低いフィルター特性値
であった。また、比較例3,4は低い嵩密度に成形した
が、試験空気がカードフリースの面に垂直に流れるため
フィルターが圧密化され高い圧力損失となり、低いフィ
ルター特性値であった。また実施例1〜5の繊維脱落
性、形態保持性はいずれも比較例1〜4に比べて優れて
いた。
【0035】<実施例6〜9,比較例5〜7>実施例6
〜9,比較例5,6では、厚さ8μm,平均幅50μm
のスプリット状のポリプロピレンエレクトレット繊維5
0wt/wt %と、熱融着繊維(東洋紡績(株)製、商品
名:エステラーナEE−7、繊度:7デニール)50wt
/wt %とを混紡してカード状態とし、できたカードフリ
ース20g/m2を歯車を用いて屏風折りに折り畳む(図1
参照)。そして夫々下記表2に示した嵩密度になる様に
プレスし、110℃で熱処理を行って隣り合うひだ面を
接合して各々のフィルターとした。次に該フィルターを
縦320mm、横320mmの大きさになる様に切り、合板
製フィルター枠(縦300mm、横300mm、奥行200
mm)に各々収納した。
【0036】比較例7では、上記実施例6等と同じ上記
カードフリースを用い、ウェブレイヤーで20層になる
様に重ね合わせ、110℃で熱処理の後、できたフィル
ターを縦320mm、横320mmの大きさなる様に切る。
そして上記度同じ寸法の合板製フィルター枠に収納し
た。
【0037】これら各比較例について、下述の様に試験
を行った。捕集効率、圧力損失、濾過特性値については
前記実施例1〜5と同様の方法で行った。フィルターの
嵩密度は、フィルター枠に収納した時のフィルターの厚
さをノギスで測定し、そのフィルターの目付とフィルタ
ー枠の内側寸法から、計算で求めた。フィルター枠への
フィルターの収納性については、枠とフィルターつたー
の間に隙間を生じる場合を否とし、隙間のない場合を良
として評価した。またフィルター交換の作業性について
は、フィルターの著しい変形を生じる場合を否とし、フ
ィルターが取り扱い易く且つ変形が起こらない場合を良
として評価した。これらの結果を下記表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】上記表2からも明らかな様に、本実施例で
は濾過特性値に優れ、加えて収納性及びフィルター交換
性においても良く、優れたフィルターユニットであっ
た。尚本発明においては、フィルターの濾過特性を選ぶ
ことによって、超高性能用から中性能用の種々のフィル
ターまたはフィルターユニットとすることができる。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る嵩高エレクトレットフィル
ターは、高い目付のフィルターにおいても高嵩高性であ
るから、低圧力損失、高捕集効率であり、加えて繊維脱
落が無く形態保持性が良い。また本発明の嵩高エレクト
レットフィルターは、エレクトレット繊維の主な配向方
向がフィルター面に垂直に配置されているから、従来の
エレクトレットフィルターでは到底達し得ない高風速下
であっても、高捕集効率、極低圧力損失で、繊維脱落が
なく形態保持性が良い。
【0041】また本発明に係るフィルターユニットは、
フィルターが枠内側から圧接する様な状態で形態保持が
なされる構成であるので、収納される嵩高エレクトレッ
トフィルターとフィルター枠の間に隙間がなく、従って
濾過する流体の漏れがない。加えてフィルターの交換性
及び収納性に優れている。更にフィルターの脱着が可能
であるから、フィルターの使用寿命が尽きたときには、
フィルターをフィルター枠から取り外し、新しいフィル
ターに交換することで、フィルター枠を再利用でき、従
って省資源上も有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る嵩高エレクトレットフィルターの
一例を示す斜視図。
【図2】本発明に係る嵩高エレクトレットフィルターの
一例を示す斜視図。
【図3】本発明の嵩高エレクトレットフィルターに流体
が流れる方向を矢印で示した斜視図。
【図4】(a)は本発明に係るフィルターユニットを示
す一部切り欠き斜視図、(b)はその内部のフィルター
を示す斜視図。
【図5】捕集効率や圧力損失を測定する為の測定装置を
示す図。
【符号の説明】
1 嵩高エレクトレットフィルター 2 折り畳み部 3 ひだ面 4 折り畳み部の反対面 5 フィルター枠

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレクトレット繊維シートが折り畳まれ
    た折り畳み構造を有し、隣り合うひだ面の全面または一
    部が接合されてなり、 嵩密度が0.005g/cc以上0.1g/cc以下で
    あることを特徴とする嵩高エレクトレットフィルター。
  2. 【請求項2】 上記ひだのシート面が、流体の流れ方向
    に対して略平行に配置されてなる請求項1に記載の嵩高
    エレクトレットフィルター。
  3. 【請求項3】 上記請求項1または2のいずれかに記載
    の嵩高エレクトレットフィルターを、フィルター枠に収
    納してなるフィルターユニット。
  4. 【請求項4】 フィルター枠が矩形であり、上記嵩高エ
    レクトレットフィルターの辺の長さを上記フィルター枠
    の対応する辺の長さの100.5〜130%としたもの
    である請求項3に記載のフィルターユニット。
JP25714494A 1993-10-21 1994-10-21 嵩高エレクトレットフィルター及びそのフィルターユニット Withdrawn JPH07163817A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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