JPH07160893A - 3次元形状復元方法 - Google Patents

3次元形状復元方法

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JPH07160893A
JPH07160893A JP5341859A JP34185993A JPH07160893A JP H07160893 A JPH07160893 A JP H07160893A JP 5341859 A JP5341859 A JP 5341859A JP 34185993 A JP34185993 A JP 34185993A JP H07160893 A JPH07160893 A JP H07160893A
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JP
Japan
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image
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time
point
camera
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JP5341859A
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Katsuyuki Tanaka
勝之 田中
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は視点を移動する前後の画像から撮影対
象である物体の対応点を正確に求めることができる3次
元形状復元方法を提案する。 【構成】撮像手段を少しづつ動かしながら同一物体を順
次撮影し、順次得られる時系列画像について物体のエツ
ジ画像を検出する。この後、前時点までに復元された物
体の3次元情報と現時点の画像から検出されたエツジ画
像とに基づいて前時点と現時点との間に生じた撮像手段
の移動量を推定する。続いて推定結果から物体のエツジ
画像と物体の3次元情報との対応点を全エツジについて
包括的に求める。このように全エツジについて包括的に
対応関係を求めることにより、個々独立に対応点を特定
する従来の方法に比して誤対応のおそれを低減すること
ができる。この結果、復元される3次元情報の信頼性を
一段と高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。 産業上の利用分野 従来の技術(図8及び図9) 発明が解決しようとする課題(図10〜図12) 課題を解決するための手段(図7) 作用(図5) 実施例(図1〜図7) (1)復元原理(図1〜図5) (1−1)カメラ移動と視差との関係(図1) (1−2)3次元情報の復元(図2〜図5) (1−2−1)原理(図2) (1−2−2)3次元情報の復元方法(図3〜図5) (2)運動パラメータ推定方法を導入した3次元情報復
元システム (2−1)システム構成(図6) (2−2)復元処理(図7) (3)他の実施例 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は3次元形状復元方法に関
し、特に同一の物体を異なる位置から撮影して得られる
時系列画像から被写体の3次元形状を復元する方法に適
用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、この種の復元方法としては、ステ
レオマツチング法が用いられている。ステレオマツチン
グ法は三角測量の原理に基づいて三次元形状を復元する
方法である。この方法の概要を図8及び図9を用いて説
明する。まず図8に示すように同一対象物を異なる位置
A及びBから撮像し、図9に示すような2枚の画像を得
る。続いて各画像から対応点Pを求め、この対応点の位
置ずれ量(視差)から形状を復元するのである。基本的
な原理は3枚以上の画像を用いる場合にも同じである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのとき問題
となるのは2枚又は複数枚の画像から対応点をどのよう
にして求めるかである。通常は物体像を構成する各画素
について局所的な特徴量(例えば輝度やその微分値等)
との一致度が高い画素を対応点として他方の画像から探
す方法が用いられている。
【0005】ところがこの方法では各画素について対応
点を独立に探索するか、せいぜい近傍画素との連続性を
考慮する程度である。このため誤対応が生じ易く、画像
全体について矛盾を生じさせることなく対応点を求める
ことができなかつた。
【0006】例えば図10及び図11に示すように、カ
メラの移動が平行移動のみであり(すなわち回転移動は
含まない)、かつその際におけるカメラの移動範囲がカ
メラの光軸と直交する面内に限られる場合には、対応点
がカメラの移動方向と平行な線上に存在し、加えて物体
像の回転やサイズの変化も問題とならないので比較的容
易に物体像をマツチングすることができる。
【0007】しかしカメラの移動に回転や奥行き方向へ
の平行移動が含まれる場合には、物体像の回転やサイズ
の変化が生じるため単純なマツチングでは対応点を決定
できない問題があつた。またカメラの移動に回転や奥行
き方向への平行移動が含まれない場合でも、図12に示
すように、カメラの移動方向と平行な方向に伸びるエツ
ジについては局所的な特徴量の差がないためマツチング
による対応付けが困難であつた。
【0008】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、撮像時におけるカメラの移動方向や移動の種類によ
らず撮影された画像から物体の3次元形状を正確に復元
することができる3次元形状復元方法を提案しようとす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、撮像手段1を少しづつ動かしなが
ら同一物体を順次撮影し、順次得られる時系列画像(m
=1、2……)に基づいて3次元情報を復元する3次元
形状復元方法において、時系列画像を構成する新たな画
像が得られるごとに画像中から物体のエツジ画像を検出
する処理(ステツプSP7)と、前時点までに復元され
た物体の3次元情報と現時点の画像から検出されたエツ
ジ画像とに基づいて前時点と現時点との間に生じた撮像
手段1の移動量を推定する処理(ステツプSP8)と、
推定結果に基づき全エツジについて、エツジ画像と3次
元情報との対応点を包括的に求める処理と、対応点に基
づいて3次元情報を新たな値に更新する処理(ステツプ
SP10、SP11)とを設けるようにする。
【0010】
【作用】撮影画像から検出した物体のエツジ画像を用い
て前時点と現時点との間に生じた撮像手段1の移動量を
推定し、推定結果から物体のエツジ画像と物体の3次元
情報との対応点を全エツジについて包括的に求める。こ
のように全エツジについて包括的な対応関係を求めるこ
とにより、個々独立に対応関係を求めていた従来の方法
に比して誤対応のおそれを低減でき、3次元情報の信頼
性を一段と高めることができる。
【0011】
【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。
【0012】(1)復元原理 (1−1)カメラ移動と視差との関係 この実施例の復元方法は、画像間における物体像の変化
があまり大きくならないようにカメラを少しずつ移動さ
せて物体を撮像し、このとき得られる時系列のエツジ画
像(以下、時系列エツジ画像という)から物体の3次元
位置情報を獲得するものとする。この様子を図1を用い
て説明する。
【0013】図1は空間上の点Pを2つの異なる視点か
ら撮影する際のカメラ座標系XYZとX’Y’Z’との
関係を表している。2つのカメラ座標系XYZとX’
Y’Z’の関係はグローバル座標系内における平行移動
と回転移動とによつて表すことができる。因にグローバ
ル座標系のX軸は床面に対して水平になるように定義さ
れており、Y軸は床面に対して垂直になるように定義さ
れている。またカメラ座標系の原点はレンズの中心に一
致しており、レンズの光軸はZ軸方向と一致するものと
する。
【0014】この例の場合、投影面であるxy平面はカ
メラ座標系におけるXY平面と平行であり、焦点距離f
だけレンズの中心から離れている。さらに投影面の座標
原点はカメラ座標系のZ(Z’)軸とxy(x’y’)
平面との交点に一致し、またx軸(x’軸)及びy軸
(y’軸)はそれぞれX軸及びY軸(X’軸及びY’
軸)と平行であるものとする。また2つのカメラ座標系
から見た点Pの座標をp=(X,Y,Z)及びp’=
(X’,Y’,Z’)とし、投影面上に投影された各投
影点q及びq’の座標をq=(x,y)及びq’=
(x’,y’)とする。
【0015】すると投影点q及びq’の座標はそれぞれ
点Pの3次元座標を用いて、次式
【数1】
【数2】 と表すことができる。
【0016】このときX’Y’Z’座標系とXYZ座標
系との関係は、XYZ座標系の原点をX’Y’Z’座標
系の原点へ平行移動するベクトルtv (以下、ベクトル
をvの添字を付して表す)と座標系を回転移動する行列
Rとによつて与えることができる。
【0017】すなわちX’Y’Z’座標系から見た点P
の座標p’はXYZ座標系から見た座標pは、次式
【数3】 によつて表すことができる。
【0018】この座標系の回転にはY軸についての回転
φ(方位角)とX軸についての回転θ(仰角)とがあ
る。因に移動後における投影点qと移動前における投影
点q'v との間には視差dv (=qv −q' v )があ
り、視差dv は各座標系の位置や向き及び点Pの位置に
応じて定まる。
【0019】ここで点Pの3次元空間における奥行き距
離Zは行列Rの逆行列R-1を、次式
【数4】 として計算する。因にTは行列の転置を表す。
【0020】すなわちカメラ座標系がXYZ座標系から
X’Y’Z’座標系に移動した後の投影点q’の座標
(x’,y’)は移動前における投影点qの座標(x,
y)を用いて、次式
【数5】 のように表すことができる。ただしsv =(x,y,
f)である。
【0021】従つて(5)式を変形すると、XYZ座標
系から見た点Pの奥行き距離Zは、次式
【数6】 として求めることができる。
【0022】このように点Pの3次元空間での奥行き距
離Zは、XYZ座標系で撮影した場合の投影点qに対応
する座標系X’Y’Z’の投影点q’を探索することに
よつて求めることができる。この奥行き距離Zを用いれ
ば点Pの3次元座標(X,Y,Z)は(1)式より容易
に求めることができる。
【0023】(1−2)3次元情報の復元 (1−2−1)原理 本実施例では、時系列画像から物体の3次元情報を獲得
する過程に運動パラメータの推定手法を導入し、全エツ
ジを対象とした包括的な対応点の探索処理により3次元
情報の復元精度を高めるようになされている。この包括
的な対応点の探索処理を実現するため、本実施例ではカ
メラ1を少しずつ移動させながら物体を撮影し、時系列
画像を求める。この様子を図2に示す。因に物体は剛体
と仮定する。本実施例では新しい画像が得られるごとに
3次元情報を逐次更新することにより最終的に求められ
る物体の3次元情報の精度を高めている。
【0024】(1−2−2)3次元情報の復元方法 以下、運動パラメータの推定を用いた対応点の探索につ
いて述べる。運動パラメータの推定とは、物体の3次元
情報とその物体を適当な位置で撮影した画像とがあると
したとき、撮影時におけるカメラと物体との相対的な位
置関係を推定する方法である。この実施例では対応点探
索前の段階(すなわちカメラ1を移動する前の段階)で
撮影された画像から計算される3次元情報を物体の3次
元情報として用いる。
【0025】カメラ移動前における物体の3次元情報は
N個の位置情報pn =(Xn ,Yn,Zn )(n=1〜
N)によつて構成されるものとする。ここでは移動後の
カメラ座標系から見た物体の3次元情報は、相対的に座
標軸がX軸周りにΔωx 、Y軸周りにΔωY 及びZ軸周
りにΔωZ だけ回転し、かつ座標系の原点がΔt=(Δ
x ,ΔtY ,ΔtZ )だけ平行移動したものとみな
す。また回転量及び平行移動量は小さいと仮定する。
【0026】このとき物体の3次元情報を構成する点p
n の移動量Δpvn=(ΔXn ,ΔYn ,ΔZn )(n=
1〜N)は、次式
【数7】 に示すようになる。ここで×はベクトル積を表してい
る。またpvgはN個の位置情報pn 全体の重心(=Σp
n /N)である。このとき回転軸は重心pvgを通るもの
とする。
【0027】ここで点pn を投影面に投影して得られる
投影点qn を(xn ,yn )とすると、投影点qn の移
動量Δqn (=(Δxn ,Δyn ))は、次式
【数8】 のようになる。この式を(1)式に適用すると、次式が
得られる。
【数9】
【0028】これら(7)式及び(9)式をN個の位置
情報のうちM(m=1〜M)個の位置情報について適用
すると、次式
【数10】 が得られる。ただしAは2M×6の行列とし、Δcv
(Δtv T ,Δωv T T 、Δqv =(Δqv1 T ,…
…,ΔqvM T )とする。
【0029】ところで一般に、カメラ移動前における仮
想の投影点qm (位置情報を与える点pm を投影面に投
影した点)と対応する点をカメラ移動後における物体像
の中に求めることは困難な場合が多い。そこで図3に示
すようにこの実施例では、3次元情報を構成する仮想投
影像Ip において物体像のエツジ図形IR における点q
m から最も近い点を仮想の投影点qm ' に対応する点と
して仮定する。
【0030】このように対応点を仮定することとし、か
つM≧3とすると、回転量および平行移動量のパラメー
タΔcv (=Δtv T ,Δωv T )の推定値Δcvoは最
小自乗法 より、次式
【数11】 のように求めることができる。
【0031】この値を(7)式のパラメータΔωv 及び
Δtv に代入すれば、カメラの移動によつて生じた3次
元情報の全体的な移動量Δpnoを求めることができる。
この移動量Δpnoによつて移動前の3次元情報を更新す
ると、新たな3次元情報を得ることができる。本実施例
ではこのようにカメラが移動するごとに位置情報の移動
量を(11)式を用いて推定し、先の3次元情報を更新す
る。また同時に(1)式を用いて新たな仮想投影像を作
る。このようにカメラが移動するたびに同様の処理を繰
り返すのである。
【0032】因にこれらの一連の処理の繰り返し回数を
kとすると、k回後における回転量及び平行移動量のパ
ラメータΔcv と3次元位置情報Δpvnとはそれぞれ、
次式
【数12】 となる。
【0033】この実施例では位置情報を与えるM個の点
についての各移動量ΔqM の絶対値和(=|Δq1 |+
|Δq2 |+……+|ΔqM |)が一定値ε以下になる
までカメラの移動を繰り返す。このように物体像のエツ
ジを構成する点と投影像とのずれ量を全体的に求め、そ
のずれ量が小さくなるまで対応点の探索処理を繰り返す
ことにより仮想の投影像(破線で示す)と物体像(実線
で示す)とは徐々に近づくことになる。
【0034】例えば図4に示すように物体像に対するず
れが認められる仮想の投影像を図5に示すようにほぼ一
致する状態まで近づけることができる。この状態になれ
ば、全てのエツジについて最も近い点どうしを対応点と
みなしても誤差はそれほど大きくならない。この結果、
カメラ移動前の3次元情報pvnにそれぞれ対応するカメ
ラ移動後の物体像の対応点qvnを求めることができる。
【0035】因にこの実施例の場合、3次元情報の更新
の際にはカルマンフイルタを用いることにする。カルマ
ンフイルタは一連の観測量(時系列画像)から雑音成分
を含む系における状態量の最小2乗推定量を逐次与える
もので、現時点より前の測定データは残さなくて良いも
のである。通常、3次元情報を更新するため3次元座標
を計算すると対応点誤差が生じることになるが、カルマ
ンフイルタを使用すればカメラ移動の回数kが増えるに
従つて対応点誤差の影響を軽減することができることが
知られている。
【0036】さらにこの実施例では物体は剛体であり、
加えて3次元情報を構成する各点について移動(回転移
動及び平行移動)を表す6個のパラメータ(Δωx ,Δ
ωY,ΔωZ ,Δtx ,ΔtY ,ΔtZ )を(7)式に
よつて拘束することにより、物体の移動量を個々の点そ
れぞれ独立についてではなく包括的に求めることができ
る。従つて図5に示すように全体として矛盾のない対応
点関係が全ての点について得ることができ、誤対応によ
る3次元情報の雑音成分を減少できる。
【0037】また運動パラメータの推定方法はカメラの
移動についての制限はないため、従来のように光軸に直
交する平面内に移動方向が限定されることもなく、奥行
き方向への移動および光軸の回転も許容される。これに
対して従来良く用いられる方法として、カメラの移動方
向を光軸に対して直交する平面内に限定し、局所的な特
徴量の相関が高い点をエピポーラ線上(移動方向と平行
な直線上)で探して対応点を決定する方法がある。
【0038】この場合、カメラの移動方向と平行な線を
形成するエッジの対応点が求め難く、そのようなエッジ
の3次元情報が得られないという問題があつた。しかし
ながら今回のように運動パラメータの推定方法を適用す
ればエツジ全体について包括的な対応点の検出がなされ
るため、一方向だけの移動でも全てのエツジについて3
次元情報を正確に獲得することができる。
【0039】(2)運動パラメータ推定方法を導入した
3次元情報復元システム (2−1)システム構成 図6において10は全体として3次元情報復元システム
の全体構成を示している。この3次元情報復元システム
10はカメラ1を少しずつ移動させながら物体を撮影す
ることにより時系列画像を得、時系列画像に基づいて物
体を形どるエツジの3次元情報を獲得するものである。
【0040】カメラ1の移動にはロボツトアーム11が
使用される。ロボツトアーム11はロボツトコントロー
ラ12の指示に従つて手首部分に装着されたカメラ1を
平行移動又は回転移動させ、カメラ1の位置及び視線方
向を変更するようになされている。この一連のカメラ移
動によつて時系列画像が得られる。アナログ/デイジタ
ル変換回路13は各画像をデイジタル画像信号S1に変
換し、ビデオインターフエース14を介して中央処理装
置(以下CPUという)15に与えている。
【0041】CPU15はデイジタル画像信号S1とメ
モリ16から読み出した3次元情報S2とに基づいてロ
ボツトアーム11の制御量及び3次元形状を計算し、ロ
ボツトアーム11の位置情報についてはロボツトコント
ローラ12との間で通信するようになされている。因に
メモリ16には物体の3次元情報の他、カメラの位置情
報やロボツトの制御量等も記憶される。
【0042】このCPU15は6つの処理ブロツク15
A〜15Fによつて構成されている。エツジ検出回路1
5Aはデイジタル画像信号S1を平滑することにより雑
音成分を除去し、この後デイジタル画像について2次微
分のゼロクロス点を検出することによつて物体のエツジ
画像を検出する。求められたエツジ画像は初期値計算回
路15B及び運動推定回路15Cに出力される。
【0043】初期値計算回路15Bは最初に与えられた
エツジ画像S3から3次元情報の初期値を計算するもの
である。この初期値の計算の際には各エツジについて物
体がカメラの光軸と直交する平面に描かれた画像である
とし、かつ奥行きを表すZ成分が全てのエツジについて
一定であると仮定する。そしてこの条件の下、各エツジ
の画素位置と(1)式とに基づいてX成分及びY成分を
計算し、計算結果をメモリ16に3次元情報として記憶
する。
【0044】これに対して運動推定回路15Cは初期設
定された3次元情報を逐次更新するのに使用されるもの
である。運動推定回路15Cはメモリ16中に記憶され
ている3次元情報S2とエツジ画像S3とに基づいて運
動パラメータの推定値Δcvoを推定し、推定結果を対応
点探索回路15Dに与える。
【0045】対応点探索回路15Dは運動パラメータの
推定値Δcvoに基づいて点Pの移動量ΔPvnを求め移動
量を基に3次元情報と物体像との対応点を決定する。3
次元情報更新回路15Eはカメラ位置情報S4と対応点
関係S5に基づいてメモリ16中に記憶されている3次
元情報を更新する。このとき3次元情報更新回路15E
は移動回数mが2以上の場合にはカルマンフイルタが使
用される。位置制御回路15Fは移動量と視線制御量を
計算してロボツトコントローラ12に位置情報を送る。
またカメラの移動後においてはロボツトコントローラ1
2から送られるロボツトの位置情報をメモリ16に送り
記憶する。
【0046】(2−2)復元処理図7に3次元情報復元
システム10による3次元情報の復元手順を順に示す。
最初の処理であるステツプSP1として、CPU15は
位置制御回路15Fによつてカメラを移動させ、物体像
が画像面に収まる位置に初期設定する。これと共に位置
制御回路15Fはカメラの移動パラメータ(すなわち移
動間隔、移動範囲及び移動回数等)をメモリ16に記憶
する。因にこの時点でのカメラの移動回数mは0であ
る。
【0047】位置制御回路15Fは続くステツプSP2
においてカメラの視線方向を制御する。この制御ではカ
メラ移動時に物体像が画面からはみ出さないように物体
像を画面の中央付近に位置がなされる。従つて予め設定
された移動範囲で物体像がはみ出さないことが保証され
ている場合には必ずしも必要ない。
【0048】視線制御が終わるとステツプSP3に移
り、エツジ検出回路15Aは物体像のエツジ画像の検出
処理に移る。この後ステツプSP4に移り、初期値計算
回路15Bはエツジ画像から3次元情報を計算し、計算
結果をメモリ16に記憶する。これら一連の処理によつ
て初期設定を終了する。
【0049】次のステツプSP5において、位置制御回
路15Fはメモリ16から移動量を読み出し、この間隔
分だけカメラを移動させるようロボツトコントローラ1
2に制御信号を出力する。このときカメラの移動回数m
は更新され1となる。この後、ステツプSP6及びステ
ツプSP7において、視線制御とエツジ画像の検出がな
され、ステツプSP8における運動パラメータの推定に
移る。運動推定回路15Cは運動パラメータ推定の手法
を用いての運動量を推定し、ステツプSP9において、
対応点探索回路15Dによる3次元情報と画像との対応
点を決定する。
【0050】この時点ではカメラの移動回数mは1のた
め3次元情報更新回路15EはステツプSP10に移
り、先のステツプで得られた対応点から3次元座標を計
算し更新する。すなわち初期値である平面状の3次元情
報と移動後の物体像との対応点関係を移動前後の物体像
間の対応に戻して、(7)式から3次元座標を計算す
る。
【0051】このようにカメラ移動の終了後、3次元情
報が更新されると、CPU15はステツプSP5に戻つ
て前述の処理仮定を繰り返す。ただしこの場合には対応
点探索回路15Dによる対応点検索の後ステツプSP1
1に移り、カルマンフイルタによる3次元座標の更新処
理に移る。その後、物体像と仮想の投影像との包括的な
誤差が一定値ε以下になるまでカメラを所定間隔だけ移
動させ、新たに得られたエツジ画像から対応点を決定す
る処理を繰り返す。この際、3次元情報の更新にカルマ
ンフイルタが用いられることによりカメラの移動回数m
が増えるに従つて誤差は小さくなる。この結果、CPU
15を用いて得られる3次元情報と物体像とは包括的に
ほぼ一致し、誤対応の影響を心配することなく精度の高
い3次元情報が得られる。
【0052】以上の構成によれば、同一物体を異なる視
点から撮影した時系列画像から物体のエツジ像を順に求
め、前時点までに復元された物体の3次元情報と現時点
における物体のエツジ像とに基づいてカメラと物体との
相対位置を推定する。この推定値に基づいて3次元情報
と物体像との対応点関係を全エツジについて包括的に求
めることにより、誤対応に起因した雑音成分のほとんど
ない信頼性に優れた3次元情報を得ることができる。
【0053】また対応点はカメラの移動方向に関係なく
探索することができるため、奥行き方向へにカメラを移
動させる場合や光軸に対してカメラを回転させることも
含む任意方向へカメラ移動させる場合に対しても3次元
情報を確実に求めることができる。同様に、従来検出が
困難であつたカメラの移動方向に対して平行なエツジ上
に位置する対応点も容易に決定することができる。また
一方向のみ移動させる場合にも全てのエツジに係る3次
元情報を容易に得ることができる。
【0054】(3)他の実施例 なお上述の実施例においては、画像間における物体像の
変化があまり大きくならないようにカメラを少しづつ一
定間隔で移動させて物体を撮影する場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、カメラの移動量は復元され
た3次元情報を投影面に投影して得られる仮想の投影像
と物体像との誤差分に基づいてその都度設定しても良
い。
【0055】また上述の実施例においては、カメラをロ
ボツトアームの手首部分に取り付け、ロボツトアームを
制御することによりカメラの撮影方向を可変する場合に
ついて述べたが、本発明はこれに限らず、カメラの撮影
方向を可変制御することができれば任意の位置に取り付
けることができる。
【0056】さらに上述の実施例においては、物体を剛
体と仮定する場合について述べたが、本発明はこれに限
らず、弱剛体でも良い。また上述の実施例においては、
回転及び平行移動についての6個のパラメータを未知数
とする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、
回転方向や移動方向が予め分かつている場合には特定の
パラメータの値を固定値としても良い。
【0057】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、撮影画像
から検出した物体のエツジ画像を用いて前時点と現時点
との間に生じた撮像手段の移動量を推定し、推定結果か
ら物体のエツジ画像と物体の3次元情報との対応点を全
エツジについて包括的に求めるようにしたことにより全
エツジについて対応関係を包括的に求めることができ
る。この結果、個々の点について対応関係を求める従来
の方法に比して誤対応が生じるおそれを低減することが
でき、3次元情報の信頼性を一段と高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】撮影座標系の移動と撮像点との位置関係を示す
略線的斜視図である。
【図2】撮像位置の移動を示す略線図である。
【図3】物体像から仮想の投影像への対応点を求める推
定手法の説明に供する略線図である。
【図4】初期設定直後における投影像と物体像との関係
を示す略線図である。
【図5】本発明による3次元形状復元方法を用いて復元
した投影像と物体像との関係を示す略線図である。
【図6】本発明による3次元形状復元方法を用いる復元
装置の構成を示すブロツク図である。
【図7】3次元形状復元方法の処理手順を示すフローチ
ヤートである。
【図8】撮像位置の移動を示す略線図である。
【図9】各撮像位置によつて撮影された画像を示す略線
図である。
【図10】円柱状の物体を異なる位置から撮影する様子
を示す略線図である。
【図11】カメラの移動によつて得られる撮影画像を表
す略線図である。
【図12】誤対応の発生メカニズムの説明に供する略線
図である。
【符号の説明】
1……カメラ、10……3次元情報復元システム、11
……ロボツトアーム、12……ロボツトコントローラ、
13……アナログ/デイジタル変換回路、14……ビデ
オインターフエース、15……CPU、15A……エツ
ジ検出回路、15B……初期値計算回路、15C……運
動推定回路、15D……対応点探索回路、15E……3
次元情報更新回路、15F……位置制御回路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】撮像手段を少しづつ動かしながら同一物体
    を順次撮影し、順次得られる時系列画像に基づいて3次
    元情報を復元する3次元形状復元方法において、 上記時系列画像を構成する新たな画像が得られるごとに
    上記画像中から上記物体のエツジ画像を検出する処理
    と、 前時点までに復元された物体の3次元情報と現時点の画
    像から検出されたエツジ画像とに基づいて前時点と現時
    点との間に生じた上記撮像手段の移動量を推定する処理
    と、 推定結果に基づき全エツジについて、エツジ画像と3次
    元情報との対応点を包括的に求める処理と、 上記対応点に基づいて上記3次元情報を新たな値に更新
    する処理とを具えることを特徴とする3次元形状復元方
    法。
  2. 【請求項2】時系列画像を構成する画像のうち、 初期画像より2枚目以降の画像については、包括的に求
    められた対応点をカルマンフイルタを通すことにより上
    記3次元情報を更新することを特徴とする請求項1に記
    載の3次元形状復元方法。
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