JPH07157694A - 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH07157694A JPH07157694A JP34003693A JP34003693A JPH07157694A JP H07157694 A JPH07157694 A JP H07157694A JP 34003693 A JP34003693 A JP 34003693A JP 34003693 A JP34003693 A JP 34003693A JP H07157694 A JPH07157694 A JP H07157694A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- polyester resin
- weight
- parts
- powder coating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 テレフタル酸及び/又はイソフタル酸を主体
とし、酸成分の0.01〜0.15モル%が金属塩スルホネート
基を有するイソフタル酸である酸成分と脂肪族ジオール
を主体とするアルコール成分とからなり、極限粘度が0.
15〜0.40、水酸基価が10〜70mgKOH/g であるポリエステ
ル樹脂85〜98重量部とテトラメトキシメチルグリコール
ウリル硬化剤2〜15重量部とからなる組成物 100重量部
に対してp−トルイジン−2−スルホン酸を 0.1〜5重
量部配合した粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物。 【効果】 機械的強度、耐沸騰水性及び耐塩水噴霧性に
優れた塗膜を与える粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物
を低コストで得ることができる。
とし、酸成分の0.01〜0.15モル%が金属塩スルホネート
基を有するイソフタル酸である酸成分と脂肪族ジオール
を主体とするアルコール成分とからなり、極限粘度が0.
15〜0.40、水酸基価が10〜70mgKOH/g であるポリエステ
ル樹脂85〜98重量部とテトラメトキシメチルグリコール
ウリル硬化剤2〜15重量部とからなる組成物 100重量部
に対してp−トルイジン−2−スルホン酸を 0.1〜5重
量部配合した粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物。 【効果】 機械的強度、耐沸騰水性及び耐塩水噴霧性に
優れた塗膜を与える粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物
を低コストで得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良好な機械的強度、耐
沸騰水性及び耐塩水噴霧性を有し、艶消しないし半艶消
し塗膜を与える粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物に関
するものである。
沸騰水性及び耐塩水噴霧性を有し、艶消しないし半艶消
し塗膜を与える粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料としては、エポキシ樹脂系、ア
クリル樹脂系、ポリエステル樹脂系のものが主に知られ
ているが、その中でもポリエステル系粉体塗料は、バラ
ンスのとれた塗膜性能を有する塗料として知られてい
る。粉体塗料は、家電、自動車、建材をはじめとする多
くの分野で使用されているが、塗装された塗面は、美的
観点から光沢が要求される場合(60度鏡面光沢度90%程
度以上)及び半艶消し(60度鏡面光沢度30〜70%程度)
又は艶消し(60度鏡面光沢度30%程度以下)が要求され
る場合がある。
クリル樹脂系、ポリエステル樹脂系のものが主に知られ
ているが、その中でもポリエステル系粉体塗料は、バラ
ンスのとれた塗膜性能を有する塗料として知られてい
る。粉体塗料は、家電、自動車、建材をはじめとする多
くの分野で使用されているが、塗装された塗面は、美的
観点から光沢が要求される場合(60度鏡面光沢度90%程
度以上)及び半艶消し(60度鏡面光沢度30〜70%程度)
又は艶消し(60度鏡面光沢度30%程度以下)が要求され
る場合がある。
【0003】従来、艶消しないし半艶消し粉体塗料を調
製する方法としては、粒子の粗い顔料を多量に添加する
方法やポリエステル系粉体塗料とアクリル系粉体塗料の
2種類の粉体塗料をドライブレンドする方法(特公昭61
− 19668号公報)等が知られている。しかしながら、粗
粒子の顔料を多量に添加する場合には、塗膜の平滑性や
機械的強度が低下するという問題がある。また、2種類
の粉体塗料をドライブレンドする方法は、通常の粉体塗
料の製造工程のほかにブレンド工程が増え、一段階の塗
料化で艶消しないし半艶消し塗料を得ることが出来ず、
塗料製造コストが高くなるとともに、ブレンドの不均一
性や回収使用時のブレンド率の変化等の問題がある。
製する方法としては、粒子の粗い顔料を多量に添加する
方法やポリエステル系粉体塗料とアクリル系粉体塗料の
2種類の粉体塗料をドライブレンドする方法(特公昭61
− 19668号公報)等が知られている。しかしながら、粗
粒子の顔料を多量に添加する場合には、塗膜の平滑性や
機械的強度が低下するという問題がある。また、2種類
の粉体塗料をドライブレンドする方法は、通常の粉体塗
料の製造工程のほかにブレンド工程が増え、一段階の塗
料化で艶消しないし半艶消し塗料を得ることが出来ず、
塗料製造コストが高くなるとともに、ブレンドの不均一
性や回収使用時のブレンド率の変化等の問題がある。
【0004】このような問題を解決するものとして、特
開昭64−1770号公報には、水酸基価が1200geq/106g以上
のポリエステルと水酸基価が 200〜1000geq/106gのポリ
エステル及びブロックドイソシアネート系硬化剤とから
なり、かつ両ポリエステルのゲル化時間の差が3分以上
である粉体塗料用樹脂組成物が提案されている。しかし
ながら、この粉体塗料用樹脂組成物を用いた粉体塗料で
は、2〜3官能のブロックドイソシアネート系硬化剤を
使用するため、硬化剤を多量に配合しなければならず、
コスト的に不利である。
開昭64−1770号公報には、水酸基価が1200geq/106g以上
のポリエステルと水酸基価が 200〜1000geq/106gのポリ
エステル及びブロックドイソシアネート系硬化剤とから
なり、かつ両ポリエステルのゲル化時間の差が3分以上
である粉体塗料用樹脂組成物が提案されている。しかし
ながら、この粉体塗料用樹脂組成物を用いた粉体塗料で
は、2〜3官能のブロックドイソシアネート系硬化剤を
使用するため、硬化剤を多量に配合しなければならず、
コスト的に不利である。
【0005】また、テトラメトキシメチルグリコールウ
リル硬化剤で硬化するタイプの艶消しないし半艶消し粉
体塗料用樹脂組成物も提案されている (特開平5−2630
19号)が、これを用いた粉体塗料は、沸騰水処理あるい
は塩水噴霧処理後の被塗装物と塗膜との付着性が良くな
いという問題があった。
リル硬化剤で硬化するタイプの艶消しないし半艶消し粉
体塗料用樹脂組成物も提案されている (特開平5−2630
19号)が、これを用いた粉体塗料は、沸騰水処理あるい
は塩水噴霧処理後の被塗装物と塗膜との付着性が良くな
いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題を解決し、優れた機械的強度、耐沸騰水性及び耐塩水
噴霧性を有し、艶消しないし半艶消し粉膜を与える粉体
塗料用ポリエステル樹脂組成物を低コストで提供しよう
とするものである。
題を解決し、優れた機械的強度、耐沸騰水性及び耐塩水
噴霧性を有し、艶消しないし半艶消し粉膜を与える粉体
塗料用ポリエステル樹脂組成物を低コストで提供しよう
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために研究を重ねた結果、テトラメトキシメ
チルグリコールウリル硬化剤で硬化するタイプの粉体塗
料用ポリエステル樹脂組成物において、ポリエステル樹
脂の構成成分に少量の金属塩スルホネート基を含有する
イソフタル酸成分を導入し、硬化触媒としてp−トルイ
ジン−2−スルホン酸を配合することによりこの目的が
達成されることを見出し、本発明に到達した。
を解決するために研究を重ねた結果、テトラメトキシメ
チルグリコールウリル硬化剤で硬化するタイプの粉体塗
料用ポリエステル樹脂組成物において、ポリエステル樹
脂の構成成分に少量の金属塩スルホネート基を含有する
イソフタル酸成分を導入し、硬化触媒としてp−トルイ
ジン−2−スルホン酸を配合することによりこの目的が
達成されることを見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、テレフタル酸
及び/又はイソフタル酸を主体とし、酸成分の0.01〜0.
15モル%が金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸
である酸成分と脂肪族ジオールを主体とするアルコール
成分とからなり、極限粘度が0.15〜0.40、水酸基価が10
〜70mgKOH/g であるポリエステル樹脂85〜98重量部とテ
トラメトキシメチルグリコールウリル硬化剤2〜15重量
部とからなる組成物 100重量部に対してp−トルイジン
−2−スルホン酸を 0.1〜5重量部配合した粉体塗料用
ポリエステル樹脂組成物にある。
及び/又はイソフタル酸を主体とし、酸成分の0.01〜0.
15モル%が金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸
である酸成分と脂肪族ジオールを主体とするアルコール
成分とからなり、極限粘度が0.15〜0.40、水酸基価が10
〜70mgKOH/g であるポリエステル樹脂85〜98重量部とテ
トラメトキシメチルグリコールウリル硬化剤2〜15重量
部とからなる組成物 100重量部に対してp−トルイジン
−2−スルホン酸を 0.1〜5重量部配合した粉体塗料用
ポリエステル樹脂組成物にある。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において、ポリエステル樹脂を構成する酸成分とし
ては、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸を主体と
し、酸成分の0.01〜0.15モル%が金属塩スルホネート基
を有するイソフタル酸であるものが用いられるが、必要
に応じてアジピン酸、セバシン酸、コハク酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸等を併用するこ
ともできる。一方、アルコール成分としては、脂肪族ジ
オールを主体とするものが用いられ、ネオペンチルグリ
コール及びエチレングリコールが好ましく、必要に応じ
てジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、1,6−ヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、ペ
ンタエリスリトール、グリセリン等を併用することもで
きる。また、4−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ
ブタンカルボン酸等のヒドロキシカルボン酸成分を併用
してもよい。
発明において、ポリエステル樹脂を構成する酸成分とし
ては、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸を主体と
し、酸成分の0.01〜0.15モル%が金属塩スルホネート基
を有するイソフタル酸であるものが用いられるが、必要
に応じてアジピン酸、セバシン酸、コハク酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸等を併用するこ
ともできる。一方、アルコール成分としては、脂肪族ジ
オールを主体とするものが用いられ、ネオペンチルグリ
コール及びエチレングリコールが好ましく、必要に応じ
てジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、1,6−ヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、ペ
ンタエリスリトール、グリセリン等を併用することもで
きる。また、4−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ
ブタンカルボン酸等のヒドロキシカルボン酸成分を併用
してもよい。
【0010】金属塩スルホネート基を有するイソフタル
酸(以下SIPと略す)としては、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸及び
5−リチウムスルホイソフタル酸が好ましく用いられ、
ジメチルエステル、ジエチレングリコールエステル等の
エステル形成性誘導体として用いてもよい。
酸(以下SIPと略す)としては、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸及び
5−リチウムスルホイソフタル酸が好ましく用いられ、
ジメチルエステル、ジエチレングリコールエステル等の
エステル形成性誘導体として用いてもよい。
【0011】SIPの量は、全酸成分の0.01〜0.15モル
%とすることが必要であり、好ましくは0.05〜0.10モル
%とされる。この量が0.01モル%未満であると、機械的
強度の向上、沸騰水処理あるいは塩水噴霧処理後の付着
性の向上に効果が認められない。一方、この量が0.15モ
ル%を超えると塗膜の平滑性が低下してしまう。
%とすることが必要であり、好ましくは0.05〜0.10モル
%とされる。この量が0.01モル%未満であると、機械的
強度の向上、沸騰水処理あるいは塩水噴霧処理後の付着
性の向上に効果が認められない。一方、この量が0.15モ
ル%を超えると塗膜の平滑性が低下してしまう。
【0012】また、ポリエステル樹脂は、極限粘度が0.
15〜0.40、水酸基価が10〜70mgKOH/g のものであること
が必要である。ポリエステル樹脂の極限粘度が0.15未満
の場合、塗膜の機械的強度が低下するばかりでなく、ポ
リエステル樹脂のガラス転移温度が低下し、結果として
組成物の耐ブロッキング性が悪くなる。一方、極限粘度
が0.40を超える場合、ポリエステル樹脂の強度が強くな
りすぎ、併せて溶融粘度も高くなることから粉砕性、塗
膜の平滑性が悪くなる。特に好ましいものは、極限粘度
が0.15〜0.30のものである。また、ポリエステル樹脂の
水酸基価が10mgKOH/g 未満の場合、ポリエステル樹脂と
テトラメトキシメチルグリコールウリル硬化剤との架橋
点が少なくなるために機械的強度が低下する。一方、水
酸基価が70mgKOH/g を超えるとポリエステル樹脂の分子
量低下が著しく、結果として塗膜の機械的強度が低下す
る傾向があり好ましくない。特に好ましいものは水酸基
価が15〜35mgKOH/g のものである。
15〜0.40、水酸基価が10〜70mgKOH/g のものであること
が必要である。ポリエステル樹脂の極限粘度が0.15未満
の場合、塗膜の機械的強度が低下するばかりでなく、ポ
リエステル樹脂のガラス転移温度が低下し、結果として
組成物の耐ブロッキング性が悪くなる。一方、極限粘度
が0.40を超える場合、ポリエステル樹脂の強度が強くな
りすぎ、併せて溶融粘度も高くなることから粉砕性、塗
膜の平滑性が悪くなる。特に好ましいものは、極限粘度
が0.15〜0.30のものである。また、ポリエステル樹脂の
水酸基価が10mgKOH/g 未満の場合、ポリエステル樹脂と
テトラメトキシメチルグリコールウリル硬化剤との架橋
点が少なくなるために機械的強度が低下する。一方、水
酸基価が70mgKOH/g を超えるとポリエステル樹脂の分子
量低下が著しく、結果として塗膜の機械的強度が低下す
る傾向があり好ましくない。特に好ましいものは水酸基
価が15〜35mgKOH/g のものである。
【0013】本発明におけるポリエステル樹脂は、常法
に従って製造することができる。すなわち、エステル化
又はエステル交換反応を行った後、重縮合反応を行って
高重合度のポリエステルとした後、必要に応じて少量の
アルコール成分で解重合を行うことによって製造するこ
とができる。そして、SIPは、上記の反応の任意の段
階で導入することができる。
に従って製造することができる。すなわち、エステル化
又はエステル交換反応を行った後、重縮合反応を行って
高重合度のポリエステルとした後、必要に応じて少量の
アルコール成分で解重合を行うことによって製造するこ
とができる。そして、SIPは、上記の反応の任意の段
階で導入することができる。
【0014】本発明で硬化剤として用いるテトラメトキ
シメチルグリコールウリルは、たとえば、アメリカンサ
イアナミッド社から「POWDERLINK*1174」の商品名で市
販されているものを使用することができる。
シメチルグリコールウリルは、たとえば、アメリカンサ
イアナミッド社から「POWDERLINK*1174」の商品名で市
販されているものを使用することができる。
【0015】ポリエステル樹脂と硬化剤の割合は、ポリ
エステル樹脂85〜98重量部、硬化剤2〜15重量部の割合
とすることが必要であり、好ましくはポリエステル樹脂
90〜97重量部、硬化剤3〜10重量部の割合である。硬化
剤の割合が少なすぎると硬化反応が不十分となり、機械
的強度が低下するばかりでなく、艶消し効果も不十分と
なる。逆に、硬化剤の割合が多すぎると耐ブロッキング
性が低下するとともに、塗膜外観も劣るようになる。な
お、硬化剤の配合量は、上記の範囲で、ポリエステル樹
脂の水酸基量に対して 0.8〜1.2 倍当量の範囲とするこ
とが好ましく、特に、1.0 倍当量とすることが好まし
い。
エステル樹脂85〜98重量部、硬化剤2〜15重量部の割合
とすることが必要であり、好ましくはポリエステル樹脂
90〜97重量部、硬化剤3〜10重量部の割合である。硬化
剤の割合が少なすぎると硬化反応が不十分となり、機械
的強度が低下するばかりでなく、艶消し効果も不十分と
なる。逆に、硬化剤の割合が多すぎると耐ブロッキング
性が低下するとともに、塗膜外観も劣るようになる。な
お、硬化剤の配合量は、上記の範囲で、ポリエステル樹
脂の水酸基量に対して 0.8〜1.2 倍当量の範囲とするこ
とが好ましく、特に、1.0 倍当量とすることが好まし
い。
【0016】硬化触媒であるp−トルイジン−2−スル
ホン酸の配合量は、ポリエステル樹脂と硬化剤の合計量
100重量部に対して 0.1〜5重量部とすることが必要で
ある。硬化触媒の量が少なすぎると艶消し効果が十分発
揮されないとともに、硬化反応が不十分となり、機械的
強度が低下する。一方、この量が多すぎると塗膜の平滑
性及び機械的強度が低下する。
ホン酸の配合量は、ポリエステル樹脂と硬化剤の合計量
100重量部に対して 0.1〜5重量部とすることが必要で
ある。硬化触媒の量が少なすぎると艶消し効果が十分発
揮されないとともに、硬化反応が不十分となり、機械的
強度が低下する。一方、この量が多すぎると塗膜の平滑
性及び機械的強度が低下する。
【0017】本発明の樹脂組成物において、機械的強度
等の良好な艶消しないし半艶消し塗膜を得ることを可能
にするには、ポリエステル樹脂のSIP成分の含有量及
びp−トルイジン−2−スルホン酸の配合量を適切に選
定することが必要である。
等の良好な艶消しないし半艶消し塗膜を得ることを可能
にするには、ポリエステル樹脂のSIP成分の含有量及
びp−トルイジン−2−スルホン酸の配合量を適切に選
定することが必要である。
【0018】艶消しの程度は、ポリエステル樹脂のSI
P成分の含有量及びp−トルイジン−2−スルホン酸の
配合量によってコントロールすることができる。60度鏡
面光沢度を低くする場合には、p−トルイジン−2−ス
ルホン酸の配合量を比較的多くし、ポリエステル樹脂の
SIP成分の含有量を比較的少なくすればよく、60度鏡
面光沢度を高くする場合には、この逆にすればよい。
P成分の含有量及びp−トルイジン−2−スルホン酸の
配合量によってコントロールすることができる。60度鏡
面光沢度を低くする場合には、p−トルイジン−2−ス
ルホン酸の配合量を比較的多くし、ポリエステル樹脂の
SIP成分の含有量を比較的少なくすればよく、60度鏡
面光沢度を高くする場合には、この逆にすればよい。
【0019】例えば、SIP成分の含有量が0.02モル
%、水酸基価が20mgKOH/g のポリエステル樹脂を用いる
場合、p−トルイジン−2−スルホン酸の配合量を 2.0
重量部とすれば、60度鏡面光沢度が約10%となり、p−
トルイジン−2−スルホン酸の配合量を 1.0重量部とす
れば、60度鏡面光沢度が10〜20%となる。また、SIP
成分の含有量が0.05モル%、水酸基価が20mgKOH/g のポ
リエステル樹脂を用いる場合、p−トルイジン−2−ス
ルホン酸の配合量を 0.5重量部とすれば、60度鏡面光沢
度が20〜30%となり、p−トルイジン−2−スルホン酸
の配合量を 0.2重量部とすれば、60度鏡面光沢度が30〜
40%となる。
%、水酸基価が20mgKOH/g のポリエステル樹脂を用いる
場合、p−トルイジン−2−スルホン酸の配合量を 2.0
重量部とすれば、60度鏡面光沢度が約10%となり、p−
トルイジン−2−スルホン酸の配合量を 1.0重量部とす
れば、60度鏡面光沢度が10〜20%となる。また、SIP
成分の含有量が0.05モル%、水酸基価が20mgKOH/g のポ
リエステル樹脂を用いる場合、p−トルイジン−2−ス
ルホン酸の配合量を 0.5重量部とすれば、60度鏡面光沢
度が20〜30%となり、p−トルイジン−2−スルホン酸
の配合量を 0.2重量部とすれば、60度鏡面光沢度が30〜
40%となる。
【0020】本発明の粉体塗料用ポリエステル樹脂組成
物は、上記のようなポリエステル樹脂、硬化剤及び硬化
触媒に必要に応じてレベリング剤、その他の添加剤、例
えば二酸化チタン、カーボンブラック等の顔料を添加
し、ニーダー又はロールを用いて70〜130 ℃で混練する
ことにより調製することができる。
物は、上記のようなポリエステル樹脂、硬化剤及び硬化
触媒に必要に応じてレベリング剤、その他の添加剤、例
えば二酸化チタン、カーボンブラック等の顔料を添加
し、ニーダー又はロールを用いて70〜130 ℃で混練する
ことにより調製することができる。
【0021】
【作用】ポリエステル樹脂にSIP成分を導入すること
により耐沸騰水性及び耐塩水噴霧性が向上する理由は十
分解明されていないが、金属塩スルホネート基と被塗装
物との密着の度合が非常に強いことによるものと推察さ
れる。また、塗膜と被塗装物との密着の度合が強いこと
が機械的強度の向上に寄与しているものと推察される。
により耐沸騰水性及び耐塩水噴霧性が向上する理由は十
分解明されていないが、金属塩スルホネート基と被塗装
物との密着の度合が非常に強いことによるものと推察さ
れる。また、塗膜と被塗装物との密着の度合が強いこと
が機械的強度の向上に寄与しているものと推察される。
【0022】
【実施例】次に実施例によって本発明を具体的に説明す
る。なお、特性値は次に示す方法で測定した。 (1) 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒と
し、20℃で測定した。 (2) 水酸基価 ピリジン50mlにポリエステル樹脂3g、無水酢酸 0.6ml
を加えてアセチル化を行った後、0.5 規定の水酸化カリ
ウムメタノール溶液で滴定して求めた。 (3) 酸価 ジオキサン50mlにポリエステル樹脂1gを溶解し、0.1
規定の水酸化カリウムメタノール溶液で滴定して求め
た。 (4) 平滑性 塗膜の平滑性を目視により評価した。 ○:表面に凹凸がない。 ×:表面に不均一な凹凸が多い。 (5) 60度鏡面光沢度 JIS K 5400の7.6 に準じて求めた。 (6) 耐衝撃性 JIS K 5400の8.3.2 に準じ、直径 1/2インチ、1kgの球
を垂直に落下させて、塗膜の破壊する高さを求めた。 (7) 耐ブロッキング性 粉体塗料を40℃の雰囲気中に1週間放置した後の塗料の
状態を観察して評価した。 ○:塊状になっていない。 ×:塊状になっており、塊を掴むことができる。 (8) 耐沸騰水性 JIS K 5400の8.20に準じて試験(2時間)を行い、その
後に付着性をJIS K 5400の8.5.2 に準じて残個数を求め
た。(1mm幅で 100個)なお、残個数が100 の場合を合
格とした。 (9) 耐塩水噴霧性 JIS K 5400の9.1 に準じて片側剥離幅を求めた。(500時
間)なお、片側剥離幅が1.0mm 以下を合格とした。 (10)促進耐候性 JIS K 5400の9.8.1 に準じて求めた。(200時間)
る。なお、特性値は次に示す方法で測定した。 (1) 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒と
し、20℃で測定した。 (2) 水酸基価 ピリジン50mlにポリエステル樹脂3g、無水酢酸 0.6ml
を加えてアセチル化を行った後、0.5 規定の水酸化カリ
ウムメタノール溶液で滴定して求めた。 (3) 酸価 ジオキサン50mlにポリエステル樹脂1gを溶解し、0.1
規定の水酸化カリウムメタノール溶液で滴定して求め
た。 (4) 平滑性 塗膜の平滑性を目視により評価した。 ○:表面に凹凸がない。 ×:表面に不均一な凹凸が多い。 (5) 60度鏡面光沢度 JIS K 5400の7.6 に準じて求めた。 (6) 耐衝撃性 JIS K 5400の8.3.2 に準じ、直径 1/2インチ、1kgの球
を垂直に落下させて、塗膜の破壊する高さを求めた。 (7) 耐ブロッキング性 粉体塗料を40℃の雰囲気中に1週間放置した後の塗料の
状態を観察して評価した。 ○:塊状になっていない。 ×:塊状になっており、塊を掴むことができる。 (8) 耐沸騰水性 JIS K 5400の8.20に準じて試験(2時間)を行い、その
後に付着性をJIS K 5400の8.5.2 に準じて残個数を求め
た。(1mm幅で 100個)なお、残個数が100 の場合を合
格とした。 (9) 耐塩水噴霧性 JIS K 5400の9.1 に準じて片側剥離幅を求めた。(500時
間)なお、片側剥離幅が1.0mm 以下を合格とした。 (10)促進耐候性 JIS K 5400の9.8.1 に準じて求めた。(200時間)
【0023】参考例 表1に示した原料化合物を表1に示した量(モル部)で
エステル化反応槽に仕込み、温度を100 ℃から徐々に昇
温し、250 ℃で4時間エステル化反応を行った。得られ
たエステル化反応物を重縮合反応槽に移送した後、重縮
合反応触媒として三酸化アンチモン2×10-4モル/酸成
分モルを添加し、0.5 トル以下に減圧し、280 ℃で3時
間重縮合反応を行い、極限粘度0.45のポリエステルを得
た。次いで、このポリエステルに表1に示した解重合剤
を表1に示した量(モル部)で添加し、不活性ガス雰囲
気中で常圧下、270 ℃で1時間解重合反応を行い、表1
に示す特性値を有するポリエステル樹脂 No.1〜11を得
た。
エステル化反応槽に仕込み、温度を100 ℃から徐々に昇
温し、250 ℃で4時間エステル化反応を行った。得られ
たエステル化反応物を重縮合反応槽に移送した後、重縮
合反応触媒として三酸化アンチモン2×10-4モル/酸成
分モルを添加し、0.5 トル以下に減圧し、280 ℃で3時
間重縮合反応を行い、極限粘度0.45のポリエステルを得
た。次いで、このポリエステルに表1に示した解重合剤
を表1に示した量(モル部)で添加し、不活性ガス雰囲
気中で常圧下、270 ℃で1時間解重合反応を行い、表1
に示す特性値を有するポリエステル樹脂 No.1〜11を得
た。
【0024】
【表1】
【0025】実施例1〜12、比較例1〜8 参考例で得られたポリエステル樹脂、テトラメトキシメ
チルグリコールウリル硬化剤;アメリカンサイアナミッ
ド社製POWDERLINK*1174、硬化触媒;p−トルイジン−
2−スルホン酸、レベリング剤;BASF社製アクロナール
4F(ブチルポリアクリレート系レベリング剤)、ベンゾ
イン及び二酸化チタンを表2及び表3に示す量(重量
部)で採り、FM 10B型ヘンシェルミキサー(三井三池製
作所製)でドライブレンドした後、PR−46型コ・ニーダ
ー(ブッス社製)を用い 110℃で溶融混練し、冷却、粉
砕後、145 メッシュの金網で分離して粉体塗料を得た。
得られた粉体塗料を、リン酸亜鉛処理鋼板上に膜厚が50
〜60μm になるように静電塗装した後、表2及び表3に
示した温度で20分間焼付けを行った。塗膜性能の評価結
果を表2及び表3に示す。
チルグリコールウリル硬化剤;アメリカンサイアナミッ
ド社製POWDERLINK*1174、硬化触媒;p−トルイジン−
2−スルホン酸、レベリング剤;BASF社製アクロナール
4F(ブチルポリアクリレート系レベリング剤)、ベンゾ
イン及び二酸化チタンを表2及び表3に示す量(重量
部)で採り、FM 10B型ヘンシェルミキサー(三井三池製
作所製)でドライブレンドした後、PR−46型コ・ニーダ
ー(ブッス社製)を用い 110℃で溶融混練し、冷却、粉
砕後、145 メッシュの金網で分離して粉体塗料を得た。
得られた粉体塗料を、リン酸亜鉛処理鋼板上に膜厚が50
〜60μm になるように静電塗装した後、表2及び表3に
示した温度で20分間焼付けを行った。塗膜性能の評価結
果を表2及び表3に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、良好な機械的強度、耐
沸騰水性及び耐塩水噴霧性を有し、艶消しないし半艶消
し塗膜を与える粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物を低
コストで得ることができる。
沸騰水性及び耐塩水噴霧性を有し、艶消しないし半艶消
し塗膜を与える粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物を低
コストで得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 テレフタル酸及び/又はイソフタル酸を
主体とし、酸成分の0.01〜0.15モル%が金属塩スルホネ
ート基を有するイソフタル酸である酸成分と脂肪族ジオ
ールを主体とするアルコール成分とからなり、極限粘度
が0.15〜0.40、水酸基価が10〜70mgKOH/g であるポリエ
ステル樹脂85〜98重量部とテトラメトキシメチルグリコ
ールウリル硬化剤2〜15重量部とからなる組成物 100重
量部に対してp−トルイジン−2−スルホン酸を 0.1〜
5重量部配合した粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34003693A JPH07157694A (ja) | 1993-12-06 | 1993-12-06 | 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34003693A JPH07157694A (ja) | 1993-12-06 | 1993-12-06 | 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07157694A true JPH07157694A (ja) | 1995-06-20 |
Family
ID=18333129
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34003693A Pending JPH07157694A (ja) | 1993-12-06 | 1993-12-06 | 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07157694A (ja) |
-
1993
- 1993-12-06 JP JP34003693A patent/JPH07157694A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2001527116A (ja) | 低光沢仕上コーティングを製造するための粉体熱硬化性組成物 | |
EP1257606A2 (en) | Powdered thermosetting composition for coatings | |
JPH07760B2 (ja) | 艶消し粉体塗料用樹脂組成物 | |
EP0573687B1 (en) | Resin composition for powder coatins | |
JPH05209138A (ja) | 粉体塗料用樹脂組成物 | |
EP1608714A1 (en) | Thermosetting powder compositions for coatings | |
EP0520429B1 (en) | Resin composition for powder coatings | |
JPH11228676A (ja) | 粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料 | |
JPH011770A (ja) | 粉体塗料用樹脂組成物 | |
JPH107944A (ja) | 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 | |
JPH07157694A (ja) | 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 | |
JPH07118575A (ja) | 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 | |
JPS63154771A (ja) | 艶消し粉体塗料用樹脂組成物 | |
JPH05263018A (ja) | 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 | |
JPH08120197A (ja) | 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 | |
JPH10204376A (ja) | 粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物 | |
JPH05263019A (ja) | 艶消し粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 | |
JP2001106774A (ja) | 粉体塗料用ポリエステル樹脂及び組成物、並びにこれを用いた粉体塗料 | |
JPH0198671A (ja) | 粉体塗料用樹脂組成物 | |
JPH07316472A (ja) | 粉体塗料用樹脂組成物 | |
JPH08120196A (ja) | 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 | |
JPH0711169A (ja) | 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 | |
JPH1017794A (ja) | 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 | |
JP2002275255A (ja) | 塗料用ポリエステル樹脂の製造法 | |
JPH05295306A (ja) | 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 |