JPH07157694A - 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物

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JPH07157694A
JPH07157694A JP34003693A JP34003693A JPH07157694A JP H07157694 A JPH07157694 A JP H07157694A JP 34003693 A JP34003693 A JP 34003693A JP 34003693 A JP34003693 A JP 34003693A JP H07157694 A JPH07157694 A JP H07157694A
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JP
Japan
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acid
polyester resin
weight
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powder coating
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JP34003693A
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Katsuya Fujimoto
勝也 藤本
Takayuki Sumi
隆行 角
Tokuzo Nozaki
徳三 野崎
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Nippon Ester Co Ltd
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Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 テレフタル酸及び/又はイソフタル酸を主体
とし、酸成分の0.01〜0.15モル%が金属塩スルホネート
基を有するイソフタル酸である酸成分と脂肪族ジオール
を主体とするアルコール成分とからなり、極限粘度が0.
15〜0.40、水酸基価が10〜70mgKOH/g であるポリエステ
ル樹脂85〜98重量部とテトラメトキシメチルグリコール
ウリル硬化剤2〜15重量部とからなる組成物 100重量部
に対してp−トルイジン−2−スルホン酸を 0.1〜5重
量部配合した粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物。 【効果】 機械的強度、耐沸騰水性及び耐塩水噴霧性に
優れた塗膜を与える粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物
を低コストで得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良好な機械的強度、耐
沸騰水性及び耐塩水噴霧性を有し、艶消しないし半艶消
し塗膜を与える粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料としては、エポキシ樹脂系、ア
クリル樹脂系、ポリエステル樹脂系のものが主に知られ
ているが、その中でもポリエステル系粉体塗料は、バラ
ンスのとれた塗膜性能を有する塗料として知られてい
る。粉体塗料は、家電、自動車、建材をはじめとする多
くの分野で使用されているが、塗装された塗面は、美的
観点から光沢が要求される場合(60度鏡面光沢度90%程
度以上)及び半艶消し(60度鏡面光沢度30〜70%程度)
又は艶消し(60度鏡面光沢度30%程度以下)が要求され
る場合がある。
【0003】従来、艶消しないし半艶消し粉体塗料を調
製する方法としては、粒子の粗い顔料を多量に添加する
方法やポリエステル系粉体塗料とアクリル系粉体塗料の
2種類の粉体塗料をドライブレンドする方法(特公昭61
− 19668号公報)等が知られている。しかしながら、粗
粒子の顔料を多量に添加する場合には、塗膜の平滑性や
機械的強度が低下するという問題がある。また、2種類
の粉体塗料をドライブレンドする方法は、通常の粉体塗
料の製造工程のほかにブレンド工程が増え、一段階の塗
料化で艶消しないし半艶消し塗料を得ることが出来ず、
塗料製造コストが高くなるとともに、ブレンドの不均一
性や回収使用時のブレンド率の変化等の問題がある。
【0004】このような問題を解決するものとして、特
開昭64−1770号公報には、水酸基価が1200geq/106g以上
のポリエステルと水酸基価が 200〜1000geq/106gのポリ
エステル及びブロックドイソシアネート系硬化剤とから
なり、かつ両ポリエステルのゲル化時間の差が3分以上
である粉体塗料用樹脂組成物が提案されている。しかし
ながら、この粉体塗料用樹脂組成物を用いた粉体塗料で
は、2〜3官能のブロックドイソシアネート系硬化剤を
使用するため、硬化剤を多量に配合しなければならず、
コスト的に不利である。
【0005】また、テトラメトキシメチルグリコールウ
リル硬化剤で硬化するタイプの艶消しないし半艶消し粉
体塗料用樹脂組成物も提案されている (特開平5−2630
19号)が、これを用いた粉体塗料は、沸騰水処理あるい
は塩水噴霧処理後の被塗装物と塗膜との付着性が良くな
いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題を解決し、優れた機械的強度、耐沸騰水性及び耐塩水
噴霧性を有し、艶消しないし半艶消し粉膜を与える粉体
塗料用ポリエステル樹脂組成物を低コストで提供しよう
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために研究を重ねた結果、テトラメトキシメ
チルグリコールウリル硬化剤で硬化するタイプの粉体塗
料用ポリエステル樹脂組成物において、ポリエステル樹
脂の構成成分に少量の金属塩スルホネート基を含有する
イソフタル酸成分を導入し、硬化触媒としてp−トルイ
ジン−2−スルホン酸を配合することによりこの目的が
達成されることを見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、テレフタル酸
及び/又はイソフタル酸を主体とし、酸成分の0.01〜0.
15モル%が金属塩スルホネート基を有するイソフタル酸
である酸成分と脂肪族ジオールを主体とするアルコール
成分とからなり、極限粘度が0.15〜0.40、水酸基価が10
〜70mgKOH/g であるポリエステル樹脂85〜98重量部とテ
トラメトキシメチルグリコールウリル硬化剤2〜15重量
部とからなる組成物 100重量部に対してp−トルイジン
−2−スルホン酸を 0.1〜5重量部配合した粉体塗料用
ポリエステル樹脂組成物にある。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において、ポリエステル樹脂を構成する酸成分とし
ては、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸を主体と
し、酸成分の0.01〜0.15モル%が金属塩スルホネート基
を有するイソフタル酸であるものが用いられるが、必要
に応じてアジピン酸、セバシン酸、コハク酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸等を併用するこ
ともできる。一方、アルコール成分としては、脂肪族ジ
オールを主体とするものが用いられ、ネオペンチルグリ
コール及びエチレングリコールが好ましく、必要に応じ
てジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、1,6−ヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、ペ
ンタエリスリトール、グリセリン等を併用することもで
きる。また、4−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ
ブタンカルボン酸等のヒドロキシカルボン酸成分を併用
してもよい。
【0010】金属塩スルホネート基を有するイソフタル
酸(以下SIPと略す)としては、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸及び
5−リチウムスルホイソフタル酸が好ましく用いられ、
ジメチルエステル、ジエチレングリコールエステル等の
エステル形成性誘導体として用いてもよい。
【0011】SIPの量は、全酸成分の0.01〜0.15モル
%とすることが必要であり、好ましくは0.05〜0.10モル
%とされる。この量が0.01モル%未満であると、機械的
強度の向上、沸騰水処理あるいは塩水噴霧処理後の付着
性の向上に効果が認められない。一方、この量が0.15モ
ル%を超えると塗膜の平滑性が低下してしまう。
【0012】また、ポリエステル樹脂は、極限粘度が0.
15〜0.40、水酸基価が10〜70mgKOH/g のものであること
が必要である。ポリエステル樹脂の極限粘度が0.15未満
の場合、塗膜の機械的強度が低下するばかりでなく、ポ
リエステル樹脂のガラス転移温度が低下し、結果として
組成物の耐ブロッキング性が悪くなる。一方、極限粘度
が0.40を超える場合、ポリエステル樹脂の強度が強くな
りすぎ、併せて溶融粘度も高くなることから粉砕性、塗
膜の平滑性が悪くなる。特に好ましいものは、極限粘度
が0.15〜0.30のものである。また、ポリエステル樹脂の
水酸基価が10mgKOH/g 未満の場合、ポリエステル樹脂と
テトラメトキシメチルグリコールウリル硬化剤との架橋
点が少なくなるために機械的強度が低下する。一方、水
酸基価が70mgKOH/g を超えるとポリエステル樹脂の分子
量低下が著しく、結果として塗膜の機械的強度が低下す
る傾向があり好ましくない。特に好ましいものは水酸基
価が15〜35mgKOH/g のものである。
【0013】本発明におけるポリエステル樹脂は、常法
に従って製造することができる。すなわち、エステル化
又はエステル交換反応を行った後、重縮合反応を行って
高重合度のポリエステルとした後、必要に応じて少量の
アルコール成分で解重合を行うことによって製造するこ
とができる。そして、SIPは、上記の反応の任意の段
階で導入することができる。
【0014】本発明で硬化剤として用いるテトラメトキ
シメチルグリコールウリルは、たとえば、アメリカンサ
イアナミッド社から「POWDERLINK*1174」の商品名で市
販されているものを使用することができる。
【0015】ポリエステル樹脂と硬化剤の割合は、ポリ
エステル樹脂85〜98重量部、硬化剤2〜15重量部の割合
とすることが必要であり、好ましくはポリエステル樹脂
90〜97重量部、硬化剤3〜10重量部の割合である。硬化
剤の割合が少なすぎると硬化反応が不十分となり、機械
的強度が低下するばかりでなく、艶消し効果も不十分と
なる。逆に、硬化剤の割合が多すぎると耐ブロッキング
性が低下するとともに、塗膜外観も劣るようになる。な
お、硬化剤の配合量は、上記の範囲で、ポリエステル樹
脂の水酸基量に対して 0.8〜1.2 倍当量の範囲とするこ
とが好ましく、特に、1.0 倍当量とすることが好まし
い。
【0016】硬化触媒であるp−トルイジン−2−スル
ホン酸の配合量は、ポリエステル樹脂と硬化剤の合計量
100重量部に対して 0.1〜5重量部とすることが必要で
ある。硬化触媒の量が少なすぎると艶消し効果が十分発
揮されないとともに、硬化反応が不十分となり、機械的
強度が低下する。一方、この量が多すぎると塗膜の平滑
性及び機械的強度が低下する。
【0017】本発明の樹脂組成物において、機械的強度
等の良好な艶消しないし半艶消し塗膜を得ることを可能
にするには、ポリエステル樹脂のSIP成分の含有量及
びp−トルイジン−2−スルホン酸の配合量を適切に選
定することが必要である。
【0018】艶消しの程度は、ポリエステル樹脂のSI
P成分の含有量及びp−トルイジン−2−スルホン酸の
配合量によってコントロールすることができる。60度鏡
面光沢度を低くする場合には、p−トルイジン−2−ス
ルホン酸の配合量を比較的多くし、ポリエステル樹脂の
SIP成分の含有量を比較的少なくすればよく、60度鏡
面光沢度を高くする場合には、この逆にすればよい。
【0019】例えば、SIP成分の含有量が0.02モル
%、水酸基価が20mgKOH/g のポリエステル樹脂を用いる
場合、p−トルイジン−2−スルホン酸の配合量を 2.0
重量部とすれば、60度鏡面光沢度が約10%となり、p−
トルイジン−2−スルホン酸の配合量を 1.0重量部とす
れば、60度鏡面光沢度が10〜20%となる。また、SIP
成分の含有量が0.05モル%、水酸基価が20mgKOH/g のポ
リエステル樹脂を用いる場合、p−トルイジン−2−ス
ルホン酸の配合量を 0.5重量部とすれば、60度鏡面光沢
度が20〜30%となり、p−トルイジン−2−スルホン酸
の配合量を 0.2重量部とすれば、60度鏡面光沢度が30〜
40%となる。
【0020】本発明の粉体塗料用ポリエステル樹脂組成
物は、上記のようなポリエステル樹脂、硬化剤及び硬化
触媒に必要に応じてレベリング剤、その他の添加剤、例
えば二酸化チタン、カーボンブラック等の顔料を添加
し、ニーダー又はロールを用いて70〜130 ℃で混練する
ことにより調製することができる。
【0021】
【作用】ポリエステル樹脂にSIP成分を導入すること
により耐沸騰水性及び耐塩水噴霧性が向上する理由は十
分解明されていないが、金属塩スルホネート基と被塗装
物との密着の度合が非常に強いことによるものと推察さ
れる。また、塗膜と被塗装物との密着の度合が強いこと
が機械的強度の向上に寄与しているものと推察される。
【0022】
【実施例】次に実施例によって本発明を具体的に説明す
る。なお、特性値は次に示す方法で測定した。 (1) 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒と
し、20℃で測定した。 (2) 水酸基価 ピリジン50mlにポリエステル樹脂3g、無水酢酸 0.6ml
を加えてアセチル化を行った後、0.5 規定の水酸化カリ
ウムメタノール溶液で滴定して求めた。 (3) 酸価 ジオキサン50mlにポリエステル樹脂1gを溶解し、0.1
規定の水酸化カリウムメタノール溶液で滴定して求め
た。 (4) 平滑性 塗膜の平滑性を目視により評価した。 ○:表面に凹凸がない。 ×:表面に不均一な凹凸が多い。 (5) 60度鏡面光沢度 JIS K 5400の7.6 に準じて求めた。 (6) 耐衝撃性 JIS K 5400の8.3.2 に準じ、直径 1/2インチ、1kgの球
を垂直に落下させて、塗膜の破壊する高さを求めた。 (7) 耐ブロッキング性 粉体塗料を40℃の雰囲気中に1週間放置した後の塗料の
状態を観察して評価した。 ○:塊状になっていない。 ×:塊状になっており、塊を掴むことができる。 (8) 耐沸騰水性 JIS K 5400の8.20に準じて試験(2時間)を行い、その
後に付着性をJIS K 5400の8.5.2 に準じて残個数を求め
た。(1mm幅で 100個)なお、残個数が100 の場合を合
格とした。 (9) 耐塩水噴霧性 JIS K 5400の9.1 に準じて片側剥離幅を求めた。(500時
間)なお、片側剥離幅が1.0mm 以下を合格とした。 (10)促進耐候性 JIS K 5400の9.8.1 に準じて求めた。(200時間)
【0023】参考例 表1に示した原料化合物を表1に示した量(モル部)で
エステル化反応槽に仕込み、温度を100 ℃から徐々に昇
温し、250 ℃で4時間エステル化反応を行った。得られ
たエステル化反応物を重縮合反応槽に移送した後、重縮
合反応触媒として三酸化アンチモン2×10-4モル/酸成
分モルを添加し、0.5 トル以下に減圧し、280 ℃で3時
間重縮合反応を行い、極限粘度0.45のポリエステルを得
た。次いで、このポリエステルに表1に示した解重合剤
を表1に示した量(モル部)で添加し、不活性ガス雰囲
気中で常圧下、270 ℃で1時間解重合反応を行い、表1
に示す特性値を有するポリエステル樹脂 No.1〜11を得
た。
【0024】
【表1】
【0025】実施例1〜12、比較例1〜8 参考例で得られたポリエステル樹脂、テトラメトキシメ
チルグリコールウリル硬化剤;アメリカンサイアナミッ
ド社製POWDERLINK*1174、硬化触媒;p−トルイジン−
2−スルホン酸、レベリング剤;BASF社製アクロナール
4F(ブチルポリアクリレート系レベリング剤)、ベンゾ
イン及び二酸化チタンを表2及び表3に示す量(重量
部)で採り、FM 10B型ヘンシェルミキサー(三井三池製
作所製)でドライブレンドした後、PR−46型コ・ニーダ
ー(ブッス社製)を用い 110℃で溶融混練し、冷却、粉
砕後、145 メッシュの金網で分離して粉体塗料を得た。
得られた粉体塗料を、リン酸亜鉛処理鋼板上に膜厚が50
〜60μm になるように静電塗装した後、表2及び表3に
示した温度で20分間焼付けを行った。塗膜性能の評価結
果を表2及び表3に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、良好な機械的強度、耐
沸騰水性及び耐塩水噴霧性を有し、艶消しないし半艶消
し塗膜を与える粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物を低
コストで得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸及び/又はイソフタル酸を
    主体とし、酸成分の0.01〜0.15モル%が金属塩スルホネ
    ート基を有するイソフタル酸である酸成分と脂肪族ジオ
    ールを主体とするアルコール成分とからなり、極限粘度
    が0.15〜0.40、水酸基価が10〜70mgKOH/g であるポリエ
    ステル樹脂85〜98重量部とテトラメトキシメチルグリコ
    ールウリル硬化剤2〜15重量部とからなる組成物 100重
    量部に対してp−トルイジン−2−スルホン酸を 0.1〜
    5重量部配合した粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物。
JP34003693A 1993-12-06 1993-12-06 粉体塗料用ポリエステル樹脂組成物 Pending JPH07157694A (ja)

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