JPH07155073A - 土壌灌注用パイプ - Google Patents

土壌灌注用パイプ

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Publication number
JPH07155073A
JPH07155073A JP5310928A JP31092893A JPH07155073A JP H07155073 A JPH07155073 A JP H07155073A JP 5310928 A JP5310928 A JP 5310928A JP 31092893 A JP31092893 A JP 31092893A JP H07155073 A JPH07155073 A JP H07155073A
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JP
Japan
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soil
water
pipe
porous tube
tube
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Withdrawn
Application number
JP5310928A
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English (en)
Inventor
Masayuki Taniguchi
谷口  正幸
Haruo Kawaguchi
晴生 川口
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 土壌中に灌漑水、液体肥料、液体農薬、空気
などを直接、均一、広範囲かつ効率的に供給するための
土壌灌注用パイプを得る。 【構成】 土壌灌注用パイプが、透水係数が1×10-8
〜1.5×10-5cm/sである可撓性多孔質管1から
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は土壌灌注用パイプに関す
るものであり、特に農業分野において灌漑水、液体肥
料、液体農薬、または酸素などの気体を土壌中に直接、
均一、広範囲、かつ効率的に注入供給するための土壌灌
注用パイプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、農業における灌漑法として、一般
には畝間灌漑、スプリンクラ、散水チューブ、ドリップ
チューブなどによる地表からの供給が行われてきてい
る。しかし、この方法では、灌水量、施肥量、薬剤量の
均一で精密な制御は困難であるばかりでなく、大量の水
が地表から直ちに蒸発して十分な灌水が行えなかった
り、液体肥料が地表凹部に沿って流失したり、土壌用の
農薬が作物の葉などに付着して薬害を起こすなどの問題
があった。また水が地表を水封するために、土壌中の酸
素欠乏をもたらすような場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を解決し
ようとして、ゴム、プラスチックまたはセラミクス製な
どの、管壁に一定間隔で貫通穴を設けて形成した多孔管
を土壌中に埋設し、これを通じて必要量の水、液体肥料
などを直接、土壌中に供給する方法が種々提案されてい
る。しかし、これらの方法は、給液源近傍から多量の流
体が流出してしまったりして、単位時間当りの適切な液
量調節が難しく、圃場の広範囲にわたって均一かつ効率
的に供給することは困難であった。特に、液体と気体と
の双方を土壌中の所定の範囲に均一に制御して供給する
ことができる、実用的な土壌灌注用パイプは知られてい
なかった。従って、本発明の目的は、作物の生育に好適
な土壌環境、すなわち土壌中の水分、肥料、農薬、酸素
などを最適に調整するように、流体を均一、広範囲かつ
効率的に供給するための土壌灌注用パイプを提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、可撓性
で、透水係数が1×10-8〜1.5×10-5cm/sで
ある多孔質管からなる土壌灌注用パイプを提供すること
によって解決できる。この土壌灌注用パイプは、内径が
7〜20mmであることが好ましい。また、この土壌灌
注用パイプは、肉厚が1.5〜3mmであることが好ま
しい。
【0005】ここで多孔質管とは、管壁に一定間隔で貫
通穴を設けたものではなく、孔径が数十〜数百μm程度
の微細連続通孔が管壁に形成されていて、その空隙率が
約15〜約40%となっている管体である。また、透水
係数とは、下記の数式(I)によって実験的に求められ
る数値である。 (I) K=QL/AH 式中、Kは、多孔質管の透水係数(cm/s)である。
Qは、給水速度、すなわち、この多孔質管1m当り、管
壁の微細連続通孔から毎秒浸出する水の量(cm3/s
・m)である。Lは、多孔質管の肉厚(cm)である。
Aは、多孔質管1m当りの表面積(cm2/m)であ
る。Hは、多孔質管の管内の圧力水頭(cm)である。
【0006】
【作用】土壌中における水の移動は、重力によるものと
毛管力によるものとが支配的である。すなわち、水は、
土壌中の間隙を通って重力によって深部に移動するもの
(これを以下「重力水」と称する)と、土壌粒塊の接触
界面における毛管力によって上下および水平方向に移動
するもの(これを以下「毛管水」と称する)とに分かれ
る。土壌中の灌漑は、土壌深部に流失する重力水を極力
減少し、毛管水をできるだけ均一かつ広範囲に土壌中に
移動させることによって達成される。一方、毛管水の土
壌中における移動距離や速度は、土壌粒塊の接触界面に
おける毛管的状況と、その土壌の含水量とに依存する。
従って、一時に大量の水を供給しても毛管力による移動
速度は加速されず、過剰に供給された水は重力水となっ
て流失するか、もしくは地表に溢れ出て流失する。ま
た、水の供給速度が過小であれば、重力水は減少するが
灌漑量が不足する。従って、多孔質管からの水の滲出速
度、すなわち給水速度と、土壌中における毛管水の移動
速度とがほぼ均衡するとき、最も経済的かつ効率的土壌
灌注が達成される。
【0007】ところで、多孔質管からの水の給水速度
は、数式(I)におけるQに対応して、数式(II)に
よって表される。 (II) Q=K(AH/L) すなわち、多孔質管からの給水速度Qは、多孔質管の表
面積A、肉厚L、および圧力水頭Hが一定であれば、多
孔質管の透水係数Kに依存して変化する。この透水係数
Kが1×10-8〜1.5×10-5cm/sであるとき、
上記の多孔質管からの給水速度と、土壌中における毛管
水の移動速度との好適な均衡関係が達成されることがわ
かった。
【0008】
【実施例】次に本発明を図面を用いて詳しく説明する。
図1において、本発明の土壌灌注用パイプに用いる多孔
質管1は、可撓性の素材、例えばゴム、ポリ塩化ビニル
やポリエチレンなどのプラスチック、またはこれらの複
合材を用いて成形することが好ましい。特にゴム粉末
を、ポリエチレンなどを結合材として用いて成形したも
のが好ましい。この多孔質管1は、可撓性であって、そ
の管壁1aに微細連続通孔pを有する。この多孔質管1
は、土壌中に埋めて使用され、しかも常に水や土壌中の
イオン成分と接触するものであるので、可撓性であると
ともに不蝕性であることが好ましく、セラミクスや鉄な
どは破損、腐食、重量などの点で素材として不適当であ
る。
【0009】この微細連続通孔pの孔径は、平均数十〜
数百μm程度であって、空隙率は約15〜約40%であ
るものが好ましい。平均孔径が数十μm未満では、透水
係数が過小となり灌注効率を低下させるとともに、供給
流体中の浮遊物などによる目詰まりを起こしやすく、一
方、数百μmを越えると透水係数が過大となり、流体供
給源近傍から大量の流体が流出し、多孔質管1の全長に
わたって均一な供給ができなくなる。また、空隙率は、
約15%未満では透過抵抗が大となるため余分な加圧を
必要とし、約40%を越えると管体が弱くなったり、ま
た透過が過大となり実用的でなくなる。
【0010】この多孔質管1の内径は7〜20mmであ
ることが好ましい。7mm未満では、数式(II)にお
ける多孔質管1の1m当りの表面積Aが過小となり、長
手方向の距離による水の滲出量の均一性が失われ、圃場
での実用に不十分である。また、20mmを越えると、
流体の供給量の観点では問題ないものの、運送、移動、
埋設などの取り扱い面で不便であり、また大口径の流体
供給設備が必要となるので設備規模が全体的に過大とな
り、設備費や経費が嵩む。この多孔質管1の管壁1aの
肉厚は1.5〜3mmであることが好ましい。1.5m
m未満では、管内圧や外部からの衝撃や外圧に対する耐
性が乏しくなり、3mmを越えると、数式(II)の肉
厚Lが過大となるため、供給速度Qが低下し、また多孔
質管の製造費も嵩む。
【0011】この多孔質管1は、埋設時や埋設後に相当
粗略に取り扱われる可能性があるので、一定の強度が必
要である。例えば、約15kg/cm2以上の引張強度
(JIS K6301)を有していることが好ましい。
また、この多孔質管1は圃場で使用されるものであり、
その管壁1aに例えば孔径が数百μmを越える孔が露出
していると、植物の根や土壌線虫などが侵入し障害をも
たらす可能性がある。従って、このような過大な孔が露
出しないように管壁1aを仕上げることが好ましい。
【0012】この多孔質管1は普通、1〜5m程度の長
さの管体として供給される。そこで、圃場現場で、その
圃場の広さ・形状に応じて、これらの管体の各端部を接
続して、好適な長さ・形状のものに組み立てることにな
る。組み立てられた土壌灌注用パイプは、接続部で屈曲
していてもよいし、また枝別れしていてもよい。圃場の
形態や経済的な理由から、多孔質管1の中間に通常の配
管を介在させ、全体としての灌注の均一性を調節し、ま
たは設置費用を低減することもできる。また例えば、図
2に示すように、数本の一端部2を封じた多孔質管1を
一定間隔で並列させ、それぞれの他の端部3を、1本の
給水管5に櫛状に接続した組立物も本発明の多孔質管1
の好ましい具体例である。
【0013】この流体供給用給水管5は、その一端部5
aを封じ、他方の端部を流体供給源6に接続して、圃場
内に一定の深さに掘った溝に配置し、土をかぶせること
によって埋設できる。数本の並列した多孔質管1を用い
る場合、その間隔Xは管の透水係数Kと土壌の毛管力に
応じて変化させることができるが、普通は30〜150
cmの範囲で設定することが好ましい。
【0014】圃場で土壌中に埋設して使用される土壌灌
注用パイプの長さYは、その一端部から流体を供給する
場合に100m程度まで延長することができる。地上に
あっては、水平に置かれた100mを越える管長では、
流体供給源に近い細孔pからの浸出が多くなって長さ方
向に浸出量が不均一となる。しかし、土壌中にあって
は、土壌が乾燥しているときには土壌粒塊の毛管力によ
る負圧(吸引圧)を生じて流体を吸引し、また土壌が濡
れると、その程度に応じて負圧が減少し、土壌中に水が
飽和すれば負圧はなくなる。このように、多孔質管1の
流体供給源6に近い部分から端末に向かって漸次浸出量
が自動的に制御される結果、100mを越える全長にわ
たって均一な供給を行うことができるようになる。
【0015】また、図3に示すように、多孔質管1の両
端部2および3に給水管5を配して、多孔質管1の両端
部から給液することもできる。この場合は、多孔質管1
の長さYは、図2に示した片側給液の場合の2倍とする
ことができる。
【0016】上記のように、本発明の土壌灌注用パイプ
は、埋設した多孔質管1の一端部または両端部から流体
を供給することによって、土壌中の地表に比較的近い層
を均一かつ広範囲に灌漑することができる。供給するこ
とができる流体は、液体、気体いずれでもよい。液体の
例としては灌漑水、液体肥料、土壌消毒剤や土壌殺線虫
剤などの液体農薬を挙げることができる。この液体は
水、水溶液、有機液体、乳液、分散液のいずれでもよい
が、多孔質管1の細孔pを閉塞するような固体浮遊物は
予め除去しておくことが好ましい。固体浮遊物が細孔p
を閉塞すると、透水係数Kは次第に低下する。しかしこ
の場合でも、多孔質管1が可撓性であるから、内圧を高
めることによって透水係数Kをある程度回復できる場合
もある。
【0017】また、供給流体は液体ばかりでなく、空気
などの気体であってもよい。特に、圃場を十分に灌水す
ると、土壌中の酸素が排出されて酸素不足の状態にな
る。このとき灌水した後で土壌灌注用パイプの供給源6
を空気に切り替えれば、土壌中に十分な水と酸素とを引
き続いて供給することができて、過湿による根腐れなど
の病害を防止し、作物の生育に好適な土壌環境を形成す
ることができる。
【0018】多孔質管1の管壁1aを通して気体を透過
させる場合、その透気係数は透水係数の数十倍に達す
る。従って、地上であれば気体は供給源6近傍から直ち
に漏出して、パイプの末端まで均一に移動されない。し
かし、土壌中、特に濡れた土壌中にあっては、土壌粒塊
や水膜が透気抵抗となるため、パイプ末端にまで均一な
拡散が可能となる。従って気体を供給する場合は、予め
多孔質管1に通水し、管壁1aの微細連続通孔pを濡ら
し、かつ土壌中に水分を多く含ませておくことが好まし
い。
【0019】(試験例)以下に試験例を示す。 (試験例1〜6)土壌灌注用パイプとして、ゴム粉末8
0重量部をポリエチレン20重量部で結合して成形し
た、外径13mm、内径9mmの、種々異なる透水係数
Kを有する多孔質管1を作製し、下記の条件で灌注性能
試験を行った。
【0020】(試験条件)図1に示すように、多孔質管
1の一端部2を封じ、他の端部3は流量調整弁4を介し
てポリ塩化ビニル製給水管5に接続し、このポリ塩化ビ
ニル製給水管5は水源6に接続した。この多孔質管1の
長さは、地上設置の場合は60mとし、地中30cmの
深さに埋設した場合は100mとした。水源6として水
道水を用いた。この水圧は2kgf/cm2、すなわち
水頭20mであった。流量は流量調整弁4により調節し
て0.167〜0.333cm3/s・mに設定した。
測定は運転開始1週間後に行い、流量調整弁4との接続
点を始点(0m)として、これより10mおきに、局部
滲出量(cm3/s・m)qと局部内圧(水頭cm)h
とを測定した。この測定結果を、別に測定した透水係数
(初期値)K、および設定流量(cm3/s・m)とと
もに表1〜2に示す。
【0021】
【表1】
【表2】
【0022】上記の結果から、透水係数Kが4.8×1
-7〜1.5×10-5cm/sである試験例1〜6の土
壌灌注用パイプは、地上設置の場合は始点から遠ざかる
に従い局部滲出量qおよび局部内圧hが大幅に低下して
いるものの、これを土壌中に埋設するときは、100m
の長さにわたって始点からの距離に係わらず局部滲出量
qおよび局部内圧hの低下が僅かであることがわかる。
これは土壌中の土壌灌注用パイプが、始点から末端に至
るまで、均一な量の水を土壌中に拡散供給したことを示
している。水のかわりに、液体肥料、土壌消毒剤液また
は土壌殺線虫剤液を用いた場合も、同様な結果が得られ
た。
【0023】(試験例7〜10)内径が9.5mmであ
る以外は上記試験例1〜6と同様な多孔質管1で、透水
係数を変化せしめた土壌灌注用パイプを作製し、下記の
条件で炭酸ガスの透過性能試験を行った。
【0024】(試験条件)この土壌灌注用パイプは、図
1における水源6のかわりに、炭酸ガスボンベに接続
し、その長さは、地上設置および地中30cmの深さに
埋設した場合のいずれも50mとした以外は試験例1〜
6と同様にした。測定は運転開始1週間後に行い、流量
調整弁4との接続点を始点(0m)として、これより5
mおきに、局部透過量(cm3/s・m)qと局部内圧
(水頭cm)hとを測定した。結果を表3および表4に
示す。
【0025】
【表3】
【表4】
【0026】表3および表4の結果は、気体においても
土壌中に埋設した場合には、均一な拡散が得られたこと
を示している。
【0027】
【発明の効果】本発明の土壌灌注用パイプは、透水係数
が1×10-8〜1.5×10-5cm/sである可撓性多
孔質管からなるものであるので、多孔質管からの流体の
供給速度と、土壌中における毛管水の浸透速度とが均衡
し、多孔質管の全長にわたって均一、広範囲に、かつ経
済的、効率的に土壌中に流体を浸透拡散させることがで
きる。この多孔質管の内径が7〜20mmであれば、土
壌中へ実質的に十分量の流体を拡散することができ、ま
た取り扱いが簡単で、製造経費や設備費の点でも有利で
ある。この多孔質管の肉厚が1.5〜3mmであれば、
内圧や外部からの衝撃に耐性があり、しかも流体の供給
速度が低下しない土壌灌注用パイプが得られる。
【0028】本発明の土壌灌注用パイプは上記の特性を
有するものであるから、これを適当な配置で圃場に埋設
すれば、供給源の切り替えのみによって、灌漑水、肥
料、農薬、空気などを必要に応じて、単一設備で効率的
に施用することができ、作業が省力化される。しかもそ
の施用量は、圃場全体にわたって均一かつ精密に制御す
ることができる。流体の供給速度は土壌の毛管力に見合
うように低流量に調節し得るので、流体供給のための過
大な圧力は不要であり、配管、ポンプ類も小型のもので
済み、経済的である。本発明の土壌灌注用パイプは、農
業分野ばかりでなく、土木建築、運動場整備などの分野
で、例えば土壌の湿潤、土壌硬化剤、土壌変性剤の注入
などにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の土壌灌注用パイプの一実施態様を示
す平面図。
【図2】 本発明の土壌灌注用パイプの他の一実施態様
を示す平面図。
【図3】 本発明の土壌灌注用パイプのさらに他の一実
施態様を示す平面図。
【符号の説明】 1…多孔質管、 1a…管壁、 p…微細連続通孔、 4…流量調整弁、 6…流体供給源。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題を解決し
ようとして、ゴム、プラスチックまたはセラミクス製な
どの、管壁に一定間隔で貫通穴を設けて形成した穿孔管
を土壌中に埋設し、これを通じて必要量の水、液体肥料
などを直接、土壌中に供給する方法が種々提案されてい
る。しかし、これまでの灌水用の多孔質管の製造方法は
種々提案されてはいるが、土壌灌注に適した透水係数や
流体の流量およびそれらの相関を考慮した使用方法につ
いては詳細な検討がなされていなかった。特に、液体と
気体との双方を土壌中の所定の範囲に均一に制御して供
給することができる、実用的な土壌灌注用パイプの物性
や使用方法は知られていなかった。従って、本発明の目
的は、作物の生育に好適な土壌環境、すなわち土壌中の
水分、肥料、農薬、酸素などを最適に調整するように、
流体を均一、広範囲かつ効率的に供給するための土壌灌
注用パイプを提供することにある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】ここで多孔質管とは、管壁に一定間隔で貫
通穴を設けたものではなく、孔径が数十〜数百μm程度
の微細連続通孔が管壁に形成されていて、その空隙率が
約15〜約40%となっている管体である。また、透水
係数とは、下記の数式(I)によって実験的に求められ
る数値である。 (I) K=QL/AH 式中、Kは、多孔質管の透水係数(cm/s)である。
Qは、給水速度、すなわち、この多孔質管1m当り、管
壁の微細連続通孔から毎秒出する水の量(cm3/s
・m)である。Lは、多孔質管の肉厚(cm)である。
Aは、多孔質管1m当りの表面積(cm2/m)であ
る。Hは、多孔質管の管内の圧力水頭(cm)である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】この微細連続通孔pは、数十〜数百μm程
の孔で構成され、空隙率は約15〜約40%であるも
のが好ましい。平均孔径が数十μm未満では、透水係数
が過小となり灌注効率を低下させるとともに、供給流体
中の浮遊物などによる目詰まりを起こしやすく、一方、
数百μmを越えると透水係数が過大となり、流体供給源
近傍から大量の流体が流出し、多孔質管1の全長にわた
って均一な供給ができなくなる。また、空隙率は、約1
5%未満では透過抵抗が大となるため余分な加圧を必要
とし、約40%を越えると管体が弱くなったり、また透
過が過大となり実用的でなくなる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】この多孔質管1の内径は7〜20mmであ
ることが好ましい。7mm未満では、数式(II)にお
ける多孔質管1の1m当りの表面積Aが過小となり、長
手方向の距離による水の滲出量の均一性が失われ、圃場
での実用に不十分である。また、20mmを越えると、
流体の供給量の観点では問題ないものの、運送、移動、
埋設などの取り扱い面で不便であり、また設備規模や原
材料が全体的に過大となり、設備費や経費が嵩む。この
多孔質管1の管壁1aの肉厚は1.5〜3mmであるこ
とが好ましい。1.5mm未満では、管内圧や外部から
の衝撃や外圧に対する耐性が乏しくなり、3mmを越え
ると、数式(II)の肉厚Lが過大となるため、供給速
度Qが低下し、また多孔質管の製造費も嵩む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】この多孔質管1は、埋設時や埋設後に相当
粗略に取り扱われる可能性があるので、一定の強度が必
要である。例えば、約15kg/cm2以上の引張強度
(JIS K6301)を有していることが好ましい。
また、この多孔質管1は圃場で使用されるものであり、
その管壁1aに例えば孔径が数百μmを越える孔が露出
していると、植物の根が孔に侵入し障害をもたらす可能
性がある。従って、このような過大な孔が露出しないよ
うに管壁1aを仕上げることが好ましい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】この多孔質管1は普通、圃場現場で、その
圃場の広さ・形状に応じて、これらの管体の各端部を接
続して、好適な長さ・形状のものに組み立てることにな
る。組み立てられた土壌灌注用パイプは、接続部で屈曲
していてもよいし、また枝別れしていてもよい。圃場の
形態や経済的な理由から、多孔質管1の中間に通常の配
管を介在させ、全体としての灌注の均一性を調節するよ
うに、本発明の土壌灌注用パイプを構成してもよい
1に示すように、本発明の土壌灌注用パイプは、多孔質
管1の一端部2を封じ、他方の端部3を給水管5を介し
て流体供給源6に接続して構成することができる。また
例えば、図2に示すように、数本の一端部2を封じた多
孔質管1を一定間隔で並列させ、それぞれの他の端部3
を、1本の給水管5に櫛状に接続した組立物も本発明の
多孔質管1の好ましい具体例である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】この流体供給用給水管5は、その一端部5
封じられ、他方の端部流体供給源6に接続されて
いる。数本の並列した多孔質管1を用いる場合、その間
隔Xは土壌の毛管力に応じて変化させることができる
が、普通は30〜150cmの範囲で設定することが好
ましい。また、図3に示すように、多孔質管1の両端部
2および3に給水管5を配した組み立て物も本発明の土
壌灌注用パイプの好ましい具体例である。なお、各図に
おいて符号4は流量調整弁である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】圃場で土壌中に埋設して使用される土壌灌
注用パイプの長さYは、その一端部から流体を供給する
場合に100m程度まで延長することができる。地上に
あっては、水平に置かれた100mを越える管長では、
流体供給源に近い細孔pからの出が多くなって長さ方
向に出量が不均一となる。しかし、土壌中にあって
は、土壌が乾燥しているときには土壌粒塊の毛管力によ
る負圧(吸引圧)を生じて流体を吸引し、また土壌が濡
れると、その程度に応じて負圧が減少し、土壌中に水が
飽和すれば負圧はなくなる。このように、多孔質管1の
流体供給源6に近い部分から端末に向かって漸次出量
が自動的に制御される結果、100mを越える全長にわ
たって均一な供給を行うことができるようになる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】また、図3に示すように、多孔質管1の両
端部2および3に給水管5を配して、多孔質管1の両端
部から給液することもできる。この場合は、多孔質管1
の長さYは、図2に示した片側給液の場合の2倍とする
ことができる。本発明の多孔質管1は、例えば圃場内に
一定の深さに掘った溝に配置し、土をかぶせることによ
って、土壌中に埋設される。図1の土壌灌注用パイプを
用いて土壌中に流体を供給する場合、流体供給源6から
放出された流体は、給水管5および流量調整弁4を介し
て、多孔質管1の一端部3から多孔質管1中に導入さ
れ、管壁1aの微細連続通孔pを通って、土壌中に供給
される。図2の土壌灌注用パイプを用いて土壌中に流体
を供給する場合、流体供給源6から放出された流体は、
流量調整弁4を介して給水管5に導入され、次に並列に
配置された複数の多孔質管1のそれぞれの一端部3から
それぞれの多孔質管1に導入され、管壁1aの微細連続
通孔pを通って、土壌中に供給される。図3の土壌灌注
用パイプを用いて土壌中に流体を供給する場合、流体供
給源6から放出された流体は、流量調整弁4を通ったの
ち、並列に配置された複数の多孔質管1の両端部2およ
び3に配された給水管5に導入され、次にこれら複数の
多孔質管1のそれぞれの両端部2および3からそれぞれ
の多孔質管1に導入され、管壁1aの微細連続通孔pを
通って、土壌中に供給される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【表1】
【表2】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】上記の結果から、透水係数Kが4.×1
-7〜1.5×10-5cm/sである試験例1〜6の土
壌灌注用パイプは、地上設置の場合は始点から遠ざかる
に従い局部滲出量qおよび局部内圧hが大幅に低下して
いるものの、これを土壌中に埋設するときは、100m
の長さにわたって始点からの距離に係わらず局部滲出量
qおよび局部内圧hの低下が僅かであることがわかる。
これは土壌中の土壌灌注用パイプが、始点から末端に至
るまで、均一な量の水を土壌中に拡散供給したことを示
している。水のかわりに、液体肥料、土壌消毒剤液また
は土壌殺線虫剤液を用いた場合も、同様な結果が得られ
た。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【表3】
【表4】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【発明の効果】本発明の土壌灌注用パイプは、透水係数
が1×10-8〜1.5×10-5cm/sである可撓性多
孔質管からなるものであるので、多孔質管からの流体の
供給速度と、土壌中における毛管水の浸透速度とが均衡
し、多孔質管の全長にわたって均一、広範囲に、かつ経
済的、効率的に土壌中に流体を浸透拡散させることがで
きる。この多孔質管の内径が7〜20mmであれば、土
壌中へ実質的に十分量の流体を拡散することができ、ま
た取り扱いが簡単で、製造経費や設備費の点でも有利で
ある。この多孔質管の肉厚が1.5〜3mmであれば、
内圧や外部からの衝撃に耐性があ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透水係数が1×10-8〜1.5×10-5
    cm/sである可撓性多孔質管からなる土壌灌注用パイ
    プ。
  2. 【請求項2】 内径が7〜20mmである請求項1記載
    の土壌灌注用パイプ。
  3. 【請求項3】 肉厚が1.5〜3mmである請求項1ま
    たは2記載の土壌灌注用パイプ。
JP5310928A 1993-12-10 1993-12-10 土壌灌注用パイプ Withdrawn JPH07155073A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5310928A JPH07155073A (ja) 1993-12-10 1993-12-10 土壌灌注用パイプ
KR1019950703307A KR0162538B1 (ko) 1993-12-10 1994-12-08 토양관개용 파이프 및 이것을 이용한 토양관개방법 및 토양으로의 기체공급방법
PCT/JP1994/002058 WO1995015677A1 (fr) 1993-12-10 1994-12-08 Conduit d'irrigation de sol, procede d'irrigation de sol au moyen dudit conduit et procede d'alimentation du sol en gaz
CN94191423A CN1118982A (zh) 1993-12-10 1994-12-08 土壤灌注用管以及用该管灌注土壤的方法和向土壤中供给气体的方法
AU11993/95A AU684583B2 (en) 1993-12-10 1994-12-08 Soil irrigation pipe, soil irrigation method using the same pipe, and method of supplying gas into soil
EP95902921A EP0683973B1 (en) 1993-12-10 1994-12-08 Soil irrigation pipe, soil irrigation method using the same pipe, and method of supplying gas into soil

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