JPH07154774A - 静止画ｉｄ伝送方法及び静止画受信端末装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 静止画の伝送サービスを行うＣＡＴＶシステ
ムにおいて、映像信号期間中にＩＤ信号を付加すること
により他のシステムに用いられる制御信号を容易に区別
するようにすること。 【構成】 第１フィールド又は第２フィールドに含まれ
る映像信号期間のうち、最初又は最後の１水平走査期間
をＩＤ信号４の挿入期間とする。静止画を送出する映像
送出センターにおいて、この期間に夫々の静止画に対し
個々のＩＤ信号４を付加する。こうすると文字放送や光
ディスクの制御信号に用いられるデジタル制御信号との
互換性が成立し、特殊な制御信号の復調器を設けること
なく静止画のＩＤ信号を伝送することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はＣＡＴＶ等の静止画情報
サービスシステムにおいて、複数の端末で静止画を識別
するための静止画ＩＤ伝送方法及び静止画受信端末装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ＣＡＴＶシステムにおいて映像をセンタ
ーから送出し、複数の端末で映像を受信表示してサービ
スを行う映像情報サービスシステムがある。これらのサ
ービスシステムではセンターに複数の静止画を記録及び
再生する手段が設けられ、端末からリクエストが発生す
ると静止画を送出したり、センターから一方的に複数の
静止画を送出するようにしている。このような静止画を
識別するために、静止画と共にＩＤ信号が伝送されてい
る。

【０００３】ＩＤ信号はデジタル信号で送出されるが、
このようなデジタル信号を映像信号に重畳する方法につ
いて図６を用いて説明する。図６はデジタル信号である
文字多重信号を映像信号に重畳する状態を示す信号波形
図である。ここでは文字多重信号は垂直帰線期間の第２
０，２１水平走査期間（以下、第２０Ｈ，２１Ｈと記
す）に重畳されている。本図に示すように第１フィール
ドの第１Ｈから第８Ｈまでは等化パルスが挿入され、例
えば第１０Ｈから以降に水平同期信号１とカラーバース
ト信号２が挿入されている。尚、第１Ｈから第２１Ｈま
でを垂直帰線期間と呼び、第２２Ｈから以降を映像信号
期間と呼ぶ。文字多重放送の場合、第２０Ｈと第２１Ｈ
に文字多重信号３が重畳される。そのビットレートは約
5.72Mbpsで１水平走査期間に272 ビットのデータが重畳
される。

【０００４】次に映像信号にデジタル信号を重畳する他
の例として光ディスク（レーザディスク）の制御信号が
ある。この制御信号は光ディスクをプレーヤで再生する
際に画面番号や経過時間等を表示したり、再生動作を制
御したりする目的として映像信号の垂直帰線期間に重畳
されている。この制御信号は１水平走査期間当たり24ビ
ットのデータで構成され、第１６，１７，１８，２７
９，２８０，２８１Ｈの期間に重畳されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】以上のように垂直帰線
期間にデジタル信号を重畳してその信号を伝送する方法
には次のような問題点が生じる。 （１）垂直帰線期間にデジタル信号を重畳するには、特
殊な機器が必要となる。 （２）垂直帰線期間に重畳された他の信号との整合性
（干渉，障害，破壊）に関し配慮が必要である。 （３）デジタル信号を重畳後、その信号を伝送又は記録
再生を行う場合、重畳したデジタル信号が伝送時又は記
録再生装置内で破壊される可能性がある。

【０００６】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであって、静止画用のＩＤ信号を他のデジ
タル制御信号と干渉することなく伝送でき、他のシステ
ム機器との互換性を確保しながらＩＤ信号を容易に識別
できる静止画ＩＤ伝送方法を実現することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本願の請求項１の発明
は、映像送出センターから各静止画受信端末装置に対
し、各チャンネルの静止画にＩＤ信号を付加して映像信
号を送出する静止画ＩＤ伝送方法であって、映像送出セ
ンターにおいて、第２２〜２６水平走査期間及び第２８
５〜５２５水平走査期間に含まれる少なくとも１つの水
平走査期間に、静止画毎に異なるＩＤ信号を付加して送
出し、静止画受信端末装置において、伝送された複数チ
ャンネルから特定のチャンネルの映像信号を選局し、該
チャンネルの映像信号期間に含まれるＩＤ信号を再生
し、受信側で特定されたＩＤ信号が検出されたとき、そ
の静止画を記録又は再生することを特徴とするものであ
る。

【０００８】本願の請求項４の発明は、映像送出センタ
ーから各静止画受信端末に対し、各チャンネルの静止画
にＩＤ信号を付加して映像信号を送出する静止画ＩＤ伝
送に用いられる静止画受信端末装置であって、映像送出
センターから送信された映像信号を選局するチューナ
と、チューナで選局されたＴＶ信号から映像信号を復調
する復調回路と、復調回路の映像信号からＩＤ信号を検
出するＩＤ検知回路と、ＩＤ検知回路で検知された特定
の静止画を記録する画像記録回路と、を具備することを
特徴とするものである。

【０００９】

【作用】このような特徴を有する本願の請求項１〜３記
載の発明によれば、ＣＡＴＶシステムにおいて静止画の
伝送サービスを行う場合、静止画の識別を示すＩＤ信号
をテレビジョン信号の映像信号期間に挿入する。このた
め垂直帰線期間に挿入される他の付加サービスの制御信
号と干渉しなくなり、映像送出センターと静止画受信端
末装置との間で伝送を行ってもＩＤ信号は破壊されるこ
とがない。

【００１０】又本願の請求項４記載の発明によれば、映
像送出センターからＩＤ信号が付加された静止画を受信
するに際し、先ずチューナは送信された映像信号を選局
する。そして復調回路はチューナで選局されたＴＶ信号
から映像信号を復調する。ＩＤ検知回路は復調された映
像信号からＩＤ信号を検出する。そして画像記録回路は
ＩＤ検知回路で検知された特定の静止画を記録する。

【００１１】

【実施例】本発明の一実施例における静止画ＩＤ伝送方
法について図１〜図５を参照しつつ説明する。図１は１
水平走査期間に挿入されるＩＤ信号とテレビジョン（Ｔ
Ｖ）信号の関係を示す波形図である。一般に１フレーム
は第１フィールドと第２フィールドで構成され、第１フ
ィールドでは第２２Ｈから第２６２Ｈまでの期間に映像
信号が挿入される。図１はこれらの映像信号期間のうち
特定の水平走査期間を示したもので、水平同期信号１及
びカラーバースト信号２の後にＩＤ信号４が挿入され
る。

【００１２】図２はＩＤ信号４のデジタル波形を示す例
である。デジタル制御信号として図２（ａ）に示すよう
なＮＲＺ信号や、（ｂ）に示すバイフェーズコードが用
いられる。ＮＲＺ信号はデジタルの１及び０の信号を直
流的なレベルで示したもので、例えば文字多重信号等に
用いられる。バイフェーズコードはデジタルの１で立上
り、０で立下るパルス信号であり、受信器でこの信号を
取込むためのタイミングが取り易いという特徴がある。
この信号は例えば光ディスクの制御信号等に用いられて
いる。本実施例のＩＤ信号４はこのようなＮＲＺ信号又
はバイフェーズコードの何れでもよい。

【００１３】図３は垂直帰線期間、映像信号期間、ＩＤ
信号４との時間的関係を示す信号波形図である。本図に
示すように第１フィールドは第１Ｈから第２１Ｈまでが
垂直帰線期間となり、第２フィールドでは第２６３Ｈか
ら第２８４Ｈが垂直帰線期間となる。又映像信号期間は
第１フィールドでは第２２Ｈ以降が、第２フィールドで
は第２８５Ｈ以降がその期間となる。本実施例ではＩＤ
信号４を他の制御信号が挿入されない映像信号期間内に
挿入するとし、オーバースキャンによる表示範囲外の映
像信号期間（第２２Ｈ〜第２６Ｈ，及び第２８５Ｈ〜第
５２５Ｈ）に重畳している。本実施例では第２２ＨをＩ
Ｄ信号４の挿入期間とする。

【００１４】次にＩＤ信号４を重畳し、静止画をファイ
ルする場合の機器構成について図４を用いて説明する。
図４において静止画発生装置５は静止画信号をＴＶ信号
規格に基づき発生する回路で、例えばビデオカメラ，電
子スチールカメラ，静止画光ディスク等により構成され
る。静止画発生装置５で出力された静止画はＩＤ付加装
置６に出力される。ＩＤ付加装置６は前述した映像信号
期間の特定の１水平走査期間にＩＤ信号４を付加する回
路である。ＩＤ付加装置６は例えば静止画の記録・再生
・加工が容易なマルチメディアのパーソナルコンピュー
タ等で構成される。ＩＤ付加装置６の出力は映像記録装
置７に与えられる。映像記録装置７はＩＤ信号４が付加
された静止画像を保持する回路で、例えば光静止画ディ
スク等が用いられる。

【００１５】次に静止画の送出を行う映像送出センター
と、静止画受信端末装置の構成について図５を用いて説
明する。図５の映像送出センター８はＣＡＴＶシステム
のセンターに設置される静止画の送出部であり、映像再
生装置９とＴＶ変調器１０により構成される。映像再生
装置９はファイルされた複数の静止画像を再生する装置
で、図４の映像記録装置７の再生によって得られる。Ｔ
Ｖ変調器１０は映像再生装置９から出力される映像信号
を送信信号に変調するもので、複数チャンネルの静止画
像がケーブル１１を介して同時に出力される。

【００１６】ケーブル１１には複数の分岐器１２が設け
られており、これらの分岐器１２から各静止画受信端末
装置１３に映像信号が分配される。分配されたＴＶ信号
は静止画受信端末装置１３のチューナ１４に入力され
る。チューナ１４は複数チャンネルから特定チャンネル
を選択する回路で、その受信チャンネルは制御回路１５
によって制御される。チューナ１４の出力は復調回路１
６に与えられる。復調回路１６は変調されたＴＶ信号か
らベースバンドの映像信号を復調し、輝度信号，色信号
及び水平同期信号等を検出する回路である。復調回路１
６から出力される映像信号はＩＤ検知回路１７，画像記
録回路１８，映像スイッチ１９に夫々与えられる。

【００１７】ＩＤ検知回路１７は特定の水平走査期間に
含まれるＩＤ信号４を検出する回路であり、検出対象と
なるＩＤコードは制御回路１５によって選択される。画
像記録回路１８はＩＤ検知回路１７によって識別された
静止画をフレーム又はフィールド単位で記録する回路
で、画像メモリ等により構成される。画像記録回路１８
の出力は映像スイッチ１９に与えられる。映像スイッチ
１９は制御回路１５の切換制御信号に基づき、復調回路
１６の出力する映像信号又は画像記録回路１８で保持さ
れた静止画を選択する回路で、その出力はモニタＴＶ２
０に出力される。

【００１８】以上のように構成された映像送出センター
８と静止画受信端末装置１３を用いた静止画ＩＤ伝送方
法の動作について説明する。まず図４のＩＤ付加装置６
において、動画又は静止画を処理するマルチメディアの
ソフトウェアを駆動させ、静止画発生装置５から静止画
を取込み、映像記録装置７にその信号を記録する。この
とき夫々の静止画に対してＩＤ信号を重畳し、ＣＡＴＶ
センターとしての画像データベースを構築する。次に図
５の映像再生装置９を動作させ、静止画の映像信号を送
出する。１枚の静止画が１フレームの映像信号で構成さ
れるとすると、１チャンネル当たり毎秒30枚の静止画が
送出可能となる。このような静止画は映像再生装置９で
周期的に再生される。再生された静止画はＴＶ変調器１
０で特定のＴＶチャンネルに変調され、ケーブル１１及
び分岐器１２を経て静止画受信端末装置１３に伝送され
る。

【００１９】静止画受信端末装置１３では制御回路１５
の指示によりチューナ１４でＴＶチャンネルが選局さ
れ、復調回路１６で元の静止画像が復調される。尚、制
御回路１５には予めＩＤ検知回路１７に対して受信記録
すべきＩＤコードを登録しておく。ＩＤ検知回路１７は
送出された静止画信号より、重畳されたＩＤ信号４を検
出し、制御回路１５により設定されたＩＤコードと一致
するか否かを比較する。ＩＤコードが一致した場合、Ｉ
Ｄ検知回路１７は画像記録回路１８に現在入力されてい
る静止画信号を記録するよう指示を出す。又モニタＴＶ
２０で目的の静止画を表示させる場合、制御回路１５が
映像スイッチ１９を切換え、画像記録回路１８の再生信
号を選択させる。

【００２０】以上のようにＩＤ検知回路１７に設定する
情報を与えることにより、複数の静止画から必要な静止
画を選択表示することができる。映像再生装置９で画像
データベースを周期的に再生する場合、画像を表示する
までの待ち時間を一般的に３秒以内に設定するとよい。
この場合静止画受信端末装置１３では３秒間で送出され
る90枚の静止画像から、特定の静止画を選択することが
できる。又映像送出センター８で映像再生装置９及びＴ
Ｖ変調器１０一式を増設し、別のＴＶチャンネルで送出
すると、増設するチャンネル毎に90枚の静止画の送出が
可能となる。このように必要に応じてシステムの拡大が
できる。

【００２１】尚、本実施例では映像再生装置９から静止
画の再生を周期的に行っているが、双方向性の端末装置
を用いて端末装置からの静止画のリクエストを受けた
り、又電話によって静止画のリクエストを受けるように
すると、そのリクエストに応じて該当する静止画の送出
を任意に行うことができる。

【００２２】又、本実施例では静止画のＩＤ信号をフレ
ーム単位に付加したが、静止画受信端末装置１３の画像
記録回路１８をフィールドメモリとし、フィールド単位
にＩＤ信号を付加すれば静止画受信端末装置１３の表示
までのレスポンスを同一に保持したまま２倍量の静止画
の伝送が可能となる。

【００２３】更に本実施例では図３のようにＩＤ信号４
を第２２Ｈに重畳しているが、モニタＴＶ２０の表示が
オーバースキャンで行われることを生かし、テレビ画面
上に表示されない映像信号期間中の最終水平走査期間で
ある第５２５Ｈ等にＩＤ信号４を重畳してもよい。又重
畳するＩＤ信号は１種類に限らず、その期間も１静止画
中１箇所に限定するものではない。

【００２４】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、都市型又
は地域のＣＡＴＶや、ホテル及びビル等の館内ＣＡＴＶ
のシステム等で、静止画の伝送サービスを行う場合、静
止画の識別を示すためのＩＤ情報を共に伝送する必要が
ある。このＩＤ情報はデジタルデータで構成され、映像
信号期間中に重畳して伝送を行う。このため例え文字多
重放送や光ディスクの制御信号が重畳されていても、こ
れらの信号と干渉することなく伝送でき、ＩＤ信号がシ
ステム構成の異なる機器に入力されても、その内容は破
壊されないという効果が生まれる。又映像送出センター
において、マルチメディアのパーソナルコンピュータを
ＩＤ付加装置として用いることができるため、近年の半
導体技術の進歩と併せて高価な特殊な機器を用意するこ
となく、静止画ＩＤシステムが構築できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の静止画ＩＤ伝送方法に用いら
れるＩＤ信号と１水平走査期間との関係を示す信号波形
図である。

【図２】本実施例のＩＤ信号に用いられるデジタル信号
波形図である。

【図３】本実施例のＩＤ信号と垂直帰線期間及び映像信
号期間との関係を示す信号波形図である。

【図４】本実施例のＩＤ信号を静止画に重畳する場合の
送信側における機器構成図である。

【図５】本実施例の静止画ＩＤ伝送方法を用いられる映
像送出センターと静止画受信端末装置の構成を示すブロ
ック図である。

【図６】デジタル制御信号を映像信号に重畳する従来の
制御信号伝送方法を示す信号波形図である。

【符号の説明】

１ 水平同期信号 ２ カラーバースト信号 ３ 文字多重信号 ４ ＩＤ信号 ５ 静止画発生装置 ６ ＩＤ付加装置 ７ 映像記録装置 ８ 映像送出センター ９ 映像再生装置 １０ ＴＶ変調器 １１ ケーブル １２ 分岐器 １３ 静止画受信端末装置 １４ チューナ １５ 制御回路 １６ 復調回路 １７ ＩＤ検知回路 １８ 画像記録回路 １９ 映像スイッチ ２０ モニタＴＶ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 好司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 映像送出センターから各静止画受信端末
   装置に対し、各チャンネルの静止画にＩＤ信号を付加し
   て映像信号を送出する静止画ＩＤ伝送方法であって、 前記映像送出センターにおいて、第２２〜２６水平走査
   期間及び第２８５〜５２５水平走査期間に含まれる少な
   くとも１つの水平走査期間に、静止画毎に異なるＩＤ信
   号を付加して送出し、 前記静止画受信端末装置において、伝送された複数チャ
   ンネルから特定のチャンネルの映像信号を選局し、 該チャンネルの映像信号期間に含まれるＩＤ信号を再生
   し、 受信側で特定されたＩＤ信号が検出されたとき、その静
   止画を記録又は再生することを特徴とする静止画ＩＤ伝
   送方法。
2. 【請求項２】 前記ＩＤ信号をＴＶのオーバースキャン
   による表示範囲外の映像信号期間に重畳することを特徴
   とする請求項１記載の静止画ＩＤ伝送方法。
3. 【請求項３】 前記映像送出センターより送出する静止
   画をフィールド単位に変化させることを特徴とする請求
   項１記載の静止画ＩＤ伝送方法。
4. 【請求項４】 映像送出センターから各静止画受信端末
   に対し、各チャンネルの静止画にＩＤ信号を付加して映
   像信号を送出する静止画ＩＤ伝送に用いられる静止画受
   信端末装置であって、 前記映像送出センターから送信された映像信号を選局す
   るチューナと、 前記チューナで選局されたＴＶ信号から映像信号を復調
   する復調回路と、 前記復調回路の映像信号から前記ＩＤ信号を検出するＩ
   Ｄ検知回路と、 前記ＩＤ検知回路で検知された特定の静止画を記録する
   画像記録回路と、を具備することを特徴とする静止画受
   信端末装置。
5. 【請求項５】 前記画像記録回路は、フィールドメモリ
   であることを特徴とする請求項４記載の静止画受信端末
   装置。