JPH07153411A - 電子ビーム観察方法および装置 - Google Patents

電子ビーム観察方法および装置

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JPH07153411A
JPH07153411A JP5298045A JP29804593A JPH07153411A JP H07153411 A JPH07153411 A JP H07153411A JP 5298045 A JP5298045 A JP 5298045A JP 29804593 A JP29804593 A JP 29804593A JP H07153411 A JPH07153411 A JP H07153411A
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JP
Japan
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electron beam
sample
electron
scanning
acceleration
Prior art date
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Application number
JP5298045A
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English (en)
Inventor
Teruaki Okino
輝昭 沖野
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 絶縁性の高い試料の帯電を簡易に防止するこ
とができ、しかも、高S/N比での観察を可能にする。 【構成】 導電性の試料ホルダーに保持された絶縁性の
高い試料3を低加速電圧の電子ビームLBによって走査
し、この走査により試料3から得られる情報信号に基づ
いて試料3の走査像を観察する電子ビーム観察方法にお
いて、電子ビームLBの走査と同時に又は前もって、少
なくとも走査の範囲に高加速電圧の電子ビームHBを照
射した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査形電子顕微鏡(以
下、SEMと称することもある)や電子線測長装置など
に用いられる電子ビーム観察方法およびこれを用いた電
子ビーム観察装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、走査形電子顕微鏡や電子線測長装
置などの電子ビーム観察装置は導体表面の観察に用いら
れており、絶縁体(含む生体試料、半導体)については
その表面に金属膜を蒸着して金属膜表面の形状を観察す
ることにより擬似的に絶縁体等の表面を観察していた。
しかし、半導体基板や導体基板の上に形成された絶縁体
の一種であるレジストパターン等を電子ビームにより観
察する場合、近年の半導体集積回路技術の進歩によりレ
ジストパターンの微細化が大きく進んだため、レジスト
パターン等の表面に金属膜を蒸着したのではこの金属膜
表面の形状がレジストパターン等の表面形状を忠実に再
現できるとは限らない。また、半導体プロセスライン途
上のパターンを検査するときには、金属膜を蒸着するこ
とはできない。このため、レジストパターン等を電子ビ
ームにより直接観察する技術が開発されつつある。
【0003】絶縁体を電子ビームにより直接観察する場
合に問題となるのが、絶縁体の帯電である。導体表面を
観察する際に通常用いられる1〜10kV程度の加速電
圧による電子ビームを絶縁体に照射すると、この絶縁体
が負側に帯電してしまい、忠実な観察が不可能になって
しまう。
【0004】従来、絶縁体を電子ビームにより直接観察
する方法としては、たとえば800V程度の低加速電圧
による電子ビーム(以下、単に低加速電子ビームと称す
る)を試料に照射して2次電子を得る方法があった(第
1の方法、応用物理ハンドブック第176頁(応用物理
学会編)参照)。この程度の低加速電子ビームを試料に
照射した場合2次電子放射効率が高いため、試料が正側
に帯電しようとし、このため放射2次電子の一部を捉
え、この正の帯電を中和し、結果として試料の帯電が防
止される。
【0005】あるいは、半導体基板や導体基板上に形成
された絶縁層にたとえば10kV以上の高加速電圧によ
る電子ビーム(以下、単に高加速電子ビームと称する)
を試料に照射して2次電子を得る方法があった(第2の
方法、戸所他,日本学術振興会荷電粒子ビームの工業へ
の応用第132委員会第121回研究会資料P.156
(1992)参照)。この程度の高加速電子ビームを照
射すると、1次電子が絶縁体層を貫通して半導体基板や
導体基板内にまで到達する。一例として、3kV程度の
加速電圧であると0.2μm程度しかレジスト層内に侵
入しないが、10kV程度の加速電圧であると1μm程
度も入射し、レジスト層を貫通して半導体基板等に十分
到達しうる。この1次電子により絶縁体中に電子、正孔
対が生じるため、絶縁体中の電子が半導体、導体基板に
流れて結果として絶縁体に導電性が生じる。したがっ
て、導体基板や半導体基板を接地すれば絶縁体に生じた
電荷は速やかにアース側に流れて帯電が防止される。こ
のような現象はEBIC(Electron Beam Induced Cond
uctivity)と呼ばれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た絶縁体を電子ビームにより直接観察する方法は、次の
ような問題を持っていた。
【0007】まず、第1の方法では、試料が複数の物質
からなり、また特有の構造を備えていた場合、物質およ
び構造の差異により各部分毎に最適な加速電圧(絶縁体
試料の帯電がちょうど中和される加速電圧)が異なるた
め、一様な加速電圧による電子ビームにより試料を照射
するとある部分では帯電が防止されるもののほかの部分
では試料が帯電してしまうおそれがある。これを防ぐた
めには試料の各部分で加速電圧を適切に制御するという
面倒な作業が必要になる。
【0008】一方、第2の方法では、電子ビームの加速
電圧が高くなればなるほど試料から発生する2次電子の
発生効率は低下するため、測定された2次電子のS/N
比が低くなって観察結果に影響を及ぼすおそれがある。
また、加速電圧が高いため、試料表面の観察が難しいと
いうおそれもあった。
【0009】本発明の目的は、絶縁体の試料の帯電を簡
易に防止することができ、しかも、高S/N比での絶縁
体の試料表面の観察が可能な電子ビーム観察方法および
装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1およ
び図4に対応付けて説明すると、請求項1の発明は、導
電性の基板上にある絶縁性の高い試料3を低加速電圧の
電子ビームLBによって走査し、この走査により試料3
から得られる情報信号に基づいて試料3の走査像を観察
する電子ビーム観察方法に適用される。そして、上述の
目的は、電子ビームLBの走査と同時に又は前もって、
少なくとも走査の範囲SAに前記絶縁性の高い試料3の
表面から前記基板へ電子・正孔対を生成させるエネルギ
ービームHBを照射する工程を含むことにより達成され
る。更に、請求項2の発明は、エネルギービームとし
て、高加速電圧の電子線を使用している。
【0011】また、請求項3の発明は、導電性の基板上
にある絶縁性の高い試料3を低加速電圧の電子ビームL
Bによって走査し、この走査により試料3から得られる
情報信号に基づいて試料3の走査像を観察する電子ビー
ム観察装置に適用される。そして、上述の目的は、電子
ビームLBの走査と同時に又は前もって、少なくとも走
査の範囲SAに前記絶縁性の高い試料3の表面から前記
基板へ電子・正孔対を生成させるエネルギービームHB
を照射する高加速電圧照射装置2を備えることにより達
成される。更に、請求項4の発明は、エネルギービーム
として、高加速電圧の電子線を使用している。
【0012】
【作用】少なくとも低加速の電子ビームLBが走査され
る範囲SAの試料3に試料3の表面から基板へ電子・正
孔対を生成させるエネルギービームHBが同時に又は前
もって照射されているので、走査範囲SA内の試料3の
絶縁体膜に導電性が生じ、試料3の絶縁体膜に生じた電
荷は導電性を有する基板側に流れて走査範囲SA内の帯
電が防止される。この際、エネルギービームHBの照射
により走査範囲SA内の試料3から電子が放出されるこ
ともあるが、走査範囲SA内に一様に荷電粒子線HBが
照射されているので、このエネルギービームHBによる
電子の量は一定である。
【0013】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0014】
【実施例】図1は、本発明による電子ビーム観察装置の
一実施例である走査形電子顕微鏡(SEM)を示す概略
構成図である。この図において、1は低加速電子ビーム
照射用の電子光学鏡筒、2は絶縁層から導体部へ電子・
正孔対を生成させるエネルギービームである高加速電子
ビーム照射用の電子光学鏡筒、なお試料3は、半導体基
板または導体基板の表面にレジストパターンが形成され
て構成されている。この試料3は不図示の試料ホルダー
に保持されている。この試料ホルダーは金属等の導電性
を有する物質から形成され、アース線等により接地され
ている。
【0015】電子光学鏡筒1、2の構造は従来からSE
M等に用いられている電子光学鏡筒と同様であるため、
その詳細な説明は省略する。図2および図3を参照して
その概略を説明すれば、図2は低加速電子ビーム照射用
の電子光学鏡筒1の構成を示す概略図である。この図に
おいて、5は電子銃、6はコンデンサーレンズ、7は走
査コイル、8は対物レンズ、4は2次電子検出器であ
る。電子銃5による電子ビームの加速電圧は、上述のよ
うに800V程度に設定されている。
【0016】一方、図3は高加速電子ビーム照射用の電
子光学鏡筒2の構成を示す概略図である。この図におい
て、10は電子銃、11はブランカ、12はコンデンサ
ーレンズ、13は対物レンズである。電子銃10による
電子ビームの加速電圧は、試料3の物質等にもよるが、
10kV程度以上に設定されている。ブランカ11はコ
イルの一種であり、ブランカ11に通電されると電子ビ
ームが点線で示すように偏向され、電子光学鏡筒2から
高加速電子ビームHBが照射されないようにするもので
ある。
【0017】図1、図2および図4に示すように、電子
光学鏡筒1の電子銃5から発射された低加速電子ビーム
LBはコンデンサーレンズ6、対物レンズ8により試料
3の走査領域SA上に照射され、かつ、走査コイル7に
より偏向されてこの走査領域SA内を矢印方向に走査さ
れる。この走査により試料3から発生した2次電子は、
2次電子検出器4で検出された後、不図示のCRTに試
料3の走査像として表示される。一方、電子光学鏡筒2
の電子銃10から発射された高加速電子ビームHBはコ
ンデンサーレンズ12、対物レンズ13により試料3の
走査領域SAよりもやや広い照射領域RAに照射され
る。一例として走査領域SAが10μm角である場合、
照射領域RAは11μm角程度に設定される。照射領域
RAの設定は、電子光学鏡筒2に内蔵されたコンデンサ
ーレンズ12および対物レンズ13により行われる。
【0018】電子光学鏡筒1は試料3の垂直方向から低
加速電子ビームLBを照射し、電子光学鏡筒2は、試料
3の表面に対して所定角度(≠90°)をもって高加速
電子ビームHBを照射する。高加速電子ビームHBの照
射角度は任意であり、電子光学鏡筒1、2の大きさ等に
より定められる。但し、この照射角度により高加速電子
ビームHBを照射した場合に半導体基板、導体基板にま
で電子、正孔対が生じるように電子光学鏡筒2の加速電
圧を定めることが好ましい。また、高加速電子ビームH
Bを照射しないときはブランカ11により電子光学鏡筒
2から高加速電子ビームHBが照射されないようにす
る。
【0019】走査領域SA内の試料3を観察する場合、
電子光学鏡筒1により走査領域SAに低加速電子ビーム
LBを照射するのと同時に、電子光学鏡筒2により照射
領域RAに高加速電子ビームHBを照射する。高加速電
子ビームHBの照射により、レジストパターンに導電性
が生じてレジストに生じた電荷が半導体基板または導体
基板、および不図示の試料ホルダーを介してアース側に
流れることによって帯電が防止される。
【0020】この際、高加速電子ビームHBの照射によ
り照射領域RA全体から2次電子が発生するが、2次電
子はこの照射領域RA内で一様に発生するため、2次電
子検出器4により検出される2次電子には高加速電子ビ
ームHBによる2次電子がいわば直流成分的に(バック
グラウンド信号として)重畳されている。このため、2
次電子検出器4により検出された2次電子から高加速電
子ビームHBによる2次電子の分を減算すれば、低加速
電子ビームLBによる2次電子のみを抽出することがで
きる。また、高加速電子ビームHBによる2次電子の発
生効率は、上述のように低加速電子ビームLBによる2
次電子の発生効率よりも低いため、高加速電子ビームH
Bと低加速電子ビームLBが同時に照射された場合の2
次電子のS/N比は低加速電子ビームLBのみが照射さ
れた場合の2次電子のS/N比と大差なく、S/N比低
下の問題が生じない。
【0021】なお、高加速電子ビームHBと低加速電子
ビームLBとを同時に照射する必要はなく、試料3に生
じた電子、正孔対の寿命以下の時間差をもって高加速電
子ビームHBを低加速電子ビームLBに先だって照射す
ることも可能である。この場合、低加速電子ビームLB
照射時に高加速電子ビームHBを照射していないため、
観察装置4により観察された2次電子に高加速電子ビー
ムHBによるものが含まれず、さらに2次電子のS/N
比を向上させることが可能である。
【0022】なお、本発明の電子ビーム観察装置は、そ
の細部が上述の一実施例に限定されず、種々の変形が可
能である。一例として、上述の一実施例では本発明を走
査型電子顕微鏡に適用したが、電子線測長装置などの他
の電子ビーム観察装置にも適用可能である。さらに、上
述の一実施例では試料3の表面から半導体基板(または
導体基板)へ電子・正孔対を生成させるエネルギービー
ムとして、高加速電圧の電子ビームHBにより少なくと
も走査範囲SAを照射していたが、イオンビームやX線
や光などを用いても同様の効果を得ることができる。ま
た、本実施例では情報信号として2次電子を用いたが、
反射電子を用いてもよい。この場合は、2次電子検出器
4の代わりに、反射電子検出器を用いればよい。
【0023】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、絶縁性の高い試料の表面から基板へ電子・正孔対
を生成させるエネルギービームを少なくとも低加速電圧
の電子ビームの走査範囲に同時に又は前もって照射した
ので、試料の構造、物質等に関係なくこの走査範囲内の
試料に一様に導電性を持たせることができ、低加速電圧
の電子ビームの加速電圧を試料の各部分で細かく制御せ
ずとも試料の帯電を防止することができる。また、エネ
ルギービームにより生じる電子は走査範囲内で一様であ
るので、このエネルギービームにより生じる電子により
電子検出信号のS/N比が低下するおそれもない。よっ
て、絶縁性の高い試料の帯電を簡易に防止することがで
き、しかも、高S/N比での観察が可能な電子ビーム観
察方法および装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である走査型電子顕微鏡を示
す概略図である。
【図2】低加速電子ビーム照射用の電子光学鏡筒の構成
を示す断面図である。
【図3】高加速電子ビーム照射用の電子光学鏡筒の構成
を示す断面図である。
【図4】走査領域と照射領域との関係を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
HB 高加速電子ビーム LB 低加速電子ビーム RA 照射領域 SA 走査領域 1 低加速電子ビーム照射用電子光学鏡筒 2 高加速電子ビーム照射用電子光学鏡筒 3 試料 4 2次電子検出器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性の基板上にある絶縁性の高い試料
    を低加速電圧の電子ビームによって走査し、この走査に
    より前記試料から得られる情報信号に基づいて、前記試
    料の走査像を観察する電子ビーム観察方法において、 前記走査と同時に又は前もって、少なくとも前記走査の
    範囲に前記絶縁性の高い試料の表面から前記基板へ電子
    ・正孔対を生成させるエネルギービームを照射する工程
    を含むことを特徴とする電子ビーム観察方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子ビーム観察方法に
    おいて、前記エネルギービームが高加速電圧の電子線で
    あることを特徴とする電子ビーム観察方法。
  3. 【請求項3】 導電性の基板上にある絶縁性の高い試料
    を低加速電圧の電子ビームによって走査し、この走査に
    より前記試料から得られる情報信号に基づいて、前記試
    料の走査像を観察する電子ビーム観察装置において、 前記走査と同時に又は前もって、少なくとも前記走査の
    範囲に前記絶縁性の高い試料の表面から前記基板へ電子
    ・正孔対を生成させるエネルギービームを照射する高加
    速電圧照射装置を備えることを特徴とする電子ビーム観
    察装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電子ビーム観察装置に
    おいて、前記エネルギービームが高加速電圧の電子線で
    あることを特徴とする電子ビーム観察装置。
JP5298045A 1993-11-29 1993-11-29 電子ビーム観察方法および装置 Pending JPH07153411A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4759146B2 (ja) * 1999-05-25 2011-08-31 ケーエルエー−テンカー コーポレイション 二重ビームを備えた二次電子放射顕微鏡のための装置および方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4759146B2 (ja) * 1999-05-25 2011-08-31 ケーエルエー−テンカー コーポレイション 二重ビームを備えた二次電子放射顕微鏡のための装置および方法

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