JPH07152095A - 映画フィルム及びその記録方法 - Google Patents

映画フィルム及びその記録方法

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JPH07152095A
JPH07152095A JP29680193A JP29680193A JPH07152095A JP H07152095 A JPH07152095 A JP H07152095A JP 29680193 A JP29680193 A JP 29680193A JP 29680193 A JP29680193 A JP 29680193A JP H07152095 A JPH07152095 A JP H07152095A
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JP
Japan
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motion picture
picture film
pits
film
recording
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Application number
JP29680193A
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English (en)
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Hiroshi Suganuma
洋 菅沼
Kenji Yamamoto
健二 山本
Shunji Yoshimura
俊司 吉村
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 デジタル音声データが光学的に2次元記録さ
れた映画フィルムにおいて、転写・現像時の劣化の影響
を押さえることができる、映画フィルムを提供する。 【構成】 映画フィルム1の左右に設けられたパーフォ
レーション部3の外側に記録されたデジタル音声トラッ
ク5、6を有し、上記デジタル音声トラック5、6に
は、アナログ音声信号をデジタル化したデジタル音声デ
ータが孤立ピットを含まないピットパターンとして光学
的に2次元記録されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタル音声データが
光学的に2次元記録された映画フィルム及びその記録方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の映画フィルムでは、図5に示すよ
うに、画像が記録される画像記録領域201の1側にフ
ィルム走行方向に沿って設けられた1本のアナログ音声
トラック202に音声信号が記録されていた。
【0003】また、映写の際に臨場感に富んだ音響再生
出力を得られるようにするために、この現行のフォーマ
ットを残しながら、現在のフォーマットの未使用の領域
にデジタル音声トラック用の領域を設けようという各種
試みがなされている。本件出願人は映画フィルムの画像
が記録される画像記録領域の両外側にフィルム走行方向
に沿って2本のデジタル音声トラックを設け、これらの
デジタル音声トラックにデジタル音声信号をデジタル記
録するようにして、臨場感に富んだ音響再生を可能にし
た技術を先に提案している(特願平3−222342
号、特願平3−265001号、特願平4−32091
8号)。
【0004】映画フィルムのデジタル音声トラックに
は、例えば図6に示すようなレーザ光源10、空間変調
器11、結像レンズ12などからなる記録装置により、
デジタル音声データが光学的に2次元記録される。
【0005】図6に示す記録装置において、上記空間変
調器11は、例えば半導体レーザからなる上記レーザ光
源10からのレーザビームがコリメータレンズ13、1
/2波長板14、回折格子板15、偏光板16及びシリ
ンドリカルレンズ17を介して入力される光変調器18
を備えてなる。
【0006】上記光変調器18は、所定ピット数の開口
部18aを1列上に配してなる第1の開口ライン18A
と、同じく所定ピット数の開口部18bを1列上に配し
てなる第2の開口ライン18Bとの計2ラインの開口ラ
インを有している。そして、上記第1,第2の開口ライ
ン18A,18Bの各開口部18a,18bは、開口部
と隣の開口部との間に、開口部1つ分の間隔(間隙部)
を空けるようにしてそれぞれ設けられている。また、上
記第1の開口ライン18Aの各間隙部の真下に上記第2
の開口ライン18Bの各開口部18bが位置するように
なっている。すなわち、上記第1の開口ライン18Aの
各開口部18aと第2の開口ライン18Bの各開口部1
8bとは千鳥状に配されている。
【0007】上記レーザ光源10から出射されるレーザ
ビームは、上記コリメータレンズ13により平行光にし
て上記1/2波長板14を介して上記回折格子板15に
入射される。
【0008】また、上記回折格子板16は、1次回折光
の出射が最も強くなるように調整されており、上記1/
2波長板14を介して入射されたレーザビームから、±
1次回折光である第1のレーザビーム及び第2のレーザ
ビームを形成し、これらを偏光板16を介して上記シリ
ンドリカルレンズ17に入射する。
【0009】さらに、上記シリンドリカルレンズ17
は、上記第1,第2のレーザビームが小さな入射角で上
記光変調器18の第1,第2の開口ライン18A,18
Bにそれぞれ入射されるように、該第1,第2のレーザ
ビームの光路を変えて出射する。
【0010】上記光変調器18は、電気光学効果を用い
て電気的な音声データを空間的な光強度の信号に変換す
るもので、各開口ライン18A,18Bの各開口部18
a,18bを透過するレーザビームの位相を音声データ
に応じて変化させて該レーザビームの強度を変調する。
また、上記光変調器18は、上記音声データに応じて上
記第1,第2の開口ライン18A,18Bを所定の時間
差で駆動する。これにより、上記第1のレーザビーム及
び第2のレーザビームは、上記所定の時間をおいて交互
に出射されることとなる。この光強度の信号とされた上
記第1,第2のレーザビームは、上記結像レンズ12を
介して映画フィルム20のデジタル音声トラックに照射
される
【0011】そして、所定の速度で走行して巻き取られ
る上記映画フィルム20のデジタル音声トラックには、
上記光変調器18の千鳥状に配された各開口部18a,
18bを介して交互に出射される変調された第1,第2
のレーザビームが照射され、上記第1のレーザビームが
照射されることにより記録された音声データの同列上に
上記第2のレーザビームが照射されることにより、上記
第1の開口ライン18Aの各開口部18aを介した第1
のレーザビームによる音声データのピットパターンの間
に、上記第2の開口ライン18Bの各開口部18bを介
した第2のレーザビームによる音声データのピットパタ
ーンが詰め込まれる形で、音声データが上記映画フィル
ム20のデジタル音声トラックにピットパターンとして
記録される。これにより、上記第1のレーザビームによ
る音声データのピットパターン及び第2のレーザビーム
による音声データのピットパターンは、第1,第2のレ
ーザビームが同列上に照射されてもピットパターン同士
が重なることがなく、フィルム走行方向に対して垂直な
方向に隙間なく記録される。
【0012】このようにしてデジタル音声トラックに音
声データが2次元記録されたデジタル音声録音用ネガフ
ィルム20は現像した後に、図7に示すように転写用の
プリンタヘッド21によりポジフィルム30に密着露光
して転写する。プリンタヘッド21は、スリット22を
介して照明光を出射する光源23を備え、図8に示すよ
うに、ネガフィルム20に重ね合わされたポジフィルム
30に上記ネガフィルム30を介して上記照明光を照射
することにより、上記ネガフィルム20をポジフィルム
30に転写する。
【0013】また、ピクチャー、アナログ音声について
も図9に示すように同様のプロセスを経てネガフィルム
がポジフィルムに転写される。そして、最終的な上映用
のポジフィルムには、ピクチャー、デジタル音声信号、
アナログ音声信号が記録される。
【0014】このようにして作られた映画フィルムは、
例えば図10に示すような再生装置により、上記デジタ
ル音声トラックから音声データのピットパターンが光学
的に読み取られる。
【0015】この映画フィルムの再生装置では、ドラム
41に摺接走行する映画フィルム40のデジタル音声ト
ラックに、光源装置42から光ファイバ43を介して導
かれた照明光を照射し、上記デジタル音声トラック上の
ピットパターンを対物レンズ44を介してCCDライン
センサ45の画素上に投影することにより、上記CCD
ラインセンサ45により音声データのピットパターンを
横一列毎に読み取る。上記光源装置42にはハロゲンラ
ンプ46、熱線や赤外線をカットするためのホットミラ
ー47及びS/N改善用のハイパスフィルタ48を具備
してなる。
【0016】上記光源装置42より出力された光は、光
ファイバ43を介して2方向に分離され、これはフィル
ム上の左右に配されたデジタルサ音声トラックの双方に
照射される。
【0017】なお、映画用ポジフィルムは、その基本的
な断面構造を図11に示してあるように、ベース51上
に乳剤層52が形成され、その上に保護層53が形成さ
れている。カラーのポジフィルムでは乳剤層としていく
つもの感光層が積み重ねれられており、その各層が波長
帯域に感度を持っている。そして、ネガフィルムからモ
ジフィルムへ転写を行う場合、粒子の大きさと内部の回
折や散乱を抑えるために、最も上にある感光層が持って
いる感度の波長帯域の光、例えば最も上にある感剤層5
2aがマゼンタの層であるときにはマゼンタの光を用い
て転写を行うようにしていた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来ように
映画フィルムでは、その現像・転写工程において滲みを
生じることが知られており、デジタル音声トラックのピ
ットのエッジの部分がだれる。これは、記録時の回折、
ネガフィルム現像時の粒子の拡散、転写時の密着度とフ
ィルム内部の各層間での散乱、ポジフィルム現像時の粒
子の拡散などに起因する。そして、エッジのだれはエッ
ジの微分検出には障害となる。また、エッジのだれは微
分信号の振幅劣化、エッジの位置の不安定として現れる
ので、ジッター要因となる。
【0019】音声データを光学的に2次元記録する方式
で記録密度を高めるために、ピットの大きさを小さくし
ていくと、図12に示すように、最も顕著な影響が4方
を逆のピットで囲まれた孤立ピット60A,60Bに現
れる。つまり、露光されたピットで4方を囲まれた未露
光ピット60Aと、未露光ピット60Bで4方を囲まれ
た露光ピットである。
【0020】どちらの場合場合でも、周囲からの染みだ
しによって、中央の孤立ピットは浸食されてしまう。ネ
ガとポジにおいて露光と現像がそれぞれ行われるため、
これは露光孤立ピット,未露光孤立ピットの両方につい
て同様のことがいえる。すなわち、周囲3方,2方,1
方が他の種類のピットであるものに比べて周囲4方が他
の種類のピットで囲まれたもの信号劣化は著しいという
問題点があった。
【0021】従来のアナログ音声トラックの記録でも同
様の問題が生じていたが、ネガフィルムを強めに露光し
て、ポジフィルムへの転写を弱めにし、その強度を管理
して最適な条件を出すようにしていた。しかし、デジタ
ル信号の記録では、記録密度が かに高いために、この
条件が極めて厳しいものとなる。また、その条件を様々
なケースについて対応することが必要となる。このフィ
ルム露光のマージン管理は、システム全体の安定度を損
ね、他の部分の仕様を一層厳しいものにする。
【0022】そこで、本発明の目的は、上述の如き従来
の問題点に鑑み、記録時の回折、ネガフィルム現像時の
粒子の拡散、転写時の密着度とフィルム内部の各層間で
の散乱、ポジフィルム現像時の粒子の拡散などに起因す
るプロセスでの劣化を受け難い映画フィルムを提供する
ことにある。
【0023】フィルムの解像力限界まで高密度記録を行
うことができる映画フィルムの記録方法を提供すること
にある。
【0024】映画フィルムの長手方向に沿ったデジタル
音声トラックに孤立ピットを含むことのなくデジタル音
声データを2次元記録することができる映画フィルムの
記録方法を提供することにある。
【0025】映画フィルムの長手方向に同じピットが連
続する連続ピットの長さを短くして、最長繰り返しを規
制することができる映画フィルムの記録方法を提供する
ことにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る映画フ
ィルムは、Mビット単位のデジタル音声データがM−N
変調されて孤立ピットを生じることのないN=m×nの
2次元配列のNビットデータとして光学的に2次元記録
されたデジタル音声トラックを有することを特徴とす
る。
【0027】第2の発明に係る映画フィルムの記録方法
は、Mビット単位のデジタル音声データをM−N変調し
て孤立ピットを生じることのないN=m×nの2次元配
列のNビットデータとして光学的に2次元記録すること
を特徴とする。
【0028】第3の発明に係る映画フィルムの記録方法
は、第2の発明に係る映画フィルムの記録方法におい
て、Mビット単位のデジタル音声データを2次元配列の
Nビットデータを映画フィルムの長手方向に順次2次元
記録することを特徴とする。
【0029】第4の発明に係る映画フィルムの記録方法
は、第3の発明に係る映画フィルムの記録方法におい
て、Mビット単位のデジタル音声データに対して1単位
毎に複数種類のNビットデータを割り当てて、映画フィ
ルムの長手方向に同じピットが連続する連続ピットの長
さが短くなるNビットデータを1単位毎に選択して順次
2次元記録することを特徴とする。
【0030】第5の発明に係る映画フィルムの記録方法
は、第4の発明に係る映画フィルムの記録方法におい
て、Mビット単位のデジタル音声データに対して1単位
毎に相反的な2種類のNビットデータを割り当てること
を特徴とする。
【0031】
【作用】第1の発明に係る映画フィルムでは、デジタル
音声データが光学的に2次元記録されたデジタル音声ト
ラックに孤立ピットを生じることがない。
【0032】第2の発明に係る映画フィルム記録方法で
は、デジタル音声データを光学的に2次元記録すること
により、孤立ピットを生じることがない。
【0033】第3の発明に係る映画フィルム記録方法で
は、第2の発明に係る映画フィルムの記録方法におい
て、デジタル音声データを映画フィルムの長手方向に順
次2次元記録する。
【0034】第4の発明に係る映画フィルムの記録方法
では、第3の発明に係る映画フィルムの記録方法におい
て、映画フィルムの長手方向に同じピットが連続する連
続ピットの長さを短くする。
【0035】第5の発明に係る映画フィルムの記録方法
では、相反的な2種類のNビットデータを1単位毎に選
択することにより、映画フィルムの長手方向に同じピッ
トが連続する連続ピットの長さを短くする。
【0036】
【実施例】以下、本発明に係る映画フィルム及びそのの
記録方法の一実施例について図面を参照して詳細に説明
する。本発明に係る映画フィルムは、例えば図1に示す
ように構成される。
【0037】図1において、1は映画フィルムであっ
て、この映画フィルム1には、映写される画像が記録さ
れる画像記録領域2、映写のため映画フィルムを搬送す
るためのパーフォレーション部3、従来機器でも音声の
再生を可能とするために設けられたアナログ音声の光記
録が施されたアナログ音声トラック4、及び映画フィル
ムの左右に設けられたパーフォレーション部3,3の外
側に記録されたデジタル音声トラック5,6が設けられ
ている。
【0038】上記デジタル音声トラック5(6)には、
アナログ音声信号をデジタル化した8ビット単位のデジ
タル音声データが8−12変調により孤立ピットを含ま
ない4×3=12ビットのピットパターンとして2次元
記録されている。
【0039】このように、孤立ピットを含まないピット
パターン、すなわち、縦横いずれかの最短繰り返しが2
ピット以上であり、縦横の4方向すべてを他の種類のピ
ットで囲まれることがないピットパターンとしてデジタ
ル音声データを映画フィルム1のデジタル音声トラック
5(6)に2次元記録しておくことにより、上下左右い
づれかのピットが同じ種類になるので、本発明に係る映
画フィルム1では、上述の如きプロセスでの劣化すなわ
ち記録時の回折、ネガフィルム現像時の粒子の拡散、転
写時の密着度とフィルム内部の各層間での散乱、ポジフ
ィルム現像時の粒子の拡散などに起因する劣化を受け難
くなる。
【0040】なお、上述の実施例の映画フィルム1は、
8ビット単位のデジタル音声データが8−12変調によ
り孤立ピットを生じることのない4×3=12ビットの
ピットパターンとして2次元記録されたデジタル音声ト
ラック5(6)を有するものであるが、本発明に係る映
画フィルムは、この実施例のみに限定されるものでな
く、Mビット単位のデジタル音声データがM−N変調さ
れて孤立ピットを生じることのないN=m×nの2次元
配列のNビットデータとして光学的に2次元記録された
デジタル音声トラックを有するものであれば良い。
【0041】そこで、本発明に係る映画フィルムの記録
方法では、Mビット単位のデジタル音声データをM−N
変調して孤立ピットを生じることのないN=m×nの2
次元配列のNビットデータとして光学的に2次元記録す
る。これにより、プロセスでの劣化を受けにくい上述の
如き本発明に係る映画フィルムを作成することができ
る。
【0042】ここで、Mビット単位のデジタル音声デー
タをN=m×nの2次元配列のNビットデータとして記
録する場合、N=m×nビットのNビットデータによる
2次元配列のピットパターンは2n ×2m 通りのパター
ンがあるので、この中から孤立ピットを生じることがな
いという規則を満たす2M 個のパターンを見つけて上記
Mビット単位のデジタル音声データに割り当てればよ
い。例えば図2のAに示すように1バイトすなわち8ビ
ットデータを12=4×3ビットの4×3配列のピット
パターン{{a,b,c,d},{e,f,g,h},
{i,j,k,l}}として記録する場合、1が露光さ
れたピットを、0が露光されていないピットの状態を示
すものとして、図2のBに示すような孤立ピットdを含
むピットパターン{{1,1,1,0},{0,0,
0,1},{0,0,1,1}}は除き、図2のCに示
すような孤立ピットを含まないピットパターン{{1,
1,0,0},{0,1,1,0},{0,0,1,
1}}を用いるようにする。
【0043】なお、より多くのデータビットMをできる
だけ少ないチャンネルビットNで記録するには隣合った
シンボル間の組合せも含めてM−N変調規則を決める必
要がありテーブルが複雑になるが、M−N変調規則を各
チャンネルシンボルが満たすようにすればテーブルが簡
単になる。
【0044】そして、m×n配列で孤立ピットを生じる
ことがないという規則を満たすものを調べるには、次の
ようにすればよい。
【0045】すなわち、m×n配列では2n ×2m 通り
のパターンがあるので、これをm×nの行列で表現し、
1が露光されたピットを、0が露光されていないピット
の状態を示すものとすると、例えば〔10110100
0〕2 =360は、3×3配列では次の行列Tで表され
る。
【0046】
【数1】
【0047】この行列の各要素について、上下左右の要
素との一致を調べ、1つでも一致するものがあれば、そ
の要素は変調規則を満たしている。すなわち、例えば3
×3配列の場合には、
【0048】
【数2】
【0049】として、
【0050】
【数3】
【0051】であれば、行列Tは変調規則を満たす。こ
こで、*は行列の各要素毎の積を表す。
【0052】上記数3式におけるT(I−A)+A’の
各行列要素は、
【0053】
【数4】
【0054】である。また、T(I−B)+B’の各行
列要素は、
【0055】
【数5】
【0056】である。また、T(I−A)+A”の各行
列要素は、
【0057】
【数6】
【0058】である。また、T(I−B)+B”の各行
列要素は、
【0059】
【数7】
【0060】である。従って、上記数3式における左辺
の各行列要素は、
【0061】
【数8】
【0062】となる。これを0から2m ×2n −1まで
調べれば、変調に使えるパターンと配列の個数がわか
る。
【0063】3×3配列において変調に使える孤立ピッ
トを生じることがないパターンは、126パターンであ
って、全パターンのうちの半分の63パターン(残りの
63パターンは1と0を入れ替えた反転パターンであ
る。)を次の表1〜表3に示してある。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】従って、3×3の9チャンネルピットで
は、孤立ピットを生じることなく、6データビット以下
の音声データを記録することができる。
【0068】また、2×5配列において変調に使える孤
立ピットを生じることがないパターンは、220パター
ンであって、全パターンのうちの半分の110パターン
(残りの110パターンは1と0を入れ替えた反転パタ
ーンである。)を次の表4〜表8に示してある。
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】
【表8】
【0074】従って、3×3の9チャンネルピットで
は、孤立ピットを生じることなく、7データビット以下
の音声データを記録することができる。
【0075】さらに、3×4配列において変調に使える
孤立ピットを生じることがないパターンは、780パタ
ーンであって、全パターンのうちの半分の390パター
ン(残りの390パターンは1と0を入れ替えた反転パ
ターンである。)を次の表9〜表23に示してある。
【0076】
【表9】
【0077】
【表10】
【0078】
【表11】
【0079】
【表12】
【0080】
【表13】
【0081】
【表14】
【0082】
【表15】
【0083】
【表16】
【0084】
【表17】
【0085】
【表18】
【0086】
【表19】
【0087】
【表20】
【0088】
【表21】
【0089】
【表22】
【0090】
【表23】
【0091】従って、3×4の12チャンネルピットで
は、孤立ピットを生じることなく、8データビット以下
の音声データを記録することができる。
【0092】1バイトすなわち8ビット単位のデジタル
音声データを孤立ピットを生じることなく光学的に記録
するには、780パターンのうちの256パターンを選
択して使用すればよい。
【0093】そして、本発明に係る映画フィルムの記録
方法では、上記表9〜表23に示した390パターンの
うちの256パターンと、その反転パターン(256パ
ターン)を用いるようにして、1バイトすなわち8ビッ
ト単位のデジタル音声データに対し、1単位毎に相反的
な2種類の12ビットデータを割り当てる。
【0094】上記8ビット単位のデジタル音声データを
上記12ビットデータとして映画フィルムの長手方向に
順次2次元記録するにあたり、上記相反的な2種類の1
2ビットデータから、映画フィルムの長手方向に同じピ
ットが連続する連続ピットの長さが短くなる方を1単位
毎に選択して記録する。
【0095】すなわち、例えば図3に示すように、先に
記録するピットパターン{{1,1,1,1},{1,
0,0,0},{0,0,1,1}}について、その各
行のうち右側から数えて最も多くの同色ピットが並んで
いる行を見つけ、次に記録するデジタル音声データに割
り当てられた相反的な2種類の12ビットデータによる
ピットパターン{{0,0,1,1},{0,0,0,
0},{1,0,0,0}}又は{{1,1,0,
0},{1,1,1,1},{0,1,1,1}}か
ら、先に記録したピットパターン{{1,1,1,
1},{1,0,0,0},{0,0,1,1}}の最
長連続行ピット{1,1,1,1}と反対の色が隣合う
ピットパターン{{0,0,1,1},{0,0,0,
0},{1,0,0,0}}を選択する。以下同様な処
理を順次繰り返し、映画フィルムの長手方向に同じピッ
トが連続する連続ピットの長さが短くなる12ビットデ
ータを順次記録する。
【0096】このように記録した場合の最悪パターン
{{0,0,0,0},{0,0,0,0},{0,
0,0,0}},{{1,1,1,1},{0,0,
0,0},{0,0,0,0}},{{0,0,0,
0},{1,1,1,1},{0,0,0,0}},
{{0,0,0,0},{0,0,0,0},{1,
1,1,1}}を図4に示してあるように、映画フィル
ムの長手方向の最長繰り返しは12ピットとなる。
【0097】
【発明の効果】第1の発明に係る映画フィルムでは、デ
ジタル音声データが光学的に2次元記録されたデジタル
音声トラックに孤立ピットを含まないので、記録時の回
折、ネガフィルム現像時の粒子の拡散、転写時の密着度
とフィルム内部の各層間での散乱、ポジフィルム現像時
の粒子の拡散などに起因するプロセスでの劣化を受け難
い。従って、フィルムの解像力限界まで信号を劣化させ
ることなく、高密度記録を行うことができる。また、従
来と同一の大きさのデータピットを記録する場合には、
現像プロセス管理のマージンを広げる。まや、記録信号
が改善されるため、再生システムのマージンについても
従来より広げることができる。
【0098】第2の発明に係る映画フィルム記録方法で
は、デジタル音声データを光学的に2次元記録すること
により、孤立ピットを生じることがないので、プロセス
での劣化を受け難く、信号を劣化させることなく、フィ
ルムの解像力限界まで高密度記録を行うことができる。
【0099】第3の発明に係る映画フィルム記録方法で
は、第2の発明に係る映画フィルムの記録方法におい
て、デジタル音声データを映画フィルムの長手方向に順
次2次元記録することにより、映画フィルムの長手方向
に沿ったデジタル音声トラックに孤立ピットを含むこと
のなくデジタル音声データが2次元記録することができ
る。
【0100】第4の発明に係る映画フィルムの記録方法
では、第3の発明に係る映画フィルムの記録方法におい
て、映画フィルムの長手方向に同じピットが連続する連
続ピットの長さを短くして、最長繰り返しを規制するこ
とができる。
【0101】第5の発明に係る映画フィルムの記録方法
では、相反的な2種類のNビットデータを1単位毎に選
択することにより、映画フィルムの長手方向に同じピッ
トが連続する連続ピットの長さを短くして、最長繰り返
しを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る映画フィルムの記録フォーマット
を示す模式的な平面図である。
【図2】本発明に係る映画フィルムにおいて、デジタル
音声トラックに記録される12=3×4ビットの12ビ
ットデータによる2次元配列のピットパターンを模式的
に示す図である。
【図3】本発明に係る映画フィルムの記録方法により映
画フィルムのデジタル音声トラックに記録される12=
3×4ビットの12ビットデータによる2次元配列の相
反的なピットパターンを模式的に示す図である。
【図4】本発明に係る映画フィルムの記録方法により映
画フィルムのデジタル音声トラックに記録される12=
3×4ビットの12ビットデータによる2次元配列のピ
ットパターンの最悪パターンを模式的に示す図である。
【図5】従来の映画フィルムの記録フォーマットを示す
模式的な平面図である。
【図6】映画フィルムのデジタル音声トラックの記録装
置の構成を示す模式的な斜視図である。
【図7】映画フィルムの転写装置の構成を示す模式的な
平面図である。
【図8】映画フィルムの転写状態を模式的に示す断面図
である。
【図9】映画フィルムの処理プロセスを示すフローチャ
ートである。
【図10】映画フィルムのデジタル音声トラックの再生
装置の構成を示す模式的な平面図である。
【図11】映画フィルムの構造を模式的に示す断面図で
ある。
【図12】映画フィルムのデジタル音声トラックのピッ
トパターンと再生出力波形を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1・・・・・映画フィルム 5,6・・・デジタル音声トラック

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mビット単位のデジタル音声データがM
    −N変調されて孤立ピットを含まないN=m×nの2次
    元配列のNビットデータとして光学的に2次元記録され
    たデジタル音声トラックを有することを特徴とする映画
    フィルム。
  2. 【請求項2】 Mビット単位のデジタル音声データをM
    −N変調して孤立ピットを生じることのないN=m×n
    の2次元配列のNビットデータとして光学的に2次元記
    録することを特徴とする映画フィルムの記録方法。
  3. 【請求項3】 Mビット単位のデジタル音声データを2
    次元配列のNビットデータを映画フィルムの長手方向に
    順次2次元記録することを特徴とする請求項2記載の映
    画フィルムの記録方法。
  4. 【請求項4】 Mビット単位のデジタル音声データに対
    して1単位毎に複数種類のNビットデータを割り当て
    て、映画フィルムの長手方向に同じピットが連続する連
    続ピットの長さが短くなるNビットデータを1単位毎に
    選択して順次2次元記録することを特徴とする請求項3
    記載の映画フィルムの記録方法。
  5. 【請求項5】 Mビット単位のデジタル音声データに対
    して1単位毎に相反的な2種類のNビットデータを割り
    当てることを特徴とする請求項4記載の映画フィルムの
    記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004034387A1 (ja) * 2002-10-09 2004-04-22 Optware Corporation ホログラフィを利用した情報記録方法、再生方法および記録再生方法
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JP2009151929A (ja) * 2003-06-18 2009-07-09 Thomson Licensing 映画フィルムへのデータ記録

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