JPH07150349A - 粉体攪拌器 - Google Patents

粉体攪拌器

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JPH07150349A
JPH07150349A JP32332193A JP32332193A JPH07150349A JP H07150349 A JPH07150349 A JP H07150349A JP 32332193 A JP32332193 A JP 32332193A JP 32332193 A JP32332193 A JP 32332193A JP H07150349 A JPH07150349 A JP H07150349A
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JP
Japan
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powder
container
base
stirrer
support
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JP32332193A
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English (en)
Inventor
Shigeo Ito
茂生 伊藤
Sadahisa Yonezawa
禎久 米沢
Hitoshi Toki
均 土岐
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Futaba Corp
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Futaba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イオン注入装置やイオンビーム蒸着装置に使
用される粉体攪袢器において、粉体の攪袢性を向上さ
せ、かつプラスの電荷に帯電しにくい構成の粉体攪袢器
を提供することを目的とする。 【構成】 粉体攪袢器11は、基台12と、粉体を収納
する容器13と、基台12に対し容器13を支持する支
持体15と、支持体15に配設された振動発生部として
の一対の圧電素子14,14から構成されている。そし
て圧電素子14,14に電圧を印加して、容器を振動さ
せることにより粉体を攪袢させるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、イオンビーム蒸着装
置やイオン注入装置に使用される粉体攪拌器に係わり、
特に攪拌性の高い粉体攪拌器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来のイオン注入装置の概略図
を示したものである。図中1は真空容器で、別途形成さ
れた真空ポンプによって内部を高真空状態に保持できる
構成である。また前記真空容器は、図示しないイオン化
室に接続されている。
【0003】さらに真空容器1内には、底面に円錐状の
テーパ部を有する円筒形の金属性の容器2ならびに複数
枚のプロペラ3が形成され、前記容器2とプロペラ3お
よび前記真空容器1の外部に配設された駆動部4とで、
粉体攪拌器が構成されている。また容器2を接地するこ
とにより、容器2内の粉体Aのプラス電荷を逃がす構成
である。そして駆動部4によって、前記容器2ならびに
プロペラ3を互いに逆方向に回転させることにより、容
器2内の粉体Aを攪拌するものである。
【0004】このほか真空容器1内部には、イオンのプ
ラスの電荷を中和するための中和用フィラメント5が配
設され、真空容器1内に電子が降り注ぐ構成である。ま
た真空容器1内には、注入イオン量を測定するファラデ
ーカップ6や、イオンビームをガイドするビームガイド
7等が配設されている。また前記真空容器1には、イオ
ン源に通ずる部分に偏向コイル8ならびにシャッタ9が
配設されている。
【0005】そうして注入材料を図示しないイオン化室
でイオン化後、10kVから400kVで加速し、前記
容器2内の粉体Aに射突させてイオン注入する。この時
イオンは100kVの加速電圧で約0.1ミクロンの深
さに侵入する程度である。
【0006】なおイオン注入に際しては、イオンのプラ
スの電荷を中和するかリークさせる必要があり、うまく
プラスの電荷を逃がせないと粉体A表面へのチャージに
よって、注入材料が容器2周辺に飛散してしまう。した
がって、粉体攪拌器には、攪拌性が良好なことが要求さ
れ、粉体攪拌器を含めた装置全体にはチャージ対策が施
されていることが望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のイオ
ン注入装置の粉体攪拌器は、容器2内のプロペラ3によ
って粉体Aを攪拌する構成であるから、粉体Aの量が多
くないと良好に攪拌できない。したがって、粉体Aの量
が多い分、イオン注入が完了するまでに多くの時間が必
要となるという問題があった。
【0008】また回転部を有する構成であるから、駆動
部分からゴミが侵入し、このゴミが悪影響をおよぼすと
いう問題があった。
【0009】このほか、粉体Aの量が多いので、中和用
の電子が粉体A内部まで到達できない。特に粉体Aの抵
抗値の高いものでは、プラスの電荷を中和できず、ま
た、容器2からもプラスの電荷を逃がせないので、粉体
Aがプラスの電荷にチャージし、注入材料の多くが容器
2周辺に飛散してしまうという問題があった。
【0010】さらに、プロペラ3と容器2の位置精度を
高くしないと、粉体Aの粒子がプロペラ3と容器2の隙
間を通過したり、逆に隙間に挟まるなど良好な攪拌が行
えないという問題があった。
【0011】同様にイオンビーム蒸着装置でも、上述の
粉体攪拌器を使用する場合、攪拌性が良くないので均一
に蒸着できず、また粉体が抵抗値の高いものであれば、
チャージの問題が生じる。
【0012】本発明は上述した問題に鑑みてなされたも
のであり、イオン注入装置やイオンビーム蒸着に使用さ
れる粉体攪拌器において、粉体の攪拌性が良く、粉体が
プラスの電荷にチャージしにくい構成の粉体攪拌器を提
供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】イオン注入装置やイオンビーム蒸着装置に
使用される粉体攪拌器において、粉体を収納する容器
と、容器を振動させる振動発生部を有することを特徴と
するものである。
【0014】さらに詳しくは、真空中でイオン化または
一部イオン化した添加物を粉体に注入するイオン注入装
置や、真空中でイオン化または一部イオン化した添加物
を粉体表面に均一にコートするイオンビーム蒸着装置に
使用される粉体攪拌器において、前記粉体攪拌器は、基
台と、粉体を収納する容器と、前記基台に対し前記容器
を支持する弾性変形可能な一または複数の支持体と、前
記基台もしくは支持体に配設され、前記支持体を振動さ
せる振動発生部を有し、振動発生部の振動によって前記
容器を振動させて粉体を攪袢することを特徴とするもの
である。
【0015】
【作用】粉体が収納される容器に振動を与えることによ
り、少ない量でも粉体の攪袢が容易に行える。また、攪
袢性がよいので中和用の電子が効率よく粉体に到達し、
粉体のチャージを抑えることができる。
【0016】
【実施例】以下図面を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の粉体攪拌器の一実施例を示したもの
で、イオン注入装置に装着した概略図である。なお、図
5に示す従来のイオン注入装置と、イオン注入装置の基
本的な構成は等しいので、同一箇所には同一符号を付し
て説明を省略する。
【0017】図中11は本発明の粉体攪拌器の一実施例
を示したものである。この粉体攪拌器11は、真空容器
1の底部に載置される基台12と、粉体Aの収納される
円筒形の容器13と、振動発生部としての圧電素子1
4,14ならびに支持体15と、上板16とから構成さ
れている。
【0018】さらに詳述すると、前記基台には垂直方向
に延在した支持部12aを有し、この支持部12aに、
1または数個の支持体15が前記基台12とほぼ平行に
配設されている。さらに前記支持体15の他端には、前
記上板16から下方に延在した連結部16aが取り付け
られ、前記上板16上の容器13を前記基台12に対し
支承する構成である。また前記支持体15は金属板等で
構成され、圧電素子14の振動に伴って弾性変形可能な
部材で構成されている。
【0019】そして圧電素子14は、チタン酸バリウ
ム、チタン酸鉛あるいはジルコン酸鉛を主成分とするセ
ラミックス等を使用し、各支持体15を挟んで対向して
一対配設されている。この圧電素子14,14に極性の
異なる電圧を交互に印加することによって圧電素子1
4,14を伸縮させる。圧電素子14,14の伸縮によ
って支持体15も振動し、容器13自体も上下方向に振
動する。
【0020】さらに圧電素子14,14に印加される電
圧の極性によって電圧の印加時間を変化させる場合、則
ち極端には圧電素子14,14を一方向にしか変化させ
ないような場合、前記容器13は、前記圧電素子14,
14または前記支持体15の弾性変形による復帰力が作
用する関係から、前記圧電素子14,14をゆっくり変
形させ、前記圧電素子14,14または支持体15の弾
性を利用してすばやく逆方向に復帰させることができ
る。そのため前記圧電素子14,14に印加される電圧
の極性を変えれば、前記容器13の上下方向の振動速度
が変化し、粉体Aは前記容器13内で弾かれるように転
動する。
【0021】もちろん前記圧電素子14,14の電気的
な特性や圧電素子14,14あるいは支持体15の曲げ
特性にも関係し、変形・復帰速度が逆転することも有り
得る。さらに前記圧電素子14,14に印加する電圧や
周波数を変更することにより振動の状態が種々変化す
る。なお、前記圧電素子14,14に印加する電圧は0
Vから250V程度で、入力周波数は60Hzから30
0Hzの範囲で使用できる構成とした。
【0022】次に図2を用いて容器13の形状について
説明する。図2(a)は容器13の平面図であり、図2
(b)は容器13のB−B線断面図である。前記容器1
3は、ステンレス等の金属材料からなり断面略コ字形の
皿状の容器である。そして前記容器13の中央部には、
前記上板16に取り付けるための取付穴13aを有する
構成である。そして容器13は接地されて一定電位に保
持された構成である。
【0023】以上のような構成であるから、実施例に示
した粉体攪拌器は、圧電素子14と支持体15の作用に
よって、上下方向に振動させながら、振動させる方向で
振動の速度を変化させることができる。次にイオン注入
の具体的な例を挙げて、前記実施例に示した粉体攪拌器
と従来の粉体攪拌器を比較する。なお実施例に示した粉
体攪拌器は、上下方向の移動速度が異なり、上方に動く
速度が速くなるような振動とした。
【0024】ここではAl23(102g/mol)の
粉体に、Znをイオン注入する例を示す。また容器の直
径はいずれも100mmとし、動作条件として、従来の
粉体攪拌器は回転数が60rpm、前記実施例の粉体攪
拌器11は圧電素子14への入力周波数が150Hz、
入力電圧が100Vの場合を示したものである。なお注
入条件は、加速電圧100KeV、電流100マイクロ
A、照射面積は直径100mmとした。
【0025】(1)粉体の量と粉体のチャージアップの
関係について Al23が2gから20gの範囲で、Znを5×10-4
atm/mol注入する場合、電子ビームの照射領域が
ほぼ容器の径と等しいとすると、イオン注入に必要な時
間は約2.5から約25時間必要である。
【0026】前実施例で示した粉体攪拌器11では、上
述の粉体量の範囲で粉体がチャージアップして飛散する
ことなくイオン注入が行えた。これに対し従来の粉体攪
拌器は、粉体の量が2gから5gと少ない場合はチャー
ジアップによる粉体の飛散はそれほど問題ないが、容器
の底面やプロペラの一部が露出し、正しいイオン注入量
を測定することができなっかった。また粉体6gから1
5gでは、容器の底面やプロペラの露出は防げたが、6
gでは2時間後に、15gでは1.5時間後に粉体の2
0%から50%が飛散した。
【0027】以上のことから前記実施例に示した粉体攪
拌器11は、Al23のように抵抗値の高い粉体でも、
チャージアップによる粉体の飛散もなく、良好な結果が
得られた。
【0028】(2)イオン注入の均一性について 従来の粉体攪拌器と前記実施例の粉体攪拌器11で、A
23の粉体10gにZnをイオン注入する例を示す。
なお粉体のサンプリング位置は、前記実施例の粉体攪拌
器11では、図2に示す容器13のa,b,cの位置
(両端部と中央部)とした。また従来の粉体攪拌器で
も、同様の位置とした。さらに従来の粉体攪拌器はプロ
ペラと容器底面の間の位置(以下dという)で各1gづ
つサンプリングした。なお、Znの注入量は粉体を特定
の酸で溶かし、原子吸光光度法により定量した。
【0029】まずZnの目標イオン注入量が5×10-5
atm/mol(注入時間1.3時間)の場合、従来の
粉体攪拌器では、容器のサンプリング位置a,b,c,
dでは以下のようになる。 aでは5.4×10-5atm/mol bでは6.6×10-5atm/mol cでは4.0×10-5atm/mol dでは1.0×10-5atm/molとなる。 以上のことから目標値に対し注入量のばらつきが大き
く、特にプロペラと容器の間で攪拌性が悪いのが判る。
【0030】これに対し前実施例に示した粉体攪拌器1
1では、同じ条件で以下のようになる。 aでは4.9×10-5atm/mol bでは4.5×10-5atm/mol cでは5.4×10-5atm/molとなる。 以上のように従来の粉体攪拌器と比べて攪拌性が良いの
が判る。また前記実施例に示した本願の粉体攪拌器は、
容器の上を粉体が跳ねるように転がるので厚み方向で攪
拌性は変わらないと考えられる。
【0031】次にイオン注入の量を10倍にした例で比
較を示す。上記粉体に注入するZnの目標注入量が5×
10-4atm/mol(注入時間13時間)イオン注入
する場合、従来の粉体攪拌器では、容器のサンプリング
位置がa,b,c,dでは以下のようになる。aでは飛
散により容器面が露出し、粉体のサンプリングができな
かった。 bでは1.0×10-4atm/mol cでは飛散により容器面が露出し、粉体のサンプリング
ができなかった。 dでは0.5×10-4atm/molとなる。 注入時間が長くなると、Al23など抵抗値の高いもの
はチャージアップのため粉体が飛散しており、また目標
のイオン注入量には到底及ばない。
【0032】これに対し前実施例に示した粉体攪拌器1
1では、同じ条件で以下のようになる。 aでは5.0×10-4atm/mol bでは5.1×10-4atm/mol cでは4.8×10-4atm/molとなる。 以上のように従来の粉体攪拌器と比べて攪拌性が良く、
均一にイオン注入されていることが判る。また前記実施
例に示した本願の粉体攪拌器は、容器の上を粉体が跳ね
るように転がるので厚み方向で攪拌性は変わらないと考
えられる。
【0033】
【他の実施例】また図3は、イオン注入装置に適用した
本願発明の粉体攪拌器の他の実施例を示したものであ
る。なおイオン注入装置の基本的な構成は、従来のイオ
ン注入装置と等しいので、同一箇所には同一符号を付し
て説明を省略する。図中21は本願発明の粉体攪拌器の
他の実施例を示したもので、基台22と圧電素子24,
24が両面に取り付けられた一または数個の支持体25
と、容器28とこの容器28を支持する保持体26,2
7とから構成されている。
【0034】さらに詳述すると、前記基台22は、鋭角
状に曲折された支持部22aを有し、この支持部22a
に前記支持体25の一端が取り付けられている。また、
前記保持体26も鋭角状に曲折された支持部26aを有
し、前記支持体25の他端が取り付けられている。そし
て前記保持体26の上面は、前記基台22の底面とほぼ
平行な平面になっている。なお前記支持体26は、金属
板等、前記圧電素子24,24の振動にともなって弾性
変形する材料によって構成されている。
【0035】また前記保持体26には、ボルト等で着脱
自在に保持体27が固定されており、この保持体27に
粉体を収納する容器28が取り付けられた構成である。
さらに圧電素子24,24は、前記実施例と同様な材料
で形成され、極性の異なる電圧を印加することにより伸
縮し、これに伴って前記支持体26も斜め方向に振動す
ることになる。
【0036】なお、前記実施例と同様に、圧電素子2
4,24に印加する電圧の印加時間を極性に応じて変化
させることにより、前記圧電素子24,24や支持体2
5の弾性変形による復帰力の影響を受けて、振動方向で
振動する速度を返ることができる。そうすることによ
り、前記容器28の斜め方向に上下する振動速度が変化
し、粉体Aは前記容器28内で弾かれるように転動す
る。
【0037】もちろん前記圧電素子24,24の電気的
な特性や圧電素子24,24あるいは支持体26の曲げ
特性にも関係し、変形・復帰速度が逆転することも有り
得る。さらに前記圧電素子24,24に印加する電圧や
周波数を変更することにより振動の状態が種々変化す
る。なお、前実施例と同様に、前記圧電素子24,24
に印加する電圧は0Vから250V程度で、入力周波数
は60Hzから300Hzの範囲で使用できる構成とし
た。
【0038】次に図4を用いて容器28の形状について
説明する。図2(a)は容器28の平面図であり、図2
(b)は容器28のC−C線断面図である。前記容器2
8は、ステンレス等の金属材料からなり、ほぼ長方形の
形状で、長手方向断面は中央部が深くなった鍋底形状で
ある。そして前記容器28の長手方向端部には、前記保
持体27に取り付けるための取付穴28aを有する構成
である。そして容器28は接地されて一定電位に保持さ
れた構成である。
【0039】以上のような構成であるから、実施例に示
した粉体攪拌器21は、圧電素子24と支持体25の作
用によって、斜め方向の上下に振動させて粉体Aを攪袢
することができる。なお容器28は中央部が深くなった
形状であるから、容器28の傾斜面28b,28cのう
ち、振動方向と直交する傾斜面28bに位置する粉体A
が、容器の振動の影響を傾斜面28cに位置する粉体A
より大きく受け、矢印Dに示すように粉体Aが攪袢され
る。
【0040】そして前実施例と同様に、圧電素子24,
24に印加する電圧を変化させることにより、振動する
方向で振動の速度を変化させることができ、容器28を
押し上げる方向に移動させる速度を復帰させる速度より
速くすれば、粉体Aをはね上げる力が大きくなりより効
果的である。なお前記容器28をイオン注入装置に適用
すれば、狭い領域に粉体Aが集まるので、イオンビーム
を絞り込むことができ、より少ない量でもイオン注入の
効率を上げることができる。但し、イオンビーム蒸着装
置では、図2に示す容器形状のように蒸着面積が広く、
粉体Aの厚みが薄くなるような容器形状の方が効率がよ
い。
【0041】次にイオン注入の具体的な例を挙げて、図
3に示した粉体攪拌器と従来の粉体攪拌器を比較する。
ここで、イオン注入される粉体はAl23、注入元素は
Znといずれも前記実施例に示したものと等しいが、容
器28の外形は30mm×50mm(粉体Aの領域は3
0mm×20mm)、また注入条件としては、加速電圧
が100KeV、加速電流は100マイクロA、照射面
積は直径40mmとした。なお、粉体Aの領域は照射面
積の約半分であるから、前記実施例に比べて同じ量だけ
粉体Aにイオン注入するのに約2倍の時間が必要とな
る。
【0042】粉体AにZnを目標注入量5×10-5at
m/mol(注入時間2.7時間)イオン注入する場
合、図4(a)において容器28の上端位置をa、中央
部をb、下端位置をcとすると、 aでは5.1×10-5atm/mol bでは4.8×10-5atm/mol cでは5.3×10-5atm/molとなる。 以上のように従来の粉体攪拌器と比べて攪拌性が良いの
が判る。また前記実施例に示した本願の粉体攪拌器は、
矢印Dに示すように、容器28の上を粉体Aが跳ねるよ
うに転がるので厚み方向の攪拌性は良好と考えられる。
【0043】次にイオン注入の量を10倍にした例で比
較を示す。上記粉体に注入するZnの目標注入量が5×
10-4atm/mol(注入時間27時間)イオン注入
する場合、 aでは5.1×10-4atm/mol bでは5.0×10-4atm/mol cでは4.8×10-4atm/molとなる。 以上のように従来の粉体攪拌器と比べて攪拌性が良く、
均一にイオン注入されていることが判る。またZnの注
入量が多くなっても、粉体Aがチャージアップすること
もなく、目標どうりの注入量が得られる。
【0044】なお前記実施例に示した粉体攪袢器は、振
動発生部として圧電素子を用いた例を示したが、例えば
電磁石の磁気吸着力や磁気反発力、あるいはこれらと板
ばね等の復帰力とを組み合わせて構成したり、超音波振
動子を利用するなど、容器に振動を与える構成であれば
どの様な構成でもよい。但し電磁石等の磁性体を使用す
る場合には、粉体にイオン注入したりイオンビーム蒸着
したりする添加物の軌道や、中和用の電子の軌道に悪影
響を及ぼさない構成にすることが望ましい。
【0045】また、実施例では容器を支持する部材を、
支持体と上板あるいは保持板を組み合わせた例を示した
が、これらも広い意味では容器の支持体として含まれ、
振動発生部はこれら上板や保持板に設けてもよい。
【0046】
【効果】以上のような構成であるから、本願発明の粉体
攪袢器をイオン注入装置やイオンビーム蒸着装置に適用
すれば、粉体の量が少なくても攪袢性が良好で、均一に
イオン注入やイオンビーム蒸着を行うことができる。ま
た攪袢性が良いので、抵抗値の高い粉体でも、中和用の
電子によってプラスの電荷を中和することができ、粉体
のチャージアップを抑えて粉体が飛散するのを防止する
ことができる。さらに駆動系に回転部を有しない構成で
あるから、潤滑油等、駆動部から生じるゴミの発生はな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉体攪袢器をイオン注入装置に装着し
た状態を示した図。
【図2】本発明の粉体攪拌器の容器を示した平面図およ
び側断面図。
【図3】本発明の粉体攪拌器の他の例を示した図。
【図4】本発明の粉体撹拌器の容器の他の実施例を示し
た平面図および側断面図。
【図5】従来の粉体攪袢器をイオン注入装置に装着した
状態を示した図。
【符号の説明】
A 粉体 11 粉体攪袢器 12 基台 13 容器 13a 取付穴 14 振動発生部としての圧電素子 15 支持体 16 上板 21 粉体攪袢器 22 基台 24 圧電素子 25 支持体 26 保持体 27 保持体 28 容器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン注入装置やイオンビーム蒸着装置
    に使用される粉体攪拌器において、粉体を収納する容器
    と、容器を振動させる振動発生部を有することを特徴と
    する粉体攪拌器。
  2. 【請求項2】 真空中でイオン化または一部イオン化し
    た添加物を粉体に注入するイオン注入装置や、真空中で
    イオン化または一部イオン化した添加物を粉体表面に均
    一にコートするイオンビーム蒸着装置に使用される粉体
    攪拌器において、前記粉体攪拌器は、基台と、粉体を収
    納する容器と、前記基台に対し前記容器を支持する一ま
    たは複数の支持体と、前記基台もしくは支持体に配設さ
    れ、前記支持体を振動させる振動発生部を有し、振動発
    生部の振動によって前記容器を振動させて粉体を攪袢す
    ることを特徴とする粉体攪拌器。
  3. 【請求項3】 前記支持体は、前記基台に対しほぼ垂直
    に配設され、前記容器を基台に対しほぼ水平に支持する
    とともに、前記支持体のほぼ中央部に前記振動発生部が
    配設されたことを特徴とする請求項2記載の粉体攪拌
    器。
  4. 【請求項4】 前記支持体は、前記基台に対し斜めに傾
    斜して配設され、前記基台に対し前記容器をほぼ水平に
    支持するとともに、そのほぼ中央部に前記振動発生部が
    配設されたことを特徴とする請求項2記載の粉体攪拌
    器。
  5. 【請求項5】 前記容器は、少なくとも一方向において
    断面形状が両端部より中央部分が深くなる湾曲した形状
    を有することを特徴とする請求項1または2記載の粉体
    攪拌器。
JP32332193A 1993-11-30 1993-11-30 粉体攪拌器 Pending JPH07150349A (ja)

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JP32332193A Pending JPH07150349A (ja) 1993-11-30 1993-11-30 粉体攪拌器

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JP (1) JPH07150349A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009045528A (ja) * 2007-08-16 2009-03-05 Ulvac Japan Ltd 同軸型真空アーク蒸着源を備えたナノ粒子担持装置およびナノ粒子坦持方法
JP2009079251A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Ulvac Japan Ltd 金属蒸着装置および同装置における粉体状担体の撹拌方法
JP2016122750A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 株式会社島津製作所 ワークホルダ及び成膜装置
JP2021526965A (ja) * 2018-06-12 2021-10-11 エージーシー グラス ユーロップAgc Glass Europe 触媒ナノ粒子、触媒表面及び/又は触媒を調製する方法

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