JPH07149643A - 抗血栓薬 - Google Patents

抗血栓薬

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JPH07149643A
JPH07149643A JP22385594A JP22385594A JPH07149643A JP H07149643 A JPH07149643 A JP H07149643A JP 22385594 A JP22385594 A JP 22385594A JP 22385594 A JP22385594 A JP 22385594A JP H07149643 A JPH07149643 A JP H07149643A
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JP
Japan
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antithrombotic
lower alkoxy
medicine
antithrombotic drug
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Application number
JP22385594A
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English (en)
Inventor
Tameo Iwasaki
為雄 岩▲崎▼
Takashi Nishitani
喬 西谷
Akio Otani
章雄 大谷
Masanori Inamasu
正徳 稲益
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式〔I〕 【化12】 (式中、環Aはトリ低級アルコキシフェニル基、R1
置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有
していてもよい低級アルコキシ基、置換基を有していて
もよいアミノ基又はピリジニルカルボニル基を表す。)
で示される2,5−ピロリジンジオン誘導体またはその
薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる抗血栓薬。 【効果】 本発明の有効成分である2,5−ピロリジン
ジオン誘導体は優れた抗血栓作用を示し、心筋梗塞等の
予防・治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗血栓薬に関する。
【0002】
【従来の技術】血栓が心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓症等の
各種疾病を惹起することは良く知られている。一方、血
中のプラスミンは血栓の構成成分であるフィブリンを水
溶性の高いフィブリン分解物に変化させ、血栓の形成を
抑制、血栓の溶解作用を有することも知られている。
【0003】また、プラスミノーゲンは、組織プラスミ
ノーゲンアクチベーター、ウロキナーゼ、ストレプトキ
ナーゼ等のプラスミノーゲンアクチベーター(PA)に
より、プラスミンに変化するため、従来から、PA等の
酵素製剤が血栓形成の抑制、血栓溶解に使用されてい
る。
【0004】しかし、これら製剤は血中で速やかに分解
して薬効を喪失し、また、非経口投与でしか医薬用途に
供しえない難点がある。
【0005】最近、PAの作用を阻害するプラスミノー
ゲンアクチベーターインヒビター(PAI)−1等のプ
ラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(PAI)
が見出され、これが血栓の形成、溶解に関与しているこ
とが分かってきている。
【0006】一方、2,5−ピロリジンジオンの誘導体
としては、N−メチル−3,4−ジベンジリデン体〔ヌ
ーボウ・ジャーナル・デ・キミー(NOUVEAU J
OURNAL DE CHIMIE),Vol.1,N
o.5,413−418(1977)〕が公知である
が、当該化合物の薬理活性は、なにも知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れたPA
活性促進作用、PAI−1活性阻害作用を有し、かつ、
従来公知の酵素製剤とは異なり、経口投与及び非経口投
与のいずれでも優れた抗血栓作用を奏する新規2,5−
ピロリジンジオン誘導体を有効成分としてなる抗血栓薬
を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式〔I〕
【0009】
【化2】
【0010】(式中、環Aはトリ低級アルコキシフェニ
ル基、R1 は置換基を有していてもよい低級アルキル
基、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基、置換
基を有していてもよいアミノ基又はピリジニルカルボニ
ル基を表す。)で示される2,5−ピロリジンジオン誘
導体またはその薬理的に許容しうる塩を有効成分として
なる抗血栓薬に関する。
【0011】本発明の有効成分である2,5−ピロリジ
ンジオン誘導体〔I〕又はその薬理的に許容しうる塩は
優れたPA活性促進作用、PAI−1活性阻害作用を有
し、抗血栓薬として有用である。
【0012】本発明の有効成分である2,5−ピロリジ
ンジオン誘導体〔I〕の具体例としては、環Aが3,
4,5−トリ低級アルコキシフェニル基、2,3,4−
トリ低級アルコキシフェニル基、2,4,5−トリ低級
アルコキシフェニル基、2,4,6−トリ低級アルコキ
シフェニル基等のトリ低級アルコキシフェニル基であ
り、R1 が1)水酸基、低級アルコキシ基、カルボキシ
ル基、低級アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシ
カルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基の
如きフェニル低級アルキルオキシカルボニル基等)、ジ
低級アルキルアミノ基、フェニル基及び窒素原子含有6
員複素環式基(例えば、ピリジル基、モルホリノ基等)
から選ばれる基1〜3個を有していてもよい低級アルキ
ル基、2)低級アルコキシ基及びフェニル基から選ばれ
る基で置換されていてもよい低級アルコキシ基、3)低
級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基又は4)
ピリジニルカルボニル基である化合物があげられる。
【0013】これら2,5−ピロリジンジオン誘導体
〔I〕の内、薬効上好ましいものとしては、環Aが3,
4,5−トリ低級アルコキシフェニル基、R1 が1)水
酸基、カルボキシル基、フェニル基及びモルホリノ基か
ら選ばれる基1〜3個を有していてもよい低級アルキル
基、2)低級アルコキシ基で置換されていてもよい低級
アルコキシ基又は3)ピリジニルカルボニル基である化
合物があげられ、さらに薬効上特に好ましいものとして
は、環Aが3,4,5−トリ低級アルコキシフェニル
基、R1 が1)水酸基及びモルホリノ基から選ばれる基
1〜3個を有していてもよい低級アルキル基、2)低級
アルコキシ基又は3)ピリジニルカルボニル基である化
合物があげられる。
【0014】本発明の有効成分である一般式〔I〕で示
される2,5−ピロリジンジオン誘導体は、二つの二重
結合に基づく4種の立体異性体及びその混合物をいずれ
も含むものである。この内、薬効上好ましい化合物は、
二重結合部位が共にE−配位を有するものである。
【0015】本発明の有効成分である2,5−ピロリジ
ンジオン誘導体〔I〕において、低級アルキル基及び低
級アルコキシ基の具体例としては、炭素数1〜6、とり
わけ炭素数1〜4のアルキル基及びアルコキシ基があげ
られる。
【0016】本発明の有効成分である2,5−ピロリジ
ンジオン誘導体〔I〕は、遊離の形でもまたその薬理的
に許容しうる塩の形でも医薬用途に用いることができ
る。薬理的に許容しうる塩としては、例えば、ナトリウ
ム塩、カリウム塩の如きアルカリ金属塩、塩酸塩、臭化
水素酸塩、硫酸塩の如き無機酸塩、マレイン酸塩、シュ
ウ酸塩の如き有機酸塩等をあげることができる。
【0017】本発明の抗血栓薬は、経口的にも非経口的
にも投与することができ、また常法により、例えば、錠
剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤、溶液、懸濁液、注射
剤、点滴注射剤のような適宜の医薬製剤として用いるこ
とができる。
【0018】2,5−ピロリジンジオン誘導体〔I〕又
はその薬理的に許容しうる塩の投与量は、投与方法、患
者の年齢・体重・状態あるいは疾患の程度により異なる
が、通常1日当たりの投与量は、経口投与の場合には、
0.1〜100mg/kg、とりわけ0.5〜50mg
/kg、非経口投与の場合には、0.01〜10mg/
kg、とりわけ0.05〜5mg/kgとするのが好ま
しい。
【0019】本発明の有効成分である2,5−ピロリジ
ンジオン誘導体〔I〕は、例えば一般式〔II〕
【0020】
【化3】
【0021】(式中、R2 及びR3 は、一方が低級アル
コキシ基で他方が式:−NHR1 で示される基を表し、
1 及び環Aは前記と同一意味を有する。)で示される
化合物を分子内閉環反応させるか、あるいは一般式〔I
II〕
【0022】
【化4】
【0023】(式中、環Aは前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物を、一般式〔IV〕
【0024】
【化5】
【0025】(式中、Xは反応性残基を表し、R1 は前
記と同一意味を有する。)で示される化合物と反応させ
ることにより製造することができる。
【0026】又、2,5−ピロリジンジオン誘導体
〔I〕の内、R1 が低級アルコキシ基及びフェニル基か
ら選ばれる基で置換されていてもよい低級アルコキシ基
である化合物、即ち一般式〔I−a〕
【0027】
【化6】
【0028】(式中、R4 は低級アルコキシ基及びフェ
ニル基から選ばれる基で置換されていてもよい低級アル
キル基を表し、環Aは前記と同一意味を有する。)で示
される化合物は、一般式〔II−a〕
【0029】
【化7】
【0030】(式中、R21及びR31は、一方が低級アル
コキシ基で他方が式−NHOHで示される基を表し、環
Aは前記と同一意味を有する。)で示される化合物を、
一般式〔V〕
【0031】
【化8】
【0032】(式中、X1 は反応性残基を表し、R4
前記と同一意味を有する。)で示される化合物と反応さ
せると共に、分子内閉環反応させることにより製造する
ことができる。
【0033】上記2,5−ピロリジンジオン誘導体
〔I〕の製法において、ブテン酸誘導体〔II〕の分子
内閉環反応及びブテン酸誘導体〔II−a〕と化合物
〔V〕との縮合反応並びに分子内閉環反応は、適当な溶
媒(例えばテトラヒドロフラン)中、塩基(例えば水酸
化ナトリウム)の存在下で適宜実施することができる。
【0034】N−非置換−ピロリジンジオン誘導体〔I
II〕と化合物〔IV〕との縮合反応は、適当な溶媒
(例えばジメチルホルムアミド)中、脱酸剤(例えば水
素化ナトリウム)の存在下で適宜実施することができ
る。
【0035】このようにして得られる2,5−ピロリジ
ンジオン誘導体〔I〕は、必要であれば、相互変換する
ことも可能である。例えば、2,5−ピロリジンジオン
誘導体〔I〕の内、R1 がカルボキシル置換低級アルキ
ル基である化合物、即ち一般式〔I−b〕
【0036】
【化9】
【0037】(式中、R11はカルボキシル置換低級アル
キル基を表し、環Aは前記と同一意味を有する。)で示
される化合物は、一般式〔I−c〕
【0038】
【化10】
【0039】(式中、R12は低級アルコキシカルボニル
置換低級アルキル基を表し、環Aは前記と同一意味を有
する。)で示される化合物を酸で処理することにより製
造することができる。
【0040】化合物〔I−c〕の酸処理は、常法に従っ
て行うことができ、適当な溶媒中、適宜実施することが
できる。
【0041】上記反応において、2,5−ピロリジンジ
オン誘導体〔I〕が立体異性体の混合物として得られた
場合は必要により、例えば、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー法等の常法によりそれぞれの異性体に分離す
ることができる。
【0042】なお、原料化合物〔II〕は、例えば、
(1)ベンズアルデヒド又はトリ低級アルコキシベンズ
アルデヒドとコハク酸ジ低級アルキルエステルとの縮合
反応により3−低級アルコキシカルボニル−4−フェニ
ル(又はトリ低級アルコキシフェニル)−3−ブテン酸
とした後、(2)エステル化の常法により対応する低級
アルキルエステルを製し、(3)これをトリ低級アルコ
キシベンズアルデヒド(又は工程(1)でトリ低級アル
コキシベンズアルデヒドを使用した時は、本工程ではベ
ンズアルデヒドを使用)と反応させて、一般式〔VI〕
【0043】
【化11】
【0044】(式中、R22及びR32は、一方が低級アル
コキシ基で他方が水酸基を表し、環Aは前記と同一意味
を有する。)で示されるブテン酸エステル化合物とし、
次いで、(4)化合物〔VI〕、その塩又はその反応性
誘導体をR1 NH2 で示されるアミンと反応させて製造
することができる。
【0045】一方、原料化合物〔III〕は、例えば、
上記方法で、R1 NH2 の代わりにアンモニアを作用さ
せて得られる2−トリ低級アルコキシベンジリデン−3
−カルバモイル−4−フェニル−3−ブテン酸低級アル
キルエステルを塩基の存在下に分子内閉環反応させるこ
とにより製造することができる。
【0046】本明細書中、二重結合を有する化合物(例
えば、化合物〔I〕、〔II〕、〔III〕、〔VI〕
等)の構造式は、特に明記しない限り、二重結合部位に
おける配位はシス配位(Z)であってもよく、又トラン
ス配位(E)であってもよいことを表す。
【0047】実験例1 〔プラスミノーゲン アクチベータ(PA)活性〕ウシ
頸動脈由来内皮細胞を終濃度3μMの検体を含む増殖用
培地(E’MEM+10%ウシ胎児血清)で3〜4日間
一世代培養した後、得られた細胞単層を血清無添加の培
地で2回洗浄した。さらに血清無添加の培地を加え、3
7℃、5%CO2 −95%air下で24時間インキュ
ベートし、その上清を4℃、3,000rpmで10分
間遠心することによってコンディションド メディウム
(CM)を調製した。CM中のPA活性は、B.Wim
anらの方法(合成基質法;Clin.Chim.Ac
ta,127,279,1983)に準じて測定した。
CM中のPA活性は既知量のt−PAより作製した標準
曲線から算出し、106 個内皮細胞当たりのPA活性に
換算した。結果は、検体非存在下でのPA活性に対する
相対活性として下記第1表に記載した。
【0048】
【表1】
【0049】実験例2 〔プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(PA
I)−1活性阻害作用〕検体を終濃度0.1%Nikk
ol(HCO−60,日光ケミカルズ)に10mg/1
0mlあるいは100mg/10mlとなるように懸濁
し、ウィスター系雄性ラットに10ml/kgずつ1日
1回8日間強制経口投与した。最終投与2時間後にペン
トバルビタールナトリウム麻酔下、腹部下行静脈より血
液を採取し、その血液にクエン酸を加え、プラズマを調
製した。プラズマ中PAI−1活性は実験例1と同様の
方法で測定した。結果は、溶媒のみを投与した対照群の
PAI−1活性を100とした場合の阻害%として下記
第2表に記載した。
【0050】
【表2】
【0051】製造例1 (E)−2−〔(E)−3,4,5−トリメトキシベン
ジリデン〕−3−メチルカルバモイル−4−フェニル−
3−ブテン酸メチルエステル3.5gのテトラヒドロフ
ラン50ml溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液2ml
を加え、1時間還流する。反応液を室温まで冷却後、2
N塩酸2mlを加え、減圧下で濃縮した後、酢酸エチル
を加え、洗浄、乾燥後、溶媒を留去する。残査をジエチ
ルエーテルより結晶化することにより、(3E,4E)
−1−メチル−3−ベンジリデン−4−(3,4,5−
トリメトキシベンジリデン)−2,5−ピロリジンジオ
ン2.8gを得る。
【0052】収 率 :87% M.P.:131−133℃(酢酸エチル−イソプロピ
ルエーテルより再結晶) 製造例2−14 対応原料化合物を製造例1と同様に処理して、下記第3
及4表記載の化合物を得る。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】製造例15 62%水素化ナトリウム0.33gのジメチルホルムア
ミド10ml懸濁液に氷冷下、(E)−2−〔(E)−
3,4,5−トリメトキシベンジリデン〕−3−ヒドロ
キシカルバモイル−4−フェニル−3−ブテン酸メチル
エステル3.8gのジメチルホルムアミド10ml溶液
を滴下し、室温で2時間攪拌する。次いで、メトキシメ
チルクロライド0.67mlを氷冷下に滴下し、室温で
二晩攪拌した後、溶媒を留去する。残査に酢酸エチルを
加え、洗浄、乾燥後、溶媒を留去する。得られる残査を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−
ヘキサン:トリクロロメタン:酢酸エチル=5:5:
4)にて精製することにより、(3E,4E)−1−メ
トキシメトキシ−3−ベンジリデン−4−(3,4,5
−トリメトキシベンジリデン)−2,5−ピロリジンジ
オン1.25gを黄色結晶として得る。
【0056】収 率 :37% M.P.:175−177℃(酢酸エチル−n−ヘキサ
ンより再結晶) 製造例16 63.2%水素化ナトリウム0.38gのジメチルホル
ムアミド10ml懸濁液に氷冷下、(3E,4E)−3
−ベンジリデン−4−(3,4,5−トリメトキシベン
ジリデン)−2,5−ピロリジンジオン3.65gのジ
メチルホルムアミド10ml溶液を滴下し、室温で1時
間攪拌する。次いで、メトキシメチルクロライド0.8
4mlを氷冷下に滴下し、室温で一晩攪拌した後、溶媒
を留去する。残査に酢酸エチルを加え、洗浄、乾燥後、
溶媒を留去する。得られる残査をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン:トリクロロ
メタン:酢酸エチル=5:5:4)にて精製することに
より、(3E,4E)−1−メトキシメチル−3−ベン
ジリデン−4−(3,4,5−トリメトキシベンジリデ
ン)−2,5−ピロリジンジオン3.0gを黄色結晶と
して得る。
【0057】収 率 :73% M.P.:127−128℃(酢酸エチル−n−ヘキサ
ンより再結晶) 製造例17−21 対応原料化合物を製造例16と同様に処理して、下記第
5表記載の化合物を得る。
【0058】
【表5】
【0059】製造例22 (1)製造例18で得られた、(3E,4E)−1−t
−ブトキシカルボニルメチル−3−ベンジリデン−4−
(3,4,5−トリメトキシベンジリデン)−2,5−
ピロリジンジオン3.5gのジクロロメタン40ml溶
液に、室温にてトリフルオロ酢酸10mlを加え、4時
間放置後、減圧にて溶媒を留去し、残査にトリクロロメ
タンを加えて、洗浄、乾燥後、溶媒を留去する。残査を
ジエチルエーテルより結晶化することにより、(3E,
4E)−1−カルボキシメチル−3−ベンジリデン−4
−(3,4,5−トリメトキシベンジリデン)−2,5
−ピロリジンジオン2.5gを黄色プリズム晶として得
る。
【0060】収 率 :81% M.P.:183−185℃ (2)本品2.38gをテトラヒドロフラン10ml−
メタノール10mlの混液に溶かし、2N水酸化ナトリ
ウム水溶液2.8mlを加え、溶媒を留去する。残査に
トリクロロメタンを加えて、乾燥後、溶媒を留去する。
結晶性残査を酢酸エチル及びジエチルエーテルより再結
晶することにより、(3E,4E)−1−カルボキシメ
チル−3−ベンジリデン−4−(3,4,5−トリメト
キシベンジリデン)−2,5−ピロリジンジオン・ナト
リウム塩2.3gを黄色結晶として得る。
【0061】収 率 :74% M.P.:190℃(分解) 参考例1 (1)カリウムt−ブチレート16.8gのt−ブチル
アルコール150ml溶液に、ベンズアルデヒド15.
9g及びコハク酸ジメチルエステル26.3gのt−ブ
チルアルコール20ml溶液を、室温で攪拌しながら滴
下し、次いで、30分間攪拌する。反応液を氷水200
mlに注いで、イソプロピルエーテルで抽出する。水層
をpH2−3に調整し、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチ
ル層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去する。残査をメタノー
ル75mlに溶かし、氷冷下、チオニルクロライド1
0.9mlを滴下し、室温で一晩放置した後、溶媒を留
去する。残査にイソプロピルエーテルを加え、洗浄、乾
燥後、溶媒を留去する。残査を減圧下で蒸留することに
より、(E)−3−メトキシカルボニル−4−フェニル
−3−ブテン酸メチルエステル23.2gを無色油状物
として得る。
【0062】収 率 :66% B.P.:135−137℃(0.3mmHg) (2)本品23.1g及び3,4,5−トリメトキシベ
ンズアルデヒド19.4gのt−ブチルアルコール10
0ml溶液を、カリウムt−ブチレート11.1gのt
−ブチルアルコール100ml溶液に室温で、攪拌しな
がら滴下し、次いで、1時間攪拌する。反応液を冷水2
00mlに注いで、イソプロピルエーテルで抽出する。
水層をpH2−3に調整し、酢酸エチルで抽出し、酢酸
エチル層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去する。残査をジエ
チルエーテルで洗浄することにより、(E)−2−
〔(E)−3,4,5−トリメトキシベンジリデン〕−
3−カルボキシ−4−フェニル−3−ブテン酸メチルエ
ステル25.7gを淡黄色結晶として得る。
【0063】収 率 :65% M.P.:153−154℃(酢酸エチル−イソプロピ
ルエーテルより再結晶) (3)本品6.0gのトリクロロメタン30ml溶液
に、氷冷下、チオニルクロライド1.1mlを滴下す
る。次いで、ジメチルホルムアミド2滴を加えた後、3
0分間還流する。反応液を25℃以下まで冷却後、40
%メチルアミン水溶液10ml中へ激しく攪拌しながら
滴下する。そのまま30分間攪拌した後、有機層を分離
し、洗浄、乾燥後、溶媒を留去する。残査をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トリクロロメタ
ン:アセトン=5:1)にて精製することにより、
(E)−2−〔(E)−3,4,5−トリメトキシベン
ジリデン〕−3−メチルカルバモイル−4−フェニル−
3−ブテン酸メチルエステル5.4gを結晶として得
る。
【0064】収 率 :87% M.P.:155−157℃(酢酸エチル−n−ヘキサ
ンより再結晶) 参考例2−15 対応原料化合物を参考例1と同様に処理して、下記第6
及び7表記載の化合物を得る。
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】参考例16 (1)参考例1−(2)で得られた化合物25.7gの
トリクロロメタン50ml溶液に、氷冷下、チオニルク
ロライド4.7mlを滴下する。次いで、ジメチルホル
ムアミド1滴を加えた後、30分間還流する。反応液を
25℃以下まで冷却後、濃アンモニア水20ml中へ激
しく攪拌しながら滴下する。そのまま30分間攪拌した
後、有機層を分離し、洗浄、乾燥後、溶媒を留去する。
残査をジエチルエーテルより結晶化することにより、
(E)−2−〔(E)−3,4,5−トリメトキシベン
ジリデン〕−3−カルバモイル−4−フェニル−3−ブ
テン酸メチルエステル24.9gを淡黄色結晶として得
る。
【0068】収 率 :97% M.P.:179−180℃(酢酸エチルより再結晶) (2)本品24.9gのテトラヒドロフラン75ml溶
液に、2N水酸化ナトリウム水溶液15.6mlを加
え、1時間還流する。室温まで冷却後、2N塩酸15.
6mlを加え、減圧下で濃縮した後、トリクロロメタン
を加え、洗浄、乾燥後、溶媒を留去する。残査を酢酸エ
チルより結晶化することにより、(3E,4E)−3−
ベンジリデン−4−(3,4,5−トリメトキシベンジ
リデン)−2,5−ピロリジンジオン17.6gを黄色
板状晶として得る。
【0069】収 率 :77% M.P.:158−159℃
【0070】
【発明の効果】本発明の有効成分である2,5−ピロリ
ジンジオン誘導体〔I〕及びその薬理的に許容し得る塩
は、優れたPA活性促進作用、PAI−1活性阻害作用
を有し、経口及び非経口投与のいずれでも優れた抗血栓
作用を奏する。
【0071】また、本発明の有効成分は、毒性が低く医
薬として安全性が高い。例えば、本発明の有効成分であ
る(3E,4E)−1−(2−ヒドロキシエチル)−3
−ベンジリデン)−2,5−ピロリジンジオンを300
mg/kgの投与量でマウスに経口投与し、3日間観察
しても死亡例は認められなかった。
【0072】従って、本発明の有効成分は抗血栓薬とし
て有用であり、例えば、心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓症、
深部静脈血栓症、末梢動脈閉塞症、狭心症、汎発性血管
内血液凝固症及びその他の静脈閉塞症の如き血管病並び
に糖尿病合併症の予防及び治療薬として使用することが
できる。また、経皮的冠動脈形成術後あるいは血栓溶解
治療後の再閉塞の予防薬、動脈硬化症の治療・予防薬と
しても使用することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】実験例2 〔プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(PA
I)−1活性阻害作用〕検体を終濃度0.1%Nikk
ol(HCO−60,日光ケミカルズ)に100mg/
10mlとなるように懸濁し、ウィスター系雄性ラット
に10ml/kgずつ1日1回8日間強制経口投与し
た。最終投与2時間後にペントバルビタールナトリウム
麻酔下、腹部下行静脈より血液を採取し、その血液にク
エン酸を加え、プラズマを調製した。プラズマ中PAI
−1活性は実験例1と同様の方法で測定した。結果は、
溶媒のみを投与した対照群のPAI−1活性を100と
した場合の阻害%として下記第2表に記載した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 207/50 401/06 207

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 (式中、環Aはトリ低級アルコキシフェニル基、R1
    置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有
    していてもよい低級アルコキシ基、置換基を有していて
    もよいアミノ基又はピリジニルカルボニル基を表す。)
    で示される2,5−ピロリジンジオン誘導体またはその
    薬理的に許容し得る塩を有効成分とする抗血栓薬。
  2. 【請求項2】 環Aが3,4,5−トリ低級アルコキシ
    フェニル基である請求項1記載の抗血栓薬。
  3. 【請求項3】 R1 が1)水酸基、低級アルコキシ基、
    カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、アラル
    キルオキシカルボニル基、ジ低級アルキルアミノ基、フ
    ェニル基及び窒素原子含有6員複素環式基から選ばれる
    基1〜3個を有していてもよい低級アルキル基、2)低
    級アルコキシ基及びフェニル基から選ばれる基で置換さ
    れていてもよい低級アルコキシ基、3)低級アルキル基
    で置換されていてもよいアミノ基又は4)ピリジニルカ
    ルボニル基である請求項1又は2記載の抗血栓薬。
  4. 【請求項4】 R1 が1)水酸基、カルボキシル基、フ
    ェニル基及びモルホリノ基から選ばれる基1〜3個を有
    していてもよい低級アルキル基、2)低級アルコキシ基
    で置換されていてもよい低級アルコキシ基又は3)ピリ
    ジニルカルボニル基である請求項1又は2記載の抗血栓
    薬。
  5. 【請求項5】 R1 が1)水酸基及びモルホリノ基から
    選ばれる基1〜3個を有していてもよい低級アルキル
    基、2)低級アルコキシ基又は3)ピリジニルカルボニ
    ル基である請求項1又は2記載の抗血栓薬。
  6. 【請求項6】 二重結合部位が共にE−配位を有する請
    求項1、2、3、4又は5記載の抗血栓薬。
  7. 【請求項7】 心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓症、深部静脈
    血栓症、末梢動脈閉塞症、狭心症、汎発性血管内血液凝
    固症、静脈閉塞症又は糖尿病合併症の予防・治療剤であ
    る請求項1、2、3、4、5又は6記載の抗血栓薬。
JP22385594A 1993-09-24 1994-09-20 抗血栓薬 Pending JPH07149643A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009001949A1 (ja) 2007-06-27 2008-12-31 Kowa Company, Ltd. ピラゾロン誘導体
CN108059598A (zh) * 2016-11-08 2018-05-22 华东理工大学 由巴豆酸衍生物制备多取代二烯烃的方法

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