JPH07142762A - 樹脂封止型半導体装置 - Google Patents

樹脂封止型半導体装置

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JPH07142762A
JPH07142762A JP30702093A JP30702093A JPH07142762A JP H07142762 A JPH07142762 A JP H07142762A JP 30702093 A JP30702093 A JP 30702093A JP 30702093 A JP30702093 A JP 30702093A JP H07142762 A JPH07142762 A JP H07142762A
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JP
Japan
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resin
titanium oxide
carbon
weight
encapsulant
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JP30702093A
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Keiji Kamazaki
啓二 鎌崎
Toshiaki Tanaka
敏明 田中
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Photo Coupler, Interrupter, Optical-To-Optical Conversion Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭酸ガスレーザなどのレーザによるマーキン
グ性に優れた明瞭な印字を可能にするとともに、外部か
らの光の影響を少なくする樹脂封止型半導体装置を提供
する。 【構成】 半導体装置の樹脂封止体11に酸化チタンと
カーボンの両添加剤を含有させて、樹脂封止体11に形
成されたレーザマーク10のマーキング性を向上させ
る。この樹脂封止型半導体装置は、発光素子1及び受光
素子2からなる半導体素子と、前記半導体素子を被覆す
る樹脂封止体11とを備え、前記樹脂封止体は、35重
量%未満の熱硬化性樹脂と65重量%以上の充填剤とを
主成分とし、この充填剤はシリカ、酸化チタン及びカー
ボンから構成され、酸化チタンを1〜30重量%、カー
ボンを0.002〜0.5重量%含有している。樹脂封
止体11の表面領域に形成されたレーザマーク領域10
には酸化チタンの粒子が露出分散しており、カーボン
は、樹脂封止体11中において、レーザマーク領域10
以外の部分に分散しているようにすることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂封止されたフォト
カプラなどの半導体装置の樹脂封止体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】樹脂封止型半導体装置は、パッケージン
グが容易であり、量産性に適しているので多く利用され
ている。この様な樹脂封止型半導体装置は、銅や鉄−ニ
ッケル系合金などの薄い金属板をエッチング或いはプレ
ス(打ち抜き)などによって形成したリードフレームを
利用して製造される。リードフレームは、フレーム枠の
中に半導体集積回路などの半導体素子(チップ)を取付
ける半導体素子搭載部、半導体素子搭載部を支持するつ
りピン部、ボンディングワイヤが接続されるリード部な
どのパターンを有している。そして、リードフレーム
は、半導体素子を搭載してから金型に載置し、トランス
ファモールド法などを用いて、リードフレームの半導体
素子を含むベッド部、ボンディングワイヤ、つりピン部
リードの一部などを樹脂封止し、パターンの不要部分を
切断除去して半導体装置を製造する。樹脂封止されない
で外部に露出しているリード部分は、成形され、アウタ
ーリードとして配線基板の配線パターンに接続される。
半導体素子やボンディングワイヤなどを取付けるリード
の先端部分は、接続の信頼性の向上を図るために、金や
銀などでメッキされることがある。
【0003】この様な樹脂封止型半導体装置として、光
半導体装置、例えば、フォトカプラは、発光素子と受光
素子とを組み合わせ、これらを樹脂封止体で被覆して構
成している。そして、発光素子側を入力とし、ここから
放射される光エネルギを出力側である受光素子で受ける
ことにより入出力間を完全に電気的に分離させた状態で
出力側に入力信号を伝達する。フォトカプラは、論理回
路結合、アナログリレー、モータコントロールなどに広
く用いられている。図12は、その基本的な回路構成を
示す回路図である。入力側にある発光素子1は、例え
ば、GaAs、GaAsP、GaAlAsなどの化合物
半導体からなり、出力側にある受光素子2は、例えば、
フォトトランジスタからなる。受光素子としては、この
他にフォトサイリスタやフォトダイオードなどが用いら
れる。図13は、樹脂封止体部分を一部切り欠いたDI
P(Dual Inline Package)構造のフォトカプラを示す斜
視図である。発光素子1は、金属のフレームからなる3
本のリード31、311、312を備え、発光素子1
は、リード31上に固着されている。受光素子は、金属
のフレームからなる3本のリード32、321、322
を備え、受光素子は、リード32上に固着されている。
受光素子は、リード32の裏側に取り付けられているの
で図13には、示されない。
【0004】リード31及び32は、互いに発光素子1
及び受光素子を対向させるように配置されており、両者
の間には光路が形成されている。素子及びリードはモー
ルド樹脂5で被覆されているがリードの先端は、モール
ド樹脂5から露出している。図14は、図13のA−
A′線に沿う断面図である。発光素子のリード31及び
受光素子のリード32には、それぞれ先端に発光素子1
及び受光素子2をマウントボンディングによって取付け
られており、これらを対向させるようにリード31、3
2を配置する。素子がマウントされていないリード31
1、312、321、322と素子との間は適宜ボンデ
ィングワイヤ3で接続されている。対向する発光素子1
及び受光素子2との間の光路は、シリコン樹脂などの透
明樹脂体4からなり、さらに、その外側にはエポキシ樹
脂などの樹脂封止体5が被覆されていて、フォトカプラ
のパッケージを構成している。樹脂封止体5は、トラン
スファモールド(Transfermold) やキャスティング(Cas
ting) などの手段で形成される。発光素子は、その表面
から一様に発光するので、受光素子2に直接入射してフ
ォトカプラとして寄与する光量は、発光素子1から発光
される全光量の数分の1にすぎない。したがって、フォ
トカプラとしての変換効率を向上させるために樹脂封止
体5に入射する光も受光素子2に入射するように反射性
の高い材料を選ぶ必要がある。リードは、モールド樹脂
5が成形されてから切断、メッキ、曲げなどのリード加
工が行われ、その後半導体装置の名称、ロットナンバ
ー、トレードマーク等が樹脂封止体表面に印字される。
印字方法としては、例えば、炭酸ガスレーザから照射さ
れるレーザビームによる印字が最も良く利用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した樹脂封止型半
導体装置は、光半導体装置も含めて外部の光に作用して
誤動作することが多い。そのためにこれらの半導体装置
は従来から外部からの光の影響を防ぐ手段を種々講じて
いる。例えば、半導体装置のパッケージに熱硬化性エポ
キシ樹脂などの樹脂封止体を用い、このエポキシ樹脂に
は、光を吸収するカーボンのような光吸収材が添加され
る。このような樹脂封止体は黒色である。従って、樹脂
封止体表面に炭酸ガスレーザやYAGレーザで印字する
レーザマークを用い、レーザの高エネルギーで樹脂封止
体を焼いて印字しても樹脂封止体は前述のように黒色な
ので印字した文字が見え難いという問題があった。従
来、光半導体装置の1つであるフォトカプラなどの樹脂
封止体には、酸化チタンを添加し、その発光を効率良く
反射させることが知られている。また、このような炭酸
ガスレーザによるレーザマークの文字や模様が見易くな
る。そこで、反射材料として、この酸化チタンが期待で
きるが、酸化チタンは光を反射する材料であり、そのた
め、外部からの光の影響を完全に無くすことは難しい。
【0006】例えば、図5(a)は、フォトカプラの樹
脂封止体11のエポキシ樹脂中に酸化チタン粒子21が
添加されている状態を示している。外部光cが樹脂封止
体11に入射すると、一部は酸化チタン21により反射
され、一部は散乱しながらエポキシ樹脂中を透過する。
その結果、外部光cの一部は、樹脂封止体11が被覆す
る受光素子や発光素子などの半導体素子に到達し、これ
が、半導体装置の誤動作を引起こす。外部からの光の影
響を極力少なくするためには、酸化チタンの含有量を多
くして外部からの光を反射する酸化チタン粒子の量を増
やせばよい。例えば、光半導体装置の1つであるフォト
カプラの外部光によるリーク電流の樹脂封止体に含有さ
れた酸化チタンの含有量依存性を示す特性図を図3に示
す。図3の直線Bは、樹脂封止体にカーボンを添加せず
に酸化チタンを添加したときの酸化チタンの含有量の変
化に伴う前記リーク電流の変化を示している。この直線
Bによると酸化チタンの含有量が増加するにつれて前記
リーク電流が減少して行くことは明らかである。しか
し、酸化チタンが、半導体装置の信頼性を悪くするため
にその含有量には限度がある。
【0007】酸化チタンを前記フォトカプラに用いる樹
脂封止体に添加すると、その光反射性が増して入出力間
の電流変換効率(CTR:Current Transfer Ratio)が
向上するが、酸化チタンの添加量が増加するとこの変換
効率は増加しても、入出力間の絶縁耐圧(BVS)が低
下し、耐湿評価(PCT:Pressure Cooler Test)の結
果も悪くなりフォトカプラとしての信頼性が著しく低下
する。この酸化チタンの樹脂封止体及びこの樹脂封止体
が保護すべき半導体素子の特性に影響を与えることは特
公昭57−6711号公報の記載を引用する図15にも
示されている。この図は、酸化チタンの含有量(重量
(wt)%)を横軸にとり、縦軸にフォトカプラの特性
をパラメータにとって示すものであり、図13のフォト
カプラの樹脂封止体に酸化チタンを含有させたものであ
る。その含有量は0から30重量%を少し越える範囲ま
で示している。BVS(kV)は、シリコン樹脂の光路
と樹脂封止体の界面においてその密着が悪化すると、放
電し耐圧が低下することによって判定される。PCT
は、2気圧、120℃における試験を50時間実施した
後の生存率(%)を示すものである。いずれの場合でも
酸化チタンの含有量が増大するとCTRは向上しても他
の特性が劣化するので、30重量%程度を越えると実用
に不適になる傾向にある。
【0008】しかし、酸化チタンの含有量が少ないと外
部からの光の影響が大きくなる。したがって、従来は、
酸化チタンをフォトカプラの入出力間の変換効率を向上
させるために樹脂封止体の中に約30重量%程度含有さ
せていた。一般に、酸化チタンは高価であるので、その
含有量が多くなると、樹脂の価格が上がるとゆう欠点も
ある。本発明は、この様な事情によってなされたもので
あり、炭酸ガスレーザなどのレーザによるマーキング性
に優れ、明瞭な印字を可能にすると共に、外部光の影響
を少なくする樹脂封止型半導体装置を提供することを目
的にしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体装置の
樹脂封止体に酸化チタンとカーボンの両添加剤を含有さ
せて、樹脂封止体に形成されたレーザマークのマーキン
グ性を向上させることに特徴がある。すなわち、本発明
の樹脂封止型半導体装置は、半導体素子と、前記半導体
素子を被覆する樹脂封止体とを備え、前記樹脂封止体
は、35重量%未満の熱硬化性樹脂と65重量%以上の
充填剤とを主成分とし、この充填剤はシリカ、酸化チタ
ン及びカーボンから構成され、酸化チタンを1〜30重
量%、カーボンを0.002〜0.5重量%含有してい
ることを第1の特徴としている。前記樹脂封止体はその
表面領域にレーザマーク領域を備え、このレーザマーク
領域には前記酸化チタンの粒子が露出分散しており、か
つ、前記カーボンは前記樹脂封止体のレーザマーク領域
以外の部分に分散しているようにしても良い。
【0010】また、1対の発光素子と受光素子から構成
された半導体素子と、前記発光素子と前記受光素子との
間に配置された透光性樹脂からなる光路と、前記光路を
被覆し、酸化チタンとカーボンを含有する樹脂封止体と
を備え、前記樹脂封止体は、35重量%未満の熱硬化性
樹脂と65重量%以上の充填剤とを主成分とし、この充
填剤はシリカ、酸化チタン及びカーボンから構成され、
酸化チタンを1〜30重量%、カーボンを0.002〜
0.5重量%含有していることを第2の特徴としてい
る。さらに、1対の発光素子と受光素子から構成された
半導体素子と、前記発光素子と前記受光素子との間に配
置された透光性樹脂からなる光路と、前記半導体素子と
前記透光性樹脂とを被覆し、酸化チタンを含有する第1
の樹脂封止体と、前記第1の樹脂封止体を被覆し、酸化
チタンとカーボンを含有する第2の樹脂封止体とを備
え、前記第2の樹脂封止体は、35重量%未満の熱硬化
性樹脂と65重量%以上の充填剤とを主成分とし、この
充填剤は、シリカ、酸化チタン及びカーボンから構成さ
れ、酸化チタンを1〜30重量%、カーボンを0.00
2〜0.5重量%含有していることを第3の特徴として
いる。
【0011】
【作用】樹脂封止体への酸化チタン及びカーボンの添加
により外部からの光の光半導体装置への影響を少なくす
ることが可能になり、また、樹脂封止体表面にレーザマ
ークされた文字のマーキング性が向上する。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。まず、図1及至図4を参照して第1の実施例を説
明する。図1は、フォトカプラの斜視図、図2は、図1
に示すA−A′線に沿う断面図である。図3は、酸化チ
タンの外部光によるリーク電流依存性を示す特性図であ
り、横軸に酸化チタン(TiO2 )含有量(重量%)、
縦軸は、外部光によるフォトカプラチップのリーク電流
(nA)を示している。図4は、カーボンの入出力の電
流変換効率(CTR)依存性を示す特性図であり、横軸
にカーボン含有量(重量%)、縦軸は、CTR(カーボ
ンが0の場合を1とする相対目盛)を示している。図2
に示すようにリードフレームから形成したリード31及
び32の先端にダイオードなどの発光素子1及びフォト
トランジスタなどの受光素子2がマウントされて互いに
向い合っている。入力側にある発光素子1は、例えば、
GaAs、GaAsP、GaAlAsなどの化合物半導
体からなり、出力側にある受光素子2は、例えば、シリ
コンプレーナフォトトランジスタからなる。図1は、樹
脂封止体11部分を一部切り欠いたDIP(Dual Inlin
e Package)構造のフォトカプラを示す斜視図である。発
光素子1は、金属のフレームからなる3本のリード3
1、311、312を備え、発光素子1は、リード31
上に固着されている。
【0013】受光素子は、金属のフレームからなる3本
のリード32、321、322を備え、発光素子1は、
リード31上に固着されている。受光素子2は、リード
32の裏側に取り付けられているので図1には示されて
いない。発光素子1及び受光素子2は互いに対向するよ
うに配置されており、両者の間には光路が形成されてい
る。素子及びリードは樹脂封止体11で被覆されている
が各リードの先端は、樹脂封止体11から露出してい
る。ダイオード1には、たとえば、0.3mm×0.3
mmのサイズの発光波長950nmのGaAs赤外発光
ダイオードを用いてこれをリード31にマウントし、他
のリードに対してもワイヤボンディングを行う。また、
シリコンプレーナフォトトランジスタ2もリード32に
マウントするなどの組み立てを行って、両素子を対向さ
せる。次に、透明なシリコーン樹脂などの透光性樹脂4
で光路を形成し、これを樹脂封止体11で封止する。こ
の樹脂封止体11は、たとえば、エポキシ樹脂などの熱
硬化性樹脂を主剤とし、主成分は、35重量%未満の熱
硬化性樹脂と65重量%以上の充填剤とから構成されて
いる。エポキシ樹脂樹脂に代えてシリコーン樹脂を用い
ることもできる。
【0014】樹脂封止体には、主成分以外に硬化促進
剤、離形剤、難燃剤、処理剤などの添加剤が含まれてい
る。充填剤は、シリカ粉末、酸化チタン(TiO2 )及
びカーボンから構成されている。この実施例で使用した
樹脂封止体材料の主成分は、熱硬化性樹脂20重量%、
シリカ粉末49.5〜78.998重量%、酸化チタン
1〜30重量%、カーボン0.002〜0.5重量%か
ら構成されている。この主成分とともにこの実施例の樹
脂封止体11には、例えば、硬化促進材が0.3重量
%、離形剤が0.3重量%、難燃剤が2重量%、処理剤
が0.6重量%それぞれ前記主成分に対して添加されて
いる。樹脂封止体が施されてから、切断、メッキ、曲げ
などのリード加工が行われ、次に、樹脂封止11表面に
半導体装置の名称、ロットナンバー、トレードマーク等
のレーザマーク10が、例えば、炭酸ガスレーザから照
射されるレーザビームにより形成される。樹脂封止体1
1は、例えば、トランスファモールド又はキャスティン
グなどにより形成される。
【0015】この樹脂封止体11は、エポキシ樹脂から
なる熱硬化性樹脂に酸化チタンとカーボンとが添加され
ている。たとえば、酸化チタンの添加量がおよそ1重量
%以上であると、発光素子(発光波長950nmの発光
ダイオード)から発光した光は、図2の矢印aのように
直接受光素子に入射する光以外に、矢印bのように透光
性樹脂4を囲む樹脂封止体11の内壁面で反射して受光
素子に入射する反射光もあり、発光素子から出た光が受
光素子に入射する割合を表す光伝達特性が酸化チタンが
含有されていない場合より改善される。矢印cに示す外
部からの光は、カーボンにより吸収されるために外部光
cによる誤動作は、カーボンが添加されない場合より改
善される。そして、レーザマーク10に入射する外部光
cは、その表面に露出している酸化チタン粒子で反射し
てレーザマーク10の文字などが十分見易くなる。本発
明では、樹脂封止体に酸化チタンに加えてカーボンをさ
らに含有させることによって酸化チタンのレーザマーキ
ング性を向上させるので、酸化チタンの含有量が少なく
てもそのレーザマーキング性を十分維持させることがで
きる。図3の折れ線Aは、カーボンを0.02重量%含
有した樹脂封止体に酸化チタンを添加したときの酸化チ
タンの含有量の変化に伴うリーク電流の変化を示してい
る。
【0016】この折れ線Aによると酸化チタンの含有量
が増加するにつれて前記リーク電流が極端に減少し、酸
化チタンが10%以上になるとほぼ1nA以下になるこ
とが分かる。図3の特性図は、フォトカプラを測定した
ものであり、エポキシ樹脂でトランスファモールドした
図1及び図2の構造のフォトカプラに照度1000ルク
スのタングステンランプの光を照射してチップのリーク
電流を調べたものである。フォトカプラの樹脂封止体に
カーボンを含有させるとフォトカプラ特性が劣化する懸
念があるが、多少の特性は悪くなっても格別なものでは
なく、フォトカプラとしての特性は十分実用性を維持し
ている。図4のカーボンのCTR依存性を見てもカーボ
ンの含有によるCTRの低下は、それほど大きくはな
い。図に示す曲線は、酸化チタンを5重量%含有させた
例を示している。もともと樹脂封止体にカーボンを添加
しない場合において、酸化チタンを1.0重量%含有さ
せると、そのCTRは、酸化チタンが無添加の場合に比
較して、2乃至3倍に急騰する。そしてさらに増量させ
るとCTRは緩やかに上昇して行く。したがって、カー
ボンによってCTRが低下しても酸化チタンを含有して
いない場合よりCTRは大きくなる。
【0017】次に、図5を参照して半導体装置に対する
外部からの光の影響を説明する。図5(a)は、樹脂封
止体11のエポキシ樹脂中に酸化チタン粒子21が添加
されている状態を示している。外部光cは、樹脂封止体
11に入射すると、この入射光は、一部は酸化チタン粒
子21により反射され、一部は散乱しながらエポキシ樹
脂中を透過する。その結果、外部光cの一部は、樹脂封
止体11が被覆する半導体素子に到達し、これが、半導
体装置の誤動作を引起こす。図5(b)は、樹脂封止体
11のエポキシ樹脂中に酸化チタンが添加されず、カー
ボンが添加されている状態を示している。外部光cは、
樹脂封止体11に入射すると、殆どカーボン粒子22に
より吸収され、光が透過する割合は少なく、外部光によ
る半導体装置の誤動作が引起こされ難くなる。図5
(c)は、樹脂封止体11のエポキシ樹脂中に酸化チタ
ン及びカーボンが含有されている状態を示している。外
部光cは樹脂封止体11に入射すると、この入射光は、
一部は酸化チタン粒子21により反射され、一部は散乱
しながらエポキシ樹脂中を透過するが、この透過光は、
カーボン粒子22により吸収される。したがって、図5
(b)に示すカーボンのみをエポキシ樹脂に添加した場
合と同様に、外部光による半導体装置の誤動作を低減す
ることができる。それと共に外部光を十分反射すること
もできるので、レーザマーキング性が著しく向上する。
【0018】次に、図6を参照して本発明のレーザマー
ク性をさらに説明する。図は、酸化チタン及びカーボン
の添加物を含有した樹脂封止体の表面の状態を示した樹
脂封止型半導体装置の断面図であり、これを用いて本発
明の半導体装置のマーク文字が鮮明になることを説明す
る。樹脂封止体11には、主剤であるエポキシ樹脂のほ
かに各種添加剤と、本発明の特徴である酸化チタンとカ
ーボンが含有されている。この樹脂封止体の表面に炭酸
ガスレーザなどのレーザ光dを所望の文字パターンにし
たがって照射する。レーザ光に照射された部分は、レー
ザ光のエネルギーにより有機物であるエポキシ樹脂及び
カーボンが燃焼して炭酸ガス化し消失する。そこには酸
化チタン及び充填剤としてのシリカが残る。酸化チタン
は光を反射するためにレーザ照射部分は鮮明に見える。
レーザ照射部分のレーザマーク領域の表面には、カーボ
ンが消失し、酸化チタン粒子が表面領域に分散して存在
しているので、印字されたマークは見易くなっている。
樹脂封止体中のカーボン含有量が0.002〜0.5重
量%、同じく酸化チタン含有量が1重量%以上で大きな
効果があり、酸化チタンの含有量が30重量%を越える
とフォトカプラなどの場合において入出力間の絶縁耐圧
が低下したり、半導体装置の信頼性に重要な耐湿性評価
PCTが低下して実用上問題が生じる。
【0019】次に、図7を参照して第2の実施例を説明
する。図は、リードフレームに形成された半導体素子搭
載部33上にロジック、メモリなど集積回路からなる半
導体素子7がダイボンディングされ、例えば、金(A
u)細線3により半導体素子7とリードフレームのリー
ド34、35とがワイヤボンディングされている。半導
体素子7は、リードフレームの半導体素子搭載部33や
ボンディングワイヤ3と共に、例えば、トランスファモ
ールド成形などにより樹脂封止11される。リード3
4、35の先端の外部回路と接続される部分は、成形さ
れた樹脂封止体11から露出している。この樹脂封止体
11は、第1の実施例と同じ材料の熱硬化性樹脂であ
る。その後、切断、メッキ、曲げなどのリード加工が行
われ、次に、半導体装置の名称、ロットナンバー、トレ
ードマーク等が樹脂封止体表面に、例えば、炭酸ガスレ
ーザから照射されるレーザビームによりレーザマーク1
0が印字されて半導体装置が完成する。外部光による半
導体素子のリーク電流が減少し、同時にレーザマーク性
が向上する。
【0020】前記集積回路からなる半導体素子は、その
内部、特に、その表面近傍に多数のPN接合が形成され
ている。一般に、半導体のPN接合に光が入射すると光
起電流が発生し、また、リーク電流が発生するなどして
それが電流発生源となる。例えば、増幅率の高い増幅回
路を集積した半導体素子では、増幅回路の入力段を構成
する部分のPN接合に外部から侵入した光が入射する
と、これにより発生した光起電流を増幅回路が増幅し、
出力にあたかも電気的入力を行った時と同様の出力信号
が現れることがある。つまり、入力信号を与えていない
のに外部からの光で誤った出力信号が現れるという誤動
作を起こす。この実施例では、この様な誤動作を防止す
ることができる。
【0021】次に、図8を参照して第3の実施例を説明
する。図は、フォトカプラの断面図であり、第1の実施
例と同じく1対のリード31、32の先端が対向してい
る。この先端には、発光素子1及び受光素子2が各先端
にダイボンディングされて互いに向い合っている。素子
が搭載されていなリードとこれら素子間は、ワイヤボン
ディングされている。発光素子1及び受光素子2は、リ
ード部分とともに透光性エポキシ樹脂41を用いて樹脂
封止され、光路が形成される。その後、エポキシ樹脂な
どの封止樹脂で樹脂封止を行って透光性エポキシ樹脂4
1の表面を樹脂封止体11で被覆する。この樹脂封止体
11は、酸化チタンとカーボンとが第1の実施例と同様
に添加されている。カーボンが添加されているので外部
光の影響を受けにくく、また、酸化チタンを添加してい
るので、レーザマーク性に優れ、樹脂封止体からの光反
射により光伝達性が改善される。レーザマーク領域10
の表面には、カーボン消失して、酸化チタンが表面領域
に分散して存在しているので、印字されたマーク10
は、見易くなっている。
【0022】次に、図9を参照して第4の実施例を説明
する。第1の実施例と同じフォトカプラ素子を用いた半
導体装置である。リード31及び32の先端にダイオー
ドなどの発光素子1及びフォトトランジスタなどの受光
素子2がマウントされて互いに向い合っている。発光素
子1は、リード31上に固着されている。受光素子2
は、リード32に取り付けられている。発光素子1及び
受光素子2は互いに対向するように配置されており、両
者の間には光路が形成されている。素子及びリードは、
樹脂封止体11で被覆されているが各リードの先端は、
樹脂封止体11から露出している。光路は、透明なシリ
コーン樹脂などの透光性樹脂4からなる。これを内部樹
脂封止体12で封止する。この樹脂封止体12は、例え
ば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を主剤とし、充填
剤には、酸化チタンが添加されるがカーボンは含有され
ていない。したがって、反射性が高く、フォトカプラの
CTRが向上する。この内部樹脂封止体12を被覆する
ように第2の樹脂封止体11が形成されている。この樹
脂封止体11にはレーザマーク10が表面に施されてお
り、また、本発明の特徴である酸化チタンとカーボンが
添加含有されている。したがって、この実施例の半導体
装置は、レーザマーク性が十分確保しながらフォトカプ
ラとしてのCTRを十分向上させることができる。
【0023】次に、図10及び図11を参照して第5の
実施例を説明する。この実施例では本発明における樹脂
封止体へのカーボン添加の影響を説明する。図11は、
カーボンの含有量により外部光の影響をどの程度低減で
きるかを示す特性図であり、横軸はカーボン添加量(重
量%)、縦軸は樹脂封止体に被覆されているフォトトラ
ンジスタチップのリーク電流(nA)を示している。こ
の特性図は、図10に示すフォトトランジスタを測定す
ることによって得られたものである。リードフレームの
半導体素子搭載部33に搭載されたフォトトランジスタ
2は、エポキシ樹脂による樹脂封止体11に被覆されて
いる。エポキシ樹脂は、トランスファモールド法により
成形されており、酸化チタンが5重量%含有され、カー
ボンが0〜0.2重量%の範囲で含有されている。トラ
ンジスタ素子2とリード36とはボンディングワイヤ3
で接続されている。このフォトトランジスタに図のよう
に照度1000ルクスのタングステンランプの光を照射
し、これに基づいてフォトトランジスタ素子のリーク電
流を調べた。このフォトトランジスタ上部の樹脂厚は、
約1mmである。この結果、樹脂封止体にカーボンがな
い場合に比較して、カーボン添加量が0.002重量%
以上で約1/10以下に外部光の影響を減少させること
ができる。さらに、その添加量が0.05重量%以上に
なるとその影響は1/100000以下にする事ができ
る。
【0024】
【発明の効果】以上のような構成により、外部光による
半導体素子への影響が減少し、樹脂封止体にレーザマー
キングされた文字が見易くなる。また、フォトカプラな
どの光半導体装置の場合、レーザマーキング性が向上す
ると共に光伝達性が良くなり、かつ、外部光からの影響
が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の樹脂封止型半導体装置
の斜視図。
【図2】図1のA−A′線に沿う断面を示す樹脂封止型
半導体装置の断面図。
【図3】本発明の半導体装置のリーク電流の酸化チタン
依存性を示す特性図。
【図4】本発明の半導体装置のCTRのカーボン依存性
を示す特性図。
【図5】本発明の効果を説明する半導体装置の樹脂封止
体の部分断面図。
【図6】本発明の効果を説明する半導体装置の樹脂封止
体の部分断面図。
【図7】第2の実施例の樹脂封止型半導体装置の断面
図。
【図8】第3の実施例の樹脂封止型半導体装置の断面
図。
【図9】第4の実施例の樹脂封止型半導体装置の断面
図。
【図10】第5の実施例の樹脂封止型半導体装置の断面
図。
【図11】本発明の外部光によるリーク電流の酸化チタ
ン依存性を示す特性図。
【図12】フォトカプラの回路図。
【図13】従来の樹脂封止型半導体装置の斜視図。
【図14】従来の樹脂封止型半導体装置の断面図。
【図15】従来の半導体装置の樹脂封止体の特性の酸化
チタン依存性を示す特性図。
【符号の説明】
1 発光素子 2 受光素子 3 ボンディングワイヤ 4、41 透光性樹脂 5、11、12 樹脂封止体 7 半導体素子 10 レーザマーク 21 酸化チタン粒子 22 カーボン粒子 30 タングステンランプ 31、32、34、35、36 リード 33 半導体素子搭載部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/31 8617−4M H01L 23/30 F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子と、 前記半導体素子を被覆する樹脂封止体とを備え、 前記樹脂封止体は、35重量%未満の熱硬化性樹脂と6
    5重量%以上の充填剤とを主成分とし、この充填剤はシ
    リカ、酸化チタン及びカーボンから構成され、酸化チタ
    ンを1〜30重量%、カーボンを0.002〜0.5重
    量%含有していることを特徴とする樹脂封止型半導体装
    置。
  2. 【請求項2】 前記樹脂封止体はその表面領域にレーザ
    マーク領域を備え、このレーザマーク領域には前記酸化
    チタンの粒子が露出分散しており、かつ、前記カーボン
    は前記樹脂封止体のレーザマーク領域以外の部分に分散
    していることを特徴とする請求項1に記載の樹脂封止型
    半導体装置。
  3. 【請求項3】 1対の発光素子と受光素子から構成され
    た半導体素子と、 前記発光素子と前記受光素子との間に配置された透光性
    樹脂からなる光路と、 前記光路を被覆し、酸化チタンとカーボンを含有する樹
    脂封止体とを備え、 前記樹脂封止体は、35重量%未満の熱硬化性樹脂と6
    5重量%以上の充填剤とを主成分とし、この充填剤はシ
    リカ、酸化チタン及びカーボンから構成され、酸化チタ
    ンを1〜30重量%、カーボンを0.002〜0.5重
    量%含有していることを特徴とする樹脂封止型半導体装
    置。
  4. 【請求項4】 1対の発光素子と受光素子から構成され
    た半導体素子と、 前記発光素子と前記受光素子との間に配置された透光性
    樹脂からなる光路と、 前記半導体素子と前記透光性樹脂とを被覆し、酸化チタ
    ンを含有する第1の樹脂封止体と、 前記第1の樹脂封止体を被覆し、酸化チタンとカーボン
    を含有する第2の樹脂封止体とを備え、 前記第2の樹脂封止体は、35重量%未満の熱硬化性樹
    脂と65重量%以上の充填剤とを主成分とし、この充填
    剤はシリカ、酸化チタン及びカーボンから構成され、酸
    化チタンを1〜30重量%、カーボンを0.002〜
    0.5重量%含有していることを特徴とする樹脂封止型
    半導体装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008208179A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Matsushita Electric Works Ltd 光半導体封止用樹脂組成物及び光半導体装置
JP2008235913A (ja) * 2008-03-31 2008-10-02 Renesas Technology Corp 半導体装置の製造方法
JP2014041865A (ja) * 2012-08-21 2014-03-06 Toshiba Corp 半導体装置
US8729512B2 (en) 2011-03-04 2014-05-20 Renesas Electronics Corporation Optical coupling element and method for manufacturing the same

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