JPH07142450A - 反応性イオンエッチング装置及び方法 - Google Patents
反応性イオンエッチング装置及び方法Info
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- JPH07142450A JPH07142450A JP5306010A JP30601093A JPH07142450A JP H07142450 A JPH07142450 A JP H07142450A JP 5306010 A JP5306010 A JP 5306010A JP 30601093 A JP30601093 A JP 30601093A JP H07142450 A JPH07142450 A JP H07142450A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 基板ホルダーとは別個のプラズマ発生装置を
用いた反応性イオンエッチング装置において、プラズマ
発生装置と基板との距離を短くし、プラズマ発生室に接
続している処理室部分を加熱し、反応性ガスを処理室側
から導入することにより、Siに対してSiO2膜を高
選択比で高速にかつ異方性良好にエッチングする。 【構成】 石英製のプラズマ発生室10の周囲に設けた
ループ状プアンテナ14でプラズマ28を発生させる。
処理室12の上面にヒ−タ18を取り付け、100℃以
上に加熱する。バイアス用高周波電源24によりウェー
ハ26に負のバイアスを印加する。ウェーハ26の直径
150mmに対して、距離L1、L2、L3をいずれも
150mm以下に設定してある。C4F8ガスを処理室1
2内に導入すると、プラズマ28で反応生成物が生成さ
れ、Siウェーハ上のSiO2膜は高選択比で高速にか
つ異方性良好にエッチングされる。
用いた反応性イオンエッチング装置において、プラズマ
発生装置と基板との距離を短くし、プラズマ発生室に接
続している処理室部分を加熱し、反応性ガスを処理室側
から導入することにより、Siに対してSiO2膜を高
選択比で高速にかつ異方性良好にエッチングする。 【構成】 石英製のプラズマ発生室10の周囲に設けた
ループ状プアンテナ14でプラズマ28を発生させる。
処理室12の上面にヒ−タ18を取り付け、100℃以
上に加熱する。バイアス用高周波電源24によりウェー
ハ26に負のバイアスを印加する。ウェーハ26の直径
150mmに対して、距離L1、L2、L3をいずれも
150mm以下に設定してある。C4F8ガスを処理室1
2内に導入すると、プラズマ28で反応生成物が生成さ
れ、Siウェーハ上のSiO2膜は高選択比で高速にか
つ異方性良好にエッチングされる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体デバイスのエッ
チングなどに用いる反応性イオンエッチング装置に関す
る。
チングなどに用いる反応性イオンエッチング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体デバイスのためのエッチン
グ工程では、平行平板電極を用いた反応性イオンエッチ
ング装置が一般に用いられていた。この装置では、1対
の平行平板電極の一方が基板ホルダーを兼用しており、
基板ホルダーの近傍でプラズマが発生する。これに対し
て、エッチングの微細加工やダメ−ジの少ないエッチン
グ処理の要求から、近年、電子サイクロトロン共鳴(E
CR)やヘリコン波を利用した反応性イオンエッチング
装置が多く用いられるようになってきた。これらの装置
では、被処理基板を載置した基板ホルダーとは離れたプ
ラズマ発生室において、低圧力でも非常に密度の高いプ
ラズマを発生させ、このプラズマを被処理基板の近傍に
拡散させてエッチング処理を行っている。
グ工程では、平行平板電極を用いた反応性イオンエッチ
ング装置が一般に用いられていた。この装置では、1対
の平行平板電極の一方が基板ホルダーを兼用しており、
基板ホルダーの近傍でプラズマが発生する。これに対し
て、エッチングの微細加工やダメ−ジの少ないエッチン
グ処理の要求から、近年、電子サイクロトロン共鳴(E
CR)やヘリコン波を利用した反応性イオンエッチング
装置が多く用いられるようになってきた。これらの装置
では、被処理基板を載置した基板ホルダーとは離れたプ
ラズマ発生室において、低圧力でも非常に密度の高いプ
ラズマを発生させ、このプラズマを被処理基板の近傍に
拡散させてエッチング処理を行っている。
【0003】ヘリコン波プラズマの発生には例えば特公
平2−21296号や特開平3−68773号に示す構
造のプラズマ発生室が用いられている。
平2−21296号や特開平3−68773号に示す構
造のプラズマ発生室が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
ECRやヘリコン波を用いて低圧で高密度のプラズマを
発生させるタイプの反応性イオンエッチング装置では、
フルオロカ−ボン系の反応性ガスを用いてSi基板上の
SiO2膜をエッチングする場合、Siに対するSiO2
の選択比を大きくすることは難しかった。その理由は、
高密度プラズマにおいて反応性ガスの解離が進み、多量
のFラジカルが発生して、下地のSiまで高速にエッチ
ングしてしまうからである。
ECRやヘリコン波を用いて低圧で高密度のプラズマを
発生させるタイプの反応性イオンエッチング装置では、
フルオロカ−ボン系の反応性ガスを用いてSi基板上の
SiO2膜をエッチングする場合、Siに対するSiO2
の選択比を大きくすることは難しかった。その理由は、
高密度プラズマにおいて反応性ガスの解離が進み、多量
のFラジカルが発生して、下地のSiまで高速にエッチ
ングしてしまうからである。
【0005】本発明の目的は、基板ホルダーとは別個の
プラズマ発生装置を用いた反応性イオンエッチング装置
において、高速かつ高選択比のエッチング処理を可能に
することにある。
プラズマ発生装置を用いた反応性イオンエッチング装置
において、高速かつ高選択比のエッチング処理を可能に
することにある。
【0006】本発明の別の目的は、基板ホルダーとは別
個のプラズマ発生装置を用いた反応性イオンエッチング
装置において、Siに対するSiO2膜の高選択比エッ
チングを高速で、しかも、異方性良好に実現することに
ある。
個のプラズマ発生装置を用いた反応性イオンエッチング
装置において、Siに対するSiO2膜の高選択比エッ
チングを高速で、しかも、異方性良好に実現することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板ホルダー
とは独立した(すなわち別個の)プラズマ発生装置を用
いた反応性イオンエッチング装置において、プラズマ発
生装置と基板との距離を短くすることによって基板処理
の高速化を図っている。プラズマ発生装置と基板との距
離を短くする手段の一つとして、高密度プラズマ領域か
ら基板ホルダーまでの距離を基板ホルダーの直径よりも
小さくしてある。ここで、高密度プラズマ領域とは、プ
ラズマ密度の濃い部分であり、これは、ラングミュアー
プローブによってプラズマ密度を測定することで確認で
きる。なお、プラズマ密度の薄い部分は基板ホルダーの
近くまで広がっているが、本発明では、高密度プラズマ
領域(すなわち反応性ガスの分解が活発な領域)と基板
ホルダーとの距離を上述のように規定したものである。
高密度プラズマ領域と基板ホルダーとの距離は、高密度
プラズマ領域の、基板ホルダーに一番近い部分から、基
板ホルダーまでの距離を測定することによって得られ
る。
とは独立した(すなわち別個の)プラズマ発生装置を用
いた反応性イオンエッチング装置において、プラズマ発
生装置と基板との距離を短くすることによって基板処理
の高速化を図っている。プラズマ発生装置と基板との距
離を短くする手段の一つとして、高密度プラズマ領域か
ら基板ホルダーまでの距離を基板ホルダーの直径よりも
小さくしてある。ここで、高密度プラズマ領域とは、プ
ラズマ密度の濃い部分であり、これは、ラングミュアー
プローブによってプラズマ密度を測定することで確認で
きる。なお、プラズマ密度の薄い部分は基板ホルダーの
近くまで広がっているが、本発明では、高密度プラズマ
領域(すなわち反応性ガスの分解が活発な領域)と基板
ホルダーとの距離を上述のように規定したものである。
高密度プラズマ領域と基板ホルダーとの距離は、高密度
プラズマ領域の、基板ホルダーに一番近い部分から、基
板ホルダーまでの距離を測定することによって得られ
る。
【0008】なお、本発明における基板ホルダーの直径
の定義は次の通りである。基板ホルダーの基板載置面上
に引くことのできる直線の内で一番長いものを基板ホル
ダーの直径とする。この定義によれば、円形の基板ホル
ダーに対しては通常の直径の意味と等しい。また、例え
ば長方形の基板ホルダーに対しては、対角線の長さが基
板ホルダーの直径となる。
の定義は次の通りである。基板ホルダーの基板載置面上
に引くことのできる直線の内で一番長いものを基板ホル
ダーの直径とする。この定義によれば、円形の基板ホル
ダーに対しては通常の直径の意味と等しい。また、例え
ば長方形の基板ホルダーに対しては、対角線の長さが基
板ホルダーの直径となる。
【0009】基板ホルダーとは別個のプラズマ発生装置
としては、誘電体材料製のプラズマ発生室の周囲に高周
波電極を配置した、いわゆる無電極放電タイプのもの
や、プラズマ発生室の内部に放電電極を設置したものな
ど、各種のプラズマ発生装置を用いることができる。本
発明は、プラズマ発生室と処理室とが一体となっている
ような反応性イオンエッチング装置にも適用可能であ
る。
としては、誘電体材料製のプラズマ発生室の周囲に高周
波電極を配置した、いわゆる無電極放電タイプのもの
や、プラズマ発生室の内部に放電電極を設置したものな
ど、各種のプラズマ発生装置を用いることができる。本
発明は、プラズマ発生室と処理室とが一体となっている
ような反応性イオンエッチング装置にも適用可能であ
る。
【0010】プラズマ発生装置を、誘電体材料製のプラ
ズマ発生室と、その周囲の高周波電極とで構成した場合
には、プラズマ発生室に隣接する処理室の内部に基板ホ
ルダーを設置して、前記高周波電極から基板ホルダーま
での距離を基板ホルダーの直径よりも小さくすることが
できる。この場合も、高周波電極と基板ホルダーとの距
離は、高周波電極の、基板ホルダーに一番近い部分か
ら、基板ホルダーまでの距離を測定することによって得
られる。高周波電極の形状としては、コイル状、ループ
状、1対の略半円筒状などがある。
ズマ発生室と、その周囲の高周波電極とで構成した場合
には、プラズマ発生室に隣接する処理室の内部に基板ホ
ルダーを設置して、前記高周波電極から基板ホルダーま
での距離を基板ホルダーの直径よりも小さくすることが
できる。この場合も、高周波電極と基板ホルダーとの距
離は、高周波電極の、基板ホルダーに一番近い部分か
ら、基板ホルダーまでの距離を測定することによって得
られる。高周波電極の形状としては、コイル状、ループ
状、1対の略半円筒状などがある。
【0011】また、高周波電極から基板ホルダーまでの
距離の代わりに、プラズマ発生室から基板ホルダーまで
の距離を、基板ホルダーの直径よりも小さくすることが
できる。この場合も、プラズマ発生室と基板ホルダーと
の距離は、プラズマ発生室の、基板ホルダーに一番近い
部分から、基板ホルダーまでの距離を測定することによ
って得られる。
距離の代わりに、プラズマ発生室から基板ホルダーまで
の距離を、基板ホルダーの直径よりも小さくすることが
できる。この場合も、プラズマ発生室と基板ホルダーと
の距離は、プラズマ発生室の、基板ホルダーに一番近い
部分から、基板ホルダーまでの距離を測定することによ
って得られる。
【0012】以上の発明において、基板ホルダーに実際
に基板を置いて反応性イオンエッチングを実施する場合
には、プラズマ発生装置から基板までの距離を、基板の
直径よりも小さくするのが好ましい。数値例を示すと、
基板の直径が150mmまたは200mmの場合に、プ
ラズマ発生室から基板までの距離をそれぞれ100mm
及び150mmとすることができる。
に基板を置いて反応性イオンエッチングを実施する場合
には、プラズマ発生装置から基板までの距離を、基板の
直径よりも小さくするのが好ましい。数値例を示すと、
基板の直径が150mmまたは200mmの場合に、プ
ラズマ発生室から基板までの距離をそれぞれ100mm
及び150mmとすることができる。
【0013】誘電体材料製のプラズマ発生室を用いる場
合、処理室の、プラズマ発生室に接続している部分に、
加熱装置を設けて、この部分の壁面を加熱することが好
ましい。加熱温度は100℃以上とするのが好ましい。
エッチング処理中の基板温度は室温よりも高くなり、そ
の温度上昇は一般的に100℃程度までなので、処理室
壁面の温度を100℃以上にすれば、壁面温度を基板温
度よりも高く維持できる。
合、処理室の、プラズマ発生室に接続している部分に、
加熱装置を設けて、この部分の壁面を加熱することが好
ましい。加熱温度は100℃以上とするのが好ましい。
エッチング処理中の基板温度は室温よりも高くなり、そ
の温度上昇は一般的に100℃程度までなので、処理室
壁面の温度を100℃以上にすれば、壁面温度を基板温
度よりも高く維持できる。
【0014】プラズマ発生室と処理室が接続されている
場合、反応性ガスの導入機構は処理室に接続するのが好
ましい。
場合、反応性ガスの導入機構は処理室に接続するのが好
ましい。
【0015】誘電体材料製のプラズマ発生室を用いる場
合、プラズマ発生室の周囲に磁場発生装置を設置するの
が好ましい。また、処理室の内部にはカスプ磁場を形成
するのが好ましい。さらに、プラズマ発生室の内径は基
板ホルダーの直径よりも大きくするのが好ましく、ま
た、プラズマ発生室の内径は処理室の内径よりも小さい
のが好ましい。
合、プラズマ発生室の周囲に磁場発生装置を設置するの
が好ましい。また、処理室の内部にはカスプ磁場を形成
するのが好ましい。さらに、プラズマ発生室の内径は基
板ホルダーの直径よりも大きくするのが好ましく、ま
た、プラズマ発生室の内径は処理室の内径よりも小さい
のが好ましい。
【0016】本発明は特にフルオロカーボン系の反応性
ガスを用いてSiO2系の被エッチング材料をエッチン
グする場合に効果的である。反応性ガスの例としては、
CHF3、C2F6、C3F8、C4F8、C5F10、CH2F2
を挙げることができる。これらの混合ガスや、これらの
ガスに酸素、窒素、水素ガスを混合したものでもよい。
また、被エッチング材料としては、SiO2、PSG、
BPSG、CVD−SiO2を挙げることができる。さ
らに、被エッチング材料としてシリコンの窒化膜でもよ
い。
ガスを用いてSiO2系の被エッチング材料をエッチン
グする場合に効果的である。反応性ガスの例としては、
CHF3、C2F6、C3F8、C4F8、C5F10、CH2F2
を挙げることができる。これらの混合ガスや、これらの
ガスに酸素、窒素、水素ガスを混合したものでもよい。
また、被エッチング材料としては、SiO2、PSG、
BPSG、CVD−SiO2を挙げることができる。さ
らに、被エッチング材料としてシリコンの窒化膜でもよ
い。
【0017】
【作用】基板ホルダーとは独立したプラズマ発生装置を
用いる場合に、プラズマ発生装置と基板との距離を短く
することによって、プラズマ発生装置で生成された反応
生成物の大部分が、処理室壁面に到達する前に基板に到
達するようになる。これにより、エッチング速度が向上
する。また、プラズマ発生室に接続している処理室壁面
を好ましくは100℃以上に(すなわち処理中の基板の
温度よりも高く)加熱することにより、この部分の壁面
に反応生成物が到達した場合でも、処理室壁面に付着す
る反応生成物の量を少なくすることができ、その分、基
板に到達する反応生成物の量を相対的に増やすことがで
きる。その結果、エッチング速度がより向上する。
用いる場合に、プラズマ発生装置と基板との距離を短く
することによって、プラズマ発生装置で生成された反応
生成物の大部分が、処理室壁面に到達する前に基板に到
達するようになる。これにより、エッチング速度が向上
する。また、プラズマ発生室に接続している処理室壁面
を好ましくは100℃以上に(すなわち処理中の基板の
温度よりも高く)加熱することにより、この部分の壁面
に反応生成物が到達した場合でも、処理室壁面に付着す
る反応生成物の量を少なくすることができ、その分、基
板に到達する反応生成物の量を相対的に増やすことがで
きる。その結果、エッチング速度がより向上する。
【0018】なお、エッチング中に処理室の壁面を加熱
すること自体は、Jpn. J. Phys. Vol.31 (1992) pp.149
1-1498から公知である。本発明では、プラズマ発生装置
と基板との距離を短くした場合において、プラズマ発生
室に接続している処理室壁面部分を加熱することに意味
がある。
すること自体は、Jpn. J. Phys. Vol.31 (1992) pp.149
1-1498から公知である。本発明では、プラズマ発生装置
と基板との距離を短くした場合において、プラズマ発生
室に接続している処理室壁面部分を加熱することに意味
がある。
【0019】プラズマ発生室の周囲に高周波電極と磁場
発生装置とを設けると、高周波電場と磁場の作用により
極めて高密度のプラズマが低圧力で発生し、かつ、基板
とプラズマ処理室までの距離が短いため、基板は濃いプ
ラズマにさらされて、イオン衝撃を受けやすい。このイ
オンを利用することにより、選択比の向上や異方性の向
上などが期待できる。
発生装置とを設けると、高周波電場と磁場の作用により
極めて高密度のプラズマが低圧力で発生し、かつ、基板
とプラズマ処理室までの距離が短いため、基板は濃いプ
ラズマにさらされて、イオン衝撃を受けやすい。このイ
オンを利用することにより、選択比の向上や異方性の向
上などが期待できる。
【0020】反応性のガスを、プラズマ発生室ではなく
て処理室の側から導入すると、反応性ガスが過度に分解
されることがなくなり、比較的分子量の大きな反応生成
物が生成されやすい。なお、処理室の側から反応性ガス
を導入すること自体は、特開平3−68773号から公
知である。本発明では、プラズマ発生装置と基板との距
離を短くし、かつ、プラズマ発生室に隣接する処理室壁
面部分を加熱する場合において、処理室の側から反応性
ガスを導入することに意味がある。
て処理室の側から導入すると、反応性ガスが過度に分解
されることがなくなり、比較的分子量の大きな反応生成
物が生成されやすい。なお、処理室の側から反応性ガス
を導入すること自体は、特開平3−68773号から公
知である。本発明では、プラズマ発生装置と基板との距
離を短くし、かつ、プラズマ発生室に隣接する処理室壁
面部分を加熱する場合において、処理室の側から反応性
ガスを導入することに意味がある。
【0021】次に、反応性ガスとしてC4F8を用い、S
i上のSiO2をエッチングする場合を例にとって、本
発明の作用を説明する。処理室に導入された反応性ガス
は、プラズマ発生室において、F、CF、CF2、C2F
4、C3F4、C3F5などに分解される。これらが反応生
成物である。このうち、過度に分解されたもの(すなわ
ち高分解ガス)としてFがある。また、プラズマにおい
ては、CF2 +、CF3 +などのイオンも生成される。反応
性ガスを、プラズマ発生室に直接導入しないで、処理室
側から導入することにより、高分解ガスすなわちFが多
量に発生するのを防ぐことができる。上述の反応生成物
は、プラズマ発生室から基板に向かって拡散していき、
一部は基板に到達し、一部は処理室壁面に到達する。処
理室壁面が冷えていると、これら反応生成物が壁面に付
着して重合膜を形成しやすい。しかし、本発明では処理
室壁面を加熱しているので、反応生成物の壁面への付着
量は少ない。
i上のSiO2をエッチングする場合を例にとって、本
発明の作用を説明する。処理室に導入された反応性ガス
は、プラズマ発生室において、F、CF、CF2、C2F
4、C3F4、C3F5などに分解される。これらが反応生
成物である。このうち、過度に分解されたもの(すなわ
ち高分解ガス)としてFがある。また、プラズマにおい
ては、CF2 +、CF3 +などのイオンも生成される。反応
性ガスを、プラズマ発生室に直接導入しないで、処理室
側から導入することにより、高分解ガスすなわちFが多
量に発生するのを防ぐことができる。上述の反応生成物
は、プラズマ発生室から基板に向かって拡散していき、
一部は基板に到達し、一部は処理室壁面に到達する。処
理室壁面が冷えていると、これら反応生成物が壁面に付
着して重合膜を形成しやすい。しかし、本発明では処理
室壁面を加熱しているので、反応生成物の壁面への付着
量は少ない。
【0022】なお、プラズマ発生室はプラズマの放射熱
で加熱されているので、プラズマ発生室には特に加熱装
置を設けなくても、反応生成物はプラズマ発生室には付
着しにくい。もちろん、必要に応じてプラズマ発生室に
加熱装置を設けても構わない。
で加熱されているので、プラズマ発生室には特に加熱装
置を設けなくても、反応生成物はプラズマ発生室には付
着しにくい。もちろん、必要に応じてプラズマ発生室に
加熱装置を設けても構わない。
【0023】酸素を含むSiO2膜上に、Cを含んだ上
述の反応生成物が到達すると、この反応生成物はCOの
形で除去される。したがって、SiO2膜上に反応生成
物は堆積しにくい。このような状況において、基板が負
にバイアスされていると、イオンが基板に衝突し、Si
O2膜は、上述のCF2 +やCF3 +のイオンによって高速
にかつ異方性形状にエッチングされる。一方、酸素を含
まない下地のSi上には反応生成物が堆積するので、イ
オンによるエッチングはほとんど生じない。その結果、
Siに対してSiO2が選択的にエッチングされる。本
発明では、反応性ガスが過度に分解されないので、比較
的分子量の大きい反応生成物が基板に到達しやすくな
り、下地のSi上への反応生成物の堆積が進行する。こ
れにより、高選択比が実現できる。もし、反応性ガスが
過度に分解されて多量のFラジカルが発生すると、下地
のSiまでエッチングされてしまうが、本発明ではこの
ような現象は生じない。
述の反応生成物が到達すると、この反応生成物はCOの
形で除去される。したがって、SiO2膜上に反応生成
物は堆積しにくい。このような状況において、基板が負
にバイアスされていると、イオンが基板に衝突し、Si
O2膜は、上述のCF2 +やCF3 +のイオンによって高速
にかつ異方性形状にエッチングされる。一方、酸素を含
まない下地のSi上には反応生成物が堆積するので、イ
オンによるエッチングはほとんど生じない。その結果、
Siに対してSiO2が選択的にエッチングされる。本
発明では、反応性ガスが過度に分解されないので、比較
的分子量の大きい反応生成物が基板に到達しやすくな
り、下地のSi上への反応生成物の堆積が進行する。こ
れにより、高選択比が実現できる。もし、反応性ガスが
過度に分解されて多量のFラジカルが発生すると、下地
のSiまでエッチングされてしまうが、本発明ではこの
ような現象は生じない。
【0024】
【実施例】図1は、本発明の装置の一実施例の正面断面
図である。円筒状の石英製のプラズマ発生室10が処理
室12の上方に取り付られている。プラズマ発生室10
の周囲には、ループ状プアンテナ14が設置されてい
て、このループ状プアンテナ14の中点にソ−スプラズ
マ用高周波電源16から高周波電力が供給される。処理
室12はアルミニウム製であり、処理室12の上面の、
プラズマ発生室10が載せられていない部分には、ヒ−
タ18が取り付られている。処理室12の内部には円形
の基板ホルダー20が設置されていて、この基板ホルダ
ー20はブロッキングコンデンサ22を介してバイアス
用高周波電源24に接続されている。この基板ホルダー
20上には、基板としてのウェ−ハ26が置かれる。処
理室12はスロットルバルブ30を介して排気される。
処理室12には反応性ガスを導入するためのガス導入機
構32が接続されている。
図である。円筒状の石英製のプラズマ発生室10が処理
室12の上方に取り付られている。プラズマ発生室10
の周囲には、ループ状プアンテナ14が設置されてい
て、このループ状プアンテナ14の中点にソ−スプラズ
マ用高周波電源16から高周波電力が供給される。処理
室12はアルミニウム製であり、処理室12の上面の、
プラズマ発生室10が載せられていない部分には、ヒ−
タ18が取り付られている。処理室12の内部には円形
の基板ホルダー20が設置されていて、この基板ホルダ
ー20はブロッキングコンデンサ22を介してバイアス
用高周波電源24に接続されている。この基板ホルダー
20上には、基板としてのウェ−ハ26が置かれる。処
理室12はスロットルバルブ30を介して排気される。
処理室12には反応性ガスを導入するためのガス導入機
構32が接続されている。
【0025】この反応性イオンエッチング装置では、プ
ラズマ発生装置から基板までの距離が短くされている。
すなわち、基板ホルダー20の表面からプラズマ発生室
10の下端までの距離L1は約100mmであり、基板
ホルダー20の表面からプラズマ(高密度プラズマ領
域)28の下端までの距離L2もほぼ100mmであ
り、基板ホルダー20の表面からアンテナ14の下端ま
での距離L3は約130mmである。これらの距離L
1、L2、L3は、プラズマ発生装置から基板ホルダー
までの距離を表す代表的な値である。ウェーハ26の厚
さは、これらの距離に比べて非常に薄いので、プラズマ
発生装置から基板ホルダー20までの距離は、プラズマ
発生装置からウェーハ26までの距離とほとんど同じで
ある。一方、基板ホルダー20の直径Dは約200mm
であり、ウェーハ26の直径は約150mmである。し
たがって、上述の距離L1、L2、L3は、いずれも、
基板ホルダー20及びウェーハ26の直径よりも小さく
なっている。
ラズマ発生装置から基板までの距離が短くされている。
すなわち、基板ホルダー20の表面からプラズマ発生室
10の下端までの距離L1は約100mmであり、基板
ホルダー20の表面からプラズマ(高密度プラズマ領
域)28の下端までの距離L2もほぼ100mmであ
り、基板ホルダー20の表面からアンテナ14の下端ま
での距離L3は約130mmである。これらの距離L
1、L2、L3は、プラズマ発生装置から基板ホルダー
までの距離を表す代表的な値である。ウェーハ26の厚
さは、これらの距離に比べて非常に薄いので、プラズマ
発生装置から基板ホルダー20までの距離は、プラズマ
発生装置からウェーハ26までの距離とほとんど同じで
ある。一方、基板ホルダー20の直径Dは約200mm
であり、ウェーハ26の直径は約150mmである。し
たがって、上述の距離L1、L2、L3は、いずれも、
基板ホルダー20及びウェーハ26の直径よりも小さく
なっている。
【0026】次に、この反応性イオンエッチング装置の
動作を説明する。まず処理室12を真空に排気する。ヒ
−タ18に通電して、処理室12の上面の内壁の温度を
100℃以上に加熱する。次に、ロードロック室(図示
せず)からウェーハ26を処理室12内に搬送して、基
板ホルダー20上にウェーハ26を載せる。このウェ−
ハ26の表面にはSiO2膜が成膜されており、さらに
フォトレジストでパタ−ニングされている。次に、ロ−
ドロック室と処理室12との間にあるゲ−トバルブ(図
示せず)を閉じ、反応性ガスであるC4F8ガスをガス導
入機構32により、処理室12内に導入する。その際、
ガス導入バルブ34によりガスの流量を制御する。この
導入ガスは、スロットルバルブ30を介して、プロセス
ガス排気ポンプで排気される。スロットバルブ30の開
度を制御することにより、処理室12及びプラズマ発生
室10内の圧力を一定に保つことができる。この実施例
では圧力を2mTorrに設定している。
動作を説明する。まず処理室12を真空に排気する。ヒ
−タ18に通電して、処理室12の上面の内壁の温度を
100℃以上に加熱する。次に、ロードロック室(図示
せず)からウェーハ26を処理室12内に搬送して、基
板ホルダー20上にウェーハ26を載せる。このウェ−
ハ26の表面にはSiO2膜が成膜されており、さらに
フォトレジストでパタ−ニングされている。次に、ロ−
ドロック室と処理室12との間にあるゲ−トバルブ(図
示せず)を閉じ、反応性ガスであるC4F8ガスをガス導
入機構32により、処理室12内に導入する。その際、
ガス導入バルブ34によりガスの流量を制御する。この
導入ガスは、スロットルバルブ30を介して、プロセス
ガス排気ポンプで排気される。スロットバルブ30の開
度を制御することにより、処理室12及びプラズマ発生
室10内の圧力を一定に保つことができる。この実施例
では圧力を2mTorrに設定している。
【0027】次にバイアス用高周波電源24とソ−スプ
ラズマ用高周波電源16を作動させて、C4F8ガスの反
応性プラズマ28をプラズマ発生室10内に発生させ
る。プラズマ28は、プラズマ発生室10の周囲に巻か
れたループ状アンテナ14に誘起された高周波電界によ
り発生する。このプラズマ28は、処理室12に拡散す
るが、処理室上面の内壁の温度が100℃以上に加熱さ
れているので、Cを多く含んだ反応生成物は、処理室内
壁にはあまり付着せず、そのほとんどが、ウェ−ハ26
上に到達する。さらに、ウェーハ26はプラズマ発生室
10に近い位置に設置されているため、プラズマ発生室
10で生成されて処理室12側に飛来する反応生成物の
50%以上が、処理室の壁面に到達する前にウェ−ハ2
6上に到達する。また、C4F8ガスは処理室12側から
導入されているため、プラズマ発生室10で生成する高
エネルギ−の電子により即座に電離されることがないた
め、高分解した物質(特にF)は生成されにくい。な
お、処理室12の側壁にもヒータを設けてここを加熱す
ることにより、側壁への反応生成物の付着を抑制し、さ
らに高選択比のエッチングが実現できるようにしてもよ
い。
ラズマ用高周波電源16を作動させて、C4F8ガスの反
応性プラズマ28をプラズマ発生室10内に発生させ
る。プラズマ28は、プラズマ発生室10の周囲に巻か
れたループ状アンテナ14に誘起された高周波電界によ
り発生する。このプラズマ28は、処理室12に拡散す
るが、処理室上面の内壁の温度が100℃以上に加熱さ
れているので、Cを多く含んだ反応生成物は、処理室内
壁にはあまり付着せず、そのほとんどが、ウェ−ハ26
上に到達する。さらに、ウェーハ26はプラズマ発生室
10に近い位置に設置されているため、プラズマ発生室
10で生成されて処理室12側に飛来する反応生成物の
50%以上が、処理室の壁面に到達する前にウェ−ハ2
6上に到達する。また、C4F8ガスは処理室12側から
導入されているため、プラズマ発生室10で生成する高
エネルギ−の電子により即座に電離されることがないた
め、高分解した物質(特にF)は生成されにくい。な
お、処理室12の側壁にもヒータを設けてここを加熱す
ることにより、側壁への反応生成物の付着を抑制し、さ
らに高選択比のエッチングが実現できるようにしてもよ
い。
【0028】一方、基板ホルダー20上のウェ−ハ26
は、例えば静電チャック等で基板ホルダー20に吸着さ
れ、冷却されやすくなっている。したがって、ウェーハ
26は処理室12の上面の内壁よりも温度が低くなり、
処理室内壁よりもウェーハ26に反応生成物が付着しや
すくなる。
は、例えば静電チャック等で基板ホルダー20に吸着さ
れ、冷却されやすくなっている。したがって、ウェーハ
26は処理室12の上面の内壁よりも温度が低くなり、
処理室内壁よりもウェーハ26に反応生成物が付着しや
すくなる。
【0029】バイアス用高周波電源24により基板ホル
ダー20に高周波電圧を印加することにより、ウェ−ハ
26の電位を負にバイアスすることができる。この結
果、ウェ−ハ26は正イオンの衝撃を受ける。Oを含ん
だSiO2膜上に、Cを多く含んだ反応生成物が到達す
ると、この反応生成物はSiO2膜中のOと反応してC
Oとなり、このCOの形で排気されていく。したがっ
て、SiO2膜上に反応生成物の重合膜が堆積すること
はない。一方で、上述の正イオンによりSiO2膜がエ
ッチングされる。これに対して、下地のSiはOを含ま
ないので、Si上では反応生成物の重合反応が進む。そ
の結果、下地のSiは重合膜で覆われて、正イオンでは
エッチングされない。以上により、Siに対するSiO
2の選択エッチングが実現できる。しかも、動作圧力が
2mTorrと低いため、異方性エッチングも合わせて
実現できる。具体的な数値を示すと、Siに対するSi
O2の選択比は40以上が得られ、また、SiO2のエッ
チング速度は500nm/min以上が得られた。
ダー20に高周波電圧を印加することにより、ウェ−ハ
26の電位を負にバイアスすることができる。この結
果、ウェ−ハ26は正イオンの衝撃を受ける。Oを含ん
だSiO2膜上に、Cを多く含んだ反応生成物が到達す
ると、この反応生成物はSiO2膜中のOと反応してC
Oとなり、このCOの形で排気されていく。したがっ
て、SiO2膜上に反応生成物の重合膜が堆積すること
はない。一方で、上述の正イオンによりSiO2膜がエ
ッチングされる。これに対して、下地のSiはOを含ま
ないので、Si上では反応生成物の重合反応が進む。そ
の結果、下地のSiは重合膜で覆われて、正イオンでは
エッチングされない。以上により、Siに対するSiO
2の選択エッチングが実現できる。しかも、動作圧力が
2mTorrと低いため、異方性エッチングも合わせて
実現できる。具体的な数値を示すと、Siに対するSi
O2の選択比は40以上が得られ、また、SiO2のエッ
チング速度は500nm/min以上が得られた。
【0030】図2はル−プ状アンテナ14の平面図であ
る。このループ状アンテナ14は銅管で構成され、表面
は銀でメッキされている。銅管の内部に水を流して水冷
しながら、高周波電力を印加することにより、プラズマ
発生室に高密度のプラズマを生成することが可能とな
る。
る。このループ状アンテナ14は銅管で構成され、表面
は銀でメッキされている。銅管の内部に水を流して水冷
しながら、高周波電力を印加することにより、プラズマ
発生室に高密度のプラズマを生成することが可能とな
る。
【0031】図3は本発明の装置の第2実施例の正面断
面図である。この装置が、図1に示す第1実施例と異な
るところは、ループ状アンテナ14の外側に、磁場発生
用の1対のソレノイドコイル36が設置されていること
である。その他の構成は図1と同じである。ループ状ア
ンテナ14による高周波電場とソレノイドコイル36に
よる磁場との作用により、プラズマ発生室10内に、よ
り低圧で高密度のプラズマを発生させることが可能にな
る。ソレノイドコイル36の発生する磁場は、ル−プア
ンテナ14が存在する平面(図では水平面)に対してほ
ぼ垂直となり、この垂直な磁場と、ループ状アンテナが
誘起する高周波電場との作用により、プラズマ中にヘリ
コン波が発生する。これにより、電子がランダウダンピ
ングにより加速され、高密度のプラズマが生成される。
その結果、SiO2のエッチング速度をより高速にでき
た。
面図である。この装置が、図1に示す第1実施例と異な
るところは、ループ状アンテナ14の外側に、磁場発生
用の1対のソレノイドコイル36が設置されていること
である。その他の構成は図1と同じである。ループ状ア
ンテナ14による高周波電場とソレノイドコイル36に
よる磁場との作用により、プラズマ発生室10内に、よ
り低圧で高密度のプラズマを発生させることが可能にな
る。ソレノイドコイル36の発生する磁場は、ル−プア
ンテナ14が存在する平面(図では水平面)に対してほ
ぼ垂直となり、この垂直な磁場と、ループ状アンテナが
誘起する高周波電場との作用により、プラズマ中にヘリ
コン波が発生する。これにより、電子がランダウダンピ
ングにより加速され、高密度のプラズマが生成される。
その結果、SiO2のエッチング速度をより高速にでき
た。
【0032】図4は本発明の装置の第3実施例の正面断
面図である。この装置が、図3に示す第2実施例と異な
るところは、ループ状アンテナ14の外側に、磁場発生
用のソレノイドコイル38、40が2重に設置されてい
ることである。その他の構成は図3と同じである。これ
により、磁場分布の形状をより細かく制御できる。例え
ば、内側のソレノイドコイル38と外側のソレノイドコ
イル40とに互いに逆方向の電流を流すことにより、磁
場分布を調整することができる。これにより、基板ホル
ダー20付近の磁場強度をほとんどゼロにすることがで
きる。
面図である。この装置が、図3に示す第2実施例と異な
るところは、ループ状アンテナ14の外側に、磁場発生
用のソレノイドコイル38、40が2重に設置されてい
ることである。その他の構成は図3と同じである。これ
により、磁場分布の形状をより細かく制御できる。例え
ば、内側のソレノイドコイル38と外側のソレノイドコ
イル40とに互いに逆方向の電流を流すことにより、磁
場分布を調整することができる。これにより、基板ホル
ダー20付近の磁場強度をほとんどゼロにすることがで
きる。
【0033】もし、基板ホルダーの中央部と端部とで電
場と磁場の平行度が変化すると、基板ホルダー上の位置
に応じてプラズマ密度が変化し、高周波バイアス電力の
分配が基板ホルダー内で均一でなくなる。これに対し
て、上述のように基板ホルダー付近の磁場強度がゼロに
なると、高周波バイアス電力のウェーハ内の分配が均一
になる。その結果、均一性の良いエッチングが可能にな
る。
場と磁場の平行度が変化すると、基板ホルダー上の位置
に応じてプラズマ密度が変化し、高周波バイアス電力の
分配が基板ホルダー内で均一でなくなる。これに対し
て、上述のように基板ホルダー付近の磁場強度がゼロに
なると、高周波バイアス電力のウェーハ内の分配が均一
になる。その結果、均一性の良いエッチングが可能にな
る。
【0034】基板ホルダー付近の磁場強度がゼロになる
ようにした場合、磁力線42は図4に示すようになり、
処理室12の上面を通過する。この磁力線42に沿って
電子が飛来し、電子が集まる領域に濃いプラズマが生じ
やすいので、その結果として、反応生成物は上面板に到
達しやすくなる。しかし、この上面板の内壁面はヒータ
18で100℃以上に加熱されているので、反応生成物
は上面板には付着せず、ウェ−ハ26上に飛来するよう
になる。したがって、高選択比エッチングが実現でき
る。
ようにした場合、磁力線42は図4に示すようになり、
処理室12の上面を通過する。この磁力線42に沿って
電子が飛来し、電子が集まる領域に濃いプラズマが生じ
やすいので、その結果として、反応生成物は上面板に到
達しやすくなる。しかし、この上面板の内壁面はヒータ
18で100℃以上に加熱されているので、反応生成物
は上面板には付着せず、ウェ−ハ26上に飛来するよう
になる。したがって、高選択比エッチングが実現でき
る。
【0035】図5は本発明の装置の第4実施例の正面断
面図である。この装置が、図3に示す第2実施例と異な
るところは、プラズマ発生室10の周囲に、1重のルー
プ状アンテナの代わりに2重のル−プ状アンテナ44を
配置したことである。その他の構成は図3と同じであ
る。この2重のループ状アンテナ44と、磁場発生用ソ
レノイドコイル36とにより、M=0モ−ドのヘリコン
波がプラズマ28中に誘起され、高密度で均一なプラズ
マを生成することができる。これにより、高速で均一性
の良いSiO2膜のエッチングが実現できるとともに、
高選択比エッチングが実現できる。
面図である。この装置が、図3に示す第2実施例と異な
るところは、プラズマ発生室10の周囲に、1重のルー
プ状アンテナの代わりに2重のル−プ状アンテナ44を
配置したことである。その他の構成は図3と同じであ
る。この2重のループ状アンテナ44と、磁場発生用ソ
レノイドコイル36とにより、M=0モ−ドのヘリコン
波がプラズマ28中に誘起され、高密度で均一なプラズ
マを生成することができる。これにより、高速で均一性
の良いSiO2膜のエッチングが実現できるとともに、
高選択比エッチングが実現できる。
【0036】図6は2重のループ状アンテナ44の斜視
図である。この2重のループ状アンテナは、M=0モ−
ドのヘリコン波プラズマを発生するためのアンテナとし
て、特開平3−68773号公報で公知となっている。
図である。この2重のループ状アンテナは、M=0モ−
ドのヘリコン波プラズマを発生するためのアンテナとし
て、特開平3−68773号公報で公知となっている。
【0037】図7は本発明の装置の第5実施例の正面断
面図である。この装置が、図1に示す第1実施例と異な
るところは、処理室12の周囲にマルチカスプ磁場発生
用の永久磁石46を配置したことである。その他の構成
は図1と同じである。図8はこの装置の処理室12の平
面断面図であるが、処理室12の周囲には、全部で24
本の永久磁石46が等配に配置されていて、処理室12
の内部にライン状のマルチカスプ磁場48を形成するよ
うになっている。永久磁石46の外側はポールピース4
7に固定されている。このマルチカスプ磁場の作用によ
り、電子は処理室壁面に衝突することが少なくなり、電
子が処理室壁面で消失することが少なくなる。そのた
め、高密度のプラズマを均一に生成できる。この実施例
においても、ヒ−タ18により処理室12の上面が加熱
されているため、高選択比のエッチングが実現できる。
面図である。この装置が、図1に示す第1実施例と異な
るところは、処理室12の周囲にマルチカスプ磁場発生
用の永久磁石46を配置したことである。その他の構成
は図1と同じである。図8はこの装置の処理室12の平
面断面図であるが、処理室12の周囲には、全部で24
本の永久磁石46が等配に配置されていて、処理室12
の内部にライン状のマルチカスプ磁場48を形成するよ
うになっている。永久磁石46の外側はポールピース4
7に固定されている。このマルチカスプ磁場の作用によ
り、電子は処理室壁面に衝突することが少なくなり、電
子が処理室壁面で消失することが少なくなる。そのた
め、高密度のプラズマを均一に生成できる。この実施例
においても、ヒ−タ18により処理室12の上面が加熱
されているため、高選択比のエッチングが実現できる。
【0038】図7及び図8に示す装置ではライン状のマ
ルチカスプ磁場を形成しているが、リング状のマルチカ
スプ磁場を用いてもよい。
ルチカスプ磁場を形成しているが、リング状のマルチカ
スプ磁場を用いてもよい。
【0039】図1の実施例ではプラズマ発生室10の内
径は処理室12の内径より小さくなっているが、この場
合、処理室12の、プラズマ発生室10に接続している
部分は、上面板ということになり、この部分にヒータ1
8を設置してある。これに対して、図9の(A)はプラ
ズマ発生室10aと処理室12aの内径がほぼ等しい場
合を示す。この場合は、処理室12aの、プラズマ発生
室10に接続している部分は、処理室12aの側面の上
部ということになり、ここにヒータ18aを設置する。
また、図9の(B)に示すようにプラズマ発生室10b
の内径よりも処理室12bの内径が小さい場合にも、処
理室12bの側面の上部にヒータ18bを設置する。上
述の図1及び図9(A)(B)のいずれの場合において
も、プラズマ発生室とウェーハとの間の空間の近いとこ
ろにある処理室壁面部分に、ヒータを配置しており、こ
の壁面部分を加熱することによって、処理室ではなくて
ウェーハに、より多くの反応生成物が堆積するようにし
ている。
径は処理室12の内径より小さくなっているが、この場
合、処理室12の、プラズマ発生室10に接続している
部分は、上面板ということになり、この部分にヒータ1
8を設置してある。これに対して、図9の(A)はプラ
ズマ発生室10aと処理室12aの内径がほぼ等しい場
合を示す。この場合は、処理室12aの、プラズマ発生
室10に接続している部分は、処理室12aの側面の上
部ということになり、ここにヒータ18aを設置する。
また、図9の(B)に示すようにプラズマ発生室10b
の内径よりも処理室12bの内径が小さい場合にも、処
理室12bの側面の上部にヒータ18bを設置する。上
述の図1及び図9(A)(B)のいずれの場合において
も、プラズマ発生室とウェーハとの間の空間の近いとこ
ろにある処理室壁面部分に、ヒータを配置しており、こ
の壁面部分を加熱することによって、処理室ではなくて
ウェーハに、より多くの反応生成物が堆積するようにし
ている。
【0040】
【発明の効果】基板ホルダーとは独立したプラズマ発生
装置を用いる場合に、プラズマ発生装置と基板との距離
を短くすることによって、プラズマ発生装置で生成され
た反応生成物の大部分が、処理室壁面に到達する前に基
板に到達するようになり、エッチング速度が向上する。
また、プラズマ発生室に接続している処理室壁面を加熱
することにより、処理室壁面に付着する反応生成物の量
を少なくし、その分、基板に到達する反応生成物の量を
相対的に増やすことができる。その結果、エッチング速
度がより向上する。さらに、反応性のガスを処理室側か
ら導入することにより、反応性ガスが過度に分解される
ことがなくなり、比較的分子量の大きな反応生成物が生
成されやすい。その結果、過度に分解された物質がエッ
チング処理に悪影響を及ぼすのを防ぐことができる。こ
れにより、極めて高選択比の異方性エッチングが実現で
きる。
装置を用いる場合に、プラズマ発生装置と基板との距離
を短くすることによって、プラズマ発生装置で生成され
た反応生成物の大部分が、処理室壁面に到達する前に基
板に到達するようになり、エッチング速度が向上する。
また、プラズマ発生室に接続している処理室壁面を加熱
することにより、処理室壁面に付着する反応生成物の量
を少なくし、その分、基板に到達する反応生成物の量を
相対的に増やすことができる。その結果、エッチング速
度がより向上する。さらに、反応性のガスを処理室側か
ら導入することにより、反応性ガスが過度に分解される
ことがなくなり、比較的分子量の大きな反応生成物が生
成されやすい。その結果、過度に分解された物質がエッ
チング処理に悪影響を及ぼすのを防ぐことができる。こ
れにより、極めて高選択比の異方性エッチングが実現で
きる。
【図1】本発明の装置の一実施例の正面断面図である。
【図2】ル−プ状アンテナの平面図である。
【図3】本発明の装置の第2実施例の正面断面図であ
る。
る。
【図4】本発明の装置の第3実施例の正面断面図であ
る。
る。
【図5】本発明の装置の第4実施例の正面断面図であ
る。
る。
【図6】2重のループ状アンテナの斜視図である。
【図7】本発明の装置の第5実施例の正面断面図であ
る。
る。
【図8】図7の装置の処理室の平面断面図である。
【図9】処理室の直径を変更した例の正面断面図であ
る。
る。
10 プラズマ発生室 12 処理室 14 ループアンテナ 16 ソースプラズマ用高周波電源 18 ヒータ 20 基板ホルダー 24 バイアス用高周波電源 26 ウェーハ 28 プラズマ 32 ガス導入機構 36 ソレノイドコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05H 1/46 L 9014−2G
Claims (14)
- 【請求項1】 エッチング処理される基板を保持する基
板ホルダーと、この基板ホルダーとは独立したプラズマ
発生装置とを備えた反応性イオンエッチング装置におい
て、前記プラズマ発生装置で形成された高密度プラズマ
領域から前記基板ホルダーまでの距離が基板ホルダーの
直径よりも小さいことを特徴とする反応性イオンエッチ
ング装置。 - 【請求項2】 エッチング処理される基板を保持する基
板ホルダーと、基板ホルダーとは独立したプラズマ発生
装置とを備えた反応性イオンエッチング装置において、
前記プラズマ発生装置は、誘電体材料で形成されたプラ
ズマ発生室と、このプラズマ発生室の周囲に設けられた
高周波電極とを備え、前記基板ホルダーは前記プラズマ
発生室に隣接する処理室の内部に設置され、前記高周波
電極から基板ホルダーまでの距離が基板ホルダーの直径
よりも小さいことを特徴とする反応性イオンエッチング
装置。 - 【請求項3】 エッチング処理される基板を保持する基
板ホルダーと、基板ホルダーとは独立したプラズマ発生
装置とを備えた反応性イオンエッチング装置において、
前記プラズマ発生装置は、誘電体材料で形成されたプラ
ズマ発生室と、このプラズマ発生室の周囲に設けられた
高周波電極とを備え、前記基板ホルダーは前記プラズマ
発生室に隣接する処理室の内部に設置され、前記プラズ
マ発生室から基板ホルダーまでの距離が基板ホルダーの
直径よりも小さいことを特徴とする反応性イオンエッチ
ング装置。 - 【請求項4】 前記処理室の前記プラズマ発生室に接続
している部分に加熱装置が設置されていることを特徴と
する請求項2または3に記載の反応性イオンエッチング
装置。 - 【請求項5】 反応性ガスを導入するためのガス導入機
構が前記処理室に接続していることを特徴とする請求項
4記載の反応性イオンエッチング装置。 - 【請求項6】 前記プラズマ発生室の周囲に磁場発生装
置が設置されていることを特徴とする請求項2または3
に記載の反応性イオンエッチング装置。 - 【請求項7】 前記処理室の内部にマルチカスプ磁場が
形成されることを特徴とする請求項2または3に記載の
反応性イオンエッチング装置。 - 【請求項8】 前記プラズマ発生室の内径が基板ホルダ
ーの直径よりも大きいことを特徴とする請求項2または
3に記載の反応性イオンエッチング装置。 - 【請求項9】 前記プラズマ発生室の内径が前記処理室
の内径よりも小さいことを特徴とする請求項8記載の反
応性イオンエッチング装置。 - 【請求項10】 エッチング処理する基板を基板ホルダ
ーで保持し、この基板ホルダーとは独立したプラズマ発
生装置で形成したプラズマを用いて基板を処理する反応
性イオンエッチング方法において、前記プラズマ発生装
置で形成した高密度プラズマ領域から前記基板までの距
離を、基板の直径よりも小さくしたことを特徴とする反
応性イオンエッチング方法。 - 【請求項11】 エッチング処理する基板を基板ホルダ
ーで保持し、この基板ホルダーとは独立したプラズマ発
生装置で形成したプラズマを用いて基板を処理する反応
性イオンエッチング方法において、前記プラズマ発生装
置を、誘電体材料で形成したプラズマ発生室と、このプ
ラズマ発生室の周囲に設けた高周波電極とで構成し、こ
の高周波電極から基板までの距離を、基板の直径よりも
小さくしたことを特徴とする反応性イオンエッチング方
法。 - 【請求項12】 エッチング処理する基板を基板ホルダ
ーで保持し、この基板ホルダーとは独立したプラズマ発
生装置で形成したプラズマを用いて基板を処理する反応
性イオンエッチング方法において、前記プラズマ発生装
置を、誘電体材料で形成したプラズマ発生室と、このプ
ラズマ発生室の周囲に設けた高周波電極とで構成し、前
記基板ホルダーを前記プラズマ発生室に隣接する処理室
の内部に設置して、前記プラズマ発生室から基板までの
距離を基板の直径よりも小さくしたことを特徴とする反
応性イオンエッチング方法。 - 【請求項13】 前記処理室の前記プラズマ発生室に接
続している部分を100℃以上に加熱することを特徴と
する請求項12記載の反応性イオンエッチング方法。 - 【請求項14】 フルオロカーボン系の反応性ガスを用
いてSiO2系の被エッチング材料をエッチングするこ
とを特徴とする請求項10から13までのいずれか1項
に記載の反応性イオンエッチング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5306010A JPH07142450A (ja) | 1993-11-12 | 1993-11-12 | 反応性イオンエッチング装置及び方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5306010A JPH07142450A (ja) | 1993-11-12 | 1993-11-12 | 反応性イオンエッチング装置及び方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07142450A true JPH07142450A (ja) | 1995-06-02 |
Family
ID=17951998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5306010A Pending JPH07142450A (ja) | 1993-11-12 | 1993-11-12 | 反応性イオンエッチング装置及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07142450A (ja) |
-
1993
- 1993-11-12 JP JP5306010A patent/JPH07142450A/ja active Pending
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