JPH07140768A - 静電記録装置 - Google Patents

静電記録装置

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JPH07140768A
JPH07140768A JP5351167A JP35116793A JPH07140768A JP H07140768 A JPH07140768 A JP H07140768A JP 5351167 A JP5351167 A JP 5351167A JP 35116793 A JP35116793 A JP 35116793A JP H07140768 A JPH07140768 A JP H07140768A
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JP
Japan
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toner
developing
recording medium
roller
developing roller
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Application number
JP5351167A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Hosaka
靖夫 保坂
Hideyuki Nakao
英之 中尾
Kazushi Nagato
一志 永戸
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非磁性一成分現像の性能を向上させる。 【構成】 記録媒体を一様に帯電した後、帯電された記
録媒体に静電潜像を形成し、非磁性トナーによって現像
を行ない記録画像を形成する静電記録装置において、現
像領域にトナーをトナー搬送ローラ3から機械的に剥離
する剥離ワイヤ12を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は静電記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】静電記録装置の静電記録媒体や電子写真
の感光体に形成した静電潜像を現像する方式には、粉体
トナートとキャリアからなる二成分現像、非磁性粉体ト
ナーを用いる一成分現像、磁性トナーを用いる一成分現
像、および液体現像がある。二成分現像は複写機などに
最も一般的に使用されているが、粉体トナーに電荷を与
える磁性キャリアを一定記録枚数ごとに交換する必要が
ある。液体現像はトナーが微細で高画質カラー記録に適
するが、トナーに電荷を与えるキャリアがジェット燃料
である高絶縁性ケロシンを使用するため悪臭と危険性が
あり、現在ではプロッタなどの特殊な静電記録装置にの
み使用される。
【0003】一方、磁性一成分現像はトナー搬送を磁気
力で行え現像器構造が簡単になるが、トナー分極力を利
用して現像するため電荷のない領域を現像するレーザプ
リンタのような反転現像には適さない。また、トナーは
不透明磁性体を含み、カラー現像には適さない。
【0004】非磁性一成分現像は以上の点で改良された
方式であり、実用化の段階にある。この現像方式には、
現像ローラ表面に帯電したトナーを塗布し記録媒体に接
触して現像する方式と、トナーを現像ローラと記録媒体
間で飛翔させて現像する方式がある。
【0005】現像ローラと感光体を接触させる方式は、
現像ローラと記録媒体との摩擦帯電で記録媒体上の静電
潜像が変動し、低い静電コントラストの白地領域の地カ
ブリ発生と、画像ノイズが発生し易い。そのため、高い
現像バイアス電圧を印加して地カブリを除去し、画像ノ
イズ除去には高い静電コントラストを形成して飽和濃度
まで現像する。その結果、この現像方式は階調記録より
2値記録に適している。
【0006】一方、現像ローラと記録媒体間にトナーを
飛翔させ現像する非接触一成分現像は、トナーと現像ロ
ーラ間に生ずる物理付着力より高い静電力でトナーを飛
翔させるため、500V程度の直流バイアス電圧と1k
Vpp以上の高い交流バイアス電圧を重畳して印加す
る。この方式は、直流バイアス電圧と交流バイアス電圧
が加算される極性では、現像ローラと記録媒体間に高い
電圧が加わり、乾燥した気圧の低い放電が発生し易い高
所では両者間で火花放電が発生し現像ができなくなる。
また、トナー間に作用する水分付着力が減少し、トナー
飛翔の臨界バイアス電圧の変動と現像ローラ上の多層ト
ナー間の反発で現像特性が変動し、画質変動とトナー飛
散が発生して現像の不安定性が生ずる。
【0007】この非接触一成分現像方式の従来例(IEEE
-IAS-1985,Annual Meeting p1485)を、図6を用いて説
明する。図6(a)は、非接触一成分現像器101と記
録ドラム102、およびバイアス電源103の配置図で
ある。現像器中のトナー104は帯電ブレード105と
の摩擦で電荷が与えられ、トナー粒径程度に粗らされた
金属表面の現像ローラ106上に数層の帯電したトナー
層を形成する。現像特性は通常200um程度に設定し
た現像ローラと記録ドラム間の距離107で決まる。
【0008】現像ローラと記録ドラムは、矢印108,
109方向にそれぞれ等速で移動している。現像ローラ
は直流バイアス110と交流バイアス111が与えられ
る。プリチャージで与えられた記録ドラム上の表面電位
−600Vの白地領域のトナーは、−400Vの直流バ
イアス電圧と周波数2kHz、電圧1.5kVppの交
流バイアス電圧で現像ローラ方向に逆飛翔し、カブリの
発生を防止する。また、表面電荷が消去された画像領域
の記録媒体上に飛翔したトナーは、そのまま留まり現像
される。
【0009】図6(b)は、横軸に静電コントラストを
縦軸に画像濃度を示し、トナーと現像ローラ間の物理的
付着力を1×10-8(N)から1×10-7(N)まで変
えた現像特性の計算値である。この物理的付着力は現像
ローラ上の水分の影響を受け、環境条件で大きく変動す
る。物理的付着力が大きい曲線112ではトナー飛翔に
必要な電界が大きく、100V以上のトナー飛翔開始電
圧と飽和濃度には400V以上の高い静電コントラスト
が必要となる。高湿時などで水分による物理的付着力が
1×10-6(N)を越えると、静電力ではトナー飛翔が
不可能になる。曲線113は物理的付着力が1×10-8
(N)と小さい場合を示す。高所などの気圧が低い乾燥
した場所ではこのように物理的付着力が減少し、現像ロ
ーラと記録媒体間に火花放電が発生して現像が出来なく
なる。このように乾燥して物理的付着力が減少した場合
は、現像ローラ上の多層トナーの反発力でトナー飛散が
発生し、画質の低下と装置のトナー汚れを生ずる。
【0010】また、現像ローラと感光体を接触させる接
触一成分方式は、現像ローラと記録媒体との摩擦帯電で
記録媒体上の静電潜像が変動し、低い静電コントラスト
の白地領域の地カブリ発生と、画像ノイズが発生し易
い。そのため、高い現像バイアス電圧を印加して地カブ
リを除去し、画像ノイズ除去には高い静電コントラスト
を形成して飽和濃度まで現像する。その結果、この現像
方式は階調記録より2値記録に適している。
【0011】このようなローラ帯電(電子写真学会誌
通巻96号 p302)と改良された接触一成分現像器
(特開平5−224523)について、図29を用いて
説明する。この現像ローラは、導体ローラ表面に微小面
積の分離した誘電体部を設けたものである。図29は、
この接触一成分現像器601と記録ドラム602、およ
び現像バイアス電源603との配置図である。
【0012】現像器中のトナー604は帯電ブレード6
05との摩擦で電荷が与えられ、トナー粒径程度に粗れ
た金属表面と誘電体部からなる現像ローラ606上に、
多層の帯電トナーを形成する。図30は、この現像ロー
ラ606上に設けられた分離した誘電体構造607を示
す。分離した誘電体層は、トナーまたは帯電ブレードと
の摩擦帯電で電荷が与えられる。図31に示すように、
この帯電した誘電体と周辺の導電性ローラ608との間
に強電界609が生じ、トナー610は誘電体周辺に多
量に固定されて搬送され、図29で示す現像領域611
での高速現像が可能になる。この現像ローラと記録ドラ
ムは接触し、現像特性は現像ローラの交流バイアス電圧
612と直流バイアス電圧613で決まる。現像ローラ
と記録ドラムは図中の矢印方向に移動し、記録ドラムは
帯電ローラ614で表面電位−600Vが与えられる。
白地領域では、−400Vの直流バイアス電圧と周波数
2kHz、電圧1.5kVppの交流バイアス電圧で、
白地領域のカブリトナーを現像ローラに移動させ、クリ
ーニングする。表面電位が−100V程度に減少した画
像領域では、現像ローラから記録媒体にトナーが移動
し、現像が行われる。この現像特性は、現像ローラとト
ナーの物理付着力を1×10-7(N)から1×10
-8(N)に減少させるとガンマ特性は大きくなり、20
0V程度の低い静電コントラストで飽和濃度に達する。
しかし、高湿時の現像ローラ上の水分の影響が大きく物
理付着力に寄与する場合は大きい現像電界を必要とし、
この物理付着力が1×10-6(N)を越える場合は、静
電力によるトナー現像が不可能になる。また、高所など
の気圧が低い乾燥した場所では、現像ローラと記録媒体
間の高い電圧により火花放電が発生し、現像が出来なく
なる場合もある。また、この現像方法は接触現像のた
め、記録媒体とトナーとの摩擦で記録媒体上の静電潜像
が乱れ、かつ背景に静電ノイズが発生する。この現像ロ
ーラ上の誘電体周辺の電界は誘電体の帯電電荷で決ま
り、帯電量の変動に大きく左右される。そのため、安定
したトナー搬送とカブリ防止用の逆電界形成が、摩擦帯
電に影響する環境の影響を受け易い欠点がある。
【0013】一方、放電を利用したイオン発生器は、電
子写真等の静電記録を利用した記録装置に使用される絶
縁性記録媒体を帯電させる帯電器として利用されてい
る。
【0014】図11は本発明者が既に提案したイオン発
生器を電子写真プロセスで利用しているところを示して
いる例である。帯電器251は感光体252を一様に帯
電するために用いられている。帯電器251の構造は図
12の様になっている。誘電層を挟んで第一の電極であ
る誘導電極261と第2の電極であるイオン発生電極2
62が設けられている。誘電層は材質は結晶化ガラス
で、厚みは30μmである。第1の電極である誘導電極
261は厚みは3μmで、第2の電極であるイオン発生
電極262は15μmである。
【0015】誘電層、誘導電極261およびイオン発生
電極262はそれぞれ厚膜印刷で作られている。イオン
発生電極262には放電を起こさせるための空隙を形成
するイオン発生用孔263が設けられている。従来のイ
オン発生用孔263の幅は80〜100μmであった。
これら第1の電極261と第2の電極262の間に波高
値が2.5〜3.0kVp−pの交流電圧を印加し、イ
オン発生用孔で放電を起こし、正負両極性のイオンを生
成させる。
【0016】この帯電器ではイオンを帯電対象に付着さ
せることで帯電させている。イオン発生電極と帯電対象
物である感光体252の間にバイアス電圧を印加するこ
とで、イオン発生器から感光体へ単一極性のイオンが移
動し、感光体を帯電させることになる。
【0017】このとき問題の一つとして、放電による生
成物で誘電層表面の物性値が変わり、次第に放電が弱く
なり帯電能力が落ちることである。また、誘電体表面の
物性値が変わると、交流電圧を印加してもすぐに放電が
起こらず、帯電電流が飽和値になるまでに時間がかかる
という問題もある。この様に、誘電層表面の物性値が変
わり放電が弱くなった場合、イオン発生器自体の温度を
上げたり、交流電圧の波高値を上げると、放電は再び必
要な程度に強くなるが、誘電体表面の物性値の変化を促
進するだけで、しばらくすると再び放電は弱くなり、帯
電能力が低下する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記したカラー記録に
使用する現像方式には、公害問題のある液体現像と記録
枚数ごとに磁性キャリア交換が必要な二成分現像があ
り、これらの欠点を除去した現像方式として非磁性一成
分現像方式がある。この一成分現像方式には接触現像と
非接触現像がある。接触現像方式は現像ローラと記録媒
体とが接触し、両者の摩擦帯電で記録媒体上の静電潜像
が変動するため画像に濃度ムラが生ずる。この濃度ムラ
を除くため、プリチャージによる−600Vの表面電位
を−100Vまで減少して500V以上の高い静電コン
トラストにする。現像に必要な直流バイアス電圧を−4
00Vにし、摩擦帯電による白地領域の100V程度の
電位変動を除去する。画像領域では、現像ローラと記録
媒体間の300Vの電位コントラストにより、2値記録
で飽和濃度まで現像して画像濃度変動を除去する。
【0019】しかし、このように高い静電コントラスト
では、感光体中に生じた光キャリア軌道が静電潜像との
干渉で曲げられ、静電画点が拡大し画質が低下する。ま
た、接触による現像器と記録ドラムの機械的負荷の増加
で記録ドラムの送りムラが発生し、画像濃度のムラが生
ずる。非接触現像ではこのような送りムラは発生しない
が、気圧の低い高所ではトナーを飛翔させる高いバイア
ス電圧で現像ローラと記録媒体間に火花放電が発生し、
現像が不可能になる。
【0020】この非接触一成分現像方式の現像特性は、
トナーと現像ローラとの物理的付着力で決まる。この力
には、環境で変動する水分とトナー形状で決まるファン
デルワールス力による物理的付着力、さらにトナー形状
に影響されるトナー電荷の局所的鏡像力がある。これら
の力が変動すると現像特性に影響を与えるが、特に物理
的付着力は環境で大きく変動する。
【0021】一方、電子写真などの画質向上を検討して
きた本出願人は、200V以上の静電潜像を感光体上に
形成すると、静電潜像と光照射で生じた感光体中の光キ
ャリアが干渉し、静電画点の広がりが発生することを見
いだした。また、画点ごとにイオンを制御し絶縁性記録
媒体上に静電潜像を直接形成するイオンデポジション記
録では、静電潜像とイオン流の干渉が生じ、画点の広が
りが発生する。200V以下の低い静電コントラストに
すると、これらの干渉が減少し高画質を達成できる。こ
のように低い静電コントラストを現像する方式には液体
現像と磁性一成分現像があるが、前記に示した欠点が存
在する。ここでは、公害が無くカラー現像が可能な非接
触の非磁性一成分現像に着目し、高所の乾燥した低い気
圧などで火花放電を発生しないこと、トナーと現像ロー
ラとの物理的付着力を安定化し現像特性の環境安定性を
図ること、200V以下の低い静電コントラストを現像
可能にし、画点広がりを無くし低濃度領域でも粗れのな
い良好を画像を得ることにある。
【0022】また、上記したイオン発生器において、誘
電体を挟んで2つの電極を設けて、この2つの電極の間
に交流電圧を印加することで放電を起こし帯電させる方
式では、従来の構造では誘電体表面が放電の影響を受
け、電気的物性値が変わり、放電の安定性が著しく悪
い。
【0023】本発明の静電記録装置はこのような課題に
着目してなされたものであり、その第1の目的とすると
ころは、非磁性トナーを用いた非接触一成分現像方式に
より、環境変動に対して安定で画点広がりがなく低濃度
領域でも滑らかなきめの細かい現像を行い、高画質の画
像形成が可能な静電記録装置を提供することにある。
【0024】また、本発明の第2の目的は、放電を安定
に発生させるとともに、交流電圧印加後に放電電流が飽
和するまでの時間を短縮できる静電記録装置を提供する
ことにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するために、本発明の静電記録装置は、第1の構成にい
て、記録媒体を帯電手段によって一様に帯電した後、帯
電された記録媒体に静電潜像を形成し、非磁性一成分現
像手段によって現像を行ない記録画像を形成する静電記
録装置において、上記非磁性一成分現像手段が、トナー
をトナー搬送ローラに塗布する手段と、塗布されたトナ
ーをトナー搬送ローラから機械的に剥離する剥離現像手
段とを具備する。
【0026】さらに、上記第1の構成において上記剥離
現像手段に直流バイアス電圧、又は交番電圧を重畳した
直流バイアス電圧を印加する。
【0027】また、本発明の静電記録装置は、第2の構
成において、記録媒体を一様に帯電する帯電手段と、帯
電された記録媒体に静電潜像を形成する静電潜像形成手
段と、静電潜像が形成された記録媒体に対して現像を行
ない記録画像を形成する現像手段とを具備し、この現像
手段が、前記記録媒体に平行な電界を発生させる電界発
生手段を含む。
【0028】さらに、上記第2の構成において、前記現
像手段が現像ローラを含み、前記電界発生手段がこの現
像ローラと前記記録媒体間に設けられた複数の電極と、
この複数の電極に異なる直流電圧または異なる交番電圧
を印加する電圧印加手段とを有する。
【0029】さらに、上記第2の構成において、前記現
像手段が現像ローラと、記録媒体間に設けられた複数の
電極と、この複数の電極に異なる直流電圧または異なる
交番電圧を印加する手段と、前記現像ローラに直流電圧
を印加する手段を有する。
【0030】さらに、上記第2の構成において、前記現
像ローラと記録媒体間距離が複数の電極間距離より小さ
い。
【0031】さらに、上記第2の構成において、前記現
像手段が現像ローラを含み、この現像ローラと記録媒体
間の複数の電極が現像スリーブと接するか、または電極
を振動する手段を有する。
【0032】さらに、上記第2の構成において、前記現
像手段が現像ローラを含み、この現像ローラと記録媒体
間の複数の電極と、前記電極に異なる直流または交番電
圧を印加する手段と、前記現像ローラに交番電圧を印加
する手段を有する。
【0033】さらに、上記第2の構成において、前記現
像手段が現像ローラを含み、上記平行な電界に加えて、
前記現像ローラと記録媒体間でトナーを現像ローラから
記録媒体方向と、記録媒体から現像ローラ方向に移動さ
せる垂直電界を形成する手段を有する。
【0034】さらに、上記第2の構成において、前記電
界発生手段が、導電性現像ローラ表面からなる第1電極
及び現像ローラ表面に絶縁体を介して埋め込まれた第2
電極と、両電極間に異なるバイアス電圧を印加する電圧
印加手段を含む。
【0035】さらに、上記第2の構成において、導電性
現像ローラ面からなる第1電極と絶縁体を介して埋め込
まれた第2電極との距離Ldが、現像ローラと記録媒体
間距離dより小さい。
【0036】さらに、上記構成において、前記現像手段
が現像ローラを含み、前記記録媒体の移動速度vと現像
領域L、現像ローラの周速vrと前記現像ローラ上の同
一バイアス電圧の電極間周期Lfのとき、現像ローラに
近接した記録媒体が現像領域を通過する際、異なる複数
の電極を通過する次の条件を満足する。
【0037】(L/v)>(Lf/vr) また、本発明の第2の目的を達成するために、本発明
は、第3の構成において、記録媒体を帯電手段によって
一様に帯電した後、帯電された記録媒体に静電潜像を形
成し、現像手段によって現像を行ない記録画像を形成す
る静電記録装置において、上記帯電手段が、誘電層と、
この誘電層を挟んで設けられた誘電電極としての第1の
電極及びイオン発生用孔を有する第2の電極とを具備
し、第1の電極をイオン発生用孔に対する領域で複数個
に分割するとともに、分割された電極と電極の間隔が誘
電層の厚み以上となるように構成する。
【0038】さらに、上記第3の構成において、上記第
1の電極の幅がイオン発生用孔の幅よりも狭い。
【0039】
【作用】すなわち、本発明の静電記録装置は、第1に、
記録媒体を帯電手段によって一様に帯電した後、帯電さ
れた記録媒体に静電潜像を形成し、非磁性一成分現像手
段によって現像を行ない記録画像を形成するにおいて、
トナーをトナー搬送ローラに塗布した後、塗布されたト
ナーをトナー搬送ローラから機械的に剥離するようにす
る。
【0040】また、本発明の静電記録装置は、記録媒体
を一様に帯電し、帯電された記録媒体に静電潜像を形成
して現像を行ない記録画像を形成するにあたって、現像
時に、前記記録媒体に平行な電界を発生させる。
【0041】第2に、本発明の静電記録装置は、記録媒
体を帯電手段によって一様に帯電した後、帯電された記
録媒体に静電潜像を形成し、現像手段によって現像を行
ない記録画像を形成するにおいて、上記帯電手段を、誘
電層と、この誘電層を挟んで設けられた誘電電極として
の第1の電極及びイオン発生用孔を有する第2の電極と
によって構成し、かつ第1の電極がイオン発生用孔に対
する領域で複数個に分割され、かつ分割された電極と電
極の間隔が誘電層の厚み以上となるように構成する。
【0042】
【実施例】まず、本発明の第1乃至第4実施例の概略を
説明する。本発明の第1乃至第4実施例に係る非接触の
非磁性一成分現像装置では、非磁性トナーをトナー搬送
ローラに塗布する手段と塗布されたトナーをトナー搬送
ローラから現像領域で剥離する手段を設け、現像時にト
ナーを搬送ローラから剥離して環境によって変動する物
理的付着力を除去し、現像特性の環境安定化と画質向上
を図っている。
【0043】この剥離手段と搬送ローラには異なる電圧
を印加し、トナーを反発する電界を剥離手段近辺に形成
してトナー剥離を容易にする。このようにして、従来の
現像ローラとしての役割をトナー搬送のみの役割にし、
剥離手段に印加するバイアス電圧で現像特性を決定す
る。また、感光体間と搬送ローラまたはトナー剥離手段
間の火花放電を防止するため、抵抗性樹脂層を搬送ロー
ラまたは剥離手段に被覆し、2次電子放出率の高い金属
や酸化物が表面に露出しないようにする。
【0044】トナー層は搬送ローラ上に設けた帯電ブレ
ードで一層以下のトナー層になるように被覆し、多層ト
ナー層間の電荷反発力でトナー飛散が環境変動で生ずる
ことを防止する。搬送ローラ表面には抵抗層を設け、搬
送ローラの1回転周期で電荷が蓄積しない時定数にす
る。また、この時定数は搬送ローラが交流バイアス電圧
の1周期または現像領域を通過する時間より大きくし、
交流バイアス電圧による鏡像力が生じないようにする。
このようにすると、トナー粒径による電荷で搬送ローラ
に生ずる鏡像力は減少し、トナー粒径に拘らず記録媒体
へのトナー飛翔が一様になる。
【0045】このトナー搬送ローラの抵抗層を最適化す
ると、低静電コントラストで粒径の小さいトナーも現像
に寄与し、低濃度領域で滑らかなきめの細かい画像が得
られる。このときの条件は、トナー粒径をR、搬送ロー
ラの抵抗層の厚さDiと誘電率Ei、記録媒体の厚さD
pと誘電率Epとの間に、次式を満足させることで達成
する。
【0046】 εp・(Dp+R)2 <εi・(Di+R)2 このように搬送ローラに直流バイアスと交流バイアスを
重畳して印加すると、トナー粒径に拘らず一様に現像に
寄与でき、滑らかな安定した階調画像が得られる。ま
た、搬送ローラ上のトナー層を一層以下に塗布した場合
は、画像濃度が十分に得られるように記録ドラムと搬送
ローラとの速度比pを1より大きくする。
【0047】本実施例は、非接触の一成分現像を用い2
00V以下の静電潜像を安定して現像する現像装置を与
える。この内容は、トナー搬送ローラに帯電ブレードで
塗布し、感光体と近接した現像領域で搬送ローラと接す
るトナー剥離手段でトナーを剥離し、剥離手段に印加し
たバイアス電圧で搬送ローラと感光体間でトナー飛翔を
行い現像するものである。
【0048】すなわち、第1実施例による現像方式は、
一成分現像の特徴である高いガンマ値を利用し、非接触
で200V以下の低い静電コントラスト現像を可能に
し、かつ環境の安定性を確保するものである。また、低
濃度領域で粒径の小さいトナーも粒径の大きいトナーと
同様に現像に寄与するようにし、低濃度領域の階調特性
を滑らかに再現して画質向上を図ったものである。
【0049】以下、上記した実施例の概略を図面を参照
して詳細に説明する。
【0050】図1(a)は、本発明の第1実施例に係る
一成分現像器1と感光ドラム2との相対位置を示す模式
図である。トナー搬送ローラ3は、金属性の駆動軸4の
回りに設けた発泡性ゴムローラ5と、その上を被覆した
導電性樹脂層6と、抵抗性樹脂層7からなる。搬送ロー
ラ3端に設けた導電性ゴム(図示せず)で導電性樹脂層
を駆動軸に接続する。この搬送ローラ3は、厚さ25u
mの感光体8からなる感光ドラム2と100umの距離
9を隔てて設置する。
【0051】トナー搬送ローラ3上にはトナー層が一層
以下のトナー被覆率kが1.0より小さくなるように、
現像器中の帯電ブレード10で一様に帯電させ塗布す
る。磁性金属または金属酸化物を含んだ磁性トナーは、
高い現像バイアス電圧では磁性トナーから直接放電が生
ずるため、この現像方式には非磁性トナーを使用する。
搬送ローラ3上のトナーを現象領域11で剥離する剥離
ワイア12を、搬送ローラ3に接触して設ける。剥離ワ
イア12には数十um径のタングステン・ワイアを用
い、トナー搬送用の搬送ローラ3と剥離ワイア12には
−550Vの直流バイアス電圧13と周波数2kHz.
1.5kVppの交流バイアス電圧14を重畳して印加
する。搬送ローラ3上の剥離ワイア12でトナーは機械
的に剥離され、バイアス電圧で現像ローラと感光体8間
を往復運動して現像が行なわれる。
【0052】感光体8の表面電位は、プリチャージによ
り白地領域で−600V,画像領域で光照射により−4
00Vになっている。搬送ローラ3から機械的にトナー
が剥離すると、トナー粒径または環境で変化する物理的
付着力が作用しなくなり、静電力のみでトナーをコント
ロールできる。
【0053】図1(b)は、本実施例の現像装置の斜視
図である。トナー搬送ローラ3に接して斜めに張られた
剥離ワイア12が、搬送ローラ3上のトナー15を機械
的に剥離する。剥離ワイア12は数十umのタングステ
ンまたは他の金属ワイアで構成するか、または数十um
厚のステンレス金属板などに斜めにスリットをエッチン
グして用いてもよい。この剥離ワイア12は、エポキシ
樹脂など絶縁性または抵抗性樹脂でコーティングしても
よい。また、剥離ワイア12が搬送ローラ3と良く接触
するようワイア両端にスプリング(図示せず)などで張
力を与える。従来の非接触現像器の現像ローラは、仕事
関数(〜4eV)が比較的小さく2次電子放出が容易な
アルミなどで構成されており、現像ローラと感光体8間
で火花放電が発生し易かった。
【0054】ここでは、搬送ローラ3表面に仕事関数が
〜8eV以上の2次電子放出率が〜4以下の体積抵抗率
106 〜108 Ωcmのイオン導電性フッ素樹脂を10
〜100umの厚さ被覆して用いる。この搬送ローラ3
は、感光体8間の高電界による電子放出量が減少するた
め、気圧の低い高所の乾燥した場所で火花放電を防止で
きる。また、感光体8と搬送ローラ3間で放電が発生し
た場合も、搬送ローラ3の抵抗層に放電電荷が蓄積し、
直ちに両者間の電位が等しくなり放電が停止する。
【0055】図2(a)はトナー搬送ローラ3上のトナ
ー剥離の状態を示し、矢印16方向に移動するトナー搬
送ローラ3上のトナー15はトナー剥離用ワイア12で
矢印17方向に剥離し、物理付着力が作用しなくなる。
その結果、トナーは感光体8と剥離ワイア12間に作用
する静電力のみで移動し、粒径分布18のトナーはトナ
ー搬送ローラ3から剥離し、物理的付着力が作用しなく
なることで粒径の大小に拘らず電界の力のみで現像を開
始する。
【0056】従来の現像方式の現像特性は図2(b)に
示す曲線19となる。高湿時などの物理的付着力が1×
10-7(N)と大きい場合は、粒径が大きく電荷量の大
きいトナー19は低い静電コントラストの低濃度領域2
0で、また中間調領域21で最大分布22のトナー23
が現像に寄与する。さらに、現像電界の大きい現像領域
24で微細トナー25が現像に寄与する。
【0057】このように低濃度領域では粒径が大きく濃
度に大きく寄与するトナーが現像に使用され、画像が粗
れる。本実施例による現像器では、搬送ローラ3から機
械的に剥離したトナーの物理付着力が寄与しなくなり、
急峻な立ち上がりの現像特性26になる。また、全ての
静電コントラストで異なる粒径トナー19,23,25
が現像に寄与するため、低濃度領域での微細トナーによ
りきめの細かい粗れのない画像が得られる。
【0058】以下に本発明の第2実施例として、剥離ワ
イア12とトナー搬送ローラ3に異なるバイアス電圧を
印加し、搬送ローラ3上の剥離ワイア12近傍に局所的
なトナー移動電界を形成し、トナーの移動を容易にした
実施例を図3で説明する。剥離ワイア12にはエポキシ
樹脂などの絶縁性または抵抗性樹脂を塗布し、搬送ロー
ラ3と絶縁する。
【0059】図3(a)は現像器1と感光ドラム2との
相対位置と、搬送ローラ3と剥離ワイア12の電圧印加
方法を示す。搬送ローラ3は直流バイアス電圧27を、
剥離ワイア12はトナー移動用に交流バイアス電圧28
を重畳して印加する。
【0060】具体的には、搬送ローラ3には−550V
の直流バイアス電圧を、剥離ワイア12には搬送ローラ
3の直流バイアス電圧に周波数2kHz,1.5kVp
pの交流バイアス電圧を重畳して印加する。剥離ワイア
12と記録媒体間の距離9は100um程度に設定す
る。
【0061】図3(b)に示すように、剥離用ワイア1
2は数十um径のタングステン・ワイア29の周辺に2
0um厚のエポキシ樹脂30を被覆して使用する。感光
体8の白地領域の表面電位がプリチャージで−600V
のとき、剥離ワイア12と感光体8間には電気力線31
が生じ、剥離ワイア12近辺の交流電界による電気力線
に沿って矢印32に示すように大小の粒径トナー33が
往復運動し、感光体8上に付着することはない。また、
感光体8の表面電位が−400Vで静電コントラストが
200Vの画像領域では、剥離ワイア12近傍で電気力
線34が生じ、剥離したトナー35が感光体8方向36
に飛翔し、現像が行われる。この電気力線は、静電潜像
に応じた変化を示し、静電潜像の大きさに従った現像が
行われる。剥離ワイア12には交流電圧が印加されてい
るため、トナーがワイアに付着することはない。
【0062】以下に本発明の第3実施例を説明する。
【0063】このように低い静電コントラスト現像が可
能になると、静電潜像との干渉による感光体中の光キャ
リアの広がりを防止でき、画質の向上が図れる。この点
について、図4を用いて説明する。図4(a)は、静電
コントラストが400V以上と高い場合の感光体8中の
光キャリア軌道である。有機感光体(OPC)37の透
明キャリア輸送層(CTL)38を通過した照射光39
は、キャリア発生層(CGL)40で光強度に応じて
(+)キャリア41を発生し、感光体8の表面の(−)
電荷42の電界で移動し、この電荷を消去して静電潜像
を形成する。
【0064】このキャリアの軌道43は、キャリア自身
の空間電荷の反発力と静電潜像の電界との干渉で曲げら
れ、光照射領域44より静電潜像45が大きくなり感光
体8上の電位分布46が拡大する。光照射強度を従来の
1/2以下にし光キャリアを少なくすると、空間電荷に
よる相互干渉が減少し、静電コントラストは200V以
下になり光キャリアと静電潜像との相互干渉が少なくな
る。
【0065】このように低い静電コントラストでは、図
4(b)に示すように感光体8中の光キャリア軌道が曲
がることなく、光照射した領域47の表面電位48が減
少し静電画点の広がりを防止できる。この低い静電潜像
を十分な濃度で現像し、低濃度領域で微細トナーが現像
に寄与できる現像方式には、本発明の非磁性一成分現像
が適する。
【0066】画像形成は、プリチャージによる感光体8
の表面電位を−600Vに、トナー搬送ローラ3の直流
バイアス電圧を−550Vにし、剥離ワイア12と搬送
ローラ3に周波数2kHz、電圧〜1.5kVppの交
流バイアス電圧を直流バイアス電圧−550Vに重畳し
て印加し、感光体8と剥離ワイア12間でトナーを往復
運動させる。現像ローラ上のトナー被覆率kは1.0よ
り小さい0.68とし、画像濃度を補償するため記録ド
ラム周速10cm/secより速い搬送ローラ速度15
cm/secにする。現像には、電荷量〜6uC/gの
トナーを使用する。この条件で現像し、第1実施例と同
一の現像曲線26を得る。
【0067】また、このように低い静電コントラストで
は感光体8の表面電位とトナー搬送ローラ3間の電位差
を小さくでき、高所における感光体8と現像器との放電
を押さえることができる。以上の現像方法は、イオンを
ドットごとに制御して静電潜像を形成するイオンデポジ
ション記録にも効果的で、イオン流と静電潜像との干渉
を減少でき画質の向上を図れる。
【0068】以下に本発明の第4実施例として、トナー
搬送ローラ3と剥離ワイア12に印加するバイアス電圧
の他の実施例を図5を参照して説明する。図5(a)
は、剥離ワイア12と搬送ローラ3に同一の−550V
の直流バイアス電圧49を印加する。記録媒体の表面電
位はプリチャージにより白地領域で−600V、黒地領
域は光照射で−400Vに減衰し、静電コントラストは
200Vである。
【0069】このように低い静電コントラストでは、感
光体8中の光キャリアと静電潜像との干渉がなく、キャ
リア軌道が曲げられることによる静電画点の拡がりはな
い。搬送ローラ3上の(−)トナーは粒径の大小に拘ら
ず機械的に剥離し、反転現像に使用される。剥離したト
ナーは剥離ローラとの物理的付着力がなく静電力のみで
現像が行われ、環境に安定な現像が可能になる。また、
機械的に剥離した大小の粒径トナーが現像に寄与し滑ら
かできめの細かい画像が得られる。
【0070】図5(b)は、剥離ワイア12に搬送ロー
ラ3上のトナーを反発する直流バイアスを印加する他の
実施例である。トナー搬送を主とするトナー搬送ローラ
3に−400Vの直流バイアス電圧50を、剥離ワイア
12には−150Vの直流バイアス電圧51を重畳して
印加する。感光体8の白地領域はプリチャージで−60
0Vの表面画電位であり、黒地領域は光照射で−400
Vで、静電コントラストは静電潜像の広がりのない20
0Vである。現像は、剥離ワイア12で決まる現像バイ
アス−550Vで行う。現像器の剥離ワイア12で機械
的に剥離した(−)トナーは、剥離ワイア12の高いバ
イアス電圧で搬送ローラ3にトナーが反発され、トナー
の動きが容易になり反転現像に使用される。
【0071】このように、剥離したトナーは物理的付着
力がなくなり、剥離ワイア12と感光体8間を静電力の
みでコントロールされ、環境に安定な現像を可能にす
る。このとき、微細トナーも現像に寄与し、滑らかでき
めの細かい画像が得られる。剥離ワイア12間の距離を
感光体8との距離より小さく密に設けると、現像に作用
するバイアス電圧は−550Vの剥離ワイア電圧とな
る。疎の場合は、現像に作用する現像バイアス電圧は剥
離ワイア電圧−550Vより小さくなり、搬送ローラ電
圧を−400Vより大きく調整する。
【0072】図5(c)は、搬送ローラ3に−400V
の直流バイアス電圧52を、剥離ワイア12に搬送ロー
ラ3より高い−550Vの直流バイアス電圧53とトナ
ーを振動させる周波数2kHz,1.5kVppの交流
バイアス電圧54を重畳して与える他の実施例である。
搬送ローラ3上の反転現像用(−)トナーは、剥離ワイ
ア12で搬送ローラ3から機械的に剥離され、同時に剥
離ワイア12の交流電圧で振動し、同時に感光体8との
間を往復運動して現像が行われる。
【0073】図5(d)は、−550Vの直流電圧55
と、周波数2kHz,1.5kVppの交流電圧56を
重畳した電圧を剥離ワイア12に印加し、剥離ローラに
は電圧調整手段57で剥離ワイア12より低い1kVp
pの交流電圧を重畳して印加する。反転現像用の(−)
トナーは、剥離ワイア12で機械的に搬送ローラ3から
剥離され、同時に交流電圧で搬送ローラ3上を振動しな
がら感光体8との間を往復運動し、現像が行われる。
【0074】以下に本発明の第5乃至第7実施例に係る
イオン発生器の概略を説明する。
【0075】従来のイオン発生器においては、イオン発
生器を連続的に使用した場合、放電による生成物によっ
て誘電層表面が時間とともに劣化するので、イオン発生
孔におけるイオン発生量は図13に示すように減衰する
ことが知られている。また、放電による生成物で誘電層
表面の物性値が変化するので、図14(a)に示すよう
に、放電停止の後に、交流電圧を印加してイオンを再度
発生させようとしても放電が起こらずイオンが発生しな
くなってしまう(立ち上がり特性の劣化)問題があっ
た。
【0076】この問題に対して本出願人は、誘電層を挟
んで第1の電極とイオン発生用孔を有する第2の電極を
設け、これら第1の電極と第2の電極の間に交流電圧を
印加し、前記イオン発生用孔で気中放電によりイオンを
発生させて、所定極性のイオンのみを一方向にイオン流
として取り出すイオン発生器において、上記の安定性や
立ち上がり特性の劣化の原因となる領域がイオン発生電
極近傍の数μmの範囲で生ずることを見いだした。
【0077】この結果、この領域の放電の変動が全体に
対して微小になるように、誘電電極を分割すること、イ
オン発生用孔を広げることと、誘導電極の幅をイオン発
生用孔の幅より小さくすることで、上記劣化を減少さ
せ、図14(b)に示すように、立ち上がり特性を改善
することができた。
【0078】誘導電極を分割する際には、分割した誘導
電極の間隔が重要なパラメタとなる。この値は、誘電層
の厚みと関連して決まる。電極間の間隔を誘電層の厚み
以上にすると、誘導電極を分割した効果が表れる。
【0079】また、イオン発生用孔を広げる場合は、そ
のイオン発生用孔の幅の値は取り出す帯電電流量と関連
して決まる。通常の電子写真の帯電に用いる時の帯電電
流量1〜10μA/cmでは、イオン発生用孔の幅は1
50〜300μmにすると効果が表れる。
【0080】また、誘導電極の幅をイオン発生用孔の幅
よりも狭くする際は、誘導電極とイオン発生電極とのオ
ーバーラップが無くなるように、誘導電極とイオン発生
電極が誘電層表面方向に少なくとも10μm離れている
ことが必要である。
【0081】すなわち、本実施例では、イオン発生用孔
に対する領域にある第1の電極である誘導電極を複数個
に分割することで、イオン発生用孔内の領域で電界の強
さを調節することが出来る。例えば、放電の劣化への影
響が大きい、イオン発生電極と誘電体表面の接合部付近
の電界を強くすることなく、帯電電流に寄与するイオン
発生用孔中央部の電界を強くすることが出来る。このこ
とにより、帯電電流量を減らすこと無く、イオン発生電
極近傍の放電を抑制することができ、イオン発生器の安
定性と立ち上がり特性を改善することができる。
【0082】また、上述のように中央部の放電を強くで
きるので、イオン発生用孔中央部の温度が上昇しやすく
なり、交流電圧の印加後から帯電電流が飽和するまでの
時間が短くなる。
【0083】また、イオン発生用孔をある程度広くとる
ことにより、イオン発生用孔内の単位面積あたりの放電
電流量を減らし、電気的物性値の変化量を減らすことが
出来る。このことにより放電の安定性が劣化するまでの
時間を長くすることが出来る。
【0084】また、誘導電極の幅をイオン発生用孔の幅
よりも小さくすることで、イオン発生電極と誘導電極と
のオーバーラップが無くなり、イオン発生電極近傍の電
界を弱くすることが出来る。このことにより、イオン発
生電極近傍の放電を抑制し、イオン発生器の劣化を減少
させることが出来る。
【0085】以下に上記した実施例の概略を図面を参照
して詳細に説明する。
【0086】図7は、本発明の第5実施例に係るイオン
発生器を示している。図に示すように、誘電体211を
介して2つの電極212,213を設け、その2つの電
極間に交流電圧214を印加し、電極213に設けられ
たスリット状のイオン発生用孔215の誘電体表面で放
電を起こさせてイオンを発生させる。ここで電極212
を誘導電極と呼び、電極213をイオン発生電極と呼
ぶ。この例では、誘電層211の厚みを30μm、イオ
ン発生用孔215の幅は100μmに設定した。誘電層
211、誘導電極212およびイオン発生電極213は
厚膜印刷技術で形成する。
【0087】本実施例では誘導電極は3つに分割されて
おり、それぞれの電極の幅を50μm、電極の間隔を5
0μmとした。
【0088】図8は、本発明のイオン発生器210を用
いた帯電器の例である。電極216は放電領域とイオン
が帯電対象217へ移動する移動領域とを仕切る電極で
ある。電極216にはイオンを帯電対象217へ移動さ
せるための直流電圧218が印加されている。また、電
極216にはイオンが通過する通過孔219が設けられ
ている。通過孔219の直径は250μmである。ま
た、イオン発生電極213と電極216の間には、放電
領域で発生したイオンを通過孔219に導くために直流
電圧220が印加されている。
【0089】この実施例では交流電圧214として3.
0kVp−p、150kHz、直流電圧218として6
00V、直流電圧220として300Vが印加されてい
る。この実施例では正極性のイオンが移動し、帯電対象
217は直流電圧218と同じ電圧に帯電される。
【0090】この様に、誘導電極を分割し、各電極の幅
と電極間隔を変えることによって、イオン発生用孔での
電界分布を変えることができる。このようにして、イオ
ン発生用孔の中心部での電界強度は維持したまま、誘電
層とイオン発生電極の接合部付近の電界を弱くすること
により、イオン発生器の安定性を改善することができ
る。
【0091】以下に図9を参照して本発明の第6実施例
を説明する。この実施例では、イオン発生器の安定化の
ために、イオン発生用孔215の幅を広げている。本実
施例ではイオン発生用孔の幅を200μm、各誘導電極
の幅を50μm、分割された誘導電極の間隔を50μm
とした。取り出す帯電電流を一定にした場合、イオン発
生用孔を2倍に広げると放電による生成物による誘電層
表面の物性値変化量はほぼ2分の1になり、イオン発生
器を安定に使える期間が約2倍になった。
【0092】このようにして、イオン発生用孔の幅を広
げることにより、誘電層表面の物性値の変動を抑制する
ことができ、イオン発生器の安定性を改善することがで
きる。
【0093】以下に図10を参照して本発明の第7実施
例を説明する。この実施例では、イオン発生器の安定化
のために、誘導電極212を複数個に分割して、かつ、
誘導電極212とイオン発生電極213がオーバーラッ
プしないようにしている。誘導電極212とイオン発生
電極213は誘電層表面方向に20μm離れている。ま
た、各誘電電極の幅は50μmで、電極間隔は60μm
にし、イオン発生用孔の幅は200μmとした。
【0094】こうすることにより、イオン発生用孔中央
部の電界強度を維持しながらイオン発生電極付近の電界
を弱めることにより、イオン発生器の安定性を改善する
ことができる。
【0095】以下に本発明の第8実施例を説明する。
【0096】図15は、本発明の一成分現像器301と
記録媒体ドラム302との相対位置を示す模式図であ
る。現像ローラ303は、金属性の駆動軸304の回り
に設けた発砲性ゴムローラ305と、その上を被覆した
導電性樹脂層と抵抗性樹脂層306からなる。現像ロー
ラ端に設けた導電性ゴム(図示せず)で、導電性樹脂層
と駆動軸とを電気的に接続する。厚さ25umの記録媒
体を有する記録媒体ドラムと200umの距離307を
隔て現像ローラが存在する。現像器中の帯電ブレード3
08で、トナー被覆率kが1.0より小さい一層以下の
トナー層を、現像ローラに塗布する。現像ローラには、
直流バイアス電圧309を印加する。
【0097】つぎに図16を用い、金属ワイアに印加す
るバイアス電圧について説明する。現像領域310で
は、交互に異なるバイアス電圧311,312が印加さ
れた金属ワイア313,314が、現像ローラと平行に
設けてある。この金属ワイア間に生じた現像ローラと平
行の電界でトナーは現像ローラ上を移動すると、トナー
と現像ローラ間の接触面積の減少または現像ローラから
の剥離で水分などの物理付着力が減少する。その結果、
記録媒体と現像ローラとの静電潜像による電界のみで、
容易に記録媒体方向に移動する。この金属ワイアは数十
um径のタングステンワイアを使用する。
【0098】つぎに、このトナーに作用する静電力を図
18を用いて説明する。図17は、静電潜像の存在する
記録媒体と現像ローラおよび金属ワイア間の電位を示
す。記録媒体はプリチャージで表面電位315が−60
0Vになり、画像領域316は−600Vで静電コント
ラストが200Vとなっている。現像ローラは−550
Vの直流バイアス電圧317が印加され、現像ローラ上
の金属ワイア313,314には−280Vと−880
Vの直流電圧が与えられる。現像ローラと記録媒体の移
動にともない、現像ローラ上のトナーに現像ローラと記
録媒体間を往復運動させる電位318が作用する。
【0099】図18(a)は、表面電位−600Vの白
地領域のトナーの移動を示し、現像ローラ上に塗布され
たトナー319は−880Vに印加された剥離ワイア3
14の近傍に生じた強電界による電気力線320で水平
・垂直方向に移動し(矢印321)、記録媒体に達す
る。記録媒体上に達したトナーは、記録媒体の移動で−
280Vのバイアス電圧が印加された金属ワイア313
に達し、このワイアによる逆電界321で記録媒体から
現像ローラ方向に移動する(矢印322)。このように
現像ローラが移動するとトナーは現像ローラと記録媒体
間を往復運動し、現像が行われる。
【0100】図18(b)は、記録媒体上の表面電位が
−400Vの画像領域を示す。−880Vが印加された
金属ワイア314の強電界320で剥離したトナー31
9は、表面電位−400Vの記録媒体方向に移動する
(矢印321)。このように記録媒体に移動し付着した
トナー323は、−280Vの電圧が印加した金属ワイ
ア313で現像ローラ方向に力を受ける。しかし、その
電界は小さく物理付着力とトナー鏡像力でトナーは記録
媒体上に留まり現像が行われる。このように現像スリー
ブ上をワイアの電界で移動するトナーは物理付着力が減
少し、トナー粒径で決まる電荷力のみが作用する。この
剥離ワイアは数十umのタングステンまたは他の金属ワ
イアか、または数十umのステンレスのワイアを用いて
もよい。また、エポキシ樹脂など絶縁性または抵抗性樹
脂でコーティングしてもよい。
【0101】従来の非接触現像器の金属で構成された現
像ローラは、仕事関数(〜4eV)が比較的小さく2次
電子放出が容易で気圧の低い高所の乾燥した場所で、現
像ローラと記録媒体間で火花放電が発生し易かった。現
像ローラ表面を仕事関数〜8eV以上の2次電子放出率
が〜4以下で、体積低効率106 〜108 Ωcmのイオ
ン導電性フッ素樹脂を10〜100um被覆して用いる
と火花放電を防止できる。環境条件が悪く放電が発生し
た場合も、現像ローラの抵抗層に放電電荷が蓄積し、直
ちに放電が停止する。このように、トナーが記録媒体と
剥離ワイア間に作用する静電力のみで移動するようにな
ると図19に示す現像特性324となり、現像ローラ上
の粒径分布を有する全てのトナー325は電界のみで移
動し、画像濃度でトナー粒径が選別されることはない。
【0102】以下に第9実施例を説明する。
【0103】次に隣接する金属ワイアに異なる電圧を印
加した場合、トナーが効果的に現像ローラと記録媒体間
を往復運動する条件について図20を用いて説明する。
図20(a)、図20(b)は、ワイア間の間隔S(5
0um)が現像ローラと記録媒体間の距離d(100u
m)より小さい場合を示す。記録媒体上に静電潜像がな
く表面電位が−600Vの場合を図20(a)に示す。
異なる電圧が印加された現像ローラ上の金属ワイア31
3,314間で強電界が形成され、現像ローラから記録
媒体に達するトナーを移動させる電界は記録媒体に達す
ることはない。そのため、−880Vの電圧が印加され
た金属ワイア314の強電界で、現像ローラから飛翔し
たトナー319は記録媒体に達することなく、現像ロー
ラ上に戻る(326で示すトナー)。
【0104】図20(b)に示す記録媒体の表面電位が
−400Vである画像領域では、現像ローラから記録媒
体に達する一部の電気力線327でトナーの一部が記録
媒体に達するが、多くのトナー328は現像ローラ上に
戻り、画像濃度が低下する。図20(c)、図20
(d)は、金属ワイア間隔が150umで、現像ローラ
と記録媒体間の距離より大きい場合を示す。図20
(c)で示す白地領域では、バイアス電圧−880Vを
印加した金属ワイア314の強電界による電気力線32
9で、現像ローラ上のトナー319の多くが記録媒体に
達する。記録媒体上に達したトナー330は、金属ワイ
ア313に印加した−280Vの逆バイアス電圧で現像
ローラ上に戻り、白地領域にカブリが発生することはな
い。
【0105】一方、図20(d)の表面電位が−400
Vの画像領域では、−880Vの順方向バイアスを印加
した金属ワイア314の電界で、現像ローラ上のトナー
319が記録媒体に達する。−280Vの逆バイアスの
金属ワイア313による電界は小さく、記録媒体のトナ
ー331は現像ローラ上に戻ることはなく現像が終了す
る。このワイア間距離Sが現像ローラと記録媒体間距離
dより大きいと、効果的に電界がトナーに作用し現像が
可能になる。
【0106】以下に第10実施例を説明する。
【0107】つぎに、この金属ワイアと現像ローラを接
触させ、現像ローラ上のトナーを強制的に剥離する現像
方式について、図21を用いて説明する。図21(a)
は現像ローラに接した金属ワイア332で、現像スリー
ブ上のトナー333が機械的に剥離し、金属ワイアに与
えたバイアス電圧で記録媒体方向に移動する状態を示
す。金属ワイアの両端はスプリング(図示せず)などで
張力を与え、現像ローラとの接触を確実にする。現像ロ
ーラの抵抗性樹脂層と絶縁を取るため、金属ワイアにエ
ポキシ樹脂などの絶縁性または抵抗性樹脂を塗布する。
矢印334方向に移動する現像ローラ上では、トナー3
33が金属ワイア332と機械的に接触し、現像ローラ
上を移動する。このように移動するトナーは現像ローラ
との物理付着力が減少し、プリチャージによる−600
Vの白地領域の表面電位と金属ワイアの順方向バイアス
電圧で、容易に記録媒体に移動する。記録媒体上に移動
したトナー335は−280Vのバイアス電圧を印加し
た金属ワイア336近傍に来ると、記録媒体方向に逆飛
翔しカブリの発生を防止する。−400Vになった画像
領域では、現像ローラから飛翔したトナーは、第8実施
例と同様の振る舞いをし、現像が行われる。
【0108】図21(b)は、現像ローラに接した金属
ワイア332,333を超音波振動子(図示せず)など
で振動させ、現像ローラ上のトナー351を強制的に現
像ローラから剥離させる。剥離したトナーは現像ローラ
との物理付着力が減少し、金属ワイアに印加したバイア
ス電圧による電界で容易に記録媒体方向に移動できる。
−600Vの白地領域では金属ワイア332に与えた−
880Vのバイアス電圧で現像ローラ上のトナー333
が記録媒体上に移動し、隣接する金属ワイア336の−
280Vのバイアス電圧で記録媒体上のトナー335が
再び現像ローラ上に戻る。このクリーニング作用で地カ
ブリのない白地領域を形成できる。このとき、現像ロー
ラにはプリチャージによる表面電位に近い逆バイアス電
圧−580Vを与える。
【0109】一方、−400Vの画像領域では、順方向
のバイアス電圧−880Vと画像領域の−400Vの電
圧で、金属ワイアの超音波で現像ローラ上に剥離したト
ナーが記録媒体方向に移動する。金属ワイアの逆バイア
ス電圧−280Vと静電潜像の−400V間の逆電界が
小さいため、この記録媒体に移動したトナーが現像ロー
ラ上に戻ることなく、現像が終了する。以上の現像方式
により、低静電コントラストの現像と、微細トナーの物
理付着力も解放することで低い諧調領域で、木目の細か
い滑らかな画像が得られる。
【0110】以下に第11実施例を説明する。
【0111】つぎに図22を用い、現像ローラと剥離ワ
イアに印加するバイアス電圧の他の実施例について説明
する。図22(a)は、隣接する一方の金属ワイア31
4に現像ローラと同一の−550Vのバイアス電圧33
7を、他方の金属ワイア313に周波数2kHz,60
0Vppの交流電圧338を重畳して印加する。現像ロ
ーラ上のトナーは、粒径の大小に拘らず金属ワイア間の
交流強電界で現像ローラ上を移動し、トナーと現像ロー
ラ間の接触面積の減少などで両者間の物理付着力が小さ
くなり、記録媒体と現像ローラ間の静電力のみで現像が
可能になる。このように、粒径の大小で左右される物理
付着力が減少すると、粒径に依存しない現像が行われ、
低濃度画像が滑らかで木目の細かい現像が可能になる。
さらに、水分などによる環境に依存した物理付着力の減
少で、環境に安定な現像が可能になる。以上の金属ワイ
アには交流バイアスが印加されており、ワイアにトナー
が付着することを防止する。
【0112】図22(b)は、現像ローラと一方の金属
ワイア314には周波数2kHz,−880Vppの交
流電圧339と−550Vの直流電圧340を重畳した
バイアス電圧を印加し、他の金属ワイア313には−2
80Vの直流バイアス341を印加する他の実施例であ
る。この金属ワイア間の直流バイアス電圧でトナーは現
像ローラ上を移動し、さらに直流バイアス電圧が重畳し
た交流バイアス電圧で、記録媒体と現像ローラ間をトナ
ーが往復運動し、環境に安定で低濃度領域できめの細か
い現像が行われる。
【0113】以下に第12実施例を説明する。
【0114】図23は第12実施例に係る現像器501
の模式図である。現像ローラ502は、金属ローラ50
3に絶縁体で絶縁された他の金属電極504が埋め込ま
れた構造である。この金属ローラに埋め込まれた電極
は、現像ローラのもう一端505で電気的に導通が取ら
れ、異なるバイアス電圧が印加できるようになってい
る。この現像ローラ502と他の電極504の表面は、
摩擦帯電でトナーに均一電荷を与えるように同一の金属
材質や金属酸化物または樹脂層で構成する。この現像ロ
ーラ502には、帯電ブレード506によりトナーに電
荷を与え、かつ現像ローラにトナーを塗布する。この現
像ローラ上の異なる電極には、プリチャージで記録媒体
に与える表面電位と等しい−600V程度の直流バイア
ス電圧507と、一方の電極にはトナーを記録媒体方向
に移動させる直流バイアス電圧508と、他電極には記
録媒体上のカブリトナーを現像ローラに引き戻す逆極性
のバイアス電圧509を与える。
【0115】図24は、本発明の記録装置による一成分
現像器501と記録媒体ドラム509との相対位置を示
す断面模式図である。厚さ25μmの記録媒体をする記
録媒体ドラム509と200μmの距離510を隔てて
現像ローラ502が存在する。現像器中の帯電ブレード
506でトナーが帯電され現像ローラ502に塗布され
て搬送される。現像ローラ502上の電極には、それぞ
れ異なるバイアス電圧が印加されている。
【0116】つぎに、このトナーに作用する静電力とト
ナー搬送の様子を図25を用いて説明する。図25
(a)は、記録媒体上の静電潜像と現像ローラ上の電極
電位との関係を示す。記録媒体上の非画像領域511に
はプリチャージで−600Vの表面電位512が与えら
れ、画像領域513では−400Vの表面電位514で
静電潜像が形成されている。静電潜像と電荷キャリアと
の干渉を防止し静電画点の拡大を無くすため、静電コン
トラストは200Vの低い値にしてある。現像ローラの
一方の電極515には、共通のバイアス電圧−550V
に重畳して現像ローラから記録媒体にトナー飛翔を容易
にする−300Vの直流バイアス電圧を印加し、−88
0Vの電圧を与える。
【0117】他の電極には、記録媒体上の非画像領域5
11上のカブリトナーを除去するため、現像ローラ方向
の電界を形成する+270Vの電圧を共通バイアス電圧
に重畳する。このとき、現像ローラと記録媒体が近接し
た現像領域で、記録媒体上の同一点を現像ローラ上の複
数の電極が交差するようにする。そのため、記録媒体の
移動速度v,現像領域をL,現像ローラ周速vr,現像
ローラ上の同一バイアスを印加する電極間の周期Lfと
の間に、 (L/v)>(Lf/vr) なる関係を与える。このようにすると、現像ローラと記
録媒体間をトナーが往復運動し、カブリの無い良好な画
像を得ることが出来る。A4の記録速度を10枚/分の
場合、現像領域が5mmでは記録媒体が、この現像領域
を通過する時間(L/v)は0.1secとなる。現像
ローラが記録媒体の2倍の周速で移動している場合、こ
の0.1secで現像領域を異なるバイアス電圧を印加
した一周期の現像ローラ上の電極が移動するには、電極
周期を10mm以下にする必要があり、電極が等ピッチ
の場合は電極間ピッチは5mm以下となる。
【0118】図25(b)は、画像領域513における
現像ローラ上のトナーの動きを示す。異なるバイアス電
圧が印加されている電極515,516では、両電極の
エッジ効果で電極間の絶縁膜517の近辺に多量の帯電
トナー518が現像ローラ上に固定され、搬送される。
この多層のトナーが記録媒体と接触しないためには、ト
ナー保持するエッジ効果による電界519が記録媒体に
達することの内容にする必要がある。そのためには、絶
縁層による電極間距離Ldが現像ローラと記録媒体間距
離dより小さいことが条件となる。
【0119】現像ローラ上のトナーを記録媒体方向に移
動させるバイアス電圧−880Vが印加された電極51
5上のトナー520および絶縁膜517近辺のトナー5
21は、バイアス電圧−880Vと画像電位−400V
との−480Vの大きい電位差で記録媒体方向に飛翔
し、現像が行われる。また、バイアス電圧−280Vを
印加された電極516上では、画像電位−400Vに対
し+120Vの小さい電位差で記録媒体上の現像トナー
522の多くは現像ローラに飛翔することなく記録媒体
上に保持される。一方、非画像領域ではバイアス電圧−
880Vが印加された現像ローラ上の電極515のトナ
ー523には、−600Vのプリチャージ電位とバイア
ス電圧−880Vの電位差で−280Vのトナー飛翔電
位が加わる。この小さい電位差ではトナー飛翔524は
少ない。また、このように記録媒体に飛翔したトナー5
25は、電極516に印加した−280Vのバイアス電
圧と−600Vの表面電位差による+320Vの逆電位
により現像ローラに引き戻され、カブリを生ずることは
ない。
【0120】以上のように、異なる電圧を印加した隣接
電極間の電界のエッジ効果で多量にトナーを搬送でき、
高速記録が可能になる。さらに、このようにエッジ効果
で電気的に固定されたトナーは物理付着力が少なく、現
像時にはエッジ効果の減少で静電力も解放され、静電潜
像とバイアス電圧による静電界のみで現像が可能にな
り、低い静電コントラストの静電潜像を現像できる。ま
た、現像ローラ上の電極に異なるバイアス電圧により、
トナーを現像する効果と記録媒体上の不要トナーをクリ
ーニングする効果を得ることができ、画質を向上でき
る。さらに、この現像ローラにトナーを供給するトナー
供給ローラを現像ローラと接してトナーホッパー内に設
けると、トナー供給量を安定して増加できる。このトナ
ー供給ローラは、金属繊維または金属酸化物および樹脂
層を設けた金属繊維を表面に設けると、さらに効果的に
トナー供給が可能になる。
【0121】以下に図26、図27を参照して、現像ロ
ーラと剥離ワイアに印加するバイアス電圧の他の実施例
を示す第12実施例を説明する。
【0122】図26は、現像ローラ502上の隣接する
電極526と527との間に異なるバイアス電圧を印加
できるようにした、隣接電極を交互に接続してある図で
ある。図27は、この交互に隣接する電極間にそれぞれ
異なる直流バイアスを印加した例であり、一方のバイア
ス電源528には現像ローラ502上のトナーを記録媒
体509方向に移動させる−880Vを、他方のバイア
ス電源529には記録媒体509上のカブリトナーを除
去するクリーニング効果を生ずるような−280Vを印
加してある。
【0123】図28(a)、図28(b)は、現像ロー
ラ502上の隣接する一方の電極526に、記録媒体上
のプリチャージ電位に近い−550Vのバイアス電圧5
30を、他方の電極527には周波数2kHz,600
Vppの交流電圧531を重畳して印加する例を示す図
である。現像ローラ上のトナーは、粒径の大小に拘らず
隣接する電極間の交流強電界で現像ローラ上を移動する
ことでトナーと現像ローラ間の接触面積が減少すると、
トナーと現像ローラとの物理付着力が小さくなり、直流
バイアス530で決まる記録媒体と現像ローラ間の静電
力で現像が可能になる。このように粒径の大小で、左右
される物理付着力が減少して粒径に依存しない現象が行
われ、低濃度領域で滑らかなキメの細かい画像が得られ
る。また、水分などの環境に依存する物理付着力減少
し、環境に安定な現像が可能になる。この隣接する電極
間には交流バイアスが印加されているため、電極間にト
ナーが付着することはなく、常に新しいトナーによって
現像が行われる。
【0124】以上、上記した第1乃至第12実施例によ
れば、高画質の画像を得ることができる。
【0125】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の静電記録
装置は、第1に、非磁性の粉体トナーを使用した非接触
の一成分現像方式に関し、トナー搬送ローラで搬送され
てきた粒径の異なるトナーを機械的または電気的に搬送
ローラから剥離し、環境で変動するトナーと搬送ローラ
との物理的付着力を除き、トナーが電気力のみで現像に
寄与するようにして現像の安定化を図ることができる。
【0126】同時に、静電コントラストに拘らず、全て
のトナー粒径が現像に寄与でき、低濃度領域の画像も滑
らかできめの細かい現像が可能となる。また、200V
以下の低静電コントラスト現像を可能にする高いガンマ
特性で現像が行え、感光体中の光キャリアと静電潜像の
相互干渉による画点広がりを防止することができる。
【0127】このように、静電潜像電位が小さくなると
感光体と現像器に印加するバイアス電圧も減少し、気圧
が低い高所で現像器と感光体間の放電を防止でき、安定
した現像が可能になる。また、低い静電コントラストの
画像形成が可能になったことで、オゾン発生量の少ない
ローラ帯電や接触帯電が安定して使用できるようにな
り、オフィス環境の向上が図れる。同様の手段は、イオ
ンを画点ごとに制御し、絶縁性記録媒体上に直接静電潜
像を形成する高速記録のイオンデポジションにも使用で
き、静電潜像とイオンビームの干渉を減少した画質向上
が図れる。
【0128】第2に、本発明の静電記録装置は、イオン
発生用孔に対する領域にある第1の電極である誘導電極
を複数個に分割することで、イオン発生用孔内の領域で
電界の強さを調節することが出来る。これによって、放
電の劣化への影響が大きい、イオン発生電極と誘電体表
面の接合部付近の放電を強くすることなく、帯電電流に
寄与するイオン発生用孔中央部の放電を強くすることが
出来る。したがって、イオン発生器の安定性を改善する
ことができる。
【0129】また、イオン発生用孔をある程度広くとる
ことにより、イオン発生用孔内の単位面積あたりの放電
電流量を減らし、電気的物性値の変化量を減らすことが
出来る。これより、放電の安定性が劣化するまでの時間
を長くすることが出来る。
【0130】また、上述のように中央部の放電を強くで
きるので、イオン発生用孔中央部の温度が上昇しやすく
なり、交流電圧の印加後から帯電電流が飽和するまでの
時間が短くなる。
【0131】また、誘導電極とイオン発生電極のオーバ
ーラップを無くすことにより、イオン発生用孔中央部の
電界強度を維持したまま、イオン発生電極付近の電界を
弱めることができ、イオン発生器の安定性を改善するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像器の構成図で、(a)は現像器と
感光体との断面模式図であり、(b)は本発明の現像器
の斜視図である。
【図2】(a)はトナー搬送ローラ上の剥離ワイアとト
ナー剥離図であり、(b)、(c)は本発明の現像器に
よる現像特性図である。
【図3】現像ローラ上の剥離ワイヤの作用図で、(a)
はトナー搬送ローラと現像バイアスの印加図であり、
(b)は剥離ワイアの動作図である。
【図4】静電コントラストによる感光体中の光キャリア
軌道図で、(a)は静電コントラスト400V以上の光
キャリア軌道図であり、(b)は静電コントラスト20
0V以下の光キャリア軌道図である。
【図5】現像器へのバイアス印加方法を示す図である。
【図6】従来の非接触現像器の図である。
【図7】本発明の第5実施例を説明する図である。
【図8】本発明のイオン発生器の使われ方を示す図であ
る。
【図9】本発明の第6実施例を示す図である。
【図10】本発明の第7実施例を示す図である。
【図11】従来のイオン発生器の使われ方を示す図であ
る。
【図12】従来のイオン発生器の構造を示す図である。
【図13】イオン発生量が時間とともに減衰するようす
を示す図である。
【図14】イオン発生に関する立ち上がり特性を従来と
比較して説明するための図である。
【図15】本発明の第8実施例の現像器の構成図であ
る。
【図16】現像器と記録媒体の断面模式図である。
【図17】静電潜像の存在する記録媒体と現像ローラ及
び金属ワイヤ間の電位を示す図である。
【図18】現像ローラと記録媒体間の電位と電気力線に
よるトナー移動図である。
【図19】現像特性図である。
【図20】金属ワイア間距離が小さい場合及び大きい場
合の電気力線の図である。
【図21】現像ローラ上のトナーを機械的に剥離する作
用図である。
【図22】現像器へのバイアス印加方法を示す図であ
る。
【図23】現像器の構成を示す模式図である。
【図24】一成分現像器と記録媒体ドラムとの相対位置
を示す断面模式図である。
【図25】トナーに作用する静電力とトナー搬送の様子
を示す図である。
【図26】現像ローラ上の隣接する電極ととの間に異な
るバイアス電圧を印加できるようにした隣接電極を交互
に接続した図である。
【図27】交互に隣接する電極間にそれぞれ異なる直流
バイアスを印加した例を示す図である。
【図28】現像ローラ502上の隣接する一方の電極と
他方の電極にそれぞれ特定のバイアス電圧と交流電圧を
印加する例を示す図である。
【図29】従来の接触一成分現像器の構成を示す図であ
る。
【図30】現像ローラ上に設けられた分離した誘電体の
構造を示す図である。
【図31】図29に示す現像器を使用した場合の現像動
作を説明するための図である。
【符号の説明】
1…現像器、3…トナー搬送ローラ、12…剥離ワイ
ア、13…直流バイアス電圧、14…交流バイアス電
圧、15…剥離トナー、26…現像特性、31,34…
電気力線、210…イオン発生器、211…誘電体、2
12…誘導電極、213…イオン発生電極、214…交
流電圧、215…スリット、216…電極、217…帯
電対象、218…直流電圧、219…通過孔、220…
直流電圧、251…帯電器、252…感光体、261…
誘導電極、262…イオン発生電極、263…イオン発
生用孔。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体を帯電手段によって一様に帯電
    した後、帯電された記録媒体に静電潜像を形成し、非磁
    性一成分現像手段によって現像を行ない記録画像を形成
    する静電記録装置において、 上記非磁性一成分現像手段が、トナーをトナー搬送ロー
    ラに塗布する手段と、 塗布されたトナーをトナー搬送ローラから機械的に剥離
    する剥離現像手段と、を具備することを特徴とする静電
    記録装置。
  2. 【請求項2】 上記剥離現像手段に直流バイアス電圧、
    又は交番電圧を重畳した直流バイアス電圧を印加するこ
    とを特徴とする請求項1記載の静電記録装置。
  3. 【請求項3】 記録媒体を帯電手段によって一様に帯電
    した後、帯電された記録媒体に静電潜像を形成し、現像
    手段によって現像を行ない記録画像を形成する静電記録
    装置において、 上記帯電手段が、誘電層と、この誘電層を挟んで設けら
    れた誘電電極としての第1の電極及びイオン発生用孔を
    有する第2の電極とを具備し、第1の電極をイオン発生
    用孔に対する領域で複数個に分割するとともに、分割さ
    れた電極と電極の間隔が誘電層の厚み以上となるように
    構成したことを特徴とする静電記録装置。
  4. 【請求項4】 上記第1の電極の幅がイオン発生用孔の
    幅よりも狭いことを特徴とする請求項3記載の静電記録
    装置。
  5. 【請求項5】 記録媒体を一様に帯電する帯電手段と、 帯電された記録媒体に静電潜像を形成する静電潜像形成
    手段と、 静電潜像が形成された記録媒体に対して現像を行ない記
    録画像を形成する現像手段とを具備し、 この現像手段が、前記記録媒体に平行な電界を発生する
    電界発生手段を含むことを特徴とする静電記録装置。
  6. 【請求項6】 前記現像手段が現像ローラを含み、前記
    電界発生手段がこの現像ローラと前記記録媒体間に設け
    られた複数の電極と、この複数の電極に異なる直流電圧
    または異なる交番電圧を印加する電圧印加手段とを有す
    ることを特徴とする請求項5記載の静電記録装置。
  7. 【請求項7】 前記電界発生手段が、導電性現像ローラ
    表面を形成する第1電極及びこの現像ローラ表面に絶縁
    体を介して埋め込まれた第2電極と、両電極間に異なる
    バイアス電圧を印加する電圧印加手段を含むことを特徴
    とする請求項5記載の静電記録装置。
JP5351167A 1993-03-12 1993-12-28 静電記録装置 Pending JPH07140768A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010262174A (ja) * 2009-05-08 2010-11-18 Ricoh Co Ltd 現像剤担持体、現像装置、及び画像形成装置

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