JPH07135396A - 電子機器の冷却装置 - Google Patents

電子機器の冷却装置

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JPH07135396A
JPH07135396A JP5279404A JP27940493A JPH07135396A JP H07135396 A JPH07135396 A JP H07135396A JP 5279404 A JP5279404 A JP 5279404A JP 27940493 A JP27940493 A JP 27940493A JP H07135396 A JPH07135396 A JP H07135396A
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JP
Japan
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cooling
printed circuit
common
pin
heat
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Withdrawn
Application number
JP5279404A
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English (en)
Inventor
Nobuyoshi Takagi
悦義 高木
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Asia Electronics Co
Original Assignee
Asia Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 間接液冷により複数基板の同時・均一冷却、
低価格化を実現する。 【構成】 放射状配列のプリント基板12の配列に沿っ
て冷却液体を流す環状の内外共通路14、16を設け
る。各基板12の両端に内外ピン4、6を立設する。そ
の内外ピン4、6は、その先端が係止部4a、6aとな
り、基端が内外共通路14、16と連結されて共通路に
流れる冷却液体の冷熱が伝導する。各プリント基板12
には予め放熱板1が取り付けられている。放熱板1は、
ピン先端の係止部4a、6aに面接触で係止される断面
C字形の被係止部1aを両端に有し、中間にプリント基
板12上に実装された複数の発熱体2と熱的に共通接触
している。各基板12の両端に立設されるピン4、6の
各係止部4a、6aに放熱板1両端の各被係止部1aを
係止する。各ピン4、6から放熱板1を介して各プリン
ト基板12に実装された発熱体2に冷熱を伝達して発熱
体を間接的に冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体を用いた電子機器の
冷却装置に係り、特に不活性液体を用いてプリント基板
を液冷するのに好適な冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器、例えばICテスタのテストヘ
ッドのある種のものでは、小型化のためにプリント基板
が放射状に配列されている。このように放射状配列のプ
リント基板を冷却するものとして、本発明者は、先に間
接水冷方式を採用した放射状配列基板の冷却装置を提案
した(特願平4−261136号明細書)。
【0003】これは、ベースを金属とした金属ベース基
板を採用するとともに、冷却水を流した内筒及び外筒間
にこの金属ベース基板を放射状に配列支持させて、内外
筒に流れる冷却水により冷却された基板の金属ベースを
通じて、基板上の発熱体を間接冷却するようにしたもの
である。これによれば、省スペース化を図りながら、騒
音や環境を悪化させることなく冷却能力を高めることが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、金属ベース基
板には、金属ベースの存在により多層化は6層が限度
である、スルーホールの形成が困難であるため両面実
装ができない、許容電力に限界がある、インピーダ
ンスを所望値に設定できない、等の金属ベース基板固有
の問題がある。このため、金属ベース基板を使う限り、
益々大容量化する電子機器の冷却に十分に対処できない
という欠点があった。
【0005】また、冷却性能が十分でないと発熱体間で
温度差が形成されて信号のタイミングが乱れる等、装置
性能に問題が生じる。従来は、この温度差による特性の
差異を是正するため、設計段階で、そのようなばらつき
を前提としたタイミング調整装置、例えばトリマなどを
用意し、特性が揃うように組立て後トリマ調整を行なう
必要があり、これが作業性を低下させる原因となってい
た。
【0006】さらに、冷却水を流した内筒及び外筒間に
金属ベース基板を点ないし線接触で支持していたので、
内筒または外筒と金属ベース基板との熱伝導性が悪く、
有効な冷却ができなかった。
【0007】本発明の目的は、液体を用いた間接冷却方
式において金属ベース基板を使う代りに通常のプリント
基板を使うことを前提とし、上述した従来技術の欠点を
解消して、液冷による複数基板の同時冷却、均一冷却、
及び低価格化を実現することが可能な電子機器の冷却装
置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、複数のプ
リント基板の配列に沿って設けられ該プリント基板を冷
却するための冷却液体を流す共通路と、前記各基板の両
端位置に立設され、前記共通路と連結されて共通路に流
れる冷却液体の冷熱を伝達するピンと、前記ピンに面接
触で係止される被係止部を両端に有し、中間に前記プリ
ント基板上に実装された複数の発熱体と熱的に共通接触
する放熱板とから構成され、前記各基板の両端位置に立
設されるピンに前記放熱板両端の各被係止部をそれぞれ
係止して、前記各ピンから放熱板を介して各プリント基
板に実装された発熱体に冷熱を伝達して発熱体を間接的
に冷却するようにしたものである。
【0009】第2の発明は、複数のプリント基板の配列
に沿って設けられる該プリント基板を冷却するための冷
却液体を流す共通路と、前記各基板の一端位置に立設さ
れ、前記共通路と連結されて共通路に流れる冷却液体の
冷熱を伝達するピンと、前記ピンに面接触で係止される
被係止部を一端に有し、他端に前記プリント基板上に実
装された複数の発熱体と熱的に共通接触する放熱板とか
ら構成され、前記各基板の一端位置に立設されるピンに
前記放熱板一端の各被係止部をそれぞれ係止して、前記
各ピンから放熱板を介して各プリント基板に実装された
発熱体に冷熱を伝達して発熱体を間接的に冷却するよう
にしたものである。
【0010】第3の発明は、第2の発明において、前記
一枚のプリント基板に対応する放熱板が熱的に分離され
た複数の放熱板からなり、各放熱板が各発熱体に個別に
熱的に接触するようになっているものである。
【0011】第4の発明は、第1ないし第3の発明にお
いて、前記放熱板と基板との間に平たい袋状のヒートシ
ンクを介在せさたものである。
【0012】第5の発明は、第1ないし第4の発明にお
いて、前記放熱板が予め前記プリント基板に取り付けら
れているものである。
【0013】第6の発明は、第1ないし第5の発明にお
いて、前記放熱板の被係止部が筒状で一部が切れている
断面C字状をしており、前記断面C字状の被係止部が縮
径方向にバネ性をもっているものである。
【0014】第7の発明は、第1ないし第6の発明にお
いて、前記ピンが、それに前記放熱板の被係止部を係止
することにより、前記プリント基板が所定位置に配列さ
れるようにガイドレールを兼ねているものである。
【0015】第8の発明は、第1ないし第7の発明にお
いて、前記共通路が、流入する冷却液体が流れる入口共
通路と、流出する冷却液体が流れる出口共通路とに分離
された構造となっており、前記ピンの構造が液体の往路
と復路とを有した2重管構造となっており、ピンの往路
を入口共通路に連結し復路を出口共通路に連結して、入
口共通路を流れる冷却液体をピンの往路に導き、ピンの
復路を経て出口共通路に流すようにしたものである。
【0016】第9の発明は、第1ないし第8の発明にお
いて、前記放熱板の形状が、端部の幅が広く、端部から
離れるにしたがって幅が狭くなっているものである。
【0017】第10の発明は、第1ないし第9の発明に
おいて、前記放熱板の断面形状が、接触面は平だが厚さ
が異なり、端部の厚さが厚く、端部から離れるにしたが
って厚さが薄くなっているものである。
【0018】第11の発明は、第1ないし第10の発明
において、前記プリント基板が表裏に部品を実装した両
面実装型基板であり、前記放熱板が表裏一対で設けられ
ているものである。
【0019】第12の発明は、第1ないし第11の発明
において、前記プリント基板が放射状に配列されている
ものである。
【0020】
【作用】第1の発明では、冷却液体の流れる共通路と連
結されたピンの係止部に、放熱板の両端に設けた被係止
部を係止するという簡単な構成により、プリント基板の
両側から基板に実装した発熱体を間接冷却することがで
きる。
【0021】放熱板の被係止部がピンの係止部に面接触
するので、点接触や線接触するものに比して、熱伝導性
に優れ、発熱体の有効冷却が図れる。
【0022】放熱板は各基板上の各発熱体と熱的に共通
接触しているので、同時に複数の発熱体さらには複数の
基板を冷却することができる。
【0023】第2の発明では、共通路と連結されたピン
の係止部に、放熱板の一端に設けた被係止部を係止する
というより簡単な構成により、プリント基板の片側から
基板に実装した発熱体を間接冷却することができる。
【0024】第3の発明では、互に分離されている放熱
板が各発熱体に個別に接触するので、発熱体の発熱量に
応じた冷却ができる。
【0025】第4の発明では、放熱板と基板との間に平
たい袋状のヒートシンクを介在せさたので、より一層冷
却効果を高め、均一化が図れる。
【0026】第5の発明では、予め放熱板をプリント基
板に取り付けておくので、ワンタッチで基板をピンに取
り付けることができる。
【0027】第6の発明では、放熱板の被係止部がピン
にバネ圧で密着性よく係止されるので、発熱体の冷却が
より向上する。
【0028】第7の発明では、ピンがプリント基板のガ
イドレールを兼ねているので、ピンに放熱板の被係止部
を係止するだけで、所定位置に基板を配列することがで
きる。
【0029】第8の発明では、ピンを2重管構造として
共通路に流れる冷却液体をピンに流入させるようにした
ので、ピンと放熱板間の熱伝達が良好に行なわれ、発熱
体の冷却がより一層向上する。
【0030】第9の発明では、放熱板の形状が、端部の
幅が広く端部から離れるにしたがって幅が狭くなる形を
しているので、幅が一定の放熱板に比して、基板上にお
ける均一冷却化が図れる。
【0031】第10の発明では、放熱板が、端部が厚く
端部から離れるにしたがって厚さが薄くなる形をしてい
るので、厚さが一定の放熱板ものに比して、基板上にお
ける均一冷却化が図れる。
【0032】第11の発明では、両面実装型基板に対し
て放熱板が表裏一対で設けられているので、プリント基
板を両面から同時に冷却することができる。
【0033】第12の発明では、放射状配列のプリント
基板に適用しているので、狭いスペースでより多くのプ
リント基板を均一冷却できる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。なお、プリント基板の配列の仕方には主に平行配列
と放射状配列とがあるが、本実施例は放射状配列をした
テストヘッドについて述べる。
【0035】第1実施例 図14は放射状配列のプリント基板をもつテストヘッド
の冷却装置を示す。テストヘッドの外郭を構成するケー
シング11内の底部には、マザーボード19が設けられ
る。このマザーボード19上に多数のプリント基板12
が放射状に配列される。ここに配列されるプリント基板
12は金属ベース基板に比べて制約の少ない通常の多層
基板で構成され、その両面にはICなどが多数実装され
ている。
【0036】放射状配列されたプリント基板12の内周
近傍のボード19上には冷却液体の流れる内共通路14
が環状に設けられる。またプリント基板12の外周近傍
のボード19上にも冷却液体の流れる外共通路16が環
状に設けられる。プリント基板12に対する放射冷却を
考慮すると、内共通路14、外共通路16の材質は、共
に熱放散性の高い金属、例えば銅が好適である。
【0037】内共通路14、外共通路16はそれぞれ冷
却液体を循環させる内外循環路の一部を構成する。内循
環路は、ケーシング11の中に設けられた内共通路1
4、ケーシング11の外に設けられた熱交換器20、循
環ポンプ21、送りホース17a、リターンホース17
bから構成される。同様に外循環路は、ケーシング内の
外共通路16、ケーシング11外の熱交換器20、循環
ポンプ22、送りホース18a、リターンホース18b
から構成される。
【0038】熱交換器20から循環ポンプ21、22で
冷却液体を送りホース17a、18aに送り出し、内共
通路14、外共通路16に供給してそれぞれ一巡させた
後、リターンホース17b、18bを経て熱交換器20
に戻し、ここで再冷却した後、再び送り出して循環路を
循環させる。この冷却液体の循環によりプリント基板1
2を冷却するようになっている。冷却液体としては、不
活性液体、例えば代替フロンであるパーフロロカーボン
等が適当である。
【0039】図1および図2に、プリント基板12に放
熱板1を取り付けて、上記冷却液体の循環によりプリン
ト基板12を冷却する具体的構成を示す。前述したよう
に、放射状配列のプリント基板12のボード19上の内
周に沿って内共通路14が、外周に沿って外共通路16
がそれぞれ環状に配設されている。
【0040】これら内外共通路14、16上にあって、
放射状配列される複数のプリント基板12の両端対応位
置に、中実の内ピン4、外ピン6がそれぞれ立設されて
いる。内外ピン4、6の基端は内外共通路14、16と
に連結され、その先端は係止部4a、6aとなってい
る。上記連結は着脱自在とすることが好ましい。内外ピ
ン4、6の立設位置は、このピンがガイドレールとなっ
て、プリント基板12がボード19上の所定位置に配列
される位置が好ましい。
【0041】ボード19上の所定位置に配列されるプリ
ント基板12の両面には前述したようにIC等の多数の
発熱体が実装される。発熱体の中でも、例えばLSIや
HIC(ハイブリッドIC)のように特に消費電力が大
きい発熱体2は、自然冷却では動作条件を満たすことが
できないため、強制冷却が必要となる。このような強制
冷却を必要とする所定の発熱体2は、図示例では基板1
2上に斜めの弧状配列となるように実装されている。
【0042】この弧状配列された発熱体2をプリント基
板12毎に一体冷却するために放熱板1が用意される。
放熱板1は、発熱体2の配列に沿うように基板12を斜
めに横切って基板両端部に張り出す長さをもつ1枚の帯
状板で構成される。基板から張り出す放熱板1の両端部
には、前述した内外ピン先端部の係止部4a、6aに面
接触で係止される被係止部1a、1aが設けられる。こ
の被係止部1aは、筒状で一部が切れている断面C字状
をしており、縮径方向にバネ性をもたせてある。放熱板
1は幅、厚さが一定で、材質は熱伝導性の良好な銅やア
ルミニウムなどが好ましい。
【0043】この1枚の板状の放熱板1を予めプリント
基板12毎にビス5等で止め、発熱体2上に共通に密着
固定した状態でプリント基板12に取り付けておく。放
熱板1と発熱体2との間には、密着性を良くして熱伝導
性を良好とするためにシリコングリース、や弾力性があ
り熱伝導性の良好なフィルム状の伝熱シートなどの介在
物を介在させるとよい。また弾力性をもたせることによ
り発熱体2間の段差を吸収し、平らな放熱板1でも各発
熱体2に均一に密着できるようにすることが好ましい。
【0044】なお、放熱板1は基板上を斜めに取り付け
られるので、図2にも示すように、これに合せて内ピン
4の高さは外ピン6よりも低くしてある。また、内ピン
4の径が外ピン6の径よりも小さいのは、外ピンが配列
される外周部よりも内ピンが配列される内周部のスペー
スが小さいためである。また、内共通路14と外共通路
16との内部は、inから流入する冷却液体が流れる入
口共通路14a,16aと、OUTから流出する冷却液
体が流れる出口共通路14b,16bとに共通路を区分
するために仕切板9で仕切ってある。
【0045】放熱板1の表面積や厚さ、材質は、放熱板
1を付けて液冷したときの温度特性を予めとっておき、
これらから決定する。放熱板1は、単なるフラット板で
構成してもよいが、放熱面積を高めるために縦方向ある
いは横方向等に溝を設けたフィンとしてもよい。
【0046】このような放熱板1は図3に示すように、
裏面にも同様に取り付けられる。したがって、プリント
基板12に設けられた発熱体2上に重ねられた表裏の放
熱板1、1の両端部に上記C字状となる被係止部1aを
取り付ける。この被係止部1aを、図1、図3に示すよ
うに内外ピン4、6の係止部4a、6aに係止固定して
プリント基板12を支持する。被係止部1aは前述した
ようにバネ性を持っているので、係止部4a、6aとの
間で密着接続される。これによりプリント基板12は、
内外ピン4、6間に確実に固定されることになる。
【0047】この係止固定により放熱板1と内外ピン
4、6とは熱的、機械的に連結され、内外共通路14、
16を流れる冷却液体の冷熱が内外ピン4、6を通って
放熱板1に伝達され、放熱板1を介して間接的に発熱体
2に伝達されることになる。
【0048】このように発熱体2上に放熱板1を重ねそ
の両端部を、冷却液体が循環する内共通路14及び外共
通路15に内外ピン4、6を介して面的に係止するよう
にしたので、係止部における熱伝達が円滑になり、複数
の発熱体2の冷却効果を一度に高めることができる。ま
た、列状配列された各発熱体2に放熱板1を個別に取り
付けるのではなく、一括して取り付けることができるの
で、取り付けが容易である。また、良好な熱伝導部材に
より発熱体間が連結されるので、基板配置により生じる
冷却温度差もある程度解消することができる。それによ
り発熱体に要求される特性合わせのためのトリマ調整作
業が不要となるか、簡単になる。
【0049】また、プリント基板に通常の多層基板を用
いているので、金属ベース基板よりも高多層化が可能
で、両面実装とすることもでき、遥かに大きな電力を許
容できるため、テストヘッドの大容量化に容易に対処で
きる。因みに、本実施例によれば、インピーダンス50
Ω、両面実装、8層構造からなる複数枚のプリント基板
の総合発熱量を、1枚の放熱板で250Wまで許容でき
る。
【0050】また、内共通路14および外共通路16に
冷却液体を循環ポンプ21、22より流すと、内外ピン
4、6の間に支持された放熱板1の端部を介して放熱板
1が両端から直接冷却されるので、放熱板1に密着した
発熱体2を有効に冷却することができる。また、密閉系
中に組み込まれた循環ポンプ21、22により冷却液体
を循環させているので作動音が極めて静穏であり、開放
系であるブロアやファンによる環境問題をもたらす騒音
を無くすことができ、快適環境を作ることができる。
【0051】また、予め放熱板をプリント基板に取り付
けておけば、ピンを共通路に連結し、連結したピンの係
止部に放熱板の被係止部を係止するだけで組立てを終わ
らせることができるので、組立て作業が容易である。
【0052】第2実施例 ところで、限られたケーシング内でプリント基板を放射
状配列する場合、内周部(中心部)に冷却液体を流す内
共通路のスペースを確保できない場合がある。図4に示
す第2実施例はこのような場合に有効なものである。
【0053】図1の第1実施例と異なる点は、内共通路
を廃して外共通路16のみとし、この外共通路16に外
ピン6を立設して、その外ピン6に片持ち支持的に放熱
板1を係止するようにした点である。
【0054】具体的には、共通路16は放射状配列のプ
リント基板12の外周に沿ってだけ設けるようにしてあ
り、その外共通路16上に、面接触のための係止部6a
を形成したピン6を立設してある。
【0055】したがって、このピン6の係止部6aに係
止される被係止部1aは放熱板1の一端側のみに形成さ
れ、放熱板1はピン6に片持ち支持されるような恰好に
なる。また、第1実施例のような1枚の細い帯状の放熱
板1では、弧状配列された基板上の全ての発熱体2と有
効に接触させることはできない。そのために、立設した
ピン6から、各発熱体2にそれぞれ水平に腕を延ばすよ
うに、複数に分離した帯状放熱板41によって、対応し
た発熱体2と個別、かつ熱的に接触するようにしてあ
る。
【0056】ここで、ピンの長さ方向に沿って互に分離
された放熱板41が並ぶことになるため、共通路16か
ら遠いものほど冷却効果が落ちることが懸念される。し
かし、実験によれば、同一幅、同一厚の場合、冷却効果
は共通路からの距離の影響を余り受けない。したがっ
て、分離した放熱板41であっても各発熱体2を有効に
冷却できる。また各放熱板41は互に分離しているの
で、その幅、厚みを変えることによって発熱体2の発熱
量に応じた冷却もできる。
【0057】また、テストヘッドの場合、通常、ケーシ
ングの中央に上下を貫通する顕微鏡挿通用孔を区画形成
するための内筒が立設されているものが多いが、そのよ
うな場合、中心部のスペースの確保が困難であるため、
本実施例は特に有効である。
【0058】なお、図5に示すように放熱板1は必ずし
も分離せず一体化して矩形状の一体放熱板51としても
良い。この場合には、発熱体間の温度差が一枚の放熱板
により吸収されるため、基板上における均一冷却化が向
上する。
【0059】第3実施例 第3実施例は、放熱板と基板との間にヒートパイプを介
在させることにより、基板上における均一冷却化の一層
の向上をはかったものである。なお、放熱板の構造は第
1実施例と同じである。
【0060】図6に示すように、放熱板1とプリント基
板12との間に、少なくとも冷却を必要とする発熱体の
全てを覆うことができる面積をもった平たい袋状のヒー
トシンク3を介在せさる。この平たい袋状のヒートシン
ク3は、一般的にはリキッドヒートシンクと呼ばれてい
る。不活性液体のパーフロロカーボンを多層フィルムに
封じ込めたものであり、液体の自然対流によって熱を片
面から別な片面へと伝える。具体的な商品名を挙げれ
ば、例えば住友スリーエム(株)製の商品名フロリナー
ト等がある。
【0061】プリント基板12にこのヒートシンク3を
載せて接触させ、その上に放熱板1を載せれば、発熱体
3の熱を放熱板1に効率よく伝えることができ、より一
層均一冷却を実現することができる。なお、放熱板1を
ヒートパイプで構成すれば更に冷却効果を向上させるこ
とができる。
【0062】またヒートパイプ3を介在させることによ
り、第1実施例で述べた介在物が不要となり、また発熱
体間の段差が有効に吸収でき、各発熱体に対して均一密
着が可能となる。また、放熱板の下に位置しない他の放
熱体も冷却できる。
【0063】放熱板の変形例 上述した実施例では、放熱板の形状は幅、厚さが一定の
ものを例示したが、本発明はこれに限らない。実験では
ピンに近いほど幅、厚さを大きくした方がよい結果が出
ている。例えば、図7に示すように、放熱板の両端を係
止するものにあっては、中央部が狭く両端にいくにした
がって幅広になる蝶ネクタイ状(a)、中間部がプリン
ト基板をその外側端上方から内側端下方に向けて斜に横
切り、係止部における接触面積を増加させるために両端
部の係止部を含めた全体形状が逆N字形になっているも
の(b)、発熱体との接触面側は平だが、厚さが異な
り、中央部が薄く両端にいくにしたがって厚くなる双子
山形をしているもの(c)等である。なお、放熱板の一
端のみを係止するものにあっては、図の半分の形状とな
る。
【0064】図8に、放熱板の形状、及び第1実施例〜
第3実施例の比較結果を示す。縦軸は温度変化ΔTを表
す。図中、a.は同一幅、同一厚の帯状放熱板を使用し
た第1実施例、b.は第1実施例における帯状放熱板を
蝶ネクタイ形に変更した例、c.は第2実施例、d.は
第3実施例によるものである。
【0065】共通路とピン構造の変形例 上記各実施例では、いずれも放熱板両端の位置関係から
内ピンと外ピンとの高さを変えるようにしたが、図9に
示すように、放熱板両端位置に合せて外共通路16を内
共通路14よりも高い位置に設定することにより、内ピ
ン4と外ピン6との高さを同一とし、かつ共に低くする
ようにすることもできる。これによれば、ピン長が短く
なる分、途中の熱放散が少なくなり、放熱板への伝熱効
率を高めることができる。
【0066】また、図10、図11に示すように、内外
ピン4,6を2重管構造としてもよい。すなわち内外ピ
ン4,6を、内側に液体の往路7を外側に復路8を有し
た2重管構造とする。これに応じて内外共通路14,1
6の構造も変更する。内入口共通路14aと内出口共通
路14bとを上下に分離した2段構造とし、同じく外入
口共通路16aと外出口共通路16bとを上下に分離し
た2段構造とする。入口共通路14a,16aは下段側
に配置する。そして、ピン4,6の内側往路7を下段の
入口共通路14a,16aにそれぞれ連結し、外側復路
8を出口共通路14b,16bにそれぞれ連結する。
【0067】入口共通路14a,16aは出口共通路1
4b,16bと分離されて行止まりとなっているので、
入口共通路14a,16a内にそれぞれ流れる冷却液体
は、ピン以外に出口がない。このため冷却液体はピン
4,6の往路7に導かれてピン内に入り、復路8を経て
ピンから出口共通路14b,16bに排出される。この
ようにピンを中空にして共通路を流れる冷却液体をピン
内に流すようにすると、中実のピンと比較して冷却効果
をより高めることができる。
【0068】また、図12、図13に示すように、内外
共通路を多数のブロック24,26にそれぞれ分割して
不連続とし、これらをU字管23で連結していって環状
とする。隣り合うブロック間には所定の隙間を形成し、
その隙間に放熱板1の端部に形成した被係止部1aを挿
入係止する。被係止部1aはC字状を横に連続したよう
な波状の接触子で構成し、ブロックと等価的に面接触と
なるように波が少なくとも2個連続して形成されるよう
にする。このようにすると、放熱板1の被係止部1aが
冷却液体の流れるブロックに直接接触するので、冷却効
果を高めることができる。
【0069】その他の実施例 なお、上記実施例ではいずれもプリント基板を放射状配
列にした場合について説明したが、本発明は平行配列の
ものにも適用できることは勿論である。また、放熱板に
被係止部を設け、ピンに係止部を設けた場合について説
明したが、係止部と被係止部との位置関係を逆にしても
良い。また、電子機器はテストヘッドに限定されず、広
くプリント基板を搭載する機器に適用できる。また、ピ
ンの形状はロッドないしパイプ状に限定されず任意であ
り、例えばプリント基板をガイドするためにチャネル状
とすることもできる。
【0070】
【発明の効果】
(1) 請求項1に記載の発明によれば、共通路と連結され
たピンの係止部に放熱板の両端に設けた被係止部を係止
するという簡単かつ安価な液冷構成で、基板の両側から
基板に実装した発熱体を間接冷却することができ、また
放熱板の被係止部がピンの係止部に面接触するため点接
触や線接触するものに比して、発熱体の有効冷却が図れ
る。さらに放熱板は基板上の各発熱体と熱的に共通接触
しているため、同時に複数の発熱体さらには複数の基板
を冷却することができる。
【0071】(2) 請求項2に記載の発明によれば、ピン
の係止部に放熱板の一端に設けた被係止部を係止すると
いうより簡単な構成により、基板の片側から基板に実装
した発熱体を間接冷却することができ、放熱板は一端係
止であるためスペースの節約も図れる。
【0072】(3) 請求項3に記載の発明によれば、互に
分離された放熱板が発熱体に個別に接触するので発熱体
の発熱量に応じた冷却ができる。
【0073】(4) 請求項4に記載の発明によれば、放熱
板と基板との間に平たい袋状のヒートシンクを介在せさ
たのでより一層冷却効果を高めることができる。
【0074】(5) 請求項5に記載の発明によれば、予め
放熱板をプリント基板に取り付けておくので、ワンタッ
チでピンに基板を取り付けることができる。
【0075】(6) 請求項6に記載の発明によれば、放熱
板の被係止部がピンの係止部に密着性よく係止されるの
で発熱体の冷却がより向上する。
【0076】(7) 請求項7に記載の発明によれば、冷却
ピンが基板のガイドレールを兼ねているので、ピンの係
止部に放熱板の被係止部を係止するだけで所定位置に基
板を配列できる。
【0077】(8) 請求項8に記載の発明によれば、ピン
が往路と復路とを有する2重管構造になり、ここに冷却
液体が流れるので、発熱体の冷却がより一層向上する。
【0078】(9) 請求項9に記載の発明によれば、放熱
板が端部から離れるにしたがって幅が狭くなる形をして
いるので、幅一定の放熱板ものに比して、基板上におけ
る均一冷却化が図れる。
【0079】(10)請求項10に記載の発明によれば、放
熱板が、端部から離れるにしたがって薄くなる形をして
いるので、厚さ一定の放熱板ものに比して、基板上にお
ける均一冷却化が図れる。
【0080】(11)請求項11に記載の発明によれば、両
面実装型基板に対して放熱板が表裏一対で設けられてい
るので、プリント基板を両面から同時に冷却することが
できる。
【0081】(12)請求項12に記載の発明によれば、放
射状配列のプリント基板に適用したので、狭いスペース
でより多くのプリント基板を均一冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器の冷却装置の第1実施例を説
明するための放射状配列プリント基板の冷却構造を示す
要部斜視図。
【図2】第1実施例の共通路およびピンの構造を示す概
略平面図および正面図。
【図3】第1実施例の放熱板の構造を示す概略平面図お
よび正面図。
【図4】第2実施例を説明するための放射状配列プリン
ト基板の冷却構造を示す要部の平面図および正面図。
【図5】第2実施例の変形例を示す放熱板の正面図。
【図6】第3実施例を説明するための冷却構造を示す要
部斜視図。
【図7】本発明の放熱板の変形例を示す説明図。
【図8】各実施例の冷却効果を比較したΔT特性図。
【図9】本発明の共通路とピン構造の第1変形例を示す
概略正面図。
【図10】本発明の共通路とピン構造の第2変形例を示
す概略平面図および正面図。
【図11】第2変形例のピン構造の詳細説明図。
【図12】本発明の共通路とピン構造の第3変形例を示
す概略平面図および正面図。
【図13】第3変形例の係合構造の詳細説明図。
【図14】本発明の電子機器の冷却装置の実施例を説明
するためのテストヘッドの液冷装置の概略図。
【符号の説明】
1 放熱板 1a 被係止部 2 発熱体 3 平たい袋状のヒートシンク 4 内ピン 4a 係止部 5 ビス 6 外ピン 6a 係止部 7 往路 8 復路 14 内共通路 16 外共通路 41 分離放熱板 51 一体放熱板

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のプリント基板の配列に沿って設けら
    れ該プリント基板を冷却するための冷却液体を流す共通
    路と、 前記各基板の両端位置に立設され、前記共通路と連結さ
    れて共通路に流れる冷却液体の冷熱を伝達するピンと、 前記ピンに面接触で係止される被係止部を両端に有し、
    中間に前記プリント基板上に実装された複数の発熱体と
    熱的に共通接触する放熱板とから構成され、 前記各基板の両端位置に立設されるピンに前記放熱板両
    端の各被係止部をそれぞれ係止して、前記各ピンから放
    熱板を介して各プリント基板に実装された発熱体に冷熱
    を伝達して発熱体を間接的に冷却するようにしたことを
    特徴とする電子機器の冷却装置。
  2. 【請求項2】複数のプリント基板の配列に沿って設けら
    れる該プリント基板を冷却するための冷却液体を流す共
    通路と、 前記各基板の一端位置に立設され、前記共通路と連結さ
    れて共通路に流れる冷却液体の冷熱を伝達するピンと、 前記ピンに面接触で係止される被係止部を一端に有し、
    他端に前記プリント基板上に実装された複数の発熱体と
    熱的に共通接触する放熱板とから構成され、 前記各基板の一端位置に立設されるピンに前記放熱板一
    端の各被係止部をそれぞれ係止して、前記各ピンから放
    熱板を介して各プリント基板に実装された発熱体に冷熱
    を伝達して発熱体を間接的に冷却するようにしたことを
    特徴とする電子機器の冷却装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の電子機器の冷却装置にお
    いて、前記一枚のプリント基板に対応する放熱板が熱的
    に分離された複数の放熱板からなり、各放熱板が各発熱
    体に個別に熱的に接触するようになっている電子機器の
    冷却装置。
  4. 【請求項4】前記放熱板と基板との間に平たい袋状のヒ
    ートシンクを介在せさた請求項1ないし3のいずれかに
    記載の電子機器の冷却装置。
  5. 【請求項5】前記放熱板が予め前記プリント基板に取り
    付けられている請求項1ないし4のいずれかに記載の電
    子機器の冷却装置。
  6. 【請求項6】前記放熱板の被係止部が筒状で一部が切れ
    ている断面C字状をしており、前記断面C字状の被係止
    部が縮径方向にバネ性をもっている請求項1ないし5の
    いずれかに記載の電子機器の冷却装置。
  7. 【請求項7】前記ピンが、これに前記放熱板の被係止部
    を係止することにより、前記プリント基板が所定位置に
    配列されるようにガイドレールを兼ねている請求項1な
    いし6のいずれかに記載の電子機器の冷却装置。
  8. 【請求項8】前記共通路が、流入する冷却液体が流れる
    入口共通路と、流出する冷却液体が流れる出口共通路と
    に分離された構造となっており、 前記ピンの構造が液体の往路と復路とを有した2重管構
    造となっており、 ピンの往路を入口共通路に連結し復路を出口共通路に連
    結して、入口共通路を流れる冷却液体をピンの往路に導
    き、ピンの復路を経て出口共通路に流すようにした請求
    項1ないし7のいずれかに記載の電子機器の冷却装置。
  9. 【請求項9】前記放熱板の形状が、端部の幅が広く、端
    部から離れるにしたがって幅が狭くなっている請求項1
    ないし8のいずれかに記載の電子機器の冷却装置。
  10. 【請求項10】前記放熱板の断面形状が、接触面は平だ
    が厚さが異なり、端部の厚さが厚く、端部から離れるに
    したがって厚さが薄くなっている請求項1ないし9のい
    ずれかに記載の電子機器の冷却装置。
  11. 【請求項11】前記プリント基板が表裏に部品を実装し
    た両面実装型基板であり、前記放熱板が表裏一対で設け
    られている請求項1ないし10のいずれかに記載の電子
    機器の冷却装置。
  12. 【請求項12】前記プリント基板が放射状に配列されて
    いる請求項1ないし11のいずれかに記載の電子機器の
    冷却装置。
JP5279404A 1993-11-09 1993-11-09 電子機器の冷却装置 Withdrawn JPH07135396A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103487739A (zh) * 2013-09-27 2014-01-01 昆山迈致治具科技有限公司 一种具有散热和除杂功能的pcb板性能检测治具

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