JPH07133731A - 水素エンジンの制御方法 - Google Patents

水素エンジンの制御方法

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JPH07133731A
JPH07133731A JP6327993A JP6327993A JPH07133731A JP H07133731 A JPH07133731 A JP H07133731A JP 6327993 A JP6327993 A JP 6327993A JP 6327993 A JP6327993 A JP 6327993A JP H07133731 A JPH07133731 A JP H07133731A
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JP
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hydrogen
output
air
ignition
valve
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JP6327993A
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English (en)
Inventor
Shoichi Furuhama
庄一 古浜
Kimitaka Yamane
公高 山根
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Gotoh Educational Corp
Original Assignee
Gotoh Educational Corp
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Publication date
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バックファイヤ現象と燃焼振動を防止するこ
のができるとともに高出力を得ることができ、しかも低
出力時でも窒素酸化物の排出量を低減することができる
水素エンジンの制御方法を提供する。 【構成】 低出力運転時には水素と空気とを燃焼室内又
は燃焼室外で予め混合して予混合気を生成し、この予混
合気に点火栓により着火燃焼させて出力を得、高出力運
転時には既に着火した前記予混合気の中に水素を高圧で
噴射して前記予混合気を火種として着火燃焼させて出力
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水素エンジンの制御方法
に係り、特に自動車などの内燃機関に利用される水素を
燃料とする水素エンジンの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化や大気汚染などの地球
環境問題や、石油・石炭などの化石燃料の枯渇化の問題
への対策の一つとして、水素を燃料とした水素エンジン
を備えた自動車の開発が行われている。
【0003】この水素は、地球上に無尽蔵にある水を電
気分解することにより人工的に作り出すことができるエ
ネルギーであるが、水素を製造するためのエネルギー源
として石油などを使用すれば前記各問題の根本的な解決
にはならない。そのため、地球環境問題などの各問題を
完全に解決するためには、自然エネルギー即ち太陽エネ
ルギーから作り出される水力、風力、潮力および太陽光
等を利用して水素を作ることが望ましい。従って、自然
エネルギーの豊富な地域で水素を製造してこれを運搬す
る必要があり、そのためにも、運搬される水素を燃料と
して使うことができるとともに船舶や航空機や車両など
に搭載することができる水素エンジンが求められてい
る。
【0004】水素エンジンは、燃料となる水素の供給方
式によって、次に示す2つの方式に大別することができ
る。第1の方式は、水素を燃料室に吸引する前またはこ
れに着火する前に、空気と水素とを燃料室外部または内
部で予め混合(予混合)し、次いで、予混合した混合気
を燃料室内で圧縮したのち着火燃焼させて出力を得る方
法である。以下、この方式を「予混合方式」と呼ぶ。
【0005】第2の方式は、燃料室内に空気のみを吸引
して圧縮し、そこに高圧の水素ガスを噴射し、圧縮空気
と水素ガスとが混合して着火可能になった部分に点火栓
で着火して燃焼させ、燃焼中にも水素ガスの噴射は続け
られ、噴射状態の水素ガスが燃焼して出力を得る方法で
ある。以下、この方式を「高圧噴射方式」と呼ぶ。な
お、第1・第2の方式におけるエンジン出力の調整は、
広い可燃範囲を持っている水素燃料の特性を生かして、
燃料供給量の調整のみで行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記予混合方式は、最
も簡単な混合気の生成方法であるが、以下の問題点を有
している。 (1)予め空気と燃料である水素とを混合しておくた
め、エンジン内の高温部(排気バルブ、点火栓、ピスト
ンキャビティエッジ部など)、残留ガス及び高温浮遊物
質(塵・埃・潤滑油などが燃焼し高温になっている)な
どが着火源となって、エンジン行程中の不都合な時期に
着火してしまい、吸気弁が開いている間に、吸気管中の
混合気に逆火してしまうバックファイヤ現象が起こり、
この現象によりエンジンの運転が不能になる。
【0007】(2)上記運転不能範囲としては、エンジ
ンの形式にもよるが、通常は理論混合比の約2倍の空気
が存在する混合気より水素濃度が濃いところ(空気過剰
率λ<2)で発生する傾向がある。そのために、最大出
力が得られる理論混合比でエンジンの運転をすることが
できない。
【0008】(3)ガス燃料を用いた予混合方式である
ため、燃焼室内に占める燃料容量が多くなり、その結
果、酸化剤である空気を燃焼室内に多量に入れることが
できない。そのため、この方式によればエンジンの低出
力化は免れず、同じ排気量のエンジンを用いてガソリン
を燃料として得られた出力を100とすると、この予混
合方式による水素エンジンでは50程度の低出力しか得
られない。
【0009】これに対して前記高圧噴射方式は、前記バ
ックファイヤ現象を完全に防止することができるととも
にエンジンの高出力化を実現する方法として提案された
ものであるが、下記の問題点がある。
【0010】(1)着火時期と燃料噴射時期とを最適に
選ぶ必要があるが、この最適範囲が狭いのでその制御が
非常に難しい。この範囲を外れると、失火や燃焼振動が
発生して燃焼騒音が大きくなり、又、エンジンの振動も
大きくなる。
【0011】(2)低出力時の運転でも、圧縮された空
気中に水素燃料を噴射して着火燃焼する方法をとってい
るので、低出力時、燃料供給を噴射期間で調整してい
る。全体の混合比をNOx (窒素酸化物)の発生が防止
できる混合比にしたとしても、局部的に燃料濃度の濃い
部分が生じるので、NOx の発生を完全に抑えることは
できない。
【0012】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
で、バックファイヤ現象と燃焼振動を防止するこのがで
きるとともに高出力を得ることができ、しかも低出力時
でも窒素酸化物の排出量を低減することができる水素エ
ンジンの制御方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明は低出力運転時には水素と空気とを燃焼室内
又は燃焼室外で予め混合して予混合気を生成し、この予
混合気に点火栓により着火燃焼させて出力を得、高出力
運転時には既に着火した前記予混合気の中に水素を高圧
で噴射して前記予混合気を火種として着火燃焼させて出
力を得ることを特徴とするものである。
【0014】
【作用】本発明においては、低出力運転時には予混合方
式をとっている。即ち、吸気管内に水素を噴射して予混
合装置により予混合気を作ってこれを燃焼室に供給して
運転する外部予混合運転か、または、空気を燃焼室に吸
引後、着火前にここに水素を噴射して予混合気を作りこ
れに着火してエンジンを運転する内部予混合運転を行
う。そして、出力制御を行うために空気を絞った運転も
できるようにしている。
【0015】そして、予混合方式のみで出力が不足する
場合、すなわち高出力運転時には、高圧噴射方式をとっ
ている。即ち、前記予混合気を燃焼室で予め着火してお
いて、これを火種として、水素を燃焼室内に高圧噴射す
ることにより高出力を得るようにしている。
【0016】このように、予混合方式と高圧噴射方式と
を組み合わせることにより、従来予混合方式のみおよび
高圧噴射方式のみが持っていた問題点を解決することが
できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1を参照して
説明する。図1は本発明に係る水素エンジンの制御方法
が適用される水素エンジンの全体構成図である。図1に
示すように、水素エンジンは、シリンダ4と、このシリ
ンダ4に連通される吸気管5及び排気管15を備えてい
る。エンジンのシリンダ4の内部にはピストン7が往復
動自在に配設されており、このピストン7に設けられた
ピストンリング8によりシリンダ4とピストン7との間
の間隙がシールされている。そして、ピストン7の上端
面とシリンダ4とにより形成される空間が燃焼室38に
なっている。
【0018】ピストン7と出力軸44とはクランク機構
9により連結されており、ピストン7がシリンダ4内を
往復動すると、クランク機構9を介して出力軸44が回
転して、自動車の車輪を駆動するようになっている。出
力軸44の回転速度はエンジン回転センサ2により検出
され制御装置37に入力される。また、出力軸44に巻
き掛けられたタイミングベルト12を介して回転するエ
ンジンクランク角度センサ13により、クランク機構9
のクランク角度を検出してピストン7の位置を検出し制
御装置37に入力するようにしている。更に、出力軸4
4が回転すると、出力軸44に巻き掛けられたポンプ駆
動用ベルト10を介して油圧ポンプ11が回転駆動され
るようになっている。
【0019】また、吸気管5は、出口部に設けられた吸
気弁6により開閉可能になっており、排気管15も、入
口部に設けられた排気弁14により開閉可能になってい
る。前記吸気弁6及び排気弁14は、出力軸44と連動
する吸排気弁駆動用カム機構(図示せず)により、開閉
操作される様になっている。吸気管5には、空気35の
流量を測定する空気流量計41が設けられ、この空気流
量計41の検出値は制御装置37に入力されるようにな
っている。
【0020】水素エンジンが搭載された自動車(図示せ
ず)の車体には、運転者により揺動操作されるアクセル
ペダル1が設けられており、このアクセルペダル1によ
る出力要求はアクセルペダル位置センサ46により検出
され制御装置37に入力されるようになっている。排気
管15には、燃焼室38で燃焼したのちの排気ガスに含
まれる残留酸素の量を測定するためのO2 センサ16が
取付けられており、このO2 センサ16の検出値は制御
装置37に入力されるようになっている。
【0021】シリンダヘッドには、燃焼室38に供給さ
れた未燃焼ガスに着火するための点火栓22が取付けら
れており、点火栓22のスパーク発生部39が燃焼室3
8の内部に突出するように設けられている。点火栓22
に高圧電流を供給するための点火栓用コイル25には、
点火栓1次ケーブル23と、点火栓2次ケーブル24と
が接続されており、1次ケーブル23で供給される電圧
を昇圧して2次ケーブル24により点火栓22に高圧電
流を供給するようになっている。
【0022】また、シリンダヘッドには、LH2 ポンプ
(図示せず)によって昇圧された水素を供給する高圧水
素ライン31によって供給される水素を燃焼室38に高
圧で噴射するための水素高圧噴射弁26が取付けられて
いる。水素高圧噴射弁26の内部には、ピストン27が
往復動自在に設けられている。ピストン27により仕切
られた水素高圧噴射弁26の内部スペースのうち燃焼室
38側のスペースには高圧水素ライン31が連通してい
るので、このスペース内には高圧水素ライン31により
水素が供給されるようになっている。水素高圧噴射弁2
6の底部には弁体28が設けられている。弁体28はピ
ストン27に連結されているので、ピストン27が往復
動すると弁体28が開閉して、燃焼室38に水素を供給
及び供給停止している。
【0023】ピストン27により仕切られた内部スペー
スのうち他方のスペースには、ピストン27を往復動さ
せるための作動油40が供給されるようになっている。
前記作動油40は、作動油タンク17からエンジンの出
力軸44により駆動される油圧ポンプ11により供給さ
れる。即ち、作動油タンク17に貯留された作動油40
は、吸込配管の入口部に設けられたストレーナ18によ
りゴミ等の異物が除去されたのち油圧ポンプ11に吸い
込まれてここで昇圧された後、吐出配管を通って作動油
リザーバ19に送られる。作動油リザーバ19で圧力変
動が吸収されて一定圧力となった作動油40は、電磁式
制御弁20を開くことにより水素高圧噴射弁26に供給
され、ピストン27を押し下げ弁体28を開く。なお、
電磁式制御弁20は、作動ケーブル21により制御装置
37から制御信号が供給されて作動する。
【0024】弁体28はリリーフバルブ45から作動油
40が排出されることにより降下して閉じるようになっ
ている。リリーフバルブ45から作動油が排出される圧
力は調節つまみ29を調節して調節スプリング30のス
プリング力を調節することにより行うことができる。な
おリリーフバルブ45から排出された作動油40は作動
油タンク17に戻る。
【0025】次に前述のように構成された水素エンジン
の制御方法を説明する。低出力運転時には、吸気行程
時、空気35を吸気管5より吸入し、空気流量計41で
空気の流量を計測する。吸気行程が終了し、圧縮行程
(吸気弁6は閉じている)の初期に、水素高圧噴射弁2
6より高圧水素ライン31から送られた高圧水素が燃焼
室38内に噴射され、噴射された水素と燃焼室38の空
気35とが圧縮行程中に混合し予混合気となる。そして
予め決められた時期に制御装置37の指令により点火栓
22の点火栓スパーク発生部39よりスパークが発生
し、前記予混合気は着火・燃焼する。燃焼室38では、
燃焼圧が発生しピストン7に作用し、ピストン7はエン
ジンのシリンダ4にそって移動する。ピストンに作用し
た力は、クランク機構9を介して出力軸44を回転し出
力となる。
【0026】出力軸44の回転はタイミングベルト13
を介してエンジンクランク角度センサ13に伝達され、
エンジンクランク角度センサ13の出力は、エンジン回
転センサ2の出力と共に制御装置37に送られ、電磁式
制御弁20を作動させたり、点火栓1次ケーブル23に
電流を流し点火栓用コイル25で昇圧し、点火栓2次ケ
ーブル24を介して点火栓22からスパークを飛ばす制
御に使われる。燃焼した予混合気は排気行程に排気弁1
4を通って排気管15へ放出され、排気管15内に設け
られたO2 センサ16によって、排気中の残留酸素濃度
が計測され、この計測値が制御装置37に入力される。
それにより運転時の予混合気の空気過剰率λを算出す
る。出力調整は、アクセルペダル1のアクセルペダル位
置センサ46の信号により制御装置37で後述する方法
により水素噴射量を調整することによって行う。
【0027】一方、予混合気のみの高出力運転では、バ
ックファイヤ等の異常燃焼が発生するか、又は、排気中
のNOX が急増するので、高出力運転時には、空気過剰
率λが2以上の予混合気を生成し、それを点火栓22で
着火する。出力を増強するために、圧縮上死点付近で再
度水素高圧噴射弁26から高圧水素が予混合気の火炎中
に噴射され着火・燃焼する。それにより低出力運転より
大きな燃焼圧が燃焼室38内に発生し大きな出力が得ら
れる。
【0028】水素高圧噴射弁26の弁体28を開閉する
時期と期間は、制御装置37から作動ケーブル21を介
して送られてくる電力とその時期・期間によって電磁式
制御弁20を制御することによって制御され、これによ
って高圧水素ライン31から送られた高圧水素の噴射量
を調整する。
【0029】水素高圧噴射弁26の弁体28の作動は、
出力軸44からポンプ駆動用ベルト10を介して油圧ポ
ンプ11を駆動し、噴射弁作動油タンク17にたまって
いる作動油40をストレーナ18より吸い込み加圧して
作動油リザーバ19に送ることによってなされる。前述
のごとく、制御装置37から送られた電力とその時期・
期間により水素高圧噴射弁26に送られる作動油量と時
期・期間が決まる。水素高圧噴射弁26では、その送ら
れた作動油40により水素高圧噴射弁26内のピストン
27を押し下げ、その結果、弁体28が決められた時期
に決められた期間だけ開き、高圧水素ライン31から送
られる高圧水素を燃焼室38内に噴射する。その期間が
終了すると、電磁式制御弁20は閉じる。その結果、水
素高圧噴射弁26内の作動油40は、圧力を失い水素噴
射弁26にあるピストン27と弁体28の高圧水素の受
圧面積差(ピストン面積は弁体面積より大きい)から、
ピストン27が持ち上げられ弁体28は閉じる。
【0030】一方、作動油40は、リリーフバルブ45
を介して噴射弁作動油タンク17へ戻る。リリーフバル
ブ45の作動圧は調節つまみ29によって調節スプリン
グ30を調節することによって決まる。
【0031】エンジン回転センサ2の出力と出力軸44
からタイミングベルト12を介して回転するエンジンク
ランク角度センサ13の出力は、水素高圧噴射弁26の
開弁時期と期間を制御する信号として用いられる。
【0032】次に本発明の第2実施例を図2を参照して
説明する。図2において、図1の構成要素と同一の作用
及び機能を有する構成要素は同一符号を付し、説明を省
略する。本実施例においては、吸気管5にはスロットル
バルブ33が設けられており、吸入空気の量を絞ること
ができるようになっている。また、スロットルバルブ3
3はスロットルワイヤ43を介してアクセルペダル1に
連結されており、アクセルペダル1が揺動操作される
と、アクセルペダル1とスロットルバルブ33とを連結
するスロットルワイヤ43を介してスロットルバルブ3
3が開閉する。スロットルバルブ33の開度は、スロッ
トルワイヤ43の箇処に設けられたスロットルバルブ開
度センサ34により検出される。その他の構成は図1に
示す実施例と同様である。
【0033】次に上述の構成を有する水素エンジンの制
御方法を説明する。低出力運転時には、吸気行程時、空
気35を空気流量計41を計測し、運転者の出力要求を
伝えるアクセルペダル1によってスロットルワイヤ4
3、スロットルバルブ開度センサ34を介し、スロット
ルバルブ33が回転して、吸気管5を流れる空気流量を
調整する。吸気行程が終了して圧縮行程(吸気弁6は閉
じている)の初期に水素高圧噴射弁26から噴射された
高圧水素は、燃焼室38の空気と混合し、予混合気を生
成する。排気管15に設けられたO2 センサ16によっ
て、第1実施例と同様に、排気弁14から排出された排
気中の残留酸素が計測され、燃焼した予混合気の空気過
剰率λが制御装置37により演算される。例えば、予め
決められた空気過剰率λ=2の一定に制御するように、
水素高圧噴射弁26からの噴射量を常に制御する。第1
実施例と同様に、予混合気に着火・燃焼させ、燃焼圧に
よりピストン7に作用した力は出力軸44に伝達されエ
ンジン出力となる。このように低出力運転時の出力調整
はスロットルバルブ33にて実施する。
【0034】一方、スロットルバルブ33全開後には、
前述の予混合気をまず着火させそれを火種に、水素高圧
噴射弁26より噴射された高圧水素を着火燃焼する。水
素高圧噴射弁26の弁体28の開弁時期と期間を第1実
施例と同様に調整することにより、高圧水素ライン31
から送られる高圧水素の噴射量を制御し、これにより出
力の調整を行う。なお、エンジン回転センサ2及びエン
ジンクランク角度センサ13の作動及び機能は第1実施
例と同様である。
【0035】次に本発明の第3実施例を図3を参照して
説明する。図3において、図1の構成要素と同一の作用
及び機能を有する構成要素は同一符号を付し、説明を省
略する。本実施例においては、吸気管5には高圧水素ラ
イン31から供給される水素を空気35に混合して予混
合気を生成するための予混合装置32が設けられてい
る。また、予混合装置32と高圧水素ライン31との間
には、流れる水素の流量を調整するための水素流量調整
器3と水素の流量を測定するための水素流量計42とが
介装されている。水素流量調整器3にはドライバーケー
ブル36が接続されている。また、水素流量計42の検
出値は制御装置37に入力されるようになっている。そ
の他の構成は図1に示す実施例と同様である。
【0036】次に上述の構成を有する水素エンジンの制
御方法を説明する。低出力運転時では、吸気行程時、空
気35を空気流量計41で計測し、吸気管5より吸入さ
れる空気と、吸気管5に設けた予混合装置32より供給
される水素とが混合し、予混合気を生成する。運転者の
出力要求を伝えるアクセルペダル1のアクセルペダル位
置センサ46からの信号に基づいて制御装置37からド
ライバーケーブル36を介して水素流量調整器3に電流
が供給されて、水素流量が調整され、出力調整が行われ
る。
【0037】一方、予混合気(例えば空気過剰率λが2
以下)のみの高出力運転では、バックファイヤ等の異常
燃焼が発生するか、または排気中のNOX が急増するの
で、空気流量計41及び水素流量計42の信号又は排気
管15に設けたO2 センサ16の信号から、制御装置3
7により空気過剰率λを演算し、この空気過剰率λが例
えば2以下であった場合は、前述したように空気過剰率
λ=2以上の予混合気を予め作っておいて、圧縮行程中
に、点火栓22で着火し、その火炎の中に圧縮上死点付
近で水素高圧噴射弁26より高圧水素を燃焼室38内に
噴射して、燃焼させることにより出力を得る。出力調整
は第1実施例と同様に高圧水素噴射量で行う。エンジン
回転センサ2及びエンジンクランク角度センサ13の作
動及び機能は第1実施例と同様である。
【0038】次に本発明の第4実施例を図4を参照して
説明する。図4において、図3の構成要素と同一の作用
及び機能を有する構成要素は同一符号を付し、説明を省
略する。本実施例は、図3の実施例にスロットルバルブ
33を付加したものである。即ち、吸気管5にはスロッ
トルバルブ33が設けられており、吸入空気の量を絞る
ことができるようになっている。また、スロットルバル
ブ33はスロットルワイヤ43を介してアクセルペダル
1に連結されており、アクセルペダル1が揺動操作され
ると、アクセルペダル1とスロットルバルブ33とを連
結するスロットルワイヤ43を介してスロットルバルブ
33が開閉する。スロットルバルブ33の開度は、スロ
ットルワイヤ43の箇処に設けられたスロットルバルブ
開度センサ34により検出される。その他の構成は図3
に示す実施例と同様である。
【0039】次に、上述の構成を有する水素エンジンの
制御方法を説明する。低出力運転時では、吸気行程時、
空気35を空気流量計41で計測し、運転者の出力要求
を伝えるアクセルペダル1によってスロットルワイヤ4
3、スロットルバルブ開度センサ34を介してスロット
ルバルブ33が回転して、吸気管5を流れる空気流量を
調整することにより出力を調整する。空気35は、吸気
管5内に設けられた予混合装置32より供給される水素
と混合し予混合気を生成する。予混合気の空気過剰率λ
は排気管15に設けられたO2 センサ16によって検出
された排気弁14から排出された排気中の残留酸素濃度
の値、又は、空気流量計41と水素流量計42の出力か
ら空気過剰率λを算出する。そして、予め決められた空
気過剰率λになるように水素流量を制御して調整する。
【0040】一方、スロットルバルブ33全開後の出力
調整は、前述の予混合気をまず着火させそれを火種に、
水素高圧噴射弁26より噴射された高圧水素を着火・燃
焼する。水素高圧噴射弁26の弁体28の開弁時期と期
間を第1実施例と同様に調整することにより、高圧水素
ライン31から送られる高圧水素の噴射量を制御し、こ
れにより出力の調整を行う。エンジン回転センサ2及び
エンジンクランク角度センサ13の作動及び機能は第1
実施例と同様である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低出力運転時には予混合方式で運転し、高出力運転時に
は予混合気を火種に高圧水素を噴射して着火・燃焼させ
ることにより以下に述べる効果が得られる。 (1)低出力運転では、NOX の排出量がゼロ又はごく
小さい濃度が実現できる予混合気による運転を採用して
いるため、水素噴射のみの運転よりは低いNOXの排出
量を実現できる。 (2)予混合気を着火しそれを水素高圧噴射の火種にす
ることによって、噴射された水素が、反応中の混合気と
広範かつ速やかに燃焼するので、噴射された水素が確実
に着火されかつ着火遅れも小さくなるため、振動燃焼が
防止でき、その結果燃焼騒音及びエンジン振動の低減が
図れる。 (3)低出力運転では、バックファイヤ等の異常燃焼が
起こらない空気過剰率λ、例えばλ=2以上で運転し、
高出力運転時にはバックファイヤ等の異常燃焼が起こら
ない空気過剰率λの予混合気に点火栓で着火し、圧縮上
死点付近で水素高圧噴射弁より水素を予混合気が燃焼し
ている中に噴射することによって、噴射量に従って、整
然と燃焼するのでバックファイヤ等の異常燃焼を防止で
きる。 (4)高出力要求時には、吸気管に設けた予混合装置で
混合気を生成した場合でも、吸気・排気弁が閉じている
中に、高圧水素を噴射するので、一種の過給作用とな
り、予混合気のみの運転に比較して高出力化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水素エンジンの制御方法の第1実
施例を示す図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す図である。
【図4】本発明の第4実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 アクセルペダル 2 エンジン回転センサ 3 水素流量調整器 4 エンジンのシリンダ 5 吸気管 6 吸気弁 7 ピストン 8 ピストンリング 9 クランク機構 10 ポンプ駆動用ベルト 11 油圧ポンプ 12 タイミングベルト 13 エンジンクランク角度センサ 14 排気弁 15 排気管 16 O2センサ 17 噴射弁作動油タンク 18 ストレーナ 19 作動用リザーバ 20 電磁式制御弁 21 作動ケーブル 22 点火栓 23 点火栓1次ケーブル 24 点火栓2次ケーブル 25 点火栓用コイル 26 水素高圧噴射弁 27 ピストン 28 弁体 29 調節つまみ 30 調節スプリング 31 高圧水素ライン 32 予混合装置 33 スロットルバルブ 34 スロットルバルブ開度センサ 35 空気 36 ドライバーケーブル 37 制御装置 38 燃焼室 39 点火栓スパーク発生部 40 作動油 41 空気流量計 42 水素流量計 43 スロットルワイヤ 44 出力軸 45 リリーフバルブ 46 アクセルペダル位置センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 21/02 311 B 21/04 Q

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低出力運転時には水素と空気とを燃焼室
    内又は燃焼室外で予め混合して予混合気を生成し、この
    予混合気に点火栓により着火燃焼させて出力を得、高出
    力運転時には既に着火した前記予混合気の中に水素を高
    圧で噴射して前記予混合気を火種として着火燃焼させて
    出力を得ることを特徴とする水素エンジンの制御方法。
  2. 【請求項2】 前記予混合気は圧縮行程の初期に燃焼室
    に水素高圧噴射弁より高圧水素を噴射することにより生
    成することを特徴とする請求項1記載の水素エンジンの
    制御方法。
  3. 【請求項3】 前記低出力運転時及び高出力運転時とも
    に、前記水素高圧噴射弁からの水素噴射量を調整するこ
    とにより出力調整を行うことを特徴とする請求項2記載
    の水素エンジンの制御方法。
  4. 【請求項4】 前記低出力運転時にはスロットルバルブ
    により燃焼室に吸入される空気量を調整することにより
    出力調整を行い、前記高出力運転時には前記水素高圧噴
    射弁からの水素噴射量を調整することにより出力調整を
    行うことを特徴とする請求項2記載の水素エンジンの制
    御方法。
  5. 【請求項5】 前記予混合気は吸気管に設けた予混合装
    置により吸気管内に水素を供給することにより生成する
    ことを特徴とする請求項4記載の水素エンジンの制御方
    法。
  6. 【請求項6】 前記低出力運転時には前記予混合装置か
    ら供給される水素量を調整することにより出力調整を行
    い、前記高出力運転時には前記水素高圧噴射弁からの水
    素噴射量を調整することにより出力調整を行うことを特
    徴とする請求項5記載の水素エンジンの制御方法。
  7. 【請求項7】 前記低出力運転時にはスロットルバルブ
    により燃焼室に吸入される空気量を調整することにより
    出力調整を行い、前記高出力運転時には前記水素高圧噴
    射弁からの水素噴射量を調整することにより出力調整を
    行うことを特徴とする請求項5記載の水素エンジンの制
    御方法。
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