JPH07133453A - インク及びその記録方法及びその製造方法 - Google Patents

インク及びその記録方法及びその製造方法

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JPH07133453A
JPH07133453A JP28091293A JP28091293A JPH07133453A JP H07133453 A JPH07133453 A JP H07133453A JP 28091293 A JP28091293 A JP 28091293A JP 28091293 A JP28091293 A JP 28091293A JP H07133453 A JPH07133453 A JP H07133453A
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JP
Japan
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ink
water
weight
recording
paper
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JP28091293A
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English (en)
Inventor
Makoto Taniguchi
谷口  誠
Kazuhiko Kitamura
和彦 北村
Hitoshi Ota
等 太田
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、滲まない、耐水性がある、信頼性
に優れているインク及びそのインクの記録方法を達成す
ることを目的とする。 【構成】 少なくとも、油溶金属錯塩染料と、融点が2
5℃以下である水溶性有機溶媒と、水からなるインク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク液滴を吐出させ
て記録させるインクジェット記録方式により紙等の被記
録材への記録を行うためのインクおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録方式は、静電
吸引方式、空気圧送方式、加熱発泡時の圧力を利用した
方式、圧電素子の電気的変形を利用した方式等のインク
を吐出する方法によりインク液滴を発生させ、さらにこ
のインク液滴を記録用紙に付着させて記録を行ってい
る。
【0003】良好なインクジェット記録を達成するため
には、記録が滲じまない、耐水性が良好である、耐光性
がある、記録ヘッド部の目詰まりを起こさない、インク
が経時にて変質しない等多くの特性が求められている。
しかしこれらの中で最も重要な特性は、記録物では滲じ
まないこと耐水性に優れることであり、記録装置では記
録ヘッド詰まりが起こらないことである。そしてこれら
の重要特性を確保させるために従来より染料あるいは顔
料を着色材としたインクで多くの研究開発がなされてき
た。
【0004】染料系で滲じみのない良好な記録を得るた
めに、特開平2−36276号公報、特開平2−362
77号公報、特開平2−36278号公報等では、特定
の染料と保湿剤、有機溶媒、活性剤、水の組合せから成
るインクの組合せを提案している。また、特開平4−2
61479号公報では、サーマル・インクジェット・プ
リンタの多色記録に於ける滲じみ耐性を改善するため、
約1乃至10重量%のホルムアミドと約1乃至10重量
%の染料と水からなるインクを開示している。しかし、
水溶性染料を用いており耐水性に課題があった。
【0005】耐水性の改良では、種々の染料を検討する
ことにより、下記の技術が開発されてきた。まず、水溶
性染料を不溶化する方法として、特開平3−91577
号公報には、アルカリ性で可溶、酸性で不溶の染料を用
いた水性インクが提案されている。しかし、この染料
は、いわゆる酸性紙に記録した場合は耐水性は得られる
が、近年使用量が増えている中性紙、アルカリ紙に記録
した場合は、記録部分の染料が水に再溶解して耐水性が
十分得られないという課題がある。また、特開昭57−
59970号公報、特開昭61−53372号公報、特
開昭63−162772号公報では水に不溶な油溶染料
を用いたインクが提案されている。これらのインクは十
分な耐水性があるものの、液滴を吐出させて行われる記
録は著しく滲じんでしまうという課題があった。この様
に、染料系インクでは耐水性と滲じみ防止を兼ね備えて
いるインクを作ることは困難であった。
【0006】さらに、耐水性とインクジェットヘッドノ
ズル詰まりを同時改良したインクも検討されてきた。特
開昭61−53372号公報では、親水性の大きい溶媒
で水溶性染料を溶解させ、親油性の強い溶媒で油溶染料
を溶解させることで、耐水性とヘッド詰まりを改良する
ものであった。しかし、このインクについても、印字に
さいし滲じみが発生し易く問題であった。
【0007】一方、顔料インクでは、分散粒子の長期安
定化に大きな課題を残している。この解決のために、特
開平4−110361号公報、特開平4−110363
号公報では顔料と水溶性樹脂の配合比率を規定して改良
している。しかし、ポリマーの添加はプリンタヘッド詰
まりに悪影響を与えてしまう。
【0008】以上述べてきたように、滲じまない、耐水
性に優れる、信頼性に優れるインクあるいは記録方法は
なかった。
【0009】なお、本明細書中の「滲じみ」とは、記録
部において、全体的にインクが外部へ浸透する現象を表
す。また、「フェザリング」とは紙上に記録したさいに
記録部分の繊維に沿って選択的にインクが浸透する現象
を示す。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述のインクでは、滲
じまない、耐水性に優れる、信頼性がある等の基本特性
を同時に満足するインクがないという課題を有する。そ
こで、本発明はこれらの課題を解決するもので、その目
的とするところは、前記基本特性をすべて満足するイン
ク及びその記録方法及びその製造方法を実現するところ
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のインクは少なく
とも、油溶金属錯塩染料と水溶性有機溶媒と水からなる
インクにおいて、前記水溶性有機溶媒の50乃至100
重量%が融点25℃以下であることを特徴とするインク
であり、望ましくはこの水溶性有機溶媒が1乃至30重
量%であり、またこの油溶金属錯塩染料が、0.5乃至
10重量%であることを特徴とするインクである。さら
に本発明のインクは、前記インク液滴を飛翔させること
より紙上に記録したさいに、このインクと紙との接触角
が50乃至130度にあることを特徴とするインクであ
る。
【0012】本発明のインク製造方法は、油溶金属錯塩
染料を水溶性有機溶媒に溶解させたのち、この染料溶液
を少なくとも水を含む溶液に注いで製造することを特徴
とするインク製造方法である。
【0013】本発明のインクは、染料と水と水溶性有機
溶媒で調製されていることを基本としている。
【0014】耐水性は水に対する溶解度が低い油溶染料
を用いているために、記録部分に水が付着しても染料の
再溶解はほとんど無視できることより得られる。さらに
油溶金属錯塩染料を使用するため、記録に伴いインク液
中の染料の凝集が起こり滲じみのない記録が達成でき
る。
【0015】また、水溶性有機溶媒の融点を25℃以下
にすることで、ヘッド先端に溶剤の析出物が成長せず詰
まり難くなる。
【0016】本発明のインクを液滴状で吐出させ記録し
たさいの、紙との接触角は50度乃至130度にあるこ
とが望ましい。50度未満だとフェザリングが発生し易
くなる。130度を越えると、フルベタ記録の際に濃度
ムラが生じ易くなる。
【0017】さらに、本発明のインクを液滴状で吐出記
録したさいのインク吐出速度は、2m/秒以上であり、
且つ1液滴当りのインク重量が0.01乃至0.3μg
であることが好ましい。吐出速度が2m/秒未満では、
吐出により紙中に入るインク量が少なく、特に上質紙に
おいて乾燥直後の耐擦過性が悪くなってしまう。また、
インク1液滴量が0.01μg以下では記録物の被覆率
が低く十分な濃度が得られない。0.3μg以上では乾
燥が遅くなり、熱乾燥等の特別な処置を施さなければ高
速印刷が難しくなる。
【0018】以下本発明に用いる水、水溶性有機溶媒、
油溶性金属錯塩染料、その他の添加物に付いて詳細に説
明する。
【0019】水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透
水、蒸留水等の純水、超純水を用いることができる。ま
た、その他、インク長期保存する場合にカビやバクテリ
アの発生を防止するために、紫外線照射、過酸化水素添
加などにより滅菌した水を用いることもできる。
【0020】水溶性有機溶媒は、融点が25℃以下であ
る水溶性有機溶媒が全水溶性有機溶媒中50乃至100
重量%であることが必要である。それらを例示すると、
2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2
−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキ
シエタノール、2−ブトキシエタノール、フルフリルア
ルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、1,2
−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3
−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メ
チル−2,4−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサ
ントリオール、ジエチレングリコール、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチ
レングリコールモノメチルエーテル、1−エトキシプロ
パノール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンア
ルコール、エタノール、プロパノール等のアルコール化
合物、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジエチルエーテル等のポリエーテル類、
エチレンカーボネート等のカーボネート類、γ−ブチロ
ラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類、モノエ
タノールアミン、プロパノールアミン、N−ブチルエタ
ノールアミン等のアミン類、ホルムアミド、N,N’−
ジメチルホルムアミド、N,N’−ジエチルホルムアミ
ド、N−メチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メ
チル−2−ピロリドン、ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン、カプロラクタン、カルバミド酸エステル、モルホリ
ン、N−エチルモルホリン等の含窒素有機溶媒、ジメチ
ルスルホキシド、2,2’−チオジエタノール等の含硫
黄有機溶媒等であり、これらを単独或は2種以上混合し
て用いることが出来る。
【0021】また、水溶性有機溶媒の総量は、高印刷濃
度を確保するためにはインク全体に対して1重量%以上
が望ましい。また、再生紙等の特にフェザリングが発生
し易い紙に記録する場合には30重量%以下が望まし
い。
【0022】本発明の染料は、油溶金属錯塩染料であれ
ばよい。それらを例示すると、C.I.ソルベントイエ
ロー19、同21、同32、65、同76、同79、同
81、同82、同83、同88、同89、同90、同9
1、C.I.ソルベントオレンジ5、同6、同11、同
20、同36、同44、同45、同54、同56、同5
7、同58、同59、同62、C.I.ソルベントレッ
ド8、同35、同78、同81、同96、同99、同1
00、同102、同109、同118、同119、同1
22、同123、同124、同127、同128、同1
29、同130、同131、同132、同133、同1
34、同142、同160、C.I.ソルベントバイオ
レット1、同2、同19、同21、C.I.ソルベント
ブルー24、同25、同46、同55、同64、同6
7、同70、同75、C.I.ソルベントグリーン1
6、同21、同22、C.I.ソルベントブラウン2
3、同24、同25、同37、同42、同43、同4
4、同58、C.I.ソルベントブラック25、同2
7、同28、同29、同30、同34、同35等であ
り、これらを単独、あるいは混合して用いることが出来
る。染料の添加量は、特に高濃度を得るためにはインク
全体に対して0.5重量%以上、また特に高信頼性を得
るためには10重量%以下が好ましい。
【0023】その他、本発明のインクは公知のインク添
加物である尿素、アルキル尿素、チオ尿素等の可溶化
剤、アルキルアミン等のpH調製剤、粘度調製剤、防カ
ビ剤、防腐剤、キレート剤、防錆剤等、アニオン性、カ
チオン性、ノニオン性等の種々の界面活性剤を添加して
使用することも可能である。また、エタノール、プロパ
ノール等は浸透促進効果も有り特に有用である。
【0024】本発明のインクの必須な三要素の配合は以
下の通り行うことが肝要である。
【0025】まず、水溶性有機溶媒に油溶金属錯塩染料
を混合・溶解し、染料溶液を調製する。この染料溶液を
所定量の水へ徐々に加え、インクとする。必要に応じ
て、粗大粒子、ごみ等を濾過、遠心分離等で除去する。
染料、水溶性有機溶媒、水の配合比率は、インクジェッ
トの吐出を良好に行うために、インクの粘度が25℃下
で50m・Pa・s以下となるように調整することが望
ましい。
【0026】本発明のインクを液滴状で吐出させ記録し
たさいの、紙との接触角は50度乃至130度にあるこ
とが望ましい。50度未満だとフェザリングが生じ易く
なる。130度をこえると、フルベタ記録の際に濃度ム
ラが生じ易くなる。
【0027】さらに、本発明のインクを液滴状で吐出さ
せ記録したさいのインク吐出速度は、2m/秒以上であ
り、且つ1液滴当りのインク重量が0.01乃至0.3
μgであることが好ましい。吐出速度が2m/秒未満で
は、吐出により紙中に入るインク量が少なく、特に上質
紙において乾燥直後の耐擦過性が悪くなってしまう。ま
た、インク1液滴量が0.01μg未満では記録物の被
覆率が低く十分な濃度が得られない。0.3μgを越え
ると乾燥が遅くなり、熱乾燥等の特別な処理を施さなけ
れば高速印字が難しくなる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づき詳細
に説明する。
【0029】A.インクの製造方法 [実施例A1]200ml用のコニカルビーカー中に水
溶性有機溶媒N−メチル−2−ピロリドンを90g入れ
た。50℃に昇温した後、マグネティックスターラーで
攪はんしながら染料のアイゼンスピロンブラックBH6
gを徐々に加えて行った。溶液を50℃に保ちながら一
時間攪はんし染料を溶解させ、染料溶液を作成した。
【0030】次に、500ml用の四つ口フラスコに、
水204gを入れ、攪はん棒、冷却管、温度計を取り付
け、化学スタンドにセットした。フラスコ内の水を50
℃にした後に、同温度で攪はんしながら前記染料溶液を
滴下した。滴下終了後さらに同温度で5時間攪はんを続
けインクとした。
【0031】−結果− インクは長時間放置しても沈澱物が発生せず十分に安定
していた。このインクをフラスコから取り出し、記録評
価に用いたが何等問題がなかった。
【0032】なお、インク製造に際しては必要に応じ
て、濾紙、遠心分離等により異物の除去、分級等も可能
である。
【0033】[比較例A1]500ml用の四つ口フラ
スコに、攪はん棒、冷却管、温度計を取り付け、化学ス
タンドにセットした。このフラスコにN−メチル−2−
ピロリドン90gを入れ50℃に昇温した後、攪はんし
ながらアイゼンスピロンブラックBH6gを徐々に加え
た。溶液を50℃を保ちながら一時間攪はんし溶解させ
た後、水204gを滴下した。滴下終了後さらに同温度
で5時間攪はんを続けインクとした。
【0034】−結果− 染料が攪はん棒、攪はん羽に付着した。また取り出した
インクも染料の粗大粒子が多く、記録の際にインクジェ
ットプリンタのヘッドノズル詰まりが多発した。
【0035】[比較例A2]500ml用の四つ口フラ
スコに、攪はん棒、冷却管、温度計を取り付け、化学ス
タンドにセットした。このフラスコにN−メチル−2−
ピロリドン90gと水204gを入れ50℃に昇温した
後、攪はんしながらアイゼンスピロンブラックBH6g
を徐々に加えた。アイゼンスピロンブラックBHの仕込
終了後、溶液を50℃に保ちながら6時間攪はんを続け
インクとした。
【0036】−結果− 染料の不溶物が多くインクとして不適であった。
【0037】以上のように、本発明のインクは、油溶性
金属錯塩染料を水溶性有機溶剤に溶解させたのち、この
染料を少なくとも水を含む溶液に注いで製造することが
好ましい。
【0038】B.インク組成I [実施例B1] アイゼンスピロンブラックBH (C.I.ソルヘ゛ントフ゛ラック22) 1重量部 N−メチル−2−ピロリドン 10重量部 (融点−24.4℃) 水 89重量部 ここで、アイゼンスピロンブラックBHは保土谷化学工
業株式会社製の油溶金属錯塩染料である。
【0039】上記インクをインク吐出量0.05μg/
液滴、吐出速度8m/秒にて記録した。
【0040】[実施例B2] アイゼンスピロンバイオレットRH 10重量部 N,N’−ジメチルホルムアミド 30重量部 (融点−60.3℃) 水 60重量部 ここで、アイゼンスピロンバイオレットRHは保土谷化
学工業株式会社製の油溶金属錯塩染料である。
【0041】上記インクをインク吐出量0.05μg/
液滴、吐出速度6m/秒にて記録した。
【0042】[実施例B3] イリゾールファーストイエローGRE (C.I.ソルベントイエロー65) 3.3重量部 N−メチルホルムアミド 25重量部 (融点−3.8℃) 水 71.7重量部 ここで、イリゾールファーストイエローGREはバイエ
ル社製の油溶金属錯塩染料である。
【0043】上記インクをインク吐出量0.03μg/
液滴、吐出速度3m/秒にて記録した。
【0044】[実施例B4] ネオザポンオレンジ251 0.7重量部 (C.I.ソルベントオレンジ54) 2−ピロリドン(融点24.6℃) 15重量部 水 84.3重量部 ここで、ネオザポンオレンジ251はBASFジャパン
株式会社製の油溶金属錯塩染料である。
【0045】上記インクをインク吐出量0.23μg/
液滴、吐出速度17m/秒にて記録した。
【0046】[実施例B5] ネオザポンブラック X51 5重量部 (C.I.ソルベントブラック27) γ−ブチロラクトン 30重量部 (融点−43.5℃) 水 65重量部 ここで、ネオザポンブラック X51はBASFジャパ
ン株式会社製の油溶金属錯塩染料である。
【0047】上記インクをインク吐出量0.02μg/
液滴、吐出速度8m/秒にて記録した。
【0048】[実施例B6] アイゼン SPT レッド 533 5重量部 2−メトキシエタノール 15重量部 (融点−85.0℃) ホルムアミド 15重量部 (融点2.6℃) 水 65重量部 ここでアイゼン SPT レッド 533は保土谷化学工
業株式会社製油溶性金属錯塩染料である。
【0049】上記インクをインク吐出量0.03μg/
液滴、吐出速度21m/秒にて記録した。
【0050】[実施例B7] ネオザポンブルー 807 2重量部 (C.I.ソルベントブルー 70) ジメチルスルホキシド 20重量部 (融点18.5℃) エタノール 5重量部 水 73重量部 ここでネオザポンブルー 807はBASFジャパン株
式会社製の油溶性金属錯塩染料である。
【0051】上記インクをインク吐出量0.08μg/
液滴、吐出速度12m/秒にて記録した。2種目の水溶
性有機溶剤にエタノールを使用したところ、浸透促進効
果が得られた。なお、浸透促進効果は記録後の指触試験
でインクが指に移行しなくなるまでの時間が短くなった
ことで確認した。
【0052】[実施例B8] 〔レッドインク〕 アイゼンスピロンレッド GEH スペシャル2重量部 γ−バレロラクトン 20重量部 (融点−31℃) 水 78重量部 〔ブラックインク〕 ネオアゾポンX50 2重量部 γ−バレロラクトン 20重量部 (融点−31℃) 水 78重量部 ここでアイゼンスピロンレッド GEH スペシャルは保
土谷化学工業株式会社製の油溶性金属錯塩染料であり、
ネオアゾポンX50はBASFジャパン株式会社製油溶
性金属錯塩染料である。
【0053】Z540紙上に、上記レッドインクをフル
ベタ記録した後に、上記ブラックインクを記録した結
果、2色目の黒記録部に何等滲じみがなくきわめて良好
であった。両記録とも、インク吐出量0.16μg/液
滴、吐出速度6m/秒にて記録した。
【0054】[実施例B9] ネオアゾポンバイオレット506 2.7重量部 (C.I.ソルベントバイオレット2) ネオアゾポンイエロー156 0.3重量部 (C.I.ソルベントイエロー21) テロラヒドロフルフリルアルコール 20重量部 (融点−80℃以下) 水 77重量部 ここでネオアゾポンバイオレット506はBASFジャ
パン株式会社製の油溶性金属錯塩染料であり、ネオアゾ
ポンイエロー156はBASFジャパン株式会社製の油
溶性金属錯塩染料である。
【0055】上記インクをインク吐出量0.04μg/
液滴、吐出速度9m/秒にて記録した。油溶金属錯塩染
料を2種混合したが何等不具合は無かった。
【0056】[実施例B10] ネオアゾポンレッド355 1重量部 (C.I.ソルベントレッド119) ジエチルホルムアミド 25重量部 (融点−60.3℃) グリセリン 5重量部 (融点18.2℃) 水 69重量部 ここでネオアゾポンレッド355はBASFジャパン株
式会社製の油溶性金属錯塩染料である。
【0057】上記インクをインク吐出量0.1μg/液
滴、吐出速度17m/秒にて記録した。上記のように第
2の水溶性有機溶媒としてグリセリンを配合したインク
は、特に信頼性に優れていた。40℃にて5日放置後、
吐出試験を行ったが何等問題は無かった。これは、保湿
剤としての効果も発現したものと考えられる。
【0058】[実施例B11] ネオアゾポンレッド355 1重量部 (C.I.ソルベントレッド119) ジエチルホルムアミド 20重量部 (融点−60.3℃) 炭酸エチレン 10重量部 (融点36.4℃) 水 69重量部 上記インクをインク吐出量0.1μg/液滴、吐出速度
17m/秒にて記録した。上記のように第2の水溶性有
機溶媒として融点が25℃を越える炭酸エチレンを加え
た。融点が25℃以下のジエチルホルムアミドが全水溶
性有機溶媒中67重量%あり、評価結果に何ら問題はな
かった。
【0059】[実施例B12] アイゼンスピロンブラックRLHスペシャル1重量部 N−メチル−2−ピロリドン 20重量部 (融点−24.4℃) グリセリン 10重量部 (融点18.2℃) オレイン酸ソーダ 0.5重量部 水 68.5重量部 ここでアイゼンスピロンブラックRLHスペシャルは保
土谷化学工業株式会社製の金属錯塩染料であり、界面活
性剤であるオレイン酸ソーダは、関東化学株式会社製で
ある。
【0060】[比較例B1]実施例B1のインク組成に
於て、水溶性有機溶媒であるN−メチル−2−ピロリド
ンをトリイソプロパノールアミン(融点46.0℃)に
変えた他は同様のインクを作成し、インク吐出量0.0
5μg/液滴、吐出速度8m/秒にて記録した。
【0061】[比較例B2]実施例B3のインク組成に
於て、水溶性有機溶媒であるN−メチルホルムアミドを
スルホラン(融点28.5℃)に変えた他は同様のイン
クを作成し、インク吐出量0.03μg/液滴、吐出速
度3m/秒にて記録した。
【0062】[比較例B3]実施例B4のインク組成に
於て、水溶性有機溶剤種を2−ピペリドン(融点39.
5℃)に変えた他は同様のインクを作成し、インク吐出
量0.23μg/液滴、吐出速度17m/秒にて記録し
た。
【0063】[比較例B4] オレオゾールブルーG 0.7重量部 (C.I.ソルベントブルー11) γ−ブチロラクトン 15重量部 (融点−43.5℃) 水 84.3重量部 ここで、オレオゾールブルーGは住友化学工業株式会社
製の油溶染料である。
【0064】上記インクをインク吐出量0.23μg/
液滴、吐出速度17m/秒にて記録した。
【0065】[比較例B5]実施例B5のインク組成に
於て、染料をダイレクトファーストブラックAB(C.
I.ダイレクトブラック32、住友化学工業株式会社
製)に変えた他は同様のインクを作成し、インク吐出量
0.02μg/液滴、吐出速度8m/秒にて記録した。
【0066】[比較例B6] アイゼンアマラント 3重量部 (C.I.アシッドレッド27) スルホラン(融点28.5℃) 6.5重量部 水 90.5重量部 ここで、アイゼンアマラントは保土谷化学工業株式会社
製の酸性染料である。
【0067】上記インクをインク吐出量0.02μg/
液滴、吐出速度8m/秒にて記録した。
【0068】[比較例B7] ネオアゾポンレッド355 1重量部 ジエチルホルムアミド 10重量部 (融点−60.3℃) 炭酸エチレン 20重量部 (融点36.4℃) 水 69重量部 上記インクをインク吐出量0.1μg/液滴、吐出速度
17m/秒にて記録した。信頼性試験でヘッドつまりが
発生した。
【0069】−評価− 以上の本発明の実施例及び比較例のインクについて、以
下の方法で耐水性、滲じみ、信頼性、耐擦過性について
評価した。
【0070】記録装置 インクジェットプリンタ HG−4800 (セイコーエプソン株式会社製) 評価1:耐水性 A4サイズのZ691紙上に3.5cm(未記録部分)
おきに1.5cm幅のフルベタ記録をおこなった。記録
物を10分間自然放置した後に、500ccの水に10
分間浸積した。浸積後、24時間自然乾燥し、非記録部
のインク移りの濃度及び記録部のインク残りを目視評価
した。 ○:非記録部は殆ど着色しない。記録部にも変化はな
い。 ×:非記録部にインク付着が目だつ。記録部の濃度低下
有り。 Z691紙:上質PPC用紙Z691、アルカリ紙 (富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製) 評価2:滲じみ 上質紙と再生紙に文字を記録し、20倍顕微鏡で目視評
価した。 ○:Z691紙上、Z540紙上共に滲じみ無し。 △:Z691紙上で滲じみ無し。Z540紙上で滲じみ
あり。 ×:Z691紙上、Z540紙上共に滲じみあり。 Z540紙:リサイクルPPC用紙Z540、中性紙 (富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製) 評価3:信頼性 予めインクジェットヘッド内を十分に洗浄、乾燥し前記
記録装置に取り付けた。評価対象インクをこのヘッド内
へ充填し、A4紙3枚にフルベタ記録させた。その後、
ヘッドキャップをし、室温にて5日間放置した。放置
後、インク吐出試験を行った。 ○:吐出曲がり1以下、且つノズル詰まり0 △:吐出曲がり2乃至4、ノズル詰まり1乃至2の一方
の時 ×:吐出曲がり2乃至4、ノズル詰まり1乃至2の両方
の時、或は吐出曲がり5以上の時またはノズル詰まり3
以上の時 評価4:耐擦過性 綿棒(ジョンソン株式会社製)に300gの加重を掛
け、フルベタ記録部分を擦ることにより評価した。 ○:試験後、この綿棒にインク汚れが付着していない。 ×:試験後、この綿棒にインク汚れが付着している。
【0071】以上の評価で行ったの結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】表1より、融点が25℃を越える水溶性有
機溶媒を配合して成るインクは、評価手法3に基づき吐
出試験を行うとヘッドノズル詰まり或は吐出不良を起こ
し、信頼性がきわめて悪くなることが分かった。この原
因としては、水溶性有機溶剤の融点が比較的高いと、イ
ンクの乾燥に伴いヘッドの先端部で微少量の水溶性有機
溶剤が析出することが考えられる。
【0074】実施例B4,B5のインクをスポイトに取
り、ゼロックスZ691紙上に滴下した後、このインク
滴を限外顕微鏡観察を行った。観察当初は何ら観察され
なかったが、徐々にチンダル現象による散乱光が観察さ
れてきた。さらに、観察を続けると、この散乱光は強く
なってきた。最後に、インクが紙へ浸透することで散乱
光は消滅した。この現象は、比較例B5,B6も同様な
試験を行ったが現われなかった。
【0075】本発明のインクがどの様な機構に基づき、
滲じみの無い優れた記録を与えるかは定かではないが、
記録に伴いインク液が紙上でチンダル現象による散乱光
を示すことからから、塩析等による何等かの染料析出が
起こるものと考られる。さらに、インクが紙に浸透する
間に、この散乱光が強くなって来ることから、析出した
染料同士の凝集過程が介在するものと考えられる。そし
て、この凝集物が紙上に付着することで滲じみの無い記
録が達成できるものと推測される。従って、従来の記録
のように単純にインク液が紙中に浸み込み、乾燥が行わ
れる印字機構と相違するものと思われる。
【0076】C.インク組成II アイゼンスピロンブラックRLHスペシャル1重量部 N−メチル−2−ピロリドン 20重量部 (融点−24.4℃) グリセリン 10重量部 (融点18.2℃) 水 69重量部 [実施例C1]〜[実施例C6]上記インクに、オレイ
ン酸ナトリウム(界面活性剤、関東化学株式会社製)
を、それぞれ0グラム、0.01グラム、0.1グラ
ム、1グラム、5グラム、10グラム配合し接触角を測
定した。接触角の測定は、所定のインクをマイクロシリ
ンジに5μlとり、Z691紙上に滴下後、インクと紙
との接触角を測定した。
【0077】測定機器は、協和界面科学株式会社製 自
動接触角計CA−Z型を用いた。
【0078】表2に実施例C1〜C5のオレイン酸ナト
リウムの添加量と接触角の関係を示す。
【0079】
【表2】
【0080】[比較例C1] アイゼンスピロンブラックRLHスペシャル1重量部 N−メチル−2−ピロリドン 20重量部 (沸点202℃) シリカゾル 5重量部 水 65重量部 上記インクをインク吐出量0.04μg/液滴、吐出速
度15m/秒にて記録した。接触角は133度であっ
た。
【0081】−結果− 実施例C1〜C6のインクをインク吐出量0.04μg
/液滴、吐出速度15m/秒にて記録し、耐水性、滲じ
み、信頼性を評価したが、全ての項目に良好であった。
また、印字部でフェザリングも認められなかった。しか
し、比較例C1では、フルベタ部分で濃度ムラが発生し
た。
【0082】従来、水溶性である界面活性剤を増加させ
ていくと染料の水溶性化を促進させ、耐水性が著しく低
下することが認められていたが、本発明では耐水性に何
等影響は与えなかった。
【0083】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、少な
くとも、油溶性金属錯塩染料と水溶性有機溶媒と水から
成るインクにおいて、前記水溶性有機溶媒の50乃至1
00重量%が融点25℃℃以下であることを特徴とする
インクは、インクジェット記録方式に於て、滲じみの無
い、耐水性、信頼性に優れた記録を与える効果がある。
またインクと被記録紙との接触角を50度乃至130度
に調整することにより、フェザリングやフルベタ部分で
濃度ムラの無い記録を達成できる。
【0084】さらに本発明のインクのインクの吐出速度
が2m/秒以上であり、かつ1液滴当りのインク重量が
0.01乃至0.3μgである記録方法により、耐擦過
性の優れた記録がえらえる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、油溶金属錯塩染料と、水溶
    性有機溶媒と水からなるインクに於て、前記水溶性有機
    溶媒の50乃至100重量%が融点25℃以下であるこ
    とを特徴とするインク。
  2. 【請求項2】 前記水溶性有機溶媒が1乃至30重量%
    であることを特徴とする請求項1記載のインク。
  3. 【請求項3】 前記油溶金属錯塩染料が、0.5乃至1
    0重量%であることを特徴とする請求項1記載のイン
    ク。
  4. 【請求項4】 インク液滴を飛翔させることより紙上に
    記録したさいに、このインクと紙との接触角が50乃至
    130度にあることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    記載のインク。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項3記載のインクを用
    いて紙上に液的を飛翔させることを特徴とする記録方
    法。
  6. 【請求項6】 少なくとも、油溶金属錯塩染料と、水溶
    性有機溶媒の50乃至100重量%が融点25℃以下で
    あるインクを、飛翔速度が2m/秒以上で、かつ1液滴
    当りのインク重量が0.01乃至0.3μgで記録する
    ことを特徴とする記録方法。
  7. 【請求項7】 インク液滴を飛翔させることより紙上に
    記録したさいに、この紙上にあるインク中でチンダル現
    象が発生したのちに、このインクを紙中に浸み込ませる
    ことを特徴とする記録方法。
  8. 【請求項8】 油溶金属錯塩染料を水溶性有機溶媒に溶
    解させたのち、この染料溶液を少なくとも水を含む溶液
    に注いで製造することを特徴とするインクの製造方法。
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