JPH07133341A - 電解重合膜の製造方法 - Google Patents

電解重合膜の製造方法

Info

Publication number
JPH07133341A
JPH07133341A JP5302208A JP30220893A JPH07133341A JP H07133341 A JPH07133341 A JP H07133341A JP 5302208 A JP5302208 A JP 5302208A JP 30220893 A JP30220893 A JP 30220893A JP H07133341 A JPH07133341 A JP H07133341A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electropolymerizable
group
film
monomer
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5302208A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Wakabayashi
雅樹 若林
Makoto Sakai
誠 酒井
Akira Ishibashi
石橋  亮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YKK Corp
Original Assignee
YKK Corp
Yoshida Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YKK Corp, Yoshida Kogyo KK filed Critical YKK Corp
Priority to JP5302208A priority Critical patent/JPH07133341A/ja
Priority to DE69425104T priority patent/DE69425104T2/de
Priority to EP94117367A priority patent/EP0652242B1/en
Publication of JPH07133341A publication Critical patent/JPH07133341A/ja
Priority to US08/884,071 priority patent/US5789600A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 膜の電気化学的性能を損なうことなく、強
度、硬度、剥離強度、耐薬品性等の性質に優れた強靭な
電解重合膜を製造できる方法を提供する。 【構成】 電気化学的に活性な3官能性以上の電解重合
可能な基を有する多官能性の電解重合可能な化合物と、
電解重合可能なモノマーを用いて電解重合を行う。多官
能化合物としては、下記化1の一般式(1)又は(2)
(式中、R1 は水素又はアルキル基、Aは電解重合可能
な基、Bは二価の基、nは3以上の整数である)で表わ
される高分子化合物を用いる。電解重合可能な基Aはフ
ェニレン、ナフタレン、アントラセン、アズレン、チオ
フェン、セレノフェン、ピロール、ピリジン、フラン、
アニリン又はこれらにアルキル基を導入し変成したもの
の単量体又は多量体に基づく基であり、二価の基Bはア
ルキレン基、エーテル基、エステル基、アミド基、フェ
ニレン基、ウレア基又はウレタン基である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレクトロクロミック
素子に用いられる発色材料、対向電極材料、さらには一
般的な電気化学素子の電極材料に関連する新規な電解重
合膜の製造方法、より具体的には該電解重合膜の強度を
向上させるための三次元架橋方法及びそれに用いられる
添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミズムとは、例えば電圧
印加により、電極面あるいは電極近傍で起こる酸化還元
反応によって、可逆的に色や光透過度の変化を呈する現
象をいい、このようなエレクトロクロミズム現象を示す
材料としては種々の材料が報告されている。従来のエレ
クトロクロミズムを用いた発色材としては、特公昭52
−46098号公報に記載されているような酸化タング
ステン等の金属酸化物を用いるもの、特開昭51−14
6253号公報に記載のように溶液状のビオロゲン等の
有機低分子化合物を用いるもの、特開昭56−6788
1号公報に記載のように主鎖に共役二重結合を有する導
電性高分子を用いるものが知られている。
【0003】導電性高分子を電極物質として使用する例
としては、高分子学会編、高分子新素材便覧、1989
年丸善(株)発行、第191〜192頁に要約されてい
るように、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレ
ン等が挙げられている。これらはポリマーの主鎖自身が
導電性を有し、ドープ、脱ドープによる電子状態の差に
より発色するものである。電解重合は導電性高分子の合
成方法として一般に用いられる方法である。電解重合に
より得られる膜は多孔質膜となり、その後の電気化学反
応において、その多孔性が電極反応を促進し、優れた電
極特性を与える。そのため、エレクトロクロミック素子
の発色電極の製法として用いられている。また、機能性
電極の製法や電池用電極の製法として用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】主鎖に共役二重結合を
有する電気伝導性高分子は、特開昭60−188931
号公報記載のように、電解重合等により電極表面に直接
重合される。一般に電解重合により得られる膜は多孔質
となり、電解質溶液への親和性が高い。そのため、電解
重合による導電性高分子を表面に持つ電極は、高い反応
性を持つ高機能な電極となる。また、導電性高分子は溶
媒に対する溶解性が低く、一旦重合物となれば溶媒に対
して溶解性を示さなくなる。しかし、重合物が側鎖を持
つ場合、例えばポリアルキルチオフェン等の場合、溶解
性の重合物が得られる。側鎖を持たない場合でも、薄膜
を得ようとする場合、重合が完全に進行していない低分
子量の溶解性物が残存し、この低分子量物の溶出が観察
される。電解重合による膜は、巨視的には多孔性であ
り、微視的には電解重合溶媒を内部に取り込み、膨潤し
た状態にある。そのため、膜自体は非常に柔らかく、傷
付きやすいものとなっている。すなわち、電解重合によ
る膜は、強度、硬度が低く、容易に傷が付きやすい。そ
のため、電解重合膜を有する電極材料を種々の装置に素
子として組み立てる際には、電極表面を傷付けないよう
に注意を要する。
【0005】従って、本発明の目的は、膜の電気化学的
性能を損なうことなく、強度、硬度、剥離強度、耐薬品
性等の性質に優れた強靭な電解重合膜を製造できる方法
を提供することにある。さらに本発明の目的は、電解重
合膜の強度を向上させるために、電解重合膜の三次元架
橋化方法及び該架橋方法に有用な添加剤を見い出すこと
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記目
的を達成するために、電気化学的に活性な3官能性以上
の電解重合可能な基を有する多官能性の電解重合可能な
化合物と、電解重合可能なモノマーを用いて電解重合を
行うことを特徴とする電解重合膜の製造方法が提供され
る。上記電解重合可能なモノマーとしては、芳香族共役
系モノマー(フェニレン、ナフタレン、アントラセン、
アズレン等)、複素環式共役系モノマー(チオフェン、
セレノフェン、ピロール、ピリジン、フラン等)、含ヘ
テロ原子共役系モノマー(アニリン等)、これらにアル
キル基等を導入し変成したもの等がある。また、上記電
気化学的に活性な3官能性以上の電解重合可能な基を有
する多官能性の電解重合可能な化合物としては、下記化
【化3】 の一般式(1)(式中、R1 は水素又はアルキル基、A
は電解重合可能な基、nは3以上の整数である。)で表
わされる炭素−炭素結合を有する主鎖に電解重合可能な
基が直接結合した高分子化合物、及び下記化4
【化4】 の一般式(2)(式中、R1 は水素又はアルキル基、A
は電解重合可能な基、Bは二価の基、nは3以上の整数
である。)で表わされる主鎖に二価の基を介して電解重
合可能な基が結合した高分子化合物が挙げられる。
【0007】上記一般式(1)及び(2)において、電
解重合可能な基Aとしては、芳香族共役系モノマー(フ
ェニレン、ナフタレン、アントラセン、アズレン等)、
複素環式共役系モノマー(チオフェン、セレノフェン、
ピロール、ピリジン、フラン等)、含ヘテロ原子共役系
モノマー(アニリン等)、及びこれらにアルキル基等を
導入し変成したもの等の単量体、二量体又は多量体に基
づく基が挙げられる。さらには、これらの単量体、二量
体又は多量体を組み合わせて用いることも可能である。
多量体の重合度は特に指定されるものではない。二量体
までは溶媒に対して溶解性を示すが、三量体以上では溶
媒への溶解性が低下する。そのため、三量体以上につい
てはアルキル鎖を導入する等の対処が必要である。単量
体、二量体は溶解性に優れ、合成原料が安価に入手でき
ることから有利である。また、上記一般式(2)におけ
る二価の基Bとしては、メチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基などのアルキレン基、エーテル基、エステル
基、アミド基、フェニレン基、ウレア基、ウレタン基等
を用いることができる。なお、上記一般式(1)及び
(2)における置換基R1 がアルキル基の場合、その大
きさは重合性単量体が溶媒に溶解できるような大きさで
あればよいが、側鎖のアルキル基の分子量が大きい場
合、その反応性が低下し易いので、一般に炭素数1〜1
0のものが好ましい。電解重合の際に使用する電解質
は、特に限定されるものではないが、LiClO4 、L
iAsF6 、LiPF6 、LiBF4 等が用いられる。
電解重合用の溶媒としてはプロピレンカーボネイトが一
般的であるが、電位窓が電解重合に必要な電位を含む溶
媒であり、上記多官能性高分子化合物、電解重合可能な
モノマー及び支持電解質を溶解可能であれば特に限定さ
れるものではない。本発明者らの実験によれば、アセト
ニトリル、ベンゾニトリル、フェニルアセトニトリルが
溶解性の点から優れている。
【0008】
【発明の作用及び態様】本発明は、支持電解質の存在下
で電解重合可能なモノマーの電解重合を行う際、上記多
官能性の電解重合可能な高分子化合物を添加して電解重
合を行うことを特徴とするものであり、それによって電
解重合膜に三次元架橋構造を導入し、膜強度を向上し、
膜の耐溶剤性等の耐薬品性を向上させるものである。本
発明においては、(1)上記電気化学的に活性な3官能
性以上の高分子化合物を電解重合可能なモノマーを含む
電解質溶液に添加して、モノマーの重合と共に上記3官
能性以上の高分子化合物の電解重合を行うか、(2)モ
ノマーのみを添加した電解質溶液で所定の電解重合を行
った後に、別の電解反応槽にてさらに電気化学的に活性
な3官能性以上の高分子化合物を含む電解質溶液中で、
電気化学反応させることにより、電解重合膜を3次元架
橋化し、強固な膜を得ることができる。上記(1)と
(2)の場合にはでき上がる膜に若干の違いが生じる。
(1)の場合には分子の連続性が上記三次元架橋点で断
ち切られるために、上記高分子化合物の添加量によって
は分子鎖長が短くなる。一方、(2)の場合には重合は
十分に進行しており、分子鎖長は十分に確保されてい
る。しかし、電解重合後期にはすべての分子鎖が活性で
はなく、不活性な分子鎖が存在する。膜の表面から内部
にかけて上記高分子化合物の拡散距離に応じて反応の進
行が遅くなる。これらの理由から全ての分子鎖の末端を
上記高分子化合物と反応させることが困難となる。
【0009】例えば、ドデシルチオフェンを電解重合し
た場合、クロロホルムに可溶なポリドデシルチオフェン
が得られる。電解重合により得られるドデシルチオフェ
ンは、化学合成により得られるドデシルチオフェンより
分子量が小さいが、常に溶媒に不溶な成分が含まれる。
また、電解重合ドデシルチオフェンをGPCにより分子
量別に分取し、各分子量別に可視紫外スペクトルを測定
すると、重合度10を超えるものについてはほとんど差
が無いことが分かる。このことは、エレクトロクロミッ
ク素子の様な光学素子において、重合度10を超える共
役鎖長を確保できれば特性に差が無いことを示してい
る。前記(1)の方法によっても前記高分子化合物の添
加量を制御することにより、架橋点間重合度10以上を
確保することは可能であり、光学的には前記(2)の方
法と変わらない電解重合膜を得ることができる。溶媒に
不溶な成分には2−位置、5−位置の他にも3−位置に
結合したチオフェンが存在することがスペクトルより確
認できる。このことは本来通常の電解重合においても架
橋点が存在し、三次元構造をとる成分が存在すると推定
される。この様な成分が存在することから、前記多官能
性の高分子化合物を添加することによる電気特性への影
響も大きなものではない。
【0010】電解重合膜の三次元架橋化の具体的な方法
としては、種々の方法を採用できる。例えば、前記多官
能性の電解重合可能な高分子化合物を含む電解質溶液を
電極基材上に塗布して製膜する際、電解重合可能なモノ
マーを膜中に含むように塗膜を調製し、その後電解重合
を行うことにより、該高分子化合物の膜中でモノマーの
電解重合を行い、同時に高分子化合物の電解重合可能な
基とも反応させることが可能である。このような膜を得
るには、溶液より高分子化合物の膜を製膜する際、溶液
中に電解重合可能なモノマーを添加溶解し、この溶液を
塗布乾燥することによって、モノマーを含む高分子化合
物の膜を調製することができる。また、モノマーの分子
量が小さく、高分子化合物の膜中へ拡散することが可能
な場合には、高分子化合物の膜をまず調製し、その後モ
ノマーを接触させることにより膜中へ拡散させ、含浸さ
せることができる。さらには、予め高分子化合物の膜を
電解重合し、該高分子化合物の電解重合可能な基を反応
させた後、モノマーを含浸させ、再度電解重合を行うこ
ともできる。また、電気化学素子の電極上に電解重合膜
を作製する場合、上記のように電極上に製膜し、電気化
学素子を組み立てた後、素子への通電によって電解重合
を行うこともできる。なお、ここで用いる多官能性の電
解重合可能な高分子化合物の電解重合可能な基と、電解
質溶液に別途添加される電解重合性モノマーは同一であ
る必要はなく、異なる電解重合可能な基を有する高分子
化合物であってもかまわない。
【0011】本発明においては、電解重合可能なモノマ
ーの他に、電解重合可能な基を3個以上有する多官能性
の高分子化合物を電解質溶液に添加し、電解重合を行う
ことにより、電解重合膜に三次元架橋構造を導入するも
のである。このような高分子化合物の具体的な例として
は、下記化5
【化5】 (式中、R1 は水素又はアルキル基、Aは電解重合可能
な基、kは1又は2、mは1以上の整数、nは3以上の
整数である。)の式(A)及び(B)のように炭素−炭
素結合を有する主鎖に電解重合可能な基(チオフェン又
はアルキルチオフェン)が直接結合したもの、及び式
(C)、(D)及び(E)のように主鎖に電解重合可能
な基が二価の基(フェニレン基)を介して結合したもの
がある。
【0012】前記式(A)及び(D)のように電解重合
可能な基としてチオフェンを用いた場合には、チオフェ
ンの単量体ないし二量体が適する。三量体以上の場合に
は溶解性が極端に低下し、本発明の用途に適さない。そ
のような場合には置換基R1を長くすることで多少は改
善出来る。しかし、R1 はオクチル基以上では合成時の
重合性が低下し、高分子量を得ることが難しい。三量体
以上を使用する場合には、(B)及び(E)のようにア
ルキルチオフェンとすることで溶解性を確保できる。こ
の場合、チオフェンに導入するアルキル基は、炭素数が
4より大きなアルキル鎖とすることにより溶解性を確保
することができる。さらに、式(A)、(B)、
(D)、(E)のようにチオフェンを導入した高分子化
合物は、合成も容易で、電解重合も容易に行われる。前
記式(C)において、Aの電解重合可能な基とは、前記
したように芳香族共役系モノマー(フェニレン、ナフタ
レン、アントラセン、アズレン等)、複素環式共役系モ
ノマー(チオフェン、セレノフェン、ピロール、ピリジ
ン、フラン等)、含ヘテロ原子共役系モノマー(アニリ
ン等)、これらにアルキル基等を導入し変成したもの等
のモノマーの単量体、二量体又は多量体である。置換基
1 は水素又はメチル、エチル、プロピル等のアルキル
基であり、アルキル基を導入することにより溶解性が向
上する。また、前記高分子化合物の重合度nは3以上の
整数である。nの数は好ましくは1000を超えない範
囲で選ばれる。1000を超えるものは溶媒に対する溶
解性が低下するため好ましくない。
【0013】電解重合可能なモノマーについても、同様
に芳香族共役系モノマー(フェニレン、ナフタレン、ア
ントラセン、アズレン等)、複素環式共役系モノマー
(チオフェン、セレノフェン、ピロール、ピリジン、フ
ラン等)、含ヘテロ原子共役系モノマー(アニリン
等)、これらにアルキル基等を導入し変成したものを用
いることができ、前記高分子化合物の電解重合可能な基
と同じであっても、異なるものであってもかまわない。
さらに、電気化学的に1価であっても2価以上であって
もよい。1価の場合には添加された前記高分子化合物の
側鎖を形成することとなり、2価以上であれば、新たに
添加された高分子化合物を介して架橋した化合物が得ら
れる。これら電解重合可能なモノマーの他に前記高分子
化合物を加えて電解重合により合成された膜は、良好な
エレクトロクロミック特性を示し、エレクトロクロミッ
ク特性においては通常の電解重合膜となんら変わるとこ
ろがない。一方、膜の剛性率が向上し強度が増すことか
ら、取扱が容易となり、素子の組み立て工程において不
良率を低下させる。
【0014】
【実施例】以下、実施例を示して本発明について具体的
に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるもので
ないことはもとよりである。
【0015】実施例1 ベンゾニトリルにホウフッ化テトラ−n−ブチルアンモ
ニウム0.2モル/lを支持塩として溶解した電解質溶
液にオクチルチオフェン0.2モル/lと下記化6の化
合物1wt%を溶解し、反応電極、対向電極ともに白金
板を用いて両電極間の電圧を3.5ボルトとして電解重
合を行った。約1分で膜が得られた。得られた膜はクロ
ロホルムに溶解せず、膨潤を示すのみであった。またプ
ロピレンカーボネイトに過塩素酸リチウム0.5モル/
lを溶解した電解質溶液でドープしたところ青色に発色
し、脱ドープにより赤色に変化した。この変化は可逆的
であった。比較のために、ベンゾニトリルにホウフッ化
テトラ−n−ブチルアンモニウムを支持塩として溶解し
た電解質溶液にオクチルチオフェンのみを溶解し、上記
と同様の電解重合を行った。得られた膜はクロロホルム
に溶解し、赤褐色の溶液となった。
【化6】
【0016】実施例2 前記実施例と同様にベンゾニトリルにホウフッ化テトラ
−n−ブチルアンモニウムを支持塩として溶解した電解
質溶液にピロールと下記化7の化合物を溶解し、反応電
極、対向電極ともに白金板を用いて両電極間の電圧を
3.5ボルトとして電解重合を行った。約2分で膜が得
られた。得られた膜はクロロホルムに溶解せず、膨潤を
示すのみであった。またプロピレンカーボネイトに過塩
素酸リチウムを溶解した電解質溶液でドープしたところ
褐色に発色し、脱ドープにより薄黄色に変化した。この
変化は可逆的であった。また、得られた膜は、硬く、傷
付きにくい硬質な膜であった。
【化7】
【0017】
【発明の効果】以上のように、本発明の電解重合膜の製
造方法によれば、支持電解質の存在下で電解重合可能な
モノマーの電解重合を行う際、前記多官能性の電解重合
可能な化合物を添加して電解重合を行うものであり、そ
れによって電解重合膜に三次元架橋構造が導入され、膜
の強度、硬度等が向上し、さらに膜の耐溶剤性等の耐薬
品性が向上した強靭な電解重合膜が得られる。また、電
解重合可能なモノマーの他に前記高分子化合物を加えて
電解重合により合成された膜は、良好なエレクトロクロ
ミック特性を示し、エレクトロクロミック特性において
は通常の電解重合膜となんら変わるところがない。一
方、膜の剛性率が向上し強度が増すことから、取扱が容
易となり、素子の組み立て工程において不良率が低下す
るなどの利点も得られる。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気化学的に活性な3官能性以上の電解
    重合可能な基を有する多官能性の電解重合可能な化合物
    と、電解重合可能なモノマーを用いて電解重合を行うこ
    とを特徴とする電解重合膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 電解重合が支持電解質を含む溶液中で行
    われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記多官能性の電解重合可能な化合物を
    電極上に塗布により製膜する際、電解重合可能なモノマ
    ーを同時に塗布し、多官能性の電解重合可能な化合物の
    塗膜中に電解重合可能なモノマーを共存せしめ、膜中で
    電解重合により反応せしめることを特徴とする請求項1
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記多官能性の電解重合可能な化合物を
    電極上に製膜した後、電解重合可能なモノマーを該膜中
    に浸透させ、膜中に電解重合可能なモノマーを共存せし
    め、膜中で電解重合により反応せしめることを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記多官能性の電解重合可能な化合物を
    電極上に製膜した後、該化合物の電解重合可能な基を電
    解重合により反応させ、その後電解重合可能なモノマー
    を浸透させ、さらに電解重合を行うことを特徴とする請
    求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 電気化学素子の電極上に電解重合膜を製
    造する方法において、電極上に製膜し、電気化学素子を
    組み立てた後、通電により電解重合を行うことを特徴と
    する請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記多官能性の電解重合可能な化合物を
    溶液より製膜する際、あらかじめ溶液に支持電解質を溶
    解させ、膜中に支持電解質を分散させることを特徴とす
    る請求項3乃至6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記多官能性の電解重合可能な化合物
    が、下記化1 【化1】 の一般式(1)(式中、R1 は水素又はアルキル基、A
    は電解重合可能な基、nは3以上の整数である。)で表
    わされる高分子化合物であることを特徴とする請求項1
    乃至7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記多官能性の電解重合可能な化合物
    が、下記化2 【化2】 の一般式(2)(式中、R1 は水素又はアルキル基、A
    は電解重合可能な基、Bは二価の基、nは3以上の整数
    である。)で表わされる高分子化合物であることを特徴
    とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記一般式(1)又は(2)におい
    て、電解重合可能な基Aが、フェニレン、ナフタレン、
    アントラセン、アズレン、チオフェン、セレノフェン、
    ピロール、ピリジン、フラン、アニリン又はこれらにア
    ルキル基を導入し変成したものの単量体又は多量体に基
    づく基であることを特徴とする請求項8又は9に記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 前記一般式(2)において、二価の基
    Bが、アルキレン基、エーテル基、エステル基、アミド
    基、フェニレン基、ウレア基又はウレタン基であること
    を特徴とする請求項9又は10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記一般式(1)又は(2)におい
    て、電解重合可能な基Aがチォフェンの単量体もしくは
    二量体又はアルキルチオフェンの単量体もしくは多量体
    に基づく基である請求項8又は9に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記一般式(2)において、二価の基
    Bが、フェニレン基であることを特徴とする請求項9又
    は12に記載の方法。
JP5302208A 1993-11-09 1993-11-09 電解重合膜の製造方法 Pending JPH07133341A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5302208A JPH07133341A (ja) 1993-11-09 1993-11-09 電解重合膜の製造方法
DE69425104T DE69425104T2 (de) 1993-11-09 1994-11-03 Polymerisierbare makromolekulare Verbindung mit einer elektrolytischen polymerisierbaren Gruppe
EP94117367A EP0652242B1 (en) 1993-11-09 1994-11-03 Polymerizable macromolecular compound containing electrolytically polymerizable group
US08/884,071 US5789600A (en) 1993-11-09 1997-06-27 Polymerizable monomer containing electrolytically polymerizable groups

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5302208A JPH07133341A (ja) 1993-11-09 1993-11-09 電解重合膜の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07133341A true JPH07133341A (ja) 1995-05-23

Family

ID=17906258

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5302208A Pending JPH07133341A (ja) 1993-11-09 1993-11-09 電解重合膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07133341A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006520481A (ja) * 2003-01-31 2006-09-07 エヌテラ・リミテッド エレクトロクロミックディスプレイ・デバイス
WO2007037254A1 (ja) * 2005-09-29 2007-04-05 Kabushikikaisha Equos Research キャパシタ用電極材料の製造方法、キャパシタ用電極及びキャパシタ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006520481A (ja) * 2003-01-31 2006-09-07 エヌテラ・リミテッド エレクトロクロミックディスプレイ・デバイス
WO2007037254A1 (ja) * 2005-09-29 2007-04-05 Kabushikikaisha Equos Research キャパシタ用電極材料の製造方法、キャパシタ用電極及びキャパシタ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Maior et al. Synthesis and characterization of two regiochemically defined poly (dialkylbithiophenes): a comparative study
Soganci et al. Synthesis of highly branched conducting polymer architecture for electrochromic applications
Sinha et al. Processable, regioregular, and “Click” able monomer and polymers based on 3, 4-Propylenedioxythiophene with tunable solubility
Nawa et al. Synthesis of a novel type of electrochemically doped vinyl polymer containing pendant terthiophene and its electrical and electrochromic properties
Wan et al. Low potential electrochemical synthesis of polyfuran and characterization of the obtained free-standing film
WO1991019021A1 (en) Polymerization of thiophene and its derivatives
Tarkuc et al. A soluble conducting polymer: 1-Phenyl-2, 5-di (2-thienyl)-1H-pyrrole and its electrochromic application
Pei et al. Poly [3-(4-octylphenyl) thiophene], a new processible conducting polymer
EP2338925A1 (en) -electron conjugated compound, manufacturing method therefor, and -electron conjugated polymer obtained using same
JP6154784B2 (ja) 3,4−アルキレンジオキシピロールおよび3,4−アルキレンジオキシフランの無触媒重合
US6359149B1 (en) Bithienylnaphthalene- and bis(3,4-ethylenedioxythienyl)naphthalene-based monomers and polymers
US6291621B1 (en) Bithienylnaphthalene-based monomers and polymers
US6197921B1 (en) Polymers of 1-(bithien-2-yl)-4-aminobenzene
Soganci et al. Fabrication of multifunctional 2, 5-di (2-thienyl) pyrrole based conducting copolymer for further sensor and optoelectronic applications
Soganci Effects of N-substitution group on electrochemical, electrochromic and optical properties of dithienyl derivative
JPH07133341A (ja) 電解重合膜の製造方法
US5276102A (en) Electrically conductive polythiopheneamine polymer networks
JP2704587B2 (ja) ポリアニリン−ポリエーテルブロック共重合体およびその製造方法
Coelho et al. Synthesis and characterization of fluorescent nitrobenzoyl polythiophenes
EP0652242A2 (en) Polymerizable monomer containing electrolytically polymerizable group, polymer thereof, and application of the polymer
US5254627A (en) Electrically conductive polypyrroleamine polymer networks
Nguyen et al. Water-soluble conducting copolymers of o-aminobenzyl alcohol and diphenylamine-4-sulfonic acid
JP2931191B2 (ja) 新規共重合体及び該共重合体の電解重合膜の製造方法
Skompska et al. The influence of water on the electrochemical activity of poly (N-vinylcarbazole) films
JP2794524B2 (ja) 極性表面を有する材料と導電性高分子との積層体