JPH0713184Y2 - バイパスケーブル接続部 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、保守管理や運搬が容易で、かつ機材相互の接
続作業性に優れたバイパスケーブル接続部に関する。

（従来の技術） 従来から、配電線の工事等に伴う停電をなくするため
に、工事区間外からバイパスケーブルを使用して電源を
引込む、いわゆるバイパス工法が広く採用されている。
そして、この工法においてバイパスケーブルへ電源を引
込む場合には、給電機器の接続部の形状に合わせて端末
を加工したバイパスケーブルを直接接続するか、あるい
はバイパスケーブルの端部を、コネクタを介して前記機
器の端子に羽子板接続する方法によって行われている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、これらの方法のうち前者の方法において
は、給電機器の種類に応じて所定の形状に端部を加工し
た何種類もの専用のバイパスケーブルを準備しなければ
ならず、これらのケーブルを運搬したり保守管理したり
する上で多くの問題があった。

また、後者の方法においては、バイパスケーブルとコネ
クタとの接続に、ボルト締めを必要とするため、接続作
業に広いスペースを必要とし、かつ作業性が悪いという
問題があった。

本考案は、これらの問題を解決するためになされたもの
で、一種類のバイパスケーブルを準備するだけで各種の
充電用機器に適用することができ、したがって、ケーブ
ルの保守管理および運搬が容易なバイパスケーブル接続
部を提供することを目的とする。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 本考案のバイパスケーブル接続部は、バイパスケーブル
の導体端部へ、円柱状先端部の基部外周にフランジ部を
有し、後端に導体固定用の筒状部を有する端子の筒状部
を被嵌して接続固定され、前記端子の筒状部外周は、外
周面上にねじ山が刻設された端子固定管がその先端部を
前記フランジ部に当接する如くして嵌め込まれ、前記端
子の円柱状先端部には、一端に機器への接続部を有し、
他端に前記端子の円柱状先端部が挿入される円筒状摺動
部と、その入口部の内周面に前記端子固定管のねじ山と
螺合するねじ込み部とを有するコネクタが着脱自在に装
着され、前記端子固定管のねじ山は、前記コネクタのね
じ込み部に着脱自在に螺合されて成ることを特徴として
いる。

（作用） 本考案のバイパスケーブル接続部においては、端子の円
柱状先端部とコネクタとの嵌合によって、バイパスケー
ブルとコネクタとの電気的な接続がなされる。

また、端子固定管のねじ山をコネクタのねじ込み部に螺
合させることによって、端子の抜け出しが防止される。

したがって、給電機器との接続端子の形状が異なる何種
類かのコネクタを準備しておき、給電機器の種類に応じ
てコネクタを取替えるだけで、機器とバイパスケーブル
との接続を容易に行うことができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案のバイパスケーブル接続部の一実施例を
示す一部縦断面図、第２図は第１図をII−II方向から見
た側面図である。

図において、符号１はバイパスケーブルを示しており、
ケーブル端部の露出された導体２の上には、先端が円柱
状で後端に導体挿入用の筒状部を有し、その中間にフラ
ンジ部3aを有する銅製の端子３が被嵌されて電気的、機
械的に接続されている。

また、このケーブルの絶縁体４の端部から端子３の端部
にかけて、紡錐状の絶縁筒５が被嵌されている。なお、
符号5aは絶縁筒５と一体モールドされ、バイパスケーブ
ル１の遮蔽層1aに電気的に接続された遮蔽金具を示して
おり、この遮蔽金具5aのタップｔに図示しない接地線の
端子がビス止され、この接地線を介して遮蔽層1aが絶縁
筒５外に引き出されている。

そして、端子３の筒状部の外側には、先端をフランジ部
3aに当接させ絶縁筒５の端部を覆うようにして、外周面
上にねじ山６が刻設された端子固定管７が嵌め込まれて
いる。

符号８は、端子３に着脱自在に接続されるコネクタであ
って、銅合金等からなるコネクタ本体９の先端には、薄
型多回路の給電機器に接続させる板状の接続端子10が取
付けられている。

また、コネクタ本体９の後端には軸方向に段穴が形成さ
れ、先端の小径の円筒状の穴部にはバイパスケーブル１
の端子３の円柱状の先端部が挿入されるリング状の摺接
型の接続子（マルチコンタクト）11が嵌合され、それに
続く大径の円筒状の穴部の内周面には端子固定管７のね
じ山６が螺合されるねじ溝の刻設されたねじ込部12が形
成されている。なお、接続子11は、第５図に示すよう
に、リング状の弾性金属材料帯条11aに、内側に向かっ
て切り起こされた周方向に傾斜する弾性切起片11bを周
方向に分布して多数設けて構成されている。

このように構成された本考案のバイパスケーブル接続部
においては、バイパスケーブル１の端子３をコネクタ８
のリング状の接続子11に達するまで挿入し、これに摺接
させることによって、バイパスケーブル１とコネクタ８
との電気的接続が完全に行われる。

そして、バイパスケーブル１の端子固定管７のねじ山６
をコネクタ８の大径のねじ込部12にねじ込むことにより
両者は機械的に固定され、軸方向の相対的な移動が防止
され、ケーブルに長さ方向の力が加えられても引抜ける
ことがなくなる。

第３図および第４図は、異なる給電機器に接続される交
換使用される他のコネクタの例を示すもので、コネクタ
本体９の先端の接続端子10を給電機器の接続部の形状に
合わせて棒状に成形した例である。このコネクタ８も第
１図に示したバイパスケーブル１に対して第１図のコネ
クタと同様に使用され、同様の効果を奏する。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案のバイパスケーブル接続部
においては、端子固定管のねじ山をコネクタのねじ込み
部に螺合させることによって、端子とコネクタとを機械
的に固定することができ、また、端子固定管の先端部が
端子のフランジ部に当接され、軸方向の移動が防止され
ているので、バイパスケーブルに長さ方向への力が加え
られても引き抜けることがなくなる。さらに、コネクタ
が端子に着脱自在に接続されていることによって、コネ
クタの交換を容易に行うことができる。この結果、給電
機器に適した接続端子形状を有する何種類かのコネクタ
を準備しておけば、多種類の機器とバイパスケーブルと
の接続を容易に行うことができる。したがって、バイパ
スケーブルとしては一種類のものを準備すればよく、保
守管理や運搬が容易である。また、バイパスケーブルと
コネクタとの接続が容易であり、接続作業に広いスペー
スや多くの時間を要しない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のバイパスケーブル接続部の一実施例を
示す一部縦断面図、第２図は第１図をII−II方向から見
た側面図、第３図は本考案の他の実施例に使用するコネ
クタを示す一部縦断面図、第４図は第３図をIV−IV方向
から見た側面図、第５図は第３図の要部をＶ−Ｖ方向か
ら見た側面図である。 １……パイパスケーブル ３……端子 ７……端子固定管 ８……コネクタ 10……機器接続端子 11……雌型接続子 12……ねじ込部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 谷本 広行 神奈川県川崎市川崎区小田栄２丁目１番１ 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)考案者 清水 輝明 東京都台東区竜泉２―18―６ 東京電力株 式会社上野支店内 (72)考案者 工藤 勉 東京都台東区竜泉２―18―６ 東京電力株 式会社上野支店内 (72)考案者 谷内 清晴 東京都台東区竜泉２―18―６ 東京電力株 式会社上野支店内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】バイパスケーブルの導体端部へ、円柱状先
   端部の基部外周にフランジ部を有し、後端に導体固定用
   の筒状部を有する端子の筒状部を被嵌して接続固定さ
   れ、前記端子の筒状部外周には、外周面上にねじ山が刻
   設された端子固定管がその先端部を前記フランジ部に当
   接する如くして嵌め込まれ、前記端子の円柱状先端部に
   は、一端に機器への接続部を有し、他端に前記端子の円
   柱状先端部が挿入される円筒状摺動部と、その入口部の
   内周面に前記端子固定管のねじ山と螺合するねじ込み部
   とを有するコネクタが着脱自在に装着され、前記端子固
   定管のねじ山は、前記コネクタのねじ込み部に着脱自在
   に螺合されて成ることを特徴とするバイパスケーブル接
   続部。