JPH07131100A - レーザ光発生装置 - Google Patents

レーザ光発生装置

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Publication number
JPH07131100A
JPH07131100A JP27846893A JP27846893A JPH07131100A JP H07131100 A JPH07131100 A JP H07131100A JP 27846893 A JP27846893 A JP 27846893A JP 27846893 A JP27846893 A JP 27846893A JP H07131100 A JPH07131100 A JP H07131100A
Authority
JP
Japan
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crystal element
laser
laser light
nonlinear optical
ktp
Prior art date
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Application number
JP27846893A
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English (en)
Inventor
Bueruna Buihiman
ヴェルナ ヴィヒマン
Michio Oka
美智雄 岡
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 レーザ共振器13を構成する一対の反射鏡1
4、18の間に、基本波レーザ光を発生するレーザ媒質
(Nd:YVO4 )16、ブリュースター板15、タイ
プIIの位相整合をとり基本波レーザ光の第2高調波を発
生する非線形光学結晶素子(KTP)17及び非線形光
学結晶素子17の複屈折による位相遅延量の温度特性を
打ち消す所定の温度特性を有する複屈折性結晶素子19
(YVO4)を配置する。非線形光学結晶素子17の結
晶のc軸と複屈折性結晶素子19の結晶のc軸とは互い
に直交させる。 【効果】 非線形光学結晶素子17の複屈折の温度変化
の影響を除去し、広い温度範囲にわたって安定な縦単一
モード発振が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光発生装置に関
し、特に、非線形光学結晶素子を用いて高次高調波レー
ザ光を発生させるレーザ光源を有するレーザ光発生装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】共振器内部の高いパワー密度を利用して
効率良く波長変換を行うことが従来より提案されてお
り、例えば、外部共振型のSHG(第2高調波発生)
や、レーザ共振器内部の非線形光学素子によるSHG等
が試みられている。
【0003】レーザ共振器内第2高調波発生タイプの例
としては、共振器を構成する1対の反射鏡の間に、レー
ザ媒質及び非線形光学結晶素子を配置したものが知られ
ている。このタイプのレーザ光発生装置の場合には、共
振器内部の非線形光学結晶素子において、基本波レーザ
光に対して第2高調波レーザ光を位相整合させることに
より、効率良く第2高調波レーザ光を取り出すことがで
きる。
【0004】上記位相整合を実現する方法としては、基
本波レーザ光及び第2高調波レーザ光間にタイプI又は
タイプIIの位相整合条件を成り立たせるようにする。す
なわち、タイプIの位相整合は、基本波レーザ光の常光
線を利用して、同一方向に偏光した2つの光子から周波
数が2倍の1つの光子を作るような現象を生じさせるこ
とを原理とするものである。これに対して、タイプIIの
位相整合は、互いに直交する2つの基本波固有偏光を非
線形光学結晶素子に入射することにより、2つの固有偏
光についてそれぞれ位相整合条件を成り立たせるように
するもので、基本波レーザ光は非線形光学結晶素子の内
部において常光線及び異常光線に分かれて第2高調波レ
ーザ光の異常光線に対して位相整合を生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記タイプ
IIの位相整合をとるレーザ共振器内に設けられる非線形
光学結晶素子は、その複屈折によるリターデーション
(位相遅延量、位相差)が温度依存性を持つという理由
により、これを用いたレーザ共振器が安定に動作する温
度範囲が狭くなるという問題点があった。
【0006】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、共振器内SHG(第2高調波発生)型レ
ーザ光発生装置において、温度変化等により発生する非
線形光学結晶素子(KTP等)のリターデーション変動
を抑えて動作を安定化することができるようなレーザ光
発生装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るレーザ光発
生装置は、励起光源素子と、この励起光源素子からの励
起光によって励起されるレーザ媒質と、このレーザ媒質
の前後に配置され上記レーザ媒質より発生された基本波
レーザ光を反射してレーザ共振器を構成する一対の反射
手段と、このレーザ共振器内に配設されタイプIIの位相
整合をとる非線形光学結晶素子と、上記レーザ共振器内
に配設され上記非線形光学結晶素子の複屈折による位相
遅延量の温度特性を打ち消す所定の温度依存性を有する
複屈折性結晶素子とを有して成ることにより、上述の課
題を解決する。
【0008】ここで、上記非線形光学結晶素子と上記複
屈折性結晶素子とを同一の温度に保つ構造とすることが
好ましく、具体的には、これらの素子を同じ冷却装置、
例えばペルチェ素子を用いたTE(サーモ・エレクトロ
ニック)クーラ上に載置したり、同じホルダあるいはベ
ース上に設置することが挙げられる。
【0009】上記非線形光学結晶素子としては例えばK
TPを用いることができ、上記複屈折性結晶素子として
はKTP、YVO4 、LNを用いることができる。
【0010】さらに、上記レーザ媒質としては、Nd:
YAG、Nd:YVO4 、LNP、Nd:BEL等を用
いることができ、上記非線形光学結晶素子としては、K
TP以外にも、LN、BBO、LBO等を用いてもよ
い。
【0011】
【作用】非線形光学結晶素子の複屈折による位相遅延量
の温度依存性が複屈折性結晶素子により打ち消されて、
正味の位相遅延量が得られ、タイプIIの位相整合による
高調波発生が安定に行える。
【0012】
【実施例】図1は、本発明に係るレーザ光発生装置の一
実施例の概略構成を示す構成図である。この図1におい
て、励起光源素子としての半導体レーザ素子であるレー
ザダイオード11から、励起光としてのレーザ光が出射
される。この励起レーザ光は、レンズ12で集光され、
レーザ共振器13の反射鏡14を介して、例えばNd:
YVO4 (Yttrium Ortho Vanadate)を用いたレーザ媒
質16に入射される。レーザ共振器13は、一対の反射
鏡14、18の間にレーザ媒質16と非線形光学結晶素
子17とを有して成っており、本実施例では反射鏡14
に内側が凹面とされた凹面鏡を、反射鏡18には平面鏡
を用いている。逆に、反射鏡14に平面鏡を用い、反射
鏡18に凹面鏡を用いるようにしてもよい。非線形光学
結晶素子17には、例えばKTP(KTiOPO4 :Pot
assium Titanyl Phosphate)を用いている。レーザ媒質
16が、上記励起光の入射に応じて基本波レーザ光を発
生し、この基本波レーザ光をKTP等の非線形光学結晶
素子17を通過させて共振させることにより、第2高調
波発生(SHG)を行っている。
【0013】また、図1の例においては、レーザ共振器
13を単一縦モード発振させるためにブリュースター板
15を挿入している。このブリュースター板15の機能
については、例えば、Hideo Nagai et al. "Low-Noise
of a Diode-Pumped Intracavity-Doubled Nd:YAG Laser
Using a Brewster Plate", IEEE J.Q. ElectronicsVo
l.28, No.4, pp.1164-1168 (April 1992) に開示されて
いる。すなわち、この文献には、複屈折ブリュースター
・フィルタ効果により、Nd:YAGレーザが縦単一モ
ード発振することが記載されている。ただし、KTP結
晶の複屈折の温度変化により、温度許容幅が狭いという
欠点があった。
【0014】そこで、本実施例においては、複屈折の温
度変化を有する例えばKTPの非線形光学結晶素子17
に対して、一定の温度依存性を有する複屈折性結晶素子
19を付加することによって、全体として複屈折の温度
変化を打ち消すようにしている。この複屈折性結晶素子
19としては、例えばYVO4 が用いられる。
【0015】共振器13内での第2高調波発生(SH
G)について説明すると、KTPのような非線形光学結
晶素子17は、タイプIIの位相整合により、上記基本波
レーザ光の2倍の周波数の第2高調波レーザ光を発生す
る。例えば基本波レーザ光の波長λを1064nmとす
ると、第2高調波レーザ光の波長はλ/2の532nm
となる。反射鏡14の反射面14Rは、上記励起光(例
えば波長810nm)を透過し、レーザ媒質16で発生
した基本波レーザ光を反射するような特性を有し、反射
鏡18の反射面18Rは、基本波レーザ光を反射し、第
2高調波レーザ光を透過するような特性を有している。
これらの反射鏡14、18は、いわゆるダイクロイック
ミラーにより形成できる。従って、レーザ媒質16で発
生した基本波レーザ光は、レーザ共振器13の反射鏡1
4、18の各反射面14R、18Rの間を往復進行し、
レーザ光の発振が行われると共に、非線形光学結晶素子
17を通過することにより第2高調波レーザ光が発生さ
れ、このSHGレーザ光は反射鏡18を介して外部に取
り出される。
【0016】すなわち、レーザ媒質16と非線形光学結
晶素子17との絶対位相遅延量(リターダンス)を選
び、両者を組み合わせたとき、レーザ媒質16の利得曲
線の中心周波数に相当する波長で位相差が0となるよう
にする。この中心周波数で発振する縦モードの偏光状態
は、レーザ媒質16において、その偏光方向が結晶のc
軸に平行になるような直線偏光であるから、この縦モー
ドはブリュースター板15を通過するとき損失が無い。
【0017】ここで、非線形光学結晶素子17としてK
TPを用い、複屈折性結晶素子19としてYVO4 を用
いる場合に、KTPは1064nmのSHG用にθ=9
0°、φ〜23°でカットされ、タイプIIの位相整合を
とる。これらの非線形光学結晶素子(KTP)17及び
複屈折性結晶素子(YVO4 )19は、図2に示すよう
に、KTPのz軸とYVO4 のe軸とが同じ向きに、ま
たKTPのx、y軸とYVO4 のo軸とが同じ向きにな
るように配置される。これは、後述するように、温度に
よる位相遅延量の変化の正負の極性を互いに逆とするた
めである。また、これらの素子17、19は、同じ冷却
装置上に、あるいは同じホルダ上に配置されて、温度が
同一となるように構成される。
【0018】次に、上記2つの光学結晶素子(KTP、
YVO4 )についての温度による位相遅延量の変化につ
いて説明する。
【0019】先ず、KTPのz軸の屈折率をnKTPz、同
x、y軸の屈折率をnKTPx、yとし、YVO4 (ただしN
d:YVO4 )のe軸の屈折率をnYVO4e 、同o軸の屈
折率をnYVO4o とするとき、KTP、YVO4 の複屈折
の温度係数は、
【0020】
【数1】
【0021】また、2つの光学結晶の各軸の屈折率の差
は、 nKTPz −nKTPx、y=0.0865 nYVO4e −nYVO4o =0.2095 であり、各光学結晶の膨張係数は、αKTPx、y、αYVO4o
は、 αKTPx、y=10×10-6/℃ αYVO4o =4.43×10-6/℃ である。
【0022】これらの定数を用いて、各光学結晶素子の
温度による位相遅延量の係数を求めると、各光学結晶素
子(KTP、YVO4 )の厚さをそれぞれtKTP 、t
YVO4として、
【0023】
【数2】
【0024】これらの結果より、光学結晶素子YVO4
の厚さtYVO4を光学結晶素子KTPの厚さtKTP の44
/27(≒1.63)倍とし、一方の素子のc軸を他方
の素子のc軸に対して90°回転させて位相遅延量の温
度係数の極性を逆をすることにより、各温度係数を相殺
し、複屈折の温度変化を打ち消すことができる。ここ
で、キャンセルされずに残る位相遅延量δnet は、 δnet =tYVO4×(nYVO4e −nYVO4o )+tKTP ×(nKTPz−nKTPx、y) =tKTP ×(1.16×(nYVO4e -nYVO4o ) − (nKTPz-nKTPx、y) ) =tKTP ×0.1565 となる。
【0025】この位相遅延量δnet における結晶厚さt
KTP に対する係数0.2960は、上記KTP単独の場
合に得られる位相遅延量における結晶厚さtKTP に対す
る係数0.0865(結晶の各軸の屈折率の差)の約3
倍半となっており、これによって、波長選択性を高め、
安定性を高める効果が得られる。
【0026】ところで、上記反射鏡14や18は、上記
レーザ媒質16や非線形光学結晶素子17等の光学部品
の端面に反射膜を形成することにより一体化してもよ
く、また上記ブリュースター板15も他の光学部品と一
体化することができる。
【0027】すなわち、図3の例では、上記反射鏡1
4、上記レーザ媒質16及び上記ブリュースター板15
の機能を有するレーザ媒質21と、複屈折の温度補償用
の複屈折性結晶素子19と、上記非線形光学結晶素子1
7及び上記反射鏡18の機能を有する非線形光学結晶素
子22とにより、レーザ共振器23を構成している。
【0028】レーザ媒質21には例えばNd:YVO4
が用いられ、このレーザ媒質21の共振器内の端面はブ
リュースター角でカットされており、結晶のc軸方向の
偏光成分に対して反射損失が無いようになされている。
レーザ媒質21の励起光入射側の端面には、この励起光
を透過しレーザ媒質21で発生した上記基本波レーザ光
を反射するような反射面21Rが形成されている。非線
形光学結晶素子22には例えばKTPが用いられ、SH
G光出射側の端面には、上記基本波レーザ光を反射し、
非線形光学結晶素子22で発生されたSHGレーザ光を
透過するような反射面22Rが形成されている。この非
線形光学結晶素子22の複屈折の温度変化を打ち消す
(温度補償する)ための複屈折性結晶素子19には例え
ばYVO4が用いられ、そのe軸は非線形光学結晶素子
22のKTPのz軸と平行になるように配置されてい
る。
【0029】なお、この図3の共振器23への励起光入
射のための構成や、共振器23内部でのSHGレーザ光
の発生動作については、上述した図1の例と同様である
ため、説明を省略する。
【0030】ところで複屈折の温度補償のための複屈折
性結晶素子としては、上記YVO4の他にも、LN(L
iNbO3 :Lithium Niobate )、KTP等を用いるこ
とができる。ただし、非線形光学結晶素子にKTPを用
い、複屈折性結晶素子にも同じKTPを用いる場合に
は、上述した複屈折フィルタ構成の波長選択効果が得ら
れず、別々のSHGレーザ光が発生されて、単一偏光で
なくなるが、用途によっては、例えばレーザ加工等のよ
うにパワーが必要で、単一偏光である必要がない場合に
は有用である。
【0031】次に、図4は、タイプIIのSHGレーザ光
発生用の非線形光学結晶素子(KTP)25及び複屈折
性結晶素子(LN)26の配置構造を示しており、KT
Pの結晶素子25のx、y軸とLNの結晶素子26のe
軸とが平行に、KTPの結晶素子25のz軸とLNの結
晶素子26のo軸とが互いに逆向きに配置される。これ
によって、位相遅延量の温度変化の正負の極性が互いに
逆となり、相殺可能となる。なお、他の構造は、上述し
た図1、図3と同様であるため、図示せず、説明を省略
する。
【0032】次に、上記2つの光学結晶素子(KTP、
LN)についての温度による位相遅延量の変化の補償に
ついて説明する。
【0033】先ず、KTPのz軸の屈折率をnKTPz、同
x、y軸の屈折率をnKTPx、yとし、LNのo軸の屈折率
をnLNo 、同e軸の屈折率をnLNe とするとき、KT
P、LNの複屈折の温度係数は、
【0034】
【数3】
【0035】また、2つの光学結晶の各軸の屈折率の差
は、 nKTPz−nKTPx、y=0.0865 nLNo −nLNe =0.0818 であり、各光学結晶の膨張係数は、αKTPx、y、α
LNe は、 αKTPx、y=10×10-6/℃ αLNe =15.4×10-6/℃ である。
【0036】これらの定数を用いて、各光学結晶素子の
温度による位相遅延量の係数を求めると、各光学結晶素
子(KTP、LN)の厚さをそれぞれtKTP 、tLNとし
て、
【0037】
【数4】
【0038】これらの結果より、光学結晶素子LNの厚
さtLNを光学結晶素子KTPの厚さtKTP の44/23
0(≒0.191)倍とし、一方の素子のc軸を他方の
素子のc軸に対して90°回転させて位相遅延量の温度
係数の極性を逆をすることにより、各温度係数を相殺
し、複屈折の温度変化を打ち消すことができる。ここ
で、キャンセルされずに残る位相遅延量δnet は、 δnet =tLN×(nLNo −nLNe )+tKTP ×(nKTPz−nKTPx、y) =tKTP ×(0.19×(nLNo −nLNe )+(nKTPz−nKTPx、y)) =tKTP ×0.1021 となる。
【0039】この位相遅延量δnet における結晶厚さt
KTP に対する係数0.1021は、上記KTP単独の場
合に得られる位相遅延量における結晶厚さtKTP に対す
る係数0.0865(結晶の各軸の屈折率の差)よりも
大きく、これによって、波長選択性を高め、安定性を高
める効果が得られる。
【0040】以上説明した実施例では、具体例として、
共振器内第2高調波発生型のNd:YVO4 レーザ装置
において、縦単一モード発振させるため複屈折ブリュー
スター・フィルタを共振器内に設けた構成のものに本発
明を適用したものを示しているが、共振器内第2高調波
発生型のNd:YAGレーザ装置に、縦単一モード発振
させるため複屈折ブリュースター・フィルタを共振器内
に設けた構成に本発明を適用してもよい。
【0041】また本発明は、一般的に、タイプIIの位相
整合非線形光学結晶素子を共振器内に有するレーザ光発
生装置であって、安定化のために非線形光学結晶素子の
位相遅延量(リターダンス)を一定に制御する必要があ
るようなレーザ光発生装置に適用することができ、例え
ば、本件出願人が特開平1−220879号公報におい
て開示したレーザ光源、すなわち、共振器内第2高調波
発生型Nd:YAGレーザ装置であって、スペクトル・
ホール・バーニング効果を除去するためにツイスト・モ
ード構成を採用しているもの、に適用することができ
る。このレーザ光源は、基本波レーザ光の共振光路中
に、1/4波長板等の複屈折性素子を挿入することによ
り出力レーザ光として出射する第2高調波レーザ光を安
定させるようにしたものである。
【0042】すなわち、図5は、上記特開平1−220
879号公報に開示したレーザ光源に本発明を適用した
レーザ光発生装置の実施例(本発明の第2の実施例)の
要部の概略構成を示している。
【0043】この図5において、図示しない半導体レー
ザ素子から出射されレンズで集光された励起レーザ光
は、レーザ共振器33の反射鏡34及び1/4波長板3
5を介して、例えばNd:YAGを用いたレーザ媒質3
6に入射される。レーザ媒質36は、上記励起光の入射
に応じて基本波レーザ光を発生し、この基本波レーザ光
が、例えばYVO4 を用いた温度補償用の複屈折性結晶
素子39を通り、例えばKTP(KTiOPO4 )を用
いた非線形光学結晶素子37を通って反射鏡38で反射
される。非線形光学結晶素子37は、タイプIIの位相整
合により、上記基本波レーザ光の2倍の周波数の第2高
調波レーザ光を発生する。なお、上記1/4波長板35
は、非線形光学結晶素子37に対して方位角θ=45°
だけ傾いた方位に設定されており、共振器33の各部に
おけるレーザ光のパワーを安定化する作用を有してい
る。
【0044】すなわち、この1/4波長板35は、本件
出願人が、先に特開平1−220879号公報や、特願
平2−125854号の明細書及び図面、特願平3−1
7068号の明細書及び図面等において開示した技術に
基づき用いられる複屈折性素子であり、非線形光学結晶
素子37に対して方位角θ=45°だけ傾いた方位に設
定された1/4波長板35を通ることにより、共振器3
3の各部におけるレーザ光のパワーを安定化するための
ものである。
【0045】この1/4波長板35を挿入することによ
り、 (i)和周波発生に起因する偏光モード間の非線形結合
がなくなり、偏光モード間のモード競合を防止できる。 (ii)2つの偏光モード間で空間位相差が90°となる
ので、2つの偏光モードが発振することにより空間的ホ
ールバーニング効果を抑止でき、縦2モード(偏光2モ
ード)の安定発振が得られる。 という作用効果が得られるものである。
【0046】さらに、非線形光学結晶素子37の複屈折
の温度変化の影響を抑えるために、YVO4 等の複屈折
性素子39を設けており、これらの非線形光学結晶素子
37と複屈折性素子39との関係や作用効果について
は、上述した図1、図2に示すKTPとYVO4 との関
係、あるいは図4に示すKTPとLNとの関係、及びそ
れぞれの作用効果と同様であるため、説明を省略する。
【0047】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものではなく、例えば、共振器内の光学部品の配設位
置は任意に交換可能である。また、レーザ媒質や非線形
光学結晶素子は、Nd:YVO4 、Nd:YAGやKT
Pに限定されず、複屈折性結晶素子についてもYV
4 、LN、KTPに限定されないことは勿論である。
【0048】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係るレーザ光発生装置によれば、タイプIIの第2高
調波レーザ光を発生させる共振器内に使用されるKTP
等の非線形光学結晶素子のリターデーション(位相遅延
量)の温度特性を、YVO4 等の複屈折性結晶素子によ
り打ち消しているため、複屈折の温度変化の影響を効果
的に除去でき、広い温度範囲にわたって安定な縦単一モ
ード発振が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザ光発生装置の一実施例の概
略構成を示す構成図である。
【図2】該実施例の非線形光学結晶素子(KTP)と複
屈折性結晶素子(YVO4 )との関係の説明に用いられ
る図である。
【図3】該実施例の他の構造の例の要部を示す構成図で
ある。
【図4】該実施例の複屈折性結晶素子をLNとしたとき
の非線形光学結晶素子(KTP)との関係を示す図であ
る。
【図5】本発明に係るレーザ光発生装置の他の実施例の
要部の概略構成を示す構成図である。
【符号の説明】 11・・・・・レーザダイオード 13、33・・・・・レーザ共振器 14、34・・・・・反射鏡(凹面鏡) 15・・・・・ブリュースター板 16、21、36・・・・・レーザ媒質 17、22、37・・・・・非線形光学結晶素子 18、38・・・・・反射鏡(平面鏡) 19、39・・・・・複屈折性素子 35・・・・・1/4波長板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/136

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起光源素子と、 この励起光源素子からの励起光によって励起されるレー
    ザ媒質と、 このレーザ媒質の前後に配置され上記レーザ媒質より発
    生された基本波レーザ光を反射してレーザ共振器を構成
    する一対の反射手段と、 このレーザ共振器内に配設されタイプIIの位相整合をと
    る非線形光学結晶素子と、 上記レーザ共振器内に配設され上記非線形光学結晶素子
    の複屈折による位相遅延量の温度特性を打ち消す所定の
    温度依存性を有する複屈折性結晶素子とを有して成るこ
    とを特徴とするレーザ光発生装置。
  2. 【請求項2】 上記非線形光学結晶素子と上記複屈折性
    結晶素子とを同一の温度に保つ構造とすることを特徴と
    する請求項1記載のレーザ光発生装置。
  3. 【請求項3】 上記非線形光学結晶素子及び上記複屈折
    性結晶素子にそれぞれKTPを用いることを特徴とする
    請求項1又は2記載のレーザ光発生装置。
  4. 【請求項4】 上記非線形光学結晶素子にKTPを、上
    記複屈折性結晶素子にYVO4 をそれぞれ用いることを
    特徴とする請求項1又は2記載のレーザ光発生装置。
  5. 【請求項5】 上記非線形光学結晶素子にKTPを用
    い、上記複屈折性結晶素子にLNを用いることを特徴と
    する請求項1又は2記載のレーザ光発生装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008536322A (ja) * 2005-04-15 2008-09-04 オキシウス ソシエテ・アノニム 単周波数モノリシック線形レーザ・デバイス、および該デバイスを備えた装置
WO2023145524A1 (ja) * 2022-01-28 2023-08-03 浜松ホトニクス株式会社 光学装置及び光生成方法

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