JPH071282B2 - アツト・アンペア計 - Google Patents

アツト・アンペア計

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JPH071282B2
JPH071282B2 JP63194661A JP19466188A JPH071282B2 JP H071282 B2 JPH071282 B2 JP H071282B2 JP 63194661 A JP63194661 A JP 63194661A JP 19466188 A JP19466188 A JP 19466188A JP H071282 B2 JPH071282 B2 JP H071282B2
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ハンス−ヴエルナー・フインク
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インターナシヨナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーシヨン
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    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y10S977/84Manufacture, treatment, or detection of nanostructure
    • Y10S977/849Manufacture, treatment, or detection of nanostructure with scanning probe
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Measurement Of Current Or Voltage (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、10-18アンペア程度の小さな電流を測定する
ことの出来る電流計に関する。一般に10-6はマイクロ、
10-12はピコで表わされるのと同様に、10-18はアツト
(atto)で表わされるので、以下この標記法に従うこと
にする。
B.従来技術及びその問題点 科学的な研究及び産業的な開発の両分野において、アツ
ト・アンペアの範囲の電流を計測することの必要性が高
まつている。電子回路の小型化に伴つて、これらの電子
回路に流れる電流は、現在の技術状態の測定装置の感度
の限界にまで達するほど、益々小さくなつてきた。
通常のアナログ電流計によつて測定することの出来る電
流は、これらの装置の基礎をなす抵抗器の精密度の限界
によつて、ほぼ10-13アンペアが限度である。また、測
定される電流が小さくなればなるほど、測定時間が長く
なり、測定時間が長いことは、転じて、種々のノイズ源
からのノイズを拾つて、測定結果に影響を及ぼすことに
なる。
非常に小さな電流を測定するための従来の装置の例は、
検流計(ガルバノメータ)と電位計(エレクトロメー
タ)である。検流計は、電気導体に電流が流れたときに
誘起する磁界の効果を利用している。この効果は、電気
導体と電磁石との間に生ずるトルクとして現れる。電流
の測定は、可動部に装着されたミラーに反射した光線に
よつて行われる。非常に小さな電流に対して、発生され
る力は、測定システムの摩擦力と同程度になり、信頼出
来る結果を生じない。
電位計は、非常に大きな抵抗、即ちシヤント(shunt)
に跨がる電圧を検出する。例えば、真空管式の電位計に
おいて、1010オームまたはそれ以上の抵抗に電流を通
し、その抵抗に流れる電流による電圧降下を増幅する。
この形式の電流測定における問題は、十分には除くこと
の出来ない熱的なノイズの問題である。
従つて、本発明の目的は、従来の測定装置の次点を持た
ず、そして非常に小さ電流を測定するための単純な装置
を提供することにある。本発明の電流計は、低電流を自
由電子に変換することを基盤としており、この装置は、
通常の装置の感度よりも少なくとも3桁程度大きい感度
で自由電子を計数することが出来、かつ今日の計数エレ
クトロニクスの高速性を利用している。
C.問題点を解決するための手段 本明細書において、述語「自由電子」とは、原子核、ま
たは原子の直接付近に残留するよう拘束されずに、その
物質の仕事関数を越えて、真空の自由空間に入ることの
出来る電子を意味する。
従つて、本発明は、電気導体の試料を通り、測定される
べき電子流を自由電子に変換するための手段を有するア
ツト・アンペア計に関しており、この電流計は、 粒子検出器(particle detector)に対向した鋭く尖つ
たチツプを持ち、 最初にチツプが持つているフローテイング電位から、第
2の電位(U2)に、チツプが充電されるように、チツプ
は上記試料を介して第1の電位源(U1)に接続されてお
り、 この第2の電位は(U2)は、第1の電位(U1)から、試
料を通つて生じた電圧降下(ΔV)を差し引いた値であ
り、 上記チツプから放出され、上記粒子検出器により増倍さ
れ、上記粒子検出器の出力に接続された電子カウンタに
より計数される自由電子の数を、上記チツプの放出特性
と共働して、上記第2の電位によつて決定し、 上記電子カウンタの計数値を以つて、上記試料を通り且
つ測定されるべき電流の測定値とすることを特徴として
いる。
本発明のアツト・アンペア計は、電流(i)が測定され
る試料導体(17)を介して既知の電圧(U1)を与える電
圧源(18)に接続されている尖鋭なチツプ(1)と、該
チツプは、電子増倍部(4)のような粒子検出器と対向
していることとを含んでいる。上記チツプ(1)から放
出され、上記電子増倍部(4)によつて増倍され、そし
て電子カウンタ(13)によつて計数される電子が上記試
料(17)を通る電流(i)の測定値を与える。
この装置の校正は、上記チツプ(1)から接地電位へ臨
時的に接続し、そして、上記チツプ(1)及び上記チヤ
ンネル電子増倍部(4)と整列している校正電極(3)
に校正電圧(Ucal)を印加することによつて行われる。
D.実施例 第1図に示されたように、先端を極限状態付近にまで鋭
く尖らせたチツプ1が電極3の開孔2と一直線上に配列
されている。また、チツプ1と開孔2と整列して粒子検
出器4がある。例えば、チツプ1は、その先端において
ただ1個の原子で終端する非常に鋭く尖つたタングステ
ンのひげで構成されてもよい。チツプ1は電界放出チツ
プとして動作されてもよく、そうでなくともよい。ま
た、この装置は、トンネリング・モードで動作する。例
えば、粒子検出器4は、通常のチヤンネル電子増倍部の
形式にすることが出来る。チツプ1、電極3及び粒子検
出器(チヤンネル電子増倍部)4は、超高真空の容器5
の内部に置かれ、それらの素子は、適当な貫通孔6、7
及び8を通して真空容器の外部の電気回路に接続されて
いる。
電子増倍部4は、市販されているチヤンネルトン(chan
nelton)、または光電子増倍管となるけい光面で構成さ
れた月並な装置でよい。通常、コーン形の入力開孔9が
真直ぐな管、または曲がつた管10に接続されており、そ
の内壁は、半導体層のような適当に抵抗性があり且つ二
次電子放出性の材料で被覆されている。チヤンネルの端
部間に、数千ボルトの電圧が印加される。
加えて、チヤンネル電子増倍部において、管10の内壁面
に衝突した電子は、少なくとも1個の二次電子を放出さ
せる。この二次電子は、それが管10の内壁面に衝突する
まで管中の静電界によつて加速される。二次電子が静電
界から十分なエネルギを蓄積したと仮定すると、1個以
上の二次電子を放出させる。このプロセスが10乃至20回
行われた後は、約104の利得を生ずる。若し管10が適当
に曲げられているとすれば、108以上の利得が達成出来
る。換言すると、各衝突電子は、チヤンネル電子増倍部
4の出力に、パルス幅が約20ナノ秒の108個の二次電子
から成るパルスを発生させる。このパルスは測定可能な
エネルギを有しており1個の衝突電子を表す。
チヤンネル電子増倍部の出力パルスは、管10の端末部で
得られる。使われる電子増倍部の特定のタイプに従つ
て、電子増倍部の出力端部に直接固定されたキヤツプ
か、または、電子増倍部の後端部から僅かの距離を明け
て設けられた金属デイスクの何れかに集められる。第1
図には、後者の例が示されている。高電圧供給源11は、
貫通孔8を通して抵抗ネツトワークに接続されており、
抵抗ネツトワークは、チヤンネル電子増倍部に動作電圧
を供給する第1の抵抗R1と、電子増倍部の端部にあるデ
イスク12にバイアス電圧を与える第2の抵抗R2を含んで
いる。電子パルス・カウンタ13が貫通孔14を通つてコン
デンサCを介してデイスク12に接続されており、コンデ
ンサCは、パルス・カウンタを高電圧から隔離するのに
使われている。
抵抗R1、R2及びコンデンサCの適当な値は、次のように
して決めることが出来る。即ち、抵抗R1は、チヤンネル
電子増倍部4と直列に接続し、両方で分圧器として動作
する。抵抗R1は、それに跨がる電圧降下が約100ボルト
になるように選ばれる。従つて、チヤンネル電子増倍部
の端部と陽極デイスクとの間に、100ボルトの電位差が
生じて、電子を集める陽極の方へ、電子増倍部からの電
子を加速する。若し、真空容器5からパルス・カウンタ
13へパルスを転送するために、遮蔽された同軸ケーブル
を使うならば、コンデンサCのインピーダンスが、ケー
ブルと直列の小さな抵抗として作用して、カウンタ13に
かかる電圧を極端に降下させないように、ケーブルの特
性インピーダンスと比較してコンデンサCのインピーダ
ンスが、低くなるように選ばれねばならない。このコン
デンサは、パルス・カウンタ13に加わるパルスに極端な
歪みを与えることなく、個々のパルスを通過させるよう
な周波数応答を持つている。一般的に言えば、コンデン
サCは、想定した最大の計数速度よりも少なくとも10倍
の周波数を通過することの出来るものでなければならな
い。
例えば、カウンタの最大計数速度が0.5メガヘルツで同
軸ケーブルが50オームの場合、コンデンサCのインピー
ダンスXCは、2オームの値で十分であり、5メガヘルツ
の計数速度を処理することが出来る。XC=1/2πfCで、
Cの値は0.006マイクロ・フアラツドであることが分
る。
抵抗R2は信号の負荷に対して並列である。抵抗R2を非常
に大きく選んだとすると、ネツトワークの時定数RCは、
大きくなり、R2を通る電子流は非常に制限される。高い
計数速度の場合において、金属デイスク12は、チヤンネ
ル電子増倍部の出力から全ての電子を吸引するのに不充
分になる。通常、抵抗R2は信頼性ある動作を行うために
は、1キロオーム乃至1メガオームの間の値にされるの
がよい。
第1図を再度参照すると、清浄化及び尖鋭化の作業用と
して、チツプ1に、チツプを加熱することが出来るフイ
ラメント15が装着されている。フイラメント15とそれに
装着されたチツプ1は、接地電位と、被測定試料(装
置)17の出力端子との間でチツプ1の切換えをするため
のスイツチ16に接続されている。試料17は、電圧U1を供
給する既知の電圧源18に接続される。
チツプ1を校正するために、即ちその電流対電圧特性を
決定するために、スイツチ16が位置cに置かれ、−200
ボルトまで変化する校正電位Ucalが電極3に印加され、
そして、若しチヤンネル電子増倍部が選ばれたとすれ
ば、約3.5キロボルトのチヤンネル電圧が電子増倍部4
の適当な端子に印加される。チップ1と電極3との間に
生じる電界にチップ1が曝されて電界放出により電子が
放出される。電子はチャンネル電圧により電子増倍部4
に加速される。
ここで、電極3に印加する電位Ucalを、観測された計数
値、即ち電子増倍部に入る電子の数と関連するように、
アツト・アンペア計の特性を決定することが出来る。
スイツチ16を位置mの側に入れて、測定が行われる。電
圧源18の電位U1が、接地電位と試料17の端子19との間に
印加され、これにより、電子がチツプ1を離れ始めるま
で、試料17を電位U1まで充電する。これらの自由電子
は、試料17を通過しなければならず、従つて、試料を通
じて電圧降下ΔVを発生する。電子の数は試料17を通る
電流の大きさである。
試料17中を流れて、チツプ1の先端に現れて自由電子に
変換するのに作用する機構は、電界放出として知られて
いる。金属チツプ1内の伝導電子は、表面ポテンシヤル
障壁によつて閉じ込められ、その形は、チツプ内の電
位、イメージ力及び印加された外部電界によつて決めら
れる。外部電界が十分に強いと、電子は表面ポテンシヤ
ル障壁を突き抜ける。これは、鋭く尖つたチツプ1とカ
ウンタ電極3との間に、電界が存在する本発明の装置に
当て嵌まることは明らかである。
電界放出はチップ1が電界に曝される事により生ずるも
のであり、チップ1自体に如何なる電圧が印加されるか
と言うことは重要でない。チップ先端の電界強度が電界
放出を決定する。
本発明のアツト・アンペア計は、2つの有用なパラメー
タからより良く理解することが出来る。必須の要件では
ないが、チツプ1は可能な限り鋭く尖らせるのが望まし
い。例えば、チツプの先端部をたつた1個の電子で構成
することが可能である。単一電子のチツプに関する技術
は、1986年9月のIBMのリサーチ・アンド・デベロプメ
ント誌(IBM Journal of Research and Development)
の第30巻第5号の460頁乃至465頁に記載されている。簡
単にいうと、個々の原子が、気相から、プラミツド形の
(111)結晶方向のタングステンチツプに原子の三量体
(trimer)でデポジツトされている。電極3から約1ミ
リメートルの距離にチツプを固定し、校正の目的でこの
電極に100ボルト乃至200ボルトの電圧を印加することに
よつて、2×107ボルト/cmの大きさの電界が発生する。
電極3の電圧の実際の値に従つて1秒間に1個乃至106
個の電子がチツプを放れ、そして、電子増倍部4の方に
飛翔するため電極3の開孔を通つて加速される。特別な
場合には、計数速度は、5秒間に1個以下の電子を計数
する速度になる。然しながら、そのような低い計数速度
においては、宇宙線や、ホトンや、γ量子などによるノ
イズの問題が影響することになる。
5ナノメートルよりも小さい半径のチツプに対しては、
チツプが熔け始めるので、電流の大きさは200ボルトの
電圧において10マイクロアンペアを越えてはならない。
第2図は、本発明の第2の実施例を示す図である。電流
の測定が行われる試料20は、トンネル・チツブ21と電子
増倍部22との間に配置されている。第2図に示されたよ
うに、試料20は電子増倍部22に対向した側に電界放出チ
ツプ23を持つている。電源28からの電位U1がトンネル・
チツプ21に印加されている。トンネル効果を生ずる距
離、即ち試料20から1ナノメートル以下の距離に位置付
けると、電界放出チツプ23から電子が放出しはじめて、
電子増倍部22のコーン24に入るまで、最初のフローテイ
ング電位から、電圧U1に向つて試料20を充電するトンネ
ル電流が流れる。
試料20を通つて流れる電子は、電界放出チツプ23の電圧
をU2=U1−ΔUの電圧にさせる。上式において、ΔUは
試料20の電圧降下である。上述したように、電子増倍部
22に入つた自由電子は、増幅され、電子カウンタ25によ
り計数される。フイードバツク装置26は電界放出チツプ
23の校正を行い、これにより、予め決められた計数値に
従つて、トンネリング・チツプと試料20の表面との間の
距離を調節する。この距離は月並なピエゾ素子27により
制御される。
チツプ/電子増倍部組立体の電流対電圧特性を決定する
ため、即ち、チツプ23の電圧を、チヤンネル電子増倍部
22から得られた計数値に関連付けるために、第2図のア
ツト・アンペア計の校正は、スイツチ29により電界放出
チツプ23に可変校正電圧Vcalを印加することによつて行
われる。
E.発明の効果 本発明は、非常に小さな電流を測定することの出来る単
純な構造の電流計を提供する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に従つたアツト・アンペア計の基本的な
素子を示す模式図、第2図はトンネリング・マイクロス
コープを使用したアツト・アンペア計を説明するための
模式図である。 1……チツプ、3……電極、4……電子増倍部、5……
真空容器、11……高電圧供給源、12……金属デイスク、
13……パルス・カウンタ、17、20……被測定試料、23…
…チツプ、22……電子増倍部、27……ピエゾ素子。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定すべき電流を流す試料導体(17、20)
    に第1の電位(U1)を供給する電位源(18、28)と、 一端が鋭く尖つており、他端が上記試料導体に接続され
    るチツプ電極(1、23)と、 上記チツプ電極の一端と対向しており、上記鋭く尖つた
    先端から放出される自由電子を受取る位置に配置され、
    1個の自由電子により複数の二次電子を放出させて該1
    個の自由電子から測定可能なエネルギのパルスに増倍す
    る電子増倍部(4、22)と、 上記電子増倍部に上記自由電子を指向させる高電位を供
    給する高圧電源(11、28)と、 上記電子増倍部に於て増倍された上記パルスの数を計数
    するカウンタ(13、25)とを備え、 上記チツプ電極の鋭く尖つた一端が上記第1の電位
    (U1)及び上記試料導体に跨つて生じる電圧降下(△
    U)との差である第2の電位(U2)まで充電されて放出
    した自由電子の上記計数値に基づいて、上記試料導体を
    通つて流れたアツト(10-18)アンペア単位の微弱電流
    を測定することを特徴とするアツト・アンペア計。
JP63194661A 1987-09-11 1988-08-05 アツト・アンペア計 Expired - Lifetime JPH071282B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

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EP87113324A EP0306552B1 (en) 1987-09-11 1987-09-11 Atto-amperemeter
EP87113324.5 1987-09-11

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01132970A JPH01132970A (ja) 1989-05-25
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