JPH07128074A - 光ファイバジャイロ信号処理方式 - Google Patents

光ファイバジャイロ信号処理方式

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JPH07128074A
JPH07128074A JP30347093A JP30347093A JPH07128074A JP H07128074 A JPH07128074 A JP H07128074A JP 30347093 A JP30347093 A JP 30347093A JP 30347093 A JP30347093 A JP 30347093A JP H07128074 A JPH07128074 A JP H07128074A
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phase
light
temperature
fiber coil
signal
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JP30347093A
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English (en)
Inventor
Koichi Washimi
公一 鷲見
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 位相変調方式の光ファイバジャイロにおいて
基本は成分の出力と、角速度の比例定数であるスケール
ファクタが温度によって変動する。新たな構成要素を殆
ど加えることなく温度によるスケールファクタの変動を
抑制すること。 【構成】 受光素子の出力に含まれるセンサ信号を同期
検波して、基本波成分を求めるためにキャリア信号が必
要である。キャリア信号の位相をセンサ信号の位相から
ずらせて、スケールファクタの他の部分Kと、位相のず
れΘの余弦の積KcosΘが温度によって殆ど変動しな
いようにΘを決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、運動体の回転角速度
を求めるための光ファイバジャイロに関する。飛行機、
船舶、自動車など回転をともなう運動体の角速度測定に
広く利用することができる。
【0002】光ファイバジャイロは、シングルモード光
ファイバを多数回巻き回したコイルに、同一の光を分岐
し、右廻り光、左廻り光として伝搬させ再び合一し、干
渉させ干渉光の強度を検出し、これからコイルの回転角
速度を求める装置である。もしもファイバコイルが回転
していると、右廻り光左廻り光の間に位相差が発生す
る。
【0003】干渉光の強度は、位相差の関数になる。干
渉光強度を測定することにより、位相差を求めこれから
回転角速度を求めることができる。光ファイバジャイロ
は、単色光または準単色光を発生する光源、光源からの
光を2分する光分岐素子、ファイバコイル、受光素子、
偏光子、デポラライザなどを構成要素として含む。
【0004】
【従来の技術】直流光をファイバコイルに右廻り光、左
廻り光として伝搬させても、干渉光は位相差の余弦に比
例するので、感度が悪いし、回転方向も分からない。そ
こで位相変調、周波数変調、位相シフトなどの変調をす
る。本発明はこれらの変調方式の内、位相変調方式に関
する。
【0005】位相変調方式の光ファイバジャイロは、フ
ァイバコイルの一端に位相変調素子を設けてここを伝搬
する光に対して位相変調をかけ、受光素子の出力を、位
相変調と同じ周波数の信号で同期検波して、右廻り光、
左廻り光の位相差を求める。受光素子の出力は回転角速
度に関する信号を含むのでセンサ信号とここでは呼ぶ。
同期検波するために位相変調器から求める時間の基準と
なる信号をキャリア、或いは参照信号という。
【0006】従来は、センサ信号と、参照信号の間に位
相の差が0度か180度になるように参照信号の位相を
調整していた。もしもセンサ信号と参照信号の間に位相
差があると、同期検波出力が、位相差の余弦に比例して
減少するからである。感度を最大にするには、センサ信
号と参照信号の位相差を0度あるいは180度にする必
要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】スケールファクタとい
うのは、検出信号とファイバコイルの回転角速度との比
を言う。これは温度などの外的条件によって変動しない
ことが望ましい。しかしスケールファクタは温度により
変動する。温度による変動は、スケ−ルファクタとして
ある幾つかのパラメ−タを変化させる。これについて次
に述べる。
【0008】位相変調方式において、受光素子の出力
は、位相変調の周波数Ωの全ての高調波を含む。偶数次
の高調波は求めるべき右廻り光左廻り光の位相差Δθ
を、cosΔθの形で含む。奇数次の高調波はΔθをs
inΔθの形で含む。係数は、位相変調の大きさξをパ
ラメータとするベッセル関数によって与えられる。最も
基本になるのは、基本波成分Fである。これは、
【0009】 F=2PJ1(ξ)sinΔθ (1)
【0010】によって与えられる。Pは光量、ξは位相
変調度を表すパラメータ、J1(ξ)はξを変数とする
1次ベッセル関数、Δθは回転角速度に比例する右廻り
光左廻り光の位相差である。
【0011】 Δθ=4πLaΩc/cλ (2)
【0012】によって、ファイバコイルの回転角速度と
関連付けられる。ここでLはファイバコイルのファイバ
長、aはファイバコイルの半径、cは真空中の光速、λ
は光の波長である。Ωcがファイバコイルの回転角速度
でありこれが求めるべき値である。
【0013】このように、ファイバコイルの回転角速度
と、受光素子の基本波成分の間にはいくつものパラメー
タが係数としてかかっている。スケールファクタが安定
するためには、これらのパラメータの全てが不動である
必要がある。
【0014】光量Pの安定性 ξの安定性 光源波長λの安定性
【0015】この内、特に光量Pの安定性に関しては多
くの工夫がなされている。モニタ用の受光素子を反対側
に設けて光源のパワ−をモニタし、駆動電流を制御する
などの方法が知られている。ξはξ=2bsin(ΩL
/2cn)(n:屈折率)という式により、位相変調度
bと結び付けられている。ξを安定化させるには、偶数
次の高調波の係数が偶数次のベッセル関数であるからこ
れを0にするようにξを制御する。ベッセル関数の零点
は予め分かっており定数であるから、ξがこの値に固定
される。例えば、特願平1−57637号に提案されて
いる。
【0016】やの安定性について論じたものは多い
が、についての提案は少ないように思う。温度変化に
より光源の発光波長λが変化する。光源の温度変化をな
くせば良いのである。このために、光源に冷却手段を設
けて一定温度に保持するということが考えられよう。あ
るいは予め光源の温度波長特性を調べておき、温度を測
定し波長変動を補償する回路を設けるということも考え
られる。例えば特願平2−236104号「光ファイバ
ジャイロの信号処理方式」(平成2年9月5日出願)に
提案されている。
【0017】しかしこのような方法は、光ファイバジャ
イロに余計な回路部品を追加することになり、また光源
の特性を予め調べなければならない。また部品を選択し
て実装しなければならない。本発明は、光源の波長変化
によるスケールファクタの変動をなくすことのできる光
ファイバジャイロを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバジャ
イロは、同期検波して、基本波成分を求める際、キャリ
ア信号の位相を、受光素子出力に含まれる基本波成分の
位相に対してある方向にずらしておき、ずれの角の余弦
とスケールファクタの積が基準温度の近傍で変動しない
ようにする。
【0019】
【作用】図1に位相変調方式の光ファイバジャイロの概
略構成を示す。光源1は単色光または準単色光を出す。
これが第1のカップラ2を通り、ファイバ光路3を経
て、第2のカップラ4でふたつの光に分離する。それぞ
れの光は、ファイバコイル5を右廻り光、左廻り光とし
て伝搬する。途中で位相変調器6による位相変調を受け
る。位相変調器6は発振器を含むデジタル処理部7によ
り、ある一定の振幅b、角周波数がΩの位相変調bsi
nΩtを与えるようにしてある。位相は位相設定信号8
により任意に変えることができるようになっている。
【0020】さて位相変調を受けた光は、ファイバコイ
ルを通り抜けた後、回転による位相差を持ちながら、カ
ップラ4、ファイバ光路3、カップラ2を反対向けに通
り、受光素子9に入る。ここで互いに干渉し、干渉光の
強度が検出される。電気信号になった出力は、プリアン
プ10で増幅され、同期検波回路11で同期検波され
る。この時のキャリアは、位相変調の周波数と同じであ
り、基本波成分を取り出すものである。
【0021】通常は、センサ信号(受光素子出力の信
号)の基本波成分と、キャリアの位相が合致するよう
に、デジタル処理7により、位相の調整をする。本発明
では位相の調整はするのであるが、センサ信号の位相
と、キャリアの位相が合致せず、一定方向に食い違うよ
うに設定する。ここが通常の位相変調とは異なるところ
である。
【0022】全ての信号のタイミングを決定しているも
のは、デジタル処理部のクロックである。参照信号(キ
ャリア信号)の位相は、基本となるクロックからデジタ
ル処理部で直接に生成される。従ってクロックに対する
キャリアの位相は常に明確に規定できる。温度によるキ
ャリア信号の位相の変動はない。キャリア位相が基準に
なる。
【0023】次に同期検波について述べる。通常の同期
検波はセンサ信号と、キャリア信号の積演算をするもの
である。ここではそうではなく、図2のようなスイッチ
回路を使う。センサ信号が、スイッチを経て出力される
ものとし、スイッチの開閉をキャリア信号に同期して行
なうものとするのである。キャリア信号も正弦波ではな
く、矩形波とする。sinΩtが正の時に1、sinΩ
tが負の時0となる矩形波である。
【0024】図3に参照信号の波形を示す。角周波数は
Ωであって、位相変調の周波数と同じである。スイッチ
をキャリア信号(参照信号)により開閉する。つまりキ
ャリアが1(H)のときスイッチを閉じる。キャリアが
0(L)のときスイッチを開く。センサ信号はsinΩ
tが正の半波長分だけここを通過できる。残りの半波長
分はカットされる。
【0025】図4はセンサ信号、キャリア信号の関係を
説明する。図4の(3)は参照信号である。(1)はセ
ンサ信号であるがここではキャリアと位相が合致してい
るものを示す。(2)はセンサ信号がΘだけ位相が遅れ
ているものを示す。これが、図2のスイッチ回路を通過
すると(2)のような波形になる。Θだけ位相が遅れて
いるので、始めは−FsinΘになる。終わりはFsi
nΘになる。これが同期検波出力となる。
【0026】さてセンサ信号に含まれる基本波成分Fは
最初に与えた通りである。センサ信号S(t)はΩで振
動しているので、
【0027】 S(t)=Fsin(Ωt−Θ) (3)
【0028】 F=2PJ1(ξ)sinΔθ (4)
【0029】キャリア信号がスイッチを開閉する。ここ
を通過した後の信号の平均値を求める。これは(3)を
Ωtに関して0からπまで積分しこれを2πで割れば良
い。
【0030】 <S>=F∫sin(Ωt−Θ)d(Ωt)/2π=FcosΘ/π (5)
【0031】となるのである。同期検波の際の、キャリ
ア信号を図3、図4のように矩形波とするのは、これが
作りやすく説明もしやすいからである。矩形波ではな
く、sinΩtのように正弦波であっても平均値を計算
すると、cosΘになる。また正の半分だけsinΩt
で、負の半分は0となるような半正弦波であっても良
い。キャリア信号の波形は矩形に限らない。図2の説明
が分かりやすいから矩形波にしている。例えば正弦波の
キャリアとすると、
【0032】 F∫sin(Ωt−Θ)sinΩtdt/2π=FcosΘ/2 (6)
【0033】となる。cosΘが残る点は変わらない。
半正弦波の場合は、これの半分になる。センサ信号の基
本波成分の振幅成分Fは、角速度とスケールファクタの
積である。
【0034】ところが、同期検波回路の入るセンサ信号
の位相、温度によって変動する。これは主に圧電素子の
温度による応答の遅れに基づく。
【0035】温度変動によって、さまざまなパラメータ
が変化する。発光素子の発光波長λが変化する。図5は
これを示す。横軸が温度で、縦軸が波長λである。これ
は一例である。図6は発光素子の光の波長変動によるス
ケールファクタの変動を示す。25℃でSF=1に規格
化してある。波長が変わると、Δθと角速度Ωcの係数
が変化する。
【0036】これは、発光素子の問題であるが、位相変
調器にも問題がある。圧電素子が温度の変化の影響を受
け易いからである。図9は、圧電素子の周波数・ゲイン
特性である。横軸は周波数、縦軸はゲインである。ここ
でゲインとは、電気機械変換ゲインのことである。この
周波数・ゲイン特性の温度特性は次の特徴を有する。す
なわち、低温になると、ゲイン最大の周波数が右に動
く。高温になると左に動く。ところで、ゲインが温度の
影響を出来るだけ受けないようにするために、変調周波
数Ωをゲイン最大になる点から少しずらしている。ここ
で変調周波数は定数である。水晶発振子を用いて周波数
が安定するようにしてある。
【0037】従って、設定周波数に関して、温度が変化
するとゲインが変化して、ξが変化する。ゲインの変化
だけであるならば、前述のξの安定制御則を利用して、
駆動電圧を変化させてやれば良い。ここで、問題になる
のは、位相である。
【0038】図10は位相・周波数特性である。室温で
ある周波数についてある位相が決まる。温度変動によ
り、同じ位相を与える周波数が変動する。これは周波数
を変数として考えるものであるが、実際には位相変調の
周波数は安定しているので、変数は温度である。つま
り、光ファイバジャイロにおいては、温度により位相が
変化するということになる。駆動周波数の点は、図9、
図10のf0 に示すように出来るだけ温度変化に対して
鈍化なところを選んでいるために、位相・温度特性も温
度に対して、単調でほぼ比例する特性になる。
【0039】そこで、図10の関係を温度と位相の関係
に直すと図7のようになる。25℃で位相が0になるよ
うにしてある。これは、従来例の位相の決め方である。
すると、温度変化による全体としてのスケールファクタ
の変動は、図6の波長変動によるものと位相変動による
ものの積になる。
【0040】SFの変動要因である位相変動と波長変動
の積の形を式(A)に示す。
【0041】 cosΘ×(1/λ) (A)
【0042】先程のセンサ信号と、キャリア信号の位相
ずれΘのcosがこれにかかるので、積関数の温度変化
をcosΘが打ち消すようなものであれば、温度による
スケールファクタの変動が無くなる。
【0043】より詳しく説明する。スケールファクタを
Kとすると、K=(∂F/∂Ωc)によって定義され
る。スケールファクタは、角速度Ωcと、受光素子出力
の内の基本波成分の比であるからである。これは、近似
的には
【0044】 K=2PJ1(ξ)(4πLa/cλ) (7)
【0045】キャリアとセンサ信号の位相差をΘとして
スケールファクタをSFとすれば、
【0046】 SF=K・cosΘ (8)
【0047】となる。そして、本発明の要点は、温度に
拘らず、KとcosΘの積が一定になるようにする。つ
まり
【0048】 SF=K・cosΘ=一定 (9)
【0049】これが本発明の目的であり、中心思想であ
る。ここでKやΘが温度Tの関数である。そこでスケー
ルファクタの温度変化を求めて、これとcosΘの温度
が互いに打ち消すようにΘを決める。このΘをセンサ信
号とキャリアの間に位相差として与える。本発明はこう
することにより、温度による角速度測定値の変動がない
ようにする。
【0050】より具体的に説明する。温度変化による波
長変動に基づく変動の係数をαとする。つまり、
【0051】 (∂SF/∂λ)・(∂λ/∂T)/SF=α (10)
【0052】温度変化による位相Θ変動に基づく変動の
係数をβとする。つまり
【0053】 (∂SF/∂Θ)・(∂Θ/∂T)/SF=β (11)
【0054】規準温度T0 でのスケールファクタをSF
0 とする。規準温度T0 からの温度のずれをΔTで表
す。(ΔT=T−TO )と、任意の温度でのSF(T)
は、
【0055】 SF=SF0 ・{1+(α+β)・ΔT} (12)
【0056】となる。ところで、温度Tの時の波長λ
(T)は、
【0057】 λ(T)=a1 +b1 (T−T0 ) (13)
【0058】と表すことができる。また、温度Tにおけ
る位相差Θ(T)は、
【0059】 Θ(T)=a2 +b2 ・(T−T0 ) (14)
【0060】と表すことができる。従って、
【0061】 α+β=−b1 (sinΘ/cosΘ)−(b2 /λ)cosΘ (15)
【0062】となる。すなわち、SFが温度Tにほとん
ど依存しないようにするためには、α+β=0を満足す
るΘを求め、その分だけセンサ信号とキャリア信号に位
相差を持たせれば良い。すなわち、
【0063】 −(b2 /λ)cosΘ2 −b1 sinΘ=−(b2 /λ)(1−sin2 Θ) −b1 sinΘ=0 (16)
【0064】を満足するようなΘだけセンサ信号とキャ
リア信号に位相差を持たせれば良い。
【0065】それができない場合は、位相のずれΘを適
当に与えながら、スケールファクタを観測してこれの変
動の少ないものを選ぶ。図13はこのような方法を説明
する図である。位相ずれΘ=0の場合、スケールファク
タSFが破線のように温度変化したとする。右下がりの
カ−ブである。そこでキャリアに対するセンサ信号の位
相のずれΘを5度にしてスケールファクタを測る。これ
は右下がりであるが、カ−ブはより小さい。
【0066】さらに位相ずれΘを13度にした。スケー
ルファクタは25度で極大を持つゆるいカ−ブになる。
さらにΘを15度にした。スケールファクタは右下がり
のカ−ブになる。結局この例ではΘ=13°にすると、
スケールファクタの変動が最も少ないということであ
る。
【0067】このようにして、位相ずれを与えながら、
温度−スケールファクタ特性を測定して、最適のカ−ブ
を与える位相ずれΘを探すのも一つの方法である。いず
れにしても本発明は実質的なスケールファクタSF=K
cosΘの温度変化を最小にすることにより温度による
スケールファクタの変動を抑制する。
【0068】
【実施例】本発明は、キャリアの位相と、センサ信号の
位相を変えてスケールファクタの変動を押さえるもので
あるから、図11のようなデジタル処理回路7を設けれ
ば良い。発振器14は水晶発振子を用いた通常の発振器
である。発振器の周波数fs は位相変調周波数fm =Ω
/2πの2のべき乗であることが望ましい。fs =2n
m 。位相変調周波数がクロックにより2n に刻まれ
る。したがって、ひとつの位相差の刻みが2π/2n
なる。
【0069】位相ずれのステップをこれに等しくとり、
センサ信号またはキャリア信号の位相をひとステップず
つ変えてゆき、スケールファクタ変動最小になるものを
探し、この値に位相ずれを固定する。図12Hより具体
的な回路である。発振器でクロックfs を発生する。カ
ウンタ回路でこれを2n 回分周する。最後の出力を参照
信号(キャリア)Ck とする。位相変調器駆動信号生成
部16は同じようにクロックを2n 分周する。これは位
相変調器の駆動信号Ph となる。これの周波数はfm
ある。
【0070】位相変調器の駆動信号の位相が変わると受
光素子の出力に含まれるセンサ信号の位相が変わる。
【0071】位相変調器駆動信号生成部16は参照信号
との同期を取るために、fm のある周期毎にリセット指
令をカウンタ回路15に与える。この時カウンタがリセ
ットされて位相設定信号によって与えられる初期値から
カウントを始める。位相設定信号Φcが一定であれば、
キャリアとセンサ信号の位相のずれΘが一定である(Φ
c−Θ=一定;−π<Φc,Θ<π)。
【0072】位相設定信号を変えることにより、任意の
位相のずれを2n の刻みで与えることができる。そこで
出力を測定しスケールファクタを計算し、温度変化の最
も小さい位相設定値を求め以後この値に固定する。
【0073】
【発明の効果】本発明は、位相変調方式の光ファイバジ
ャイロにおいて、同期検波する為のキャリア信号と、セ
ンサ信号の位相を合致させず、ある位相のずれを与えて
おく。位相ずれにより温度変動によるスケールファクタ
の変化を打ち消すようにしている。特別な回路素子を追
加することなく、スケールファクタの温度による変動を
最小にすることができる。
【0074】スケールファクタの温度による変化を最小
になるように調整する際に、光源の周波数ばらつき、位
相変調器の特性ばらつきなどを含んで調整できるので、
光源、位相変調器の特性のばらつきがあっても、光ファ
イバジャイロとして良好に機能する。
【図面の簡単な説明】
【図1】位相変調方式光ファイバジャイロの概略構成
図。
【図2】センサ信号を参照信号によって開閉するスイッ
チを通して出力するようにする部分の概略説明図。
【図3】矩形波である参照信号の波形図。
【図4】センサ信号(1)と、参照信号の位相のずれを
Θとして参照信号に同期して開閉するスイッチを通した
センサ信号の波形(2)と、参照信号(3)の波形図。
【図5】温度と光源の発光波長の関係の一例を示すグラ
フ。
【図6】温度と波長変化に基づくスケールファクタの変
動の関係を示すグラフ。
【図7】温度と位相変調器の位相変動量の関係の一例を
示すグラフ。
【図8】温度とゲイン変化の関係の一例を示すグラフ。
【図9】温度をパラメータとした位相変調器の周波数と
ゲインの関係を示すグラフ。
【図10】温度をパラメータとした位相変調器と周波数
を位相の関係を示すグラフ。
【図11】本発明の光ファイバジャイロで用いるデジタ
ル処理部の概略図。
【図12】本発明で用いる参照信号と、センサ信号の間
に位相のずれを与えるための回路図。
【図13】本発明において、スケールファクタの温度変
動を位相シフトを与えることにより打ち消すようにする
ことを説明するグラフ。
【符号の説明】
1 光源 2 カップラ 3 ファイバ光路 4 カップラ 5 ファイバコイル 6 位相変調器 7 デジタル処理回路 8 位相設定信号 9 受光素子 10 プリアンプ 11 同期検波回路 12 終段アンプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファイバコイルの中を、左廻り、右廻り
    に光を伝搬させ、両廻り光の位相差から、ファイバコイ
    ルの回転角速度を求めるようにした光ファイバジャイロ
    であって、光源としての単色光を発生する発光素子と、
    シングルモードファイバを多数回巻き回したファイバコ
    イルと、ファイバコイルを右廻り光、左廻り光として伝
    搬した光を干渉させ干渉光の強度を検出する受光素子
    と、ファイバコイルの一端に設けられこれを通過する光
    に位相変調を与える位相変調器とを含み、受光素子の出
    力信号に、位相変調の周波数と同じ周波数のキャリアを
    乗じて積分することにより同期検波する際に、キャリア
    の位相を信号中の基本波成分の位相と異なるように設定
    してあり、位相のずれΘの余弦cosΘとスケールファ
    クタの他の部分Kの積KcosΘが基準温度の近傍にお
    いて、温度変動の一次の項を含まないようにしたことを
    特徴とする光ファイバジャイロの信号処理方式。
  2. 【請求項2】 ファイバコイルの中を、左廻り、右廻り
    に光を伝搬させ、両廻り光の位相差から、ファイバコイ
    ルの回転角速度を求めるようにした光ファイバジャイロ
    であって、光源としての単色光を発生する発光素子と、
    シングルモードファイバを多数回巻き回したファイバコ
    イルと、ファイバコイルを右廻り光、左廻り光として伝
    搬した光を干渉させ干渉光の強度を検出する受光素子
    と、ファイバコイルの一端に設けられこれを通過する光
    に位相変調を与える位相変調器とを含み、受光素子の出
    力信号に、位相変調の周波数と同じ周波数のキャリアを
    乗じて積分することにより同期検波する際に、キャリア
    の位相を信号中の基本波成分の位相と異なるように設定
    してあり、位相のずれをΘとし、スケールファクタの
    内、光源の波長λの温度変動によるスケールファクタの
    変化分をα=(∂SF/∂λ)(∂λ/∂T)/SF、
    位相変調器の位相の温度変化による係数をβ=(∂SF
    /∂Θ)(∂Θ/∂T)/SF、位相変調器の位相の温
    度による変化分をVとして、tanΘ=(α+β)/V
    としたことを特徴とする光ファイバジャイロの信号処理
    方式。
JP30347093A 1993-11-08 1993-11-08 光ファイバジャイロ信号処理方式 Pending JPH07128074A (ja)

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WO2007125708A1 (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Murata Manufacturing Co., Ltd. 角速度センサの温度特性設定方法および角速度センサ

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