JPH0712692A - 鋼板の板厚方向引張特性試験方法 - Google Patents

鋼板の板厚方向引張特性試験方法

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JPH0712692A
JPH0712692A JP15506393A JP15506393A JPH0712692A JP H0712692 A JPH0712692 A JP H0712692A JP 15506393 A JP15506393 A JP 15506393A JP 15506393 A JP15506393 A JP 15506393A JP H0712692 A JPH0712692 A JP H0712692A
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JP
Japan
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test piece
test
thickness direction
steel sheet
shear
Prior art date
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Pending
Application number
JP15506393A
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English (en)
Inventor
Norimasa Enomoto
憲正 榎本
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Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 板厚40mm以下の鋼板の板厚方向の引張特
性試験方法を提供する。 【構成】 鋼板の板厚方向から多角形または円形断面の
試験片6を取り出し、同試験片6の断面形状と同一形状
の穴8を有する固定治具7に前記試験片6の下部を挿入
固定し、しかるのち同試験片6を回転させて捩り変形を
与え、同捩り変形及び応力から前記試験片面内の引張強
度を算定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼板の板厚方向引張特性
試験方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】鋼材は、圧延方向の性質と、これに直交
する板厚方向の性質が幾分異なるが、その差が少ないた
め、一般には等方性材料として扱われている。このため
JIS規格ではどのような板厚、板幅の鋼板でも採取可
能な圧延方向より採取した試験片による試験結果で、材
料の規格を検査している。
【0003】鋼板の機械的性質、即ち、降伏点や引張強
さは圧延方向と大差がなくても、板厚方向の伸び性能が
著しく低下している鋼板が出現するようになり、このよ
うな鋼板では、溶接によって鋼板が層状に裂開する可能
性がある。このような問題を未然に防止するためには、
鋼板の板厚方向の伸び性能を識別するための何らかの有
効な試験,検査方法が必要になる。
【0004】日本建築学会が調査した報告書によると、
鋼板の板厚方向の性能は、板厚方向引張試験や、十字形
溶接継手の単調引張試験、または繰り返し載荷試験等の
破壊試験が最も明快な結果を示すことになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし板厚方向引張試
験は、ある程度以上の厚板(通常は板厚40mm以上)
でないと引張加力を行えるような試験片が採取できない
ため、建築構造物において最も一般的に使用されてい
る、板厚が16mm乃至29mm程度の鋼板には適用す
ることができない。
【0006】また十字形溶接継手による引張試験の方法
は、40mm以下の板厚でも試験片の製作は可能である
が、溶接による入熱量の影響を考慮しなければならない
という試験片製作上の難点を伴うという問題がある。こ
れらの問題を解決するために、図5(イ)に示すV形切
欠き割裂試、図5(ロ)に示す圧縮試験、図5(ハ)に
示す曲げ試験、図5(ニ)に示す切欠き付き3点曲げ試
験の4つの試験方法が提案されている。
【0007】図中aは板厚中央、bは亀裂を示す。前記
各試験方法はいずれも、鋼板試験片cの板厚中央部に存
在する内部欠陥に起因して発生する亀裂bの長さや、破
面の形状によって鋼板の良否を識別しようとするもので
ある。しかし前記試験方法は鋼板の板厚方向の機械的な
性質を直接測定するものではないため、判定の尺度につ
いては、今後更に多くの実験を行って決めなければなら
ないという問題を包蔵している。
【0008】一方、鋼板の内部欠陥検査については超音
波探傷検査等の非破壊検査方法が確立している。しか
し、この超音波探傷法による検査は、鋼板の内部に空洞
等の欠陥がある場合には有効であるが、鋼板の板厚方向
の特性が問題になるのは空洞等の内部欠陥の有無ではな
く、鋼板と引張力が作用したとき、同鋼板が所定の破壊
までの伸び性能があるか否かということである。
【0009】即ち鋼板は内部に欠陥がなくても、板厚方
向の伸び性能が著しく低下していると、前記したように
溶接によって鋼板が層状に裂開してしまうので、その性
能を如何なる方法で識別して構造物の安全性を確保する
かが、鋼構造物を設計する際の問題点となっている。し
かしながら、伸び性能は試験片を引張って破壊させてみ
るしか測定することができず、しかも板厚がある程度以
上厚くないと引張試験用の試験片を採取することができ
ない。
【0010】本発明はこのような実情に鑑みて提案され
たもので、その目的とする処は、板厚が40mm以下の
鋼板の板厚方向の引張特性試験方法を提供する点にあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る鋼板の板厚方向引張特性試験方法によ
れば、鋼板の板厚方向から多角形または円形断面の試験
片を取り出し、同試験片の断面形状と同一形状の穴を有
する固定治具に前記試験片の下部を挿入、固定したの
ち、同試験片を回転させて捩じり変形を与え、同捩じり
変形及び応力から試験片面内の引張特性を算定するもの
である。
【0012】請求項2の発明は、鋼板の板厚方向から多
角形または円形断面の試験片を取り出し、同試験片の断
面形状と同一形状の穴を有する固定治具に前記試験片の
下部を挿入、固定したのち、同試験片にせん断変形を与
え、同せん断変形及び応力から試験片せん断面の引張特
性を算定するものである。
【0013】
【作用】本発明によれば前記したように、引張特性試験
の対象となる鋼板の板厚方向から、断面が多角形または
円形の試験片を取り出し、固定治具に設けた同試験片の
断面形状と同一断面形状の穴に挿入、固定したのち、前
記試験片を回転させて捩り変形を与える。
【0014】この試験によって鋼板の捩じり力と捩じれ
量の関係を測定するものである。而して、前記捩じり力
と捩じれ量との関係はせん断力とせん断ひずみとの関係
に換算できる。かくして得られたせん断力−せん断ひず
み曲線と、引張試験における引張応力−引張ひずみ曲線
との間には一定の関係があるので、鋼板の伸び性能を識
別することができることとなる。
【0015】請求項2の発明は、このせん断力−せん断
ひずみ曲線と引張試験における引張応力−引張ひずみ曲
線との間の関係を利用し、前記試験片の下部を前記固定
治具に設けた同試験片の断面形状と同一形状の穴に挿
入、固定したのち、同試験片にせん断変形を与えること
によって、同せん断変形及び応力から鋼板の板厚方向の
伸び性能を識別するものである。
【0016】
【実施例】以下本発明を図面に示す模式図について説明
する。図2は鋼板の板厚方向から取り出された多角筒状
の試験片1のせん断試験方法を模式的に示したもので、
2及び3は夫々下部試験装置及び上部試験装置で、前記
試験片1は下部試験装置2の同試験片と同一断面形状の
穴2aに挿入し、同穴2a底部の挿入物4によって試験
片1の試験面(通常は中央部)が上下試験装置間のせん
断面5に位置するように調整する。
【0017】而して下部試験装置2を固定し、油圧力に
よって同試験装置2面に沿って上部試験装置3を矢印方
向に滑動せしめることによって、試験片1を強制的にせ
ん断変形させるものである。せん断試験におけるせん断
応力τ−せん断ひずみγ曲線と引張試験における引張応
力σ−引張ひずみε曲線との間には一定の関係があるこ
とが理論的にも実験的にも明らかにされている。(図3
(イ)(ロ)参照)従って前記せん断試験で試験片のせ
ん断面の機械的性質σ−ε曲線が得られることになる。
【0018】そして図3(ロ)に示すように、τ−γ曲
線から換算したσ−ε曲線より、鋼板試験片の破断時の
最大ひずみ量εuを求めることによって、自動的にせん
断位置面での鋼板の伸び性能、即ち最大ひずみ量を識別
する。この方法によれば、前記図5(イ)(ロ)(ハ)
(ニ)の試験で必要となる判定の尺度を決めるための実
験が不要になるが、試験片のせん断面が図5(イ)に示
すV形切欠き割裂試験では切欠き先端部が鋼板の性能を
判定する部分になっているので、欠陥が鋼板の中央部で
なく、同部から多少ずれているような場合には、同鋼板
の健全度を正しく判定できない惧れがある。但し鋼板の
欠陥の位置が何等かの方法で明らかである場合には、同
欠陥位置をせん断試験ではせん断面にセットし、V形切
欠き割裂試験では、その位置に切欠き先端部がくるよう
に加工することによって、初めて鋼板の健全度を識別す
ることが可能となる。
【0019】前記したせん断試験に代ってねじり試験を
行なう。同試験によれば図1に示すように、鋼板の板厚
方向から6角柱の試験片6を取り出し、固定治具7に設
けた同試験片6の断面形状と同一形状の穴8に嵌合固定
し、前記試験片6に捩じり力を加える。この試験では捩
じれ力と捩じれ量の関係を測定することになるが、捩じ
り力と捩じれ量の関係は、せん断応力とせん断ひずみの
関係に換算できるので、前述のせん断試験の場合と同様
に鋼板の伸び性能が識別できることとなる。
【0020】即ち、仮に鋼板の板厚中央部分の伸び性能
が低下しているとすると、その部分が早期に破壊すると
いうことによって、伸び性能の低下が直接識別できる。
しかも破壊までの伸び量は捩じり力と捩じれ量の関係を
測定しておくことにより、せん断応力τ−せん断ひずみ
γの関係に換算でき、引張力が作用する場合の伸び量に
も換算できる。
【0021】なお前記捩り試験においては、図1に示す
ように試験片6の上部に捩じり力を加えることとなるの
で、同試験片6は捩じり力が加え易い6角柱に形成され
ているが、前記試験6の形状は6角柱に限られるもので
はなく、捩り力を加えることができれば、試験片の形状
はどのようなものでもよく、円柱形状のものは掴持部分
が滑りを生じ易く、捩じり力を加えることが困難である
が、油圧力等による外力を利用して試験片6を掴持すれ
ば捩じることができるようになる。
【0022】また捩じり試験では試験片6が柔いと掴持
部分の先に損傷してしまう惧れがあるが、このような場
合には掴持部分や固定治具7に対する固定部分を大きく
するとか、或いはその部分を樹脂類や他の金属材料等で
補強することによって損傷を防止することができる。図
4はこのような試験片6の一例を示すもので、掴持部分
6a,固定部分6cが試験部分6bより大きく、同4
(イ)(ハ)は掴持部分と試験片が同一材料の場合、図
4(ロ)(ニ)は掴持部分と固定部分とを補強材9で補
強した場合を示し、掴持部分6a,試験部分6b,固定
部分6cは円形横断面で示されているが、多角形断面で
もよく、掴持部分6a,固定部分6cが多角形で試験部
分6bが円形断面でもよい。また逆に掴持部分6a,固
定部分6cが円形断面で、試験部分6bが多角形断面で
もよい。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば前記したように、鋼板の
板厚方向から多角形または円形断面の試験片を取り出
し、同試験片の下部を固定治具に設けた同試験片と同一
断面形状の穴に挿入,固定し、前記試験片を回転させて
捩り変形を与え、この変形及び応力から鋼板の板厚方向
の引張強度伸びを容易に求めることができるものであ
る。
【0024】請求項2の発明は、前記試験片の下部を固
定治具に設けた同試験片と同一断面形状の穴に挿入、固
定し、同試験片に、せん断変形を与えることによって、
この変形及び応力から鋼板の板厚方向の引張強度、伸び
を容易に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼板の板厚方向引張特性試験方法
の一実施例の実施状況を示す斜視図である。
【図2】本発明の他の実施例を示し、鋼板のせん断試験
の実施状況を示す縦断面図である。
【図3】(イ)(ロ)は夫々前記鋼板のせん断試験によ
るせん断応力─せん断ひずみ曲線と引張試験による引張
応力─引張ひずみ曲線の関係を示す説明図である。
【図4】(イ)(ロ)は試験片の立面図、(ハ)は
(イ)の矢視A−A図、(ニ)は(ロ)の矢視B−B図
である。
【図5】(イ)(ロ)(ハ)(ニ)は夫々従来の試験方
法を示す斜視図である。
【符号の説明】 1 試験片 2 下部試験装置 2a 穴 3 上部試験装置 4 挿入物 5 せん断面 6 試験片 6a 掴持部分 6b 試験部分 6c 固定部分 7 固定治具 8 穴 9 補強材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の板厚方向から多角形または円形断
    面の試験片を取り出し、同試験片の断面形状と同一形状
    の穴を有する固定治具に前記試験片の下部を挿入、固定
    したのち、同試験片を回転させて捩り変形を与え、同捩
    じり変形及び応力から試験片面内の引張特性を算定する
    ことを特徴とする鋼板の板厚方向引張特性試験方法。
  2. 【請求項2】 鋼板の板厚方向から多角形または円形断
    面の試験片を取り出し、同試験片の断面形状と同一形状
    の穴を有する固定治具に前記試験片の下部を挿入、固定
    したのち、同試験片にせん断変形を与え、同せん断変形
    及び応力から試験片せん断面の引張特性を算定すること
    を特徴とする鋼板の板厚方向引張特性試験方法。
JP15506393A 1993-06-25 1993-06-25 鋼板の板厚方向引張特性試験方法 Pending JPH0712692A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104272084A (zh) * 2012-08-06 2015-01-07 杰富意钢铁株式会社 厚钢板的长大脆性裂纹传播停止性能的评价方法、用于该评价方法的试验装置以及厚钢板的制造方法
US9109728B2 (en) 2008-08-05 2015-08-18 Nippon Pillar Packaging Co., Ltd. Resinous pipe joint
US9222608B2 (en) 2008-08-05 2015-12-29 Nippon Pillar Packing Co., Ltd. Resinous tube joint

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9109728B2 (en) 2008-08-05 2015-08-18 Nippon Pillar Packaging Co., Ltd. Resinous pipe joint
US9222608B2 (en) 2008-08-05 2015-12-29 Nippon Pillar Packing Co., Ltd. Resinous tube joint
CN104272084A (zh) * 2012-08-06 2015-01-07 杰富意钢铁株式会社 厚钢板的长大脆性裂纹传播停止性能的评价方法、用于该评价方法的试验装置以及厚钢板的制造方法

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