JPH07126621A - 液晶組成物および液晶素子 - Google Patents

液晶組成物および液晶素子

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JPH07126621A
JPH07126621A JP5297403A JP29740393A JPH07126621A JP H07126621 A JPH07126621 A JP H07126621A JP 5297403 A JP5297403 A JP 5297403A JP 29740393 A JP29740393 A JP 29740393A JP H07126621 A JPH07126621 A JP H07126621A
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Japan
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liquid crystal
group
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general formula
compound represented
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JP5297403A
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English (en)
Inventor
Ayako Nishioka
綾子 西岡
Osami Inoue
長三 井上
Hiroo Shirane
浩朗 白根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1)(R1 はC3〜16アルキル;
2 はメチル,エチル;R3 はC3〜18アルキル,ア
ルコキシ,アルキルオキシカルボニル,アルカノイルオ
キシ,アルカノイル;A環は1,4-フェニレン,トランス
-1,4- シクロヘキシレン基;B環は1,4-フェニレン,2,
5-ピリミジニレン;Xは−COO−,−OCO−;mは
0,1)で示される化合物を少なくとも2種含有する
か、他の液晶化合物または組成物に一般式(1)の化合
物またはその組成物を混合してなるスメクチックC相を
示す液晶組成物、およびその液晶組成物を用いた液晶素
子。 【化1】 【効果】 室温を含む広い温度範囲でSC相またはSC
* 相を示し、高速応答可能な強誘電性液晶材料および素
子として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶組成物および液晶
素子に関する。さらに詳しくは、室温を含む広い温度範
囲でスメクチックC相を示す液晶組成物、および実用に
適した広い温度範囲で電界に応答する強誘電性液晶組成
物、およびそれを用いた液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子としてTN(ねじれ
ネマチック)型表示方式が最も広範に使用されている。
このTN液晶表示は駆動電圧が低く、消費電力が少ない
などの多くの利点を有している。しかしながら、応答速
度の点においては陰極線管、エレクトロルミネッセン
ス、プラズマディスプレイ等の発光型表示素子に劣って
いる。ねじれ角を180〜270゜にした新しいTN型
表示素子も開発されているが、応答速度はやはり劣って
いる。このように種々の改善の努力は行なわれている
が、応答速度の速いTN型表示素子は実現には至ってい
ない。
【0003】しかしながら、最近盛んに研究が進められ
ている強誘電性液晶を用いる新しい表示方式において
は、著しい応答速度の改善の可能性がある(Clark ら,
Applied Phys. Lett., 36, 899 (1980) )。この方式は
強誘電性を示すキラルスメクチックC相(以下、SC*
相と略す。)等のキラルスメクチック相を利用する方法
である。強誘電性を示す相はSC* 相のみではなく、キ
ラルスメクチックF、G、H、I等の相が強誘電性を示
すことも知られている。
【0004】実際に利用される強誘電性液晶表示素子に
使用される強誘電性液晶材料には多くの特性が要求され
るが、それらの特性は現在のところ、1つの化合物では
満たすことはできず、いくつかの液晶化合物または非液
晶化合物を混合して得られる強誘電性液晶組成物を使用
する必要がある。
【0005】また、強誘電性液晶化合物のみからなる強
誘電性液晶組成物ばかりではなく、特開昭61-195187 号
公報にはアキラルなスメクチックC、F、G、H、I等
の相(以下、SC等の相と略す。)を呈する化合物およ
び組成物を基本物質として、これに強誘電性液晶相を呈
する1種または複数の化合物を混合して全体を強誘電性
液晶組成物とし得ることが報告されている。さらにSC
等の相を呈する化合物または組成物を基本物質として、
光学活性ではあるが強誘電性液晶相は呈しない1種ある
いは複数の化合物を混合して全体を強誘電性液晶組成物
とする報告も見受けられる(Mol, Cryst. Liq. Cryst.,
89, 327 (1982) )。
【0006】これらのことを総合的に勘案すると、強誘
電性液晶相を呈するか否かにかかわらず、光学活性であ
る化合物の1種または複数を基本物質と混合して強誘電
性液晶組成物を構成できることがわかる。前記したアキ
ラルなSC等の相を少なくとも1つ有する基本物質少な
くとも2種からなり、かつSC等の相を有するスメクチ
ック液晶混合物を以下ベース液晶と呼ぶ。実用に適した
ベース液晶としては、室温を含む広い温度範囲でSC相
を有する液晶混合物が特に望まれる。ベース液晶の成分
としては、フェニルベンゾエート系、シッフ塩基系、ビ
フェニル系、フェニルピリミジン系およびフェニルピリ
ジン系等の液晶化合物の中から幾つかが用いられてい
る。
【0007】実用化に必要な液晶材料の保存温度範囲と
して、−30〜85℃程度のものが求められているが、
現在までに報告されている強誘電性液晶材料の多くはS
*相の温度範囲が60〜−10℃程度であり、相転移
による配向変化等を防ぎ、保存安定性を得るためにはさ
らに広い温度範囲でSC* 相を示す材料の開発が急務で
ある。SC* 相の温度範囲は、ベース液晶の性質に支配
されることが多いため、SC相の広いベース液晶および
SC相またはSC* 相温度範囲の拡大に寄与する混合成
分が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、室温
を含む広い温度範囲でSC相またはSC* 相を示す強誘
電性液晶組成物を提供することにある。さらに本発明の
他の目的は、SC相またはSC* 相を示す化合物に混合
することによって、SC相またはSC* 相の温度範囲を
拡大することのできる成分を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、2種以上を混合し
て組成物としたときにSC相の温度範囲を著しく拡大す
る性質を示す非対称型3級アミン化合物群が存在するこ
とを確認し、また前記化合物あるいはその混合物は、S
C相またはSC* 相を示す化合物あるいは組成物に配合
したときにその相の温度範囲を拡大し得ることを確認し
て本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は 1)一般式(1)
【化8】 (式中、R1 はC3〜16の直鎖または分岐のアルキル
基を表わし、R2 はメチル基またはエチル基を表わし、
3 はC3〜18の直鎖または分岐のアルキル基、アル
コキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルカノイル
オキシ基またはアルカノイル基を表わし、A環は1,4
−フェニレン基またはトランス−1,4−シクロヘキシ
レン基を表わし、B環は1,4−フェニレン基または
2,5−ピリミジニレン基を表わし、Xは−COO−ま
たは−OCO−を表わし、mは0または1を表わす。)
で示される化合物を少なくとも2種含有することを特徴
とするスメクチックC相を示す液晶組成物、
【0011】2)Xが−COO−である一般式(1)の
化合物を少なくとも1種と、Xが−OCO−である一般
式(1)の化合物を少なくとも1種とを含有することを
特徴とする前記1に記載の液晶組成物、
【0012】3)前記一般式(1)で示される化合物の
少なくとも1種と、一般式(2)
【化9】 (式中、R4 およびR5 は各々独立して、C3〜18の
直鎖または分岐のアルキル基、アルコキシ基、アルキル
オキシカルボニル基またはアルカノイルオキシ基を表わ
し、B1 環は1,4−フェニレン基または2,5−ピリ
ミジニレン基を表わし、Zは単結合、1,4−フェニレ
ン基または2,5−ピリミジニレン基を表わし、Yは単
結合または−COO−を表わす。ただし、Yが単結合を
表わし、B1 環が1,4−フェニレン基を表わし、かつ
Zが1,4−フェニレン基を表わす一般式(2−1)
【化10】 で示される化合物の場合、ターフェニル基の水素原子1
〜4個はフッ素原子で置換されていてもよい。)で示さ
れる化合物の少なくとも1種とを含有することを特徴と
するスメクチックC相またはキラルスメクチックC相を
示す液晶組成物、
【0013】4)前記一般式(1)で示される化合物の
少なくとも1種と、一般式(3)
【化11】 (式中、R6 およびR7 は各々独立して、C3〜18の
直鎖または分岐のアルキル基、アルコキシ基、アルキル
オキシカルボニル基またはアルカノイルオキシ基を表わ
す。)で示される化合物および一般式(4)
【化12】 (式中、R8 およびR9 は各々独立して、C3〜18の
直鎖または分岐のアルキル基、アルコキシ基、アルキル
オキシカルボニル基またはアルカノイルオキシ基を表わ
す。)で示される化合物の少なくとも1種とを含有する
ことを特徴とする前記3に記載の液晶組成物、
【0014】5)一般式(1)で示される化合物の少な
くとも1種と、一般式(3)で示される化合物の少なく
とも1種と、一般式(4)で示される化合物の少なくと
も1種とを含有することを特徴とする前記4に記載の液
晶組成物、
【0015】6)前記一般式(1)で示される化合物の
少なくとも1種と、一般式(5)
【化13】 (式中、R10およびR11は各々独立して、C3〜18の
直鎖または分岐のアルキル基またはアルコキシ基を表わ
し、B1 環およびB2 環は各々独立して、1,4−フェ
ニレン基または2,5−ピリミジニレン基を表わす。)
で示される化合物および一般式(6)
【化14】 (式中、R12およびR13は各々独立して、C3〜18の
直鎖または分岐のアルキル基またはアルコキシ基を表わ
し、a〜lの1〜4個はフッ素原子、その他は水素原子
を表わす。)で示される化合物の少なくとも1種とを含
有することを特徴とする前記3に記載の液晶組成物、
【0016】7)一般式(1)で示される化合物の少な
くとも1種と、一般式(3)で示される化合物および一
般式(4)で示される化合物の少なくとも1種と、一般
式(5)で示される化合物および一般式(6)で示され
る化合物の少なくとも1種とを含有することを特徴とす
る前記3に記載の液晶組成物、 8)キラルスメクチックC相を示す液晶組成物であっ
て、前記組成物が光学活性であって強誘電性液晶相を呈
しない少なくとも1種の化合物を含有することを特徴と
する前記1乃至7のいずれかに記載の液晶組成物、およ
び 9)前記1〜8に記載のスメクチックC相またはキラル
スメクチックC相を示す液晶組成物を一対の電極基板間
に配設してなることを特徴とする液晶素子である。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。一般式
(1)で示される化合物としては以下の式(1-a) 〜式(1
-l) が好ましく用いられる。なお、下記の式中の記号は
前記と同じ意味を表わす。
【0018】
【化15】
【0019】
【化16】
【0020】
【化17】
【0021】
【化18】
【0022】
【化19】
【0023】
【化20】
【0024】
【化21】
【0025】
【化22】
【0026】
【化23】
【0027】
【化24】
【0028】
【化25】
【0029】
【化26】
【0030】前記一般式(1)で示される化合物は、例
えば、特開平3-218338号、特開平3-284656号、特開平4-
41468 号などに記載の方法により合成することができ
る。SC相またはSC* 相を示す一般式(1)で示され
る化合物を2種以上を混合することによりSC相または
SC* 相の温度範囲は拡大するが、室温を含む広い温度
範囲でSC相またはSC* 相を示す液晶組成物を得るた
めには、一般式(1)で示される化合物単体またはその
2種以上からなる組成物の相転移温度の高温側にネマチ
ック相(N相)またはコレステリック相(Ch相)を示
す化合物または組成物と、SC相またはSC* 相の高温
側にスメクチックA相(SA相)を示す化合物または組
成物とを組合わせることが最も好ましい。これ以外の組
合わせではN相やCh相、あるいはSA相の温度範囲が
拡大してしまい、SC相またはSC* 相の特に高温側の
温度範囲の拡大が望めなくなることが多い。
【0031】これらの組合わせによって得られる液晶組
成物は、特に液晶素子とした場合に良好な均一配向性を
示す。一般にモノドメイン状態を得るには、その強誘電
性液晶は冷却時に等方相(I相)からCh相、SA相、
SC* 相という相転移系列を有していることが望ましい
とされている。この条件を満たす液晶組成物を得る意味
においても上記の組合わせが望ましい。
【0032】さらに、一般式(1)の化合物のうちXが
−COO−である化合物はSC相またはSC* 相の高温
側にN相またはCh相を有することが多く、またXが−
OCO−である化合物はSC相またはSC* 相の高温側
にSA相を有することが多い。したがって、前記式(1-
a), (1-b), (1-e), (1-f), (1-i), (1-j), (1-k) およ
び (1-l)で示される化合物(X=COO)のいずれか1
種以上と、式(1-c), (1-d), (1-g) および (1-h)で示さ
れる化合物(X=OCO)のいずれか1種以上とを混合
したときにSC相またはSC* 相の温度範囲が著しく拡
大した液晶組成物を得ることができる。
【0033】さらに、本発明者らは、前記一般式(1)
で示される化合物あるいはその2種以上の混合物を、強
誘電性液晶組成物成分として用いられている一般式
(2)
【0034】
【化27】
【0035】(式中の記号は前記と同じ意味を表わ
す。)で示される種々の化合物あるいはそれらの組成物
と混合することによって、SC相またはSC* 相の温度
範囲が上下に著しく拡大することを確認した。前記一般
式(2)で示される化合物の具体例としては以下の一般
式(3)〜(6)で示されるものが挙げられる。
【0036】すなわち、まず第一に現在強誘電性液晶組
成物の混合成分として最もよく使用されている一般式
(3)
【化28】 (式中、R6 およびR7 は前記と同じ意味を表わす。)
で示されるフェニルピリミジン液晶化合物、および一般
式(4)
【化29】 (式中、R8 およびR9 は前記と同じ意味を表わす。)
で示されるフェニルベンゾエート液晶化合物が挙げられ
る。
【0037】上記一般式(3)あるいは(4)で示され
る化合物と、一般式(1)で示される化合物との組合わ
せにより一般式(3)あるいは(4)で示される化合物
を含むSC相またはSC* 相の温度範囲が拡大される
が、この場合もSC相またはSC* 相の高温側にN相ま
たはCh相を有する組成物の場合にはSC相またはSC
* 相の高温側にSA相を有する一般式(1)で示される
化合物または組成物を配合することが好ましく、SC相
またはSC* 相の高温側にSA相を有する組成物の場合
にはSC相またはSC* 相の高温側にN相またはCh相
を有する一般式(1)で示される化合物または組成物を
配合することが好ましい。さらにこの様な組合わせで一
般式(1)の化合物を混合することにより、均一配向を
得るために望ましい相系列をもった組成物が得られる。
【0038】特に、一般式(3)で示される化合物は粘
性を低減させる役割があり、一般式(4)で示される化
合物はメモリー性やコントラストを向上させる役割があ
るので、本発明ではこれらの化合物を各々少なくとも1
種および一般式(1)で示される化合物を少なくとも1
種混合することによって、粘性が低減され、メモリー性
およびコントラストの向上した好適な液晶組成物を得る
ことができる。
【0039】さらに一般式(1)の化合物を、一般に高
温液晶として知られている一般式(5)
【化30】 (式中、R10、R11、B1 環およびB2 環は前記と同じ
意味を表わす。)で示される3環性ピリミジン液晶化合
物、および一般式(6)
【化31】 (式中、R12、R13およびa〜lは前記と同じ意味を表
わす。)で示される置換ターフェニル液晶化合物の1種
以上と組合わせて、他の液晶組成物に混合することによ
って、SC相またはSC* 相の上限温度を上昇させると
とも下限温度をも低温側にシフトさせてSC相またはS
* 相の温度範囲を拡大することができる。
【0040】前記一般式(3)のフェニルピリミジン液
晶化合物のうち好ましいものとして以下の化合物を挙げ
ることができる。下記の式中、R61およびR71はC3〜
18の直鎖または分岐のアルキル基を表わし、R62およ
びR72はC2〜17の直鎖または分岐のアルキル基を表
わす。
【0041】
【化32】
【0042】
【化33】
【0043】
【化34】
【0044】
【化35】
【0045】
【化36】
【0046】
【化37】
【0047】
【化38】
【0048】
【化39】
【0049】
【化40】
【0050】
【化41】
【0051】
【化42】
【0052】
【化43】
【0053】
【化44】
【0054】
【化45】
【0055】
【化46】
【0056】
【化47】
【0057】前記一般式(3)で示される化合物は、例
えば、特開昭61-24576号、特開昭61-129170 号、特開昭
61-200972 号、特開昭61-200973 号、特開昭61-215372
号、特開昭61-291574 号公報などに記載の方法により合
成することができる。
【0058】前記一般式(4)で示されるフェニルベン
ゾエート液晶化合物としては以下の化合物が好ましく用
いられる。式中、R81およびR91はC3〜18の直鎖ま
たは分岐のアルキル基を表わし、R82およびR92はC2
〜17の直鎖または分岐のアルキル基を表わす。
【0059】
【化48】
【0060】
【化49】
【0061】
【化50】
【0062】
【化51】
【0063】
【化52】
【0064】
【化53】
【0065】
【化54】
【0066】
【化55】
【0067】
【化56】
【0068】
【化57】
【0069】
【化58】
【0070】
【化59】
【0071】
【化60】
【0072】
【化61】
【0073】
【化62】
【0074】
【化63】
【0075】前記一般式(4)で示される化合物は、例
えば、P.Keller, Ferroelectrics,58, 3 (1984)、G.W.G
ray and D.G.McDonnell, Mol. Cryst. Liq. Cryst., 3
7, 189 (1976) 、J.W.Goodby and G.W.Gray, J. de Phy
sique, 40, 27 (1979)などに記載の方法により合成する
ことができる。
【0076】前記一般式(5)で示される3環性ピリミ
ジン液晶化合物としては以下の化合物が好ましい。式
中、R10およびR11は前記と同じ意味を表わす。
【0077】
【化64】
【0078】
【化65】
【0079】
【化66】
【0080】前記一般式(5)で示される化合物は、例
えば、H.Schubert u. H.Zaschke, J. prakt. Chem., 31
2, 494 (1970) 、G.Kraus u. H.Zaschke, J. prakt. Ch
em.,323, s.199 (1981)、特開昭59-39876号公報などに
記載の方法により合成することができる。
【0081】置換ターフェニル液晶化合物(6)として
は以下の化合物が好ましい。式中、R12およびR13は前
記と同じ意味を表わす。
【0082】
【化67】
【0083】
【化68】
【0084】
【化69】
【0085】
【化70】
【0086】
【化71】
【0087】
【化72】
【0088】
【化73】
【0089】
【化74】
【0090】
【化75】
【0091】
【化76】
【0092】
【化77】
【0093】
【化78】
【0094】前記一般式(6)で示される化合物は、例
えば、G.W.Grayらによる文献(J. C. S. Perkin Tras.I
I, 2041 (1989)、Mol. Cryst. Liq. Cryst., 195, 221
(1991)、同 204, 43 (1991) 、同 206, 187 (1991)、同
206, 205 (1991))および特開平2-67232 号公報などに
記載の方法により合成することができる。
【0095】前記一般式(5)および一般式(6)で示
される高温液晶として知られている化合物は、一般に液
晶組成物中でSC相またはSC* 相の高温域を拡大する
作用を有するが、逆に低温域を狭めることが多い。本発
明では一般式(5)および一般式(6)の化合物の1種
以上を含む液晶組成物にさらに一般式(1)で示される
化合物または組成物を混合することによって低温域を狭
めることなく室温を含む広い温度範囲でSC相またはS
* 相を示す液晶組成物を得ることができる。
【0096】また、本発明においては、以上に述べたよ
うなSC相を呈する化合物または組成物を基本物質とし
て、光学活性ではあるが強誘電性液晶相は呈しない少な
くとも1種の化合物を混合してSC* 相を示す強誘電性
液晶組成物とすることもできる。
【0097】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、
実施例において、相転移温度は走査型示差熱量計(DS
C)と偏光顕微鏡によるテクスチャーの観察により求め
た。またCrは結晶、Iは等方相を示す。
【0098】実施例1 一般式(1)に属し、下記の構造および相転移系列を有
する液晶化合物(1-1)
【化79】
【0099】(1-2)
【化80】
【0100】および(1-3)
【化81】
【0101】を用い、(1-1) を33.3重量%、(1-2) を3
3.3重量%および(1-3) を33.3重量%含有する液晶組成
物1を調製し、相転移温度を測定した結果は以下の通り
であった。
【化82】
【0102】実施例2 実施例1で使用した液晶化合物(1-1) 15重量%、(1-
2) 15重量%および(1-3) 40重量%と、一般式
(1)に属し、下記の構造および相転移系列を有する液
晶化合物(1-4)
【化83】
【0103】30重量%とから液晶組成物2を調製し、
相転移温度を測定した結果は以下の通りであった。
【化84】
【0104】実施例3 一般式(1)に属し下記の構造および相転移系列を有す
る液晶化合物(1-5)
【化85】
【0105】50重量%と、一般式(3)に属する8成
分の混合物であって、下記に各成分の構造と混合割合、
およびその混合物の相転移系列を示す液晶組成物A
【化86】
【0106】50重量%とを含有する液晶組成物3を調
製し、相転移温度を測定した結果は以下の通りであっ
た。
【化87】
【0107】実施例4 実施例3で使用した液晶化合物(1-5) 25重量%と、一
般式(1)に属下記の構造および相転移系列を有する液
晶化合物(1-6)
【化88】
【0108】25重量%と、実施例3で使用した液晶組
成物A12重量%と、一般式(4)に属する6成分の混
合物であって、下記に各成分の構造と混合割合、および
その混合物の相転移系列を示す液晶組成物B
【化89】
【0109】38重量%とからなる液晶組成物4を調製
し、相転移温度を測定した結果は以下の通りであった。
【化90】
【0110】実施例5 実施例2で調製した液晶組成物2(80重量%)と、一
般式(5)に属し下記の構造および相転移系列を有する
液晶化合物(5-1)
【化91】
【0111】(20重量%)とから液晶組成物5を調製
し、相転移温度を測定したところ以下の通りであった。
【化92】
【0112】実施例6 実施例3で使用した液晶化合物(1-5) 45重量%と、実
施例5で使用した液晶化合物(5-1) 10重量%と、実施
例3で使用した液晶組成物A45重量%とから液晶組成
物6を調製し、相転移温度を測定した結果は以下の通り
であった。
【化93】
【0113】実施例7 実施例3で使用した液晶化合物(1-5) 30重量%、実施
例5で使用した液晶化合物(5-1) 10重量%、と、一般
式(6)に属し下記の構造および相転移系列を有する液
晶化合物(6-1)
【化94】
【0114】30重量%と、実施例3で使用した液晶組
成物A30重量%とから液晶組成物7を調製し、相転移
温度を測定した結果、以下の通りでった。
【化95】
【0115】実施例8 実施例3で使用した液晶化合物(1-5) 15重量%と、実
施例4で使用した液晶化合物(1-6) 10重量%と、実施
例5で使用した液晶化合物(5-1) 15重量%と、実施例
7で使用した液晶化合物(6-1) 10重量%と、実施例3
で使用した液晶組成物A37重量%と、実施例4で使用
した液晶組成物B12重量%とから液晶組成物8を調製
し、相転移温度を測定した結果は以下の通りであった。
【化96】
【0116】実施例9 実施例7で調製した液晶組成物7(93重量%)と、下
記に構造を示す光学活性な化合物
【化97】
【0117】(7重量%)とを混合して、強誘電性を示
す液晶組成物9を調製し、相転移温度を測定した結果、
以下の通りであった。
【化98】
【0118】この液晶組成物を加熱し、等方性液体とし
た後、ポリイミドを塗布し、ラビング処理を施した透明
電極付き薄型セル(2μ)に注入した。しかる後、セル
を徐冷し、均一なSC* のモノドメインを得、このセル
に10V/μm,50Hzの矩形波電圧を印加したとこ
ろ明瞭なスイッチングを示し、25℃における応答時間
は314μ秒であった。
【0119】
【発明の効果】一般式(1)で示される化合物を2種以
上混合してなる液晶組成物は、室温を含む広い温度範囲
でSC相を示し、また、キラルな化合物を混合すること
によってより広い温度範囲でSC* 相を示す強誘電性液
晶組成物となる。さらに、SC相またはSC* 相を示す
他の液晶組成物に、一般式(1)で示される化合物ある
いはその組成物を混合することにより、SC相またはS
* 相の温度範囲が上下に著しく拡大された液晶組成物
となる。室温を含む広い温度範囲でSC相またはSC*
相を示す本発明の液晶組成物は高速応答可能な強誘電性
液晶材料として有用であり液晶素子として利用すること
ができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 はC3〜16の直鎖または分岐のアルキル
    基を表わし、R2 はメチル基またはエチル基を表わし、
    3 はC3〜18の直鎖または分岐のアルキル基、アル
    コキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルカノイル
    オキシ基またはアルカノイル基を表わし、A環は1,4
    −フェニレン基またはトランス−1,4−シクロヘキシ
    レン基を表わし、B環は1,4−フェニレン基または
    2,5−ピリミジニレン基を表わし、Xは−COO−ま
    たは−OCO−を表わし、mは0または1を表わす。)
    で示される化合物を少なくとも2種含有することを特徴
    とするスメクチックC相またはキラルスメクチックC相
    を示す液晶組成物。
  2. 【請求項2】 Xが−COO−である一般式(1)の化
    合物を少なくとも1種と、Xが−OCO−である一般式
    (1)の化合物を少なくとも1種とを含有することを特
    徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の一般式(1)で示され
    る化合物の少なくとも1種と、一般式(2) 【化2】 (式中、R4 およびR5 は各々独立して、C3〜18の
    直鎖または分岐のアルキル基、アルコキシ基、アルキル
    オキシカルボニル基またはアルカノイルオキシ基を表わ
    し、B1 環は1,4−フェニレン基または2,5−ピリ
    ミジニレン基を表わし、Zは単結合、1,4−フェニレ
    ン基または2,5−ピリミジニレン基を表わし、Yは単
    結合または−COO−を表わす。ただし、Yが単結合を
    表わし、B1 環が1,4−フェニレン基を表わし、かつ
    Zが1,4−フェニレン基を表わす一般式(2−1) 【化3】 で示される化合物の場合、ターフェニル基の水素原子1
    〜4個はフッ素原子で置換されていてもよい。)で示さ
    れる化合物の少なくとも1種とを含有することを特徴と
    するスメクチックC相またはキラルスメクチックC相を
    示す液晶組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の一般式(1)で示され
    る化合物の少なくとも1種と、一般式(3) 【化4】 (式中、R6 およびR7 は各々独立して、C3〜18の
    直鎖または分岐のアルキル基、アルコキシ基、アルキル
    オキシカルボニル基またはアルカノイルオキシ基を表わ
    す。)で示される化合物および一般式(4) 【化5】 (式中、R8 およびR9 は各々独立して、C3〜18の
    直鎖または分岐のアルキル基、アルコキシ基、アルキル
    オキシカルボニル基またはアルカノイルオキシ基を表わ
    す。)で示される化合物の少なくとも1種とを含有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の液晶組成物。
  5. 【請求項5】 一般式(1)で示される化合物の少なく
    とも1種と、一般式(3)で示される化合物の少なくと
    も1種と、一般式(4)で示される化合物の少なくとも
    1種とを含有することを特徴とする請求項4に記載の液
    晶組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の一般式(1)で示され
    る化合物の少なくとも1種と、一般式(5) 【化6】 (式中、R10およびR11は各々独立して、C3〜18の
    直鎖または分岐のアルキル基またはアルコキシ基を表わ
    し、B1 環およびB2 環は各々独立して、1,4−フェ
    ニレン基または2,5−ピリミジニレン基を表わす。)
    で示される化合物および一般式(6) 【化7】 (式中、R12およびR13は各々独立して、C3〜18の
    直鎖または分岐のアルキル基またはアルコキシ基を表わ
    し、a〜lの1〜4個はフッ素原子、その他は水素原子
    を表わす。)で示される化合物の少なくとも1種とを含
    有することを特徴とする請求項3に記載の液晶組成物。
  7. 【請求項7】 一般式(1)で示される化合物の少なく
    とも1種と、一般式(3)で示される化合物および一般
    式(4)で示される化合物の少なくとも1種と、一般式
    (5)で示される化合物および一般式(6)で示される
    化合物の少なくとも1種とを含有することを特徴とする
    請求項3に記載の液晶組成物。
  8. 【請求項8】 キラルスメクチックC相を示す液晶組成
    物であって、前記組成物が光学活性であって強誘電性液
    晶相を呈しない少なくとも1種の化合物を含有すること
    を特徴とする請求項1乃至7のいずれかの項に記載の液
    晶組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6、7また
    は8に記載のスメクチックC相またはキラルスメクチッ
    クC相を示す液晶組成物を一対の電極基板間に配設して
    なることを特徴とする液晶素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007526931A (ja) * 2003-07-11 2007-09-20 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング モノフルオロターフェニル化合物を含む液晶媒体

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JP2007526931A (ja) * 2003-07-11 2007-09-20 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング モノフルオロターフェニル化合物を含む液晶媒体

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