JPH07123499A - 音響信号処理装置 - Google Patents

音響信号処理装置

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JPH07123499A
JPH07123499A JP5286175A JP28617593A JPH07123499A JP H07123499 A JPH07123499 A JP H07123499A JP 5286175 A JP5286175 A JP 5286175A JP 28617593 A JP28617593 A JP 28617593A JP H07123499 A JPH07123499 A JP H07123499A
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治 吉野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人の声を再生音場の前方中央に定位させるこ
とができる擬似ステレオ信号を発生させる信号処理装置
を提供する。 【構成】 音声情報を含むモノラル音響信号から所定の
時間長を有するようにして切出された順次のフレーム信
号における各フレーム信号毎に、フーリエ分析部16で
フーリエ分析を行ない、また音声分析部17で人間の音
声の発生過程を物理的にモデル化したパラメトリック分
析法により分析を行なう。フーリエ分析部16での分析
結果し、音声分析部17での音声分析の結果とを分析結
果比較部18で比較して、比較出力を音声信号の推量度
判定部19に供給し、推量度判定部19で音声信号の推
量度判定情報を発生させる。前記の音声信号の推量度判
定情報により、前方中央へ音像定位が行なわれるように
できる音響信号を発生させたり、擬似ステレオ音場再生
が行なわれるようにできる音響信号を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はモノラル音響信号から生
成した擬似ステレオ信号を用いて擬似ステレオ音場再生
を行なう場合に用いられる音響信号処理装置、特に、人
間の声を良好に前方中央へ定位できるようにした擬似ス
テレオ音響信号を生成できる音響信号処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電気音響変換器を用いて再生された再生
音によって、自然な感じの再生音場を得るための各種の
諸方式が提案されていることは周知のとおりである{ 電
気音響変換器からの再生音による音場再生の各種方式に
ついては、昭和59年11月1日にラジオ技術社から発
行された雑誌「ラジオ技術」1984年11月号( 第3
8巻第14号通巻491号 )の第89頁〜第96頁に詳
細に分類して記述されているので参照されるとよい}。
一方、近年来、再生画像についても、それの大画面化、
高画質化への要望が高まり、再生画像の高画質化が可能
な諸方式についての諸提案も色々となされるようになっ
て来たのに伴い、再生画像と再生音との双方を関連させ
たAV対応のサラウンド( オーディオ・ビジュアル・サ
ラウンド…AVサラウンド )システムについても関心が
寄せられるようなり、前方3チャンネル後方1チャンネ
ルのシステムによる臨場感のあるステレオ再生音場を構
成させるようにすることなどが試みられて来ている。
【0003】また、家庭用のビデオ・テープ・レコーダ
の普及とともに、色々な分野における情報に関する多種
類の記録済み記録媒体も提供されるようになり、家庭に
おいても臨場感のあるステレオ再生音場中で再生画像を
観賞できるホームシアタを設けたいという希望も出始め
ている。ところで、前記した記録済み記録媒体には、過
去に作られた名作映画といわれている映画を記録したも
のもあり、それらの内には、動画像情報とモノラル音響
情報とからなる古い映画の記録済み記録媒体も含まれて
いるが、前記のように動画像情報に付随する音響情報が
モノラル音響情報の場合には、前記のように臨場感のあ
るステレオ再生音場を得られる再生装置を備えたホーム
シアタがあったとしても、モノラル音場の中でしか、そ
の映画を観賞できないことになる。しかし、このような
問題は、モノラル信号から擬似的なステレオ信号を生成
させて、その擬似的なステレオ信号によってステレオ再
生音場を形成させるという従来から知られている技術を
適用することにより、ある程度解決できる。
【0004】さて映画において動画像情報に付随する音
響情報は、登場人物の声、背景音、音楽などであるが、
前記した動画像情報に付随する音響情報の内で、登場人
物の声はもともと音場の拡がりを持っていないものであ
るから、前述のように映画の動画像情報に付随するモノ
ラル音響信号から擬似的なステレオ信号を生成させ、そ
の擬似的なステレオ信号によってステレオ再生音場を形
成させるという従来から知られている技術を適用した場
合には、もともと音場の拡がりを持っていない登場人物
の声の音像も拡がってしまい、不自然な感じになってし
まう。この問題は映画における動画像情報に付随するモ
ノラル音響信号から擬似的なステレオ信号を生成させ、
その擬似的なステレオ信号によってステレオ再生音場を
形成させる場合だけではなく、一般に、人間の音声情報
を含むモノラル音響信号から擬似的なステレオ信号を生
成させ、その擬似的なステレオ信号によってステレオ再
生音場を形成させる場合にも同様に生じる。
【0005】前記の問題を解決するために、例えば特公
昭59ー27160号公報,特開平5ー191896号
公報等に開示されているように、人間の音声信号を含む
モノラル音響信号から擬似的なステレオ信号を生成させ
る場合に、信号処理の対象にされているモノラル音響信
号中へ、人間の音声信号の占有周波数帯域と考えられる
周波数帯域の周波数成分が高レベルの状態で含まれてい
る際には、そのモノラル音響信号は人間の音声信号であ
ると判断し、その際のモノラル音響信号によっては、ス
テレオ再生音場の拡がりの中央に音像を定位させるよう
にするという手段を用いた解決手段が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来技術では信号処理の対象にされているモノラル音響信
号中に、人間の音声信号の占有周波数帯域と考えられる
周波数帯域の周波数成分が高レベルの状態で含まれてい
る際には、そのモノラル音響信号は人間の音声信号であ
ると判断するようにしているから、例えば、楽器音、あ
るいは効果音が前記した人間の音声信号の占有周波数帯
域と考えられる周波数帯域の周波数成分を高レベルの状
態で含んでいた場合でも、その状態のモノラル音響信号
が人間の音声信号であると判断してしまうために、擬似
ステレオ効果が抑圧されてしまうことになる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は音声情報を含む
モノラル音響信号から所定の時間長を有するように切出
して得た順次のフレーム信号についてフーリエ分析を行
なう第1の音響分析手段と、前記した順次のフレーム信
号について、人間の音声の発生過程を物理的にモデル化
したパラメトリック分析法によって音声分析を行なう第
2の音響分析手段と、前記した順次のフレーム信号にお
ける同一のフレーム信号について行なった第1,第2の
音響分析手段によるそれぞれの分析結果を比較して、前
記の分析が行なわれたフレーム信号が音声信号らしいか
否かの度合いを判定する音声信号の推量度判定手段とを
備えてなる音響信号処理装置、及び、前記した音声信号
の推量度判定手段により、信号処理の対象にされている
モノラル音響信号が音声信号らしいと判定された場合に
は、信号処理の対象にされているモノラル音響信号によ
って前方中央へ音像定位が行なわれ、また、前記した音
声信号の推量度判定手段により、信号処理の対象にされ
ているモノラル音響信号が音声信号以外の音響信号らし
いと判定された場合には、信号処理の対象にされている
モノラル音響信号によって擬似ステレオ音場再生が行な
われるようにモノラル音響信号を擬似ステレオ信号に変
換する手段とを備えてなる音響信号処理装置を提供す
る。
【0008】
【作用】音声情報を含むモノラル音響信号から所定の時
間長を有するフレーム信号切出す。順次のフレーム信号
における各フレーム信号毎に、フーリエ分析を行なうと
ともに、人間の音声の発生過程を物理的にモデル化した
パラメトリック分析法によって音声分析を行なう。前記
した順次のフレーム信号における同一のフレーム信号に
ついて行なったフーリエ分析の結果と、人間の音声の発
生過程を物理的にモデル化したパラメトリック分析法に
よる音声分析の結果を比較して、前記の分析が行なわれ
たフレーム信号が音声信号らしいか否かの度合いを判定
して音声信号の推量度判定情報を発生させる。信号処理
の対象にされているモノラル音響信号が音声信号らしい
と判定された場合には、その際の音声信号の推量度判定
情報を用いてモノラル音響信号に対する信号処理を行な
って前方中央へ音像を定位させる。また、信号処理の対
象にされているモノラル音響信号が音声信号以外の音響
信号らしいと判定された場合には、その際の音声信号の
推量度判定情報を用いてモノラル音響信号に対して信号
処理を行ない、擬似ステレオ音場再生を行なう。
【0009】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の音響信号
処理装置の具体的な内容を詳細に説明する。図1は本発
明の音響信号処理装置のブロック図、図2は音声信号の
推量度判定部の一例構成を示すブロック図、図3は再生
音場の説明図である。本発明の音響信号処理装置のブロ
ック図を示している図1において、1は音声情報を含む
モノラル音響信号の信号源、2はアナログデジタル変換
器、3は音声信号の推量度判定部(この音声信号の推量
度判定部3の具体的な構成例が図2に示されている)、
4は遅延部、5,6は信号形成部、7,8はデジタルアナ
ログ変換部、9は擬似ステレオ信号発生部、10〜13
は出力端子である。図1において、信号源1から送出さ
れた音声情報を含むモノラル音響信号は、アナログデジ
タル変換器によってデジタル信号に変換された後に、音
声信号の推量度判定部3の入力端子3aと遅延部4とに
供給される。前記した遅延部4では信号源1から送出さ
れた音声情報を含むモノラル音響信号に対して、音声信
号の推量度判定部3における信号処理のために必要とさ
れる時間と対応する時間遅延を与えてから信号形成部
5,6に供給する。
【0010】前記した信号形成部5には、音声信号の推
量度判定部3の出力端子3cから音声信号の推量度情報
に基づいて発生された信号も供給されているから、この
信号形成部5では前記した遅延部4から供給されている
モノラル音響信号と、音声信号の推量度判定部3の出力
端子3cから供給されている信号とによって、擬似ステ
レオ信号を発生させるための信号を形成し、それをデジ
タルアナログ変換器7を介して擬似ステレオ信号発生部
9に与える。また、前記した信号形成部6には、音声信
号の推量度判定部3の出力端子3bから音声信号の推量
度情報に基づいて発生された信号も供給されているか
ら、この信号形成部6では前記した遅延部4から供給さ
れているモノラル音響信号と、音声信号の推量度判定部
3の出力端子3bから供給されている信号とによって、
再生音場における前方の中央位置のスピーカ(図3中の
C)を駆動するモノラル音響信号Cを形成し、それをデ
ジタルアナログ変換器8を介して出力端子10に送出す
る。
【0011】前記した擬似ステレオ信号発生部9では、
信号形成部5からデジタルアナログ変換器7を介して供
給された擬似ステレオ信号を発生させるための信号を用
いて擬似ステレオ信号を発生するが、この擬似ステレオ
信号発生部9としては、例えば特開平5ー191896
号公報の第2頁〜第3頁に記載のような周知の擬似ステ
レオ信号発生装置の内から適当な構成のものが選択使用
できる。なお、擬似ステレオ信号発生部9の出力端子1
1には擬似ステレオ信号における左チャンネル信号Lが
出力され、また擬似ステレオ信号発生部9の出力端子1
2には擬似ステレオ信号における右チャンネル信号Rが
出力され、さらに擬似ステレオ信号発生部9の出力端子
13には再生音場の後方に配置されるサランドチャンネ
ル信号S(モノラル信号でよい)が出力される。前記し
た各出力端子10〜13から出力された各チャンネルの
信号は、図3中に示されている各チャンネルのスピーカ
20〜24に選択的に供給されて、視聴者Mに良好な再
生音場を与える。
【0012】さて、図1に示す音響信号処理装置では、
信号処理の対象にされているモノラル音響信号が供給さ
れる音声信号の推量度判定部3が、信号処理の対象にさ
れているモノラル音響信号が音声信号らしいのか否かを
判定し、前記した音声信号の推量度判定部3において、
信号処理の対象にされているモノラル音響信号が音声信
号らしいと判定された場合には、信号処理の対象にされ
ているモノラル音響信号によって前方中央へ音像定位が
行なわれるような音響信号が作られ、また、前記した音
声信号の推量度判定部3において、信号処理の対象にさ
れているモノラル音響信号が音声信号以外の音響信号ら
しいと判定された場合には、信号処理の対象にされてい
るモノラル音響信号によって擬似ステレオ音場再生が行
なわれるような擬似ステレオ信号が作られるようにされ
ているが、前記した音声信号の推量度判定部3の具体的
な構成例について、図2を参照して説明する。
【0013】図2において、3aは音声信号の推量度判
定部の入力端子、3b,3cは出力端子であって、この
入出力端子3a,3b,3cは図1中に音声信号の推量
度判定部3として示してあるブロック3における入出力
端子3a,3b,3cと対応している。図2に示されて
いる音声信号の推量度判定部3において、14はメモ
リ、15は制御部、16はモノラル音響信号から所定の
時間長を有するように切出して得た順次のフレーム信号
についてスペクトル分析を行なうフーリエ分析部、17
は人間の音声の発生過程を物理的にモデル化したパラメ
トリック分析法によって音声分析を行なう音声分析部で
ある。また、18は前記したフーリエ分析部16におけ
る分析結果と、音声分析部17における分析結果との比
較を行なう分析結果比較部、19は前記した分析結果比
較部18から出力される比較結果に基づいて、音声信号
の推量度情報を発生する音声信号の推量度情報発生部で
ある。
【0014】既述のように、信号源1から送出された音
声情報を含むモノラル音響信号が、アナログデジタル変
換器によってデジタル信号(デジタルデータ)に変換さ
れた後に、音声信号の推量度判定部3の入力端子3aに
供給されると、そのデジタル信号はメモリ14に記憶さ
れる。前記のメモリ14へのデジタル信号の書込み動作
や、メモリ14からのデジタル信号の読出し動作など
は、例えばマイクロプロセッサを含んで構成されている
制御部15によって制御されている。前記した制御部1
5は、前記したメモリ14の動作制御の他に、フーリエ
分析部16,音声分析部17,音声信号の推量度情報発
生部19などの各構成部分に対する制御動作も行なう。
【0015】音声信号の推量度判定部3のメモリ14に
記憶された信号処理の対象にされているモノラル音響信
号と対応するデジタル信号は、制御部15による制御動
作により、モノラル音響信号から所定の時間長を有する
ように切出された順次のフレーム信号とされるような状
態でメモリ14から読出されて、フーリエ分析部16と
音声分析部17とに供給される。そして、フーリエ分析
部16では、それに供給されたフレーム信号についてフ
ーリエ分析を行ない、また、音声分析部17ではそれに
供給されたフレーム信号について人間の音声の発生過程
を物理的にモデル化したパラメトリック分析法によって
音声分析を行なう。音声分析部17における音声分析
は、例えば線形予測分析、あるいは偏自己相関分析によ
って行なわれてもよい。
【0016】分析の対象にされた音響信号X(n)に対し
て、フーリエ分析部16で行なわれるフーリエ変換によ
る分析結果として、周波数スペクトル構造情報Xf
(w)が得られ、また、分析の対象にされた音響信号X
(n)に対して、音声分析部17で行なわれる人間の音声
の発生過程を物理的にモデル化したパラメトリック分析
法による音声分析により、前記のモデルのパラメータか
ら周波数スペクトル構造情報Xm(w)が得られたとし
た場合には、前記した2つの周波数スペクトル構造情報
Xf(w),周波数スペクトル構造情報Xm(w)が、制
御部15による制御によって所定のタイミング関係で分
析結果比較部18に供給される。分析結果比較部18で
は、フーリエ分析部16から出力された周波数スペクト
ル構造情報Xf(w)と、音声分析部17から出力され
た周波数スペクトル構造情報Xm(w)との差を算出し
て、Xf(w)−Xm(w)を前記した2つの周波数スペ
クトル構造情報Xf(w),周波数スペクトル構造情報
Xm(w)の比較結果として出力して、それを音声信号
の推量度情報発生部19に供給する。
【0017】前記した分析結果比較部18から出力され
る比較結果に基づいて、音声信号の推量度情報を発生す
る音声信号の推量度情報発生部19では、それに供給さ
れたフーリエ分析部16から出力された周波数スペクト
ル構造情報Xf(w)と、音声分析部17から出力され
た周波数スペクトル構造情報Xm(w)との差の算出値
Xf(w)−Xm(w) に基づいて音声信号の推量度
情報αを発生する。フーリエ分析部16の出力として得
られた周波数スペクトル構造情報Xf(w)と、音声分
析部17から出力された周波数スペクトル構造情報Xm
(w)との差の算出値 Xf(w)−Xm(w) は、信
号処理の対象にされているモノラル音響信号が、人間の
音声だけによるモノラル音響信号の場合から、信号処理
の対象にされているモノラル音響信号が、人間の音声以
外の音響だけによるモノラル音響信号の場合との間の値
を示すから、前記の Xf(w)−Xm(w) の値によ
って、例えば音声信号の推量度情報αを、1から0まで
の間で変化している数値を有するものとして発生させる
ことができる。そして、前記した音声信号の推量度情報
αは、多くの実験結果を参照して適値に定められること
が望ましい。
【0018】前記した音声信号の推量度判定部3では、
それの出力端子3bから前記した音声信号の推量度情報
αの信号αを出力して信号形成部6に供給し、また、そ
れの出力端子3cから前記した音声信号の推量度情報α
を含む(1−α)の信号を出力して信号形成部5に供給
する。前記した信号形成部5,6には、信号源1から送
出された音声情報を含むモノラル音響信号に対して、既
述のように遅延部4によって音声信号の推量度判定部3
における信号処理のために必要とされる時間と対応する
時間遅延が与えられているモノラル音響信号が供給され
ているから、信号形成部5では前記した遅延部4から供
給されているモノラル音響信号と、音声信号の推量度判
定部3の出力端子3cから供給されている信号(1−
α)とによって、擬似ステレオ信号を発生させるための
信号を形成し、それをデジタルアナログ変換器7を介し
て擬似ステレオ信号発生部9に与える。
【0019】また、前記した信号形成部6には、音声信
号の推量度判定部3の出力端子3bから音声信号の推量
度情報に基づいて発生された信号αが供給されているか
ら、この信号形成部6では前記した遅延部4から供給さ
れているモノラル音響信号と音声信号の推量度判定部3
の出力端子3bから供給されている信号αとによって、
再生音場における前方の中央位置のスピーカ(図3中の
C)を駆動するモノラル音響信号Cを形成し、それをデ
ジタルアナログ変換器8を介して出力端子10に送出す
る。なお、プログラムソースが映画の場合における人間
の声(台詞)の信号は、少なくとも数秒〜数十秒以上継
続するのが常であり、したがって、音声信号の推量度判
定部3から出力される音声信号の推量度情報は、時間軸
上で短時間で繰返し多数回変化することはない。それ
で、短時間内に音声信号の推量度判定部3から出力され
る音声信号の推量度情報が急激に変化するようなことが
起こった場合には、推量度判定部3での判定結果が異常
なものとして、前後のフレーム信号に関する推量度判定
部3での判定結果から音声信号の推量度情報を推定する
ようにする。
【0020】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の信号処理装置は、音声情報を含むモノ
ラル音響信号から所定の時間長を有するようにして切出
した順次のフレーム信号における各フレーム信号毎に、
フーリエ分析を行なうとともに、人間の音声の発生過程
を物理的にモデル化したパラメトリック分析法によって
音声分析を行なって、前記した順次のフレーム信号にお
ける同一のフレーム信号について行なったフーリエ分析
の結果と、人間の音声の発生過程を物理的にモデル化し
たパラメトリック分析法による音声分析の結果を比較し
て、前記の分析が行なわれたフレーム信号が音声信号ら
しいか否かの度合いを判定して音声信号の推量度判定情
報を発生させ、信号処理の対象にされているモノラル音
響信号が音声信号らしいと判定された場合には、その際
の音声信号の推量度判定情報を用いてモノラル音響信号
に対する信号処理を行ない、前記の信号処理が行なわれ
た音響信号によって前方中央へ音像定位が行なわれるよ
うにし、また、信号処理の対象にされているモノラル音
響信号が音声信号以外の音響信号らしいと判定された場
合には、その際の音声信号の推量度判定情報を用いてモ
ノラル音響信号に対する信号処理を行ない、前記の信号
処理が行なわれた音響信号によって擬似ステレオ音場再
生が行なわれるようにしたものであって、この本発明の
信号処理装置における人間の音声信号か否かの判別が、
既述したような従来技術のように、人間の音声信号の占
有周波数帯域と考えられる周波数帯域の周波数成分が高
レベルの状態で含まれている際に、そのモノラル音響信
号が人間の音声信号であると判断するような判断基準と
は全く異なる判断基準、すなわち、音声情報を含むモノ
ラル音響信号から切出された順次のフレーム信号におけ
る各フレーム信号毎のフーリエ分析結果と、人間の音声
の発生過程を物理的にモデル化したパラメトリック分析
法による音声分析結果との比較により、前記の分析が行
なわれたフレーム信号が音声信号らしいか否かの度合い
を判定しているので、従来技術では、例えば、楽器音、
あるいは効果音が前記した人間の音声信号の占有周波数
帯域と考えられる周波数帯域の周波数成分を高レベルの
状態で含んでいた場合にも、その状態のモノラル音響信
号は人間の音声信号であると判断されてしまって、擬似
ステレオ効果が抑圧されてしまうという問題点があった
のに、本発明においては、前記のような問題を生じるこ
とがなく、また、従来技術に比べて人間の声の音像の定
位を明確にできるとともに、人間の声以外の音響につい
ては擬似的なステレオ信号によって拡大されたステレオ
再生音場を形成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音響信号処理装置のブロック図であ
る。
【図2】音声信号の推量度判定部の一例構成を示すブロ
ック図である。
【図3】再生音場の説明図である。
【符号の説明】 1…音声情報を含むモノラル音響信号の信号源、2…ア
ナログデジタル変換器、3…音声信号の推量度判定部、
4…遅延部、5,6…信号形成部、7,8…デジタルア
ナログ変換器、9…擬似ステレオ信号発生部、14…メ
モリ、15…制御部、16…フーリエ分析部、17…音
声分析部、18…分析結果比較部、19…推量度情報発
生部、20〜24…スピーカ、

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声情報を含むモノラル音響信号から所
    定の時間長を有するように切出して得た順次のフレーム
    信号についてフーリエ分析を行なう第1の音響分析手段
    と、前記した順次のフレーム信号について、人間の音声
    の発生過程を物理的にモデル化したパラメトリック分析
    法によって音声分析を行なう第2の音響分析手段と、前
    記した順次のフレーム信号における同一のフレーム信号
    について行なった第1,第2の音響分析手段によるそれ
    ぞれの分析結果を比較して、前記の分析が行なわれたフ
    レーム信号が音声信号らしいか否かの度合いを判定する
    音声信号の推量度判定手段とを備えてなる音響信号処理
    装置。
  2. 【請求項2】 音声情報を含むモノラル音響信号から所
    定の時間長を有するように切出して得た順次のフレーム
    信号についてフーリエ分析を行なう第1の音響分析手段
    と、前記した順次のフレーム信号について、人間の音声
    の発生過程を物理的にモデル化したパラメトリック分析
    法によって音声分析を行なう第2の音響分析手段と、前
    記した順次のフレーム信号における同一のフレーム信号
    について行なった第1,第2の音響分析手段によるそれ
    ぞれの分析結果を比較して、前記の分析が行なわれたフ
    レーム信号が音声信号らしいか否かの度合いを判定する
    音声信号の推量度判定手段と、前記した音声信号の推量
    度判定手段により、信号処理の対象にされているモノラ
    ル音響信号が音声信号らしいと判定された場合には、信
    号処理の対象にされているモノラル音響信号によって前
    方中央へ音像定位が行なわれ、また、前記した音声信号
    の推量度判定手段により、信号処理の対象にされている
    モノラル音響信号が音声信号以外の音響信号らしいと判
    定された場合には、信号処理の対象にされているモノラ
    ル音響信号によって擬似ステレオ音場再生が行なわれる
    ようにモノラル音響信号を擬似ステレオ信号に変換する
    手段とを備えてなる音響信号処理装置。
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