JPH07122493B2 - 高負荷用プレートバーナ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ガス湯沸器等の加熱源に適用して有益な高
負荷用プレートバーナに関する。

〔従来の技術〕

高負荷バーナ、特に、全一次空気式の高負荷用プレート
バーナにあっては、ガスと空気を強制的に供給して燃焼
させることにより大きなインプットで大きな燃焼火炎を
得るものであるが、気流騒音、気中振動による共鳴音、
燃焼騒音等による異常騒音が著しいため騒音低減対策は
必要不可欠である。その対策の１つとして炎孔からの混
合ガスの噴射速度を遅くする手段、たとえば、炎孔面積
を増して炎孔負荷を小さくすれば対処できるが、高負荷
とするためには燃焼面を小さくするか又は燃焼室の高さ
を低くするかであるが、燃焼室の高さを低くすると、た
とえば、ガス湯沸器の加熱源に適用した場合、火炎で吸
熱フインを直接加熱することになるので好ましくない。
そこで、従来は混合ガスの噴出速度を遅くする手段とし
て、たとえば、添付図面の第６図及び第７図に示されて
いるように、燃焼炎孔Ａ′を大径の上穴炎孔２′と小径
の下穴炎孔３′とを連設して形成せる減速炎孔として燃
焼面を小さくすることにより対処している。

〔発明が解決しようとする課題〕 上記従来の技術にあっては、下穴炎孔３′が単一の炎孔
となっているので、その炎孔面積はバック性能上その大
きさに限度があるためどうしても小さくなる。しかし
て、燃焼炎のリフト現象等を考慮すると炎孔数を多くし
てもインプットの絶対量は増加しないので、その燃焼室
負荷は1500万〜2000万Kcal/hm³程度となるにすぎないか
ら燃焼火炎は小さく高負荷になり難く、また、下穴炎孔
３′が単一炎孔のものでは未だ異常音、振動音等の騒音
は解消しない等の問題点があった。

この発明は、従来の技術の有するかかる問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは騒音のな
い小型で安定した高効率の高負荷燃焼が得られる高負荷
用プレートバーナを提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、この発明の高負荷用プレー
トバーナにおいては、セラミックスプレートに上穴炎孔
と下穴炎孔からなる多数の燃焼炎孔を相隣接する燃焼炎
孔間に一定の間隔を存して配設せしめた高負荷用プレー
トバーナであって、該上穴炎孔２とほぼ同一エリア内に
複数の下穴炎孔を穿ったものである。

〔作用〕

上記のように構成されたこの発明による高負荷用プレー
トバーナは、上穴炎孔と複数の下穴炎孔とで減速炎孔を
形成せしめているから、下穴炎孔が炎孔面積の小さい複
数の小径炎孔を上穴炎孔とほぼ同一エリア内に穿ってそ
の炎孔面積が大きく形成されているため、大きなインプ
ットのもとに大きな燃焼火炎を得ることができ、しか
も、バックファイヤーもないので、安定した高効率の高
負荷燃焼が得られ、また、上穴炎孔による流速の遅れに
よって気流騒音はなくなり、気中振動による共鳴音をも
ぼかして異常音の発生を減少せしめるものである。

〔実 施 例〕

以下この発明による高負荷用プレートバーナの実施例に
ついて図面を参照して説明する。

第１図ないし、第４図において、Ａは上穴炎孔２と下穴
炎孔３からなる燃焼炎孔で、セラミックスプレート１に
多数の該燃焼炎孔Ａが相隣接する燃焼炎孔Ａ間に一定の
間隔を存して配設されている。上記下穴炎孔３は複数の
小径炎孔からなっており、上穴炎孔２とほぼ同一エリア
内に均等間隔を保って穿たれている。

上記燃焼炎孔Ａの上穴炎孔２と下穴炎孔３の関係寸法の
一例を示せば、セラミックスプレート１の厚みを12mmと
した場合、上穴炎孔２の深さを6mm、下穴炎孔３の長さ
は6mmとなし、かつ、上穴炎孔２の直径を5.5mmとし、下
穴炎孔３は直径1.1mmの小径炎孔19個を上穴炎孔２とほ
ぼ同一エリア内にピッチ1.7mmの均等な間隔を存して穿
設せしめて形成するものであり、また、上記寸法となし
た燃焼炎孔Ａは縦93mm、横99mmの大きさのセラミックス
プレート１に縦横に8.5mmの間隔（したがって、相隣接
する燃焼炎孔間の間隔は3mmとなる）を存してほぼ90個
を配設せしめてプレートバーナを構成するものである。
なお、上記下穴炎孔３の小径炎孔の直径は0.95mm〜1.2m
mが好ましい。

第５図はこの発明による高負荷用プレートバーナをガス
湯沸器の加熱源に適用した場合の例であって、プレート
バーナＢを内胴４内における熱交換器５の下部に設置し
て給気ブロア６からの強制給気とガス供給ノズル７から
の燃料ガスとの混合ガスが多孔整流板８を介してプレー
トバーナＢの各部へ均等に供給される構造として、燃焼
用空気の全量を一次空気として燃料ガスと混合し大イン
プットのもとに高負荷燃焼させることにより熱交換器５
内を流過する冷水を加熱昇温せしめて湯沸かしを行うよ
うになしている。図中、９は排気ダクト、10は外胴、11
は熱交換器５への給水管、12は熱交換器５からの出湯管
である。

上記実施例において、次にその作用を具体的に説明する
と、セラミックスプレート１に一定の間隔を存して多数
配設された燃焼炎孔Ａは直径5.5mm、深さ6mmの上穴炎孔
２と、該上穴炎孔２とほぼ同一エリア内に19個の直径1.
1mm、長さ6mmの小径炎孔を1.7mmのピッチをもって均等
に穿った下穴炎孔３とからなる減速炎孔形状となってい
るために下穴炎孔３の複数の小径炎孔からなる炎孔面積
は大きくなる。したがって、混合ガスは上穴炎孔２の各
部に均等に分散して大量に噴出するから大きなインプッ
トのもとに上穴炎孔２に形成される燃焼炎ａの燃焼火炎
は大きくなり、燃焼室負荷3000万〜5000万Kcal/hm³程度
の高負荷燃焼が得られるとともに、下穴炎孔３は複数の
小径炎孔からなっているからバックファイヤー現象は発
生せず、また、多数の燃焼炎孔Ａは相互に一定の間隔を
存して配設されているので、相隣接する燃焼炎ａ間には
負圧が生じ高温の排ガスが流入し火炎基端部が高温とな
り、火炎基端部の燃焼速度が大きくなり安定した燃焼が
得られると同時に自給自足による空気流ｂが上方から流
入し燃焼炎ａの基端部に至ると相互の燃焼炎ａに引張ら
れて巻き込まれるため該空気流ｂにより燃焼炎ａの基端
部が外方に延びて連結炎（すなわち、袖火）ａ′を形成
し（第４図参照）、それぞれの燃焼炎ａはその基端部に
おいて相互に連なり安定的に把持されるために安定した
高効率の燃焼炎が得られるものである また、上穴炎孔２によって混合ガスの流速は減速される
ために気流騒音は発生せず、下穴炎孔３は複数の小径炎
孔で形成されているから気中振動による共鳴音はぼかさ
れて衰退し、かつ、上記連結炎ａ′による燃焼炎の安定
化により燃焼騒音も全くないので、たとえば、従来は60
ホーン程度の異常音が発生したものが50ホーン程度に減
少し、定常燃焼が安定して得られるものである。

〔発明の効果〕

この発明は、上記構成としたから次に記載する効果を奏
する。

上穴炎孔と下穴炎からなる燃焼炎孔において、下穴炎孔
を上穴炎孔とほぼ同一エリア内に複数の小径炎孔を穿っ
て構成したから単位面積当たりの燃焼量が増加して燃焼
火炎の大きい燃焼炎とすることができるため燃焼室負荷
の大きい高負荷燃焼が得られるとともに、異常騒音の発
生源である気流騒音、気中振動による共鳴音及び燃焼騒
音等をなくして騒音の低減をも図りうるものである。

しかして、この発明の高負荷用プレートバーナをガス湯
沸器等の加熱源に適用するとその小型化が実現できる効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例を示した平面図、第２図は第
１図のＸ−Ｘ断面図、第３図はその一部を拡大した平面
図、第４図はその断面図、第５図は適用例の概略断面
図、第６図は従来例の一部拡大平面図、第７図はその断
面図である。 １……セラミックスプレート、２……上穴炎孔、３……
下穴炎孔、Ａ……燃焼炎孔。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市橋 達也 愛知県東海市新宝町507―２ 東邦瓦斯株 式会社総合研究所内 (72)発明者 石黒 捷祐 愛知県名古屋市瑞穂区桃園町６番23号 パ ロマ工業株式会社技術部内 (72)発明者 川島 清 愛知県名古屋市瑞穂区桃園町６番23号 パ ロマ工業株式会社技術部内 (72)発明者 上山 和則 愛知県名古屋市瑞穂区桃園町６番23号 パ ロマ工業株式会社技術部内 (56)参考文献 特開 昭60−164112（ＪＰ，Ａ) 特公 昭43−3261（ＪＰ，Ｂ１)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】セラミックスプレート（１）に上穴炎孔
   （２）と下穴炎孔（３）からなる多数の燃焼炎孔（Ａ）
   を相隣接する燃焼炎孔（Ａ）間に一定の間隔を存して配
   設せしめた高負荷用プレートバーナであって、該上穴炎
   孔（２）とほぼ同一エリア内に複数の下穴炎孔（３）を
   穿ったことを特徴とする高負荷用プレートバーナ。