JPH07122048B2 - 官能基導入基材およびその製造方法ならびにこれらを用いた医療用材料および医療用器具 - Google Patents

官能基導入基材およびその製造方法ならびにこれらを用いた医療用材料および医療用器具

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JPH07122048B2
JPH07122048B2 JP2105265A JP10526590A JPH07122048B2 JP H07122048 B2 JPH07122048 B2 JP H07122048B2 JP 2105265 A JP2105265 A JP 2105265A JP 10526590 A JP10526590 A JP 10526590A JP H07122048 B2 JPH07122048 B2 JP H07122048B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、官能気導入基材およびその製造方法、ならび
にこれらを用いた医療用材料および医療用器具に関する
ものである。詳しく述べると本発明は、官能基を導入す
ることにより基材の表面改質を行なうにおいて、安定し
てかつ効果的に特性が付与された官能基導入基材および
その製造方法に関するものである。さらに本発明は、簡
単な処理により安定した抗血栓性を発揮する医療用材料
および医療用器具に関するものである。
(従来の技術) 近年、各種の分野において、新しい材料が求められてい
る。特に材料の特定の性質を強調したり、新しい性質を
賦与して活用する、いわゆる機能性材料は関心を集めて
いる。このように固体材料を活用して種々の機能を発揮
させようとする場合に、その表面状態が影響する場合が
少なくない。このため、各種の素材よりなる固体材料の
表面特性を改質し、種々の用途に利用しようとする試み
が従来より数多く行なわれている。
例えば、基材表面に各種の官能基を導入し、さらにこの
官能基を用いて様々な表面修飾が行なわれている。この
ように基材表面に官能基を導入する方法としても、種々
の方法が知られており、例えば、基材表面に官能基を有
する化合物を固定する方法もその1つである。
しかしながら、これらの化合物を基材にイオン的に結合
させた場合には、この改質基材がイオン強度の強い溶液
にさらされた時に、当該官能基を有する化合物が基材よ
り容易に脱離してしまうものであり、またこれらの化合
物を基材に共有結合させようとする場合には、それぞれ
に見合った種々の反応を基材と該当該化合物間において
生じさせる必要があり、工程が煩雑となるばかりでなく
導入しようとする官能基自体がこの反応によって消費さ
れてしまうことも少なくなくないものであり、問題であ
った。
ところで、上記したような基材の表面修飾の1つの代表
的な例として、医療用材料への抗血栓性の付与がある。
すなわち、近年、医療分野において人工肺、人工腎臓、
人工心臓などの各種の人工臓器が開発され、実用化され
つつあるが、血液は異物との接触において過敏に反応
し、血栓を形成するものであるために、上記したような
人工臓器などに利用される医療用材料には、抗血栓性を
付与することが望まれ、さまざまな考案がなされている
ものである。ヘパリンを基材表面に固定化する方法もそ
の1つである。従来、ヘパリンの基材表面に固定化する
方法としては大別して、ヘパリンを基材表面にイオン的
に結合させる方法と、ヘパリンを基材表面に共有結合さ
せる方法が知られている。イオン的に結合させる方法と
しては、グラファイト−ベンザルコニウム−ヘパリン被
覆法(GBH法)、セルロース−イミン−ヘパリン法(CIH
法)、トリドデシルメチルアンモニウムクロリド法(TD
MAC法)、トリカプリルアンモニウムクロリド法(TCMAC
法)などが知られており、一方、共有結合させる方法と
しては、α−アミノプロピルトリエトキシシラン法(AP
TES法)や塩化シアヌール法などが知られている。
しかしながら、イオン結合させたものはヘパリンの安定
化が不十分であるために、長期にわたり抗血栓性を発揮
することができないものであった。一方、共有結合させ
た場合には、固定化したヘパリンの安定化は図れるもの
の、従来の方法において得られたものの抗血栓性はイオ
ン結合させたものよりも劣るものとなっていた。これ
は、ヘパリンを基材表面に共有結合させるためには、基
材に共有結合に与かる官能基を導入しなければならない
が、従来、この官能基の導入が十分になされていないこ
とに起因している。基材表面に官能基を導入する方法と
しては、基材に官能基を有する高分子を固定する方法が
あるが、この高分子の基材への固定がイオン結合による
ものである場合、その後の処理工程等において該基材が
イオン強度の高い溶液にさらされた際に、この官能基を
有する高分子が基材表面から脱落してしまい、またこの
高分子の基材への固定が共有結合によるものである場
合、それぞれに見合った種々の反応を行なわせる必要が
あり工程が煩雑となるばかりでなく、ヘパリンとの結合
に与かる肝心の官能基もこの基材との結合により消費さ
れてしまうことが少なくないものである。またさらに、
ヘパリンを十分な量で基材に固定するには相当量の官能
基を導入する必要があるが、従来の方法では不十分であ
った。
(発明が解決しようとする課題) 従って本発明は、新規な官能基導入基材およびその製造
方法、ならびにこれらを用いた医療用材料および医療用
器具を提供することを目的とするものである。本発明は
また、表面修飾のために導入された官能基により安定し
てかつ効果的にその特性が付与された官能基導入基材お
よびその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。本発明はさらに、簡便な処理にて有効な表面特性を
付与された官能基導入基材を提供することを目的とする
ものである。本発明はまた、特に水系の雰囲気中におい
て有用な官能基導入基材およびその製造方法を提供する
ことを目的とするものである。本発明はまた抗血栓性に
優れた医療用材料および医療用器具を提供することを目
的とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記諸目的は、親水性セグメントと疎水性セグメントを
有するブロックコポリマーと、基材に導入しようとする
目的官能基を有するポリマーとの配合物が、基材表面に
コーティングされ、基材表面に前記官能基が存在するこ
とを特徴とする官能基導入基材によって達成される。
本発明はまた、前記ブロックコポリマーの親水性セグメ
ントがヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含む
ものである官能基導入基材を示すものである。本発明は
さらに、前記ブロックコポリマーの疎水性セグメントが
アルキル(メタ)アクリレートを含むものである官能基
導入基材を示すものである。本発明はさらにまた、目的
官能基を有するポリマーがポリエチレンイミンである官
能基導入基材を示すものである。本発明はまた、親水性
セグメントと疎水性セグメントを有するブロックコポリ
マーと、ポリエチレンイミンとの配合物が、基材表面に
コーティングされ、さらにこのポリエチレンイミン由来
のアミノ基が基材に導入しようとする目的官能基を有す
る化合物と結合することにより、基材表面に前記官能基
が存在することを特徴とする官能基導入基材を示すもの
である。
上記諸目的はさらに、親水性セグメントと疎水性セグメ
ントを有するブロックコポリマーと、基材に導入しよう
とする目的官能基を有するポリマーとを配合し、この配
合物を、基材表面にコーティングすることにより、基材
表面に前記官能基を導入するものである官能基導入基材
の製造方法によっても達成される。
上記諸目的は、さらにまた、基材上にヘパリンを固定化
してなる医療用材料であって、親水性セグメントと疎水
性セグメントを有するブロックコポリマーと、ヘパリン
と直接あるいはカップリング剤を介して共有結合可能な
官能基を有するポリマーとの配合物が、基材表面にコー
ティングされ、これにより基材表面に導入された上記官
能基とヘパリンの第1級アミノ基とが直接あるいはカッ
プリング剤を介して結合していることを特徴とする医療
用材料により達成される。
本発明はまた、上記ブロックコポリマーの親水性セグメ
ントが、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含
むものである医療用材料を示すものである。本発明はさ
らに、上記ブロックコポリマーの疎水性セグメントが、
アルキル(メタ)アクリレートを含むものである医療用
材料を示すものである。本発明はまた、ヘパリンと直接
またはカップリング剤を介して共有結合可能な官能基が
第1級アミノ基である医療用材料を示すものである。本
発明はまた、ヘパリンと直接またはカップリング剤を介
して共有結合可能な官能基を有するポリマーが、ポリエ
チレンイミンである医療用材料を示すものである。本発
明はさらに、固定化されるヘパリンは、N−硫酸基の一
部が脱硫酸して第1級アミノ化されたものである医療用
材料を示すものである。本発明はまた、抗血栓性材料と
して用いられるものである医療用材料を示すものであ
る。
上記諸目的はまた、少なくとも血液と接触する部位の一
部が、親水性セグメントと疎水性セグメントを有するブ
ロックコポリマーと、ヘパリンと直接あるいはカップリ
ング剤を介して共有結合可能な官能基を有するポリマー
との配合物が、基材表面にコーティングされ、これによ
り基材表面に導入された上記官能基とヘパリンの第1級
アミノ基とが直接あるいはカップリング剤を介して結合
させて基材上にヘパリンを固定化してなる医療用材料か
ら形成されてなる医療用器具により達成される。
上記諸目的はさらに、少なくとも血液と接触する部位
が、親水性セグメントと疎水性セグメントを有するブロ
ックコポリマーと、ヘパリンと直接あるいはカップリン
グ剤を介して共有結合可能な官能基を有するポリマーと
の配合物が、基材表面にコーティングされ、これにより
基材表面に導入された上記官能基とヘパリンの第1級ア
ミノ基とが直接あるいはカップリング剤を介して結合さ
せて基材上にヘパリンを固定化してなる中空糸によって
も達成される。
(作用) しかして、本発明の官能基導入基材においては、基材表
面に、親水性セグメントと疎水性セグメントの両方を有
しているブロックコポリマーと、基材に導入しようとす
る目的官能基を有するポリマーとの配合物が、基材表面
にコーティングされる。
ブロックコポリマーは親水性セグメントと疎水性セグメ
ントを有するために、コーティングによって、このブロ
ックコポリマーの疎水ブロックが基材に相溶すると、水
系雰囲気中においては、このブロックコポリマーの基材
からの剥離は生じにくいものとなる。従って、目的官能
基を有するポリマーとして例えばポリエチレンイミンな
どのような水溶性のものを用いても、前記のごとく基材
と強固に結合したブロックコポリマーの親水性セグメン
トとこの水溶性のポリマーとの親和性によって、ポリマ
ー同志が効果的に絡み合うこととなり、該目的官能基を
有するポリマーによって基材表面に導入された官能基
は、基材表面から脱離しにくく、かつ効果的に作用する
ものとなる。
さらに、本発明の官能基導入基材は、前記したような親
水性セグメントと疎水性セグメントを有するブロックコ
ポリマーと目的官能基を有するポリマーの配合物を基材
表面にコーティングするのみで容易に形成できるもので
ある。
また本発明の医療用材料においては、基材上にヘパリン
を固定化するにあたり、親水性セグメントと疎水性セグ
メントを有するブロックコポリマーと、ヘパリンと直接
あるいはカップリング剤を介して共有結合可能な官能基
を有するポリマー(以下、官能基含有ポリマーと称す
る。)との配合物を、基材表面にコーティングする。上
記したように、該ブロックコポリマーは親水性セグメン
トと疎水性セグメントを有するために、コーティングに
よって、このブロックコポリマーの疎水性セグメントが
基材に相溶すると、水系雰囲気中においては、該ブロッ
クコポリマーの基材表面からの剥離は生じにくく、該ブ
ロックコポリマーと共に配合される官能基含有ポリマー
として、例えばポリエチレンイミンなどのような水溶性
のものを用いても、前記のごとく基材と強固に結合した
ブロックコポリマーの親水性セグメントとこの水溶性の
ポリマーとの親和性によって、ポリマー同志が効果的に
絡み合うこととなり、該官能基含有ポリマー中に存在す
るヘパリンの第1級アミノ基と直接あるいはカップリン
グ剤を介して共有結合可能な官能基は、効果的に基材表
面に導入され、かつ基材から脱離しにくいものとなる。
従って、ヘパリンを簡便かつ効果的に基材表面に固定す
ることができるものとなる。
以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説明する。
本発明は、親水性セグメントと疎水性セグメントを有す
るブロックコポリマーと、基材に導入しようとする目的
官能基を有するポリマーとの配合物が、基材表面にコー
ティングされ、基材表面に前記官能基が存在することを
特徴とする官能基導入基材である。
本発明に官能基導入基材において用いられる基材として
は、特に限定されるものではなく、各種の有機高分子お
よびガラス、金属、セラミックスなどの無機物が用いら
れ得る。またその形状としても、平板状、シート状、平
膜状、チューブ状、中空糸状、粒子状等の各種の形状に
適応することができ、また基材が多孔質体であってもよ
い。しかしながら、このような基材としては、例えば、
ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアルキル(メタ)
アクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩
化ビニル、フッ素樹脂などのような疎水性の合成高分子
が特に適したものである。
また、本発明の官能基導入基材において用いられるブロ
ックコポリマーとしては、例えば、ポリヒドロキシエチ
ルメタクリレート(PHEMA)などのようなポリヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート系の親水性セグメント
と、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのようなポ
リアルキル(メタ)アクリレート系、ポリスチレン系、
ポリシロキサン系、パーフルオロアクリレート系などの
疏水性セグメントを有するブロックコポリマーが好まし
い一例として挙げることができ、特にポリヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレートとポリアルキル(メタ)ア
クリレートのブロックコポリマーが好ましいものであ
る。
さらに、このようなポリヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートとポリアルキル(メタ)アクリレートのブロ
ックコポリマーにおいて、ポリヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートからなる親水性セグメントが、その一
部にグリシジル(メタ)アクリレートのようなグリシジ
ルエステルを少量、具体的には例えばブロックコポリマ
ーの20重量%以下の量を含むものであると、このグリシ
ジルエステルに由来するエポキシ基が、後述する目的官
能基を有するポリマーの一部と共有結合を形成すること
となるために、より強固に目的官能基を基材に導入する
ことが可能となる。しかしながら、このようなグリシジ
ルエステルモノマーの存在量が過剰であると、目的官能
基がこの結合によって数多く消費されてしまうために好
ましくない。
また、ポリアルキル(メタ)アクリレートからなる疎水
性セグメントが、その一部にアクリル酸もしくはメタク
リル酸を少量、具体的には例えばブロックコポリマーの
10重量%以下の量で含むものであると、基材もしくは目
的官能基を有するポリマーとの結合がイオン的に強固に
なされる場合もあるので好ましい。
しかしながら、親水性セグメントと疎水性セグメントを
有するブロックコポリマーとしては、もちろんこれらに
限定されるわけではなく、例えば、ポリシロキサンとポ
リウレタンのブロックコポリマーなども用いられ得る。
なお、親水性セグメントと疎水性セグメントを有するブ
ロックコポリマーにおける双方のセグメントの割合とし
ては、重量比で親水性セグメント:疎水性セグメントが
90:10〜40:60、より望ましくは90:10〜70:30程度である
ことが好ましい。すなわち、親水性セグメントが40:60
よりも少ないと目的官能基を有するポリマーとの相互作
用が低下するためであり、一方、親水性セグメントが9
0:10よりも多いものであると基材へのコーティング安定
性が低下するためであるためである。また、このブロッ
クコポリマーの分子量としては、5000〜500000程度のも
のが望まれる。
さらに、本発明において用いられる目的官能基を有する
ポリマーとしては、基材表面に導入しようとする例え
ば、アルデヒド基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基
等の官能基に応じて、種々のものを用いることができる
が、例えば、アミノ基が目的官能基である場合、該ポリ
マーとしては、ポリエチレンイミンが好適である。ポリ
エチレンイミンは水溶性であるため、前記したようなブ
ロックコポリマーの親水性セグメントと親和性があり、
ポリマー同志が効果的に絡み合い相互に高い結合性を生
む。従って、前記したようなブロックコポリマーの基材
に対する高い結合性と相乗して、ポリエチレンイミンの
アミノ基は強固にかつ効果的に基材に導入される。
さらに、このようにポリエチレンイミンが、基材表面に
導入されれば、このポリエチレンイミン由来のアミノ基
と反応しうる他の化合物も基材に導入できることとなる
ため、ポリエチレンイミンはアミノ基の導入のみなら
ず、その他の各種の官能基の導入においても、有用なも
のである。
なお、ポリエチレンイミンとしては特に分子量が500〜1
000000程度のものが好適に使用され得る。
さらに本発明の官能基導入基材において、該基材表面に
コーティングされる前記のごとき親水性セグメントと疎
水性セグメントを有するポリマーと基材に導入しようと
する目的官能基を有するポリマーとの配合物における各
ポリマーの配合割合は、用いられるポリマーの種類等に
よって左右されるため一概には規定できないが、当該ブ
ロックポリマー100重量部に対し、官能基ポリマーが0.1
〜100重量部、より好ましくは1〜30重量部程度であ
る。すなわち、官能基ポリマーの配合量が0.1重量部未
満であると、該官能基による有効な表面改質がなされな
い虞れが大きく、一方、官能基ポリマーの配合量が100
重量部を越えるものであると、配合された官能基ポリマ
ーの一部が、ブロックコポリマーの作用によって基材表
面に強固に保持され得ない余剰の部分となり、安定した
表面改質がなされない虞れがあるためである。
このような本発明の官能基導入基材は、上記のごとき親
水性セグメントと疎水性セグメントを有するポリマーと
基材に導入しようとする目的官能基を有するポリマーと
の配合物を基材表面にコーティングする、例えば双方の
ポリマーに共通する良溶媒を用いてコーティング溶液を
調製し、ディッピング法、スプレー法、ローラーコーテ
ィング法、スピンコーティング法等の公知の塗布方法に
より、基材表面(なお、基材が多孔質体である場合には
孔内表面を含むものである。)にコーティング溶液を展
開し、その後乾燥させて溶媒成分を除去することのみに
よって簡単に作成し得るものである。
本発明の医療用材料は、基材上にヘパリンを固定化して
なる医療用材料であって、親水性セグメントと疎水性セ
グメントを有するブロックコポリマーと、ヘパリンと直
接あるいはカップリング剤を介して共有結合可能な官能
基を有する親水性ポリマーとの配合物が、疎水性基剤表
面にコーティングされ、これにより基材表面に導入され
た上記官能基とヘパリンの第1級アミノ基とが直接ある
いはカップリング剤を介して結合していることを特徴と
するものである。
本発明において用いられる基材としては、特に限定され
るものではなく、前記官能基導入基材において用いられ
るものと同様のものが挙げられる。
また、本発明の医療用材料において用いられるブロック
コポリマーとしても、前記官能基導入基材のところで示
したものと同様のものが挙げられる。
さらに、本発明の医療用材料において用いられる官能基
含有ポリマー、すなわち、ヘパリンと直接あるいはカッ
プリング剤を介して共有結合可能な官能基を有するポリ
マーしては、基材表面に導入しようとする例えば、アル
デヒド基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等の官能
基に応じて、種々のものを用いることができるが、官能
基としてアミノ基を有するものが望ましく、さらにアミ
ノ基を有するポリマーとしては、ポリエチレンイミンが
好適である。ポリエチレンイミンとしては、前記官能基
導入基材の場合と同様、特に分子量が500〜1000000程度
のものが好適に使用され得る。
さらに本発明の医療用材料において、該基材表面にコー
ティングされる前記のごとき親水性セグメントと疎水性
セグメントを有するコポリマーと、ヘパリンと直接ある
いはカップリング剤を介して共有結合可能な官能基を有
するポリマーとの配合物における各ポリマーの配合割合
は、用いられるポリマーの種類等によって左右されるた
め一概には規定できないが、当該ブロックポリマー100
重量部に対し、官能基含有ポリマーが0.1〜200重量部、
より好ましくは40〜80重量部程度である。すなわち、官
能基含有ポリマーの配合量が0.1重量部未満であると、
ヘパリンを十分な量で基材表面に共有結合させ得るだけ
の官能基が基材表面導入されない虞れが大きく、一方、
官能基含有ポリマーの配合量が200重量部を越えるもの
であると、配合された官能基含有ポリマーの一部が、ブ
ロックコポリマーの作用によって基材表面に強固に保持
され得ない余剰の部分となり、安定した官能基の導入が
なされない虞れがあるためである。
本発明の医療用材料を製造するにはまず、上記のごとき
親水性セグメントと疎水性セグメントを有するコポリマ
ーと、ヘパリンと直接あるいはカップリング剤を介して
共有結合可能な官能基を有するポリマーとの配合物を、
前記官能基導入基材のところで述べたと同様にして、基
材表面にコーティングして所望の官能基を基材表面に固
定化する。
その後、このようにして官能基を固定化した基材表面
を、所望のpH、温度条件下、例えばpH3〜4.5、温度40〜
60℃にて、ヘパリンの希釈溶液に浸漬等により接触さ
せ、基材上に固定化した該官能基とヘパリンの第1級ア
ミノ基とを共有結合させてヘパリンを基材表面に固定化
する。なお、基材上に固定化した該官能基とヘパリンの
第1級アミノ基とは、直接反応させて結合することはも
ちろん可能であるが、カップリング剤を用いてこれを介
して結合させてもよい。なお、基材表面に固定化するヘ
パリンとしては、N−硫酸基の一部を脱硫酸して第1級
アミノ化し、上記の反応に与かる第1級アミノ基を増加
させたものを使用することが望ましい。
本発明の医療用材料は上記したように極めて容易に作成
でき、また基材表面に十分な量のヘパリンを安定して保
持しているために優れた抗血栓性を発揮するものと考え
られ、人工肺、人工腎臓、人工心臓などの人工臓器、そ
の他血液循環回路、カテーテルなどの各種の医療用器具
における血液接触面を構成する素材として好適に使用さ
れる。特に例えば、人工肺におけるガス交換膜あるいは
人工腎臓における透析膜などとして使用される各種中空
糸の血液接触面を本発明により構成すれば血栓の生成に
よる中空糸の閉塞などの問題が解消されるため好ましい
ものである。
(実施例) 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
実施例1〜3および対照例1 ポリエチレンイミン(商品名:polymin SN、BASF社製)
をメタノールで希釈し、この中へヒドロキシエチルメタ
クリレート−(メチルメタクリレート/アクリル酸)ブ
ロックコポリマー(重量比80:(17:3))(以下Aポリ
マーとする。日本油脂(株)製)を所定量入れ、結果的
にメタノール中にAポリマーが2.5w/v%、ポリエチレン
イミンが0w/v%(対照例1)、0.17w/v%(実施例
1)、0.5w/v%(実施例2)、あるいは1.25w/v%(実
施例3)となる4種類のコーティング液を調製した。
そして、ポリプロピレン多孔質膜(商品名:ジュラガー
ド、ポリプラスチック(株)製)を前記コーティング液
でコーティングし、室温で乾燥した。
次に、このようにコーティング処理を施した多孔質膜を
切出し、NaClを1M含有したpH4.5、0.1M酢酸緩衝液で2
時間、NaClを1M含有したpH9.5、0.1M炭酸緩衝液で2時
間、それぞれ室温にて浸漬した後、水洗、乾燥し、化学
分析電子分光法(ESCA、Electron Spectroscopy for Ch
emical Analysis)による測定を行なった。結果を第1
表に示す。
実施例4〜6および対照例2 Aポリマーに変えて、ヒドロキシエチルメタクリレート
−メチルメタクリレートブロックコポリマー(重量比8
0:20)(以下Bポリマーとする。日本油脂(株)製)を
用いる以外は、実施例1と同様にしてメタノール中にB
ポリマーが2.5w/v%、ポリエチレンイミンが0w/v%(対
照例2)、0.17w/v%(実施例4)、0.5w/v%(実施例
5)、あるいは1.25w/v%(実施例6)となる4種類の
コーティング液を調製し、さらに実施例1と同様にポリ
プロピレン多孔質膜をこのコーティング液でコーティン
グし、コーティング処理を施した多孔質膜のESCA測定を
行なった。結果を第1表に示す。
実施例7〜9および対照例3 Aポリマーに変えて、(ヒドロキシエチルメタクリレー
ト/グリシジルメタクリレート)−(メチルメタクリレ
ート/アクリル酸)コポリマー(重量比(74:6):(1
7:3))(以下Cポリマーとする。日本油脂(株)製)
を用いる以外は、実施例1と同様にしてメタノール中に
Cポリマーが2.5w/v%、ポリエチレンイミンが0w/v%
(対照例3)、0.17w/v%(実施例7)、0.5w/v%(実
施例8)、あるいは1.25w/v%(実施例9)となる4種
類のコーティング液をコーティング液を調製し、さらに
実施例1と同様にポリプロピレン多孔質膜をこのコーテ
ィング液でコーティングし、コーティング処理を施した
多孔質膜のESCA測定を行なった。結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、本発明に係わる実施例1〜
9においてはいずれもポリエチレンイミンが安定に導入
されたが、親水性セグメントと疎水性セグメントを有す
るコポリマーの疎水性セグメントの一部としてアクリル
酸を添加すること(実施例1〜3および実施例7〜9)
により基材へポリエチレンイミンをより効果的に導入す
ることができると考えられる。
実施例10および対照例4 実施例2および対照例1と同様に、ポリエチレンイミン
とAポリマーを用いて、結果的にメタノール中にAポリ
マーが2.5w/v%、ポリエチレンイミンがそれぞれ0w/v%
(対照例4)あるいは0.5w/v%(実施例10)であるコー
ティング液を調製し、さらにポリプロピレン多孔質膜に
これらのコーティング液をコーティングし、室温で乾燥
させた。
次に、このようにコーティング処理を施した多孔質膜を
切出し、pH4.0に調製したグルタルアルデヒド2.5w/v%
水溶液に45℃で2時間浸漬した。
その後、コーティング処理を施した多孔質膜を取り出
し、水洗後、シッフ試薬に10分間浸漬した。
その結果、ポリエチレンイミンが0.5w/v%配合されたコ
ーティング液をコーティングされたもの(実施例10)に
おいては、いずれも多孔質膜が桃赤色に変化した。これ
に対し、ポリエチレンイミンが0w/v%のコーティング液
をコーティングされたもの(対照例4)においては、多
孔質膜に色の変化は見られなかった。このことから、本
発明の官能基導入基材において、官能基ポリマーとして
ポリエチレンイミンを用いることにより、アルデヒド基
の導入も容易なものとなされることが明らかとなった。
実施例11 ポリエチレンイミン(商品名:polymin SN、BASF社製)
をメタノールで希釈し、この中へAポリマーを所定量入
れ、結果的にメタノール中にAポリマーが2.5w/v%、ポ
リエチレンイミンが0.5w/v%となるコーティング液を調
製した。
そして、ポリプロピレン多孔質膜(商品名:ジュラガー
ド、ポリプラスチック(株)製)を前記コーティング液
でコーティングし、室温で乾燥した。
一方、市販のヘパリンナトリウム(ア ディビジョン
オブ ビオビン コーポレーション[A DIVISION OF VI
OBIN CORPORATION 製)を脱硫酸し、第1級アミン基を
約2倍に増加させた。さらに、このヘパリンナトリウム
を0.1Mクエン酸緩衝液で0.5w/v%に調節した。
このようにして調製したヘパリン溶液に、上記コーティ
ングを施した多孔質膜を、pH4.0、45℃の条件下で4時
間浸漬させた。さらに取り出した多孔質膜をグルタルア
ルデヒドの2.5w/v%水溶液に浸漬し、pH4.0、37℃の条
件で20時間反応させ、水洗して試料を得た。
このようにして得られた試料におけるヘパリン固定状態
を確認するために、0.04w/v%トルイジンブルー水溶液
を用いて試料を5分間染色した。結果を第2表に示す。
また上記試料を、NaClを1M含有したpH4.5、0.1M酢酸緩
衝液で2時間、NaClを1M含有したpH9.5、0.1M炭酸緩衝
液で2時間、それぞれ室温にて浸漬した後、水洗、乾燥
し、ESCAによる測定を行なった。結果を第3表に示す。
比較例1 (ヒドロキシエチルメタクリレート/グリシジルメタク
リレート)−(メチルメタクリレート/アクリル酸)コ
ポリマー(重量比(68:12):(17:3))(以下Dポリ
マーとする。日本油脂(株)製)をメタノールで6容量
倍に希釈してコーティング液を調製し、ポリプロピレン
多孔質膜(商品名:ジュラガード、ポリプラスチック
(株)製)をこのコーティング液でコーティングし、室
温で乾燥した。さらに、このコーティング処理した多孔
質膜をポリエチレングリコールジアミンの1.7w/v%溶液
(pH10)中に、45℃で24時間浸漬した。
その後、実施例11と同様にしてヘパリン処理して比較試
料を得、トルイジンブルー染色およびESCAによる測定を
行なった。結果をそれぞれ第2表および第3表に示す。
実施例12および比較例2 基材として多孔質膜に代えてナイロンチューブ(ペバッ
クス6333 SA00、東レ(株)製)を用いる以外は、それ
ぞれ実施例11あるいは比較例1と同様にしてヘパリン化
チューブを作成し、得られた試料の抗血栓性をチャンド
ラーループにて評価した。結果を第4表に示す。なお、
評価直前にアルブミンの6w/v%水溶液でチューブを24時
間洗浄した。
(発明の効果) 以上述べたように本発明は、親水性セグメントと疎水性
セグメントを有するブロックコポリマーと、基材に導入
しようとする目的官能基を有するポリマーとの配合物
が、基材表面にコーティングされ、基材表面に前記官能
基が存在することを特徴とする官能基導入基材であるか
ら、表面修飾のために導入された官能基による特性が安
定してかつ効果的に発揮されるものである。さらに本発
明において、前記ブロックコポリマーの親水性セグメン
トがヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含むも
のであり、また前記ブロックコポリマーの疎水性セグメ
ントがアルキル(メタ)アクリレートを含むものである
と導入された官能基をより安定してかつ効果的に保持で
きるものとなり、さらに目的官能基を有するポリマーが
ポリエチレンイミンであると、官能基としてのアミノ基
を良好に導入できるのみならず、さらにこのアミノ基と
反応させることにより、多種の官能基の導入が可能とな
るものである。
本発明はまた、親水性セグメントと疎水性セグメントを
有するブロックコポリマーと、基材に導入しようとする
目的官能基を有するポリマーとを配合し、この配合物
を、基材表面にコーティングすることにより、基材表面
に前記官能基を導入する官能基導入基材の製造方法であ
るから、上記のごとき優れた特性を有する官能基導入基
材を極めて容易に形成することができるものである。
さらに本発明は、基材上にヘパリンを固定化してなる医
療用材料であって、親水性セグメントと疎水性セグメン
トを有するブロックコポリマーと、ヘパリンと直接ある
いはカップリング剤を介して共有結合可能な官能基を有
するポリマーとの配合物が、基材表面にコーティングさ
れ、これにより基材表面に導入された上記官能基とヘパ
リンの第1級アミノ基とが直接あるいはカップリング剤
を介して結合していることを特徴とするものであるか
ら、製作上極めて簡便であり、かつ十分な量のヘパリン
を安定して基材表面に保持し得ることとなるため、優れ
た抗血栓性を発揮する。またこのようなコーティング処
理可能なものであれば基材としては特に限定されないも
のである。従って、各種の医療用器具において好適に使
用されるものとなる。さらに、本発明の医療用材料にお
いて、上記ブロックコポリマーの親水性セグメントが、
ヒドロキシエチルメタクリレートを含むものであり、一
方、疎水性セグメントが、メチルメタクリレートを含む
ものであり、またヘパリンと直接またはカップリング剤
をして共有結合可能な官能基が第1級アミノ基である、
さらにはヘパリンと直接またはカップリング剤を介して
共有結合可能な官能基を有するポリマーが、ポリエチレ
ンイミンであり、固定化されるヘパリンが、N−硫酸基
の一部が脱硫酸して第1級アミノ化されたものである
と、より十分な量のヘパリンが安定して基材表面に導入
されることとなるために、さらに優れた抗血栓性が期待
できるものとなる。また、本発明は、少なくとも血液と
接触する部位の一部が、親水性セグメントと疎水性セグ
メントを有するブロックコポリマーと、ヘパリンと直接
あるいはカップリング剤を介して共有結合可能な官能基
を有するポリマーとの配合物が、基材表面にコーティン
グされ、これにより基材表面に導入された上記官能基と
ヘパリンの第1級アミノ基とが直接あるいはカップリン
グ剤を介して結合させて基材上にヘパリンを固定化して
なる医療用材料から形成されてなる医療用器具であるた
めに、上記したような医療用材料の優れた抗血栓性を生
かして長期間安定した性能を示すものであり、特に血液
と接触する部位が中空糸状のものであり、この部位が本
発明に係わる医療用材料により構成されているとその効
果は顕著なものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 179/02 PLU (72)発明者 萩原 和彦 静岡県富士市大淵2656番地の1 テルモ株 式会社内 (72)発明者 押部 義宏 愛知県知多郡武豊町字六貫山2―34 (72)発明者 大村 博 愛知県知多郡武豊町字六貫山5―3―1

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水性セグメントと疎水性セグメントを有
    するブロックコポリマーと、基材に導入しようとする目
    的官能基を有するポリマーとの配合物が、基材表面にコ
    ーティングされ、基材表面に前記官能基が存在すること
    を特徴とする官能基導入基材。
  2. 【請求項2】前記ブロックコポリマーの親水性セグメン
    トがヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含むも
    のである請求項1に記載の官能基導入基材。
  3. 【請求項3】前記ブロックコポリマーの疎水性セグメン
    トがアルキル(メタ)アクリレートを含むものである請
    求項1または2に記載の官能基導入基材。
  4. 【請求項4】目的官能基を有するポリマーがポリエチレ
    ンイミンである請求項1〜3のいずれかに記載の官能基
    導入基材。
  5. 【請求項5】親水性セグメントと疎水性セグメントを有
    するブロックコポリマーと、ポリエチレンイミンとの配
    合物が、基材表面にコーティングされ、さらにこのポリ
    エチレンイミン由来のアミノ基が基材に導入しようとす
    る目的官能基を有する化合物と結合することにより、基
    材表面に前記官能基が存在することを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の官能基導入基材。
  6. 【請求項6】親水性セグメントと疎水性セグメントを有
    するブロックコポリマーと、基材に導入しようとする目
    的官能基を有するポリマーとを配合し、この配合物を、
    基材表面にコーティングすることにより、基材表面に前
    記官能基を導入するものである官能基導入基材の製造方
    法。
  7. 【請求項7】基材上にヘパリンを固定化してなる医療用
    材料であって、親水性セグメントと疎水性セグメントを
    有するブロックコポリマーと、ヘパリンと直接あるいは
    カップリング剤を介して共有結合可能な官能基を有する
    ポリマーとの配合物が、基材表面にコーティングされ、
    これにより基材表面に導入された上記官能基とヘパリン
    の第1級アミノ基とが直接あるいはカップリング剤を介
    して結合していることを特徴とする医療用材料。
  8. 【請求項8】上記ブロックコポリマーの親水性セグメン
    トが、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含む
    ものである請求項7に記載の医療用材料。
  9. 【請求項9】上記ブロックコポリマーの疎水性セグメン
    トが、アルキル(メタ)アクリレートを含むものである
    請求項7または8に記載の医療用材料。
  10. 【請求項10】ヘパリンと直接またはカップリング剤を
    介して共有結合可能な官能基が第1級アミノ基である請
    求項7〜9のいずれかに記載の医療用材料。
  11. 【請求項11】ヘパリンと直接またはカップリング剤を
    介して共有結合可能な官能基を有するポリマーが、ポリ
    エチレンイミンである請求項7〜10のいずれかに記載の
    医療用材料。
  12. 【請求項12】固定化されるヘパリンは、N−硫酸基の
    一部が脱硫酸して第1級アミノ化されたものである請求
    項7〜11のいずれかに記載の医療用材料。
  13. 【請求項13】抗血栓性材料として用いられるものであ
    る請求項7〜12のいずれかに記載の医療用材料。
  14. 【請求項14】少なくとも血液と接触する部位の一部が
    請求項7〜12のいずれかに記載の医療用材料から形成さ
    れてなる医療用器具。
  15. 【請求項15】少なくとも血液と接触する部位が請求項
    7〜12のいずれかに記載の医療用材料から形成されてな
    る中空糸。
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