JPH07120454B2 - コインの有効性を検査する装置 - Google Patents

コインの有効性を検査する装置

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JPH07120454B2
JPH07120454B2 JP15056493A JP15056493A JPH07120454B2 JP H07120454 B2 JPH07120454 B2 JP H07120454B2 JP 15056493 A JP15056493 A JP 15056493A JP 15056493 A JP15056493 A JP 15056493A JP H07120454 B2 JPH07120454 B2 JP H07120454B2
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coin
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signal
coins
power
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マース,インコーポレーテッド
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【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明はコインの有効性を検査する装置およびそれに係
る改良に関する。本明細書を通じて、「コイン」なる用
語は、真正コイン、トークン(擬貨)、偽造コイン、代
用コイン、ワッシャその他、コイン作動装置を用いよう
としている人々によって使われる可能性のある如何なる
物品をも意味するものとする。
【0002】発明の背景 現在、種々の電子コイン有効性検査装置が広く用いられ
ており、このような装置では、たとえば、装置に挿入さ
れたコインが移動するコイントラックに沿って間隔をお
いた種々の位置に1つまたはそれ以上の誘導感知コイル
または送受信コイルが設けてある。感知コイルは電子処
理回路に接続してあり、この電子処理回路において、コ
インが各誘導センサを通過するときにコインの性質にし
たがって変化する信号特性(すなわち、周波数、振幅ま
たは位相)の大きさが1種またはそれ以上の特定の金額
の許容コインを示す所定の値と比較される。このように
して、テストコインの有効性が検査され、もしそのコイ
ンが適当なテストに合格しなければ拒絶される。
【0003】スイッチがオンにされると、電子回路はほ
とんど絶えることなく、電源によって付勢される。多く
の用途において、連続的な電力消費は重要ではない。た
とえば、この有効性検査回路をホットドリンクを分配す
る自動販売機で用いる場合、処理回路の消費する平均電
力の割合は、自動販売機でヒータおよび制御機器で必要
とする平均電力と比べても無視することができる。しか
しながら、コイン有効性検査装置のある種の用途たとえ
ば、比較的電源電力の低い公衆電話やバッテリから電力
を受けるタバコ自動販売機やパーキングメータでは、さ
きに述べた形式の有効性検査回路の消費する平均電力
は、許容できないほど高いものである。世界中の多くの
国々で用いられている公衆電話では、現在でも機械的な
コイン有効性検査装置が種々の形態でまだ使用されてい
る。これらの機械的な装置を電子装置に変えて挿入され
たコインについての有効性検査の完全性を改良すること
が望ましいのであるけれども、公知の電子式コイン有効
性検査装置は、非常に低い電力消費(たとえば5ボルト
で2ミリアンペア)の要求を満たすことが殆どできな
い。
【0004】本出願人の英国特許第1483192号に
開示されている電子式コイン有効性検査装置は、コイン
通路に沿ってコイルの間を通過した挿入コインが許容材
料で作られている場合に出力信号を発生するようになっ
ている送信器/受信器誘導到着センサを包含する。コイ
ン通路のさらに下流の位置でコインは光学的にテストさ
れて、その有効性、直径等を検査される。これは本出願
人の英国特許明細書第1272560号に開示されてい
る。コインが最初の誘導テストおよびそれに続く光学テ
ストの両方に合格すると、コインは合格ゲートを通って
合格通路に受け入れられる。光学テストでは、光源を光
学コインセンサ、たとえば光電装置と組合わせて用いて
いる。これらの光源が絶えず付勢される場合、特別の期
待寿命を持つ。したがって、これらの光源の期待寿命を
延ばすためには、光源は誘導到着センサからの出力信号
によってスイッチオンされる。最近の傾向は、検査区域
においてコイン特性の望ましい測定を行なうための誘導
容量技術に向いているが、先に述べたように、公知のコ
イン取り扱い機構における全電力消費量は或る用途にと
っては許容できない程高い。
【0005】米国特許第3738469号では、まず各
コインを感知スイッチによって寸法について検査し、つ
ぎに測定プローブによって第2のテストを行なう種々の
形態のコイン検査装置が開示されている。コインは、こ
れら両方のテストに合格したときにのみ受け入れられ
る。この装置は連続的に電力を受けているが、バッテリ
電力に依存している場合には、これは欠点となる。電力
消費を減らすためには、電流供給回路網を切・入するよ
うに直径感知スイッチを利用することができる。しかし
ながら、このスイッチは測定プローブの検査区域にコイ
ンが到着する前に作動させられるので、これらの手段が
作用されているにもかかわらず、電流供給回路網はやや
早くにスイッチを入れられる。また、直径感知スイッチ
は通過するコインの縁との接触によって作動するように
セットされているが、現在のところ、信頼性を含むいく
つかの理由によって無接触測定が好ましい。さらに、コ
イントラックから特定の間隔をおいて配置されたスイッ
チは、ただ1種類の寸法のコインを検出することができ
るだけであり、したがって、コイントラックを1つだけ
しか用いない場合には多種金額の用途には不適である。
【0006】発明の概要 本発明の1つの目的は、誘導的または容量的にコインに
ついての必要な測定を行なうが平均電力消費量が比較的
低い改良したコイン取扱い装置を提供することにある。
【0007】本発明の第1の特徴によれば、コインの有
効性を検査する装置は、検査区域において可変磁場また
は電場を定めるように配置した手段と、検査区域にある
コインとこの場の間の相互作用の程度が許容コインを示
すものであるかどうかを決定する回路装置とを包含し、
この回路装置は、プログラムにしたがってブロック内で
オンにされてその平均電力消費量を減じるようになって
おり、さらに被検査コインの存在を検出した際にのみ前
記プログラムを開始させるように検出装置が配置してあ
る。
【0008】したがって、本質的にこのコイン有効性検
査装置はほんの少しの平均電力を必要とするだけであ
り、バリデーション回路の各セクションの設計が付勢時
の最低電力消費量に合わせてある場合には、電力消費量
は最低に保たれ、さらに、回路ブロックはそれにまかさ
れた仕事をなすに充分な時間だけ実質的に作動するよう
になっている。その結果、コインの到達を待っている
間、待機電力消費量は0かあるいは非常に低く、コイン
が検査区域にあるときでも電力消費量は最低に保たれ
る。したがって、全体的に、平均電力消費量もまた非常
に低い。
【0009】本発明の第2の特徴によれば、コインの有
効性を検査する装置は、検査区域において可変磁場また
は電場を与えるように配置した手段と、検査区域にある
コインとこの場との間の相互作用の程度が許容コインを
示すものであるかどうかを決定する回路装置とを包含し
この回路装置はパワーアップすることができ、さらに検
査区域にコインが到達したことを検出して前記回路装置
がコイン受入れの前記決定を行なう限られた時間のみ回
路装置をパワーアップするように作動する検出装置が設
けてある。
【0010】コインが場付与手段の検査区域に到達する
まで回路装置がパワーアップされないため、コイン有効
性検査装置の平均電力消費量は低くなる。
【0011】回路装置のパワーアップでは、回路装置を
オンにするか、あるいは供給電力を増大させるか、いず
れかであり、ブロックごとに生じてもよいし、または前
記回路が同時にパワーアップされるようにしてもよい。
【0012】本発明の第1および第2の特徴の場合、回
路装置は一実施例において、場と受け入れることができ
る任意のコインとの間の相互作用程度の範囲を示す上下
の限界値を記憶する記憶装置と、場と検査区域のあるコ
インとの間の相互作用程度を決定するように配置した装
置と、検出した相互作用程度が前記範囲内にあるかどう
かを決定するように配置した比較装置とを包含する。低
コストの記憶装置が広く市販されているが、これは非持
久性である(すなわち、電源電力が除かれたとき記憶さ
れた情報が消滅するのである)。したがって、このよう
な記憶装置は絶えず付勢しておく必要はない。持久性の
ある記憶装置はより電力を消費することがある。しかし
ながら、好ましい配置では、記憶装置は記憶された限界
値を呼び出すことができるに充分な時間だけ実質的に作
動するようになっている。このようにして、市販の低コ
スト持久性記憶装置を用いることによって、平均電力消
費量を非常に低く保てることがわかった。
【0013】別の配置において、回路装置はコイン経路
に沿って設置した誘導感知装置を包含し、したがって、
検査区域に可変場を与えるのに加えて、コインと場の相
互作用程度を感知するとともに、検査区域を移動しつつ
ある任意の許容コインが通過するようにセットした所定
の限界を達成する前記相互作用程度を形成することによ
って、検査区域におけるコインの到達を決定することが
できる。
【0014】コインの到達を検出し、またコインの有効
性を検査するように作用する感知装置を唯1つ用いるこ
とによって、これら2つの仕事をなすために別々の感知
装置を設ける必要はない。
【0015】感知装置は、コインがそれを通過するとき
に発振周波数が最大値に達する発振回路に接続してもよ
い。
【0016】ピーク周波数は、コインの1つまたはそれ
以上の特性のうちの位置測定値であり、このコインが所
定の受け入れ基準を満たしているかどうかを決定するよ
うに処理することができる。測定で用いられるのがピー
ク周波数であっても、コインと誘導センサによって与え
られる磁場との相互作用は、発振器出力信号の振幅を減
らす効果を持つ。発振器周波数を測定する普通の方法で
は、発振器出力信号振幅が所定のクロック間隔内で所定
の限界レベルと交差する回数と一致するようにカウント
数が加えられる。しかしながら、発振振幅は充分なもの
でなければならず、したがって発振器信号の最大減衰率
を与えるこれから知ろうとしているコインの金額につい
てさえ、発振器信号の最小振幅が限界レベルを超えて発
振器周波数を正しく決定するようになっていなければな
らないことは明らかである。コイン到達の検出に続いて
発振器に供給される電力を高めることによって、この要
求を満たすことができる。一方、発振器がコインの到達
を検出するのに必要な電力は比較的低い。したがって、
平均電力消費量も低い。このパワーアップ技術を用いて
いない公知構造の発振器の消費する電力は、ピーク周波
数のサンプリングで必要とする電力によって決まり、こ
れは先に述べたように、低い平均電力消費を必要とする
或る種の用途では許容できない程高いものである。
【0017】本発明のもう1つの特徴に話題を転じて、
コイントラックに沿って感知コイルを装着し、この感知
コイルを自己発振回路に接続し、コインの有効性および
金額を検査することは周知である。コインがセンサを通
過するとき発振周波数または振幅が検査区域にあるコイ
ルによって与えられる磁場とコインそのものとの相互作
用の程度にしたがって変化する。この変化が許容コイン
を示す所定の値と一致するかどうかを決定するのに検出
回路が用いられる。検査の精度を高めるために磁場とコ
インの最大相互作用のときにコインに近い面が常にコイ
ンから特定の間隔を保ち、かつコインに対して特定の向
きを持たなければならない。この理由のために、普通は
通路を垂直面から傾け、コインがコイントラックをころ
がり降りるときに、重力によってコインをそれが移動し
ているコイントラックの片側壁面と面接触させておくよ
うになっている。さらに、許されたスペース限界内で、
誘導コイルをできる限りコイントラックの下に設けてコ
インが感知コイルを通過するときに、できる限りコイン
の側方運動(たとえば、非線形移行または動揺)をでき
る限り減少できるに充分な距離を与えるようになってい
る。しかしながら、コイル有効性検査装置の幅における
実際の限界がコインの運動を落ち着かせるのに必要なコ
イントラックの長さを比較的短いものに限定してしま
い、これはコインの軽い側方運動による不正確さを完全
に克服するためにはしばしば不充分である。唯1つの感
知コイルを用いることによって、コイルで行なった測定
の感度が高くなるけれども、全体的な精度は測定のばら
つきによって制限を受ける。
【0018】測定値のばらつきはコイン通路の反対側壁
面に装着した別の感知コイルを先の感知コイルと直列ま
たは並列に接続することによって減じることができる。
この別の感知コイルは、第1のコイルのインダクタンス
にほぼ等しいインダクタンスを有する。このように配置
することによって、コインが通過するとき感知コイルに
対するコインの側方位置における如何なる変化に対して
も補正を行なうことができ、したがって、測定値のばら
つきがかなり減るということがわかった。しかしなが
ら、この補正を行なうと、コイン有効性テストの感度を
失うことになる。
【0019】よって、本発明の別の目的は改良した誘導
センサ装置を提供することにある。
【0020】本発明の第3の特徴によれば、コイン有効
性検査装置はコイン通路を包含し、このコイン通路に沿
ってコインがセンサ装置によって生じた可変磁場または
電場を受ける検査区域を通って移動させられるようにな
っており、さらに、検査区域において磁場とコインとの
間の、センサ装置において検出される相互作用の程度が
許容コインを示すものであるかどうかを決定するように
配置された手段を包含し、このセンサ装置がコイン通路
の両側にほぼ対向して互いに隔たって装着した一対の誘
導または容量感知装置を包含し、この通路がそれに沿っ
て移動するコインが感知装置に対して所定の側方位置関
係にほぼ留まるように配置してあり、感知装置が回路内
で処理装置に接続するようになっており、それによって
感知装置の一方が、場とコインの相互作用の程度に応じ
てコインの1つまたはそれ以上の特性を主として検出す
る測定装置となり、他方の感知装置がコインの移動経路
における変化による測定ばらつきを主として減じるよう
に作用する補正装置となり、これら感知装置の誘導値ま
たは容量値が異なった値に設定されて測定されて測定感
度対ばらつきの比率を高めるようになっている。
【0021】感知装置についての相対インダクタンスま
たはキャパシタンスを適当に選択することによって、測
定感度対ばらつきの比率は最大となって全体の測定精度
を最高にすることができる。選んだ値の精度は、発生す
る側方運動の変化の範囲に依存する。これが大きければ
それだけ2つの感知コイルのインダクタンスの比率が高
くなる。周囲の情況にもよるが、インダクタンス比は、
10%の低さにもなり得るし、90%の高さにもなり得
る。
【0022】誘導コイルは、互いに直列または並列に接
続して相互インダクタンスを助けたり、あるいは対立さ
せたりすることができる。これらのコイルが直列に接続
してある場合、測定コイルの方が大きなインダクタンス
を持つことになり、並列に配置している場合には、測定
コイルは小さいインダクタンスを持つことになる。通常
は、コイン通路は垂直平面に対して浅い角度(ほぼ10
度)で傾いており、したがって、出来る限りコインがコ
イン通路の側壁の一方とほぼ面接触しながら、このコイ
ン通路をころがり降りるようにしてある。測定コイルが
主として反応するようにしてある特定のコインの特性に
応じて測定コイルは一方の壁面に装着してあり、この壁
面に対してコインが面接触しながら移動することにな
る。あるいは、遠い方の壁面に設けることもある。例え
ば、コインの厚さを測定する場合、測定コイルは遠い方
の壁面に装着することになり、一方、コインの材質を測
定する場合には、測定コイルは近い方の壁に装着するこ
とになる。
【0023】感知装置が容量型要素の場合にも同様の考
慮がなされる。
【0024】本発明の第4の特徴に言及すれば、材料組
成にかなり依存するコインの有効性について検査を行な
う技術は公知である。公知技術の1つでは、コインを通
して電磁信号を送信し、この信号における減衰率を測定
する。そのためには、コイントラックの両側に送信コイ
ルと受信コイルとを必要とする。この技術には2つの大
きな欠点がある。まず、普通に使用するいくつかのコイ
ン材質によって生じる減衰率の変動がかなり大きく、こ
れはある特定の国のコインのセットでさえ、しばしば起
こることであり、従来は2つ以上の信号周波数を用いて
適切な判定を行なっていた。たとえば、銅、アルミニウ
ム、軟鋼およびニッケルの場合、2kHzの送信周波数
が特に適しているが、しんちゅう、キュウプラニッケル
および非磁性ステンレス鋼の場合には、25kHzの周
波数が必要とされる。二種類の周波数を使用する必要が
あるということは、二対の送受信コイルを用いるか、あ
るいは送信コイルで2つの周波数を混ぜ合わせ、アナロ
グフィルタを持つ受信コイルで2つの周波数を分離する
かしなければならない。このようなアナログ回路は高価
であり、比較的電力消費量が高い。この測定技術の第2
の大きな欠点は、異なった材料の層からなるコインの場
合、従来用いられていた周波数では、異なった材料の影
響が平均化される。その結果、ニッケル被覆キュウプラ
ニッケルコアからなる5フランコインとニッケルコアを
キュウプラニッケルで包んだ5マルクコインの場合、電
磁信号の減衰度をこれら2つのコインを区別するのに用
いるのは困難である。
【0025】別の例では、信号の減衰率よりもむしろ送
信信号と受信信号の位相差を測定している。この技術は
ある程度の利点を持つけれども、その大きな欠点は減衰
技術の場合と同じである。すなわち、コインで用いられ
ている材料の範囲にわたって良好な分析を行なうために
2つ以上の周波数を用いており、これでは同様に2つの
チャンネルとアナログフィルタを必要とする。
【0026】一定の周波数で送信減衰率を測定する際の
変動は電圧制御式発振器を用いて一定の減衰率を与える
周波数を測定することになる。使われるコイン材料の全
範囲にわたって、送信周波数は約100Hzないし10
0kHzに変化しなければならない。この範囲にわたっ
て急速に回転することのできる電圧制御式発振器は、低
周波数発信器(1MHz)と0.8MHzないし1MH
zの範囲にわたって作動することの出来る電圧制御式発
振器を用い、かつ、これらの発振器の出力を混ぜ合わせ
て異なった周波数に分離することによって得ることがで
きる。組み合わせた出力はデジタルであり、したがって
プログラム化できる有効性チェックには適しているけれ
ども、そのシステム帯域幅と電力消費量がこの技術を殆
ど不適当としている。
【0027】英国特許明細書第1255492号には、
各コインが多数のテストを受け、そのテストの1つが1
00kHz発振器から付勢されたブリッジ感知回路に接
続したコイルを用いている誘導テストであるコインをテ
ストし受け入れるか拒絶する装置が開示されている。誘
導テストはコインの電磁特性を検査し、ブリッジ回路が
許容コインによってのみつり合うようにしてある。ブリ
ッジをつり合わせないコインは拒絶される。この装置は
イギリスの6d、1/−および2/−コインを認識する
ように特に設計してあり、これら3種類の各々の製造に
用いられる合金は同じである。したがって、このテスト
は特定のコイン材料を知るように設計してある。このテ
ストでは、異なった材料からなる均質なコインを区別す
ることはできるが、サンドイッチ構造のコインは、異な
ったコイン材料層の「平均化」効果により、知ろうとし
ているコイン材料を区別することができないような反応
を生じる。
【0028】本発明の目的は、唯一つの周波数を用いた
だけでも異なった構造の同一寸法のコイン、たとえば、
サンドイッチコインと均質コインをより確実に区別する
ことができる装置を提供することにある。
【0029】本発明の第4の特徴によれば、コインの有
効性を検査する装置はコインが移動させられるようにな
っているコイン検査区域と、検査区域にあるコインに発
振電磁場を与え、この場とコインの相互作用の程度に応
答する誘導センサ装置と、この誘導センサ装置の応答に
したがって、この相互作用程度が許容金額の真正コイン
を示しているかどうかを決定するように配置した処理装
置とを包含し、場の向きがコインの面に対してほぼ直角
の方向においてコインを貫くような方向となっており、
発振場の周波数がこの装置の許容できる各金額の真正コ
インが検査区域に存在している場合にコイン内の場のス
キン深さがコインの表面被覆の深さより下であるが、コ
インの中央平面と同じ深さではないようにしてある。
【0030】本発明の関連した特徴によれば、コインの
有効性を検査する方法が提供され、この方法において、
コインは検査区域に移動させられ、誘導センサ装置によ
って発振電磁場を受け、この誘導センサ装置がこの場と
コインの相互作用程度に応答し、誘導センサ装置の応答
にしたがって相互作用程度が許容コインを示しているも
のであるかどうかの判定が行なわれ、この場の向きがコ
インの表面に対してほぼ直角の方向にコインを貫くよう
な方向となっており、発振場の周波数がこの装置の許容
できる各金額の真正コインが検査区域に存在している場
合に、コイン内の場のスキン(表皮)深さがコインの表
面被覆の深さより下ではあるが、コインの中央平面まで
の深さとはなっていないように選ばれている。
【0031】この明細書で用いる「スキン(表皮)深
さ」は、電流密度が1/e(ここでeは指数関数であ
る)、すなわちコインの表面における電流密度あるいは
場密度の36.8%であるコインの表面以下の深さとし
て定義する。
【0032】場周波数の選択の精度は知ろうとしている
特定のコインに依存するが、通常は、発振場周波数は上
下の限界がほぼ80kHzないしほぼ200kHzの範
囲にある。
【0033】特定の周波数の選択はかなり意味がある。
非常に高い周波数の発振器(たとえば、1MHz)の場
合、スキン深さ(コインへの電磁波の貫通度)が非常に
小さく、したがって送受信技術は非実用的であり、誘導
感知技術でさえ、有効性チェックがコインの表面材料に
よってかなりの影響を受ける。スキン深さは、電磁場の
周波数の関数であり、かつ、電磁波の貫通する材料の導
電性および磁気透過性の関数である。したがって、明ら
かなように、非常に高い周波数の場合、サンドイッチ構
造のコインと同じ外層材料で全体を作ったコインとの区
別は不可能である。
【0034】「スキン(表皮)効果」が無視できる程度
であり、コインの材料内の電磁波の強さがそれほど減衰
しない低周波数(たとえば、約2kHz)を用いること
も公知である。このような周波数では、層状のコインで
用いられる異種材料の異なった効果が送信技術と誘導感
知技術の両方において平均化される傾向があり、多層コ
インは電磁波についての効果が異種層コインによって生
じさせられる平均効果と同じとなる唯一種の材料からな
るコインと時には区別できなくなる。したがって、この
ような技術はある環境のもとでは満足した結果を得るこ
とはできない。
【0035】一方、すでに解っていると思うが、磁場周
波数を適切な値、たとえば上下の限界がほぼ80kHz
ないしほぼ200kHzの範囲内で選ぶことによって、
磁場がコインの表面の領域の下のコアの下の領域までほ
ぼ貫通するが、コアの中心まではほとんど達しないこと
になる。このようにして、発振周波数を適切に選ぶこと
によって、スキン深さはサンドイッチ構造コインの外層
を貫いてコアの外側の領域に達し、たとえば5フランコ
インと5マルクコインで発生する減衰率において区別で
きる差が生じることになる。もちろん、選定した周波数
の正確な値は、コインを作っている特定の材料に依存す
る。周波数が約120kHzであれば、現在世界中で普
通に用いられているかなり異なった材料で作られた多数
のサンドイッチコインと均質コインを含む多くのコイン
セットにとって適しているものと考えられる。
【0036】発振磁場とコインの相互作用程度にしたが
って周波数および振幅が変化する発振回路の一部をなす
誘導感知装置によれば、温度の影響、周波数ドリフト等
のような望ましくないパラメータの影響を最少限におさ
えるために、コインがないときに発振器出力電圧対コイ
ンによる最低出力電圧の比を測定することが好ましいか
もしれない。
【0037】本発明は、第5の特徴によれば、交流信号
を直流信号に変換し、電力消費量を非常に低くするとと
もに精度を高めることに関する。
【0038】本発明の第6の特徴によれば、第1と第2
の回路網とこれら2つの回路網に交互に正弦入力信号の
正負の半サイクルを与える装置と、各ブランチ入り回路
網においてそれぞれの半波信号を直流信号に変換する平
滑装置と、2つのブランチ回路網からのこれらの直流信
号を組み合わせて、振幅が2つの直流信号の係数の合計
に等しい出力信号を発生する装置とを包含する整流回路
が提供される。
【0039】実施例の詳細な説明 図1、図2を参照しながらこれから説明するコイン有効
性検査装置はクレジット総合機能あるいは機構制御(た
とえば、チェンジ−ギビング)機能をもたない。挿入コ
インの有効性検査を行なうことができるだけであり、た
とえば6つの異なった金額までのコインを識別するよう
になっている。そのために、この装置は6つの出力端子
G−P(図4)を有し、これらの端子の適当な1つのと
ころで6つの識別された金額のうちの1つの金額の許容
コインが装置に挿入され、それを通り過ぎたのちコイン
の金額を表示するように1つの信号を発生することにな
る。さらに、許容信号が端子Qのところに現れ、この端
子Qはたとえばコイン合格/不合格ゲートを作動させて
コインを合格コインシュートに入れるように用いること
ができる。あるいは、このコインが合格であると判断さ
れない場合には、端子Qのところに信号が現れず、合格
/不合格ゲートがコインを不合格コインシュートに振り
向けることになる。
【0040】図1、図2を参照して、コイン有効性検査
装置はケーシング2の頂きに入口ホッパまたはスロット
位置を包含し、このホッパを通してコインが落される。
コインは重力の作用の下に下向きに移動し、エネルギー
消散装置3に衝突する。このエネルギー消散装置はコイ
ンをはね返らせることなくその衝撃エネルギーを吸収す
るようになっている。したがって、コインは位置7にお
いて下向きに傾斜したコイントラック4に沿って重力の
作用の下に転がり始め、3つの誘導センサHF1、LF
及びHFを連続的に通過することになる。第1のセンサ
HF1は2つの円形コイルを包含し、これらのコイルは
前後の隔たった側壁5、6(図2参照)におけるコイン
経路の各側に1つ当て配置されている。これらの側壁は
コイントラック4と共にコイン通路を構成している。図
2に明瞭に示してあるように、側壁5、6は垂直面から
浅い角度(たとえば約10度)で後方に傾いており、コ
インがセンサHF1、LFおよびびHFを順次通過する
ときに後方の側壁6とできる限り確実に面接触するよう
にしてある。HF1のコイルの下縁はコイントラック4
のやや上方に隔たっている。これらのコイルの直径は識
別しようとしている最小コインよりも小さくなっていて
「直径効果」を最少限に抑えるようになっている。同様
にして、第2センサLFは2つの円形のコイルを包含
し、これらのコイルは一方が側壁6に装着してあり、他
方が前方の側壁5に装着してあり、両コイル共にその下
縁がコイントラック4のやや上方に位置するように配置
してある。これらのコイルの直径は最小コインよりも小
さくなっている。第3のセンサHFには側壁6に装着し
てあって、唯1つのコイルからなる。しかしながら、こ
のコイルは楕円形を有し、その主軸線がコイントラック
に対してほぼ上向きに延びるように配置してある。図示
したように、センサHF2の下縁はトラック4の上方に
隔たっているが、その下方に配置しても良い。
【0041】センサHF1、HF2はそれぞれ自励式発
振回路300、301(図3、図4)に接続してあり、
これらの発振回路は装置の検査区域からコインがこない
ときに特定のアイドル周波数で発振するようになってい
る。各場合において、アイドル周波数は高周波数(たと
えば500−1500kHz)である。コインが各セン
サに向かってトラック4を転がり落ちてセンサによる発
振磁場に入ったとき、コインと発振磁場との間に相互作
用が生じる。これは自励回路の発振周波数にシフトを生
じさせ、コインがセンサに面と向かったときに最大値に
達する。つぎに発振周波数は、コインがセンサを通過す
るにつれて連続的に減りはじめ、最終的にその周波数レ
ベルは以前のアイドリングレベルにもどる。コイン7が
トラック4を転がり落ちているときのセンサHF1、H
F2で発生する発振周波数波形がそれぞれ図9(a)、
(e)に示してある。コインは発振回路からのエネルギ
ーも吸収し、それによってこの回路に制動をかけ、その
発振電圧の振幅を減らす。判定制御回路はピーク周波数
シフトを検査するが、電圧振幅の減少を最少限におさえ
るように設計されている。これを行なう要領は、図3、
図4を特に参照しながら以下に詳しく説明する。かくセ
ンサにとって、そのアイドリング周波数から出発したピ
ーク周波数シフトは、コインのいくつかの特性、たとえ
ば直径、材質、厚みおよび表面ディテールに依存するこ
とになる。しかしながら、センサHF1、HF2の各々
は、その寸法、形状、コイントラックに対する配列およ
び発振周波数により、一つの特定の特性にのみ主として
反応するように設計されている。このようにして、セン
サHF1は主としてコインの厚みに反応する。一方、セ
ンサHF2にはコインの直径に主として反応する。HF
1およびHF2の周波数信号を処理する場合、各コイル
から引き出されたピーク周波数が特定の金額の許容コイ
ンを示す所定の上下の限界値のセットと矛盾しないかど
うかを決定するために比較が行なわれる。
【0042】センサLFも自励式発振回路300(図
3、図4)に接続してあるが、この発振回路はかなり低
い周波数で発振する。以下に説明する特別の理由のため
にこの周波数は、上下の限界がほぼ80kHzと200
kHzである範囲、好ましくは約120kHzの周波数
であるように選ばれる。センサLFの場合、それを通過
してトラック4を転がり落ちるコインは、回路302の
発振出力信号の周波数変化および振幅減衰を生じさせる
ことになるが、この場合、周波数変化は小さく無視する
ことができ、その代りに、ピーク減衰率のところの信号
振幅が識別した金額の許容コインに一致する上下の限界
値のグループと矛盾しないかどうかを決定するように比
較が行なわれる。センサLFはコインの材質特性に主と
して反応する。バリデーション(判定制御)回路がセン
サHF1、LFおよびHF2を通過したコインが、この
コイン有効性検査装置によって識別されるある任意のコ
イン金額についての適当な組合わせのテストに合格した
ことを決定する場合には、この回路は端子Q(図4)に
合格信号を発生する。1つまたはそれ以上のテストにし
くじった時には、合格信号は発生しない。端子Qにおけ
る合格信号の有無は先に述べたように、合格/不合格ゲ
ートの位置を制御するのに用いられる。
【0043】図3を参照して、判定制御回路がコインの
ないときに初めてオンになった時、LF、HFに発振回
路301、302はその外部バイアス入力部Iに電圧信
号が加えられていないために付勢されないが、HF1回
路300はその内部バイアス部回路に電源304の電圧
が絶えず加えられているために、スタンバイまたはアイ
ドリング状態にセットされる。この状態において、HF
1発振器300は少量の電流、たとえば5ボルトで約1
ミリアンペアより少ない電流を外部電源304から受け
る。HF1発振回路は抵抗回路(たとえば、抵抗器)3
05を通して電源の戻り端子に接続されている。回路3
05には並列にブランチ回路網が接続してあり、このブ
ランチ回路網は電子スイッチ307がライン500上の
電圧信号によって閉じたとき、抵抗回路305と並列に
接続される抵抗回路(たとえば、抵抗器)306を包含
する。HF1スタンバイモードで電子スイッチ307は
開となる。
【0044】パワーアップ電子スイッチ308は、ライ
ン317上の「パワーアップ」信号によって閉ざされた
とき、ライン309に沿って電源304から電力を供給
して、スイッチ307を閉ざすと共にパワーアップライ
ン310に沿ってバイアス回路網311を通してHF2
発振器301、低周波発振回路302、増幅器312、
整流平滑回路313、および電圧周波数変換器314に
電力を供給する。バイアス回路網311を経てライン3
10に供給された電力はHF2、LF発振回路301、
302を作動状態にする。また、スイッチ307が閉じ
て抵抗回路306を抵抗回路305と並列接続すると、
発振回路300と電源304はもどり端子との間の有効
抵抗が減り、これは発振回路300をアイドリングすな
わちスタンバイ状態から全付勢状態にステップアップさ
せることになる。これは発振振幅を大きくする。
【0045】LF発振回路302からの出力信号は増幅
器312内で緩衝され、つぎに整流平滑回路313に送
られる。この整流平滑回路313は発振回路出力信号の
大きさに比例した直流信号を出力部に発生する。このア
ナログ信号は電圧周波数変換器314において相当する
ディジタル周波数信号に変換される。増幅器312は整
流平滑回路313の立ち上がりからLF発振回路を絶縁
するように作用する。
【0046】プログラム化可能な固定記憶装置(PRO
M)315には判定制御回路が識別するように設計され
ている多数(この実施例では6)の異なったコイン金額
の各々に対する上下の限界値が記憶されている。PRO
M315は、電子スイッチ319がライン318に発生
した「PROM−エネイブル」信号によって閉ざされた
ときに電源304によって入力ピンyの所で付勢され
る。このバリデーション回路のすべての構成要素の動作
は大規模集積回路(LSI)316によって制御され
る。この大規模集積回路はそれぞれ発振回路HF2、H
F1および電圧周波数変換器314の出力ライン50
1、502、471に接続された入力部a、b、cを有
する。このLSIは所定のプログラム(そのフローダイ
アグラムが図8に示してある)に従って受け取った入力
データを取り扱い、適当なときにライン317に「パワ
ーアップ」信号を発生すると共にライン318に「PR
OM−エネーブル」信号を発生してPROM内に記憶さ
れた上下の限界値のセットを読み出す。LSIはHF
1、HF2の測定値をPROMから読み出された限界値
と比較してテスト中の各コインが識別金額の許容コイン
であるかどうかを決定するようにも作動する。
【0047】図4を参照して、端子A、Bは電源および
外部電源304(図3)のもどり端子をバリデーション
回路に接続するのに役立つ。端子Aは供給電圧ライン4
00に接続してあり、端子Bは負電位(0ボルト)ライ
ン402に接続してある。
【0048】HF2発振器301はライン400、40
2間に接続してある。発振回路301はコルピッツ回路
であると適当であり、そのトランジスタのエミッタが直
列に配置したインダクタンス406と抵抗器405を通
して負電位ライン402に接続されている。バイアス信
号がライン407上でトランジスタベースに与えられた
ときに、この発振器が作動するようになる。HF2発振
回路出力部503はライン501によってコンデンサ4
08および緩衝回路409を通してLSI316の入力
部bに接続してある。この緩衝回路409によってHF
2発振回路301の出力信号を発振周波数に影響を与え
ることなく出力端子Dの所で監視することができる。
【0049】センサHF1の2つのコイル(この実施例
では平行に対向して配置してある)はセンサHF2と同
様の要領でコイルピッツ発振回路に接続してある。しか
しながら、すでに述べたように発振器HF1は抵抗器4
10、ダイオード411および正負電圧ライン400、
402間に接続された抵抗器412の直列配置を包含す
る分圧器から発振器トランジスタベースに印加されるバ
イアス電圧信号により常に少なくともアイドリング状態
にある。発振器トランジスタのエミッタを負電圧ライン
402に接続しているブランチの有効抵抗は電子スイッ
チ307(スイッチングトランジスタの形をとる)のベ
ースに印加されるパワーアップ信号によって減らされて
抵抗器306を抵抗器305と並列に接続することがで
きる。これによってHF1発振回路300はアイドリン
グすなわちスタンバイ状態からフルパワー状態に切りか
えられる。HF1発振器の同調回路の2つのコンデンサ
580、581のキャパシタンスの比は約3:1に選ば
れて発振器の出力部505からの出力信号の減衰を最少
限に抑える。HF1発振回路の出力部はコンデンサ41
3および緩衝回路414を通してLSI316の入力部
aに接続してある。この緩衝回路414はHF1発振器
の発振周波数をその値を変えることなく端子cのところ
で監視させ得るように連続的に作動する。発振器トラン
ジスタのベースと負電圧のライン402の間に接続され
たコンデンサ415はこのトランジスタのための減結合
コンデンサとして作用する。さらに電圧ライン400、
402間にはコンデンサ403、404、416が接続
してあり、これらのコンデンサは高周波濾過とエネルギ
ー補充を行なうようになっている。これは供給電圧の変
動を防ぐが、これがないとバリデーション回路の作動を
狂わせることになる。
【0050】スイッチングトランジスタ307のベース
は、抵抗器708およびコンデンサ709の直列配置を
通して負ライン402に接続してあり、電子スイッチ3
08(これもスイッチングトランジスタの形をしてい
る)がLSI316からライン317のベースに印加さ
れた「パワーアップ」信号によってオンにされたときに
トランジスタ710を通してライン500に沿って電圧
信号を受けるように配置してある。この電子スイッチ3
19は第1のスイッチングトランジスタ420を包含
し、これはLSI316がライン318上に「PROM
−エネイブル」信号を発生したときに別のスイッチング
トランジスタ421のベースに電圧信号を送り、また電
力をPROMの入力部yに切りかえる。トランジスタ4
21のベースに印加された電圧信号は、同時に、PRO
M315のエネイブル入力部xに信号を与えてLSI3
16がPROMおよび読み出し記憶データをアドレス指
定するのを可能とする。
【0051】ライン400、402間に接続されたコン
デンサ424は外部電源からのエネルギーを蓄積し、ト
ランジスタ420、421がオンのときPROM315
に供給される電力を増大させるのにこの蓄積されたエネ
ルギーを用いることができる。
【0052】PROM315は7つのアドレス入力部A
0−A6を有し、これらのアドレス入力部はLSI31
6がPROMをリクエストしてPROMに記憶された、
適当に復号化されたアドレスラインA0−A6と組合っ
たコイン金額に相当する上下の限界値のヘッドを示す信
号を出力ラインD0−D3に与えるのを可能としてい
る。アドレス入力部A0−A5はそれぞれ対応するコイ
ン出力端子I、K、L、M、N、Pに接続されている。
アドレスラインA6は端子Qに接続されている。PRO
Mアドレス信号および出力信号は異なった時間にライン
A0−A6に送られる。ラインA0−A6に数セットの
データを選ぶのに多重操作を用いることによってLSI
で必要とするピンの数が減り、したがってコストも減
る。
【0053】LSI動作はプログラムに従い、このプロ
グラムは0.5MHzと250Hzの周波数で2組のク
ロックパルスを同時に供給するクロック回路422から
のクロックパルスに従って進行する。2組のクロックパ
ルスを用いた理由は、LSI316で必要とする異なっ
たタイミング波形が広い範囲にわたっているからであ
り、かつ2つのかなり異なったベースクロック周波数と
適当な分圧器を用いてこれらのクロックパルスを発生さ
せるのが便利だからである。LSIは出力端子Gに信号
を与え、クロックパルス率を監視するのを可能とする。
さらに、LSIは図示したように、スイッチ423を備
えたセッティング入力部dを有し、HF2センサのため
に2つの異なった到達/脱出限界レベルの一方を予め選
定するようになっている。
【0054】低周波(LF)発振回路302は、2つの
高周波発振器(HF1、HF2)に類似しており、コル
ピッツ発振器を包含する。このLFセンサの2つのコイ
ルはこの実施例では、相互インダクタンスを対向させる
ように平行に配置してある。発振器トランジスタは、抵
抗器429、ダイオード430および抵抗器431(こ
れらは共にバイアス回路網311を構成している)の直
列配置を備え、さらに2つの減結合コンデンサ432、
433を備えている。これらのコンデンサは直列回路網
429、431と共にライン310から電力を供給され
てLSIがライン317にパワーアップ信号を発生した
ときに、そのパワーアップ電圧を受けるようになってい
る切り換え式供給ライン434と負電圧ライン402と
同じ電位にある負電圧ライン435との間に接続されて
いる。コルピッツ発振器のエミッタ回路は可変抵抗器4
36と、インダクタンス730と結合した固定抵抗器7
28、729を包含し、コインの有無を問わず発振振幅
をバリデイション回路のダイナミックレンジ内にセット
するのを可能とする。回路302からの発振出力信号は
増幅器312に送られる。この増幅器は、図示したよう
に、エミッタホロア緩衝器の形をしており、その出力は
ライン437に沿って整流平滑回路313に送られ、ま
たコンデンサ438を隔て差動増幅器439に送られ
る。この差動増幅器はゼロ交差検波器として作用し、回
路313の動作を制御するのに役立つ。
【0055】図5に示すように、整流平滑回路313は
エミッタホロア緩衝器312の出力部に接続した並列ブ
ランチ510、511に配置された2つのCMOSスイ
ッチング装置410、441を包含する。それぞれのブ
ランチはブランチ510、511の一方を基準電圧に保
持されたライン444に接続してあり、別のCMOSス
イッチング装置443、442、2つのブランチ51
0、511のためフィルタ回路網445、446および
入力部がこれらフィルタ回路網からの出力信号を受ける
積分差動増幅器447を包含する。図6(a)のところ
にエミッタホロア緩衝回路312からの正弦出力信号が
示してある。ゼロ交差検波器439の出力部がノアゲー
ト448(図4)を介して4つのCMOSスイッチング
装置に接続されており、従ってパワーアップライン31
7からのエネイブリング信号をライン532に受けたと
きのみこれらのスイッチング装置を制御するようになっ
ている。ゼロ交差検波器439はCMOSスイッチング
装置を対の状態、すなわち、440、442、441、
443とで制御し、その結果ライン437の信号の正の
半サイクルがフィルタ回路網445に通じる入力部に現
れ、一方負の半サイクルがフィルタ回路網446に通じ
る入力部に現れる。これらの信号波形がそれぞれ図6
(c)、(d)にXとYで示してある。一方、ゼロ交差
検波器からのスイッチング波形が図6の(b)に示して
ある。図4に示すように、フィルタ回路網445、44
6はRCフィルタであり、各々の波形X、Yからの平均
直流レベルを発生し、これが積分差動増幅器447の対
応した入力部に送られる。この積分によって第2の濾過
段階が与えられ、差動増幅器が存在することによって正
負の入力の大きさが算術的に加算され、負直流出力電圧
を発生し、これが出力ライン450に現れる。
【0056】増幅器447が実質的に直流入力信号を受
けるときそれは大きな帯域幅あるいは高いスリュー率を
必要としない。ゼロ交差検波器439は電力消費量が低
く、CMOS装置440−443を有するスイッチング
装置となる。これらCMOS装置は、ノアゲート448
の1つの入力部にライン530で印加されるパワーアッ
プ信号が無視し得るほどの電力消費量をLSIによって
発生させられたときに付勢させられる。
【0057】差動増幅器447を使用することは測定精
度にとっては重要である。基準供給電圧とする直流オフ
セット成分を有する入力波形を考える。この直流レベル
はx、yのところで交互に与えられ、極性の同一の直流
成分を与えることになり、差動増幅器からのその結果生
じた出力が0となる。CMOSアナログスイッチ440
−443はON抵抗値を持つ必要はない。何となれば、
4つの装置に対するON抵抗値は類似したものであり、
これは1つの装置でそれらが積分される場合(好ましい
ものである)固有のものである。4つのスイッチと低イ
ンピーダンス緩衝器312を使用することによってフィ
ルタ回路網の出力が常に一定の低いソースインピーダン
スを示す。したがって測定値の差は常に正確である。
【0058】このようにして、整流平滑回路313は、
電力消費量を非常に低く保ったまま入力制限波形から直
流信号を与える。同じ結果は、単一のダイオード整流器
では達成することはできない。それはダイオードの順方
向電圧低下およびその電圧の温度係数によるオフセット
電圧があるからである。2つのダイオードを用いる精密
整流器と演算増幅器はこれらのエラーの源を取りのぞく
が、この演算増幅器は差動周波数(即ち、100×12
0kHz=12MHz)の約100倍の利得帯域幅の積
と早いスリュー率を必要とすることになる。図4、図
5、図6に関連して説明した回路はこれらの要件の必要
性を除く。
【0059】LSIによって発生したパワーアップ信号
の持続時間中、ライン450(図4)の負直流電圧信号
が第1のブランチ455に沿ってCMOSスイッチング
装置453に直接送られ、ユニティーゲイン反転増幅器
451を含む第2のブランチに沿ってライン456を経
て第2のCMOSスイッチング454に送られる。これ
らのCMOSスイッチング装置は、出力ライン457に
ある共通のディジタル信号によって交互に切りかえられ
る。スイッチング装置453または454からの切りか
えられた電圧は、積分増幅器472の非反転入力部に送
られる。この積分増幅器は、入力電圧信号の代数サイン
に従って増減する傾斜出力電圧を発生する。この傾斜信
号は、電圧比較器452においてその反転入力部にある
基準電圧と比較される。この電圧は、抵抗器458、4
59を包含する抵抗回路網を通してもどされる比較器4
52の出力信号によって値+Vt、−Vtの間に切り換え
られる。
【0060】基準電圧Vrefは、パワーアップライン3
10からバイアスされる反転入力部を有する演算増幅器
461からパワーアップライン310と負ライン435
の間に接続された等価抵抗器465、466を包含する
分圧回路網を通してライン460で与えられる。コンデ
ンサ463、464は減結合コンデンサである。ライン
444上の基準電圧、ゼロ交差検波器439の基準電
圧、増幅器451および積分器456、非反転入力部上
の電圧および基準電圧±Vtはすべてライン460上の
基準電圧Vrefから引き出される。
【0061】電圧周波数変換回路314の動作を図7を
参照しながら以下に説明する。電圧周波数変換器314
への入力電圧としてライン450に送られ、整流平滑回
路313からの直流出力電圧−Vinで示されている(ラ
イン460上のVrefが0ボルトとして示されている)
スイッチング装置453、454への入力部のところの
ブランチ455、456上の電圧がそれぞれ図7の
(a)と(b)に示される場合の時間t0を考える。こ
のとき、ノアゲート470の出力部に現れる比較器の出
力信号は負の値−Vx〔図7(e)〕を有し、この信号
は同時にスイッチング装置453、454の制御入力部
に印加され、−Vin電圧を保留しながら積分増幅器47
2の反転入力部に電圧+Vinを入れる。図7の(c)は
積分増幅器472への入力電圧を示す。この増幅器は、
従って、入力部に値−Vint/RCを有する傾斜電圧V
out〔図7の(d)を参照〕を与える。ここでRCは積
分器472の有効抵抗値および容量値を示す。積分器4
72の出力電圧は電圧比較器452において限界電圧と
比較される。この限界電圧はこのとき値−Vtを有し、
反転入力部に印加される。出力傾斜電圧は基準電圧(時
間t1の時)に等しい場合、比較器472の出力は低い
方から高い方に変化して新しい値+Vx〔図7の
(e)〕となる。−Vxはライン435とほぼ同じ電位
であり、一方+Vxはライン310の電位とほぼ同じ電
位である。抵抗回路網458、459による比較器45
2の出力電圧の変化は比較器452の反転入力部にある
基準電圧+Vtを変化させる。同時に、比較器452の
新しい出力は装置453、454を切り替えて、今や積
分器472の反転入力部に加えられた電圧は値−Vin
なる。これは図7の(c)に示されている。つぎに、積
分器の出力電圧が傾斜V/RCを持って安定した状態で
上昇し、時間T2において値+Vtに等しくなる。その
後、回路はもう一回切り替わり、積分器の出力は再び立
ち下り傾斜電圧になる。従って(パワーアップ信号がL
SIで生じている間)パルス化された電圧信号がノアゲ
ート470の出力部からライン457に発生し、ライン
471に沿ってLSI316のLF入力部cに通ること
は了解されたい。明らかなように、積分器出力電圧の正
負の傾斜はVinの大きさに比例する。したがって、ライ
ン471に発生した信号の周波数はLF発振回路302
からの出力信号の振幅に正比例する。
【0062】基準電圧Vrefの選定した大きさは特に重
要なものではないということに注目されたい。それは整
流平滑回路313、反転増幅器451、積分器472お
よび比較器452にとって共通の基準電圧として用いる
からである。選定した大きさがライン310上の「パワ
ーアップ」電圧の約半分であって、ダイナミックレンジ
を通じて検出回路を線形に保つと適当である。また、積
分器472の入力電圧波形の正負の半サイクルに対して
同じ入力電圧(整流平滑回路313からの出力電圧)を
用いることにより、ライン471上の出力周波数信号に
何らオフセットがないということに注目されたい。すな
わち入力電圧Vinがほぼゼロのとき、ライン471上の
信号の周波数もほぼゼロになる。
【0063】さらに、ライン471上のLF信号の期間
はVtに比例し、これはつぎにパワーアップ電圧に比例
するが、Vinがパワーアップ電圧と共に増加する(Vin
は低周波発振器出力信号の振幅に比例する)ので出力期
間はパワーアップ電圧とほとんど無関係となる。
【0064】本質的に、LSIの機能はテスト中のコイ
ンが識別コインの許容コインであるかどうかを決定する
と同じ要領でa、b、cに受ける信号HF1、HF2、
LF信号を処理することにある。HF1、HF2の信号
の場合、LSIは所定のクロック間隔でHF信号があら
かじめセットした限界レベル(図10の説明においては
tHと呼ぶ)を横切る回数をカウントすることによって
瞬間周波数を決定する。LF信号の場合、LSIはその
各サイクルの間クロック回路422によって生じたクロ
ックパルスをカウントし、従って、LF信号の瞬間的な
期間を測定する。
【0065】理想的には、ドリフト、温度変化の影響を
補正するためLSIはHF1、HF2、LFカウント数
対ピークレベルのちょうど前後に存在するアイドリング
レベル(すなわち、対応するセンサの検査区域にコイン
がない場合)のピーク値の比を計算し、PROM315
から読み出された所定の上下の限界値のセットに対して
計算した比率を比較する。実際には、HF1、HF2信
号の場合、各ピークカウントはアイドル値とはかなり違
ったものとなり、従ってピーク周波数値とアイドリング
周波数との差を計算することによって完全補正にかなり
近い値が得られる。しかしながら、ある種のコイン金額
に対して減衰されたピークLF振幅はアイドル値よりも
かなり小さく、従って、LSIはLFカウントの場合指
数値を計算するようにプログラムされる。
【0066】ライン471上のLF出力信号はほぼ1:
1のマーク率の方形波であり、その周波数はLF発振回
路302の振動の大きさに従って変化する。LFセンサ
を通過するコインのピーク減衰率を正確に測定するため
に、LSIによって行なわれる各測定サンプルは好まし
くは2.5msより長く行なってはいけない。従って、
0.1%精度の場合、入力周波数は最低400kHzで
なければならないであろう。積分器帯域幅および比較器
452を通るときの信号伝播遅延の影響を最少限に抑え
るためには入力周波数よりもむしろLSIに送られるL
F入力信号の期間が先に指摘したように測定される。実
際の例では、最長期間は2msであるように選ばれ、5
12kHzクロックは各期間が最大カウント数1024
を与えるように決められる。この最長期間は発振器の最
小振幅に相当し、この最小振幅は最高の減衰を生じるコ
イン金額に相当する。LSIによって計算されるピーク
対アイドル比は8:1減衰率のコインの場合にフルスケ
ール測定を与えるように選ばれる。コインの不存在に相
当する最短期間は従って0.25msである。この「ア
イドル」期間は8回連続の期間にわたって測定されて分
解能を高め、コインが存在する前、またはコインが測定
場を去ったのちのいずれでも測定できる。測定後、LS
I316は2つの入力期間に相当する2つの10ビット
二進数を記憶領域に有する。第一の二進数(アイドル)
は8回連続のアイドル期間中に発生した全パルスのカウ
ント数である。第2の10ビット二進数(ピーク)はH
F1到達とHF2離脱との間に存在する任意の単一入力
期間に発生したクロックパルスの最大数のカウントであ
る。LSIは二進割算を行なう。
【0067】 (ピーク/アイドル)×512=正規化ピーク
【0068】この正規化ピークはコインの減衰率に相当
する9ビット二進数であり、LSIにおいてPROM3
15から読み出された上下の限界値のセットと比較され
る。
【0069】パワーオンボルトの大きさ、512kHz
クロック周波数積分器におけるRCの値、整流平滑回路
313利得およびLF発振回路302の絶対振幅は低周
波検出回路が線形のレスポンスを持っているならば正規
化ピーク値に影響を与えない。コイン検査装置の全体的
な動作を特にLSIによって行なわれるステップ(80
0−842)を示す図8を参照しながら以下に説明す
る。
【0070】ここで、ドリデーション装置がオフであ
り、どこにもコインがないものと仮定する。つぎに、こ
の装置がオンにされる。以下の説明では、LSIの動作
の理解を容易にするために、LSIに送られるHF1、
HF2およびLFの入力信号を扱うモードが唯一つとし
て説明するが、実際には、先に述べた要領でライン47
1上のLF信号を扱うような、より複雑な技術を採用す
ることもできる。
【0071】ステップ800 LSIがレジスタ、ラッチ、タイマおよびシーケンサの
すべてをリセットする。
【0072】ステップ801 遅延時間(たとえば256ms)がタイムアウトシし、
HF1発振回路をそのスタンバイ、すなわちアイドリン
グモードで充分な時間正規の発振周波数に定める。
【0073】ステップ802 つぎに、HF1アイドルカウントがLSIに蓄えられ
る。
【0074】ステップ803 上記の要領においてLSIは所定のクロック間隔におい
て発振器信号がVtHスレショルド〔図10(d)〕と交
差する回数に相当するカウントをくり返し蓄える。各カ
ウントにおいて、LSIは、HF1カウントマイナスス
テップ802で蓄えられたHF1アイドルカウントに等
しいΔHF1を計算する。
【0075】ステップ804 各計算された値ΔHF1はΔHF1T〔HF1T(図1
0の(a)を参照)に相当するカウントマイナスHF1
アイドルカウントに等しい〕と比較され、もしこのΔH
F1カウンがΔHF1よりも大きくない場合は、LSI
は元にもどってつぎのHF1カウントに関してステップ
803をくり返す。しかしながら、ΔHF1カウントが
ΔHF1Tカウントを越えている場合には、LSIはス
テップ805に進む。明らかなように、ステップ804
はコインの到達を実際にサーチしている。特に、コイン
の到達の検出前には、電子スイッチ316、308がオ
フとなっていることに注目されたい。これはライン31
7にLSIによってパワーアップ信号が発生させられて
おらず、従ってLF、HF2発振回路302、301が
消勢されているからである。また、ライン318にLS
I316によって「PROMエネイブル」信号が発生さ
せられていないので、PROM315も消勢されてい
る。従って、電源から引かれた電流のみがHF1発振器
をスタンバイ状態に維持し、かつLSIを付勢するのに
必要なものとなる。この全電流は、たとえば5ボルトで
約1mAより小さいだろう。
【0076】ステップ805 LSIはパワーアップラッチをセットする。このパワー
アップラッチはライン317上にパワーアップ信号を発
生するようになっておりHF1発振器に全電力を供給
し、LF、HFに回路を付勢するようになっている。同
時に、プログラムはHF1信号に対してはステップ80
6に進みLF、HF信号に対してはステップ826に進
む。
【0077】ステップ806 所定時間(この例では256ms)をタイムアウトする
ようにセットしたHF1タイマが始動される。このHF
1タイマの目的は後に説明する。
【0078】ステップ807 コインの到達が検出されたので、各連続ΔHF1カウン
トは受け取られた最高のΔHF1値についてチェックを
受ける。もし電流値が先に述べたピーク値を越えている
場合には、この電流カウントが新しいピーク値として代
用される。
【0079】ステップ808 各ΔHF1カウントがΔHF1Tカウントを越えている
かどうかについての決定が行なわれる。もし越えている
場合には、プログラムはステップ809に進むが、越え
ていない場合(すなわちHF1離脱が検出された場
合)、プログラムはステップ810に進む。
【0080】ステップ809 HF1タイマがタイムアウトした場合、プログラムはス
テップ811に進む。そうでなければ、プログラムはス
テップ808にもどり、つぎのΔHF1カウントに関し
てステップ808をくり返す。HF1タイムド期間(2
56ms)はすべての許容コインについてHF1離脱が
HF1タイムド期間内に検出されてしまうように選ばれ
る。しかしながら、装置が使われていないときにHF1
アイドルドリフトのようなファクタがΔHF1アイドル
カウントをΔHF1Tスレショルド以上に上昇させてし
まうことも考えられる。このようにして、LSIはコイ
ンの到達を誤検出し、さらにHF1離脱がまったく検出
されないことになる。このような状態の下で、HF1タ
イマがない場合にはLSIリセッティングは生じ得ない
であろう。しかしながら、HF1Tスレショルドまで上
昇するHF1のアイドルカウントの異常事態において
も、256ms遅延時間後、プログラムはステップ81
1に進む。
【0081】ステップ811 新しいHF1アイドルカウントが格納される。
【0082】ステップ812 レジスタ、ラッチ、タイマおよびシーケンスのすべてが
リセットされ、プログラムはステップ803に戻り、別
のコインの到達のためのサーチを開始する。普通の状態
では、プログラムはステップ808から810に直接進
む。
【0083】ステップ810 HF1タイマがリセットされる。
【0084】ステップ813 ステップ807で決定されたピークΔHF1カウントが
PROMに格納されたHF1の上下限界値のいくつかの
セットと比較され、このピークカウントが識別金額の1
つの上下限界値の間にあるかどうかを決定する。
【0085】ステップ826 LF、HF2の信号に戻って、プログラムは、同時にス
テップ814(LF)および815(HF2)に進む前
に、プリセット期間(たとえば32ms)の間遅延す
る。この遅延はLF、HF2発振における過渡現象をL
F、HF2測定が行なわれる前に消しさる。
【0086】ステップ814 LF信号の各サイクルにおいてカウントされたクロック
パルスの数に相当するLFカウントはくり返し蓄えられ
る。
【0087】ステップ816 受け取られたいくつかのカウントの内ピークLFカウン
トについてサーチが行なわれる。
【0088】ステップ815 HF2アイドルカウントが蓄積される。
【0089】ステップ817 LSIはHF2信号がクロック間隔において所定のスレ
ショルドレベルと交差する回数に相当する。HF2カウ
ントをくり返し蓄積し、各HF2カウントについてHF
2カウントマイナスHF2アイドルカウントに等しい値
ΔHF2を計算する。
【0090】ステップ818 LSIはいくつかのHF2カウントの最大のものをピー
クカウントとして格納する。
【0091】ステップ819 LSIはHF2Tより大きいΔHF2カウントからΔH
F2Tより小さいΔHF2カウントまでの過渡現象につ
いてサーチする。過渡条件がみたされない場合にはプロ
グラムはステップ816、818に戻り、ピークLF、
HF2カウントについてのサーチを続ける。過渡条件が
みたされる場合(すなわち、HF2離脱)、プログラム
はステップ820、821に同時に進む。
【0092】ステップ820 ΔHF2ピークカウントはPROMから読み出された異
なったコイン金額についてのΔHF2の上下の限界値と
比較され、HF2ピークが識別金額のいずれか一つにつ
いての限界値の間にあるかどうかを決定する。
【0093】ステップ821 LSIはLFアイドルカウントを蓄積する。これに関し
ては、HF1、HF2の測定の場合、コインが検査区域
に到達する前にアイドル値を蓄積する必要があるという
ことを指摘したい。なぜならば、コインが検査区域にあ
るときに行なう計算にアイドル値が必要であるからであ
る。しかしながら、LFの場合、測定されるのはLFピ
ーク対LFアイドルの比であり、したがって、アイドル
値はコインが検査区域にある前でも後でも測定され得
る。この例では、コインが検査区域を去ったのちにLF
アイドルを測定した方が便利であることが解った。
【0094】ステップ822 LSIはステップ816で決定されたLFピークカウン
ト対ステップ821で決定されたLFアイドルカウント
比を計算する。
【0095】ステップ823 LSIはこの計算したLF比をPROMから読み出され
る異なったコイン金額についての上下のLF比限界値と
比較する。
【0096】ステップ824 LSIが有効性検査を行ない、ステップ813、820
および823において実施されたHF1、HF2、LF
テストの各々がテスト中のコインについて同じ金額を示
しているかどうかを調べる。もし示している場合には、
コインは合格であり、さもなければ不合格である。つぎ
にプログラムは、ステップ812、825に同時に進
む。ステップ812についてはすでに説明した。
【0097】ステップ825 LSIがステップ824で実施された有効性検査の結果
を出力する。
【0098】さきに説明したコイン有効性検査装置の非
常に重要な特徴は、PROMの使用によって、装置を種
々の国々のコインセットに合わせるために行なう必要の
ある改造がPROMに格納されたデータを変えるだけで
よいということである。
【0099】図9を参照して時間プロットとしてバリデ
ーション回路の種々の信号および電流の変化が示してあ
る。図9の(a)、(c)はHF1、HF2の発振器の
出力信号の周波数の変化を示しており、図9の(b)は
LF発振器出力信号の振幅を表わしている。図9の
(d)はHF1発振器とLSIの引き込んだ全電流を示
している。この電流はHF1Tスレショルドが達成され
たのちアイドリングレベルからより高いレベルまで変化
し、この高いレベルがHF2周波数がHF2Tスレショ
ルド以下に低下したのち短時間の間持続し、その後HF
1発振器がアイドリングに戻る。HF1到達を感知した
ときに最も減衰率の大きいコインの減衰効果でさえ小さ
いので、アイドリングHF1電力消費量は非常に小さ
く、たとえば5ボルトで約1mAより小さい。LF、H
F2発振器は、HF1発振器がフルパワーで作動してい
ると同じ時間付勢される。これが図9の(e)に示して
ある。このとき(PROMが付勢されているときを別に
して)バリデーション回路の使用する全電流は5ボルト
で約15mAである。図9(f)は、PROMが、第1
の期間中HF1限界値を読み出し得るように付勢され、
HF2離脱後第2、第3の期間の間まずHF2を、つぎ
にLFの限界値を読み出し得るように付勢されることを
示している。バリデーション回路で用いる全電流は5ボ
ルトで約50−150mAで比較的高く、その間PRO
Mが付勢されている。しかしながら、PROMが各コイ
ンごとに付勢される3つの期間は限界値の必要な読み出
しにちょうど充分な長さであって、PROMが付勢され
る全時間を最少限に抑えるように選ばれる。さきに述べ
た電力消費量は安いという理由でPROMをバイポーラ
PROMSに変えることが考えられる。CMOS PR
OMSが電力消費量が低いという理由で市販されている
が、一般にそのコストは高くて不適当である。図9の
(g)は使用される全電流(フルライン)が時間と共に
どのように変化するかを示している。破線は平均消費電
流の代表的な値(5ボルトで2mA以下)を示してい
る。もちろん、この値はコイン検査装置に連続的にコイ
ンを挿入する間隔の平均時間に依存する。
【0100】図4を参照して、パワーアップ信号がLS
Iによって発生させられたときを除いて、ノアゲート4
48、470、506の出力が論理「0」に保たれるこ
とに注目されたい。これは各ゲートの下流にある回路を
不作動状態にし、従って電力消費量を減じ、これらのノ
アゲートの他の入力部におけるいかなる偽の信号をも無
効とする。すべての電子回路が絶えず付勢されている公
知のコイン検査装置の場合、全電流はたとえば一点鎖線
で示すようなものとなろう。従って、明らかに、本発明
の装置は平均消費量をかなり減らし、公衆電話のような
用途にも特に使用することができるようになる。また、
LSI以外の回路は最少限に抑えられるので、コストが
小さくなりかつ信頼性が高まる。
【0101】例えば、各識別コイン金額に対する各テス
ト(HF1、LFまたはHF2)と組み合わされた各上
限値または下限値は9ビット数であり、これは4ビット
データワードで組織化される種類のPROMに格納され
る。従って、PROMから9ビット数を読み出すには、
このPROMに対しての3つの別々のアドレスを用いる
必要がある。従って、図示実施例では、6種類のコイン
金額を識別することができるコイン有効性装置の場合、
PROMは36回の連続バーストにおいてHF1限界値
を読み出すように付勢され得る。これは各数が3つのア
ドレスを必要とし、6種類のコイン金額の各々について
2つの限界値(上限、下限)があるからである。PRO
Mは1マイクロ秒で各読み出しが行なえるように組織化
される。従って、3種類のテストのためにすべての限界
値を読み出すのにPROMを付勢するのに必要とされる
全時間は3×36×1マイクロ秒イコール108マイク
ロ秒となろう。このようにPROMをアドレス指定する
ことによって、PROMで消費する平均電力はきわめて
小さくなることは明らかであろう。
【0102】回路がLFまたはHF2発振器をオンにし
たときからコインがセンサLFまたはHF2の検査区域
に入ったときまでの時間TLF〔図9(b)〕、T
HF2〔図9(c)〕を可能としていることも注目された
い。これらの期間はLF、HF2発振器を適当な時間に
スイッチオン後一定アイドリング周波数、振幅に落ち着
かせることを可能とする。
【0103】HF1発振器をパワーアップする重要性を
より充分に理解してもらうために図10をここで参照さ
れたい。図10(a)は図9(a)に相当し、HF1発
振器の時間経過につれた周波数の変化を示している。t
Iはコインが発振磁場と相互作用して周波数を増加させ
ると共に信号の振幅を減少させはじめたばかりの時間で
ある。時間tIIにおいて、周波数信号はHF1Tスレシ
ョルドに達し、HF1発振器はさきに述べたようにパワ
ーアップされる。周波数信号は時間tIIIで最大値に達
し、つぎに再び低下してHF1Tスレショルド以下に下
る。最後に、時間tIVにおいて、HF1発振器はそのア
イドリング状態に戻される。
【0104】図10(b)、(c)は、それ自体より低
い電力レベル〔図10(b)〕とより高い電力レベル
〔図10(c)〕で連続的に付勢されるために先に述べ
た本発明の第1、第2の特徴の実施例を構成していない
が、HF1、HF2発振器の周波数に一致する周波数で
作動する発振器の出力発振信号を示している。図10
(b)、(c)および(d)が純粋に図式的なものであ
り、連続した振動が説明のために充分に広げられて示し
ていることを強調したい。これらの図において、発振信
号の包絡線が破線で示してある。「+」および「−」は
供給電力レールを示している。すでに説明したように、
LSIは発振器信号が所定の期間内で電圧スレショルド
THと交差する回数をカウントすることによって瞬間的
な発振器信号周波数を連続的に査定している。図10
(d)において、低電力またはアイドリングで差動して
いる発振器の信号波形が示されている。これで解るよう
に、検査区域にコインがない場合のピーク信号レベルは
電圧スレショルドVTHよりもそれほど大きくなく、した
がって時間Tの間、発振器信号が充分に減衰されスレシ
ョルドVTHを交差することができなくなる。したがっ
て、この時間の間、LSIはパルス周波数に相当するカ
ウントを蓄積する機能を続けることができない。この理
由で図10(c)に示すように、公知の発振器では電力
が充分に高いレベルにセットされ、発振器信号の最も大
きく減じられた大きさのものでもスレショルドVTHを越
えることになる。比較的安い市販のLSIでは、そこで
用いられるCMOS装置のスイッチングスレショルドが
広い製造公差を与えられているので、発振器電力は充分
に大きくして最大の信号減衰を発生させるコインの場合
でもCMOSスレショルド電圧の最高値を越えることに
なるようにしなければならない。この要求動作を満足す
るように設計されたある種の発振回路では、それがアイ
ドリングにあるときに消費される電力は上記の類の用途
にとってはあまりにも高すぎる。
【0105】図10(d)は、この欠点が検査区域にコ
インが到達したときにパワーアップされる発振器を用い
ることによってどのように克服されるかを示している。
この点について、図10(b)に関して特に注目しても
らいたいのは、低い電力で作動している発振器の場合で
も、時間tIIで(コイン到達)、発振信号のピークがな
お電圧スレショルドVTHを越え、したがって、LSIが
コインの到達を検出できるということである。したがっ
て、HF1発振器はコインがないときに低電力でアイド
ル作動するように設計される。明らかなように、時間t
IIまで、比較的低い電力だけを必要とする。時間tII
おいてHF1発振器はパワーアップされ、これは発振器
信号の大きさを増大させ、このときでもスレショルドV
THを越えることになる。HF1T発振器は時間TAの間
パワーアップされるだけで良いが、HF2、LF発振器
がオフとなると同時にHF1発振器を「パワーダウン」
させるともっと便利である。このようにしなければ、2
つの別々の制御信号が必要となろう。この理由のため
に、図示実施例ではHF1発振器は時間tIVまでパワー
アップされ続ける。
【0106】理想的には、スレショルドレベルHF1P
を充分な低さにセットして、コインが磁場との最大相互
作用の位置に来る前に充分に越えられるようにしておか
なければならない。これはピーク減衰が達成される前に
過渡減少を消え去らせるための最高の時間TBを与え
る。たとえば、TBは数ミリ秒のオーダにあり、HF1
発振周波数が1000サイクル/1msのオーダにあっ
て連続したサイクルが図10(b)ないし(d)に示す
よりもかなり接近した状態になるということに注目され
たい。しかしながら、HF1発振信号を説明するために
示した要領は、これらの図の理解を助けるために作用し
たものである。
【0107】このようにして実際に、HF1発振器はス
タンバイモードで検査区域へのコインの到達のみを検出
することができるが、充分な発振振幅をピーク減衰率に
維持することができるようにパワーアップされ、ピーク
周波数を量的な評価を行なってコインが合格であるかど
うかを決定できるようになっていなければならない。
【0108】コインの到達を検出すると共に、コインに
ついてのテストを行なう唯一つの位置に感知装置を設け
た場合、コイン到達を感知する到達センサと到達センサ
によって作動させられる別体の測定用センサとを用いな
くて良いので特に有利であることを指摘したい。またH
F1発振器はコインがその検査区域に到達するまでパワ
ーアップされないので、HF1発振器がパワーアップさ
れる期間が短くなり、したがって、コイン有効性検査装
置の平均電力消費量を「最低にする」。
【0109】すでに図1、図2に関連して説明したよう
に、コイントラック4の傾斜配置はコインがHF1、L
F、HF2センサを通過するときにできるだけ後壁6と
面接触し続けるようにするため設計してある。このよう
にしなければ、コインが側方運動を発生してHF1、L
F、HF2ピーク値を不正確にし、許容コインを不合格
としたり、にせのコインを誤って合格としたりすること
になるかもしれない。このようにコイントラックを傾け
ているにもかかわらず、実際には、センサを通過するコ
イン移動経路にほんの少しの変化があることが解った。
特にスペースの制限のために種々のセンサをエネルギー
消散装置3(図1)に接近して設けた場合にこれがあ
る。これを補正して測定値のばらつきを減らすために、
HF1、LFセンサはそれぞれコイントラックの片側に
一つずつ配置した1対の感知コイルを包含する。図11
を参照して、HF1センサは前壁5に装着した測定用コ
イルHF1Mと後壁6に装着した補正用コイルHF1C
とを包含する。この実施例において、これら測定用、補
正用コイルは並列に接続してある。2つのコイルの相対
インダクタンス(L1、L2)は、その有効インピーダ
ンスが測定を越えるHF1MのインダクタンスL1に主
として依存し、その結果、測定用コイルが2つのコイル
HF1M、HF1C間に生じさせた発振磁場とコイン7
との間の相互作用を主として感知するようになってい
る。したがって、HF1MコイルのインダクタンスはH
F1Cコイルのインダクタンスよりかなり小さい。しか
しながら、HF1発振器300からの出力発振信号につ
いてのコイン移動経路における変化の影響を良好に補正
することに補正用コイルの効果があるということが解っ
た。しかしながら2つのコイルのインダクタンスが等し
い公知の装置と比べれば、測定感度は充分に高く、しか
もなおコイン厚さに対する依存度は高く、測定値のばら
つきもほんの少しであり、好ましいものである。その結
果、感度対ばらつきの比に大きく依存する全体的な精度
が改善される。事実、2つのコイルのインダクタンス値
を適切に選択することによって、全精度が最高となり得
る。この選択は、センサの前のコイントラックの長さ、
コイントラックの側壁が垂直面から傾いている角度およ
びコインのはね返りを最少限に抑えながらコインの移動
方向を変えるためにコイントラックの頂に設けた任意の
エネルギー消散装置の有効性などのようなファクタに依
存する。代表的な例を挙げれば、コインの側方運動の成
分が非常に小さい場合、最高の測定精度を得るための感
知コイルのインダクタンスまたはキャパシタンスの比は
約10%ほどの低さになる。側方運動がより大きい場合
には、この比を約90%ほどの高さの値に選ばなければ
ならないかもしれない。
【0110】2つのコイルが直列に接続してある別の配
置では、測定用コイルは補正用コイルよりもかなり大き
いインダクタンスを持ち、2つのコイルの有効インピー
ダンスを主として測定用コイルのインダクタンスによっ
て決定しなければならないであろう。
【0111】LFセンサの場合にも同様の考えを採用す
る。ただし、LF測定用コイルは後壁6に装着し、補正
用コイルは前壁に装着することが適当である。HF2セ
ンサはほとんどいかなる厚みによる影響をも避けるため
に単一の感知コイルで構成してある。いずれにしても、
コインが単一のHF2コイルに到達するときまでに、コ
イン移動経路におけるいかなる変化およびその影響も無
視され得る。
【0112】以上に述べたLFアイドル周波数を選ぶこ
との重要性について認識してもらうために、以下図12
に言及する。
【0113】図12には、同じ寸法(直径D)と厚さ
(t0)の3つのコインが示してあり、これらのコイン
は誘導センサ装置の2つのコイルによって両側面から周
波数f0の発振電磁場Hを受ける。この電磁場は、先に
述べたように、上下の限界が約80kHzと200kH
zである範囲内にある。周波数f0は好ましくは約12
0kHzであり、LFコイルはコインが検査区域を通過
するとき、その面に対してほぼ直角に磁場が向くように
配置方向決めされる。
【0114】図12(a)を参照して、この第1のコイ
ンは金属Xで作ったコアと別種の金属Yの被覆とからな
る。金属X、Yの導電性および磁力透過性は磁場が金属
Xよりも金属Yをより容易に突き抜けることになるよう
に選ばれる。第2のコイン〔図10(b)〕は第1のコ
インと同じ厚さの被覆を有するクラットコインである
が、この場合コアは金属Yからなり、被覆は金属Xから
なる。しかしながら第3のコイン〔図10(c)〕で
は、コインは全体的に均質であり、唯一種の金属Xから
なる。
【0115】周波数f0、3つのコインのそれぞれのス
キン深さがコインのいかなる被覆の深さよりも下である
が、コインの中心平面Pの深さまでに至っていないよう
に選ばれる。第1のコインの場合、「スキン深さ」はδ
1で示してある。しかしながら第2のコインの場合、ス
キン深さδ2はδ1より大きい。それは、磁場が金属Xよ
り金属Yをより容易に透過することができるからであ
る。この理由のために、第3のコインの場合には、スキ
ン深さδ3は最も小さい。
【0116】LF処理回路における3つの異なったピー
ク減衰レベルが図2に示す3種類のコインに関して存在
することは了解されたい。磁場がコインのすべての部分
を通して充分な程度まで透過することになるように充分
に低い周波数を用いようとしている場合は、「平均化」
効果が発生するため、第1と第2のコインははっきりと
区別することは不可能となる。一方、「スキン効果」に
より、磁場がコイン被覆の厚さの下まで充分に透過でき
ないようにすべく周波数を非常に高いものとしようとし
ている場合には、第2、第3のコインを区別することは
不可能となろう。しかしながら、特定の範囲内でLFア
イドリング周波数を適切に選択することによって、いく
つかの異なったコイン材料をより確実に区別することが
できる。
【0117】LFセンサはかならずしも2つの感知コイ
ルで構成しなければならない訳ではない。例えば、唯一
つの感知コイルであっても良く、この場合、LFテスト
はコインの厚さとはほとんど無関係となるという利点が
ある。一方、コイン移動経路における変化についての補
正もまったくなくなる。
【0118】最後に、LFセンサについて先に述べた特
定の周波数範囲を用いることから生じる利点は誘導感知
装置を用いることを必然的に伴うということであるが、
誘導センサの代りにアウトオブバランスセンサを採用す
ることによってコイン移動経路変化についての補正およ
びコイン到達時のパワーアップという利点がある限り、
容量センサを用いても良いことを強調したい。
【0119】先に述べたコインバリデータについては種
々の修正が可能である。例えば、LFセンサはコイン材
質に主として反応する片側コイルであっても良い。バリ
データの移動デッキの形状寸法を適当に選ぶことによっ
て、LFセンサを通過するコイントラックに沿ったコイ
ン移動時のいかなる同様の影響も最少限となる。
【0120】HF1発信器についてのある種の回路配置
の場合、電力消費量は無視し得る程度ということができ
るが、この場合HF1発信器に対して切替えなしの電力
供給が要求される。かわりに、図13(図3で用いたと
同じ参照符号が同じあるいは相当する部品を示してい
る)に示したようにHF1発信器300は電源304の
正端子から供給を受け、この電源から連続的に電流を引
いて抵抗要素306を通してアースに流している。
【0121】別の修正が図13の回路に行なわれてい
る。図3の実施例では、LSIの電力消費量は小さくて
無視し得る程度であるが、LSIは絶えず付勢されてい
る。しかしながら、同じ情況で、さらに全体の電力消費
量を減らすことが望ましく、これは図13の回路に採用
した切替え供給配置によって達成され得る。
【0122】図示したように、ブランチ接続部1005
が供給ライン400から減圧装置1000に通じてお
り、この減圧装置の出力部はライン1006を経てLS
I316の電力供給入力部に接続してある。通常開の電
子スイッチ1001が減圧装置1000と並列に接続し
てある。このスイッチ1001は制御入力部を有し、こ
の制御入力部はライン317に接続してあってLSIに
よって発生したパワーアップ信号を受け、スイッチを閉
ざすようになっている。
【0123】減圧装置1000は、最も簡単な減圧装置
で、高いインピーダンス抵抗要素を包含する。コイン到
達前、スイッチ1001は開いており、電源304の正
電位の一部(LSIの高い内部抵抗によって決定され
る)がLSIに印加されている。このようにLSIに供
給された電力は、コイン到達を検出させるのに充分なも
のである。
【0124】コイン到達後、ライン317にパワーアッ
プ信号が発生したとき、電子スイッチ1001が閉じ、
減圧装置1000を効果的に短絡させ、従って電源30
4の正電位をLSI316の供給入力部に直接与え、L
SIがフルパワーで作動してコインの有効性検査を行な
うことになる。
【0125】CMOS LSIのダイナミック電流消費
量がそれを横切る電位低下の二乗に比例し、従ってパワ
ーアップ信号がライン317上に存在しているときを除
いて、LSIによって消費される全電力はかなり減じら
れることに注目されたい。
【0126】コイン到達に先だってLSIに印加される
電圧は、LSIがそのプログラムを正しく実施する必要
な最小電圧より充分に大きい必要があるが、LSI内の
電力消費量を最少限に抑えるという観点から選ばなけれ
ばならない。さらに、バリデータを接続しようとしてい
る組合わせ装置(たとえば自動販売機、または公衆電
話)内に設けられた特定の回路に依存して、この特定回
路に出力論理信号を正しく送るようにLSIには最少限
の供給電圧が必要である。RV-Rの値は上記の基準が同
時に満足され得るように注意深く選ばれる。しかしなが
ら、LSIの内部抵抗はその作動状態によって変わる可
能性があり、これはLSIに認可される電圧を変化させ
すぎることになる。このような電圧変動を防ぐために、
減圧装置1000は、図14に示すように、分圧器の形
をとっており、抵抗要素1000に1003およびユニ
ティゲイン増幅器1004を包含する。この増幅器の入
力部は分圧器のタッピングポイントに接続してあり、出
力部はLSIの供給入力部に接続してある。このように
して、LSIへの供給電圧は抵抗要素1003の抵抗値
がRLSIにおけるいかなる変化にも関係なく要素100
2、1003の総合直列抵抗に向かう限り電源電圧の同
じ部分に等しく保たれる。
【0127】先に述べた実施例では、センサHF1から
の信号はコインが合格であるか否かを決定するのに用い
られるが、種々の回路ブロックのパワーアップ(すなわ
ち、0または低い電力から全作動電力まで上昇する)は
信号が許容コインについて適切なものであるかどうかが
解るかどうかには無関係にコイン到達を示す乱れがHF
1信号に発生したというだけのことに応じて達成され
る。従って、この検査装置は電気的または機械的な改造
なしに世界中の国々で使われているコインの少なくとも
大部分に応じて自動的なパワーアップ機能を果たすこと
ができ、この装置を異なった国で採用する場合には、P
ROM内の限界値の格納を行なうだけで良い。
【0128】また、本物のコインであるかもしれない全
ての物品の到達が感知され、最初のテストを通過した物
品のみが合格コインか不合格コインかの判別を行なわれ
ることになる。従って、コイン検査機能について必要な
もの以外の構成要素を加えることなく、許容できないコ
インの数および許容できるコインの数を監視させ得る信
号を利用することができる。これは、特定の装置が異常
な数のスラグを受けているか、にせもののコインを受け
入れているか、あるいは正しく機能してないのではない
かということを査定するためのガイドとして役立てるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は特にコイントラックに沿った3つの誘導
センサの配置を示すコインバリデータの概略側面図であ
る。
【図2】図2は図1の1a−1a線に沿った断面図であ
る。
【図3】図3は誘導センサと関連して用いられる判定制
御回路の簡略化したブロックダイアグラムの図である。
【図4A】図4Aはこの回路の詳細な回路図の1であ
る。
【図4B】図4Bはこの回路の詳細な回路図の2であ
る。
【図5】図5は図3、図4Aの回路に含まれる整流平滑
回路の簡単な回路図である。
【図6】図6はこの整流平滑回路の動作を説明する信号
ダイアグラムの図である。
【図7】図7は整流平滑回路からの出力信号が供給され
アナログデジタル変換器の動作モードを示す別の信号ダ
イアグラムの図である。
【図8A】図8Aは、図3、図4Aおよび図4Bの回路
に含まれる大規模集積回路(LSI)がどのようにプロ
グラム化されるかを示すフローチャートの1である。
【図8B】図8Bは、図3、図4Aおよび図4Bの回路
に含まれる大規模集積回路(LSI)がどのようにプロ
グラム化されるかを示すフローチャートの2である。
【図9】図9は判定制御回路の異なった部分に電力が供
給される時刻を示す波形ダイアグラムの図である。
【図10】図10は判定制御回路において、高周波発振
器をパワーアップすることの有意性を説明するための種
々の信号波形を示す図である。
【図11】図11は、第1の誘導センサが発信回路にど
のように接続するかを示す図である。
【図12】図12は同一の直径、厚みの、直径方向断面
で示す3つのコインにおける種々の「スキン深さ」を示
す図で、各コインが唯一つの特定の周波数の発振電磁場
に両側からさらされる状態を示しており、これらのコイ
ンが異なった金属で、(a)が異なった金属で包んだ金
属コア、(b)が二種の金属を逆にしてコアを被覆した
コイン、および(c)唯一つの金属からなるものを示す
図である。
【図13】図13は修正した判定制御回路を示す、図3
に類似した簡略ブロックダイアグラムの図である。
【図14】図14は、図13の回路の一部を実現する好
ましい方法を示す回路ダイアグラムの図である。
【符号の説明】
4,5,6 コイン経路構成装置 HF1,LF,HF2 誘導性装置 316,315 回路装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハッチンソン,デレク イギリス国.ミドルセックス,ヒリングト ン,マールトル クローズ 7 (56)参考文献 特開 昭51−31296(JP,A) 特開 昭52−50295(JP,A) 特開 昭53−106198(JP,A) 実開 昭55−96475(JP,U) 実公 昭52−46551(JP,Y1)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイン検査動作のために電力を必要とす
    るコインの有効性検査装置であって、コイン経路を構成
    する装置(4、5、6)及びコイン経路上のコインと
    相互作用を行なって情報信号を発生する複数の電磁誘導
    相互作用装置(HF1、LF、HF2)とからなる装
    置において;前記電磁 誘導性相互作用装置の1つ(HF1)が大部分
    のコインに応答して特定情報信号を発生しており、該
    数の電磁誘導性相互使用装置各々からの情報信号が許容
    コインを示しているかどうかを決定するための回路装置
    (315)電磁誘導性相互作用装置の前記1つ(HF
    1)からの前記特定情報信号が発生したときに作動して
    前記電磁誘導性相互作用装置の他のものへのコイン検査
    動作を可能にする電力の供給を開始する検出装置(31
    6)とを含み、該検出装置は電磁誘導性相互作用装置の
    前記1つ(HF1)からの特定情報信号が合格コインを
    示しているかどうかにかかわらず作動するようになって
    おり、それにより前記電力供給はコインがコイン経路
    に沿って通過するたびごとに実質上行なわれるように
    れていることを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、個々に
    パワーアップされ得るようになっている回路部分(31
    )を含み、該検出装置はコイン検査動作を必要とする
    期間を前記回路部分の各々をパワーアップし、それ以外
    の期間ではパワーアップしないようにしていることを
    徴とする装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の装置において、前記回
    路部分の1つ(315)が許容コインに関連づけられて
    いる基準値を含む記憶部であり、該検出装置(316)
    記憶部の内容にアクセスすることを必要とする期間
    該記憶部をパワーアップし、他の期間にはパワーアップ
    しないようになっていることを特徴とする装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の装置において、電磁誘
    導性相互作用装置(HF1)の前記1つが連続的な電力
    供給で作動するようになっており、前記検出装置(31
    6)が前記特定情報信号の発生に応答して残りの電磁誘
    導性相互作用装置をパワーアップするようになっている
    ことを特徴とする装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の装置において、情報信
    号が許容コインを示しているかどうかを決定する前記
    装置(316)少なくとも所定の振幅( TH
    持する情報信号を必要とし、該情報信号が前記電磁誘導
    性相互作用装置のコインとの相互作用に応答して振幅を
    減じるようになっており、低電力時には情報信号の
    減少した振幅が前記所定の振幅より小さくなっており、
    前記電磁誘導性相互作用装置がパワーアップ時に該情報
    信号の減少した振幅が所定の振幅以上になるようにされ
    ことを特徴とする装置。
  6. 【請求項6】 請求項乃至5のいずれかに記載の装置
    において、すべてのコインを装置に挿入するための共通
    のコイン経路(4、5、6)を有することを特徴とする
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項乃至6のいずれかに記載の装置
    において、前記回路装置が許容コインと組合わせた基準
    値を含む記憶装置(315)を含み、これら回路装置が
    前記基準値と前記情報信号を比較して検査されているコ
    インが許容コインであるかどうかを決定するように作動
    し、前記記憶装置が合格であると判別される任意の所望
    セットのコインに相当する基準値の任意の所望セットで
    プログラム可能に記憶されていることを特徴とする装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の装置において、前記記
    憶装置がプログラム化可能な非揮発性リードオンリーメ
    モリであることを特徴とする装置。
  9. 【請求項9】 請求項乃至8のいずれかに記載の装置
    において、前記電磁誘導性相互作用装置は感知装置であ
    り、これら感知装置はコイン経路(4、5、6)の向か
    い合った側面上で互いにほぼ向かい合い、かつ互いに隔
    たった状態に装着してあり、コイン経路がそこを移動
    するコインが感知装置に対して横方向に並置する関係に
    ほぼとどまるように配置してあり、これらの感知装置が
    前記回路装置と接続してあり、感知装置の1つ(HF1
    M)が場とコインの間の相互作用の程度に応じてコイン
    の1つまたはそれ以上の特性を主として検出するように
    作用する測定装置であり、他方の感知装置(HF1C)
    がコイン移動経路における変化による測定値のばらつき
    を主として減じるように作用する補正装置であり、これ
    ら感知装置のインダクタンス値が異なった値に選ばれて
    測定感度対ばらつきの比を高めるようになっていること
    を特徴とする装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の装置において、前記
    感知装置が直列に互いに接続したインダクタンスであ
    り、該測定装置のインダクタンスが該補正装置のインダ
    クタンスより大きいことを特徴とする装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の装置において、
    感知装置が互いに並列に接続されたインダクタンスで
    あり、該測定装置のインダクタンスが該補正装置のイン
    ダクタンスより小さいことを特徴とする装置。
  12. 【請求項12】 請求項乃至11のいずれかに記載の
    装置において、前記電磁誘導性相互作用装置の少なくと
    も1つ(LF)が検査区域にあるコインに発振電磁場を
    与えるように配置した感知装置であり、前記回路装置が
    該電磁場とコインの相互作用の程度が許容コインかどう
    かを決定するように構成されてあり、該電磁場の磁束
    コインの面に対してほぼ直角の方向にこのコインを貫く
    ような向きとなっており、発振電磁場の周波数が80
    −200KHzに選ばれることを特徴とする装置。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の装置において、前
    記周波数がほぼ120KHzであることを特徴とする装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項乃至1のいずれかに記載の
    装置において、前記情報信号の少なくとも1つが発振信
    号の形で発生させられ、直流信号に交換され、この変換
    が整流回路(313)によって行なわれ、整流回路が
    第1、第2の回路網(445、446)と、これら2つ
    の回路網に交互に発振信号の正負の半サイクルを与える
    装置(440、441)と各回路網においてそれぞれの
    半波信号を直流信号に交換する平滑装置と、これら2つ
    の回路網からの直流信号を組合わせて大きさが2つの直
    流信号の係数の合計に等しい出力信号を発生する装置
    (447)とからなることを特徴とする装置。
JP15056493A 1981-12-10 1993-06-22 コインの有効性を検査する装置 Expired - Lifetime JPH07120454B2 (ja)

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