JPH0711923Y2 - チエーンソー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はチエーンソーに関する。

従来の技術 一般に、チエーンソーは、その機体カバーの後方部分若
くは上部中央部分に前後方向に延びるように設けられた
後ハンドルと、機体の一側部に沿つてその前部上方部分
からその一側部下方部分へ延びるように設けられた前ハ
ンドルとを有し、後ハンドルは作業者が片方の手でそれ
を握持して機体を保持するために利用され、前ハンドル
は作業者が他方の手でそれを握持してチエーンソーの鋸
刃チエーン案内板を樹木や木材等の切断対象物の切断位
置に正しく方向付けし且つ位置決めし、更に鋸刃チエー
ン案内板に切断のための切下げ力を与えるために利用さ
れる。このようなチエーンソーにおいて、従来のチエー
ンソーの前ハンドルは円形断面形状のパイプ材をもつて
形成されており、このため作業者が前ハンドルを握持し
た時に、ハンドルを握つた手がハンドルに沿つて滑り易
く、鋸刃を正しく方向付けし位置付け、また鋸刃チエー
ン案内板に切下げ力を与えるのにハンドルをしつかりと
握つて前ハンドルに押下げ力を加える必要があるので、
手に痛みを感じたり手の疲労を早めて作業能率を低下さ
せたり、機体を小形軽量化する為に細いパイプ材が使用
できない等の不具合があつた。

考案が解決しようとする課題 そこで、本考案は、上述したような従来のチエーンソー
の不具合を取除くと共に、構造が簡単で製作が容易なチ
エーンソーを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 すなわち、本考案によれば、機体に作業者が把持する前
ハンドル及び後ハンドルを設けたチエーンソーは、前記
前ハンドルがその表裏方向に薄く且つ前記機体の前後方
向に幅広い偏平な断面形状を有するとともに、前記機体
を構成するカバー部分の内側から前記機体に固定する上
端及び下端に向けてその幅を連続的に拡幅せしめた構成
を特徴とする。

作用 従つて、作業者が前ハンドルを把持した時、作業者は把
持した手の平に前後方向に方向性をもつた接触感覚を受
け、ハンドルをしつかりと握ることができてチエーンソ
ーの方向付け及び位置付けを容易に行うことができ、ま
た鋸刃チエーン案内板に切下げ力を与える時に手の平の
かなり広い部分が前ハンドルの偏平な上面部分に当たる
ので、前ハンドルに楽に押下げ力を加えることができる
とともに、ハンドルを薄形として、機体の小形軽量化を
計ることができる。

実施例 次に、本考案を図面の実施例に基づいて説明する。

図面に示すチエーンソーはエンジン（図示せず）を内部
に取付けた機体１を有し、該機体１は適当な合成樹脂材
料から成形され、左右に二分割にされたカバー部分２及
び３によつて構成された構造を有し、該カバー部分２及
び３は、それらの合せ面４において互いに合せられ、ボ
ルト等の適当な結合部材（図示せず）によつて一緒に結
合されて機体１を構成するようになつている。前記カバ
ー部分２及び３は、それらの上部に前後方向に延びる後
ハンドル部分５及び６をそれぞれ一体に形成しており、
該後ハンドル部分５及び６は、前記カバー部分２及び３
が上記したように一緒に結合される時に、互いに合せら
れて後ハンドル７を形成する。

前記左側のカバー部分２に前ハンドル８が設けられてい
る。該前ハンドル８は、前記機体１と同様な合成樹脂材
料から成形され、前記左側のカバー部分２の上部前方部
分９の側部に取付けられる上端10から前記左側のカバー
部分２の下部側方部分11に取付けられる下端12まで、前
記左側のカバー部分２の外側表面から作業者の手が楽に
入る様に適当に離間して延びる湾曲した形状を有してい
る。前記前ハンドル８は、その表裏方向に薄く、且つ前
記機体１の前後方向に幅広い偏平な、握り易い断面形状
を有する。前記前ハンドル８は、その上端10の端面にね
じ穴13及び14を形成しており、また下端12の端面にも同
様にねじ穴15及び16を形成している。これらのねじ穴1
3,14,15及び16には、前記左側のカバー部分２の内側か
ら該カバー部分２を通して差し込まれたねじ（図示せ
ず）がそれぞれ螺合され、それにより前ハンドル８は左
側のカバー部分２に固定される。なお、前ハンドル８は
薄形に成形されているので、その材質の弾性限内で容易
に撓めることができ、多少製作誤差があつても、組み付
けに支障をきたすことがない。前記機体１の前部には、
それから前方へ突出する鋸刃チエーン案内板17が設けら
れ、該鋸刃チエーン案内板17は、その周囲に無端の鋸刃
チエーン（図示せず）を駆動可能に案内支持し、該鋸刃
チエーンは、前記機体１内のエンジンからの駆動力によ
つて駆動されて、樹木や木材等の切断対象物を切断する
ようになつている。

上述したように、前ハンドル８は機体１の前後方向に幅
広く偏平な断面形状を有しているので、作業者が前ハン
ドル８を把持した時、作業者は把持した手の平に前後方
向に方向性をもつた接触感覚を受け、このため鋸刃チエ
ーン案内板を容易に切断対象物に対して正しく方向付け
し位置付けることができる。また鋸刃に切下げ力を与え
る時に手の平のかなり広い部分が前ハンドル８の偏平な
上面部分に当たるので、前ハンドル８に楽に押下げ力を
加えることができ、その際、手の痛みや疲労を緩和する
ことができ、作業能率を向上することができる。

考案の効果 以上説明した本考案の構成により、本考案は、チエーン
ソーの前ハンドルを握持した作業者の手に前後方向に方
向性を持つた接触感覚を与え、鋸刃チエーン案内板を切
断対象物に対して容易に方向付けし、且つ位置付けする
ことができ、前ハンドルの上端を機体の構成するカバー
部分の内側から機体に固定することによつて前ハンドル
と機体との固着部から外方へボルトの頭等が突出しない
構造としたことと相俟って、作業中に作業着等を引掛け
たりすることのないようにして安全を図り、切断作業中
に手の平のかなり広い部分を前ハンドルの偏平な上面部
分に当てて押下げ力を鋸刃チエーン案内板へ加えること
ができ、その際、手の痛みや疲労を緩和することがで
き、作業能率を向上することができる等の効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図及び第３図は本考案に係る一実施例チエ
ーンソーの異なる方向からみた斜視図であり、第４図は
第１図から第３図までのチエーンソーの前ハンドルの立
面図である。 １…機体、７…後ハンドル、８…前ハンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機体（１）に作業者が把持する前ハンドル
   （８）及び後ハンドル（７）を設けたチェーンソーにお
   いて、前記前ハンドルがその表裏方向に薄く且つ前記機
   体の前後方向に幅広い偏平な断面形状を有するととも
   に、前記機体を構成するカバー部分（２）の内側から前
   記機体に固定する上端（10）及び下端（12）に向けてそ
   の幅を連続的に拡幅せしめたことを特徴とするチェーン
   ソー。