JPH07118641A - コークス炉の炉高方向均一加熱方法および装置 - Google Patents

コークス炉の炉高方向均一加熱方法および装置

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JPH07118641A
JPH07118641A JP29258293A JP29258293A JPH07118641A JP H07118641 A JPH07118641 A JP H07118641A JP 29258293 A JP29258293 A JP 29258293A JP 29258293 A JP29258293 A JP 29258293A JP H07118641 A JPH07118641 A JP H07118641A
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JP
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flue
air
coke oven
stage
slide valve
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JP29258293A
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Inventor
Akira Onishi
晶 大西
Yutaka Suzuki
豊 鈴木
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭化室上下方向のコークス火落ち時間が一定
となる理想的な温度分布とする。 【構成】 燃焼室の各フリュー毎に燃料ガスと空気の開
口部を、前記フリュー底部とフリュー間隔壁10に多段
に設けたコークス炉の炉高方向均一加熱方法において、
前記フリュー間隔壁10に設ける二段目空気開口部9、
11を複数となし、その一つ11から水平方向に空気を
噴出させ、かつスライド弁12により流速を調節し、二
段目空気開口部の他の一つ9から傾め上方に空気を噴出
させ、かつスライド弁13によって流速を制御する。 【効果】 炭化室内上下方向での火落ち時間が均一化
し、熱効率とコークス品質が向上し、著しく生産性を高
めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、室炉式コークス炉に
おいて、炉高方向の炉壁温度分布を最適化することによ
って炭化室上下方向の火落ち時間を同じとなし、生産性
とコークス品質を向上できるコークス炉の炉高方向均一
加熱方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】室炉式コークス炉は、炉体の下部に蓄熱
室があり、その上部に炭化室と炉長方向に24〜30余
のフリューに分割された燃焼室とが交互に配置されてい
る。燃料ガスおよび空気(富ガス燃焼の場合は空気の
み)は、下部蓄熱室で予熱されて上部燃焼室の燃焼フリ
ューで燃焼後、引落としフリューを経て隣接する蓄熱室
に導入されて熱回収されたのち、煙道を経て煙突から排
出される。上記室炉式コークス炉における燃焼管理は、
コークス品質の確保、熱量原単位の低減、炉操業の安定
化、炉体の損傷防止の観点から最も重要である。コーク
ス炉の炉温管理においては、炉団全体の温度レベルを稼
働率に対応した温度に安定維持すること、ならびに石炭
の乾留が均一に進行するよう炉長、炉高、炉団方向の温
度分布を訂正に維持することが重要である。
【0003】近年コークス業界においては、特にコーク
ス生産性向上を目的としてコークス炉の大型化が検討さ
れている。このためには、炉高、炉巾の増大が必要とな
るが、炉高を大きくすると炉高方向で温度差が発生し、
炭化室上下方向での火落ち時間のバラツキ発生によるコ
ークス品質のバラツキが問題となる。この対策として
は、燃焼室の炉高方向の壁面温度分布を、炭化室の石炭
の嵩密度分布に対応して炭化室上下方向の火落ち時間が
ほぼ同じになるよう制御し、最適な温度分布を得ること
が重要な課題である。
【0004】コークス炉炭化室の上下方向の温度分布を
均一化する燃焼方式としては、ガス燃焼を高さ方向に数
段に分けて行う多段式バーナー方式、燃焼バーナーに高
低2種類のものを使用する高低バーナー方式、廃ガスの
一部を燃焼室内で循環させ、燃焼を遅らせることにより
長炎化を図る燃焼廃ガス循環方式、炭化室上部を下部よ
り狭くし、壁厚を薄くする炭化室寸法および壁厚変更方
式等が知られているが、炉高を8m以上に大型化した場
合に十分対応することはできない。
【0005】また、他の方法としては、吹き込まれたガ
スと空気の噴出口間に仕切煉瓦を置くように配慮すると
共に、この仕切煉瓦を高くし、かつ噴出口を垂直方向に
対し外方に向ける等の手段を用いて火炎の長炎化を実現
する方法(特公昭38−17811号公報)、加熱炉底
部のガスと空気の吐出口のそれぞれに仕切煉瓦を設け、
それぞれの仕切壁の高さを変えて下部燃焼室と上部燃焼
室とに分割し、底部の燃焼と上部の燃焼帯の火焔の引延
を計る方法(特公昭44−5703号公報)、高さ方向
多段バーナーの上位流体噴出口に開閉自在な調節弁を設
けて空気の流量を制御し、ガスと空気の会合点での火炎
帯を制御する、上下方向均一加熱方法(特公昭51−3
9241号公報)等の提案が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特公昭38−17
811号公報に開示の方法は、両噴出口の間にだけ仕切
を設けたものであるため、各ノズルからのガス、空気が
いかなる時期に燃焼室のどの高さに置いて会合燃焼する
か不確定である。さらに、長火炎化が実現できても燃焼
室底部の燃焼が十分でなく、燃焼帯の均一性という点か
ら十分ではない。また、特公昭44−5703号公報に
開示の方法は、一部の空気とガスの早期会合は、それだ
け火焔を引延せんとする要請を犠牲にすることになり、
結局底部における燃焼と長焔化とを矛盾なく同時に満足
させたものとなっておらず、更に貧ガスだけではなく富
ガスをも使用する複式のコークス炉にあっては当該仕切
煉瓦が殆ど上記の諸効果を奏しないことになる。さら
に、特公昭51−39241号公報に開示の方法は、上
位バーナーの流量調節だけでは中位、下位バーナーの燃
焼率を制御することは難しく、特にガスカロリー、稼働
率の変更に対し、上位バーナーの流量を調整することで
各段のバーナー流量を制御して温度分布を制御すること
は不可能である。
【0007】この発明の目的は、コークス炉において、
燃焼室炉高方向の温度分布を、炭化室上下方向のコーク
ス火落ち時間が一定となる理想的な温度分布となし、コ
ークス生産性とコークス品質を向上できるコークス炉の
炉高方向均一加熱方法および装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべくモデル計算とモデル燃焼実験によって種々
試験研究を重ねた。その結果、多段燃焼の場合、2段目
(上位)バーナーから吹込まれた空気は、フリュー底部
に吹込まれた燃料ガスのうち、底部に吹込まれた空気と
未反応燃料ガスと会合して燃焼反応が発生する。この
時、2段目バーナーからの空気の吹込み角度と流速を変
えることによって、乱流混合反応速度が変化し、燃焼率
分布、壁面温度分布が変化することを究明した。すなわ
ち、同じ空気量を2段目(上位)バーナーから吹込む場
合は、吹込み角度が垂直上向きに近くなるほど、流速が
大きくなるほど2段目バーナーの燃焼帯では長炎化し、
炉上部の温度が上昇することを究明し、この発明に到達
した。
【0009】すなわち本願の第1の発明は、燃焼室の各
フリュー毎に燃料ガスと空気の開口部を、前記フリュー
底部とフリュー間隔壁に多段に設けたコークス炉の炉高
方向均一加熱方法において、前記フリュー間隔壁に設け
る二段目空気開口部を複数となし、その一つから水平方
向に空気を噴出させ、かつスライド弁により流量調節
し、二段目空気開口部の他の一つから傾め上方に空気を
噴出させ、かつスライド弁によって流速を制御すること
を特徴とするコークス炉の炉高方向均一加熱方法であ
る。
【0010】また、本願の第2の発明は、燃焼室各フリ
ュー毎に燃料ガスと空気の開口部を、前記フリュー底部
とフリュー間隔壁に多段に設けたコークス炉の炉高方向
均一加熱方法において、前記フリュー間隔壁に設ける二
段目空気開口部を複数となし、その一つから水平方向に
空気を噴出させ、かつスライド弁により流量調節し、二
段目空気開口部の他の一つからの空気噴出は、スライド
弁と流れ方向調節弁によって開口部での噴出方向と空気
流速を制御することを特徴とするコークス炉の炉高方向
均一加熱方法である。
【0011】さらに、本願の第3の発明は、燃焼室の各
フリュー毎に燃料ガスと空気の開口部を、前記フリュー
底部とフリュー間隔壁に多段に設けたコークス炉の炉高
方向均一加熱装置において、前記フリュー間隔壁に設け
る二段目空気開口部を複数とし、その一つは水平方向に
向き、かつスライド弁を有し、二段目空気開口部の他の
一つは傾射角を持ち、かつ空気流速を制御するスライド
弁を有することを特徴とするコークス炉の炉高方向均一
加熱装置である。
【0012】さらにまた、本願の第4の発明は、燃焼室
の各フリュー毎に燃料ガスと空気の開口部を、前記フリ
ュー底部とフリュー間隔壁に多段に設けたコークス炉の
炉高方向均一加熱装置において、前記フリュー間隔壁に
設ける二段目空気開口部を複数とし、その一つは水平方
向に向き、かつスライド弁を有し、二段目空気開口部の
他の一つは空気流速を制御するスライド弁と流れ方向を
調節する調節弁を有することを特徴とするコークス炉の
炉高方向均一加熱装置である。
【0013】
【作用】本願の第1の発明においては、フリューの隔壁
に設ける二段目空気開口部を複数となし、その一つから
水平方向に空気を噴出させ、かつスライド弁により流量
調節し、二段目空気開口部の他の一つから傾め上方に空
気を噴出させ、かつスライド弁によって流速を制御する
ことによって、また、本願の第2の発明においては、フ
リュー間隔壁に設ける二段目空気開口部を複数となし、
その一つから水平方向に空気を噴出させ、かつスライド
弁により流量調節し、二段目空気開口部の他の一つから
の空気噴出は、スライド弁と流れ方向調節弁によって開
口部での噴出方向と空気流速を制御することによって、
二段目空気開口部から吹込まれた空気は、フリュー底部
に吹込まれた燃料ガスのうち、底部に吹込まれた空気と
未反応の燃料ガスと混合して燃焼するが、空気の吹込み
角度および速度を制御することによって、乱流混合反応
速度が変化し、燃焼率分布、壁面温度分布を変化させる
ことが可能となる。すなわち、同じ空気量を2段目(上
位)バーナーから吹込む場合は、吹込み角度が垂直上向
きに近くなるほど、流速が大きくなるほど2段目バーナ
ーの燃焼帯では長炎化し、炉上部の温度を上昇させるこ
とができる。また、フリュー底部においては、底部空気
流出口の開度調整によって底部燃焼帯火炎の長炎化と短
炎化を行うことができ、上記二段目空気開口部の空気の
吹込み角度および速度制御を組合せることによって、炉
内温度分布の制御性は向上する。
【0014】また、本願の第3の発明においては、フリ
ュー間隔壁に設ける二段目空気開口部を複数とし、その
一つは水平方向に向き、かつスライド弁を有し、二段目
空気開口部の他の一つは傾射角を持ち、かつ空気流速を
制御するスライド弁を設けたことによって、さらに本願
の第4の発明においては、フリュー間隔壁に設ける二段
目空気開口部を複数とし、その一つは水平方向に向き、
かつスライド弁を有し、二段目空気開口部の他の一つは
空気流速を制御するスライド弁と流れ方向を調節する調
節弁を設けたことによって、二段目空気開口部の一つか
ら吹込む空気を水平方向に噴出させ、かつスライド弁に
より流量調節することができる。また、二段目空気開口
部の他の一つから吹込む空気を傾め上方に噴出でき、か
つスライド弁によって流速を制御できる。これによっ
て、2段目バーナーの燃焼帯においては、乱流混合反応
速度が変化し、燃焼率分布、壁面温度分布を変化させる
ことが可能となり、炉高方向の温度分布を均一化でき、
炭化室上下方向の火落ち時間をほぼ均一にすることが可
能となる。
【0015】上記この発明における炉高方向温度分布の
調節方法は、コークス炉下部の温度を上げる場合、下部
から吹き込む空気の量を増加するか、下部の空気とガス
とのバーナー間を狭くし、混合燃焼を早くするか、上部
からの吹き込む空気の量を減少するか、あるいは上部か
ら吹き込む空気の吹き込み角度を水平に近くし、炎を短
くすることにより制御することができる。また、コーク
ス炉上部の温度を上げる場合、下部から吹き込む空気の
量を減少するか、下部の空気とガスとのバーナー間隔を
広くし、混合燃焼を遅らせ、炎を長くするか、上部から
の吹き込む空気の量を増加するか、あるいは上部から吹
き込む空気の吹き込み角度を垂直方向に近くし、炎を長
くすることにより制御することができる。
【0016】この発明における二段目空気開口部からの
吹込み空気の調節方法は、水平方向ノズルと傾斜ノズル
の開口部のスライド弁の開口比で吹き込み角度を調節す
ることができる。また、水平方向ノズルと傾斜ノズルの
両方のノズルの開口面積の大小調節によって、総空気流
量を調節することができる。また、コークス炉の操業に
おいては、稼働率に応じて貧ガスから富ガスへの切替え
のようにガスカロリーの異なる燃料ガスの切替え、石炭
水分に応じたガス流量の調整が行われる。燃焼条件は相
違するが炉高方向で所定の温度勾配を得るためには、こ
れらの調節弁により、二段目バーナーの空気流量と吹込
み角度および底部からの空気吹込み量のバランスをとる
ことにより炉高方向の最適温度分布が得られる。このと
き炉底部の気体流入用の開口部の位置をダンパー弁で調
節し炉底部燃焼帯の長炎化を行う事により一層の温度制
御性が向上する。
【0017】また、コークス炉燃焼室中で形成される窒
素酸化物は、第1に熱的NOXであてその生成率は火炎
中の酸素濃度と窒素濃度の積に比例し、かつ火炎温度に
指数関数的に依存していることが知られている。NOX
生成を低減させるための公知の手段は、燃焼ガスを再循
環させることによって火炎温度を低下させるか、または
部分的に燃焼させることによって酸素および窒素濃度を
減少させることを目標にしている。この発明において
は、コークス炉炉高方向の温度分布を均一化させること
によって、これまで火落ち不良防止のため高目に設定し
ていた炉温を下げることができ、すなわち最大火炎温度
を低下させることにより、NOX生成率を従来の300
〜500ppmから200ppm以下に低減させること
が可能となる。
【0018】
【実施例】
実施例1 以下にこの発明方法の詳細を実施の一例を示す図1ない
し図4に基づいて説明する。図1はこの発明の炉高方向
均一加熱装置を備えたコークス炉の一部概略断面図、図
2はフリュー間隔壁内に設けた2段目空気吹込み開口部
に、水平方向に噴出する導通管開口部と傾斜した方向に
噴出する導通管開口部に分割され、その吐出流速は開口
度を調節できるスライド弁を設けた場合の概略断面図、
図3はフリュー間隔壁内に設けた2段目空気吹込み開口
部の噴出方向を調整する調整弁と噴出流量を調節するス
ライド弁を設けた場合の概略断面図、図4はフリュー底
部のガス流出口と空気流出口との開度調整をするダンパ
ー弁部の平面図で、(a)図はガス流出口と空気流出口
を接近させた場合、(b)図はガス流出口と空気流出口
を離間させた場合を示す。
【0019】図1において、1は燃焼フリュー、2は引
落としフリュー、3は図示しない蓄熱室と連通する空気
導通管、4は同じく図示しない蓄熱室と連通する燃料ガ
ス導通管、5はフリュー底部の空気流出口で空気導通管
3の分岐した一方と連結している。6は同じくフリュー
底部の燃料ガス流出口で、燃料ガス導通管4と連結して
いる。また、空気流出口5および燃料ガス流出口6に
は、それぞれダンパー弁7、8が設けられている。図2
において、9はフリュー間隔壁10内に設けた空気導通
管3の分岐した他方と連結した2段目バーナーの傾斜方
向空気吹出し開口部、11は同じく空気導通管3の分岐
した他方と連結した2段目バーナーの水平方向空気吹出
し開口部で、それぞれスライド弁12、13が開度調節
自在に設けられている。また、図3において、14はフ
リュー間隔壁10内に設けた空気導通管3の分岐した他
方と連結した2段目バーナーの空気吹出し開口部、15
は空気吹出し開口部14に設けた噴出方向調節弁、16
は同じく空気吹出し開口部14に設けたスライド弁であ
る。
【0020】図示しない蓄熱室で予熱された空気は、空
気導通管3を通り燃焼フリュー1に送り込まれ、一部は
フリュー底部の空気流出口5から吹き込まれ、残りの空
気はフリュー隔壁10内に設けられた2段目バーナーの
傾斜方向空気吹出し開口部9、水平方向空気吹出し開口
部11または2段目バーナーの空気吹出し開口部14か
ら吹き込まれる。その吐出流速は、傾斜方向空気吹出し
開口部9、水平方向空気吹出し開口部11の場合、開口
度を調節できるスライド弁12、13によって、また、
空気吹出し開口部14の場合、噴出し方向調節弁15お
よびスライド弁16によって、吹込み流量と吹込み角度
(水平方向と傾斜方向との合成方向となる。)が制御さ
れる。燃焼フリュー1で燃焼した排ガスは、上部のヘア
ピントップで旋回して引落としフリュー2底部の空気流
出口5、燃料ガス流出口6、フリュー間隔壁10内に設
けた傾斜方向空気吹出し開口部9および水平方向空気吹
出し開口部11または空気吹出し開口部14を経て空気
導通管3および燃料ガス導通管4を経由して蓄熱室に導
かれ、熱回収されたのち煙道に至り大気中に排出される
よう構成されている。また、上記燃焼フリュー1と引落
としフリュー2は、一定時間経過すれば、切替えられ、
燃焼フリュー1が引落としフリューに、また、引落とし
フリュー2が燃焼フリューとなることは云うまでもな
い。
【0021】上記のとおり構成したことによって、2段
目(上位)バーナーより吹込まれた空気は、燃焼フリュ
ー1のフリュー底部の燃料ガス流出口6から吹込まれた
燃料ガスのうち、フリュー底部の空気流出口5から吹込
まれる空気と反応しなかったものと混合燃焼する。この
場合、2段目(上位)バーナーは、吹込み角度、ガス流
速を変えることによって、乱流混合反応速度が変化し、
燃焼率分布、壁温分布が変化する。すなわち同じ空気流
量を2段目(上位)バーナーから吹込む場合、吹込み角
度が垂直上向きに近くなるほど、流速が大きくなるほ
ど、2段目(上位)バーナーの燃焼帯は長炎化し、下流
側に移動し、炉上部の温度が上昇する。またフリュー底
部の空気流出口5および燃料ガス流出口6を、ダンパー
弁7、8を操作して開閉度調整すれば、フリュー底部燃
焼帯火炎の長炎化と短炎化を行うことができ、同時にこ
れと組み合わせることで炉内温度分布の制御性は向上す
る。
【0022】また、スライド弁やダンパー弁はガスカロ
リーや負荷率(流入ガス量)に応じて炉上部から長い棒
を使って容易に変更できる。図4には、フリュー底部の
の空気流出口5および燃料ガス流出口6を、ダンパー弁
7、8の開度調整を示している。(a)図のようにダン
パー弁7、8を調整して開口部を接近させると燃焼ガス
と空気はすぐに混合燃焼し、燃焼帯は短くなる。一方、
(b)図のように開口部を離反すると燃焼帯は長く下流
側へ延びる。なお、本実施例においては、2段バーナー
の場合について説明したが、多段バーナーについても応
用できることは云うまでもない。
【0023】実施例2 従来タイプ(1段バーナー)と本願発明タイプ(2段バ
ーナー)のそれぞれについて、炉高6mのコークス炉稼
働率100%の場合におけるフリュー内燃焼率分布と炉
高方向壁面温度分布を測定した。その結果を図5に示
す。また、本願発明タイプにおいて2段目バーナーノズ
ルからの空気吹込み条件を表1のように変化させ、フリ
ュー内燃焼率分布と炉壁温度分布をを測定した。その結
果を図6に示す。なお、この場合の傾斜方向の吹込み角
度は上45°とした。
【0024】
【表1】
【0025】図5に示すとおり、この発明によれば、コ
ークス炉の炉高方向温度分布を図5の破線のように制御
することができ、炭化室上下方向の乾留温度、火落ち時
間が均一となり、コークス生産性と品質の向上が可能と
なった。また、図6に示すとおり、2段目ノズルの吹き
込み角度を表1のように変化させることによって、フリ
ュー内燃焼率分布と温度分布は大きく変化することがで
きる。したがって、この2段目ノズルからの空気の吹込
み量と吹込み角度を調整すれば、最適な炉高方向温度分
布を得ることができる。
【0026】
【発明の効果】以上述べたとおり、本願発明によれば、
コークス炉炉高方向の温度分布を最適に制御でき、炭化
室内上下方向での火落ち時間が均一化し、過加熱するこ
となく最大温度を下げることが可能となり、熱効率とコ
ークス品質が向上し、著しく生産性を高めることができ
た。同時に排ガス中のNOXの発生も減少し、高品質の
コークスを効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の炉高方向均一加熱装置を備えたコー
クス炉の一部概略断面図である。
【図2】フリュー間隔壁内に設けた2段目空気吹込み開
口部に、水平方向に噴出する導通管開口部と傾斜した方
向に噴出する導通管開口部に分割され、その吐出流速は
開口度を調節できるスライド弁を設けた場合の概略断面
図である。
【図3】フリュー間隔壁内に設けた2段目空気吹込み開
口部の噴出方向を調整する調整弁と噴出流量を調節する
スライド弁を設けた場合の概略断面図である。
【図4】フリュー底部のガス流出口と空気流出口との開
度調整をするダンパー弁部の平面図で、(a)図はガス
流出口と空気流出口を接近させた場合、(b)図はガス
流出口と空気流出口を離間させた場合を示す。
【図5】実施例2における従来タイプと本願発明タイプ
の炉高方向の壁面温度分布とフリュー内炉高方向の燃焼
率分布を示すグラフである。
【図6】実施例2における本願発明タイプの2段目バー
ナーノズルの吹込み条件変更時の炉高方向の壁面温度分
布とフリュー内炉高方向の燃焼率分布を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 燃焼フリュー 2 引落としフリュー 3 空気導通管 4 燃料ガス導通管 5 空気流出口 6 燃料ガス流出口 7、8 ダンパー弁 9 傾斜方向空気吹出し開口部 10 フリュー間隔壁 11 水平方向空気吹出し開口部 12、13、16 スライド弁 14 空気吹出し開口部 15 噴出方向調節弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室の各フリュー毎に燃料ガスと空気
    の開口部を、前記フリュー底部とフリュー間隔壁に多段
    に設けたコークス炉の炉高方向均一加熱方法において、
    前記フリュー間隔壁に設ける二段目空気開口部を複数と
    なし、その一つから水平方向に空気を噴出させ、かつス
    ライド弁により流速を調節し、二段目空気開口部の他の
    一つから傾め上方に空気を噴出させ、かつスライド弁に
    よって流速を制御することを特徴とするコークス炉の炉
    高方向均一加熱方法。
  2. 【請求項2】 燃焼室各フリュー毎に燃料ガスと空気の
    開口部を、前記フリュー底部とフリュー間隔壁に多段に
    設けたコークス炉の炉高方向均一加熱方法において、前
    記フリュー間隔壁に設ける二段目空気開口部を複数とな
    し、その一つから水平方向に空気を噴出させ、かつスラ
    イド弁により流速を調節し、二段目空気開口部の他の一
    つからの空気噴出は、スライド弁と流れ方向調節弁によ
    って開口部での空気の噴出方向と流速を制御することを
    特徴とするコークス炉の炉高方向均一加熱方法。
  3. 【請求項3】 燃焼室の各フリュー毎に燃料ガスと空気
    の開口部を、前記フリュー底部とフリュー間隔壁に多段
    に設けたコークス炉の炉高方向均一加熱装置において、
    前記フリュー間隔壁に設ける二段目空気開口部を複数と
    なし、その一つは水平方向に向き、かつ開口度を調節で
    きるスライド弁を有し、二段目空気開口部の他の一つは
    傾射角を持ち、かつ開口度を調節できるスライド弁を有
    することを特徴とするコークス炉の炉高方向均一加熱装
    置。
  4. 【請求項4】 燃焼室の各フリュー毎に燃料ガスと空気
    の開口部を、前記フリュー底部とフリュー間隔壁に多段
    に設けたコークス炉の炉高方向均一加熱装置において、
    前記フリュー間隔壁に設ける二段目空気開口部を複数と
    なし、その一つは水平方向に向き、かつ開口度を調節で
    きるスライド弁を有し、二段目空気開口部の他の一つは
    開口度を調節できるスライド弁と流れ方向を調節できる
    調節弁を有することを特徴とするコークス炉の炉高方向
    均一加熱装置。
JP29258293A 1993-10-27 1993-10-27 コークス炉の炉高方向均一加熱方法および装置 Pending JPH07118641A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3681979B1 (de) 2017-09-15 2023-11-01 thyssenkrupp Industrial Solutions AG Koksofenvorrichtung mit exzentrischen einlässen zum herstellen von koks und verfahren zum betreiben der koksofenvorrichtung sowie steuerungseinrichtung und verwendung

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EP3681979B1 (de) 2017-09-15 2023-11-01 thyssenkrupp Industrial Solutions AG Koksofenvorrichtung mit exzentrischen einlässen zum herstellen von koks und verfahren zum betreiben der koksofenvorrichtung sowie steuerungseinrichtung und verwendung

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