JPH07116443B2 - 石炭の分解抽出液化法 - Google Patents
石炭の分解抽出液化法Info
- Publication number
- JPH07116443B2 JPH07116443B2 JP4164137A JP16413792A JPH07116443B2 JP H07116443 B2 JPH07116443 B2 JP H07116443B2 JP 4164137 A JP4164137 A JP 4164137A JP 16413792 A JP16413792 A JP 16413792A JP H07116443 B2 JPH07116443 B2 JP H07116443B2
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- Japan
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- solvent
- extraction
- extracting
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石炭の抽出率を大幅に
向上させうるとともに、抽出溶剤の重合反応による損失
を抑制しうる石炭の分解抽出液化法に関するものであ
る。
向上させうるとともに、抽出溶剤の重合反応による損失
を抑制しうる石炭の分解抽出液化法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】抽出溶剤による石炭の分解抽出液化法
は、通常、石炭をトルエンなどの有機溶剤を用いてその
臨界点を超える超臨界条件下(350〜450℃、50
〜200kg/cm2)で抽出することで石炭から無灰
の液状物を取り出すことによって行われている。
は、通常、石炭をトルエンなどの有機溶剤を用いてその
臨界点を超える超臨界条件下(350〜450℃、50
〜200kg/cm2)で抽出することで石炭から無灰
の液状物を取り出すことによって行われている。
【0003】この方法は、熱分解物が系外に抜き取られ
ることにより熱分解反応が促進され、また溶解希釈され
た熱分解物は直ちに系外に流出冷却されるため再重合す
ることはないが、抽出溶剤に溶解しないような重質な熱
分解物や、石炭表面に拡散されることなく石炭内部に長
時間滞留する熱分解物は、再重合して溶剤に不溶なチャ
ーとなってしまうために、石炭の揮発分量の約半分量し
か抽出量が得られない上に、溶剤同士が抽出時に反応し
て二量体を主体とする重合体を生成し、溶剤の回収率が
低下するという欠点がある。
ることにより熱分解反応が促進され、また溶解希釈され
た熱分解物は直ちに系外に流出冷却されるため再重合す
ることはないが、抽出溶剤に溶解しないような重質な熱
分解物や、石炭表面に拡散されることなく石炭内部に長
時間滞留する熱分解物は、再重合して溶剤に不溶なチャ
ーとなってしまうために、石炭の揮発分量の約半分量し
か抽出量が得られない上に、溶剤同士が抽出時に反応し
て二量体を主体とする重合体を生成し、溶剤の回収率が
低下するという欠点がある。
【0004】そこで、熱分解物の再重合を抑制するため
に、テトラリンなどの水素供与性溶剤を添加した混合溶
剤による分解抽出も検討されている。
に、テトラリンなどの水素供与性溶剤を添加した混合溶
剤による分解抽出も検討されている。
【0005】しかしながら、この方法では、抽出率は向
上するものの、高価な水素供与性溶剤を多量に使用しな
ければならず、テトラリンと抽出溶剤とのカップリング
により重合物が生じてテトラリンの回収率が低下すると
いう欠点がある。
上するものの、高価な水素供与性溶剤を多量に使用しな
ければならず、テトラリンと抽出溶剤とのカップリング
により重合物が生じてテトラリンの回収率が低下すると
いう欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の石炭の分解抽出液化法のもつ欠点を克服し、石炭
の抽出率を大幅に向上させうるとともに、抽出溶剤の重
合反応を抑制しうる石炭の分解抽出液化法を提供するこ
とを目的としてなされたものである。
従来の石炭の分解抽出液化法のもつ欠点を克服し、石炭
の抽出率を大幅に向上させうるとともに、抽出溶剤の重
合反応を抑制しうる石炭の分解抽出液化法を提供するこ
とを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、石炭の分
解抽出液化法について種々研究を重ねた結果、石炭を所
定の溶剤中でその超臨界条件下に分解抽出液化するに当
り、石炭をあらかじめ水素供与性溶剤で湿潤させる前処
理を施すことにより、抽出率を大幅に向上させ、かつ重
合反応を抑制しうることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
解抽出液化法について種々研究を重ねた結果、石炭を所
定の溶剤中でその超臨界条件下に分解抽出液化するに当
り、石炭をあらかじめ水素供与性溶剤で湿潤させる前処
理を施すことにより、抽出率を大幅に向上させ、かつ重
合反応を抑制しうることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、石炭100重量部に
水素供与性溶剤40〜80重量部を加え、室温でよくか
き混ぜて湿潤処理したのち、抽出溶剤中でその超臨界条
件下に分解抽出液化することを特徴とする石炭の分解抽
出液化法を提供するものである。
水素供与性溶剤40〜80重量部を加え、室温でよくか
き混ぜて湿潤処理したのち、抽出溶剤中でその超臨界条
件下に分解抽出液化することを特徴とする石炭の分解抽
出液化法を提供するものである。
【0009】本発明において石炭を湿潤させる前処理に
使用される水素供与性溶剤としては、好ましくはテトラ
リン、テトラヒドロキノリンなどが挙げられるが、実用
的には沸点200〜250℃程度のコールタール留分の
水添処理物が望ましい。
使用される水素供与性溶剤としては、好ましくはテトラ
リン、テトラヒドロキノリンなどが挙げられるが、実用
的には沸点200〜250℃程度のコールタール留分の
水添処理物が望ましい。
【0010】本発明において用いる抽出溶剤としては、
例えばトルエン、ピリジン、ベンゼン、ヘキサンなどが
挙げられ、特にBTX留分を主体とする沸点80〜15
0℃程度のコールタール留分が好ましい。
例えばトルエン、ピリジン、ベンゼン、ヘキサンなどが
挙げられ、特にBTX留分を主体とする沸点80〜15
0℃程度のコールタール留分が好ましい。
【0011】これら各溶剤は、減圧操作のみで容易に回
収することができ、抽出物を含んだ溶剤を順次減圧する
ことにより、重質成分から抽出物、水素供与性溶剤、抽
出溶剤の順序で順次分離される。このようにして分離さ
れた各溶剤は循環使用することができる。
収することができ、抽出物を含んだ溶剤を順次減圧する
ことにより、重質成分から抽出物、水素供与性溶剤、抽
出溶剤の順序で順次分離される。このようにして分離さ
れた各溶剤は循環使用することができる。
【0012】
【発明の効果】本発明方法によれば、石炭の抽出率を大
幅に向上させうるとともに、抽出溶剤の重合反応を抑制
しうるという顕著な効果を奏する。
幅に向上させうるとともに、抽出溶剤の重合反応を抑制
しうるという顕著な効果を奏する。
【0013】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明する。
明する。
【0014】実施例1〜5 石炭粉末100重量部にテトラリン50重量部を加え、
よく混合してペース状とし、所定の抽出器に仕込んだ。
これを加熱、加圧して表1示す抽出条件下に保持し、こ
の中に表1に示す超臨界化しうる各抽出溶剤を高圧ポン
プで流入させ、表1に示す抽出温度、圧力、時間の条件
下に抽出処理を行った。この際、抽出器の系内の圧力は
保圧弁により保つようにした。このようにして得られた
抽出物は、抽出溶剤と共に保圧弁を通って大気圧下の受
器に収容した。この抽出物について、その抽出率及びそ
の中の溶剤由来の重合体含有率を測定した。その結果を
表1に示す。
よく混合してペース状とし、所定の抽出器に仕込んだ。
これを加熱、加圧して表1示す抽出条件下に保持し、こ
の中に表1に示す超臨界化しうる各抽出溶剤を高圧ポン
プで流入させ、表1に示す抽出温度、圧力、時間の条件
下に抽出処理を行った。この際、抽出器の系内の圧力は
保圧弁により保つようにした。このようにして得られた
抽出物は、抽出溶剤と共に保圧弁を通って大気圧下の受
器に収容した。この抽出物について、その抽出率及びそ
の中の溶剤由来の重合体含有率を測定した。その結果を
表1に示す。
【0015】比較例1〜4 石炭粉末を直接抽出器に仕込み、これを加熱、加圧して
表1に示す抽出条件下に保持し、この中に表1に示す超
臨界化しうる各抽出溶剤を高圧ポンプで流入させ、表1
に示す抽出温度、圧力、時間の条件下に抽出処理を行っ
た。この際、抽出器の系内の圧力は保圧弁により保つよ
うにした。このようにして得られた抽出物は、抽出溶剤
と共に保圧弁を通って大気圧下の受器に収容した。この
抽出物について、その抽出率及びその中の重合体含有率
を測定した。その結果を表1に示す。
表1に示す抽出条件下に保持し、この中に表1に示す超
臨界化しうる各抽出溶剤を高圧ポンプで流入させ、表1
に示す抽出温度、圧力、時間の条件下に抽出処理を行っ
た。この際、抽出器の系内の圧力は保圧弁により保つよ
うにした。このようにして得られた抽出物は、抽出溶剤
と共に保圧弁を通って大気圧下の受器に収容した。この
抽出物について、その抽出率及びその中の重合体含有率
を測定した。その結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】これより明らかなように、本発明方法の方
が、従来法よりも石炭の抽出率を大幅に向上させうると
ともに、抽出溶剤の重合反応を抑制しうることが分か
る。
が、従来法よりも石炭の抽出率を大幅に向上させうると
ともに、抽出溶剤の重合反応を抑制しうることが分か
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 石炭をあらかじめ水素供与性溶剤で湿潤
処理したのち、抽出溶剤中でその超臨界条件下に分解抽
出液化することを特徴とする石炭の分解抽出液化法。 - 【請求項2】 水素供与性溶剤がテトラリンである請求
項1記載の石炭の分解抽出液化法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4164137A JPH07116443B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 石炭の分解抽出液化法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4164137A JPH07116443B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 石炭の分解抽出液化法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05331466A JPH05331466A (ja) | 1993-12-14 |
JPH07116443B2 true JPH07116443B2 (ja) | 1995-12-13 |
Family
ID=15787455
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4164137A Expired - Lifetime JPH07116443B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 石炭の分解抽出液化法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07116443B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20150136580A1 (en) * | 2013-11-19 | 2015-05-21 | Uop Llc | Process for pyrolyzing coal using a recycled hydrogen donor |
CN113416569A (zh) * | 2021-06-29 | 2021-09-21 | 胜帮科技股份有限公司 | 一种粉煤热解焦油组合床加氢装置及方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB1482690A (en) * | 1974-12-19 | 1977-08-10 | Coal Ind | Hydrogenation of coal |
JPS5839463B2 (ja) * | 1980-07-14 | 1983-08-30 | 工業技術院長 | 石炭の液化方法 |
-
1992
- 1992-05-29 JP JP4164137A patent/JPH07116443B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
燃料協会誌第69巻第8号(1990年8月)P721−725 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05331466A (ja) | 1993-12-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |