JPH07115993A - 肝細胞を用いたインビトロ染色体異常試験方法 - Google Patents
肝細胞を用いたインビトロ染色体異常試験方法Info
- Publication number
- JPH07115993A JPH07115993A JP26897793A JP26897793A JPH07115993A JP H07115993 A JPH07115993 A JP H07115993A JP 26897793 A JP26897793 A JP 26897793A JP 26897793 A JP26897793 A JP 26897793A JP H07115993 A JPH07115993 A JP H07115993A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hepatocytes
- compound
- inducing
- abnormality
- sample
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】(1)哺乳類の肝臓から肝細胞を分離する工
程、 (2)(a) 分離された肝細胞に増殖刺激物質を処理する
ことによって、肝細胞をインビトロで増殖させると同時
に、該肝細胞と検体である化合物とを接触させることに
よって、肝細胞中に存在する染色体に異常を誘発させる
工程、または(b)分離された肝細胞と検体である化合物
とを接触させることによって、肝細胞中に存在する染色
体に異常を誘発させた後、該肝細胞に増殖刺激物質を処
理することによって、肝細胞をインビトロで増殖させる
工程、 (3)得られた肝細胞を固定、染色した後、肝細胞中に
存在する染色体の異常を観察することによって、検体で
ある化合物の肝細胞に対する染色体異常誘発性を検出す
る工程、からなることを特徴とする染色体異常試験方
法。 【効果】本発明方法により、少ない労力と時間で化合物
の肝細胞に対する染色体異常誘発性を検出することがで
きるようになった。また、高薬物代謝活性を維持してい
る増殖後の肝細胞を用いることにより、高感度での検出
を可能とした。
程、 (2)(a) 分離された肝細胞に増殖刺激物質を処理する
ことによって、肝細胞をインビトロで増殖させると同時
に、該肝細胞と検体である化合物とを接触させることに
よって、肝細胞中に存在する染色体に異常を誘発させる
工程、または(b)分離された肝細胞と検体である化合物
とを接触させることによって、肝細胞中に存在する染色
体に異常を誘発させた後、該肝細胞に増殖刺激物質を処
理することによって、肝細胞をインビトロで増殖させる
工程、 (3)得られた肝細胞を固定、染色した後、肝細胞中に
存在する染色体の異常を観察することによって、検体で
ある化合物の肝細胞に対する染色体異常誘発性を検出す
る工程、からなることを特徴とする染色体異常試験方
法。 【効果】本発明方法により、少ない労力と時間で化合物
の肝細胞に対する染色体異常誘発性を検出することがで
きるようになった。また、高薬物代謝活性を維持してい
る増殖後の肝細胞を用いることにより、高感度での検出
を可能とした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肝細胞を用いたインビ
トロ染色体異常試験方法に関するものである。
トロ染色体異常試験方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】肝臓は薬物代謝の主要な臓器であり、生
体に損傷を与える化合物の標的臓器となりやすい。変異
原性試験は化合物の発ガン性を評価するためのスクリー
ニング試験として広く用いられている試験であり、なか
でも染色体異常試験は染色体の構造変化というダイナミ
ックな変異を検出する重要な試験である。細胞のガン化
には染色体の変異を伴うことが知られており、肝細胞に
おける化合物の影響を評価する上で染色体異常誘発性を
調べることは重要な意味をもっている。一般に、化合物
が細胞の染色体に及ぼす影響を調べるためには、その細
胞が増殖している(細胞周期をまわっている)必要があ
る。肝細胞は通常の状態ではG 0 期にあり、増殖は行っ
ていない。したがって、肝細胞における化合物の染色体
異常誘発性を検出するには、肝細胞を増殖させることが
必要である。従来は、動物の肝臓の部分的切除手術の実
施や、肝細胞を増殖させる化合物、即ち、増殖刺激物質
を動物に投与するなどの方法で肝細胞を増殖させ、その
動物に検体である化合物を投与して、肝細胞の染色体異
常を生体内(インビボ)で検出する方法が一般的であっ
た。
体に損傷を与える化合物の標的臓器となりやすい。変異
原性試験は化合物の発ガン性を評価するためのスクリー
ニング試験として広く用いられている試験であり、なか
でも染色体異常試験は染色体の構造変化というダイナミ
ックな変異を検出する重要な試験である。細胞のガン化
には染色体の変異を伴うことが知られており、肝細胞に
おける化合物の影響を評価する上で染色体異常誘発性を
調べることは重要な意味をもっている。一般に、化合物
が細胞の染色体に及ぼす影響を調べるためには、その細
胞が増殖している(細胞周期をまわっている)必要があ
る。肝細胞は通常の状態ではG 0 期にあり、増殖は行っ
ていない。したがって、肝細胞における化合物の染色体
異常誘発性を検出するには、肝細胞を増殖させることが
必要である。従来は、動物の肝臓の部分的切除手術の実
施や、肝細胞を増殖させる化合物、即ち、増殖刺激物質
を動物に投与するなどの方法で肝細胞を増殖させ、その
動物に検体である化合物を投与して、肝細胞の染色体異
常を生体内(インビボ)で検出する方法が一般的であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法では労力と時間がかかり、多くの化合物のスクリ
ーニングには不向きである。このため、少ない労力と時
間で化合物の肝細胞に対する染色体異常誘発性を検出す
る系の開発が望まれていた。
の方法では労力と時間がかかり、多くの化合物のスクリ
ーニングには不向きである。このため、少ない労力と時
間で化合物の肝細胞に対する染色体異常誘発性を検出す
る系の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況下で、本
発明者らは、鋭意検討を行った結果、肝細胞を生体外
(インビトロ)で増殖させる技術を用いることにより、
肝細胞における化合物の染色体異常誘発性をインビトロ
で検出するための毒性試験を確立することに成功し、本
発明を完成した。すなわち、本発明は、 (1)哺乳類の肝臓から肝細胞を分離する工程、 (2)(a) 分離された肝細胞に増殖刺激物質を処理する
ことによって、肝細胞をインビトロで増殖させると同時
に、該肝細胞と検体である化合物とを接触させることに
よって、肝細胞中に存在する染色体に異常を誘発させる
工程、または(b)分離された肝細胞と検体である化合物
とを接触させることによって、肝細胞中に存在する染色
体に異常を誘発させた後、該肝細胞に増殖刺激物質を処
理することによって、肝細胞をインビトロで増殖させる
工程、 (3)得られた肝細胞を固定、染色した後、肝細胞中に
存在する染色体の異常を観察することによって、検体で
ある化合物の肝細胞に対する染色体異常誘発性を検出す
る工程、からなることを特徴とする染色体異常試験方法
(以下、本発明方法と記す。)を提供するものである。
発明者らは、鋭意検討を行った結果、肝細胞を生体外
(インビトロ)で増殖させる技術を用いることにより、
肝細胞における化合物の染色体異常誘発性をインビトロ
で検出するための毒性試験を確立することに成功し、本
発明を完成した。すなわち、本発明は、 (1)哺乳類の肝臓から肝細胞を分離する工程、 (2)(a) 分離された肝細胞に増殖刺激物質を処理する
ことによって、肝細胞をインビトロで増殖させると同時
に、該肝細胞と検体である化合物とを接触させることに
よって、肝細胞中に存在する染色体に異常を誘発させる
工程、または(b)分離された肝細胞と検体である化合物
とを接触させることによって、肝細胞中に存在する染色
体に異常を誘発させた後、該肝細胞に増殖刺激物質を処
理することによって、肝細胞をインビトロで増殖させる
工程、 (3)得られた肝細胞を固定、染色した後、肝細胞中に
存在する染色体の異常を観察することによって、検体で
ある化合物の肝細胞に対する染色体異常誘発性を検出す
る工程、からなることを特徴とする染色体異常試験方法
(以下、本発明方法と記す。)を提供するものである。
【0005】以下、さらに詳細に本発明を説明する。 (1)哺乳類の肝臓から肝細胞を分離する工程に関し
て。本発明方法で用いられる哺乳類の肝臓は、たとえば
ラット、マウス等由来のものがあげられ、適するものと
して、SD系ラット、F344系ラット、ICR系マウス、
B6C3F1系マウス等をあげることができる。好ましくは、
SD系雄性ラット等があげられる。肝臓から肝細胞を分
離するには、たとえば「初代培養肝細胞実験法」、中村
敏一著、学会出版センター、1987等に記載される通常の
方法を用いることができる。具体的には、コラゲナーゼ
二段階灌流法、すなわち、麻酔されたラットを開腹し、
肝門脈を充分に露出させる後、該肝門脈にカニューレを
固定する。固定後直ちに、肝臓下の下大静脈を切断し、
前灌流用緩衝液を灌流する。この間に、胸郭部を開き、
右心房に入る横隔膜下の下大静脈に別のカニューレを固
定する。そして鉗子で切断した肝臓下の下大静脈を止め
る。この状態で、灌流液は肝門脈から肝臓を流れ、横隔
膜下の下大静脈を通って右心房より出てくる。前灌流用
緩衝液の灌流後、該灌流液を37℃に保温したコラゲナー
ゼ溶液に交換し、灌流を続ける。肝臓表面に酵素液がし
みだし、きめが荒くなってきたら灌流を中止し、肝臓を
摘出する。摘出された肝臓を動物細胞用培養液中で細切
することによって、肝細胞を分離させる方法等がある。
て。本発明方法で用いられる哺乳類の肝臓は、たとえば
ラット、マウス等由来のものがあげられ、適するものと
して、SD系ラット、F344系ラット、ICR系マウス、
B6C3F1系マウス等をあげることができる。好ましくは、
SD系雄性ラット等があげられる。肝臓から肝細胞を分
離するには、たとえば「初代培養肝細胞実験法」、中村
敏一著、学会出版センター、1987等に記載される通常の
方法を用いることができる。具体的には、コラゲナーゼ
二段階灌流法、すなわち、麻酔されたラットを開腹し、
肝門脈を充分に露出させる後、該肝門脈にカニューレを
固定する。固定後直ちに、肝臓下の下大静脈を切断し、
前灌流用緩衝液を灌流する。この間に、胸郭部を開き、
右心房に入る横隔膜下の下大静脈に別のカニューレを固
定する。そして鉗子で切断した肝臓下の下大静脈を止め
る。この状態で、灌流液は肝門脈から肝臓を流れ、横隔
膜下の下大静脈を通って右心房より出てくる。前灌流用
緩衝液の灌流後、該灌流液を37℃に保温したコラゲナー
ゼ溶液に交換し、灌流を続ける。肝臓表面に酵素液がし
みだし、きめが荒くなってきたら灌流を中止し、肝臓を
摘出する。摘出された肝臓を動物細胞用培養液中で細切
することによって、肝細胞を分離させる方法等がある。
【0006】(2)(a) 分離された肝細胞に増殖刺激物
質を処理することによって、肝細胞をインビトロで増殖
させると同時に、該肝細胞と検体である化合物とを接触
させることによって、肝細胞中に存在する染色体に異常
を誘発させる工程、または(b)分離された肝細胞と検体
である化合物とを接触させることによって、肝細胞中に
存在する染色体に異常を誘発させた後、該肝細胞に増殖
刺激物質を処理することによって、肝細胞をインビトロ
で増殖させる工程に関して。上記工程は、(i)肝細胞
に増殖刺激物質を処理することによって、肝細胞をイン
ビトロで増殖させる工程と(ii)肝細胞と検体である化
合物とを接触させることによって、肝細胞中に存在する
染色体に異常を誘発させる工程の2つの工程からなるも
のである。なお、工程の操作順序は、(i)と同時に
(ii)(以下、(2)(a)と記す。)または(ii)から
(i)(以下、(2)(b)と記す。)のどちらでもよい。
(i)の工程において用いられる増殖刺激物質として
は、たとえば、表皮増殖因子(以下、EGFと記
す。)、肝細胞増殖因子(以下、HGFと記す。)等を
あげることができる。これら増殖刺激物質の処理方法と
しては、あらかじめ、たとえば、約5%〜約10%牛胎
児血清を添加したウィリアムスE培地(Exp.Cell.Res.,
69:106〜112(1971) 等に記載)、約5%〜約10%牛胎
児血清を添加したダルベッコMEM培地(Virology,8:39
6(1959) 、Virology,12:185(1960))等の通常の動物細胞
培養培地に存在する、分離された肝細胞に対してインス
リン約10- 7 M程度と共に増殖刺激物質を約10ng/ml
〜約20ng/mlの割合の処理量で、かつ約24時間から
から約48時間程度の処理時間をあげることができる。
好ましくは、分裂指数が最大となるような時間、すなわ
ち約40時間から約45時間程度である。このようにし
て、分離された肝細胞をインビトロで増殖させることが
できる。なお、インスリンは肝細胞を安定な状態に保つ
ために添加したほうが望ましいが、必ずしも必要という
わけではない。(ii)の工程において、肝細胞と検体で
ある化合物とを接触させる方法としては、肝細胞(5x10
5 cells /10ml/シャーレ) に対して、検体である化合物を
約10-6mg/ml 〜約10mg/ml の割合の接種量で、かつ
約3時間から約48時間程度の接触時間をあげることが
できる。具体的には、たとえば、(2)(a)として、分離
された肝細胞に増殖刺激物質を処理することによって、
肝細胞をインビトロで増殖させると同時に、該肝細胞と
検体である化合物とを約3時間から約48時間程度接触
させる。なお、検体化合物との接触処理時間が増殖処理
時間より短い場合は、検体化合物との接触処理後、培地
交換を行なうことにより検体化合物を除去し、新たに増
殖刺激物質を添加する。そして検体化合物との接触処理
時間も含めた増殖処理時間が約24時間から約48時間
となるように培養する、2)(b)として、分離された肝細
胞と検体である化合物とを約3時間から約48時間程度
接触させた後、培地交換を行なうことにより検体化合物
を除去し、新たに増殖刺激物質を添加する。そして増殖
処理時間が約24時間から約48時間となるように培養
する、方法等があげられる。このようにして、肝細胞中
に存在する染色体に異常を誘発させることができる。
質を処理することによって、肝細胞をインビトロで増殖
させると同時に、該肝細胞と検体である化合物とを接触
させることによって、肝細胞中に存在する染色体に異常
を誘発させる工程、または(b)分離された肝細胞と検体
である化合物とを接触させることによって、肝細胞中に
存在する染色体に異常を誘発させた後、該肝細胞に増殖
刺激物質を処理することによって、肝細胞をインビトロ
で増殖させる工程に関して。上記工程は、(i)肝細胞
に増殖刺激物質を処理することによって、肝細胞をイン
ビトロで増殖させる工程と(ii)肝細胞と検体である化
合物とを接触させることによって、肝細胞中に存在する
染色体に異常を誘発させる工程の2つの工程からなるも
のである。なお、工程の操作順序は、(i)と同時に
(ii)(以下、(2)(a)と記す。)または(ii)から
(i)(以下、(2)(b)と記す。)のどちらでもよい。
(i)の工程において用いられる増殖刺激物質として
は、たとえば、表皮増殖因子(以下、EGFと記
す。)、肝細胞増殖因子(以下、HGFと記す。)等を
あげることができる。これら増殖刺激物質の処理方法と
しては、あらかじめ、たとえば、約5%〜約10%牛胎
児血清を添加したウィリアムスE培地(Exp.Cell.Res.,
69:106〜112(1971) 等に記載)、約5%〜約10%牛胎
児血清を添加したダルベッコMEM培地(Virology,8:39
6(1959) 、Virology,12:185(1960))等の通常の動物細胞
培養培地に存在する、分離された肝細胞に対してインス
リン約10- 7 M程度と共に増殖刺激物質を約10ng/ml
〜約20ng/mlの割合の処理量で、かつ約24時間から
から約48時間程度の処理時間をあげることができる。
好ましくは、分裂指数が最大となるような時間、すなわ
ち約40時間から約45時間程度である。このようにし
て、分離された肝細胞をインビトロで増殖させることが
できる。なお、インスリンは肝細胞を安定な状態に保つ
ために添加したほうが望ましいが、必ずしも必要という
わけではない。(ii)の工程において、肝細胞と検体で
ある化合物とを接触させる方法としては、肝細胞(5x10
5 cells /10ml/シャーレ) に対して、検体である化合物を
約10-6mg/ml 〜約10mg/ml の割合の接種量で、かつ
約3時間から約48時間程度の接触時間をあげることが
できる。具体的には、たとえば、(2)(a)として、分離
された肝細胞に増殖刺激物質を処理することによって、
肝細胞をインビトロで増殖させると同時に、該肝細胞と
検体である化合物とを約3時間から約48時間程度接触
させる。なお、検体化合物との接触処理時間が増殖処理
時間より短い場合は、検体化合物との接触処理後、培地
交換を行なうことにより検体化合物を除去し、新たに増
殖刺激物質を添加する。そして検体化合物との接触処理
時間も含めた増殖処理時間が約24時間から約48時間
となるように培養する、2)(b)として、分離された肝細
胞と検体である化合物とを約3時間から約48時間程度
接触させた後、培地交換を行なうことにより検体化合物
を除去し、新たに増殖刺激物質を添加する。そして増殖
処理時間が約24時間から約48時間となるように培養
する、方法等があげられる。このようにして、肝細胞中
に存在する染色体に異常を誘発させることができる。
【0007】(3)得られた肝細胞を固定、染色した
後、肝細胞中に存在する染色体の異常を観察することに
よって、検体である化合物の肝細胞に対する染色体異常
誘発性を検出する工程に関して。得られた肝細胞は、た
とえば、「化学物質による染色体異常アトラス」、JEMS
・MMS 分科会編、朝倉書店(1988)等に記載される通常の
方法を用いて固定することができ、また「染色のすべ
て」、月刊Medical Technology別冊、医歯薬出版(株)
(1988)等に記載される通常の方法を用いて染色すること
ができる。好ましくは、ギムザ染色液を用いる方法がよ
い。そして、肝細胞中に存在する染色体の異常を観察す
るには、通常顕微鏡を用いて行う。なお、分裂指数は、
対物レンズ約10倍から約20倍程度で、1標本当たり
約1000個程度の肝細胞の分裂指数を計数するとよい。ま
た、染色体の異常は、対物レンズ約100倍から約20
0倍程度で、1標本当たり約100 個程度の分裂中期像を
観察するとよい。染色体の異常の典型的例としては、染
色分体ギャップ、染色分体切断、染色分体交換、染色体
ギャップ、染色体切断、染色体交換等の形態的な変化を
あげることができ、このような染色体の異常が存在する
か否によって、検体である化合物の肝細胞に対する染色
体異常誘発性を検出することができる。
後、肝細胞中に存在する染色体の異常を観察することに
よって、検体である化合物の肝細胞に対する染色体異常
誘発性を検出する工程に関して。得られた肝細胞は、た
とえば、「化学物質による染色体異常アトラス」、JEMS
・MMS 分科会編、朝倉書店(1988)等に記載される通常の
方法を用いて固定することができ、また「染色のすべ
て」、月刊Medical Technology別冊、医歯薬出版(株)
(1988)等に記載される通常の方法を用いて染色すること
ができる。好ましくは、ギムザ染色液を用いる方法がよ
い。そして、肝細胞中に存在する染色体の異常を観察す
るには、通常顕微鏡を用いて行う。なお、分裂指数は、
対物レンズ約10倍から約20倍程度で、1標本当たり
約1000個程度の肝細胞の分裂指数を計数するとよい。ま
た、染色体の異常は、対物レンズ約100倍から約20
0倍程度で、1標本当たり約100 個程度の分裂中期像を
観察するとよい。染色体の異常の典型的例としては、染
色分体ギャップ、染色分体切断、染色分体交換、染色体
ギャップ、染色体切断、染色体交換等の形態的な変化を
あげることができ、このような染色体の異常が存在する
か否によって、検体である化合物の肝細胞に対する染色
体異常誘発性を検出することができる。
【0008】以上、実施例により詳細に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
発明はこれに限定されるものではない。
【0009】実施例1 (2−アセチルアミノフルオレ
ンの染色体異常試験) SD系雄性ラットをネンブタール(Abbott Lab.,III,US
A )で麻酔(0.3〜0.5ml /匹)し、開腹し、腸管を向か
って右に寄せて肝門脈を充分に露出させた。結紮糸を肝
門脈にかけて輪をつくり、その後肝門脈へカニューレを
挿入した。この際カニューレの針先から下記の組成の前
灌流用緩衝液がわずかに流れ出るようにした。 前灌流用緩衝液(pH7.2) NaCl 8(g/1000ml
dist. water ) KCl 0.4 NaH 2 PO4 ・2H2 O 0.078 Na2 HPO 4 ・12H 2 O 0.151 HEPES 2.38 NaHCO 3 0.35 フェノールレッドNa 0.006 EGTA 0.19 グルコース 0.9 HEPES :N-(2-Hydroxyethyl)piperazine-N'-2-ethanesu
lfonic acid EGTA :Ethyleneglycol bis( β-aminoethylether)-N,
N,N',N'-tetraaceticacid 針先が血管内に挿入されたことを確認した後、糸を結紮
し、カニューレを固定した。カニューレ固定後直ちに、
肝臓下の下大静脈を切断し、流速約30ml/ 分で37℃に保
温した前灌流用緩衝液を5分間灌流した。この間に、胸
郭部を開き、右心房に入る横隔膜下の下大静脈に結紮糸
の輪をかけた。右心房を切開し、右心房から下大静脈に
別のカニューレを挿入した。挿入後、糸を結紮してカニ
ューレを固定した。そして鉗子で切断した肝臓下の下大
静脈を止めた。この状態で、前灌流用緩衝液は肝門脈か
ら肝臓を流れ、横隔膜下の下大静脈を通って右心房より
出てくるようにした。前灌流用緩衝液の灌流後、該灌流
液を37℃に保温した下記の組成のコラゲナーゼ溶液に交
換し、同じ流速で約10分間灌流を続けた。肝臓表面に
酵素液がしみだし、きめが荒くなってきたら灌流を中止
し、肝臓を摘出した。 コラゲナーゼ溶液(pH7.5) NaCl 8(g/1000ml
dist. water ) KCl 0.4 NaH 2 PO4 ・2H2 O 0.078 Na2 HPO 4 ・12H 2 O 0.151 HEPES 2.38 NaHCO 3 0.35 フェノールレッドNa 0.006 CaCl2 0.56 コラゲナーゼ 100000 Units トリプシンインヒビター 0.05 ペニシリン 50000 IU ストレプトマイシン 0.05 HEPES :N-(2-Hydroxyethyl)piperazine-N'-2-ethanesu
lfonic acid 摘出された肝臓は氷冷した10%牛胎児血清(MBL社
製)を添加したウィリアムスE培地中で保持した。肝細
胞を同培地中ではさみで細切した。得られた細胞浮遊液
をガーゼ4枚を重ねたもので濾過し、濾液を4℃、50
×g、1分間の低速遠心を行い、肝細胞を沈澱させた。
上清を除去した後、肝細胞を再び10%牛胎児血清を添
加したウィリアムスE培地中に浮遊させた。沈澱、再浮
遊の洗浄操作を3回繰り返して、肝細胞を分離した。そ
して分離された肝細胞は、約5x104 個/mlの細胞
濃度で同培地に浮遊させた。この細胞浮遊液10ml
を、あらかじめコラーゲンコートしたシャーレ(直径1
0cm)に分注した後、5%CO2 大気下、37℃で、
2時間前培養することによりシャーレに付着させた。つ
ぎに、 (A)肝細胞への増殖刺激開始と同時に検体である2−
アセチルアミノフルオレン(この化合物が染色体異常誘
発性を示すためには、代謝活性化が必要である。以下、
2−AAFと記す。)を処理する系(以下、A群と記
す。)においては、培地に対して、0(無添加)、0.05
および 0.1μg/mlの濃度になるように2−AAF、1
0μg/mlの濃度になるようにEGFおよび10-7Mの
濃度になるようにインスリンを同時に添加することによ
り、薬剤処理と同時に肝細胞を増殖させた。該増殖は5
%CO2 大気下、37℃、24時間行われた。24時間
処理後、培地交換を実施して2−AAFを除き、さらに
18時間、10μg/mlのEGF と10-7Mのインスリン
を加えた培地で肝細胞を増殖させた。 (B)肝細胞への増殖刺激開始前に検体である2−AA
Fを処理する系(以下、B群と記す。)においては、培
地に対して、0(無添加)、0.05および 0.1μg/mlの
濃度になるように2−AAFをシャーレ内に添加し、5
%CO2 大気下、37℃で、24時間処理した。処理
後、培地を交換し、化合物を除いた培地に対して10μ
g/mlの濃度になるようにEGFおよび10-7Mの濃度
になるようにインスリンを添加することにより、肝細胞
を増殖させた。該増殖は5%CO2大気下、37℃、4
2時間行われた。 そしてA群およびB群の系とも増殖後の肝細胞をハンク
ス液(組成:塩化ナトリウム8000mg、塩化カリウム400m
g 、リン酸一水素ナトリウム( 無水)47.9mg 、リン酸二
水素ナトリウム( 無水)60mg 、硫酸マグネシウム( 無
水)46.8mg 、塩化カルシウム( 無水)140mg、ブドウ糖10
00mg、フェノールレッド6mg 、炭酸水素ナトリウム250m
g /1L)10mlで2回洗浄し、さらにトリプシン・ED
TA溶液(組成:塩化ナトリウム8000mg、塩化カリウム
200mg 、リン酸一水素ナトリウム(無水)1150mg 、リン
酸二水素ナトリウム( 無水)200mg、EDTA・2Na 500mg 、
トリプシン500mg /1L)10mlで1回洗浄した後、再び
5 ml/10cm シャーレの該トリプシン・EDTA溶液をシ
ャーレに添加し、37℃で、5 分間程放置することにより
付着した肝細胞を遊離させた。このようにして得られた
肝細胞浮遊液を1ml の牛胎児血清(MBL社製)を入れ
た遠沈管に回収し、遠心分離(1000rpm 、5min 、室
温)により肝細胞を沈澱させた。沈澱した肝細胞は75
mMの塩化カリウム水溶液6ml中に再懸濁され、そのま
ま室温(20 〜25℃) で、20分間放置された。放置後、
1ml の氷冷した固定液(メタノール:酢酸=3:1)を
上から加え、遠沈管を転倒混和した。混和後、遠心分離
(1000rpm 、5min 、4℃)により肝細胞を沈澱させ
た。上清を捨て、沈澱した肝細胞を4mlの同固定液に
再懸濁後、再び遠心分離(1000rpm 、5min 、4℃)に
より肝細胞を沈澱させた。さらに再懸濁後、4 ℃で、1
0分間放置すること以外は同じ操作を2回繰り返した。
このようにして得られた肝細胞に少量の固定液(4℃)
を添加し、肝細胞を浮遊させた。つぎに該肝細胞浮遊液
をスライドグラス上に滴下し、室温(20 〜25℃)で、一
晩風乾させた。風乾後、3%ギムザ染色液〔組成:ギム
ザ液( メルク社製)30ml 、1/15M リン酸緩衝液 970ml
(リン酸一水素ナトリウム−リン酸二水素カリウム、 p
H6.8) 〕で室温(20 〜25℃) で、15分間染色した。蒸
留水で3回洗浄した後、ドライヤーにて乾燥させた。こ
のようにして得られた標本はカバーグラスをかけ、顕微
鏡下で観察された。結果を表1に示す。
ンの染色体異常試験) SD系雄性ラットをネンブタール(Abbott Lab.,III,US
A )で麻酔(0.3〜0.5ml /匹)し、開腹し、腸管を向か
って右に寄せて肝門脈を充分に露出させた。結紮糸を肝
門脈にかけて輪をつくり、その後肝門脈へカニューレを
挿入した。この際カニューレの針先から下記の組成の前
灌流用緩衝液がわずかに流れ出るようにした。 前灌流用緩衝液(pH7.2) NaCl 8(g/1000ml
dist. water ) KCl 0.4 NaH 2 PO4 ・2H2 O 0.078 Na2 HPO 4 ・12H 2 O 0.151 HEPES 2.38 NaHCO 3 0.35 フェノールレッドNa 0.006 EGTA 0.19 グルコース 0.9 HEPES :N-(2-Hydroxyethyl)piperazine-N'-2-ethanesu
lfonic acid EGTA :Ethyleneglycol bis( β-aminoethylether)-N,
N,N',N'-tetraaceticacid 針先が血管内に挿入されたことを確認した後、糸を結紮
し、カニューレを固定した。カニューレ固定後直ちに、
肝臓下の下大静脈を切断し、流速約30ml/ 分で37℃に保
温した前灌流用緩衝液を5分間灌流した。この間に、胸
郭部を開き、右心房に入る横隔膜下の下大静脈に結紮糸
の輪をかけた。右心房を切開し、右心房から下大静脈に
別のカニューレを挿入した。挿入後、糸を結紮してカニ
ューレを固定した。そして鉗子で切断した肝臓下の下大
静脈を止めた。この状態で、前灌流用緩衝液は肝門脈か
ら肝臓を流れ、横隔膜下の下大静脈を通って右心房より
出てくるようにした。前灌流用緩衝液の灌流後、該灌流
液を37℃に保温した下記の組成のコラゲナーゼ溶液に交
換し、同じ流速で約10分間灌流を続けた。肝臓表面に
酵素液がしみだし、きめが荒くなってきたら灌流を中止
し、肝臓を摘出した。 コラゲナーゼ溶液(pH7.5) NaCl 8(g/1000ml
dist. water ) KCl 0.4 NaH 2 PO4 ・2H2 O 0.078 Na2 HPO 4 ・12H 2 O 0.151 HEPES 2.38 NaHCO 3 0.35 フェノールレッドNa 0.006 CaCl2 0.56 コラゲナーゼ 100000 Units トリプシンインヒビター 0.05 ペニシリン 50000 IU ストレプトマイシン 0.05 HEPES :N-(2-Hydroxyethyl)piperazine-N'-2-ethanesu
lfonic acid 摘出された肝臓は氷冷した10%牛胎児血清(MBL社
製)を添加したウィリアムスE培地中で保持した。肝細
胞を同培地中ではさみで細切した。得られた細胞浮遊液
をガーゼ4枚を重ねたもので濾過し、濾液を4℃、50
×g、1分間の低速遠心を行い、肝細胞を沈澱させた。
上清を除去した後、肝細胞を再び10%牛胎児血清を添
加したウィリアムスE培地中に浮遊させた。沈澱、再浮
遊の洗浄操作を3回繰り返して、肝細胞を分離した。そ
して分離された肝細胞は、約5x104 個/mlの細胞
濃度で同培地に浮遊させた。この細胞浮遊液10ml
を、あらかじめコラーゲンコートしたシャーレ(直径1
0cm)に分注した後、5%CO2 大気下、37℃で、
2時間前培養することによりシャーレに付着させた。つ
ぎに、 (A)肝細胞への増殖刺激開始と同時に検体である2−
アセチルアミノフルオレン(この化合物が染色体異常誘
発性を示すためには、代謝活性化が必要である。以下、
2−AAFと記す。)を処理する系(以下、A群と記
す。)においては、培地に対して、0(無添加)、0.05
および 0.1μg/mlの濃度になるように2−AAF、1
0μg/mlの濃度になるようにEGFおよび10-7Mの
濃度になるようにインスリンを同時に添加することによ
り、薬剤処理と同時に肝細胞を増殖させた。該増殖は5
%CO2 大気下、37℃、24時間行われた。24時間
処理後、培地交換を実施して2−AAFを除き、さらに
18時間、10μg/mlのEGF と10-7Mのインスリン
を加えた培地で肝細胞を増殖させた。 (B)肝細胞への増殖刺激開始前に検体である2−AA
Fを処理する系(以下、B群と記す。)においては、培
地に対して、0(無添加)、0.05および 0.1μg/mlの
濃度になるように2−AAFをシャーレ内に添加し、5
%CO2 大気下、37℃で、24時間処理した。処理
後、培地を交換し、化合物を除いた培地に対して10μ
g/mlの濃度になるようにEGFおよび10-7Mの濃度
になるようにインスリンを添加することにより、肝細胞
を増殖させた。該増殖は5%CO2大気下、37℃、4
2時間行われた。 そしてA群およびB群の系とも増殖後の肝細胞をハンク
ス液(組成:塩化ナトリウム8000mg、塩化カリウム400m
g 、リン酸一水素ナトリウム( 無水)47.9mg 、リン酸二
水素ナトリウム( 無水)60mg 、硫酸マグネシウム( 無
水)46.8mg 、塩化カルシウム( 無水)140mg、ブドウ糖10
00mg、フェノールレッド6mg 、炭酸水素ナトリウム250m
g /1L)10mlで2回洗浄し、さらにトリプシン・ED
TA溶液(組成:塩化ナトリウム8000mg、塩化カリウム
200mg 、リン酸一水素ナトリウム(無水)1150mg 、リン
酸二水素ナトリウム( 無水)200mg、EDTA・2Na 500mg 、
トリプシン500mg /1L)10mlで1回洗浄した後、再び
5 ml/10cm シャーレの該トリプシン・EDTA溶液をシ
ャーレに添加し、37℃で、5 分間程放置することにより
付着した肝細胞を遊離させた。このようにして得られた
肝細胞浮遊液を1ml の牛胎児血清(MBL社製)を入れ
た遠沈管に回収し、遠心分離(1000rpm 、5min 、室
温)により肝細胞を沈澱させた。沈澱した肝細胞は75
mMの塩化カリウム水溶液6ml中に再懸濁され、そのま
ま室温(20 〜25℃) で、20分間放置された。放置後、
1ml の氷冷した固定液(メタノール:酢酸=3:1)を
上から加え、遠沈管を転倒混和した。混和後、遠心分離
(1000rpm 、5min 、4℃)により肝細胞を沈澱させ
た。上清を捨て、沈澱した肝細胞を4mlの同固定液に
再懸濁後、再び遠心分離(1000rpm 、5min 、4℃)に
より肝細胞を沈澱させた。さらに再懸濁後、4 ℃で、1
0分間放置すること以外は同じ操作を2回繰り返した。
このようにして得られた肝細胞に少量の固定液(4℃)
を添加し、肝細胞を浮遊させた。つぎに該肝細胞浮遊液
をスライドグラス上に滴下し、室温(20 〜25℃)で、一
晩風乾させた。風乾後、3%ギムザ染色液〔組成:ギム
ザ液( メルク社製)30ml 、1/15M リン酸緩衝液 970ml
(リン酸一水素ナトリウム−リン酸二水素カリウム、 p
H6.8) 〕で室温(20 〜25℃) で、15分間染色した。蒸
留水で3回洗浄した後、ドライヤーにて乾燥させた。こ
のようにして得られた標本はカバーグラスをかけ、顕微
鏡下で観察された。結果を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】いずれの処理群(A,B)とも、2−AA
Fは濃度依存的に染色体異常を誘発した。
Fは濃度依存的に染色体異常を誘発した。
【0012】実施例2 (シクロホスファミドの染色体
異常試験) 検体である2−AAFの代わりに、シクロホスファミド
(この化合物が染色体異常誘発性を示すためには、代謝
活性化が必要である。以下、CPと記す。)を用いて、
かつその処理量を、0(無添加)、5および20μg/
mlに代えた以外は実施例1と同様な試験を行った。結果
を表2に示す。
異常試験) 検体である2−AAFの代わりに、シクロホスファミド
(この化合物が染色体異常誘発性を示すためには、代謝
活性化が必要である。以下、CPと記す。)を用いて、
かつその処理量を、0(無添加)、5および20μg/
mlに代えた以外は実施例1と同様な試験を行った。結果
を表2に示す。
【0013】
【表2】
【0014】いずれの処理群(A,B)とも、CPは濃
度依存的に染色体異常を誘発した。
度依存的に染色体異常を誘発した。
【0015】実施例3 (マイトマイシンCの染色体異
常試験) 検体である2−AAFの代わりに、マイトマイシンC
(この化合物は代謝活性化を受けずとも染色体異常誘発
性を示す。以下、MMCと記す。)を用いて、かつその
処理量を、0(無添加)、0.01および0.03μg/mlに代
えた以外は実施例1と同様な試験を行った。結果を表3
に示す。
常試験) 検体である2−AAFの代わりに、マイトマイシンC
(この化合物は代謝活性化を受けずとも染色体異常誘発
性を示す。以下、MMCと記す。)を用いて、かつその
処理量を、0(無添加)、0.01および0.03μg/mlに代
えた以外は実施例1と同様な試験を行った。結果を表3
に示す。
【0016】
【表3】
【0017】いずれの処理群(A,B)とも、MMCは
濃度依存的に染色体異常を誘発した。
濃度依存的に染色体異常を誘発した。
【0018】
【発明の効果】本発明方法により、少ない労力と時間で
化合物の肝細胞に対する染色体異常誘発性を検出するこ
とができるようになった。また、高薬物代謝活性を維持
している増殖後の肝細胞を用いることにより、高感度で
の検出を可能とした。
化合物の肝細胞に対する染色体異常誘発性を検出するこ
とができるようになった。また、高薬物代謝活性を維持
している増殖後の肝細胞を用いることにより、高感度で
の検出を可能とした。
Claims (2)
- 【請求項1】(1)哺乳類の肝臓から肝細胞を分離する
工程、 (2)(a) 分離された肝細胞に増殖刺激物質を処理する
ことによって、肝細胞をインビトロで増殖させると同時
に、該肝細胞と検体である化合物とを接触させることに
よって、肝細胞中に存在する染色体に異常を誘発させる
工程、または(b)分離された肝細胞と検体である化合物
とを接触させることによって、肝細胞中に存在する染色
体に異常を誘発させた後、該肝細胞に増殖刺激物質を処
理することによって、肝細胞をインビトロで増殖させる
工程、 (3)得られた肝細胞を固定、染色した後、肝細胞中に
存在する染色体の異常を観察することによって、検体で
ある化合物の肝細胞に対する染色体異常誘発性を検出す
る工程、からなることを特徴とする染色体異常試験方
法。 - 【請求項2】哺乳類がラットである請求項1記載の染色
体異常試験方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26897793A JPH07115993A (ja) | 1993-10-27 | 1993-10-27 | 肝細胞を用いたインビトロ染色体異常試験方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26897793A JPH07115993A (ja) | 1993-10-27 | 1993-10-27 | 肝細胞を用いたインビトロ染色体異常試験方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07115993A true JPH07115993A (ja) | 1995-05-09 |
Family
ID=17465941
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26897793A Pending JPH07115993A (ja) | 1993-10-27 | 1993-10-27 | 肝細胞を用いたインビトロ染色体異常試験方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07115993A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012045731A1 (de) * | 2010-10-04 | 2012-04-12 | Medicyte Gmbh | Geeignete hepatozyten für in-vitro genotoxizitätstests |
-
1993
- 1993-10-27 JP JP26897793A patent/JPH07115993A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012045731A1 (de) * | 2010-10-04 | 2012-04-12 | Medicyte Gmbh | Geeignete hepatozyten für in-vitro genotoxizitätstests |
CN103221822A (zh) * | 2010-10-04 | 2013-07-24 | 米迪赛特有限公司 | 用于体外基因毒性试验的合适的肝细胞 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8628964B2 (en) | Fetal pulmonary cells and uses thereof | |
JP5597171B2 (ja) | 腫瘍細胞移動の抑制方法及びこれに用いる薬剤 | |
Brodarac et al. | Susceptibility of murine induced pluripotent stem cell-derived cardiomyocytes to hypoxia and nutrient deprivation | |
US20180142214A1 (en) | In vitro method for screening testing compound to evaluate its potential as liver drug | |
von Bertalanffy | Acridine orange fluorescence in cell physiology, cytochemistry and medicine | |
Bahramsoltani et al. | Quantitation of angiogenesis and antiangiogenesis in vivo, ex vivo and in vitro–an overview | |
Clements et al. | Cross talk between LAM cells and fibroblasts may influence alveolar epithelial cell behavior in lymphangioleiomyomatosis | |
TW201912780A (zh) | 具有纖維化抑制作用之細胞層片 | |
Persidsky et al. | Optimal conditions and comparative effectiveness of dimethyl sulphoxide and polyvinylpyrrolidone in preservation of bone marrow | |
TW202227615A (zh) | 心肌幹/前驅細胞之製作方法及心肌纖維化抑制方法 | |
WO2015072266A1 (ja) | 生体組織分散用組成物 | |
JPH07115993A (ja) | 肝細胞を用いたインビトロ染色体異常試験方法 | |
Cabral et al. | Cultivation and characterization of oral mucosal epithelial cells on fibrin gel in a xenobiotic-free medium for the treatment of limbal stem cell deficiency | |
US20180143181A1 (en) | In vitro method for screening testing compound to evaluate its potential as liver drug | |
CN116426480A (zh) | 一种人胶质母细胞瘤细胞系y1203及其应用 | |
Herlenius et al. | Functional stem cell integration assessed by organotypic slice cultures | |
Reznikoff et al. | Altered growth patterns in vitro of human papillary transitional carcinoma cells | |
Moor et al. | Comparative analysis of kidney transplantation modeled using precision-cut kidney slices and kidney transplantation in pigs | |
CN114891747B (zh) | 一种人肝细胞癌细胞株及其应用 | |
Zhao et al. | Nucleophosmin 1 overexpression enhances neuroprotection by attenuating cellular stress in traumatic brain injury | |
Delp et al. | Neoplastic transformation and DNA damage of mouse mammary epithelial cells by N-methyl-N′-nitrosourea in organ culture | |
Shelton et al. | A plating method for preparation of cells for culture and for observation by light or electron microscopy | |
EP4567100A1 (en) | Isolated human portal vein endothelial cell and uses thereof | |
WO2016103776A1 (ja) | 口腔組織の正常細胞及び歯牙腫細胞の培養方法 | |
Zijlstra et al. | Angiogenesis assays in the chick |