JPH07115855A - 凍霜害防除方法とその装置 - Google Patents
凍霜害防除方法とその装置Info
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- JPH07115855A JPH07115855A JP28549793A JP28549793A JPH07115855A JP H07115855 A JPH07115855 A JP H07115855A JP 28549793 A JP28549793 A JP 28549793A JP 28549793 A JP28549793 A JP 28549793A JP H07115855 A JPH07115855 A JP H07115855A
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Abstract
て、逆転層の温かい外気を利用する。 【構成】本発明においては、凍霜害防除のため作物周囲
に維持すべき設定温度(Tlo) を設定し、温風機より高い
位置の外気温(Ta)、作物周囲の温度(Tl)を検出し、Tl≦
Tl0 であれば温風を吹出すのであるが、そのときTaとTl
0 との温度差( ΔT)を検出し、ΔT >3℃のときは温風
機の送風機(1) だけを運転して逆転層の空気を作物周囲
に送り、1℃≦ΔT ≦3℃のときは送風機運転に温風機
の低燃焼運転を加え、ΔT ≦1℃のときは送風機運転に
温風機の高燃焼運転を加える。
Description
除方法およびそのための装置に関する。より詳しくは、
本発明は、農業気象災害の1つである凍霜害(一般には
単に霜害とも呼称されるので、以下には単に霜害とい
う。)の防除技術に関するものである。霜害の発生は、
作物または植物体(果樹、野菜、特産農産物−例
えば茶樹−など全般を意味する。)について発生する問
題に関し、温風による植物体表面の温度を上昇させて霜
害の原因となる結霜および凍露の発生を防止し、霜害を
効率良く防除する方法とその方法に用いる装置とに関す
る。
らは霜害についての文献を参照した。真木太一、鈴木義
則、鴨田福也、早川誠而、泊功編著「農業気象災害と対
策」養賢堂1991年11月5日第1版、62〜66頁によると、
霜害は以下のように説明されている。
な気象条件のもとで、作物体が凍結し、寒さに弱い部分
が凍死したり生理障害を起こす災害を霜害あるいは凍霜
害という。発生する時期によって霜害を初霜害と晩霜害
とに区別している。初霜害は秋から初冬にかけて成熟期
の作物で未収穫の穂、果実やまだ低温に対する抵抗力が
十分でない茎葉、枝先、果実などが受ける低温による被
害を指す。一方、晩霜害は春から初夏にかけ、発芽・芽
立ちの始まった作物が受ける低温による被害を指す。
度以下になった葉や新芽は、霜が消えてしばらくすると
油浸状を呈し、褐色や黒色に変色し枯死する。野外の群
落(背の低いもの)で葉の重なりがある場合には、表面
の天空に向かって露出している葉や芽だけの枯死が目立
って多い。このことは露が付いてやがて凍結したとか、
霜が直接できたとかの、いわゆる植氷された部分のみが
被害を受けたことを物語る。温度的にはさほど変わらな
いのに表面にでていなかった葉が生き残るのは過冷却状
態を保ち得たことによる。この過冷却状態を破るのが霜
であり凍露である。
象条件下で発生する。霜害の発生期にこの条件になるの
は、寒冷で乾燥気味の特性を持った移動性高気圧がやっ
てきて、快晴無風となり放射冷却が強まる夜である。
物周辺と接地気層全体に対するものがある。まず、ここ
で注意しなければならないのは霜の起こる夜の植物体温
と気温の関係であり、葉温は周辺の気温に比べ低いこと
である。これは植物は放射冷却で自から冷えていくが、
空気自体は自ら冷えることが極めて少ないためである。
植物葉面に境界層が発達してきて、風速が弱くなると指
数関数的に葉温と気温の差が大きくなる。そのため植物
の近辺で吹く風はその差を縮め、葉温を気温に近づける
ことになり、結果として高める。より大きい範囲で吹く
風は逆転層内の上部の暖かい空気と下部の冷たい空気を
混合させるとともに、暖かい空気を植物の近くに運んで
くる。
(同一放射冷却強度)であっても、風が強いと葉は冷え
にくく、かつ気温の逆転度合いが小さくなる。一方、風
が弱いと葉は冷えやすく、気温の逆転度合いも大きくな
る。
形、土壌の物理性、土壌水分、土地の被覆の状況とその
断熱特性、風の特性など多くの要素が関与する。夜間放
射冷却が進む気象条件のもとで特に冷えやすい地形があ
る。一般的にいえば盆地の低地部、小規模な凹地、傾斜
面を横切って空気の流れをせき止める形となった土手や
樹林の山手側、平坦地でも防風林などで囲まれた場所な
どである。いずれも風が弱められやすく、生成された冷
気が他所へ逃げず溜まりやすくなっているところであ
り、これらは冷気湖とか霜穴といわれる。
夕刻に上部から入り込む斜面下降流が冷気を運ぶ流れと
なるため、日没直後の数時間に冷え込みが強められる。
これにより斜面の高所と低地部との温度差が生じ、天候
が変わらないときにはその温度差が夜明けまで続く形で
冷却が進む。
の接地逆転層を利用し、気温と葉温の上昇を図るもの
である。送風法は、真木太一、鈴木義則、鴨田福也、早
川誠而、泊功編著「農業気象災害と対策」養賢堂発行19
91年11月5日第1版70頁以下、および「昭和57年度日本
農業気象学会全国大会講演要旨」日本農業気象学会発行
113〜117 頁の 2. 送風による気象改良−送風法による
茶園の凍霜害防止−青野英也(茶業試験場)に記述さ
れ、実際には防霜ファンによる方法が普及している。
と農業生産」養賢堂発行1990年5月30日第2版70〜71頁
に、次のように説明される。大気は、上層にいくに従い
低温になる。高度と共に気温が低下する状態が順転(て
い減)であり、その反対に高い所が高温になる場合を逆
転という。このような状態は平地でもしばしば発生す
る。前記文献第71頁に記載されている逆転層を説明する
図に基づく図18を参照すると、よく晴れて風が弱いと
き、日の入頃から地面は放射のため冷え、逆転が発生す
る。これは地面の放射冷却により発生するので、放射性
逆転である。これが同図の(a) に示す接地逆転である。
同図(b)に示されるものは比較的上層にできる逆転で、
上層逆転という。これに対し、地上の放射性逆転は、下
層逆転あるいは接地逆転という。地形気候では、この接
地逆転が重要である。接地逆転は夕方発生し、日の出後
間もなく消失する( 順転になる) 。このとき、風の有無
は逆転層の形成に関係がある。風がないときは、逆転層
の厚さは浅いが、逆転度( 上下の温度差) は大きくな
る。風があるときは逆転層の厚さは増すが、上下の温度
差は小さくなる。
生する潜熱によって植物体を0℃近くの温度に保つ方法
で、前記「農業気象災害と対策」73頁に記述されてい
る。
らの長波放射・放熱を遮り、植物体への結霜を防いで植
氷作用を弱める方法で、「農業気象災害と対策」78頁に
記述されている。
を促進し、上空の暖かい空気を循環させる作用と放射熱
とで植物体を直接暖める方法で、それは前掲「農業気象
災害と対策」78頁に説明されている。
だ空気により地表面からの長波放射による放熱を弱める
方法で、前掲「農業気象災害と対策」79頁に記載されて
いる。
連性をもつ特許公開公報を見出した。特開昭54−12
3447号公報には、図19のそれぞれ模式的な(a) の
平面図、(b) の斜視図、(c) の断面図、(d) の断面図を
参照すると、「果樹園・桑園・野菜園等の圃場101 に植
生せる樹木・野菜類102 の条間に、合成樹脂材等により
折畳格納自在に形成するとともに、周面に噴気口103 を
具備せしめたダクト104 を配設し、そのダクトを介し、
所望温度で作動するよう制御せる火炉105 から、所望温
度の温風を前記樹木・作物類の周辺に送給することによ
り、その樹木・作物周辺に温度降下を抑止する熱量を供
給しながらその樹木・作物周辺の大気に流動を生ぜしめ
て、霜害を防止するようにした果樹園等における樹木・
作物類の霜害防止方法」が開示されている。
20を参照すると、「移動可能とされる送風手段114 の
吸入口112 に連結される伸縮自在な吸込管111 の管路の
途中に発熱手段115 を内設し、前記吸込管で吸入される
空気と発熱手段により発生する熱エネルギとを前記送風
手段において攪拌混合させて送風手段の吐出口113 に連
なる噴頭を介して地表面近傍の冷気中に拡散混合させる
ことを特徴とする霜害防止方法と、移動可能なフレーム
117 に、原動機116 と、この原動機により駆動される送
風手段114 と、この送風手段の吸入口112 に連結される
伸縮自在な吸込管111 と、この吸込管の管路の途中に装
備される発熱手段115 と、前記送風手段の吐出口113 に
連通する噴頭118 とを搭載したことを特徴とする霜害防
止装置」が開示されている。
1を参照すると、「温風発生源から発生した温風を、こ
の温風発生源に連通すると共に外部に連通する噴出部へ
送給手段によって一旦送給し、回転手段によって前記噴
出部を回転しながら、前記送給された温風を前記噴出部
から外部へ噴出し、前記噴出部周辺の大気を流動攪拌さ
せて水蒸気の昇華を防止する霜防止方法と、温風を発生
する温風発生源121 と、前記温風発生源から発生した温
風を送給する送給手段122 と、前記送給手段に連通する
と共に外部に連通しかつ回転可能に支持され前記送給手
段によって送給された温風を外部へ噴出する噴出筒123
と、前記噴出筒を回転して噴出方向を変更する回転手段
124 と、を備えた霜防止装置」とが開示されている。
題点は、気温の逆転強度により昇温効果が異なるこ
と、凹地や傾斜地で能力が劣ること、民家近くでは
騒音が発生することである。
必要とするので、水を確保することができるところに限
られ、湿害に注意する必要がある、という問題があ
る。
経費がかさみ、それをすべての植物体にかぶせ、後日そ
れを除去するについて手間がかかる問題がある。
独で十分な効果が得られず、環境汚染のおそれがあ
り、労力がかかることである。
別の装置を必要とするという問題があり、実用化はいま
1歩という状況にある。
方法は圃場における植物体の条間にダクトを配設するも
のであり、かなりの長さになると推定されるダクトの配
設と除去に時間と手間がかかる問題がある。
は、上記(1) の送風法の問題があることに加え、フレー
ム本体を移動する手段(実施例ではトラクタ)とそれを
運転する人手を必要とする問題がある。
いても〔0026〕で述べた問題点がある。それに加
え、同発明にかかる装置においては、燃焼筒125 から出
てくる熱気は、動翼126 、静翼127 により連通筒128 を
経て噴出筒123 に至り、噴出孔129 から外に出される。
この長い径路を通ることにより熱気のもっている熱エネ
ルギーの損失と熱気の流速の低下は避けることができな
い。さらに、該発明にかかる装置においては温風は水平
方向にしか噴出しえない。その問題点を列挙すると、下
記のようなものである。
記のように要約される。 温風吹出口が傾斜地に対応した機能を有していな
い。しかし、防霜ファンは俯角調整機能をもつ。 逆転層を有効に利用していない。逆転層は、有効に
利用すれば、その逆転強度により省エネルギー運転が期
待できるにもかかわらず、従来例はこの利点を活かして
いない。 送風機の吹出口の回転速度(周期)が植物体の温度
上昇にどのように影響するかについて十分な解明がなさ
れていない。 発生する温風は、吹出口周辺の大気の昇温と大気の
流動攪拌により霜害の主な原因である水蒸気の昇華は防
止するものの、凍露も霜害の原因であり、また、結霜せ
ずに霜害の発生することもある。植物体の温度を上昇さ
せることが植物体の凍結を防止する有効な方法であるに
もかかわらず、この点の解明がなされていない。 傾斜地の圃場に対応した機能を備えた確実で効果の
及ぶ範囲の広い凍霜害防除装置は開示されていない。 温風(または熱気を発生する装置においては、温風
発生源から温風吹出口までの距離が大であるので、温風
のもつ熱エネルギーの損失と温風の流速低下が避けられ
ない。
決し、傾斜地でも実施可能であり、確実で効果範囲が広
く、耐久性があり、経済性に優れた凍霜害防除装置と方
法を提供するにある。
の内部に燃焼ガス(47)を発生する燃焼室(2) を配置し、
燃焼室(2) の上部に本体部(28)の上方から外気(48)を吸
込む送風機(1) を設け、吸込んだ外気(48)と燃焼ガス(4
7)とを本体部(28)内にて混合して温風(49)となし該温風
(49)を本体部(28)下方の温風吹出口(4) から排出するこ
とを特徴とする凍霜害防除方法によって解決される。
何度まで下れば凍霜害防除装置を作動させるかの設定温
度(Tlo) を設定する手順、凍霜害防除装置の送風機(1)
の外気の吸込口付近で外気温(Ta)を検出する手順、作物
周囲の気温(Tl)を検出する手順、設定温度(Tlo) と作物
周囲の気温(Tl)とを比較する手順を経て、Tl≦Tlo であ
れば凍霜害防除装置の運転動作に移行することを特徴と
する凍霜害防除方法によって解決される。
何度まで下れば凍霜害防除装置を作動させるかの設定温
度(Tlo) を設定する手順、凍霜害防除装置の送風機(1)
の外気の吸込口付近で外気温(Ta)を検出する手順、作物
周囲の気温(Tl)とを検出する手順、設定温度(Tlo) と作
物周囲気温(Tl)を比較する手順を経て、Tl≦Tlo であれ
ば凍霜害防除装置の運転動作に移行するにおいて、Taと
Tlo との温度差( ΔT)を検出し、ΔT >3℃のときは送
風機(1) のみを運転し、 1℃≦ΔT ≦3 ℃のときは送風
機(1) の運転に加えて凍霜害防除装置の低燃焼運転を開
始し、ΔT <1℃のときは送風機(1) の運転に加えて凍
霜害防除装置の高燃焼運転を開始する凍霜害防除方法に
よって解決される。
ーナランプ(64)および温度設定部(63)から成る操作部(6
1)、送風機吸込口付近の外気温(Ta)を検出するサーミス
タ(65)、作物周囲気温(Tl)を検出するサーミスタ(66)、
サーモ回路(68)、送風回路(70)およびバーナ回路(69)を
具備する制御回路(67)および火炎検出器(78)から成り、
操作部(61)は制御回路(67)に、サーミスタ(65)とサーミ
スタ(66)とはサーモ回路(68)に、また火炎検出器はバー
ナ回路(69)にそれぞれ接続され、送風回路(70)は送風機
(71)と吹出口旋回モータ(79)と外部機器連動接点(72)に
接続され、バーナ回路(69)は燃焼系に接続される制御機
構を有することを特徴とする凍霜害防除装置によって解
決される。
に設けられた送風機(1) 、本体部(28)の外部のバーナ
(3) に連結され本体部(28)内に配置された燃焼室(2) お
よび本体部(28)の下方に配置された温風吹出口(4) から
成り、送風機(1) はその上方の外気(48)を下方の本体部
(28)内に送り、燃焼室(2) は下方に凸の形状のもので上
方は開口されて燃焼ガス出口(45)を形成し、該燃焼ガス
出口(45)は混合板(24)によっておおわれ、燃焼室(2) が
発生する燃焼ガス(47)は吸込まれた外気(48)と本体部(2
8)内で混合して温風(49)を作り、温風吹出口(4) の温風
吹出部には整流板(5) が設けられて排出する温風(49)を
所定方向に吹出す如くに温風(49)を整流する凍霜害防除
装置によって解決される。
に温風を吹出すのに用いる温風機は、逆転層の暖い外気
を吸込むための送風機は温風機の上方部分に配置し、燃
焼ガスを発生する燃焼室は送風機の下の本体部のほぼ中
央に設け、吸込んだ外気と燃焼ガスは本体部内の燃焼室
のまわりで混合され本体部の下方の温風吹出口から外方
に吹出される。
べき温度、すなわち設定温度(Tlo)を例えば5℃に設定
する。送風機が吸込む逆転層の外気温(Ta)を検出し、さ
らに最も低い位置にある作物周囲温度(Tl)を検出する。
作物周囲温度(Tl)を設定温度と比較しTl≦Tlo のとき温
風機の運転を開始するが、その際、Ta−Tlo =ΔT を検
出し、ΔT >3℃のときは送風機のみを運転して逆転層
の暖い空気を作物周辺へ吹出し、1℃≦ΔT ≦3℃のと
きは送風機運転に低燃焼運転を加え、さらにΔT <1℃
のとき送風機運転と高燃焼運転とを行う。
暖い外気を最大限に利用するものであり、そのために
は、低い位置の作物周囲温度(Tl)を検出し、それを常に
設定温度(Tlo) と比較することに加え、Ta−Tlo =ΔT
を検出し、ΔT の値を見て送風のみか、送風+低燃焼
か、または送風+高燃焼かを決定しそのように実施す
る。
るが、それに先立ち本発明の原理について記述する。
は、凍霜害防除装置自体の限界能力をどう考えるかが重
要であるので、その点を含めて説明しよう。一般に、夜
間の最低気温は、上空をおおう気団の強さと地形条件等
を含めた放射冷却の強度により決まる。その時間的変動
は、植物(作物)体温、その周囲温度、逆転層内の上部
の気温などが互いにある巾をもっている。最低気温のレ
ベルを決めるものは上空の気団の強さが主原因であり、
互いの変動巾は放射冷却の進行具合と地形などによる逆
転層の形成度合が原因と考えられる。気団が強い場合
は、最低気温のレベルが下がるので大霜となる。ここ
で、他の湿度、風、日射、夜間放射などは霜発生条件に
合っているものとする。従って、どの位の大霜に対応で
きるかが凍霜害防除装置の限界能力であり、そのときの
最低気温を能力表示の目安とすることができる。逆の言
い方をすると、霜害発生の心配のある数日のスパンを考
えると、気団の状態等により冷却強度(気温)に変化が
あり、また1日のスパンのうちでも気温の低下は時々刻
々進行変化することを考慮に入れると、凍霜害防除装置
は常時最大能力で運転する必要はないのである。
−2℃〜−3℃程度に下がる気象条件の下においてであ
り、その時の植物体周囲の気温との差は小さい(たとえ
ばΔT =1℃〜2℃と考える)ので、同一高さの温風を
送風したとすると、攪拌による湿度条件は変えられるも
のの、葉温上昇効果は小さく、気温が霜点(0℃)以下
であるので、霜害防止効果は少ないと判断することがで
きる。また、逆転強度が大きいと言っても、どの高さの
気温(T℃) に対して、上層にどの位の逆転強度(ΔT)が
あるかが重要である。植物体周囲気温が−5℃(T) で、
逆転強度がΔT=5℃であっても、送風する風は気温0
℃(T) であるので、やはり霜害防除効果は期待すること
ができない。一般に、霜害注意報は予想最低気温が3℃
〜5℃(T) 以下で発令され、この温度は、1.5mの高さの
気温である。なお、防霜ファンは、この温度を霜害防除
対象部位で検出して運転するものである。
植物体の霜害防除対象部位であり、運転する温度も霜注
意報の温度が基準で地表面付近の気温は0℃になり、さ
らにこの温度は1.5mの高さの気温が3℃〜5℃であって
も、放射冷却の程度によっては、植物体自体の放射冷却
を考えると、霜の降りる可能性があるからである。従っ
て、植物体の霜害防除対象高さの気温を基準に吸込温度
と比較し、その差(ΔTo) を一定に保つことが霜害防除
装置の能力にとって重要である。
植物周囲の気温は時々刻々変化するので、それに対応す
るための出力の基準の温度(Tlo) を設定しておくことが
必要である。そのうえで、本願発明装置のように送風機
を上部に取付ける方式は、上層から吸込む気温(Ta)を検
出することができるので、基準温度(Tlo) と比較して出
力の段階を変更することができる。言い換えると、その
差 (Ta−Tlo =ΔTo)に応じて逆転強度の利用、発熱手
段の能力切替( 高/低)の3段階の省エネルギー運転が
可能になる。
転層を利用する点において省エネルギー方式といえる
が、本願発明の発熱手段を利用する方式では、省エネル
ギー運転をする点が重要であると判断し、逆転強度検出
により発熱手段の能力切替可能な送風機を装置上部に取
付ける構成とした。この技術的思想は、本願発明者らが
実施した霜害防除方法の試験結果に基づくものである。
のように実施した。 1) 対象作物:茶樹(新芽はまだ出ていなかった。) 2) 場所 : 奈良県奈良市矢田原町 圃場は山上の台地で、緩い傾斜地( 傾斜角約3度)に位
置する。 3) 期間 : 平成5年4月12日〜4月15日 4月13日朝大霜が発生し、気温は−3.9 ℃まで低下した
ことを計測した。 4) 効果 : a. 4月13日は最低気温−3.9 ℃で、直径10mの範囲に
効果があった。このとき、圃場すべてに降霜があり、霜
の濃淡が認められた。 b. 4月14日は最低気温−0.8 ℃、4月15日は最低気温
−0.4 ℃で、直径20mの範囲に効果があった。 (図1
1) c. 茶樹の場合、温風が当たらない樹冠面には降霜が残
った。 5) 試験装置性能および仕様 (図10装置) イ.総発熱量 : 36,000 Kcal/h ロ. 温風吹出口風速: 12.7m/sec ハ. 吹出口温度上昇 (ΔT): 23.7℃ ニ. 吹出口高さ : 1100mm(上吹) 、 360度旋回式
って、図中、200 は旋回モータ、201 は送風機、201aは
送風機モータ、202 は燃焼室、203 はバーナ、204 は制
御盤、205 はバーナ部、206 はバーナファン、207 はフ
レキパイプ、208 はファンボックス、209 はバッフルプ
レート、210 は燃焼ガス出口、211 は外気吸込口、212
はモータ架台、213 は缶体支持具、214 は混合板、215
は吹出口本体、216 は風速調整板、217 は温風吹出口、
218 は動力輪、219 は動力輪ガイド溝、220 は旋回フラ
ンジ、221 は旋回レール、222 はスプリング、223 はロ
ーラa、224 はローラb、225 はローラc、226 は本体
側フランジである。
れ、黒矢印は燃焼ガスの進行方向を、また白抜矢印は送
風機201 が吸込んだ外気の進行方向を示し、燃焼ガス出
口210から出る燃焼ガスは混合板214 で攪拌され、燃焼
室202 の上方の吹出口本体215内で吸込んだ外気と混合
される。温風は風速調整板216 によって 360度旋回する
温風吹出口217 から砂地を付けた矢印で示すように外方
へ吹出される。旋回モータ200 、動力輪218 、動力輪ガ
イド溝219 、スプリング222 、旋回フランジ220、旋回
レール221 は吹出口本体215 を回転させるために設けら
れる。
除効果の範囲を示す図で、同図(a)は○で囲んだ数字1
から10までの符号を付けた左の茶株と、○で囲んだ数字
11から26までの符号を付けた右の茶株の模式的平面図、
同図(b) はそれぞれ傾斜角3.3 度の左と右の茶株の模式
的断面図で、図中、81は防霜ファン(試験中は運転せ
ず。)、82は高さ2.0 mの網フェンス、83は道路で東西
南北の方位はEWSNで示し、左下りの点線を付けた部
分84は松樹の枝、85は試験機である。試験場の大きさ、
茶株の高さは図にメートル(m) で示した。
13日朝(最低気温は−3.9 ℃)効果が及んだ範囲、右下
りの斜線を付けた部分B(左下りの斜線を付けた部分を
含む。)は同4月14日朝と4月15日朝に効果が及んだ範
囲である。
月15日の試験における温度および風速分布は図12(a)
と(b) の線図にそれぞれ示され、これらの線図におい
て、横軸には到達距離〔m〕を、縦軸には高さ〔m〕と
る。温度 (ΔT)は実線で、風速は破線でトレースした。
まれた東向斜面の中腹にある緩い傾斜地─傾斜角度約4
度─) 期間 :平成5年3月末〜4月中旬。データは4
月16日にとった。(4月13日朝大霜あり約−5℃まで
気温低下の報告を受けている) 試験装置性能および仕様(図13の装置) (a) 総発熱量 30,000 Kcal/h (b) 温風吹出口風速 10.8m/sec (c) 吹出口温度(上昇) 14.5℃ (d) 吹出口高さ(上吹) 1,475 mm、 360度旋回式 (e) 燃料油 灯油
て、図10に示した部分と同じ部分は同一符号で示
す。)に示す本願発明者らが開発した温風機(総発熱量
30,000Kcal/h )は、図14に示す吹出温風温度(ΔT)
および吹出温風速度分布の性能をもつ。図14におい
て、横軸に到達距離〔m〕を、縦軸に高さ〔m〕をとっ
た。温風の吹出口は1.5 mの高さの位置にあり、吹出口
出口の温風温度(ΔT)は14.5℃、吹出風速は10.8m/sで
あった。温度分布は実線で、風速分布は破線でトレース
した。気温は 8.5℃ (=吸込温度)であり、従って吹出
温風温度は 8.5℃+14.5℃=23℃で、測定は室内でなさ
れたものである。
た部分と同じ部分は同一符号で示し、燃焼室202 はやや
縦長に構成され、上方部分に多くのバッフルプレート20
9 が配置されている。黒矢印方向に動く燃焼ガスは燃焼
ガス出口210 から出て吹出口本体215 内で吸込まれた外
気と混合され温風を作る。温風は整流板227 によって整
流されて外方へ吹出される。
5に示し、同図(a) は平面図、同図(b) は圃場の傾斜を
示す図である。二重丸印は前記温風機の位置を、左下り
斜線を付けた部分AとBは霜害を受けた部分を、丸印の
中の数字は梅樹の認識番号を、また丸印の近くの上段カ
ッコ内の数値は本発明装置からの距離を、下段カッコ内
の数値は梅樹の高さをそれぞれ示す。東西南北の方位は
EWSNで示し、図の上方は同図(b) に示す傾斜角の山
である。この圃場( 梅林) の大きさは図にメートル(m)
で示すが、その面積は 516.5m2 (156.6 坪) である。
の結果は、4月13日には前記したように大霜が発生し最
低気温は約−5℃まで低下したとの報告を受けている
が、前記温風機から北西約12mの冷気が入る部分Aで梅
幼果の一部に、また北東約14mの部分Bで梅幼果の一部
に被害があっただけで、霜害防除効果は良好と判断し
た。
較圃場で前記温風機を用いない自然のままの状態のとこ
ろでは、ほとんど全体の梅樹が被害を受けた。なお、図
15の圃場の位置する地域は霜害をしばしば受け、従来は
4年に1度しかまともな収穫が得られないところであ
る。
の装置の外形を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)
は正面図、同図(c) は右側面図で、図中、91は送風機吸
込口、92は操作部、93は油配管接続口で、破線で示す部
分は内部の電源接続端子94である。なお、装置の大きさ
は図にミリ(mm)で示した。
のとおりである。 総発熱量 30,000 Kcal/h (和歌山) 36,000 Kcal/h (奈良) 燃料消費量 灯油 3.7 l/h (和歌山) 灯油 4.4 l/h (奈良) 吹出上昇温度 (ΔT) 14.5℃ (和歌山) 23.7℃ (奈良) 電源 AC 200V三相 消費電力 970 W 運転電流 3.7 A バーナ ガンタイプバーナ 送風機 プロペラファン(直径600 mm) 制御方式 ON-OFF自動制御 サーモスタット サーミスタ式 0〜35℃可変 温風吹出口 エルボ吹出式、旋回・首振機能付
転強度を検出してなす送風運転と発熱燃焼の制御機構」
のブロック図(図1)と送風・高/低燃焼切替運転のフ
ローチャート(図2)を参照して本発明の方法を説明す
る。なお、図1において、61は操作部、62は送風機ラン
プ、63は温度設定部、64はバーナランプ、65は送風機吸
込口サーミスタ、66は作物用サーミスタ、67は制御回
路、68はサーモ回路、69はバーナ回路、70は送風回路、
71は送風回路70に連結された送風機、72は外部機器連動
接点、73はバーナファン、74は電磁ポンプ、75はノズ
ル、76は電磁弁、77はイグナイタ、78は火炎検出器、79
は吹出口旋回モータである。
(作物)の周囲温度(Tlo) を設定する温度設定部63、バ
ーナランプ64が設けられる。バーナランプ64は2個あ
り、図をみて左のランプは低燃焼を、右のランプは高燃
焼を示す。温度設定部63の右の数字5を表示しているも
のはTlo を示し、その下方の逆三角形は設定温度を下げ
るボタン、その左の逆三角形は設定温度を上げるボタン
である。サーミスタには、高所の送風機吸込口付近の気
温(Ta)を検出するサーミスタ65と、低所の作物付近の気
温(Tl)を検出するサーミスタ66と2個設ける。温度設定
部63からの信号は直接に、またサーミスタ65と66からそ
れぞれ出力される信号TaとTlはサーモ回路68を経て制御
回路67に入力され比較判断され、送風回路70を経て送風
機71、吹出口旋回モータ79とバーナ回路69を経てバーナ
ファン73、電磁ポンプ74、ノズル75、電磁弁76、イグナ
イタ77を具備するバーナを制御する。防霜ファンなどへ
の外部機器連動接点72は制御回路67から送風回路70を経
て信号が出力される。
てから、イグナイタ77により火花を発生し、電磁ポンプ
74が作動する。電磁ポンプ74が作動すると、ノズル75か
ら燃油が噴霧され、イグナイタ77の火花により着火す
る。着火・燃焼状態は火炎検出器78により判断され、定
常燃焼( 高燃焼) に移る。電磁ポンプ74の信号と同時に
電磁弁76のON信号が出される場合は低燃焼となる。送風
機71のみの運転のとき、バーナは運転を停止する。
替運転手順を説明する。 a) サーモスタットの温度設定は、植物体( 作物) の表
面付近の気温が何度まで下がったら霜害防除装置を動作
させるかを意味する。先ず、温度設定(Tlo) をする。一
般に、Tlo は霜注意報が発せられる予想最低気温と同じ
3℃〜5℃程度であるので、フローチャートの例として
は Tlo=5℃とした。
高所) 。 c) 作物周囲の気温(Tl)を検出する( 低所) 。好ましく
は、最も低いところでTlを検出する。 d) 設定温度(Tlo) と作物周囲の気温(Tl)を比較し、Tl
≦Tlo =5℃のときに運転動作Aに移行する。Tl>Tlo
=5℃のときは引続き監視を続けるため温度設定の前に
もどる。
と設定温度(Tlo) との差(ΔT)をとる。その差は逆転強
度を意味するが、ΔT がどの範囲にあるかで、送風機の
み運転と、バーナの高低燃焼の運転とに切替える。 f) ΔT >3℃では、送風機のみ運転(逆転層利用) g) 1℃≦ΔT ≦3℃では、送風機プラス低燃焼運転
(逆転層利用) h) ΔT <1℃では、送風機プラス高燃焼運転 i) 各運転状態は、運転後一定時間(t) 後に設定温度Tl
o とTlを比較して、Tl≦Tlo の場合には図のAにもど
り、出力切替をなす。Tl>Tlo の時には、送風機高/低
燃焼を停止し監視状態にもどる。
熱手段の能力切替の説明であるが、逆転強度検出のため
の高所気温(Ta)と低所気温(Tl)の位置は重要である。Ta
は通常の基本型を送風機の上方付近の位置とするので2
m 程度である。防霜ファンのように高い位置(6〜10m)
にすると、逆転強度が高い場合には、吸込口と強度の強
い部分との距離があるので、その分布による誤判断や、
送風機の吸込能力が及ばないと判断されるので、送風機
位置付近の高さでのTa計測にした。
あるが、逆転層検出による省エネルギー運転のために
は、できるだけ低いところに作物の周囲温度Tlを検出す
るサーミスタを設置する。凹地では冷気は低いところに
たまり、低い所の作物が先に霜害を受ける。また、霜害
を受ける圃場が傾斜をもつ場合には同様に低いところの
作物を基準にする。一方霜害防除装置を運転する場合、
Tl検出用のサーミスタは、霜害防除装置からの温風の有
効効果範囲内で温風の直接当たるところに設置しないこ
とが重要である。従って、作物の周囲温度を計測するサ
ーミスタの位置は、霜害防除装置の有効な効果の及びに
くい、作物体の霜害防除対象高さの低所部分で、一番先
に被害を受ける可能性の高いその圃場内の低所部に設置
する。
る装置は下記の構成をとる。 本体にバーナによる発熱手段を内蔵し、その上部に
外気を取り込む送風機を取付け、下部には発生した温風
を吹出す温風吹出口を取付けた構造で、それによって接
地逆転層に生じる高所の高い温度の空気を利用する。 バーナによる火炎が完全燃焼するように燃焼室を設
け、その上部の燃焼ガスの出口には送風機から送られる
外気をよく混合させるために混合板が設けてある。 温風吹出口は専用モータによる旋回および首振り機
能をもち、その旋回速度および首振り速度は、植物体の
温度を効果的に上昇させるために一定値に設定されてい
る。そして、温風吹出口の出口では温風温度が平均20℃
以下(最大25℃以下) に設定してある。 また、温風吹出口は吹出口の角度調整のための機構
をもつ。吹出口部分の吹出口の角度調整部は、本体側フ
ランジと吹出口旋回部のフランジより対向してアームを
出し、一方をヒンジ構造で接続し、もう一方を角度調整
のためステーで接続して、外周を蛇腹でおおってある。 送風機と吹出口は互の位置(上・下)を逆に組替え
ることができる寸法とした。 外装をステンレス材、骨組みを亜鉛メッキして耐腐
食性を高め、また蛇腹はシリコンゴム系シートを使用し
て耐熱性を高めている。
気象条件下で発生し、被害にあった植物体は凍結し、寒
さに弱い部分が凍死したり、生理障害を起こす。しか
し、同様な温度条件下の植物体でも結霜および凍露を受
けなかった場合には、過冷却状態を保ち生き残ることが
知られている。本発明は、温風を植物体に吹きつけて、
植物体の表面温度を上昇させ、また植物体の周囲の大気
を強制的に流動させることにより、過冷却状態をやぶり
凍結に至る原因である結霜をおよび凍露を防止して、効
率的に霜害を防除または軽減する。
味の特性を持った移動性高気圧がやってきて、快晴無風
となり放射冷却の強まる夜である。このような条件の時
の大気は気温の接地逆転層を生じ、その内部では地表付
近より上部の方が気温が高い。上部に送風機を取付ける
ことによって、より高い温度の空気を吸込んで、発熱手
段から得られる燃焼ガスと混合する方法は、より有利に
霜害防除を実施することができる。 温風を下方に吹出す場合は、背丈の低い作物に作用
し、組替えて上方より吹出す場合は、逆転層の利用はな
くなるが、背丈の高い作物にも有効に作用することがで
きる。 吹出口自体の旋回により広範囲の霜害の防除を可能
にする。 吹出口の旋回速度は、植物体の温度を有効に上昇さ
せるため一定値を選んである。 吹出す温風は、高すぎることは植物体に高温害を及
ぼす可能性もあり、また吹出噴流の浮力上昇を増大する
ので有効到達距離を減じ、有効面積を少なくするので、
なるべく低温風を発生することが望ましい。実施例では
吹出口出口で平均温度上昇を20℃程度とした。 傾斜地では吹出口の吹出口角度調整機能があること
によって、斜面に沿って生える作物に対して有効に温風
を当てることができ、それによって傾斜地の逆転強度は
一般に弱いと言われるところをカバーする。
れ、図3(a) 、(b) 、(c) はそれぞれ当該装置の平面
図、正面図、左側面図であり、図4は図3(a) のA−A
線矢視断面図、図5は図3(a) のB−B線矢視断面図、
図6は図4の装置における吹出口部の角度調整時の断面
図、図7は図6に類似する他の実施例の断面図である。
先ず、図3〜図5を参照すると、1は送風機、1aは送風
機モータ、1bは送風機取付フランジ、1cは送風機アー
ム、1dは羽、1eはベルマウス、1fは送風機フランジ、2
は燃焼室、3はバーナ、4は温風吹出口、5は整流板、
6は吹出口角度調整整用の蛇腹、7は吹出口角度調整整
用のガイド、8は吹出口角度調整用の固定具、9は温風
吹出口旋回用のステー、10はモータ、11はプーリー、12
はベルト、13はベルト用のガイド溝、14は軸、15はベア
リング、16は制御盤、16a は操作部、17は継手、17a は
継手接続用棒、18はアームB、19はアームA、20はロー
ラ、21はアームC、22はモータ取付具、23は吹出口本
体、24は混合板、25はステー、26はギヤボックス、27は
モータ、28は本体部、29は吹出口部、30は本体側フラン
ジ、31はバーナ部、32はブラストチューブ、33はバーナ
ファン、34はバーナファン取付用のフランジ、35はフレ
キパイプ、36はファンボックス、37はバーナ口パイプ、
38はバーナ口フランジ、39は吹出口角度調整部、40は吹
出口旋回部であり、これら2つの部で吹出口部29を構成
する。41は中間フランジ、42は旋回フランジ、43は寸法
調整スリーブ、44はハウジング、45は燃焼ガス出口、46
は傾斜地表面、47は燃焼ガス、48は外気、49は温風、50
は中板、51は補強金具、52は脚、53は蓋である。
明する。先ず、図3を参照すると、送風機1は羽1d、送
風機モータ1a、送風機アーム1c、ベルマウス1e、送風機
フランジ1fで一体的に構成されており、本体部28の上部
に配置されている。操作部16a は制御盤16の内部にあ
り、扉をあけて操作をなす。外部からは扉の窓が見える
ので図のように表示した。中板50は吹出口部29と本体部
28の中間にあって両者を接続する。補強金具51は、平板
状の中板50が変形せずに本体部28の荷重を脚52に受ける
ために取付けられている。補強金具51は本体部28と中板
50にボルトで取付けられる。脚52は中板50の四隅にボル
トで固定される。
機取付フランジ1bによって本体部28に取付けられてい
る。温風吹出口4は本体側フランジ30によって本体部28
に取付けられる。吹出口部29の本体側フランジ30の取付
寸法と送風機取付フランジ1bの取付寸法は同じであるの
で、送風機1と温風吹出口4とは上下組替えができるよ
うになっている。
焼室2の中心軸に対して直角にブラストチューブ32が向
けられ本体部28側部に固定されている。
焼室2とを連結するバーナ口パイプ37に差し込み固定さ
れるブラストチューブ32と直角に交わる方向に本体部28
に取付けられたバーナファン取付けフランジ34に固定さ
れ、フレキパイプ35でファンボックス36と接続されてい
る。ファンボックス36は、図示しない整流板によって燃
焼空気の方向を直角に曲げる。この構成は全体を薄形構
造にするためのものである。
取付けられたバーナ口フランジ38と図示しない支持具で
本体部28に固定されており、その中心軸は本体部28の中
心軸に一致している。
(図4〜7)、上部が燃焼ガス出口45として開口してい
る。また、この燃焼ガス出口45の上方に燃焼室2と図示
しない金具で一体的に混合板24が取付けられ、燃焼ガス
47は送風機1が吸込む外気48と混合される。
39と吹出口旋回部40とからなっている。吹出口角度調整
部39は、本体部28へのバーナ取付方向と90度ずらして吹
出口角度を調整できるように取付けられている。その構
成は、本体側フランジ30の本体部28へのフランジ取付面
と直角をなしてアームA19を取付け、アームA19端部に
ヒンジ構造で中間フランジ41と接続している。また、本
体側フランジ30はアームA19の反対側にアームB18を突
出させ、アームB18の端部には回転自在の継手17が取付
けてある。本体側フランジ30と中間フランジ41とは伸縮
自在の蛇腹6で接続する。
されており(図4)、かつ、旋回フランジ42にはモータ
取付具22が取付けられモータ10が固定されて、その反対
側にはアームC21が取付けられている。アームC21の端
部には回転自在の継手17が取付けられて、ガイド7で本
体側フランジ30の継手17と接続されている。
合わせて吹出口の角度を調整した状態を示すが、同図を
参照すると、継手17と継手17との間にはアームA19と平
行を出手ための寸法調整用スリーブ43が取付けてある。
また、同一高さに位置する継手17どうしは吹出口角度調
整用のガイド7を補強するため継手接続用棒17a で水平
方向に2ケ所固定されている(図3(c))。スリーブ43は
図示しない金具で固定具8と一体に固定されており、ガ
イド7がスライドして角度調整され固定具8で固定す
る。
は、アームC21に操作者の手をかけて支えながら、2ヶ
所の吹出口角度調整用の固定具8を回してゆるめてか
ら、アームC21を押し下げる。ここで、圃場の最大傾斜
角度が30度程度あるならば、温風吹出口4の調整角度を
大にしなければならず、継手17の回転を調整する必要が
あるので、継手接続用棒17a(図3(c))の片方の端にあり
この棒17a の軸方向から継手17を締付けている回転調整
ボルト( 図示せず。)2個をゆるめた後に上記の操作を
なす。
から構成されており、旋回フランジ42からのステー9
は、ベアリング15を収納するハウジング44と一体のフラ
ンジ部に固定されている。
は、周方向にローラ20が配置されており、吹出口本体23
が軸14の中心と一致して回わるように調整される。
の外周にはベルト用ガイド溝13が設けてあり、これによ
り、吹出口本体23とモータ10に取付けられたプーリー11
とがベルト12により連結される。吹出口本体23の温風吹
出口には、整流板5が取付けてある。
ス26によって旋回させる方式の本発明の他の実施例の図
4に類似の図である。ギヤボックス26はステー25によっ
て旋回フランジ42に固定され、軸14を延長してギヤボッ
クス26と接続する。その他の部分は図3〜6に示す部分
と同じである。
て説明すると、図7の当該操作部分は図3〜図6に示す
ものと同じである。ギヤボックス26は、温風吹出口4の
回転速度の調整用に設けられたもので、次に、図3〜図
6の装置と図7の装置の回転機構について説明する。
果による低速回転を得る機構は、本願発明の装置のモー
タ10は一般に市販されている低減速比の得られるギヤー
ドモータを使用し、さらにガイド溝13とプーリー11を接
続するベルト伝導系によりさらに減速する機構になって
いる。
6のガイド溝13とプーリー11を接続したベルト伝導系の
減速比を得る部分に相当する。ギヤボックス26はウォー
ムギヤの機構であるので、自縛作用があることを特徴と
し、温風吹出口4を固定した使用する必要のある場合有
利で、高い減速比を得る。なお、ギヤードモータの場合
は、停止するためにはブレーキ付きのものでなければな
らず、高減速比のタイプは、専用の中間ギヤヘッドやコ
ントローラを必要とする。
きの傾斜地に対応した吹出角度45度のときの温度と風速
の分布を示し、図(a) は斜面上方に吹出した場合を、図
(b)は斜面下方に吹出した場合を示す。いずれの図にお
いても、横軸に到達距離〔m〕を、縦軸に高さをとっ
た。試験の結果から、この装置は傾斜地で使用して有効
な性能を示すことが判明した。
に濾紙を重ねて純水を含ませ、食品包装用ラップフィル
ム( 原材料、ポリ塩化ビニリデン) で覆って模型葉と
し、内部に熱電対を封じ込んだものを用い、温度上昇効
果試験を行った結果を示す線図で、横軸には温風到達距
離を、縦軸には、温度上昇巾(ΔT)を℃でとった。温度
上昇巾は計測された波形データの実効値とした。曲線
a、b、cは吹出口旋回速度が 0.7〜1rpm 、0.3 〜0.
4 rpm 、2 rpmであった場合の状態を示す。回転速度の
早い2rpm では距離が10〜15m地点で温度上昇巾が減少
している。
良)、図13(和歌山)の双方の例で0.35rpm であっ
た。図3〜図7の装置でも、回転速度は1rpm 以下にす
る。実際の葉温上昇試験は冬場の乾燥大気中で再確認す
る予定である。実効値の計算精度が高まると1rpm 以下
の回転速度で、到達距離が大きい部分ではΔT がせまい
範囲に収束することが確かめられた。また、別の回転速
度をあげた試験では、回転速度が1rpm を超えた場合、
到達距離が大きい部分ではΔT がほとんど0になること
も確かめられた。
3rpmの範囲が有効と判断され、両方の装置、すなわち図
10と図13の装置および図3〜図7の装置に該当する
ことも確かめられた。従って、図5の制御盤16を搭載し
た装置は、温風吹出口4の回転速度の制御(回転機構に
よる減速比)は図9の情報(有効回転速度範囲)に合う
ようになる。
下記が確認された。本発明では、逆転層の温かい外気を
最大限に利用するのであるが、本発明方法では作物周囲
に維持すべき設定温度(Tlo) を設定し、温風機より上方
付近の位置の外気温度(Ta)と、低いところの作物周囲温
度を検出し、作物周囲温度が設定温度以下のときに温風
を作物周囲に送る。この方法の実施に用いる温風機は上
方から逆転層の外気を吹込み、下方から温風を吹出す構
成のもので、この温風機は、 1) 温風吹出口に吹出口角度調整機能があるので傾斜地
でも有効に霜害防除効果が発揮できる。 2) 上方から外気を取り入れて、下方より温風を吹出す
方式であるので吸込口付近の温度を感知する制御手段を
採用することにより、逆転層強度の程度による発熱手段
の能力切替、言いかえると送風機のみの運転と省エネル
ギー運転が可能であり、他の凍霜害の防除法との組合せ
による発展性を有するものである。
制御機構のブロック図である。
である。
(b) は正面図、その(c) は左側面図である。
る。
と風速の分布を示す線図で、図(a) は斜面上方に吹出し
た場合の図、図(b) は斜面下方に吹出した場合の図であ
る。
る。
囲を示す図で、同図(a) は茶株の模式的平面図、同図
(b) は茶株の模式的断面図ある。
速分布を示す図である。
である。
速分布を示す図である。
囲を示す圃場の図で、同図(a) は平面図、同図(b) は圃
場の傾斜を示す図ある。
平面図、その(b) は正面図、その(c) は右側面図であ
る。
平面図、その(b) は正面図、その(c) は右側面図であ
る。
その(b) は斜視図、その(c) は断面図、その(d) は断面
図である。
除方法およびそのための装置に関する。より詳しくは、
本発明は、農業気象災害の1つである凍霜害(一般には
単に霜害とも呼称されるので、以下には単に霜害とい
う。)の防除技術に関するものである。霜害の発生は、
作物または植物体(果樹、野菜、特産農産物−例
えば茶樹−など全般を意味する。)について発生する問
題に関し、温風による植物体表面の温度を上昇させて霜
害の原因となる結霜および凍露の発生を防止し、霜害を
効率良く防除する方法とその方法に用いる装置とに関す
る。
らは霜害についての文献を参照した。真木太一、鈴木義
則、鴨田福也、早川誠而、泊功編著「農業気象災害と対
策」養賢堂1991年11月5日第1版、62〜66頁によると、
霜害は以下のように説明されている。
な気象条件のもとで、作物体が凍結し、寒さに弱い部分
が凍死したり生理障害を起こす災害を霜害あるいは凍霜
害という。発生する時期によって霜害を初霜害と晩霜害
とに区別している。初霜害は秋から初冬にかけて成熟期
の作物で未収穫の穂、果実やまだ低温に対する抵抗力が
十分でない茎葉、枝先、果実などが受ける低温による被
害を指す。一方、晩霜害は春から初夏にかけ、発芽・芽
立ちの始まった作物が受ける低温による被害を指す。
度以下になった葉や新芽は、霜が消えてしばらくすると
油浸状を呈し、褐色や黒色に変色し枯死する。野外の群
落(背の低いもの)で葉の重なりがある場合には、表面
の天空に向かって露出している葉や芽だけの枯死が目立
って多い。このことは露が付いてやがて凍結したとか、
霜が直接できたとかの、いわゆる植氷された部分のみが
被害を受けたことを物語る。温度的にはさほど変わらな
いのに表面にでていなかった葉が生き残るのは過冷却状
態を保ち得たことによる。この過冷却状態を破るのが霜
であり凍露である。
象条件下で発生する。霜害の発生期にこの条件になるの
は、寒冷で乾燥気味の特性を持った移動性高気圧がやっ
てきて、快晴無風となり放射冷却が強まる夜である。
物周辺と接地気層全体に対するものがある。まず、ここ
で注意しなければならないのは霜の起こる夜の植物体温
と気温の関係であり、葉温は周辺の気温に比べ低いこと
である。これは植物は放射冷却で自から冷えていくが、
空気自体は自ら冷えることが極めて少ないためである。
植物葉面に境界層が発達してきて、風速が弱くなると指
数関数的に葉温と気温の差が大きくなる。そのため植物
の近辺で吹く風はその差を縮め、葉温を気温に近づける
ことになり、結果として高める。より大きい範囲で吹く
風は逆転層内の上部の暖かい空気と下部の冷たい空気を
混合させるとともに、暖かい空気を植物の近くに運んで
くる。
(同一放射冷却強度)であっても、風が強いと葉は冷え
にくく、かつ気温の逆転度合いが小さくなる。一方、風
が弱いと葉は冷えやすく、気温の逆転度合いも大きくな
る。
形、土壌の物理性、土壌水分、土地の被覆の状況とその
断熱特性、風の特性など多くの要素が関与する。夜間放
射冷却が進む気象条件のもとで特に冷えやすい地形があ
る。一般的にいえば盆地の低地部、小規模な凹地、傾斜
面を横切って空気の流れをせき止める形となった土手や
樹林の山手側、平坦地でも防風林などで囲まれた場所な
どである。いずれも風が弱められやすく、生成された冷
気が他所へ逃げず溜まりやすくなっているところであ
り、これらは冷気湖とか霜穴といわれる。
夕刻に上部から入り込む斜面下降流が冷気を運ぶ流れと
なるため、日没直後の数時間に冷え込みが強められる。
これにより斜面の高所と低地部との温度差が生じ、天候
が変わらないときにはその温度差が夜明けまで続く形で
冷却が進む。
の接地逆転層を利用し、気温と葉温の上昇を図るもの
である。送風法は、真木太一、鈴木義則、鴨田福也、早
川誠而、泊功編著「農業気象災害と対策」養賢堂発行19
91年11月5日第1版70頁以下、および「昭和57年度日本
農業気象学会全国大会講演要旨」日本農業気象学会発行
113〜117 頁の 2. 送風による気象改良−送風法による
茶園の凍霜害防止−青野英也(茶業試験場)に記述さ
れ、実際には防霜ファンによる方法が普及している。
と農業生産」養賢堂発行1990年5月30日第2版70〜71頁
に、次のように説明される。大気は、上層にいくに従い
低温になる。高度と共に気温が低下する状態が順転(て
い減)であり、その反対に高い所が高温になる場合を逆
転という。このような状態は平地でもしばしば発生す
る。前記文献第71頁に記載されている逆転層を説明する
図に基づく図18を参照すると、よく晴れて風が弱いと
き、日の入頃から地面は放射のため冷え、逆転が発生す
る。これは地面の放射冷却により発生するので、放射性
逆転である。これが同図の(a) に示す接地逆転である。
同図(b)に示されるものは比較的上層にできる逆転で、
上層逆転という。これに対し、地上の放射性逆転は、下
層逆転あるいは接地逆転という。地形気候では、この接
地逆転が重要である。接地逆転は夕方発生し、日の出後
間もなく消失する( 順転になる) 。このとき、風の有無
は逆転層の形成に関係がある。風がないときは、逆転層
の厚さは浅いが、逆転度( 上下の温度差) は大きくな
る。風があるときは逆転層の厚さは増すが、上下の温度
差は小さくなる。
生する潜熱によって植物体を0℃近くの温度に保つ方法
で、前記「農業気象災害と対策」73頁に記述されてい
る。
らの長波放射・放熱を遮り、植物体への結霜を防いで植
氷作用を弱める方法で、「農業気象災害と対策」78頁に
記述されている。
を促進し、上空の暖かい空気を循環させる作用と放射熱
とで植物体を直接暖める方法で、それは前掲「農業気象
災害と対策」78頁に説明されている。
だ空気により地表面からの長波放射による放熱を弱める
方法で、前掲「農業気象災害と対策」79頁に記載されて
いる。
連性をもつ特許公開公報を見出した。特開昭54−12
3447号公報には、図19のそれぞれ模式的な(a) の
平面図、(b) の斜視図、(c) の断面図、(d) の断面図を
参照すると、「果樹園・桑園・野菜園等の圃場101 に植
生せる樹木・野菜類102 の条間に、合成樹脂材等により
折畳格納自在に形成するとともに、周面に噴気口103 を
具備せしめたダクト104 を配設し、そのダクトを介し、
所望温度で作動するよう制御せる火炉105 から、所望温
度の温風を前記樹木・作物類の周辺に送給することによ
り、その樹木・作物周辺に温度降下を抑止する熱量を供
給しながらその樹木・作物周辺の大気に流動を生ぜしめ
て、霜害を防止するようにした果樹園等における樹木・
作物類の霜害防止方法」が開示されている。
20を参照すると、「移動可能とされる送風手段114 の
吸入口112 に連結される伸縮自在な吸込管111 の管路の
途中に発熱手段115 を内設し、前記吸込管で吸入される
空気と発熱手段により発生する熱エネルギとを前記送風
手段において攪拌混合させて送風手段の吐出口113 に連
なる噴頭を介して地表面近傍の冷気中に拡散混合させる
ことを特徴とする霜害防止方法と、移動可能なフレーム
117 に、原動機116 と、この原動機により駆動される送
風手段114 と、この送風手段の吸入口112 に連結される
伸縮自在な吸込管111 と、この吸込管の管路の途中に装
備される発熱手段115 と、前記送風手段の吐出口113 に
連通する噴頭118 とを搭載したことを特徴とする霜害防
止装置」が開示されている。
1を参照すると、「温風発生源から発生した温風を、こ
の温風発生源に連通すると共に外部に連通する噴出部へ
送給手段によって一旦送給し、回転手段によって前記噴
出部を回転しながら、前記送給された温風を前記噴出部
から外部へ噴出し、前記噴出部周辺の大気を流動攪拌さ
せて水蒸気の昇華を防止する霜防止方法と、温風を発生
する温風発生源121 と、前記温風発生源から発生した温
風を送給する送給手段122 と、前記送給手段に連通する
と共に外部に連通しかつ回転可能に支持され前記送給手
段によって送給された温風を外部へ噴出する噴出筒123
と、前記噴出筒を回転して噴出方向を変更する回転手段
124 と、を備えた霜防止装置」とが開示されている。
題点は、気温の逆転強度により昇温効果が異なるこ
と、凹地や傾斜地で能力が劣ること、民家近くでは
騒音が発生することである。
必要とするので、水を確保することができるところに限
られ、湿害に注意する必要がある、という問題があ
る。
経費がかさみ、それをすべての植物体にかぶせ、後日そ
れを除去するについて手間がかかる問題がある。
独で十分な効果が得られず、環境汚染のおそれがあ
り、労力がかかることである。
別の装置を必要とするという問題があり、実用化はいま
1歩という状況にある。
方法は圃場における植物体の条間にダクトを配設するも
のであり、かなりの長さになると推定されるダクトの配
設と除去に時間と手間がかかる問題がある。
は、上記(1) の送風法の問題があることに加え、フレー
ム本体を移動する手段(実施例ではトラクタ)とそれを
運転する人手を必要とする問題がある。
いても〔0026〕で述べた問題点がある。それに加
え、同発明にかかる装置においては、燃焼筒125 から出
てくる熱気は、動翼126 、静翼127 により連通筒128 を
経て噴出筒123 に至り、噴出孔129 から外に出される。
この長い径路を通ることにより熱気のもっている熱エネ
ルギーの損失と熱気の流速の低下は避けることができな
い。さらに、該発明にかかる装置においては温風は水平
方向にしか噴出しえない。その問題点を列挙すると、下
記のようなものである。
記のように要約される。 温風吹出口が傾斜地に対応した機能を有していな
い。しかし、防霜ファンは俯角調整機能をもつ。 逆転層を有効に利用していない。逆転層は、有効に
利用すれば、その逆転強度により省エネルギー運転が期
待できるにもかかわらず、従来例はこの利点を活かして
いない。 送風機の吹出口の回転速度(周期)が植物体の温度
上昇にどのように影響するかについて十分な解明がなさ
れていない。 発生する温風は、吹出口周辺の大気の昇温と大気の
流動攪拌により霜害の主な原因である水蒸気の昇華は防
止するものの、凍露も霜害の原因であり、また、結霜せ
ずに霜害の発生することもある。植物体の温度を上昇さ
せることが植物体の凍結を防止する有効な方法であるに
もかかわらず、この点の解明がなされていない。 傾斜地の圃場に対応した機能を備えた確実で効果の
及ぶ範囲の広い凍霜害防除装置は開示されていない。 温風または熱気を発生する装置においては、温風発
生源から温風吹出口までの距離が大であるので、温風の
もつ熱エネルギーの損失と温風の流速低下が避けられな
い。
決し、傾斜地でも実施可能であり、確実で効果範囲が広
く、耐久性があり、経済性に優れた凍霜害防除装置と方
法を提供するにある。
の内部に燃焼ガス(47)を発生する燃焼室(2) を配置し、
燃焼室(2) の上部に本体部(28)の上方から外気(48)を吸
込む送風機(1) を設け、吸込んだ外気(48)と燃焼ガス(4
7)とを本体部(28)内にて混合して温風(49)となし該温風
(49)を本体部(28)下方の温風吹出口(4) から排出するこ
とを特徴とする凍霜害防除方法によって解決される。
何度まで下れば凍霜害防除装置を作動させるかの設定温
度(Tlo) を設定する手順、凍霜害防除装置の送風機(1)
の外気の吸込口付近で外気温(Ta)を検出する手順、作物
周囲の気温(Tl)を検出する手順、設定温度(Tlo) と作物
周囲の気温(Tl)とを比較する手順を経て、Tl≦Tlo であ
れば凍霜害防除装置の運転動作に移行することを特徴と
する凍霜害防除方法によって解決される。
何度まで下れば凍霜害防除装置を作動させるかの設定温
度(Tlo) を設定する手順、凍霜害防除装置の送風機(1)
の外気の吸込口付近で外気温(Ta)を検出する手順、作物
周囲の気温(Tl)とを検出する手順、設定温度(Tlo) と作
物周囲気温(Tl)を比較する手順を経て、Tl≦Tlo であれ
ば凍霜害防除装置の運転動作に移行するにおいて、Taと
Tlo との温度差( ΔT)を検出し、ΔT >3℃のときは送
風機(1) のみを運転し、 1℃≦ΔT ≦3 ℃のときは送風
機(1) の運転に加えて凍霜害防除装置の低燃焼運転を開
始し、ΔT <1℃のときは送風機(1) の運転に加えて凍
霜害防除装置の高燃焼運転を開始する凍霜害防除方法に
よって解決される。
ーナランプ(64)および温度設定部(63)から成る操作部(6
1)、送風機吸込口付近の外気温(Ta)を検出するサーミス
タ(65)、作物周囲気温(Tl)を検出するサーミスタ(66)、
サーモ回路(68)、送風回路(70)およびバーナ回路(69)を
具備する制御回路(67)および火炎検出器(78)から成り、
操作部(61)は制御回路(67)に、サーミスタ(65)とサーミ
スタ(66)とはサーモ回路(68)に、また火炎検出器はバー
ナ回路(69)にそれぞれ接続され、送風回路(70)は送風機
(71)と吹出口旋回モータ(79)と外部機器連動接点(72)に
接続され、バーナ回路(69)は燃焼系に接続される制御機
構を有することを特徴とする凍霜害防除装置によって解
決される。
に設けられた送風機(1) 、本体部(28)の外部のバーナ
(3) に連結され本体部(28)内に配置された燃焼室(2) お
よび本体部(28)の下方に配置された温風吹出口(4) から
成り、送風機(1) はその上方の外気(48)を下方の本体部
(28)内に送り、燃焼室(2) は下方に凸の形状のもので上
方は開口されて燃焼ガス出口(45)を形成し、該燃焼ガス
出口(45)は混合板(24)によっておおわれ、燃焼室(2) が
発生する燃焼ガス(47)は吸込まれた外気(48)と本体部(2
8)内で混合して温風(49)を作り、温風吹出口(4) の温風
吹出部には整流板(5) が設けられて排出する温風(49)を
所定方向に吹出す如くに温風(49)を整流する凍霜害防除
装置によって解決される。
に温風を吹出すのに用いる温風機は、逆転層の暖い外気
を吸込むための送風機は温風機の上方部分に配置し、燃
焼ガスを発生する燃焼室は送風機の下の本体部のほぼ中
央に設け、吸込んだ外気と燃焼ガスは本体部内の燃焼室
のまわりで混合され本体部の下方の温風吹出口から外方
に吹出される。
べき温度、すなわち設定温度(Tlo)を例えば5℃に設定
する。送風機が吸込む逆転層の外気温(Ta)を検出し、さ
らに最も低い位置にある作物周囲温度(Tl)を検出する。
作物周囲温度(Tl)を設定温度と比較しTl≦Tlo のとき温
風機の運転を開始するが、その際、Ta−Tlo =ΔT を検
出し、ΔT >3℃のときは送風機のみを運転して逆転層
の暖い空気を作物周辺へ吹出し、1℃≦ΔT ≦3℃のと
きは送風機運転に低燃焼運転を加え、さらにΔT <1℃
のとき送風機運転と高燃焼運転とを行う。
暖い外気を最大限に利用するものであり、そのために
は、低い位置の作物周囲温度(Tl)を検出し、それを常に
設定温度(Tlo) と比較することに加え、Ta−Tlo =ΔT
を検出し、ΔT の値を見て送風のみか、送風+低燃焼
か、または送風+高燃焼かを決定しそのように実施す
る。
るが、それに先立ち本発明の原理について記述する。
は、凍霜害防除装置自体の限界能力をどう考えるかが重
要であるので、その点を含めて説明しよう。一般に、夜
間の最低気温は、上空をおおう気団の強さと地形条件等
を含めた放射冷却の強度により決まる。その時間的変動
は、植物(作物)体温、その周囲温度、逆転層内の上部
の気温などが互いにある巾をもっている。最低気温のレ
ベルを決めるものは上空の気団の強さが主原因であり、
互いの変動巾は放射冷却の進行具合と地形などによる逆
転層の形成度合が原因と考えられる。気団が強い場合
は、最低気温のレベルが下がるので大霜となる。ここ
で、他の湿度、風、日射、夜間放射などは霜発生条件に
合っているものとする。従って、どの位の大霜に対応で
きるかが凍霜害防除装置の限界能力であり、そのときの
最低気温を能力表示の目安とすることができる。逆の言
い方をすると、霜害発生の心配のある数日のスパンを考
えると、気団の状態等により冷却強度(気温)に変化が
あり、また1日のスパンのうちでも気温の低下は時々刻
々進行変化することを考慮に入れると、凍霜害防除装置
は常時最大能力で運転する必要はないのである。
−2℃〜−3℃程度に下がる気象条件の下においてであ
り、その時の植物体周囲の気温との差は小さい(たとえ
ばΔT =1℃〜2℃と考える)ので、同一高さの温風を
送風したとすると、攪拌による湿度条件は変えられるも
のの、葉温上昇効果は小さく、気温が霜点(0℃)以下
であるので、霜害防除効果は少ないと判断することがで
きる。また、逆転強度が大きいと言っても、どの高さの
気温(T℃) に対して、上層にどの位の逆転強度(ΔT)が
あるかが重要である。植物体周囲気温が−5℃(T) で、
逆転強度がΔT=5℃であっても、送風する風は気温0
℃(T) であるので、やはり霜害防除効果は期待すること
ができない。一般に、霜注意報は予想最低気温が3℃〜
5℃(T)以下で発令され、この温度は、1.5mの高さの気
温である。なお、防霜ファンは、この温度を霜害防除対
象部位で検出して運転するものである。
植物体の霜害防除対象部位であり、運転する温度も霜注
意報の温度が基準である。これは1.5mの高さの気温が3
℃〜5℃であっても、地表面の放射冷却の程度によって
は、地表面付近の気温は0℃になり、さらに植物体自体
の放射冷却を考えると、霜の降りる可能性があるからで
ある。従って、植物体の霜害防除対象高さの気温を基準
に吸込温度と比較し、その差(ΔTo) を一定に保つこと
が霜害防除装置の能力にとって重要である。
植物周囲の気温は時々刻々変化するので、それに対応す
るための出力の基準の温度(Tlo) を設定しておくことが
必要である。そのうえで、本願発明装置のように送風機
を上部に取付ける方式は、上層から吸込む気温(Ta)を検
出することができるので、基準温度(Tlo) と比較して出
力の段階を変更することができる。言い換えると、その
差 (Ta−Tlo =ΔTo)に応じて逆転強度の利用、発熱手
段の能力切替( 高/低)の3段階の省エネルギー運転が
可能になる。
転層を利用する点において省エネルギー方式といえる
が、本願発明の発熱手段を利用する方式では、省エネル
ギー運転をする点が重要であると判断し、逆転強度検出
により発熱手段の能力切替可能な送風機を装置上部に取
付ける構成とした。この技術的思想は、本願発明者らが
実施した霜害防除方法の試験結果に基づくものである。
のように実施した。 1) 対象作物:茶樹(新芽はまだ出ていなかった。) 2) 場所 : 奈良県奈良市矢田原町 圃場は山上の台地で、緩い傾斜地( 傾斜角約3度)に位
置する。 3) 期間 : 平成5年4月12日〜4月15日 4月13日朝大霜が発生し、気温は−3.9 ℃まで低下した
ことを計測した。 4) 効果 : a. 4月13日は最低気温−3.9 ℃で、直径10mの範囲に
効果があった。このとき、圃場すべてに降霜があり、霜
の濃淡が認められた。 b. 4月14日は最低気温−0.8 ℃、4月15日は最低気温
−0.4 ℃で、直径20mの範囲に効果があった。 (図1
1) c. 茶樹の場合、温風が当たらない樹冠面には降霜が残
った。 5) 試験装置性能および仕様 (図10装置) イ.総発熱量 : 36,000 Kcal/h ロ. 温風吹出口風速: 12.7m/sec ハ. 吹出口温度上昇 (ΔT): 23.7℃ ニ. 吹出口高さ : 1100mm(上吹) 、 360度旋回式
って、図中、200 は旋回モータ、201 は送風機、201aは
送風機モータ、202 は燃焼室、203 はバーナ、204 は制
御盤、205 はバーナ部、206 はバーナファン、207 はフ
レキパイプ、208 はファンボックス、209 はバッフルプ
レート、210 は燃焼ガス出口、211 は外気吸込口、212
はモータ架台、213 は缶体支持具、214 は混合板、215
は吹出口本体、216 は風速調整板、217 は温風吹出口、
218 は動力輪、219 は動力輪ガイド溝、220 は旋回フラ
ンジ、221 は旋回レール、222 はスプリング、223 はロ
ーラa、224 はローラb、225 はローラc、226 は本体
側フランジである。
れ、黒矢印は燃焼ガスの進行方向を、また白抜矢印は送
風機201 が吸込んだ外気の進行方向を示し、燃焼ガス出
口210から出る燃焼ガスは混合板214 で攪拌され、燃焼
室202 の上方の吹出口本体215内で吸込んだ外気と混合
される。温風は風速調整板216 によって 360度旋回する
温風吹出口217 から砂地を付けた矢印で示すように外方
へ吹出される。旋回モータ200 、動力輪218 、動力輪ガ
イド溝219 、スプリング222 、旋回フランジ220、旋回
レール221 は吹出口本体215 を回転させるために設けら
れる。
除効果の範囲を示す図で、同図(a)は○で囲んだ数字1
から10までの符号を付けた左の茶株と、○で囲んだ数字
11から26までの符号を付けた右の茶株の模式的平面図、
同図(b) はそれぞれ傾斜角3.3 度の左と右の茶株の模式
的断面図で、図中、81は防霜ファン(試験中は運転せ
ず。)、82は高さ2.0 mの網フェンス、83は道路で東西
南北の方位はEWSNで示し、左下りの点線を付けた部
分84は松樹の枝、85は試験機である。試験場の大きさ、
茶株の高さは図にメートル(m) で示した。
13日朝(最低気温は−3.9 ℃)効果が及んだ範囲、右下
りの斜線を付けた部分B(左下りの斜線を付けた部分を
含む。)は同4月14日朝と4月15日朝に効果が及んだ範
囲である。
月15日の試験における温度および風速分布は図12(a)
と(b) の線図にそれぞれ示され、これらの線図におい
て、横軸には到達距離〔m〕を、縦軸には高さ〔m〕と
る。温度 (ΔT)は実線で、風速は破線でトレースした。
まれた東向斜面の中腹にある緩い傾斜地─傾斜角度約4
度─) 期間 :平成5年3月末〜4月中旬。データは4
月16日にとった。(4月13日朝大霜あり約−5℃まで
気温低下の報告を受けている) 試験装置性能および仕様(図13の装置) (a) 総発熱量 30,000 Kcal/h (b) 温風吹出口風速 10.8m/sec (c) 吹出口温度(上昇) 14.5℃ (d) 吹出口高さ(上吹) 1,475 mm、 360度旋回式 (e) 燃料油 灯油
て、図10に示した部分と同じ部分は同一符号で示
す。)に示す本願発明者らが開発した温風機(総発熱量
30,000Kcal/h )は、図14に示す吹出温風温度(ΔT)
および吹出温風速度分布の性能をもつ。図14におい
て、横軸に到達距離〔m〕を、縦軸に高さ〔m〕をとっ
た。温風の吹出口は1.5 mの高さの位置にあり、吹出口
出口の温風温度(ΔT)は14.5℃、吹出風速は10.8m/sで
あった。温度分布は実線で、風速分布は破線でトレース
した。気温は 8.5℃ (=吸込温度)であり、従って吹出
温風温度は 8.5℃+14.5℃=23℃で、測定は室内でなさ
れたものである。
た部分と同じ部分は同一符号で示し、燃焼室202 はやや
縦長に構成され、上方部分に多くのバッフルプレート20
9 が配置されている。黒矢印方向に動く燃焼ガスは燃焼
ガス出口210 から出て吹出口本体215 内で吸込まれた外
気と混合され温風を作る。温風は整流板227 によって整
流されて外方へ吹出される。
5に示し、同図(a) は平面図、同図(b) は圃場の傾斜を
示す図である。二重丸印は前記温風機の位置を、左下り
斜線を付けた部分AとBは霜害を受けた部分を、丸印の
中の数字は梅樹の認識番号を、また丸印の近くの上段カ
ッコ内の数値は本発明装置からの距離を、下段カッコ内
の数値は梅樹の高さをそれぞれ示す。東西南北の方位は
EWSNで示し、図の上方は同図(b) に示す傾斜角の山
である。この圃場( 梅林) の大きさは図にメートル(m)
で示すが、その面積は 516.5m2 (156.6 坪) である。
の結果は、4月13日には前記したように大霜が発生し最
低気温は約−5℃まで低下したとの報告を受けている
が、前記温風機から北西約12mの冷気が入る部分Aで梅
幼果の一部に、また北東約14mの部分Bで梅幼果の一部
に被害があっただけで、霜害防除効果は良好と判断し
た。
較圃場で前記温風機を用いない自然のままの状態のとこ
ろでは、ほとんど全体の梅樹が被害を受けた。なお、図
15の圃場の位置する地域は霜害をしばしば受け、従来は
4年に1度しかまともな収穫が得られないところであ
る。
の装置の外形を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)
は正面図、同図(c) は右側面図で、図中、91は送風機吸
込口、92は操作部、93は油配管接続口で、破線で示す部
分は内部の電源接続端子94である。なお、装置の大きさ
は図にミリ(mm)で示した。
のとおりである。 総発熱量 30,000 Kcal/h (和歌山) 36,000 Kcal/h (奈良) 燃料消費量 灯油 3.7 l/h (和歌山) 灯油 4.4 l/h (奈良) 吹出上昇温度 (ΔT) 14.5℃ (和歌山) 23.7℃ (奈良) 電源 AC 200V三相 消費電力 970 W 運転電流 3.7 A バーナ ガンタイプバーナ 送風機 プロペラファン(直径600 mm) 制御方式 ON-OFF自動制御 サーモスタット サーミスタ式 0〜35℃可変 温風吹出口 エルボ吹出式、旋回・首振機能付
転強度を検出してなす送風運転と発熱燃焼の制御機構」
のブロック図(図1)と送風・高/低燃焼切替運転のフ
ローチャート(図2)を参照して本発明の方法を説明す
る。なお、図1において、61は操作部、62は送風機ラン
プ、63は温度設定部、64はバーナランプ、65は送風機吸
込口サーミスタ、66は作物用サーミスタ、67は制御回
路、68はサーモ回路、69はバーナ回路、70は送風回路、
71は送風回路70に連結された送風機、72は外部機器連動
接点、73はバーナファン、74は電磁ポンプ、75はノズ
ル、76は電磁弁、77はイグナイタ、78は火炎検出器、79
は吹出口旋回モータである。
(作物)の周囲温度(Tlo) を設定する温度設定部63、バ
ーナランプ64が設けられる。バーナランプ64は2個あ
り、図をみて左のランプは低燃焼を、右のランプは高燃
焼を示す。温度設定部63の右の数字5を表示しているも
のはTlo を示し、その下方の逆三角形は設定温度を下げ
るボタン、その左の逆三角形は設定温度を上げるボタン
である。サーミスタには、高所の送風機吸込口付近の気
温(Ta)を検出するサーミスタ65と、低所の作物付近の気
温(Tl)を検出するサーミスタ66と2個設ける。温度設定
部63からの信号は直接に、またサーミスタ65と66からそ
れぞれ出力される信号TaとTlはサーモ回路68を経て制御
回路67に入力され比較判断され、送風回路70を経て送風
機71、吹出口旋回モータ79とバーナ回路69を経てバーナ
ファン73、電磁ポンプ74、ノズル75、電磁弁76、イグナ
イタ77を具備するバーナを制御する。防霜ファンなどへ
の外部機器連動接点72は制御回路67から送風回路70を経
て信号が出力される。
てから、イグナイタ77により火花を発生し、電磁ポンプ
74が作動する。電磁ポンプ74が作動すると、ノズル75か
ら燃油が噴霧され、イグナイタ77の火花により着火す
る。着火・燃焼状態は火炎検出器78により判断され、定
常燃焼( 高燃焼) に移る。電磁ポンプ74の信号と同時に
電磁弁76のON信号が出される場合は低燃焼となる。送風
機71のみの運転のとき、バーナは運転を停止する。
替運転手順を説明する。 a) サーモスタットの温度設定は、植物体( 作物) の表
面付近の気温が何度まで下がったら霜害防除装置を動作
させるかを意味する。先ず、温度設定(Tlo) をする。一
般に、Tlo は霜注意報が発せられる予想最低気温と同じ
3℃〜5℃程度であるので、フローチャートの例として
は Tlo=5℃とした。
高所) 。 c) 作物周囲の気温(Tl)を検出する( 低所) 。好ましく
は、最も低いところでTlを検出する。 d) 設定温度(Tlo) と作物周囲の気温(Tl)を比較し、Tl
≦Tlo =5℃のときに運転動作Aに移行する。Tl>Tlo
=5℃のときは引続き監視を続けるため温度設定の前に
もどる。
と設定温度(Tlo) との差(ΔT)をとる。その差は逆転強
度を意味するが、ΔT がどの範囲にあるかで、送風機の
み運転と、バーナの高低燃焼の運転とに切替える。 f) ΔT >3℃では、送風機のみ運転(逆転層利用) g) 1℃≦ΔT ≦3℃では、送風機プラス低燃焼運転
(逆転層利用) h) ΔT <1℃では、送風機プラス高燃焼運転 i) 各運転状態は、運転後一定時間(t) 後に設定温度Tl
o とTlを比較して、Tl≦Tlo の場合には図のAにもど
り、出力切替をなす。Tl>Tlo の時には、送風機高/低
燃焼を停止し監視状態にもどる。
熱手段の能力切替の説明であるが、逆転強度検出のため
の高所気温(Ta)と低所気温(Tl)の位置は重要である。Ta
は通常の基本型を送風機の上方付近の位置とするので2
m 程度である。防霜ファンのように高い位置(6〜10m)
にすると、逆転強度が高い場合には、吸込口と強度の強
い部分との距離があるので、その分布による誤判断や、
送風機の吸込能力が及ばないと判断されるので、送風機
位置付近の高さでのTa計測にした。
あるが、逆転層検出による省エネルギー運転のために
は、できるだけ低いところに作物の周囲温度Tlを検出す
るサーミスタを設置する。凹地では冷気は低いところに
たまり、低い所の作物が先に霜害を受ける。また、霜害
を受ける圃場が傾斜をもつ場合には同様に低いところの
作物を基準にする。一方霜害防除装置を運転する場合、
Tl検出用のサーミスタは、霜害防除装置からの温風の有
効効果範囲内で温風の直接当たるところに設置しないこ
とが重要である。従って、作物の周囲温度を計測するサ
ーミスタの位置は、霜害防除装置の有効な効果の及びに
くい、作物体の霜害防除対象高さの低所部分で、一番先
に被害を受ける可能性の高いその圃場内の低所部に設置
する。
る装置は下記の構成をとる。 本体にバーナによる発熱手段を内蔵し、その上部に
外気を取り込む送風機を取付け、下部には発生した温風
を吹出す温風吹出口を取付けた構造で、それによって接
地逆転層に生じる高所の高い温度の空気を利用する。 バーナによる火炎が完全燃焼するように燃焼室を設
け、その上部の燃焼ガスの出口には送風機から送られる
外気をよく混合させるために混合板が設けてある。 温風吹出口は専用モータによる旋回および首振り機
能をもち、その旋回速度および首振り速度は、植物体の
温度を効果的に上昇させるために一定値に設定されてい
る。そして、温風吹出口の出口では温風温度が平均20℃
以下(最大25℃以下) に設定してある。 また、温風吹出口は吹出口の角度調整のための機構
をもつ。吹出口部分の吹出口の角度調整部は、本体側フ
ランジと吹出口旋回部のフランジより対向してアームを
出し、一方をヒンジ構造で接続し、もう一方を角度調整
のためステーで接続して、外周を蛇腹でおおってある。 送風機と吹出口は互の位置(上・下)を逆に組替え
ることができる寸法とした。 外装をステンレス材、骨組みを亜鉛メッキして耐腐
食性を高め、また蛇腹はシリコンゴム系シートを使用し
て耐熱性を高めている。
気象条件下で発生し、被害にあった植物体は凍結し、寒
さに弱い部分が凍死したり、生理障害を起こす。しか
し、同様な温度条件下の植物体でも結霜および凍露を受
けなかった場合には、過冷却状態を保ち生き残ることが
知られている。本発明は、温風を植物体に吹きつけて、
植物体の表面温度を上昇させ、また植物体の周囲の大気
を強制的に流動させることにより、過冷却状態をやぶり
凍結に至る原因である結霜をおよび凍露を防止して、効
率的に霜害を防除または軽減する。
味の特性を持った移動性高気圧がやってきて、快晴無風
となり放射冷却の強まる夜である。このような条件の時
の大気は気温の接地逆転層を生じ、その内部では地表付
近より上部の方が気温が高い。上部に送風機を取付ける
ことによって、より高い温度の空気を吸込んで、発熱手
段から得られる燃焼ガスと混合する方法は、より有利に
霜害防除を実施することができる。 温風を下方に吹出す場合は、背丈の低い作物に作用
し、組替えて上方より吹出す場合は、逆転層の利用はな
くなるが、背丈の高い作物にも有効に作用することがで
きる。 吹出口自体の旋回により広範囲の霜害の防除を可能
にする。 吹出口の旋回速度は、植物体の温度を有効に上昇さ
せるため一定値を選んである。 吹出す温風は、高すぎることは植物体に高温害を及
ぼす可能性もあり、また吹出噴流の浮力上昇を増大する
ので有効到達距離を減じ、有効面積を少なくするので、
なるべく低温風を発生することが望ましい。実施例では
吹出口出口で平均温度上昇を20℃程度とした。 傾斜地では吹出口の吹出口角度調整機能があること
によって、斜面に沿って生える作物に対して有効に温風
を当てることができ、それによって傾斜地の逆転強度は
一般に弱いと言われるところをカバーする。
れ、図3(a) 、(b) 、(c) はそれぞれ当該装置の平面
図、正面図、左側面図であり、図4は図3(a) のA−A
線矢視断面図、図5は図3(a) のB−B線矢視断面図、
図6は図4の装置における吹出口部の角度調整時の断面
図、図7は図6に類似する他の実施例の断面図である。
先ず、図3〜図5を参照すると、1は送風機、1aは送風
機モータ、1bは送風機取付フランジ、1cは送風機アー
ム、1dは羽、1eはベルマウス、1fは送風機フランジ、2
は燃焼室、3はバーナ、4は温風吹出口、5は整流板、
6は吹出口角度調整整用の蛇腹、7は吹出口角度調整整
用のガイド、8は吹出口角度調整用の固定具、9は温風
吹出口旋回用のステー、10はモータ、11はプーリー、12
はベルト、13はベルト用のガイド溝、14は軸、15はベア
リング、16は制御盤、16a は操作部、17は継手、17a は
継手接続用棒、18はアームB、19はアームA、20はロー
ラ、21はアームC、22はモータ取付具、23は吹出口本
体、24は混合板、25はステー、26はギヤボックス、27は
モータ、28は本体部、29は吹出口部、30は本体側フラン
ジ、31はバーナ部、32はブラストチューブ、33はバーナ
ファン、34はバーナファン取付用のフランジ、35はフレ
キパイプ、36はファンボックス、37はバーナ口パイプ、
38はバーナ口フランジ、39は吹出口角度調整部、40は吹
出口旋回部であり、これら2つの部で吹出口部29を構成
する。41は中間フランジ、42は旋回フランジ、43は寸法
調整スリーブ、44はハウジング、45は燃焼ガス出口、46
は傾斜地表面、47は燃焼ガス、48は外気、49は温風、50
は中板、51は補強金具、52は脚、53は蓋である。
明する。先ず、図3を参照すると、送風機1は羽1d、送
風機モータ1a、送風機アーム1c、ベルマウス1e、送風機
フランジ1fで一体的に構成されており、本体部28の上部
に配置されている。操作部16a は制御盤16の内部にあ
り、扉をあけて操作をなす。外部からは扉の窓が見える
ので図のように表示した。中板50は吹出口部29と本体部
28の中間にあって両者を接続する。補強金具51は、平板
状の中板50が変形せずに本体部28の荷重を脚52に受ける
ために取付けられている。補強金具51は本体部28と中板
50にボルトで取付けられる。脚52は中板50の四隅にボル
トで固定される。
機取付フランジ1bによって本体部28に取付けられてい
る。温風吹出口4は本体側フランジ30によって本体部28
に取付けられる。吹出口部29の本体側フランジ30の取付
寸法と送風機取付フランジ1bの取付寸法は同じであるの
で、送風機1と温風吹出口4とは上下組替えができるよ
うになっている。
焼室2の中心軸に対して直角にブラストチューブ32が向
けられ本体部28側部に固定されている。
焼室2とを連結するバーナ口パイプ37に差し込み固定さ
れるブラストチューブ32と直角に交わる方向に本体部28
に取付けられたバーナファン取付けフランジ34に固定さ
れ、フレキパイプ35でファンボックス36と接続されてい
る。ファンボックス36は、図示しない整流板によって燃
焼空気の方向を直角に曲げる。この構成は全体を薄形構
造にするためのものである。
取付けられたバーナ口フランジ38と図示しない支持具で
本体部28に固定されており、その中心軸は本体部28の中
心軸に一致している。
(図4〜7)、上部が燃焼ガス出口45として開口してい
る。また、この燃焼ガス出口45の上方に燃焼室2と図示
しない金具で一体的に混合板24が取付けられ、燃焼ガス
47は送風機1が吸込む外気48と混合される。
39と吹出口旋回部40とからなっている。吹出口角度調整
部39は、本体部28へのバーナ取付方向と90度ずらして吹
出口角度を調整できるように取付けられている。その構
成は、本体側フランジ30の本体部28へのフランジ取付面
と直角をなしてアームA19を取付け、アームA19端部に
ヒンジ構造で中間フランジ41と接続している。また、本
体側フランジ30はアームA19の反対側にアームB18を突
出させ、アームB18の端部には回転自在の継手17が取付
けてある。本体側フランジ30と中間フランジ41とは伸縮
自在の蛇腹6で接続する。
されており(図4)、かつ、旋回フランジ42にはモータ
取付具22が取付けられモータ10が固定されて、その反対
側にはアームC21が取付けられている。アームC21の端
部には回転自在の継手17が取付けられて、ガイド7で本
体側フランジ30の継手17と接続されている。
合わせて吹出口の角度を調整した状態を示すが、同図を
参照すると、継手17と継手17との間にはアームA19と平
行を出手ための寸法調整用スリーブ43が取付けてある。
また、同一高さに位置する継手17どうしは吹出口角度調
整用のガイド7を補強するため継手接続用棒17a で水平
方向に2ケ所固定されている(図3(c))。スリーブ43は
図示しない金具で固定具8と一体に固定されており、ガ
イド7がスライドして角度調整され固定具8で固定す
る。
は、アームC21に操作者の手をかけて支えながら、2ヶ
所の吹出口角度調整用の固定具8を回してゆるめてか
ら、アームC21を押し下げる。ここで、圃場の最大傾斜
角度が30度程度あるならば、温風吹出口4の調整角度を
大にしなければならず、継手17の回転を調整する必要が
あるので、継手接続用棒17a(図3(c))の片方の端にあり
この棒17a の軸方向から継手17を締付けている回転調整
ボルト( 図示せず。)2個をゆるめた後に上記の操作を
なす。
から構成されており、旋回フランジ42からのステー9
は、ベアリング15を収納するハウジング44と一体のフラ
ンジ部に固定されている。
は、周方向にローラ20が配置されており、吹出口本体23
が軸14の中心と一致して回わるように調整される。
の外周にはベルト用ガイド溝13が設けてあり、これによ
り、吹出口本体23とモータ10に取付けられたプーリー11
とがベルト12により連結される。吹出口本体23の温風吹
出口には、整流板5が取付けてある。
ス26によって旋回させる方式の本発明の他の実施例の図
4に類似の図である。ギヤボックス26はステー25によっ
て旋回フランジ42に固定され、軸14を延長してギヤボッ
クス26と接続する。その他の部分は図3〜6に示す部分
と同じである。
て説明すると、図7の当該操作部分は図3〜図6に示す
ものと同じである。ギヤボックス26は、温風吹出口4の
回転速度の調整用に設けられたもので、次に、図3〜図
6の装置と図7の装置の回転機構について説明する。
果による低速回転を得る機構は、本願発明の装置のモー
タ10は一般に市販されている大きい減速比の得られるギ
ヤードモータを使用し、さらにガイド溝13とプーリー11
を接続するベルト伝導系によりさらに減速する機構にな
っている。
6のガイド溝13とプーリー11を接続したベルト伝導系の
減速比を得る部分に相当する。ギヤボックス26はウォー
ムギヤの機構であるので、自縛作用があることを特徴と
し、温風吹出口4を固定した使用する必要のある場合有
利で、大きい減速比を得る。なお、ギヤードモータの場
合は、停止するためにはブレーキ付きのものでなければ
ならず、大きい減速比のタイプは、専用の中間ギヤヘッ
ドやコントローラを必要とする。
きの傾斜地に対応した吹出角度45度のときの温度と風速
の分布を示し、図(a) は斜面上方に吹出した場合を、図
(b)は斜面下方に吹出した場合を示す。いずれの図にお
いても、横軸に到達距離〔m〕を、縦軸に高さをとっ
た。試験の結果から、この装置は傾斜地で使用して有効
な性能を示すことが判明した。
に濾紙を重ねて純水を含ませ、食品包装用ラップフィル
ム( 原材料、ポリ塩化ビニリデン) で覆って模型葉と
し、内部に熱電対を封じ込んだものを用い、温度上昇効
果試験を行った結果を示す線図で、横軸には温風到達距
離を、縦軸には、温度上昇巾(ΔT)を℃でとった。温度
上昇巾は計測された波形データの実効値とした。曲線
a、b、cは吹出口旋回速度が 0.7〜1rpm 、0.3 〜0.
4 rpm 、2 rpmであった場合の状態を示す。回転速度の
早い2rpm では距離が10〜15m地点で温度上昇巾が減少
している。
良)、図13(和歌山)の双方の例で0.35rpm であっ
た。図3〜図7の装置でも、回転速度は1rpm 以下にす
る。実際の葉温上昇試験は冬場の乾燥大気中で再確認す
る予定である。実効値の計算精度が高まると1rpm 以下
の回転速度で、到達距離が大きい部分ではΔT がせまい
範囲に収束することが確かめられた。また、別の回転速
度をあげた試験では、回転速度が1rpm を超えた場合、
到達距離が大きい部分ではΔT がほとんど0になること
も確かめられた。
3rpmの範囲が有効と判断され、両方の装置、すなわち図
10と図13の装置および図3〜図7の装置に該当する
ことも確かめられた。従って、図5の制御盤16を搭載し
た装置は、温風吹出口4の回転速度の制御(回転機構に
よる減速比)は図9の情報(有効回転速度範囲)に合う
ようになる。
下記が確認された。本発明では、逆転層の温かい外気を
最大限に利用するのであるが、本発明方法では作物周囲
に維持すべき設定温度(Tlo) を設定し、温風機より上方
付近の位置の外気温度(Ta)と、低いところの作物周囲温
度を検出し、作物周囲温度が設定温度以下のときに温風
を作物周囲に送る。この方法の実施に用いる温風機は上
方から逆転層の外気を吹込み、下方から温風を吹出す構
成のもので、この温風機は、 1) 温風吹出口に吹出口角度調整機能があるので傾斜地
でも有効に霜害防除効果が発揮できる。 2) 上方から外気を取り入れて、下方より温風を吹出す
方式であるので吸込口付近の温度を感知する制御手段を
採用することにより、逆転度(上下の温度差)の程度に
よる発熱手段の能力切替、言いかえると送風機のみの運
転と省エネルギー運転が可能であり、他の凍霜害の防除
法との組合せによる発展性を有するものである。
制御機構のブロック図である。
である。
(b) は正面図、その(c) は左側面図である。
る。
と風速の分布を示す線図で、図(a) は斜面上方に吹出し
た場合の図、図(b) は斜面下方に吹出した場合の図であ
る。
る。
囲を示す図で、同図(a) は茶株の模式的平面図、同図
(b) は茶株の模式的断面図ある。
速分布を示す図である。
である。
速分布を示す図である。
囲を示す圃場の図で、同図(a) は平面図、同図(b) は圃
場の傾斜を示す図ある。
平面図、その(b) は正面図、その(c) は右側面図であ
る。
平面図、その(b) は正面図、その(c) は右側面図であ
る。
その(b) は斜視図、その(c) は断面図、その(d) は断面
図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 本体部(28)の内部に燃焼ガス(47)を発生
する燃焼室(2) を配置し、 燃焼室(2) の上部に本体部(28)の上方から外気(48)を吸
込む送風機(1) を設け、 吸込んだ外気(48)と燃焼ガス(47)とを本体部(28)内にて
混合して温風(49)となし該温風(49)を本体部(28)下方の
温風吹出口(4) から排出することを特徴とする凍霜害防
除方法。 - 【請求項2】 作物の表面付近の気温が何度まで下れば
凍霜害防除装置を作動させるかの設定温度(Tlo) を設定
する手順、 凍霜害防除装置の送風機(1) の外気の吸込口付近で外気
温(Ta)を検出する手順、 作物周囲の気温(Tl)を検出する手順、 設定温度(Tlo) と作物周囲の気温(Tl)とを比較する手順
を経て、 Tl≦Tlo であれば凍霜害防除装置の運転動作に移行する
ことを特徴とする凍霜害防除方法。 - 【請求項3】 Tl>Tlo のときには設定温度(Tlo) 設定
前の段階に移行する請求項2記載の凍霜害防除方法。 - 【請求項4】 作物の表面付近の気温が何度まで下れば
凍霜害防除装置を作動させるかの設定温度(Tlo) を設定
する手順、 凍霜害防除装置の送風機(1) の外気の吸込口付近で外気
温(Ta)を検出する手順、 作物周囲の気温(Tl)とを検出
する手順、 設定温度(Tlo) と作物周囲気温(Tl)を比較する手順を経
て、 Tl ≦ Tloであれば凍霜害防除装置の運転動作に移行す
るにおいて、 TaとTlo との温度差 (ΔT)を検出し、 ΔT >3℃のときは送風機(1) のみを運転し、 1 ℃≦ΔT ≦3 ℃のときは送風機(1) の運転に加えて凍
霜害防除装置の低燃焼運転を開始し、 ΔT <1 ℃のときは送風機(1) の運転に加えて凍霜害防
除装置の高燃焼運転を開始する凍霜害防除方法。 - 【請求項5】 凍霜害防除装置を所定時間(t) 運転した
後においてTlo とTlとを比較し、 Tl≦Tlo のときはΔT 検出の前の段階に移行し、 Tl>Tlo のときには凍霜害防除装置の送風機(1) 運転と
燃焼運転とを止め設定温度(Tlo) 設定の前の段階にもど
る請求項4記載の凍霜害防除方法。 - 【請求項6】 送風機ランプ(62)、バーナランプ(64)お
よび温度設定部(63)から成る操作部(61)、 送風機吸込口付近の外気温(Ta)を検出するサーミスタ(6
5)、 作物周囲気温(Tl)を検出するサーミスタ(66)、 サーモ回路(68)、送風回路(70)およびバーナ回路(69)を
具備する制御回路(67)および火炎検出器(78)から成り、 操作部(61)は制御回路(67)に、サーミスタ(65)とサーミ
スタ(66)とはサーモ回路(68)に、また炎監視装置はバー
ナ回路にそれぞれ接続され、 送風回路(70)は送風機(71)と吹出口旋回モータ(79)と外
部機器連動接点(72)に接続され、 バーナ回路(69)は燃焼系に接続された制御機構を有する
ことを特徴とする凍霜害防除装置。 - 【請求項7】燃焼系は、それぞれがバーナ回路に接続さ
れたバーナファン(73)、ノズル(75)に接続された電磁ポ
ンプ(74)、電磁弁(76)およびイグナイタ(77)から成る請
求項6記載の凍霜害防除装置。 - 【請求項8】 本体部(28)の上方に設けられた送風機
(1) 、本体部(28)の外部のバーナ(3) に連結され本体部
(28)内に配置された燃焼室(2) および本体部(28)の下方
に配置された温風吹出口(4) から成り、 送風機(1) はその上方の外気(48)を下方の本体部(28)内
に送り、 燃焼室(2) は下方に凸の形状のもので上方は開口されて
燃焼ガス出口(45)を形成し、該燃焼ガス出口(45)は混合
板(24)によっておおわれ、 燃焼室(2) が発生する燃焼ガス(47)は吸込まれた外気(4
8)と本体部(28)内で混合して温風(49)を作り、 温風吹出口(4) の温風吹出部には整流板(5) が設けられ
て排出する温風(49)を所定方向に吹出す如くに温風(49)
を整流する凍霜害防除装置。 - 【請求項9】 送風機(1) を本体部(28)に取付ける送風
機取付フランジ(1b)と、温風吹出口(4) を本体部(28)に
取付ける本体側フランジ(30)とは取付け寸法が同一であ
り、送風機(1) と温風吹出口(4) とは互いに交換して取
付け可能である請求項8記載の凍霜害防除装置。 - 【請求項10】 本体部(28)の外部に設けられるバーナ
ファン(33)はバーナ(3) と燃焼室(2) とを連続するブラ
ストチューブ(32)と直角方向に取付けられ、フレキパイ
プ(35)でファンボックス(36)に接続し、バーナファン(3
3)が取込む外気はほぼ直角に向きを変えて燃焼室(2) に
供給される請求項8記載の凍霜害防除装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5285497A JP2684323B2 (ja) | 1993-10-21 | 1993-10-21 | 凍霜害防除方法とその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07115855A true JPH07115855A (ja) | 1995-05-09 |
JP2684323B2 JP2684323B2 (ja) | 1997-12-03 |
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ID=17692295
Family Applications (1)
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