JPH0711404Y2 - 自動車用白熱電球 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車のヘッドライトやフォッグランプとし
て用いられる自動車用白熱電球に関する。

〔従来の技術〕

従来の自動車用白熱電球の一例においては、白熱電球の
一端のピンチシール部から外方に突出する外部リード棒
の一方が、当該ピンチシール部を覆うように装着された
矩形状金属製口金の内壁に直接溶接されて電気的に接続
されている。他方の外部リード棒には被覆リード線が溶
接され、そしてこの被覆リード線は、矩形状金属製口金
の底部内壁面に沿って折り曲げられて当該矩形状金属製
口金の側部開口から外方に導出されている。

しかるに、矩形状金属製口金が一方の外部リード棒に電
気的に接続されているので、他方の外部リード棒と被覆
リード線との接続部分と、矩形状金属製口金との絶縁を
十分に確保することが重要である。

このような絶縁を確保するために、従来は、他方の外部
リード棒と被覆リード線との接続部分を覆うように、柔
軟な材料からなる絶縁性被覆管を配置し、この絶縁性被
覆管の他端を被覆リード線と同様に折り曲げて矩形状金
属製口金の側部開口から外方に導出し、矩形状金属製口
金の底部を構成する別体の底板により、絶縁性被覆管お
よび被覆リード線を挟圧固定する構成が採用されてい
た。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記の構成では、絶縁性被覆管を被覆リード線
とともに曲げる必要があるため、絶縁性被覆管の強度が
低下する問題がある。

また、被覆リード線は絶縁性被覆管を介して底板により
挟圧されるため、被覆リード線に対する挟圧力が不十分
となりやすい。加えて、被覆リード線と外部リード棒と
の接続部分に無理な力が作用するため耐振性が劣る問題
がある。

また、絶縁性被覆管の構成材料としては、折り曲げ可能
な柔軟な構造のものを選択しなければならず、その結果
耐熱性が不十分となる問題がある。

本考案の目的は、外部リード棒と被覆リード線の接続部
分と、矩形状金属製口金との間の絶縁を十分に確保でき
るうえ、当該接続部分に無理な力を与えることがなく、
かつ耐熱性の優れた絶縁構造を有する自動車用白熱電球
を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案においては、一端のピ
ンチシール部より伸びる一対の外部リード棒を有する白
熱電球と、当該ピンチシール部を覆うように設けられ
た、位置決め用リングを有する矩形状金属製口金とを備
え、前記外部リード棒の一方が前記矩形状金属製口金に
接続され、前記外部リード棒の他方に被覆リード線が接
続され、かつ当該被覆リード線が前記矩形状金属製口金
の底部内壁面に沿って折り曲げられて当該矩形状金属製
口金の側部開口から外方に導出されてなる自動車用白熱
電球において、前記外部リード棒と前記被覆リード線と
の接続部分を覆い、その一端が前記ピンチシール部の底
部外壁面に当接し、その他端が前記被覆リード線の折り
曲げ部分に当接して当該底部外壁面と折り曲げ部分との
間に挟持されるようにガラス繊維からなる絶縁性被覆管
を配設し、前記矩形状金属製口金の底部壁に形成したカ
シメ片により前記被覆リード線を挟圧固定した構成を採
用する。

〔作用〕 外部リード棒と被覆リード線との接続部分が絶縁性被覆
管で覆われているので、当該接続部分と矩形状金属製口
金との間が短絡するおそれがない。

絶縁性被覆管は、その一端がピンチシール部の底部外壁
面に当接し、その他端が被覆リード線の折り曲げ部分に
当接して、両者の間で挟持された直管状のものであるの
で、絶縁性被覆管が十分に位置固定されて位置ずれが生
じにくい。しかも直管状であって柔軟性は要求されない
ため耐熱性の優れたガラス繊維により構成することがで
きる。

被覆リード線は、矩形状金属製口金の底部壁に形成した
カシメ片により直接挟圧固定されているので、被覆リー
ド線の位置ずれが生ぜず、従って被覆リード線と外部リ
ード棒との接続部分にも無理な力が作用するおそれがな
い。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について説明する。

本実施例の自動車用白熱電球を第１図に示す。

白熱電球10のガラス製封体の一端には偏平なピンチシー
ル部11が形成されている。このピンチシール部11からは
一対の外部リード棒12,13が外方に突出して伸びてい
る。14,15は封着用金属箔、16,17は内部リード、18はフ
ィラメントである。

矩形状金属製口金20は、白熱電球10のピンチシール部11
を覆う状態に取り付けられている。21は矩形状金属製口
金20の側方に伸びる位置決め用リングである。

一方の外部リード棒12は、矩形状金属製口金20の内壁に
溶接されて電気的に接続されている。他方の外部リード
棒13には被覆リード線30が溶接されて電気的に接続され
ている。この被覆リード線30は、第２図にも示すよう
に、矩形状金属製口金20の底部内壁面22に沿って折り曲
げられて当該矩形状金属製口金20の側部開口23から外方
に導出されている。

絶縁性被覆管40は、絶縁性の高いガラス繊維からなる直
管状の構造を有し、被覆リード線30と外部リード棒12と
の接続部分31を覆うように配置されている。絶縁性被覆
管40の一端はピンチシール部11の底部外壁面19に当接
し、絶縁性被覆管40の他端は被覆リード線30の折り曲げ
部分32に当接していて、当該底部外壁面19と折り曲げ部
分32との間に挟持されている。

被覆リード線30は、矩形状金属製口金20の一部を切り欠
いてこれを屈曲して形成したカシメ片24により挟圧固定
されている。

以上の本実施例の自動車用白熱電球においては、被覆リ
ード線30と他方の外部リード棒13との接続部分31が、ピ
ンチシール部11の底部外壁面19と被覆リード線30の折り
曲げ部分32との間に挟持された直管状でガラス繊維から
なる絶縁性被覆管40により覆われているので、当該接続
部分31と矩形状金属製口金20との絶縁が十分に確保され
るうえ、絶縁性被覆管40の耐熱性が格段に優れたものと
なり、高温下においても十分な絶縁が確保される。

そして被覆リード線30は、矩形状金属製口金20の底部壁
に形成したカシメ片24により直接挟圧固定されているの
で、被覆リード線30および絶縁性被覆管40の位置ずれが
防止され、従って被覆リード線30と外部リード棒13との
接続部分31に無理な力が作用するおそれがなく、耐振性
が優れた絶縁構造となる。

〔考案の効果〕

以上詳細に説明したように、本考案によれば、被覆リー
ド線と他方の外部リード棒との接続部分を覆う絶縁性被
覆管がガラス繊維よりなるため耐熱性の高い絶縁構造と
なり、しかも絶縁性被覆管がピンチシール部の底部外壁
面と被覆リード線の折り曲げ部分との間に挟持されたう
え、被覆リード線が矩形状金属製口金の底部壁に形成し
たカシメ片により直接挟圧固定されているので、被覆リ
ード線および絶縁性被覆管の位置ずれが確実に防止され
て被覆リード線と外部リード棒との接続部分に無理な力
が作用するおそれがなく、耐振性が優れた絶縁構造とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例に係る自動車用白熱電球の断面図、第２
図は実施例に係る自動車用白熱電球の要部を示す側面図
である。 10…白熱電球、11…ピンチシール部 12,13…外部リード棒、14,15…封着用金属箔 16,17…内部リード、18…フィラメント 19…ピンチシール部の底部外壁面 20…矩形状金属製口金、21…位置決め用リング 22…底部内壁面、23…側部開口 24…カシメ片、30…被覆リード線 31…被覆リード線と外部リード棒との接続部分 32…折り曲げ部分、40…絶縁性被覆管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一端のピンチシール部より伸びる一対の外
   部リード棒を有する白熱電球と、当該ピンチシール部を
   覆うように設けられた、位置決め用リングを有する矩形
   状金属製口金とを備え、 前記外部リード棒の一方が前記矩形状金属製口金に接続
   され、前記外部リード棒の他方に被覆リード線が接続さ
   れ、かつ当該被覆リード線が前記矩形状金属製口金の底
   部内壁面に沿って折り曲げられて当該矩形状金属製口金
   の側部開口から外方に導出されてなる自動車用白熱電球
   において、 前記外部リード棒と前記被覆リード線との接続部分を覆
   い、その一端が前記ピンチシール部の底部外壁面に当接
   し、その他端が前記被覆リード線の折り曲げ部分に当接
   して当該底部外壁面と折り曲げ部分との間に挟持される
   ようにガラス繊維からなる絶縁性被覆管を配設し、 前記矩形状金属製口金の底部壁に形成したカシメ片によ
   り前記被覆リード線を挟圧固定したことを特徴とする自
   動車用白熱電球。