JPH051898Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、複写機やプリンターなどのOA機器
関連のランプやヒーターに使用される管形の白熱
電球に関するものである。

〔従来技術とその問題点〕

OA機器関連のランプやヒーターに使用される
管形の白熱電球は、封体の両端に圧着封止部が形
成され、この圧着封止部から外部リード棒が気密
に伸びだしている。そして、この圧着封止部に筒
状のベースが接着され、外部リード棒を取り囲ん
でいる。この外部リード棒の先端に接点が溶接さ
れ、端子をバネで付勢して接点に接触させる接点
タイプと、フレキシブルな撚り線からなるリード
線が溶接されたリード線タイプとがあるが、一般
的に云つて大電流で点灯されるものでは、リード
線タイプが採用されることが多い。これは、接点
タイプのものは、周囲の高い温度によつて、接点
に接触する端子を付勢している押圧バネのバネ性
が劣化しやすく、押圧力が低下すると接点と端子
との接触抵抗が増加して発熱し、接点部の酸化が
進むなどの不具合があり、ランプ電流導入部の信
頼性が乏しいためである。

一方、リード線タイプは、ランプ電流導入部の
信頼性は高いものの、ランプ両端のベースから管
軸方向にリード線が伸びだしているので、ランプ
全長が長くなり、装置の小型化を進める上で大き
な障害になつていた。また、撚り線からなるリー
ド線を直接外部リード棒の先端に溶接するのは、
撚り線がバラけて困難であるために、例えば、撚
り線にニツケル細線を巻き付けてから溶接してい
た。従つて、生産工程の自動化が困難であり、溶
接作業に大きな手間を要していた。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、ランプ電流導入部の信頼性が
高く、かつランプ全長の短縮化が可能であり、更
には生産工程の自動化も容易な白熱電球を提供す
ることを目的とする。

〔考案の構成とその作用〕

本考案の構成は、両端に圧着封止部が形成され
た封体と、この圧着封止部に埋設された、モリブ
デン箔と、封体の管軸に沿つて配置され、両モリ
ブデン箔に電気的に接続されたフイラメントコイ
ルと、一端がこのモリブデン箔に溶接されてそれ
ぞれ封体外に伸びる外部リード棒と、一端側がこ
の外部リード棒に接続された端子板と、圧着封止
部に接着され、外部リード棒を取り囲む非金属素
材製のベースとを備える白熱電球において、ベー
スには、外部リード棒および端子板が通過可能な
切欠き溝が軸線方向に形成されるとともに、端子
板は予めＬ字型に成形され、外部リード棒および
Ｌ字型端子板の管軸方向の部分は前記切欠き溝か
らベースの内部に嵌め込まれ、ベースの端縁外側
で端子板の他端側が封体の管軸と直角方向に伸び
ていることを特徴とするものである。

すなわち、外部リード棒に端子板を溶接し、こ
の端子板をソケツトに挿入して通電するようにし
たので、ランプ電流導入部の信頼性は、従来のリ
ード線タイプと同様に高くすることができる。そ
して、この端子板は、ベースの端縁外側で直ちに
直角に屈曲してＬ字型をなしているので、ランプ
の全長は、ランプ両端のベース端縁間距離にほゞ
等しく、従来のリード線タイプに比べて大きく短
縮することができる。また、撚り線を使用せず、
端子板を外部リード棒に溶接するので、溶接の信
頼性が向上し、生産工程を容易に自動化すること
ができる。更には、ベースに軸線方向の切欠き溝
を形成したので、外部リード棒および端子板の管
軸方向の部分をこの切欠き溝からベースの内部に
嵌め込むことが可能になり、予めＬ字型をした端
子板を使用することができるので、生産工程をよ
り簡単にすることができる。

〔実施例〕

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体
的に説明する。

本実施例の管形白熱電球は、定格が100V、
700Wの赤外線ヒーター用のものであるが、左右
対称であるため、第１図では、片方の要部の断面
図のみを示す。石英ガラスからなる封体１の両端
には圧着封止部１１が形成され、この圧着封止部
１１にモリブデン箔３が埋設されている。封体１
の管軸に沿つてフイラメントコイル４が配置さ
れ、このフイラメントコイル４の両端から伸びる
内部リード４１の端部がモリブデン箔３に溶接さ
れている。外部リード棒５の一端もモリブデン箔
３に溶接されて圧着封止部１１から外部に伸びて
おり、予めＬ字型に成形された端子板６の一端側
６２が外部リード棒５の他端に溶接されている。
従つて、端子板６の他端側６３は封体１の管軸と
直角方向に伸びている。そして、不導電体である
非金属素材、例えばセラミツク製のベース２が圧
着封止部１１に接着剤７にて接着されており、外
部リード棒５および端子板６の管軸方向の部分６
１を取り囲んでいるが、端子板６はベース２の端
縁外側で直ちに屈曲している。ここで、ベース２
は、第４図に示すように、偏平な圧着封止部１１
を挟む二又状部２１、鍔部２２、筒状部２３が一
体に連設されたものであり、筒状部２３から鍔部
２２にかけて、外部リード棒５および端子板６が
通過可能な切欠き溝２４が形成されている。従つ
て、予めＬ字型をした端子板６を外部リード棒５
に溶接しても、ベース２を管軸と直角方向から接
近させて、切欠き溝２４から外部リード棒５およ
び端子板６をベース２の内部に嵌め込めば組立る
ことができる。

しかして、ランプ両端の端子板６の他端側６３
をソケツトに挿入して通電し、点灯するが、接点
タイプではなく、ソケツトに挿入する端子板６を
直接外部リード棒５に溶接しているので、ランプ
の電流導入部の信頼性は著しく高くなる。そし
て、端子板６は、ベース２の端縁外側で直ちに直
角に屈曲してＬ字型をなしているので、ランプの
全長は、両端のベース端縁間距離に端子板６の板
厚の２倍の寸法を加算したものにほゞ等しく、従
来のリード線タイプに比べて大きく短縮すること
ができ、装置の小型化に大きく寄与できる。ま
た、撚り線を使用せず、端子板６を外部リード棒
５に溶接するので、溶接の信頼性が向上し、生産
工程も単純になるので、これを容易に自動化する
ことができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の白熱電球は、ベ
ースには、外部リード棒および端子板が通過可能
な切欠き溝が軸線方向に形成されるとともに、端
子板は予めＬ字型に成形され、外部リード棒およ
び端子板の管軸方向の部分はベースの切欠き溝か
らベースの内部に嵌め込まれ、ベースの端縁外側
で端子板の他端側が封体の管軸と直角方向に伸び
ているので、ランプ電流導入部の信頼性が高く、
かつランプ全長の短縮化が可能であつて装置の小
型化を推進でき、更には生産工程の自動化も容易
な白熱電球とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の平面断面図、第２図は
正面図、第３図は側面図、第４図はベースの斜視
図である。 １……封体、１１……圧着封止部、２……ベー
ス、２４……切欠き溝、３……モリブデン箔、４
……フイラメントコイル、５……外部リード棒、
６……端子板、７……接着剤。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 両端に圧着封止部が形成された封体と、この圧
   着封止部に埋設されたモリブデン箔と、封体の管
   軸に沿つて配置され、両モリブデン箔に電気的に
   接続されたフイラメントコイルと、一端がこのモ
   リブデン箔に溶接されてそれぞれ封体外に伸びる
   外部リード棒と、一端側がこの外部リード棒に接
   続された端子板と、圧着封止部に接着され、外部
   リード棒を取り囲む非金属素材製のベースとを備
   える白熱電球において、 前記ベースには、外部リード棒および端子板が
   通過可能な切欠き溝が軸線方向に形成されるとと
   もに、前記端子板は予めＬ字型に成形され、外部
   リード棒およびＬ字型端子板の管軸方向の部分は
   該切欠き溝からベースの内部に嵌め込まれ、ベー
   スの端縁外側で端子板の他端側が封体の管軸と直
   角方向に伸びていることを特徴とする白熱電球。