JPH07113494B2 - パルスチューブ式冷凍機 - Google Patents

パルスチューブ式冷凍機

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、一端が閉塞されたチューブ(パルスチュー
ブ)内で冷媒ガスの断熱圧縮及び断熱膨張を交互に繰り
返させて極低温レベルの寒冷を得るようにしたパルスチ
ューブ式冷凍機に関する。
(従来の技術) 従来より、10〜77Kレベルの小型の極低温冷凍機におい
ては、スターリング方式、ビルマイヤー方式、G−M
(ギフォードマクマホン)方式のものが実用化ないしは
実用化に向けて開発されている。しかし、これら方式の
ものは、いずれも冷却端(コールドヘッド)周辺でリジ
ェネレータ(蓄冷器)を内蔵していて、それを往復動さ
せる構造である。このため、冷凍機を例えば微小磁束測
定用のSQUID(Super conducting Quantum Interference
Device:超伝導量子干渉計)等に利用しようとすると、
振動や磁気的ノイズの発生等の問題を回避できない。し
かも、可動部を有するので、信頼性の点でも問題があ
り、1万時間程度の間隔でメンテナンスが必要であっ
た。
ところで、従来、一端が閉塞されたチューブ内で冷媒ガ
スの断熱圧縮及び断熱膨張を交互に繰り返させて極低温
レベルの寒冷を得るパルスチューブ式冷凍機が知られて
いる(例えば“Measurements of the Efficiency and R
efrigeration Power of Pulse−Tube Refrigerators",N
BS TECHNICAL NOTE 1301或いは“PULSE TUBE REFRIGERA
TION PROGRESS",Advances in Cryogenic Engineering 1
0,Puenum Pressなど参照)。このパルスチューブ式冷凍
機は可動部がないので、従来の往復動式冷凍機に比べ信
頼性及びノイズの両面で優れている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、反面、チューブ内に対し出入りするガスの圧
力変動によりチューブ内シリンダ室が伸び縮みし、これ
により発生する振動や、移動はしないものの金属製リジ
ェネレータがシリンダ内に存在することにより発生する
磁気的ノイズは依然として残り、実用的には十分といい
難い。
さらに、このようなリジェネレータ方式の冷凍機におい
ては、リジェネレータの比熱が低下することにより、単
独で4Kレベルまでの冷却温度を得ることが不可能であ
り、その温度レベルの寒冷を得るにはJ−T回路等の別
の付加回路を加える必要があり、冷凍機が大形化するの
は否めない。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的
は、パルスチューブ式冷凍機におけるチューブの構成を
変えることにより、金属製のリジェネレータを要するこ
となく、チュープに対し給排される常温及び低温の冷媒
ガス間で熱交換できるようにして、磁気的ノイズを減少
させるとともに、J−T回路等の付加回路を要すること
なく4Kレベルまで冷却できるようにし、よってパルスチ
ューブ式冷凍機の小形化、信頼性の向上、振動やノイズ
の低減を図ることにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的の達成のため、請求項(1)記載の発明では、
第1図に示すように、高圧の冷媒ガスを発生する高圧ガ
ス発生手段(1)と、一端が閉塞された複数本のチュー
ブ(7a),(7b)と、該チューブ(7a),(7b)の他端
を上記高圧ガス発生手段(1)に接続する配管系(6)
と、該配管系(6)に配置され、上記一部のチューブ
(7a),(7b)及び残りのチューブ(7b),(7a)がそ
れぞれ高圧ガス発生手段(1)の吐出側及び吸込側に交
互に連通するように切り換わる開閉手段(12)とを設け
る。さらに、上記各チューブ(7a),(7b)の他端側に
各チューブ(7a),(7b)内の冷媒ガス間で互いに熱交
換させる熱交換器(11a),(11b)を設ける。
また、請求項(2)記載の発明では、第2図に示す如
く、一端が閉塞された複数本のチューブ(7a),(7b)
と、該チューブ(7a),(7b)の他端にそれぞれ接続さ
れ、所定の位相差(具体的にはチューブ本数をn本とし
たとき2π/n)でもって高圧の冷媒ガスを発生する複数
の高圧ガス発生手段(15a),(15b)とを設けるととも
に、上記各チューブ(7a),(7b)の他端側に各チュー
ブ(7a),(7b)内の冷媒ガス間で互いに熱交換させる
熱交換器(11a),(11b)を設ける。
さらに、冷凍機の冷却ステージを互いに異なる温度の多
段とするために、請求項(3)記載の発明では、第3図
に示すように、上記請求項(1)又は(2)記載の発明
の構成において、一部のチューブ(7b),(7c)を残り
のチューブ(7a),(7d)よりも長くして、該一部のチ
ューブ(7b),(7c)の熱交換器(11b),(11c)を残
りのチューブ(7a),(7d)の熱交換器(11a),(11
d)と熱交換可能に部分的に接触させる。
(作用) 上記構成により、請求項(1)記載の発明では、冷凍機
の運転時、開閉手段(12)の作動に伴い、複数本のチュ
ーブ(7a),(7b)のうち一部のチューブ(7a),(7
b)が高圧ガス発生手段(1)の吐出側に連通すると、
残りのチューブ(7b),(7a)は高圧ガス発生手段
(1)の吸込側に連通される。このため、該一部のチュ
ーブ(7a),(7b)及び残りのチューブ(7b),(7a)
では冷媒ガスの導入及び排出が互いに逆位相となる。す
なわち、例えば一部のチューブ(7a),(7b)に常温の
冷媒ガスが導入されるときには、残りのチューブ(7
b),(7a)から低温の冷媒ガスが排出される。その
際、各チューブ(7a),(7b)の冷媒ガスの給排端側に
は熱交換器(11a),(11b)が配設されているので、上
記一部のチューブ(7a),(7b)に導入される冷媒ガス
は、残りのチューブ(7b),(7a)から排出される低温
の冷媒ガスと各々の熱交換器(11a),(11b)において
熱交換されて冷却され、低温の冷媒ガスとなってチュー
ブ(7a),(7b)内で膨張する。一方、残りのチューブ
(7b),(7a)内の冷媒ガスは上記一部のチューブ(7
a),(7b)の冷媒ガスへの冷熱の供給により加熱され
て常温に戻る。そして、冷媒ガスの給排が逆転すると、
上記一部のチューブ(7a),(7b)から排出される冷媒
ガスは、残りのチューブ(7b),(7a)に導入される低
温の冷媒ガスと熱交換器(11a),(11b)において熱交
換されて加熱され、常温の冷媒ガスとなって高圧ガス発
生手段(1)の吸込側に戻る。このような熱交換により
金属製リジェネレータと同様の効果が得られることとな
り、リジェネレータをなくすことができる。このため、
磁気的ノイズを減少させることができるとともに、熱交
換を金属の比熱に拠らず行って付加回路を用いることな
く4Kレベルまでの冷却が可能となる。また、複数本のチ
ューブ(7a),(7b)に冷媒ガスが位相差をもって給排
されるため、チューブ(7a),(7b)のシリンダの伸び
が互いに相殺され、その低温端での振動を抑制すること
ができる。
また、請求項(2)記載の発明では、複数本(n本)の
チューブ(7a),(7b)に、所定(2π/n)の位相差で
もって高圧の冷媒ガスを発生する複数の高圧ガス発生手
段(15a),(15b)がそれぞれ接続されているので、チ
ューブ(7a),(7b)には上記の位相差で交互に冷媒ガ
スが給排される。この各チューブ(7a),(7b)には熱
交換器(11a),(11b)が配設されているため、上記と
同様に一部のチューブ(7a),(7b)内に導入される常
温の冷媒ガスと、他のチューブ(7b),(7a)から排出
される低温の冷媒ガスとの間で熱の授受が行われること
となり、よって上記と同様の効果が得られる。特に、こ
の発明では、開閉手段(12)が不要となるのでその制御
システムを簡略化することができる。
さらに、請求項(3)記載の発明では、複数本のチュー
ブ(7a)〜(7d)のうちの一部のチューブ(7b),(7
c)が残りのチューブ(7a),(7d)よりも長くされて
いるので、その長さの長いチューブ(7b),(7c)のシ
リンダにより得られる温度レベルは長さの短い残りのチ
ューブ(7a),(7d)により得られる温度レベルよりも
低温となる。このため、多段の冷却ステージを得ること
ができる。また、上記長さの長い一部のチューブ(7
b),(7c)の熱交換器(11b),(11c)と残りのチュ
ーブ(7a),(7d)の熱交換器(11a),(11d)とは熱
交換可能に部分的に接触しているので、長さの短いチュ
ーブ(7a),(7d)の発生する冷凍効果により、長さの
長いチューブ(7b),(7c)の熱交換器の損失を補償す
ることができ、高効率により低い温度レベルを得ること
ができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の第1実施例に係るパルスチューブ式冷
凍機を示し、(1)は高圧の冷媒ガスを発生する高圧ガ
ス発生手段としての圧縮機である。この圧縮機(1)の
吐出側には圧縮機(1)で断熱圧縮された冷媒ガスを常
温まで冷却する冷却器(2)が接続され、該冷却器
(2)には第1及び第2の1対の高圧配管(3a),(3
b)の上流端が分岐接続されている。この高圧配管(3
a),(3b)の下流端はそれぞれ第1及び第2の低圧配
管(4a),(4b)の上流端に接続され、該両低圧配管
(4a),(4b)の下流部分は合流して圧縮機(1)の吸
込側に接続されている。
上記各高圧配管(3a),(3b)と低圧配管(4a),(4
b)との接続部にはそれぞれ第1及び第2の配管(5
a),(5b)が分岐され、該配管(5a),(5b)の他端
は一端が閉塞された第1及び第2のチューブ(7a),
(7b)の他端にそれぞれ接続されている。よって上記高
圧配管(3a),(3b)、低圧配管(4a),(4b)及び配
管(5a),(5b)により圧縮機(1)とチューブ(7
a),(7b)とを接続する配管系(6)が構成されてい
る。
上記各チューブ(7a),(7b)はその閉側端を常温端
(9a),(9b)としかつ他端を低温端(10a),(10b)
(コールドエンド)とする直管からなるシリンダ(8
a),(8b)を有しており、このシリンダ(8a),(8
b)への冷媒ガスの導入及びシリンダ(8a),(8b)か
らの冷媒ガスの排出を交互に繰り返すことにより、低温
端(10a),(10b)に極低温レベルの寒冷を発生するよ
うにしている。さらに、上記各チューブ(7a),(7b)
の他端側にはシリンダ(8a),(8b)の低温端(10
a),(10b)と配管(5a),(5b)との間に位置する第
1及び第2の熱交換器(11a),(11b)が形成され、こ
の両熱交換器(11a),(11b)は互いに熱交換可能に接
触していて各チューブ(7a),(7b)内の冷媒ガス間で
互いに熱交換させるようにしている。
また、上記配管系(9)には両チューブ(7a),(7b)
に対する冷媒ガスの給排を切り換えるための開閉手段
(12)が配設されている。この開閉手段(12)は、上記
第1の高圧配管(3a)の下流端近傍に配設された第1高
圧側電磁弁(13a)と、第2の高圧配管(3b)の下流端
近傍に配設された第2高圧側電磁弁(13b)と、第1の
低圧配管(4a)の上流端近傍に配設された第1低圧側電
磁弁(14a)と、第2の低圧配管(4b)の上流端近傍に
配設された第2低圧側電磁弁(14b)とからなる。そし
て、これら4つの電磁弁(13a)〜(14b)を下記の表に
示す(I)及び(II)の2つの開閉パターンで交互に開
閉することで、第1チューブ(7a)及び第2チューブ
(7b)をそれぞれ圧縮機(1)の吐出側及び吸込側に連
通させて、両チューブ(7a),(7b)に対する冷媒ガス
の給排を交互に切り換えるようにしている。
したがって、上記実施例においては、冷凍機の運転時、
4つの電磁弁(13a)〜(14b)が(I)及び(II)の2
つの開閉パターンで交互に開閉される。例えば、開閉パ
ターン(I)のときには、第1高圧側電磁弁(13a)及
び第2低圧側電磁弁(14b)が開き、第1低圧側電磁弁
(14a)及び第2高圧側電磁弁(13b)は閉じるため、圧
縮機(1)から吐出されかつ冷却器(2)で冷却された
常温の高圧冷媒ガスは第1高圧配管(3a)及び第1配管
(5a)を通して第1のチューブ(7a)に導入され、その
シリンダ(8a)内の圧力が上昇する。同時に、第2チュ
ーブ(7b)のシリンダ(8b)は第2配管(5b)及び第2
低圧配管(4b)を介して圧縮機(1)の吸込側に連通し
て、該シリンダ(8b)内の冷媒ガスが圧縮機(1)に吸
い込まれる。また、この後、開閉パターンが(II)とな
り、上記第1高圧側電磁弁(13a)及び第2低圧側電磁
弁(14b)が閉じ、第1低圧側電磁弁(14a)及び第2高
圧側電磁弁(13b)は開くため、圧縮機(1)からの常
温の高圧冷媒ガスは第2高圧配管(3b)及び第2配管
(5b)に通して第2のチューブ(7b)に導入される。同
時に、上記第1チューブ(7a)のシリンダ(8a)は第1
配管(5a)及び第1低圧配管(4a)を介して圧縮機
(1)の吸込側に連通して、該シリンダ(8a)内の冷媒
ガスが圧縮機(1)に吸い込まれる。このときに、該シ
リンダ(8a)内の冷媒ガスは高圧状態から低圧になって
膨張し、この断熱膨張に伴うガス温度とシリンダ(8a)
の壁面温度との差によりシリンダ(8a)に低温端(10
a)が常温端(9a)(閉塞端)よりも低くなる温度勾配
が生じる。以後、同様にして開閉パターン(I)及び
(II)を交互に繰り返すことにより、上記温度勾配が大
きくなり、その結果、各チューブ(7a),(7b)のシリ
ンダ低温端(10a),(10b)が極低温レベルに冷却され
る。
その際、各チューブ(7a),(7b)の冷媒ガスの給排端
側には熱交換器(11a),(11b)が配設されているの
で、例えば開閉パターンが(I)のときには、上記第1
のチューブ(7a)に導入される常温の冷媒ガスは、第2
のチューブ(7b)のシリンダ低温端(10b)を経由して
極低温レベルに温度降下した冷媒ガスと各々の熱交換器
(11a),(11b)において熱交換されて冷却され、低温
の冷媒ガスとなってシリンダ(8a)内で膨張する。一
方、逆に、上記第2のチューブ(7b)内の冷媒ガスは上
記第1のチューブ(7a)の冷媒ガスへの冷熱の供給によ
り加熱されて常温に戻る。そして、開閉パターンが(I
I)となって冷媒ガスの給排が逆転すると、上記第1の
チューブ(7a)から排出される冷媒ガスは、第2のチュ
ーブ(7b)に導入される低温の冷媒ガスと熱交換器(11
a),(11b)において熱交換されて加熱され、常温の冷
媒ガスとなって圧縮機(1)の吸込側に戻る。このよう
な熱交換により、チューブに導入された常温の冷媒ガス
を金属からなるマトリックスにより冷却し又はチューブ
から排出される低温の冷媒ガスによりマトリックスを冷
却する金属製リジェネレータと同様の効果が得られ、リ
ジェネレータをなくすことができる。その結果、冷凍機
の磁気的ノイズを減少させることができ、また熱交換を
金属の比熱に拠らず行ってJ−T回路等の付加回路を用
いることなく4Kレベルまでの冷却が可能となる。また、
2本のチューブ(7a),(7b)に冷媒ガスが位相差をも
って給排されるため、チューブ(7a),(7b)のシリン
ダ(8a),(8b)の伸びが互いに相殺され、その低温端
(10a),(10b)での振動を抑制することができる。
第2図は本発明の第2実施例を示し(尚、第1図と同じ
部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略
する)、高圧ガス発生手段を別の手段としたものであ
る。
すなわち、第2図において、(15a)は第1シリンダ、
(15b)は第1シリンダ(15a)に対し軸線が一致するよ
うに対向配置された第2シリンダである。この両シリン
ダ(15a),(15b)は同じ構成とされ、相対する側が開
放されたシリンダボディ(16)と、その内部に往復動可
能に嵌挿され、シリンダボディ(16)内に作動室(17)
を区画形成するピストン(18)と、一端が該ピストン
(18)に揺動可能に連結されたピストンロッド(19)と
からなる。上記第1シリンダ(15a)の作動室(17)は
第1配管(5a)を介して第1チューブ(7a)に、第2シ
リンダ(15b)の作動室(17)は第2配管(5b)を介し
て第2チューブ(7b)にそれぞれ常時連通されている。
また、両シリンダ(15a),(15b)間には各々のシリン
ダボディ(16),(16)の軸線と直交する方向の回転中
心を有するクランク軸(20)が回転可能に支承され、該
クランク軸(20)のクランク部(20a)に上記ピストン
ロッド(19)の他端が回転自在に連結されている。よっ
て、両シリンダ(15a),(15b)により、クランク軸
(20)を駆動回転させて両作動室(17),(17)に互い
にπ(=180゜)つまりチューブ本数をnとして2π/n
の位相差でもって高圧の冷媒ガスを発生するようにした
2つの高圧ガス発生手段が構成されている。その他の構
成は上記第1実施例と同様である。
したがって、この実施例では、第1及び第2の2本のチ
ューブ(7a),(7b)に対しπ(=2π/2)の位相差で
交互に冷媒ガスが給排される。そして、この各チューブ
(7a),(7b)には熱交換器(11a),(11b)が配設さ
れているため、第1チューブ(7a)(又は第2チューブ
(7b))に導入される冷媒ガスと、第2チューブ(7b)
(又は第1チューブ(7a))から排出される冷媒ガスと
の間で冷熱の授受が行われることとなり、よって第1実
施例と同様の作用効果を得ることができる。
また、第1実施例に比べ、電磁弁(13a)〜(14b)から
なる開閉手段(12)が不要であり、クランク軸(20)を
駆動するだけで済み、システムを簡略化できる利点があ
る。
第3図は第3実施例を示し、多段の冷却ステージを形成
したものである。すなわち、この実施例では、第1〜第
4の4本のチューブ(7a)〜(7d)が設けられ、そのう
ち第1及び第4チューブ(7a),(7d)の長さは互いに
同じで短く、第2及び第3チューブ(7b),(7c)の長
さは互いに同じでかつ第1及び第4チューブ(7a),
(7b)よりも長くされている。そして、第2及び第3の
チューブ(7b),(7c)の熱交換器(11b),(11c)は
第1及び第4のチューブ(7a),(7d)の熱交換器(11
a),(11d)よりも長く設定され、該熱交換器(11
b),(11c)は第1及び第4のチューブ(7a),(7d)
の熱交換器(11a),(11d)と熱交換可能に部分的に接
触している。
尚、この実施例では、各チューブ(7a)〜(7d)に対応
して4つのシリンダ(15a)〜(15d)が直列に配設さ
れ、該シリンダ(15a)〜(15d)のピストンロッド(1
9),(19),…は円周方向にπ/2(=90゜)の角度間
隔を有する4つのクランク部(20a),(20a),…を有
するクランク軸(20)に連結されており、上記第2実施
例と同様にクランク軸(20)を駆動回転させることによ
り、シリンダ(15a)〜(15d)の作動室(17),(1
7),…に互いにπ/2(=2π/4)の位相差でもって高
圧の冷媒ガスを発生するように構成されている。
したがって、この実施例では、4本のチューブ(7a)〜
(7d)のうち第2及び第3チューブ(7b),(7c)が第
1及び第4のチューブ(7a),(7d)よりも長くされて
いるので、その長さの長いチューブ(7b),(7c)のシ
リンダ(8b),(8c)により得られる温度レベルは長さ
の短いチューブ(7a),(7d)により得られる温度レベ
ルよりも低温となる。このため、冷却ステージが高低温
度の2段となり、よって2段の冷却ステージを得ること
ができる。また、上記長さの長い第2及び第3チューブ
(7b),(7c)の熱交換器(11b),(11c)と第1及び
第4チューブ(7a),(7d)の熱交換器(11a),(11
d)とは熱交換可能に部分的に接続しているので、長さ
の短いチューブ(7a),(7d)の発生する冷凍効果によ
り、長さの長いチューブ(7b),(7c)の熱交換器の損
失を補償することができ、高効率により低い温度レベル
が得られる。
尚、上記実施例では、チューブの数を2本又は4本とし
たが、3本又は5本以上の複数本とすることも可能であ
る。
(発明の効果) 以上の如く、請求項(1)記載の発明によると、一端が
閉塞された複数本のチューブを高圧ガス発生手段に接続
する配管系に開閉手段を設けて、複数本のチューブの一
部が高圧ガス発生手段の吐出側に連通したときに残りの
チューブを高圧ガス発生手段の吸込側に連通させるよう
にし、かつ各チューブの他端側に各チューブ内の冷媒ガ
ス間で互いに熱交換させる熱交換器を設けたことによ
り、金属製リジェネレータを要することなく常温及び低
温の冷媒ガス間で熱交換させて、磁気的ノイズを減少で
きるとともに、J−T回路等の付加回路を要することな
く4Kレベルまで冷却でき、よってパルスチューブ式冷凍
機の小形化、信頼性の向上、振動やノイズの低減を図る
ことができる。
また、請求項(2)記載の発明によると、複数本のチュ
ーブを、所定の位相差でもって高圧の冷媒ガスを発生す
る複数の高圧ガス発生手段にそれぞれ接続したことによ
り、特に、上記の如き開閉縮段が不要となってその制御
システムを簡略化することができる利点がある。
さらに、請求項(3)記載の発明によれば、複数本のチ
ューブのうちの一部が残りのチューブよりも長くされて
いるので、その長さの長いチューブのシリンダにより得
られる温度レベルを長さの短い残りのチューブにより得
られる温度レベルよりも低温として、多段の冷却ステー
ジを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例の構成を示す冷媒回路図で
ある。第2図は第2実施例の構成を示す冷媒回路図であ
る。第3図は第3実施例の構成を示す冷媒回路図であ
る。 (1)……圧縮機(高圧ガス発生手段) (6)……配管系 (7a)〜(7d)……チューブ (11a)〜(11d)……熱交換器 (12)……開閉手段 (13a),(13b),(14a),(14b)……電磁弁 (15a)〜(15d)……シリンダ(高圧ガス発生手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高圧の冷媒ガスを発生する高圧ガス発生手
    段(1)と、一端が閉塞された複数本のチューブ(7
    a),(7b)と、該チューブ(7a),(7b)の他端を上
    記高圧ガス発生手段(1)に接続する配管系(6)と、
    該配管系(6)に配置され、上記一部のチューブ(7
    a),(7b)及び残りのチューブ(7b),(7a)がそれ
    ぞれ高圧ガス発生手段(1)の吐出側及び吸込側に交互
    に連通するように切り換わる開閉手段(12)とを備えて
    なり、上記各チューブ(7a),(7b)の他端側に各チュ
    ーブ(7a),(7b)内の冷媒ガス間で互いに熱交換させ
    る熱交換器(11a),(11b)が設けられていることを特
    徴とするパルスチューブ式冷凍機。
  2. 【請求項2】一端が閉塞された複数本のチューブ(7
    a),(7b)と、該チューブ(7a),(7b)の他端にそ
    れぞれ接続され、所定の位相差でもって高圧の冷媒ガス
    を発生する複数の高圧ガス発生手段(15a),(15b)と
    を備えてなり、上記各チューブ(7a),(7b)の他端側
    に各チューブ(7a),(7b)内の冷媒ガス間で互いに熱
    交換させる熱交換器(11a),(11b)が設けられている
    ことを特徴とするパルスチューブ式冷凍機。
  3. 【請求項3】一部のチューブ(7b),(7c)が残りのチ
    ューブ(7a),(7d)よりも長くされ、該一部のチュー
    ブ(7b),(7c)の熱交換器(11b),(11c)は残りの
    チューブ(7a),(7d)の熱交換器(11a),(11d)と
    熱交換可能に部分的に接触していることを特徴とする請
    求項(1)又は(2)記載のパルスチューブ式冷凍機。
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