JPH07110265A - 高温計測用サーモカップル保持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】垂直の姿勢を保持しながら自動的に湯中に投入
し、高温計測用サーモカップル保持装置を提供する。 【構成】調節ねじ１を四隅に備えたベース２上に、Ｃ形
チャンネルからなる支柱組６を直立させて無線式温度送
信機７を固定したフレーム８で支持させるとともに、動
力源となる減速機１０を具備した正逆回転駆動源１１と
手動操作のためのクラッチ１２からなる駆動制御部１３
を支持固定し、支柱組６の上下には従動スプロケット１
５と駆動スプロケット１６を設け、駆動制御部１３によ
って稼働、静止をコントロールし、ローラーチェーン１
７は台車ブロック１９により連結され、台車ブロック１
９は支柱３内を静遊合状態で移動し、水平アーム２６の
水平度が得られるようにスライド軸受２７が固定され、
スライド軸受２７には、水平アーム２６が支持されてお
り、カップルホルダー３６が開閉を阻害しないように固
定されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、無線式温度送信機、サ
ーモカップル、高温計測用サーモカップル保持装置、無
線式温度プリンター受信機で構成される金属の溶融温度
を計測するシステム中、高温計測用サーモカップル保持
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、イマージョン型サーモカップルで
の溶融金属の湯底のリアルタイムの温度計測が可能にな
ったが、イマージョン型では無人の測定器具も無く、湯
面から１００mm位までの温度測定しかできなかったた
め、常に作業者の手に頼っているのが現状であり、しか
も温度測定の方法は、 上湯の温度を測定しそれを基準とするか上湯の温度に
よって推測する。 常時湯底まで耐久力のある保護管を入れて置きそれに
イマージョン型サーモカップルを挿入して測定する。 のが一般的であった。

【０００３】ところが最近１０００mmの高感度でカップ
ルと長尺保護管を一体としたサーモカップルユニットの
製造に成功し、十分に湯底まで到達できるようになっ
た。その結果前記、より正確で感温速度の早い測定
が可能となり、高価な常時浸漬型の保護管に比較して低
価格での温度測定ができる。また、この長尺のイマージ
ョン型サーモカップルを使用することにより作業者によ
る温度測定は当然可能でしかも自動的に投入できる装置
と組合せたことにより無人のシステムを構成することが
できるようになった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし１０００mmの長
尺保護管を持つサーモカップルユニットは全長が２ｍを
越え、長いものでは３ｍ位になり重量もあり、高温の環
境での作業者に頼る手作業では困難であり、また湯によ
って熱せられたカップルは垂直の姿勢を保持する必要が
あるが、これも非常に困難である点に解決すべき課題が
あった。

【０００５】本発明は、長尺のイマージョン型サーモカ
ップルを垂直の姿勢を保持しながら自動的に湯中に投入
し、作業の無人化及び作業者の測定操作を補助すること
ができる高温計測用サーモカップル保持装置を提供する
ことを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであって、正逆回転駆動源に
より付与される回転運動を直線運動に変換して１自由度
の垂直移動が伝達されるようにした移動ブロックに、伸
縮調節自在とした水平アームの一端を固定するととも
に、該水平アームの他端に保護管を垂直に保持するサー
モカップルホルダーを固定したことを特徴とする高温計
測用サーモカップル保持装置を要旨とするものである。

【０００７】

【作用】上記構成した高温計測用サーモカップル保持装
置は、サーモカップルホルダーにイマージョン型のサー
モカップルを垂直に保持した後、該サーモカップルの垂
直昇降ライン下に炉蓋の測定用の小穴を位置させた状態
で、正逆回転駆動源を稼働させて移動ブロックに垂直下
降運動を与えると、該移動ブロックに水平方向に伸縮調
節可能な水平アームの一端に取付いたサーモカップルホ
ルダーに保持されたイマージョン型のサーモカップルは
垂直に下降して、測定用の小穴から正確に炉内へ挿入さ
れるようになり、炉内の溶融金属の湯の温度を測定する
ことができるようになる。

【０００８】

【実施例】本発明に係る高温計測用サーモカップル保持
装置の実施例を図において説明すると、図１は高温計測
用サーモカップル保持装置の一部を破断省略して示した
全体正面図、図２は図１のＡ部分を示した部分詳細図、
図３は移動ブロックを構成する移動主体の支柱内収納状
態図、図４は図１のＢ−Ｂ部分断面詳細図、図５は他の
実施例の正面図である。

【０００９】本発明の高温計測用サーモカップル保持装
置は、水平バランスを調節するための調節ねじ１を四隅
に備えたベース２上に、Ｃ形チャンネルからなる支柱３
と同じくＣ形チャンネルからなり側壁にスリット４を形
成したカバー柱５とをＣ形を対向させて固定した支柱組
６を直立させサーモカップルと補償導線で接続された無
線式温度送信機７を固定したフレーム８で支持させると
ともに、支柱組６を構成するカバー柱５の後方にウェイ
トガイド筒９（図４参照）を直立させ、さらに動力源と
なる減速機１０を具備した正逆回転駆動源１１と手動操
作のためのクラッチ１２からなる駆動制御部１３を支持
固定する。

【００１０】前記支柱３の上下には駆動停止と停止時間
の信号を制御装置（図示せず）に送るリミットスイッチ
１４を取付け、上端部内部には従動スプロケット１５を
設けるとともに下端部内部には駆動スプロケット１６を
設け、これらにはローラーチェーン１７が掛け回され、
駆動スプロケット１６は前記駆動制御部１３によって稼
働、静止がコントロールされる。

【００１１】前記ローラーチェーン１７の一部は不連続
で、移動ブロック１８を構成する台車ブロック１９を介
して連結され、該台車ブロック１９は支柱３内を静遊合
状態でガタ付くことなく移動するように四個のローラー
２０とサイドローラー２１で支持されている（図３参
照）。

【００１２】移動ブロック１８は、図３、図４から明ら
かなように、四個のローラー２０とサイドローラー２１
を支持しローラーチェーン連結部２２を備えた台車ブロ
ック１９と、該台車ブロック１９に固定されてカバー柱
５内からスリット４に抜けるアームブロック２３とから
構成されており、スリット４から突出した前記アームブ
ロック２３の先端には、水平調節用ねじ２４の緊緩で弧
状スリット２５に沿う回動により水平アーム２６の水平
度が得られるようにスライド軸受２７が固定されてい
る。

【００１３】前記アームブロック２３には、吊り下げワ
イヤー２８の一端が固定され、該吊り下げワイヤー２８
の他端は、その上部のガイドローラー２９（図１）とこ
れの後方のガイドローラー（図示せず）に掛けられて、
ウェイトガイド筒９内のウェイト３０と連結されており
（図４）、このウェイト３０は移動ブロック１８とのバ
ランスを維持するとともに移動ブロック１８の上昇負担
を補助し、また手動操作時に不用意に移動ブロック１８
が下降してサーモカップルＳを損傷することを防止する
ものであり、移動ブロック１８をバランス良く常に上方
から吊り下げるものである。

【００１４】前記スライド軸受２７には、駆動停止と停
止時間の信号を制御装置に送るリミットスイッチ１４を
操作するリミットスイッチカム３１が固定され、また角
パイプからなるスリーブパイプ３２内へ角パイプのアジ
ャストパイプ３３を伸縮調節自在に挿入した水平アーム
２６が支持されており、アジャストパイプ３３の先端に
は、蝶番３４によって開閉し保持ねじ３５でサーモカッ
プルＳを保持固定するカップルホルダー３６が、開閉を
阻害しないよう片溶接状態で固定され、カップルホルダ
ー３６の上端には、サーモカップルＳに固定した回転防
止用カラーのピンが嵌合する開溝３７が設けられてお
り、サーモカップルＳの上端屈曲部の旋回を阻止して支
柱組６との衝突を防止するものである。

【００１５】上記のように構成された高温計測用サーモ
カップル保持装置は、無線式温度送信機７、サーモカッ
プルＳ、無線式温度プリンター受信機からなる計測シス
テムの構成装置として使用されるものであって、サーモ
カップルＳによる計測温度を無線式温度送信機７に送
り、無線式温度プリンター受信機により監視するにあた
り、サーモカップルＳによる温度計測を、該サーモカッ
プルＳを垂直にカップルホルダー３６に保持して垂直に
上下させ、また所定位置で停止させて溶融金属の温度計
測を実行するものであり、温度計測をしない場合には、
移動ブロック１８は上方に停止保持される。

【００１６】温度計測の準備動作として、調節ねじ１を
操作してベース２の水平を確保した後、カップルホルダ
ー３６にサーモカップルＳを保持させ、次いでクラッチ
１２の操作による手動操作により移動ブロック１８を上
下させ、サーモカップルＳが炉蓋の測定用の小穴を通過
して炉内へ進入するように、水平アーム２６を伸縮調節
して水平長さを設定する。

【００１７】そして手動操作用のクラッチ１２を連続伝
達状態にして自動操作に切り替えた後、正逆回転駆動源
１１をONとして測定を開始する。前記駆動源１１からの
動力は減速機１０により減速されて駆動スプロケット１
６に伝達され、これに掛けられたローラーチェーン１７
により、移動ブロック１８が下降する方向に垂直移動す
るに伴って移動ブロック１８と一体となっているカップ
ルホルダー３６を下降させ、サーモカップルＳの温度計
測部が予め溶融金属の上湯内に浸る位置に設けたリミッ
トスイッチ１４により下降を停止すると同時に停止時間
信号を制御装置に送り計測時間を確保し、測定データを
送信し再下降する。

【００１８】再下降した移動ブロック１８は、サーモカ
ップルＳの温度計測部が予め溶融金属の底湯内に浸る位
置に設けたリミットスイッチ１４により下降を停止する
と同時に停止時間信号を制御装置に送り計測時間を確保
し、測定データを送信し上昇する。

【００１９】上記実施例では、リミットスイッチを溶融
金属の上湯、底湯を測定する位置に設けたが、さらに中
間にもリミットスイッチを設けて、溶融金属の中心部の
温度を計測することもできる。

【００２０】なお上記実施例では、移動ブロック１８の
１自由度の垂直移動手段として、移動ブロック１８の垂
直軸回り回転を、台車ブロック１９にローラー２０及び
サイドローラー２１を設けてこれをＣ形チャンネル内を
移動させる拘束するガイド手段と、ローラチェーン１７
による垂直移動手段とによる例を説明したが、ローラー
チェーン１７に代えてＶベルトを使用することもでき
る。

【００２１】また、移動ブロック１８の１自由度の垂直
移動手段は、移動ブロック１８の垂直軸回り回転を拘束
するガイド手段と、移動ブロック自体がナットとなって
いて、これに回転垂直螺軸を螺合させる垂直移動手段と
を採用することができる。

【００２２】例えば、図５に示す実施例のように、上下
方向に回転阻止用スリット４１を設けた主筒４２の上下
で、螺子軸４３を支持させるとともに、該螺子軸４３に
移動ブロック１８のナット４４を螺合させ、螺子軸４３
の下端は減速機付きの正逆回転駆動源４５の軸と結合し
た構成とする。

【００２３】そして、移動ブロック１８には、角パイプ
からなるスリーブパイプ３２内へ角パイプのアジャスト
パイプ３３を伸縮調節自在に挿入した水平アーム２６が
軸回り回転を阻止するように固定され、アジャストパイ
プ３３の先端には、蝶番３４によって開閉し保持ねじ３
５でサーモカップルＳを保持固定するカップルホルダー
３６が、開閉を阻害しないよう片溶接状態で固定されて
おり、主筒４２は水平調節のために個々に伸縮固定して
水平安定度を出す三乃至四本の脚４６に支持された支持
ベース４７に固定されており、折り畳み自在で携帯を容
易とした構成である。

【００２４】

【発明の効果】以上説明した本発明に係る高温計測用サ
ーモカップル保持装置によれば、正逆回転駆動源により
付与される回転運動を直線運動に変換して１自由度の垂
直移動が伝達されるようにした移動ブロックに、伸縮調
節自在とした水平アームの一端を固定するとともに、該
水平アームの他端に保護管を垂直に保持するサーモカッ
プルホルダーを固定したから、サーモカップルホルダー
にイマージョン型のサーモカップルを垂直に保持した
後、該サーモカップルの下に炉蓋の測定用の小穴を位置
させ、水平アームの伸縮調節によりサーモカップルの垂
直ライン下に小穴が位置するように調節することができ
る。

【００２５】その後、正逆回転駆動源を手動操作若しく
は遠隔操作で稼働させて移動ブロックに垂直下降運動を
与えると、該移動ブロックに水平方向に伸縮調節可能な
水平アームの一端に取付いたサーモカップルホルダーに
保持されたイマージョン型のサーモカップルは垂直に下
降して、測定用の小穴から正確に炉内へ挿入されるよう
になり、炉内の溶融金属の湯の温度を、作業者によるが
直接挿入する悪環境条件での困難な作業によらなくても
楽にしかも確実に測定することができる。

【００２６】特に長尺のイマージョン型サーモカップル
を垂直の姿勢を保持しながら自動的に湯中に投入し、作
業の無人化及び作業者の測定操作を補助することができ
る高温計測用サーモカップル保持装置を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】高温計測用サーモカップル保持装置の一部を破
断省略して示した全体正面図である。

【図２】図１のＡ部分を示した部分詳細図である。

【図３】移動ブロックを構成する移動主体の支柱内収納
状態図である。

【図４】図１のＢ−Ｂ部分断面詳細図である。

【図５】高温計測用サーモカップル保持装置の他の実施
例の正面図である。

【符号の説明】

１ 調節ねじ ２ ベース ３ 支柱 ４ スリット ５ カバー柱 ６ 支柱組 ７ 無線式温度送信機 ８ フレーム ９ ウェイトガイド筒 １０ 減速機 １１ 正逆回転駆動源 １２ クラッチ １３ 駆動制御部 １４ リミット
スイッチ １５ 従動スプロケット １６ 駆動スプ
ロケット １７ ローラーチェーン １８ 移動ブロ
ック １９ 台車ブロック ２０ ローラー ２１ サイドローラー ２２ ローラー
チェーン連結部 ２３ アームブロック ２４ 水平調節
用ねじ ２５ 弧状スリット ２６ 水平アー
ム ２７ スライド軸受 ２８ ワイヤー ２９ ガイドローラー ３０ ウェイト ３１ リミットスイッチカム ３２ スリーブ
パイプ ３３ アジャストパイプ ３４ 蝶番 ３５ 保持ねじ ３６ カップル
ホルダー ３７ 開溝 ４１ 回転阻止
用スリット ４２ 主筒 ４３ 螺子軸 ４４ ナット ４５ 減速機付
正逆回転駆動源 ４６ 脚 ４７ 支持ベー
ス

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 正逆回転駆動源により付与される回転運
   動を直線運動に変換して１自由度の垂直移動が伝達され
   るようにした移動ブロックに、伸縮調節自在とした水平
   アームの一端を固定するとともに、該水平アームの他端
   にサーモカップルを垂直に保持するサーモカップルホル
   ダーを固定したことを特徴とする高温計測用サーモカッ
   プル保持装置。
2. 【請求項２】 移動ブロックの１自由度の垂直移動手段
   が、移動ブロックの垂直軸回り回転を拘束するガイド手
   段と、ローラーチェーン若しくはＶベルトによる垂直移
   動手段とによるものである請求項１記載の高温計測用サ
   ーモカップル保持装置。
3. 【請求項３】 移動ブロックとウェイトとをワイヤーロ
   ープで連結して、移動ブロックを定滑車方式に吊り下げ
   た請求項２記載の高温計測用サーモカップル保持装置。
4. 【請求項４】 移動ブロックの１自由度の垂直移動手段
   が、移動ブロックの垂直軸回り回転を拘束するガイド手
   段と、移動ブロックに固定したナットに回転垂直螺軸を
   螺合させる垂直移動手段とによるものである請求項１記
   載の高温計測用サーモカップル保持装置。
5. 【請求項５】 移動ブロックの垂直軸回り回転を拘束す
   る手段が、移動ブロックに固定されたピン若しくはガイ
   ドローラと垂直支柱に設けた垂直方向ガイドスリットと
   の係合である請求項２、４記載のいずれかの高温計測用
   サーモカップル保持装置。