JPH07108486B2 - 電解加工による仕上げ加工方法及び装置 - Google Patents

電解加工による仕上げ加工方法及び装置

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JPH07108486B2
JPH07108486B2 JP62027616A JP2761687A JPH07108486B2 JP H07108486 B2 JPH07108486 B2 JP H07108486B2 JP 62027616 A JP62027616 A JP 62027616A JP 2761687 A JP2761687 A JP 2761687A JP H07108486 B2 JPH07108486 B2 JP H07108486B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、電解加工による仕上げ加工方法及び装置に
係り、特に難削金属等からなる被加工物の三次元形状の
被加工面を短時間かつ高精度に仕上げて鏡面状の光沢面
を得ることができる電解加工による仕上げ加工方法及び
装置に関する。
[従来の技術] 従来の金属加工方法としては、電解加工方法及び放電加
工方法が知られている。前者の電解加工方法としては、
被加工物と加工電極との関隙に硝酸ナトリウムや塩化ナ
トリウム等の電解液を満たし、この電解液を高速で流す
とともに、安定した電解作用を阻害する電解生成物、す
なわち溶出した金属化合物や金属イオン及び水素ガス等
を除去しながら、直流電流を被加工物から加工電極に流
して加工するものが、例えば特開昭61−71921号公報及
び特開昭60−44228号公報に開示されている。
また、後者の放電加工方法としては、被加工物と加工電
極とを水、ケロシン等の加工液中で微小間隙をもって対
向させ、かつこれらを適宜の電極に接続して、前記間隙
に瞬発する火花放電や過渡アーク放電を発生させ、該放
電エネルギーにより被加工物を加工するものが、例えば
特公昭60−26646号公報及び特開昭60−177819号公報に
開示されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、前者の電解加工方法にあっては、機械加
工手段として致命的な欠陥がある。すなわち、特に三次
元形状の底付き加工(凹窩状に形成された三次元構造の
ものに対する加工をいう)において、複雑な輪郭形状を
有する被加工物と加工電極の間隙に電解液を一様な流速
で流すのが不可能であり、また、前記間隙に高い液圧を
作用させても電解液の流入口と排出口とでは電解生成物
の濃度がかわる。そのため、一様な密度の電流を与えて
も、前記間隙の各部分で加工条件が変わり、被加工物に
加工電極の精密な転写を行うことが困難で、高精度の表
面品質を得られないという不都合があった。
また、素材形状から全ての加工を電解加工で行うと、電
解生成物を含む多量の電解液が発生してその汚水処理に
時間とコストを要するという不都合があり、特にクロム
を含むステンレス鋼の加工では、有害な6価クロムが生
じて前記不都合は一層顕著であった。
一方、後者の放電加工方法においては、面粗度をRmax:2
0μm程度にまで仕上げるのには比較的高能率である
が、それ以上の仕上げ面粗度に到達させるには1A以下の
微小電流での加工となり、特に表面積の大きな被加工物
では、仕上げ時間がかかり非能率であるとともに、表面
積が大きいと被加工物の被加工面と加工電極間の静電容
量が大きくなり、放電電流を微小に絞りきれずに良好な
面粗度を得ることが困難であるという不都合があった。
また、加工された表面は、絶縁油を用いた通常の放電加
工では、硬化した変質層を生じるとともに熱応力による
微細亀裂が深く侵入し、また純水を用いたワイヤー放電
加工では軟化層が生じるなど、両放電加工とも表面品質
が好ましくなく、そのため、表面品質に高精度や長寿命
を要求する使用条件にあっては、形状精度が損なわれる
のを承知で、例えば、粒径40〜25μ程度の遊離ダイヤモ
ンドペーストで荒ラッピングを行い、次に粒径16〜6μ
程度の遊離ダイヤモンドペーストで仕上げラッピングを
行う等の表面研摩工程を必要とし、表面仕上げに多くの
時間と労力を要するという不都合があった。
[発明の目的] そこでこの発明は、上記不都合を除去し、特に難削金属
等の被加工物の三次元形状の被加工面を短時間かつ高精
度に仕上げて鏡面状の光沢面を得ることができる電解加
工による仕上げ加工方法及び装置を実現するにある。
[問題点を解決するための手段] この目的を達成するために、本発明は、加工液を介して
対設した被加工物とこの被加工面の形状に合わせられた
加工電極の電極面との間にパルス電流を供給するととも
に、前記被加工面と電極面との間に生成した電解生成物
を間欠的に除去しながら仕上げ加工する電極加工による
仕上げ加工方法において、前記パルス電流のパルス幅
を、仕上げ加工初期には5msec以下とし、仕上げ加工後
期には10msec以上60msec以下とするとともに、前記仕上
げ加工初期におけるパルス電流の電流密度を10A/cm2
上70A/cm2以下とし、仕上げ加工後期におけるパルス電
流の電流密度を30A/cm2以上70A/cm2以下としたことを特
徴とする。
また、本発明は、加工液を介して対設した被加工物とこ
の被加工面の形状に合わせられた加工電極の電極面との
間にパルス電流を供給して被加工物を仕上げ加工する電
解加工による仕上げ加工装置において、前記加工電極を
前記被加工物に対し接離させる電極駆動手段と、前記被
加工面と前記電極面との間に供給する電流密度を、仕上
げ加工初期においては10A/cm2以上70A/cm2以下とし、仕
上げ加工後期においては30A/cm2以上70A/cm2以下とする
電流供給手段と、前記被加工面と前記電極面との間に生
成した電解生成物を間欠的に除去する加工液濾過手段
と、前記パルス電流のパルス幅を、前記仕上げ加工初期
には5msec以下とし、前記仕上げ加工後期には10msec以
上60msec以下で可変制御する制御手段とを具備したこと
を特徴とする。
[作用] この発明の構成によれば、加工液を介して対設した被加
工物とこの被加工面の形状に合わせられた加工電極の電
極面との間にパルス電流を供給するとともに、被加工物
と加工電極間に生成した電界生成物を間欠的に除去しな
がら仕上げ加工を行うに際し、被加工面と前記電極面と
の間に供給する気流密度を、仕上げ加工初期においては
10A/cm2以上70A/cm2以下としたので、高精度かつ微小面
粗度の表面品質を得ることができ、仕上げ加工後期にお
いては30A/cm2以上70A/cm2以下とするとともに、パルス
電流のパルス幅を、仕上げ加工初期には5msec以下と
し、仕上げ加工後期には10msec以上60msec以下としたの
で、面粗度を変えることなく鏡面状の光沢面を得ること
ができる。
[実施例] 以下、図面を参照してこの発明の実施例を詳細かつ具体
的に説明する。
第1〜5図は、この発明の一実施例を示す。第1〜3図
において、仕上げ加工装置1は、被加工物2を固定する
被加工物固定装置3、電極4を固定する電極固定装置
5、電極駆動部6の回転運動を往復運動に変換する駆動
変換部7、パルス電流を発生する電源装置8、モータ駆
動制御部9と加工条件制御部10と加工液流制御部11とか
らなる制御装置12、加工条件を入力する入力装置13、加
工液瀘過装置14、加工液飛散防止カバー15等からなる。
前記被加工物固定装置3は、絶縁性の高いグラナイトも
しくはセラミックス製のテーブルで、被加工物2もボル
ト16等により固定する。また、前記電極固定装置5は、
その下部に設けたロッド17の下端に、例えば純銅もしく
はグラファイトからなる電極4を、その電極面4aと前記
被加工物2の被加工面2aとが三次元方向に一様な間隙18
を保つように固定する。そして、前記電極固定装置5
は、電極駆動手段を構成する前記電極駆動部6と駆動変
換部7とにより前記間隙18を所定値に設定すべく上下動
する。すなわち、電極駆動部6のロータリーエンコーダ
20とタコジェネレータ21からの信号により前記制御装置
12のモータ駆動制御部9から出力される制御信号によ
り、モータ19を回転制御し、このモータ19の回転運動を
駆動変換部7により往復運動に変換して、前記電極固定
装置5を上下動させ、電極面4aと被加工面2aとを所定の
間隙18に設定する。
前記被加工物2と電極4間に電流密度が70A/cm2以下の
パルス電流を供給する電流供給手段としての電源装置8
は、加工条件制御部10からの制御信号により、被加工物
2の表面積に従って計算した電流値を任意のパルス幅
(パルスのオンタイムもしくはパルスのオンタイムとオ
フタイムを合わせたもの)で発生するもので、直流電源
部22と充放電部23とを有し、例えば第4図に示す如く構
成する。第4図において、充放電部23は、放電部24と充
電部25とを有し、放電部24は、加工液を介して対設した
被加工物2と電極4との間隙18に電荷を放電する蓄電器
26−1〜26−nを複数個並列に接続し、これら各蓄電器
26−1〜26−nに直流電源側への電荷の逆流を阻止する
ダイオード27−1〜27−nと放電側への電荷を放電させ
るべく開閉される放電スイッチ28−1〜28−nとをそれ
ぞれ接続する。
また充電部25は、蓄電器26−1〜26−nへ供給する充電
電圧値を検出する電圧検出器29と、前記加工条件制御部
10の充電電圧設定器30で設定した設定充電電圧値と前記
電圧検出器29で検出した検出充電電圧値とを比較する電
圧比較器31と、この電圧比較器31からの信号により前記
各蓄電器26−1〜26−nを所定に充電すべく前記直流電
源部22からの電源を給断する充電スイッチ32とからな
る。
前記直流電源部22は、変圧器33と整流器34とからなり、
変圧器33により電圧を所定に降下させ整流器34により整
流して直流電流を得て、前記蓄電器26−1〜26−nに供
給する。
また、この電源装置8を制御する加工条件制御部10は、
前記蓄電器26−1〜26−nの充電電圧を設定する充電電
圧設定器30と、前記加工液を介して対設した被加工物2
と電極4との間隙18に放電する電荷の電流波形を設定す
る電流波形設定器35と、放電する電荷の所定時間幅のパ
ルスを発生するパルス発生器36と、前記電流波形設定器
35と前記パルス発生器36とからの入力により前記各蓄電
器26−1〜26−nの電荷を放電側に所望に放電させるべ
く前記放電スイッチ28−1〜28−nに開閉信号を出力す
るゲート回路37とからなる。なお、第4図中符号38は放
電スイッチ28−1〜28−nの開示に逆起電力によって各
放電スイッチ28−1〜28−nが破壊するのを防止するダ
イオードである。
前記入力装置13は、被加工物の材質と表面積、仕上げ加
工しろと寸法精度の等級、仕上げ面粗度及び初期電極間
隙等を入力し、これらの各信号を制御装置12のモータ駆
動制御部9及び加工条件制御部10に出力する。
前記加工液瀘過装置14は、加工で生じた電解生成物を含
む加工液41を瀘過するもので、例えば第5図の如く構成
する。すなわち、加工液瀘過装置14は、加工液槽40から
の電解生成物を多く含んだ戻り加工液を貯留するダーテ
ィタンク42と、このダーティタンク42の加工液を電磁ポ
ンプ43で汲み上げフィルター44を通してから遠心分離す
る遠心分離機45と、この遠心分離機45によって分離した
電解生成物を含まない加工液を貯留するクリーンタンク
46と、このクリーンタンク46の加工液を汲み上げる電磁
ポンプ47と、加工液槽40への液圧を調整するための絞り
弁48、49と、クリーンタンク46からの加工液を被加工物
2と電極4の間隙に噴出させることにより、該間隙に生
成した電解生成物等を排除する電磁弁50と、加工液槽40
へ供給する加工液の液圧を測定指定する液圧計51等から
なる。なお、図中52、53はダーティタンク42の液面を検
出する上限フロートスイッチ及び下限フロートスイッ
チ、54は遠心分離機45を駆動するモータである。
この加工液瀘過装置14を制御する加工液流制御部11は、
加工条件制御部10からの指令に基づいて、絞り弁48、49
等を制御して加工液槽40へ加工液を一定の液圧で供給す
るとともに、加工中に被加工面2aと電極面4a間に生成し
た電解生成物等を排除するために、1パルスまたは数パ
ルス毎に上昇動作する電極4と同期して被加工物2と電
極4間に新鮮な加工液を噴出する如く電磁弁50等を制御
する。
次に、この装置による仕上げ加工方法について説明す
る。
仕上げ加工に際しては、電極固定装置5のロツド17の下
端に電極4を取付け、電極面4aを、電解加工あるいは放
電加工により所望形状に加工された、例えば熱処理を行
った特殊鋼等からなる被加工物2の被加工面2aに対向接
触させて、電極4を被加工物2とともに加工液槽40の加
工液41内に浸漬する。そしてこの位置を原点Aとし、加
工液を被加工面2aと電極面4a間に満たしたら、初期電極
間隙に保つ位置に電極4を上昇し、そこを加工原点とし
て仕上げ加工を開始する。
仕上げ加工初期は、加工条件制御部10の制御信号によ
り、電源装置8から電流密度が10A/cm2〜70A/cm2(例え
ば17A/cm2)でパルスのオンタイム(以下パルス幅とい
う)が5msec(1msecは1/1000秒)以下の短パルスのパル
ス電流を被加工物2と電極4間に供給する。これによ
り、被加工面2a素材が溶出する。所定電流を1回ないし
数回供給した後、モータ駆動制御部9の信号によりモー
タ19を駆動して電極4を上昇させ、電極面4aを被加工面
2aから離間させる。この離間により、被加工面2aと電極
面4a間の電解生成物を加工液とともに後述する加工液瀘
過装置14の電磁弁50等の動作により排除する。
電解生成物を排除した後は、電極4が降下し、電極面4a
が被加工面2aに接触する。これにより、前記原点Aと現
位置とを制御装置12で比較して加工1回(1パルスまた
は数パルス毎の加工)当りの加工深さを測定する。その
後、前記被加工面2aと電極面4aが所定の間隙を保つよう
に電極4が再び上昇し、加工液層40の新たな加工液を被
加工面2aと電極面4a間に満たす。なお、この場合、加工
液層40には1回ないし数回の電解加工で生成した電解生
成物とともに排除する加工液を補うように、加工液瀘過
装置14のクリーンタンク46から絞り弁48を介して加工液
が供給される。
このように、所定の間隙18を設けて対向した被加工面2a
と電極面4aとの間に新たな加工液を満たし、被加工物2
と電極4との間に所定電流、即ちパルス幅5msec以下の
パルス電流を供給して、被加工面2a素材を加工液41内に
溶出させ、被加工面2aと電極面4a間に生成した電解生成
物を排除し、再び電極面4aを被加工面2aに接触させるこ
とにより、加工1回当りの加工深さを測定し、その値を
累積するという一連の工程を制御装置12の信号により繰
り返す。
前記加工深さの累積値が、入力装置13で入力された入力
データに基づいて加工条件制御部10で計算された加工深
さの設定値と比較し、加工深さ累積値が加工深さ設定値
に対し、所定の差(例えば1μm)以内になった時に、
加工条件制御部10の制御信号により電源装置8のパルス
電流のパルス幅を5msec以下の所定値から10mec以上で60
msec以下の長パルスに切換えるとともに、このパルス電
流の電流密度を30A/cm2以上70A/cm2以下に切換える。な
お、この場合仕上げ加工初期と後期の電流密度の切換え
は必要に応じて行えばよく、例えば初期と後期の電流密
度を同一に設定して仕上げ加工する場合は、切換えが不
要であることはいうまでもない。
そして、この長パルスで1回ないし数回の電解加工を行
った後に、前述したと同様、被加工面2aと電極面4aとの
間の電解生成物を加工液瀘過装置14により排除する。こ
の場合、電解生成物を排除するサイクルは、印加するパ
ルス幅に応じて変化することになる。なお、短パルスか
ら長パルスへ切換えるタイミングの検出は、上記の加工
深さの累積値と加工深さ設定値との比較による検出に限
らず、例えば加工しろから加工終了するまでのクーロン
量を計算してこの値により検出制御することもできる。
ここで、加工液瀘過装置14の動作について説明する。
加工液槽40から戻る電解生成物を含んだ加工液は、ダー
ティタンク42に貯留され、その液面レベルは、上・下の
フロートスイッチ52、53で検出されて加工液流制御部11
に入力される。加工液流制御部11は、ダーティタンク42
内の液面レベルが所定値に達したら、即ち液面レベルが
上・下のフロートスイッチ52、53間にある時、電磁ポン
プ43に駆動信号を出力し、ダーティタンク42内の加工液
を汲み上げ、フィルタ44を通して遠心分離機45に送出す
る。
遠心分離機45は、加工液流制御部11の制御信号によりモ
ータ54が回転し、加工液を分離する。そして、分離され
電解生成物を含まない加工液は、クリーンタンク46に貯
留され、加工条件制御部10からの信号により、加工液流
制御部11が電磁ポンプ47、絞り弁48、49、電磁弁50に制
御信号を送り、加工液がクリーンタンクから汲み上げら
れて加工液槽40に流入する。
この場合、クリーンタンク46と加工液槽40との間に液圧
を測定指示する液圧計51と、絞り弁48、49を設け、液圧
計の液圧が加工液流制御部11の設定値に対し低い場合
は、加工液槽40側の絞り弁48の開閉度を大きくするとと
もに、クリーンタンク46側の絞り弁49の開閉度を小さく
して、加工液が加工液槽40に多く流入するようにし、液
圧計51の液圧が前記設定値に対し高い場合は、絞り弁49
の開閉度を大きくするとともに、絞り弁48の開閉度を小
さくして、加工液がクリーンタンク46に多く戻るように
する。また、クリーンタンク46と加工液槽40間に設けら
れる電磁弁50は、電極4の上昇動作と同期した加工液流
制御部11からの制御信号により、クリーンタンク46から
の加工液を被加工物2と電極4の間隙に噴出し、該間隙
の電解生成物を含む加工液を排除する如く動作する。
このように、加工液流制御部11は、クリーンタンク46か
ら加工液槽40に流入する加工液の液圧が常に一定になる
如く制御するとともに、電極4の上昇動作と同期して、
被加工物2と電極4間の電解生成物を含む加工液を排除
する如く制御する。
次に、この発明に係る電解加工における仕上げ加工装置
による加工例を示す。
〈加工例1〉 電 極 純銅 被加工物材質 工具鋼(面粗度20μm) 電解液 硝酸ナトリウム溶液(濃度40%) 加工初期パルス幅 3msec 〃 電流密度 40A/cm2 加工後期パルス幅 30msec 〃 電流密度 40A/cm2 仕上げ面粗度 Rmax:1μm以下 仕上げ面 鏡面状の光沢面 〈加工例2〉 電極 純銅 被加工物材質 工具鋼(面粗度23μm) 電解液 硝酸ナトリウム溶液(濃度30%) 加工初期パルス幅 5msec 〃 電流密度 17A/cm2 加工後期パルス幅 10msec 〃 電流密度 50A/cm2 仕上げ面粗度 3μm以下 仕上げ面 鏡面状の光沢面 なお、仕上げ初期加工パルス幅は、被加工物の材質によ
りある程度変化させ得るが、上記加工例2に示すよう
に、仕上げ面粗度Rmax:1μmを必要としない場合は、作
業能率の面から5msec以下のより長いパルス幅を用いる
のが好ましい。
また、電極を被加工面から離間させ、電極面と被加工面
間の電極生成物を排除するサイクルも、1パルス毎に行
うのが被加工面の全面にわたって最も安定しているが、
例えば仕上げ加工初期のパルス幅が1msecという短い場
合は、1パルスの加工で発生する電解生成物が少ないの
で、数回毎に排除することもできる。
なお、上記実施例においては、パルス幅を、仕上げ加工
初期には5msec以下の所定値(例えば3msec)に設定し、
仕上げ加工後期には10msec以上60msec以下の所定値(例
えば40msec)に設定したが、この発明はこれに何ら限定
されず、仕上げ加工初期または後期のパルス幅を複数種
類に設定してもよい。すなわち、例えば仕上げ加工の初
期には5msecのパルス電流を供給し、後期には10msecの
パルス電流を所定時間供給した後に40msecのパルス電流
を供給したり、あるいは、仕上げ加工の初期には3msec
と5msecのパルス電流を供給し、後期には20msecと40mse
cと60msecのパルス電流を仕上げ状態に応じて適宜供給
して加工するようにしてもよい。また、電流密度につい
ても同様に設定し得る。
このように、この発明に係る電極加工による仕上げ加工
方法及び装置にあっては、仕上げ加工装置に、所望形状
に加工された例えば熱処理を行った特殊鋼等からなる被
加工物と電極とを取付け、仕上げ条件等を入力装置によ
り入力して起動すれば、仕上げ加工初期のパルス幅が5m
sec以下のパルス電流で高精度かつ微小面粗度の表面品
質が得られ、仕上げ加工後期のパルス幅が10msec以上60
msec以下のパルス電流で面粗度を損なうことなく鏡面状
光沢を呈した三次元金属曲面が無人で短時間に得られ
る。また、その表面は、内部応力の蓄積や金属組織の変
化もないし、機械的亀裂の侵入といった変質も全く見ら
れず、加工前の熱処理品質も損なわれることがない等、
現在の金型加工で最も省力化が遅れている仕上げ加工分
野で、品質向上と機械化に大きな効果が得られる。ま
た、加工液瀘過装置により、電解生成物を多く含んだ加
工液を簡単かつ安価に処理することができる。
なお、この発明は、金型加工分野に限らず、半導体生産
のシリコン単結晶やガリウムヒソ基材の仕上げ加工、及
び磁気記憶装置のアルミニュウム・ディスクの単結晶ダ
イヤモンドによる鏡面加工等のように、機械的加工によ
る表面の僅かな内部応力が問題となっている分野での仕
上げ加工にも応用することができる。また、自動搬送装
置と組み合せて、量産されるハイポイド・ギヤー等の熱
処理後の仕上げ加工に用いることも勿論可能である。
[発明の効果] 以上詳細に説明したように、この発明に係る電解加工に
よる仕上げ加工方法及び装置にあっては、加工液を介し
て対設した被加工物とこの被加工面の形状に合わせられ
た加工電極の電極面との間にパルス電流を供給するとと
もに、前記被加工物と加工電極間に生成した電解生成物
を間欠的に除去しながら仕上げ加工を行うに際し、前記
パルス電流のパルス幅を、加工初期には5msec以下と
し、加工後期には10msec以上60msec以下とするととも
に、電流密度を、仕上げ加工初期においては10A/cm2
上70A/cm2以下とし、仕上げ加工後期においては30A/cm2
以上70A/cm2以下としたので、高精度かつ微小面粗度の
鏡面状光沢を呈した三次元金属曲面が短時間に得られる
とともに、内部応力の蓄積や金属組織の変化がなく機械
的亀裂の侵入等の変質が全く見られず、加工前の熱処理
品質も損なわない表面を得ることができ、省力化が遅れ
ている金型加工分野での品質向上と機械化を達成するこ
とができる。また電解生成物を多量に含んだ汚水処理が
簡単かつ安価にできる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る仕上げ加工装置を示す正面図、
第2図は同装置の側面図、第3図は同装置の概略構成
図、第4図は電流供給手段を示すブロック図、第5図は
加工液瀘過手段を示す概略構成図である。 1……仕上げ加工装置、2……被加工物、2a……被加工
面、3……被加工物固定装置、4……電極、5……電極
固定装置、6……電極駆動部、7……駆動変換部、8…
…電源装置、9……モータ駆動制御部、10……加工条件
制御部、11……加工液流制御部、12……制御装置、13…
…入力装置、14……加工液瀘過装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭50−5139(JP,B2) 特公 昭48−44613(JP,B2) 実公 昭48−14647(JP,Y2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加工液を介して対設した被加工物とこの被
    加工面の形状に合わせられた加工電極の電極面との間に
    パルス電流を供給するとともに、前記被加工面と電極面
    との間に生成した電解生成物を間欠的に除去しながら仕
    上げ加工する電解加工による仕上げ加工方法において、 前記パルス電流のパルス幅を、仕上げ加工初期には5mse
    c以下とし、仕上げ加工後期には10msec以上60msec以下
    とするとともに、前記仕上げ加工初期におけるパルス電
    流の電流密度を10A/cm2以上70A/cm2以下とし、仕上げ加
    工後期におけるパルス電流の電流密度を30A/cm2以上70A
    /cm2以下としたことを特徴とする仕上げ加工方法。
  2. 【請求項2】加工液を介して対設した被加工物とこの被
    加工面の形状に合わせられた加工電極の電極面との間に
    パルス電流を供給して被加工物を仕上げ加工する電解加
    工による仕上げ加工装置において、 前記加工電極を前記被加工物に対し接離させる電極駆動
    手段と、 前記被加工面と前記電極面との間に供給する電流密度
    を、仕上げ加工初期においては10A/cm2以上70A/cm2以下
    とし、仕上げ加工後期においては30A/cm2以上70A/cm2
    下とする電流供給手段と、 前記被加工面と前記電極面との間に生成した電解生成物
    を間欠的に除去する加工液濾過手段と、 前記パルス電流のパルス幅を、前記仕上げ加工初期には
    5msec以下とし、前記仕上げ加工後期には10msec以上60m
    sec以下で可変制御する制御手段と を具備したことを特徴とする電解加工による仕上げ加工
    装置。
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