JPH0710769Y2 - 火災時における有毒ガス防護用救命袋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は、火災時における有毒ガス防護用救命袋に関す
るものである。

（ロ）従来の技術及び問題点 従来、ビルあるいは地下街等にて火災事故が起ると、そ
の火災により煙及び有毒ガスが発生しやすく、このよう
な非常時に対して無防備な人々はこの煙及び有毒ガスに
まかれて呼吸ができず、自力で脱出する前に、窒息によ
って命を落とすことが多かった。

そこで、頭から透明な袋をかぶって、袋内の空気を吸入
しながら避難する手段があった。しかし、これらの手段
は、多量の空気を袋体内に短時間に収容できず、更には
袋体の型保持も完全にできないため避難時支障となる欠
点を有していた。

（ハ）考案が解決しようとするための手段 本考案では、透視可能な合成樹脂素材により袋体を形成
し、同袋体の開口部にゴム帯又は紐を取り付けて、同袋
体中に頭部を収納しうるべく構成すると共に、同袋体の
内周面には可撓性素材にて形成された拡開ホースを螺旋
状に取付け、拡開ホースの基端部を開口部の外方に突出
させ、同基端部にはストップ弁付の注入口を設けてなる
火災時における有毒ガス防護用救命袋を提供せんとする
ものである。

（ニ）作用・効果 本考案では、ビルあるいは地下街等において火災が発生
した際に、新鮮な空気を入れた袋体を頭部に被覆するこ
とにより、煙及び有毒ガスを遮断すると共に、袋体内の
空気にて呼吸を行いながら、無事に脱出して、尊い人命
を救うことができる。

なお、同袋体の開口部には、ゴム帯又は紐により首部に
密着状に止めて、内部の空気を逃げないようにすると共
に、煙及び有毒ガスの侵入を防止している。

さらに、袋体が透視可能である為に、前方部を透視で
き、しかも、同袋体により煙等から目を保護することに
より、非常口方向に向って正確に、かつ確実に脱出路を
見い出すことができる。

また、同袋体は合成樹脂素材である為に、コンパクト化
が図ることができ、ポケットあるいはバック等に収める
ことにより、非常時に備えることができるという効果を
奏する。

更には、袋体をふくらませる場合には、ストップ弁付の
注入口を口にくわえて、注入口から息を吹き込むことに
より、拡開ホース中に空気を充填して該ホースを一定の
弾力を有した螺旋状に形成して袋体をふくらませるもの
であり、わずかな息の吹き込みで、拡開ホースがふくら
んで袋体を内周面から膨張させ、多量の空気が収容でき
ることになり、緊急時の使用において短時間で袋体に多
量の空気を収容して避難にそなえることができる効果が
ある。

（ホ）実施例 本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、第１図は
本考案の全体側面図であり、（Ａ）は救命袋を示し、同
救命袋（Ａ）は、透視可能とした、例えば透明の合成樹
脂素材にて形成された袋体（１）よりなり、同袋体
（１）の開口部（２）の周縁部（３）には、ゴム帯又は
紐（７）が取り付けられている。

しかも、かかる袋体（１）は、頭部（ａ）に対して、や
や大きめに形成されており、同袋体（１）内の空間
（Ｓ）を大きくして、可及的に多量の空気を収納すべく
構成している。

かかる構造の袋体（１）は、開口部（２）を拡開して空
気を空間（Ｓ）内に収納させながら、頭部（ａ）に装着
すると共に、開口部（２）のゴム帯又は紐（４）により
首部（ｂ）に密着させるものである。

なお、袋体（１）の開口部（２）に設けたゴム帯又は紐
（４）の他の実施例としては、マジックテープまたは他
の部材等を取付けてもよく、要は、袋体（１）の開口部
（２）を首部（ｂ）に装着できればよいものである。

従って、本考案は、ビルあるいは地下街等にて火災が発
生した際に、袋体（１）を頭部（ａ）に装着して火災に
よる煙及び有毒ガスの吸収を防ぐと共に、袋体（１）内
の正常な空気を吸収してその火災現場より脱出すること
ができる。

なお、袋体（１）は、透視可能である為に、前方部を正
確に視認し、非常口等を確認しながら脱出することがで
きるものである。

また、袋体（１）は、コンパクトに収納でき、ポケッ
ト、あるいはバック等に携帯可能とし、非常時に備える
ことができる。

また、かかる袋体（１）の開口部（２）には、袋体
（１）の端縁を折り返してリング状の挿通孔（６）を形
成し、同挿通孔（６）にゴム又は紐（７）を挿通し、同
ゴム又は紐（７）の両端を絞り、開口部（５）を収縮さ
せて首部（ｂ）に密着する。

なお、（7a）はゴム又は紐（７）のストッパーを示す。

かかる救命袋（Ａ）の円筒状の袋体（１）には、可撓性
素材にて形成された拡開ホース（12）を螺旋状に取り付
け、さらに、拡開ホース（12）の基端部（12a）を同袋
体（１）の開口部（２）より外方に突出させている。

かかる開口部（２）より外方に突出させたその基端部
（12a）にエアーを吹付けて、拡開ホース（12）が膨張
することになり、同拡開ホース（12）の膨張により、袋
体（１）を縦横方向に拡開させる。

従って、この拡開ホース（12）の膨張により、コンパク
トに収納した袋体（１）を拡開させて、その内部に空気
を封入することができる。

さらに、拡開ホース（12）の基端部には、注入口（13）
を設けており、同注入口（13）を口にくわえて拡開ホー
ス（12）にエアーを吹付け、袋体（１）を拡開させるこ
とができる。

なお、注入口（13）には、ストップ弁が設けられてお
り、拡開ホース（12）のエアー抜け防止をしている。

かかる構造により、救命袋（Ａ）は、注入口（13）から
拡開ホース（12）にエアーを吹付けて、袋体（１）を拡
開させ、頭部（ａ）に迅速にかつ容易に装着することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を示す側面図である。 （ａ）：頭部 （１）：袋体 （２）：開口部 （７）：ゴム帯又は紐 （12）：拡開ホース

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭50−83098（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭49−35995（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭52−11840（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透視可能な合成樹脂素材により袋体（１）
   を形成し、同袋体（１）の開口部（２）にゴム帯又は紐
   （７）を取り付けて、同袋体（１）中に頭部（ａ）を収
   納しうるべく構成すると共に、同袋体（１）の内周面に
   は可撓性素材にて形成された拡開ホース（12）を螺旋状
   に取付け、拡開ホース（12）の基端部（12a）を開口部
   （２）の外方に突出させ、同基端部（12a）にはストッ
   プ弁付の注入口（13）を設けてなる火災時における有毒
   ガス防護用救命袋。