JPH07107659A - インバータの入力欠相保護装置 - Google Patents

インバータの入力欠相保護装置

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JPH07107659A
JPH07107659A JP5249230A JP24923093A JPH07107659A JP H07107659 A JPH07107659 A JP H07107659A JP 5249230 A JP5249230 A JP 5249230A JP 24923093 A JP24923093 A JP 24923093A JP H07107659 A JPH07107659 A JP H07107659A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】欠相保護に加えて電源遮断保護も行なえ、欠相
の場合と瞬時停電の場合を識別して処理でき、電源遮断
や瞬時停電の場合には運転停止または再始動させ、欠相
の場合でも可能な限りは運転が継続されるようにしたイ
ンバータの入力欠相保護装置を提供すること。 【構成】欠相検出回路6による検出から不足電圧検出回
路8による検出までの時間で電源遮断や瞬時停電と欠相
を識別し、欠相検出回路6による検出のあと、不足電圧
検出回路8による検出が得られるまでは、出力遮断は行
なわないようにし、その後、欠相を表示するもの。 【効果】インバータの保護が充分に得られると共に、負
荷の運転が停止されてしまう虞れを最小限に抑えること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直流回路に平滑用のコ
ンデンサを有する電圧形インバータの欠相保護に係り、
特に、マイコン(マイクロコンピュータ)制御によるイン
バータに好適な欠相保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インバータの欠相保護装置の従来技術と
しては、例えば特開昭62−107633号公報に記載
のように、平滑用コンデンサの起動時突入電流抑制用の
抵抗器を短絡するための電磁接触器を利用する装置や、
或いは、特開昭62−7333号公報に記載のように、
入力交流電源の各相電圧の有無を検出し、検出した信号
の排他的論理(Exclusive OR)をとることにより欠相を検
出する装置などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電源系統には、ある相
の脱落などによる欠相と、一般的な意味での電源遮断や
瞬間的に現われる電圧降下などによる、いわゆる瞬時停
電とがあり、従って、上記したインバータの電源系統に
対する処理については、欠相の場合と電源遮断や瞬時停
電の場合とを識別して行なう必要がある。瞬時停電の場
合には運転を停止または再始動させ、欠相の場合は、可
能な限りは運転が継続されるように制御するのが望まし
い。
【0004】なお、ここで、瞬時停電とは、例えば数十
ミリ秒程度の極く短時間で回復してしまう停電のことを
言う。しかし、十数ミリ秒以内の瞬時停電は継続運転さ
せるが、数十ミリ秒以上の瞬時停電は一度運転を停止
し、再始動するか、そのまま停止するか選択する方法が
一般的である。
【0005】一方、電源遮断とは、インバータ入力側の
開閉器や遮断器を動作させて、電源系統からインバータ
回路を切り離すことをいう。この時、インバータ出力は
停止させる。
【0006】しかしながら、上記従来技術は、欠相と電
源遮断や瞬時停電とで保護処理を識別して行なう点につ
いて配慮がされておらず、充分な保護処理の付与の点で
問題があった。そして、また、上記従来技術のうち、前
者(特開昭62−107633号公報のもの)は、電磁接
触器を用い、且つ、それにb接点(常閉接点)が備えられ
ているインバータの場合にしか適用できないという問題
点があり、他方、後者(特開昭62−7333号公報の
もの)は、電子回路のみで全相の入力電源の有無を検出
するようにはなっているが、欠相と電源遮断や瞬時停電
を判別するための具体的な回路については何も開示して
おらず、さらに、この判別処理のためには、上位の制御
回路に欠相検出信号入力と電源遮断検出信号入力の2系
統の入力ポートが必要となるため、低価格化の点で問題
があった。
【0007】本発明の目的は、欠相の場合と電源遮断や
瞬時停電の場合とを識別して処理でき、電源遮断や瞬時
停電の場合には運転停止または再始動させ、欠相の場合
には、可能な限りは運転が継続されるようにしたインバ
ータの入力欠相保護装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、電源に欠相
が生じたとき第1の検出信号を発生する欠相検出手段
と、インバータの直流回路に設けてあるコンデンサの端
子電圧が所定の基準電圧以下に低下したとき第2の検出
信号を発生する不足電圧検出手段と、これら第1と第2
の検出信号を入力とする演算手段とを設け、第1の検出
信号が発生した時点から予め設定してある判定時間が経
過する時点以前に第2の検出信号が発生したときには、
この第2の検出信号が発生した時点でインバータ出力の
遮断を行ない、第1の検出信号が発生した時点から上記
判定時間が経過した時点以後に第2の検出信号が発生し
たときには、欠相発生を告知する表示を行ない、第2の
検出信号が発生した時点でインバータ出力を遮断し、そ
の後、欠相発生を告知する表示を行なうようにして達成
される。
【0009】
【作用】上記手段は、入力されている多相交流電源の1
相でも電圧が失われたら所定の判定時間の計時を開始
し、この計時が終わる前にインバータの直流回路の電圧
が所定値以下になったら、直ちに停電と判定してインバ
ータ出力を停止すなわち遮断し、計時が終わった時点で
も、まだインバータの直流回路の電圧が所定値にまで低
下していなかったら、インバータの直流回路の電圧が所
定値以下になった時点でインバータ出力を遮断し、欠相
を告知する表示を行なうように働く。
【0010】多相交流電源では、欠相が生じても、他の
相間には電圧が残っているので、順変換器と逆変換器の
間の直流回路にコンデンサを有するインバータでは、直
流回路の電圧に脈動が大きくなるが、とにかく運転の継
続が可能な場合がある。そして、この直流回路での電圧
脈動はインバータの負荷の状態により変化し、負荷が小
さい(軽い)ときには脈動も小さくて済むが、負荷が大き
く(重く)なると、電圧脈動が大きくなると共に、電圧値
も低下してくるので、運転を継続することができなくな
る。
【0011】従って、本発明によれば、短時間でインバ
ータの直流回路の電圧が低下したときには、電源遮断や
瞬時停電と判定され、インバータ出力を遮断または再始
動するが、電源の異常が欠相によるもので、そのときの
負荷が軽い場合には、可能な限り運転が継続され、直流
電圧が低下した時点で出力遮断、欠相表示されるため、
インバータの保護が充分に得られると共に、負荷の運転
が停止されてしまう虞れを最小限に抑えることができ
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明によるインバータの入力欠相保
護装置について、図示の実施例により詳細に説明する。
【0013】図1は本発明の一実施例で、図において、
1は三相交流電源、2は順変換器、3は順変換器により
整流された電圧を平滑する平滑コンデンサ、4は逆変換
器、5は交流電動機、6は欠相検出回路、7はマイコン
(マイクロコンピュータ)、8は不足電圧検出回路、9は
放電用の抵抗器、10は電磁接触器、10aは電磁接触
器10のa接点(常開接点)、11は突入電流抑制用の抵
抗器である。
【0014】順変換器2と平滑コンデンサ3、それに逆
変換器4は、周知の電圧形インバータを構成し、商用電
源である三相交流電源1から給電され、交流電動機5に
可変電圧、可変周波数の交流電力を供給する働きをす
る。そして、このとき、平滑コンデンサ3は、順変換器
2により整流された直流電圧を平滑化し、電圧脈動の少
ない直流電圧を逆変換器4に供給する働きをする。
【0015】欠相検出回路6は、三相交流電源1のRS
相間とTS相間の電圧を検出し、それらを予め設定して
ある所定値の欠相判定用の基準電圧と比較し、何れか一
方の相間電圧でも、この基準電圧以下になったら欠相検
出信号(第1の検出信号)Aを発生し、マイコン7に入力
する働きをする。
【0016】不足電圧検出回路8は、平滑コンデンサ3
の端子電圧E、すなわちインバータの直流回路の電圧を
取り込み、この端子電圧Eを、予め設定してある不足判
定用の基準電圧ES と比較し、端子電圧Eが、この基準
電圧ES 以下になったとき、不足電圧信号(第2の検出
信号)Bを発生してマイコン7に入力する働きをする。
なお、マイコン7の動作については、後述する。
【0017】抵抗器9は、インバータが停止していると
き、平滑コンデンサ3に残っている電荷を放電し、その
端子電圧を零にしておく働きをする。なお、周知のよう
に、これは安全対策のためである。
【0018】電磁接触器10は、交流電源1がオンにさ
れたとき動作してa接点10aを閉じ、抵抗器11を短
絡する働きをする。そして、このとき、電磁接触器10
の接点可動部分(アーマチュア)の慣性によるa接点10
aの閉成動作遅れを利用し、インバータ起動時には、ま
ず抵抗器11を介してコンデンサ3に充電電流が流れる
ようにして充電電流を抑制し、以後は、この抵抗器1が
短絡されて損失を生じないようにしている。なお、これ
は、周知のように、電源オン時での突入電流による機器
の損傷と、電源系統に与えられてしまう擾乱を少なくす
るためである。
【0019】マイコン7は、順変換器2と平滑コンデン
サ3、それに逆変換器4からなるインバータの制御を実
行するもので、このため、図示してない制御指令を入力
し、これにより逆変換部4のスイッチング素子を制御
し、電動機5に所定の電圧で所定の周波数の三相交流電
力が供給されるようにする。
【0020】また、このマイコン7は、上記したインバ
ータの制御と並行して、本発明による入力欠相保護処理
も実行するようになっており、以下、この点も含めて、
上記実施例について、詳細に説明する。
【0021】まず、図2は、上記実施例における欠相検
出回路6の具体例で、図において、R1〜R9は抵抗、
PC1、PC2はフォトカプラ、C1、C2はコンデン
サ、D1〜D4はダイオード、ZD1はツェナーダイオ
ード、Q1はトランジスタである。
【0022】次に、この図2の回路の動作について説明
すると、まずダイオードD1と抵抗R1、R3は、電源
1のRS相間に直列に接続されているので、RS相のR
線側が正電圧になっているとき、フォトカプラPC1の
一次側が発光し、その二次側がオンする。また、ダイオ
ードD2と抵抗R2、R4は、電源1のTS相間に直列
に接続されているので、TS相のT線側が正電圧になっ
ているとき、フォトカプラPC2の一次側が発光し、そ
の二次側がオンする。
【0023】一方、これらフォトカプラPC1、PC2
の二次側は、それぞれ抵抗R5、R6を介してコンデン
サC1、C2に並列に接続されており、従って、これら
フォトカプラPC1、PC2の二次側がオンされる毎
に、これらコンデンサC1、C2は、抵抗R5、R6を
介して短絡されるようになっている。
【0024】他方、コンデンサC1、C2は、それぞれ
抵抗R7、R8を介して電源(+5V)に直列に接続され
ており、従って、これらのコンデンサC1、C2は、フ
ォトカプラPC1、PC2の二次側がオンされる毎にゼ
ロ電圧にされた後、電源から抵抗R7、R8を介して充
電され、その端子電圧は、コンデンサの容量と抵抗の抵
抗値から定まる所定の時定数をもって、次にフォトカプ
ラPC1、PC2の二次側がオンされるまで、+5Vの
電圧に向かって上昇するという動作を繰り返すことにな
る。
【0025】なお、抵抗R5、R6は、フォトカプラP
C1、PC2の二次側がオフからオンに切換わったと
き、コンデンサC1、C2の放電電流からフォトカプラ
を保護するための電流値を抑制するためのものである
が、これらの抵抗R5、R6の抵抗値は、抵抗R7、R
9に比して小さく選んであり、従って、フォトカプラP
C1、PC2の二次側がオンされたときでのコンデンサ
C1、C2の端子電圧は、上記したようにほとんど0V
になる。
【0026】コンデンサC1、C2の端子電圧は、それ
ぞれダイオードD3、D4を介してツェナーダイオード
ZD1のカソードに共通に印加され、このツェナーダイ
オードZD1を介してトランジスタQ1のベースに印加
されるようになっており、従って、このトランジスタQ
1は、コンデンサC1、C2のいずれかの端子電圧がツ
ェナーダイオードZD1のツェナー電圧と、トランジス
タQ1のベース・エミッタ間電圧との和の電圧を越えた
ときオンし、マイコン7に欠相検出信号(第1の検出信
号)を供給することになる。
【0027】次に、この図2の回路の動作について、図
3により、さらに詳細に説明する。図3において、(a)
は交流電源1のRS相間に現われる電圧をダイオードD
1で半波整流した電圧波形、つまりフォトカプラPC1
の一次側に印加される電圧を示し、同図(b)はツェナー
ダイオードZD1のカソードとアース間の電圧V0を示
したもので、且つ、時刻t0以前は交流電源1が正常な
状態を表わし、この時刻t0で交流電源1のRS相間に
欠相が発生した場合を想定して示したものである。
【0028】まず、上記したように、時刻t0以前は、
交流電源1は正常なので、図3(a)に示すように、半サ
イクル毎にRS相電圧が現われており、従って、フォト
カプラPC1も周期的にオンしている。そして、このフ
ォトカプラPC1がオンする毎に、ツェナーダイオード
ZD1のカソード・アース間の電圧V0は0にされてし
まうので、このため、同図(b)に示すように、時刻t0
前は、この電圧V0は、時刻 -t4で0にされた後、時刻
-t3から上昇し始めるが、時刻 -t2で再び0にされ、
時刻 -t1から再び上昇し始めるという状態を繰り返し
ているので、電圧V0がレベルHに達することはない。
なお、このレベルHは、ツェナーダイオードZD1のツ
ェナー電圧と、トランジスタQ1のベース・エミッタ間
電圧との和の電圧で決まるものであり、従って、後述す
るように、このレベルHが欠相判定用の基準電圧とな
る。
【0029】しかして、上記したように、時刻t0で交
流電源1のRS相に欠相が発生し、この時刻以降、図3
(a)に示すように、RS相電圧が現われなくなるので、
同図(b)に示すように、時刻 -t1以降、上昇し始めた電
圧V0は、そのまま上昇を続けてゆき、やがてレベルH
に達すると、この欠相判定用の基準電圧となるレベルH
に達した時刻t1でトランジスタQ1がオンし、上記し
たように、欠相検出信号Aがマイコン7に入力されるの
である。
【0030】そして、交流電源1のTS相間についても
同じ回路構成になっており、且つ、コンデンサC1、C
2の端子電圧は、ダイオードD3、D4によりOR論理
が取られるようになっているため、交流電源1のTS相
間に欠相が発生した場合でも全く同様にトランジスタQ
1がオンし、同じく欠相検出信号Aがマイコン7に入力
される。
【0031】従って、この図2の実施例によれば、交流
電源1の何れか一相の電圧、及び三相全部の電圧が失わ
れた場合の何れの場合でも欠相検出信号が検出できるこ
とになる。なお、この実施例で、フォトカプラPC1、
PC2を用いているのは、交流電源1と検出回路間で電
気的な隔離(アイソレーション)が得られるようにするた
めである。
【0032】図1の実施例に戻り、マイコン7には、欠
相検出回路6からの欠相検出信号Aと、不足電圧検出回
路8からの不足電圧検出信号Bとを取り込み、図4に示
す処理を実行するようになっている。この図4の処理は
周期的に実行され、この処理に入ると、まず、S(ステ
ップ)1で欠相検出回路6から欠相検出信号(第1の検出
信号)Aが供給されているか否かを調べ、結果がN(N
O)のときは、そのまま処理を抜け、次にこの処理に入
るのを待つ。一方、S1での結果がY(YES)になった
ときには次のS2に進み、タイマTが作動しているか否
かを調べる。なお、このタイマTMは、マイコン7のプ
ログラムによるソフトタイマでよい。そして、このS2
での結果がYのときには、そのまま次のS3の処理に進
むが、NのときにはS3の処理を通ってタイマTMを作
動させてからS4に進む。
【0033】S4の処理では、タイマTMによる計時デ
ータTを調べ、それを基準時間TSと比較し、T≧TS
満足しているか否かを判定する。そして、結果がNのと
きにはS5の処理に進み、今度は不足電圧検出回路8か
ら不足電圧検出信号(第2の検出信号)Bが供給されてい
るか否かを調べ、結果がNのときには、一度処理を抜
け、割込み時STARTから処理を繰り返す。
【0034】しかして、結果がYのときには次のS6、
S7の処理に進み、まずS6で、逆変換器4出力を遮断
させるための信号を出力させる処理を実行し、次いでS
7ではタイマTMを停止させる処理を実行し、S8でデ
ータ保持などの電源遮断処理を行ない、この処理を抜け
るのである。なお、本例では、S8に瞬時停電を入れる
ことができるが割愛する。
【0035】一方、S4の処理での結果がY、つまりタ
イマTMが作動を開始してから基準時間TS 以上の時間
が経過していたときにはS9の処理を通ってから、S1
0、S11、S12の処理が実行される。まず、S9で
は、不足電圧検出回路8から不足電圧検出信号(第2の
検出信号)Bが供給されているか否かを調べ、結果がN
のときには、この処理を繰返し、他方、結果がYになっ
たときには、次のS10の処理に進み、逆変換器4出力
を遮断するための信号を出力させる処理を実行し、次い
でS11ではタイマTMを停止させる処理を実行し、S
12では、交流電源1に欠相が発生したことを告知する
ための、例えば表示灯などの表示手段(図してない)を
動作させるための信号を発生させる処理を実行してか
ら、この処理を抜けるのである。
【0036】次に、マイコン7により、この図4の処理
が実行された結果について、図5により説明する。交流
電源1に電源遮断(2相同時欠相の場合も含む)、又は欠
相を生じたときには、その時点以降の所定の時刻t1
で、図5(a)、(b)に示すように、欠相検出信号Aが現わ
れるので、図4のS1での結果がYになり、この結果、
S3の処理が実行され、タイマTMがスタートする。
【0037】そして、図5(a)に示すように、この時刻
1 以後、計時データTが基準時間TSに達するまでの
前の時刻t2 で不足電圧検出回路8から不足電圧検出信
号Bが出力された場合には、図4のS4での結果がN
に、そしてS5での結果がYになるので、S6とS7、
S8の処理が実行され、この不足電圧検出信号Bが発生
された時点t2 で、上記したように、逆順変換器4出力
が遮断され、次いでタイマTMが停止され、電源遮断処
理が与えられることになる。
【0038】つまり、不足電圧検出回路8で検出してい
る平滑コンデンサ3の電圧は、負荷である交流電動機5
及びマイコン7の動作に必要な電力、それに放電抵抗9
などにより電力が消費されるので、順変換器2の入力が
不足すれば、急激に低下に向かう。
【0039】そこで、このように、時刻t1 以後、基準
時間TS に達する前の時刻t2 で不足電圧検出信号Bが
出力されたということは、交流電源1に二相同時欠相の
場合も含む電源遮断が発生し、この結果、平滑コンデン
サ3の電圧、つまりインバータの直流回路の電圧が維持
出来なくなって、時刻t1 以後、急激に低下したことを
意味するからであり、従って、これにより時刻t2 で電
源遮断が発生したと判定し、電源遮断処理を行なうので
ある。
【0040】しかして、図5(b)に示すように、時刻t1
以後、計時データTが基準時間TSに達しても、不足電
圧検出回路8から不足電圧検出信号Bが出力されなかっ
た場合には、図4のS4での結果がYになるので、この
時刻t1 から基準時間TS が経過した時点t3 でS9の
処理が実行され、不足電圧検出信号Bが出力されるまで
は運転が継続され、その後、欠相が発生したという表示
がなされる。
【0041】つまり、平滑コンデンサ3の電圧は、上記
したように、順変換器2の入力が不足すれば急激に低下
して行くが、一相だけが断線状態(無電圧状態)となる欠
相の場合には、入力が三相電源の場合、他の入力相間電
圧は残っているため、平滑コンデンサ3の電圧は徐々に
減少する。
【0042】そこで、所定の長さの基準時間TS を判定
用に設定しておき、欠相検出信号Aが検出されてから不
足電圧検出信号Bが検出されるまでの時間を判定するこ
とにより、この基準時間TS が経過する前に不足電圧検
出信号Bが検出されたときには、上記したように、二相
欠相を含む停電と判定し、この図5(b)に示すように、
基準時間TS が経過後、不足電圧検出信号Bが検出され
たときには、欠相と判定し、上記したように、マイコン
7は、欠相発生を表示させるのである。
【0043】従って、この実施例によれば、電源遮断と
欠相を確実に判定識別することができ、且つ、欠相時に
は運転を継続する制御が実行され、欠相が発生したこと
の表示処理を行なうことになるのである。
【0044】そして、図5(b)に示すように、基準時間
S が経過した時点t3 以降で不足電圧検出信号Bが検
出されたら、その時刻t4 でS6の処理が実行され、こ
の時点で始めて運転が停止されることになる。
【0045】しかして、そのときの負荷が軽くて、欠相
状態でも平滑コンデンサ3の端子電圧Eが、上記した不
足判定用の基準電圧ES まで低下しなかったときは、S
9での結果がNになるので、そのまま運転が継続され
る。そして、交流電源1の欠相が回復されれば、その時
点でS1の結果がNになるので、以後は、欠相が検出さ
れる以前と同様な正常運転状態に復帰することができ
る。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、短時間でインバータの
直流回路の電圧が低下したときには、電源遮断と判定さ
れてインバータ出力を遮断してしまうが、電源の異常が
欠相によるもので、そのとこの負荷が軽い場合には、欠
相が表示されるだけで、以後は、可能な限り運転が継続
され、直流電圧が低下した時点で出力遮断、欠相表示を
行なうことになり、インバータの保護が充分に得られる
と共に、負荷の運転が停止されてしまう虞れを最小限に
抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインバータの入力欠相保護装置の
一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明における欠相検出回路の一実施例を示す
回路図である。
【図3】本発明の一実施例における欠相検出の動作を説
明する波形図である。
【図4】本発明の一実施例の動作を説明するフローチャ
ートである。
【図5】本発明の一実施例の動作を説明するタイミング
図である。
【符号の説明】
1 三相交流電源 2 順変換器 3 平滑コンデンサ 4 逆変換器 5 交流電動機 6 欠相検出回路 7 マイコン(マイクロコンピュータ) 8 不足電圧検出回路 9 放電用の抵抗器 10 電磁接触器 10a 電磁接触器10のa接点(常開接点) 11 突入電流抑制用の抵抗器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多相交流電源に接続された順変換器と、
    この順変換器の直流回路に接続された逆変換器とを備
    え、上記直流回路に並列に接続されたコンデンサを有す
    るインバータにおいて、上記多相交流電源に欠相が生じ
    たとき第1の検出信号を発生する欠相検出手段と、上記
    コンデンサの端子電圧が所定の基準電圧以下に低下した
    とき第2の検出信号を発生する不足電圧検出手段と、こ
    れら第1と第2の検出信号を入力とする演算手段と、欠
    相発生を告知する表示手段とを設け、上記第1の検出信
    号が発生した時点から予め設定してある判定時間が経過
    する時点以前に上記第2の検出信号が発生したときに
    は、この第2の検出信号が発生した時点で逆変換器出力
    を全相停止させる信号が上記演算手段から出力され、上
    記第1の検出信号が発生した時点から上記判定時間が経
    過した時点以後に上記第2の検出信号が発生したときに
    は、上記表示手段を動作させる信号が上記演算手段から
    出力され、上記第2の検出信号が発生した時点で上記逆
    変換器出力を全相停止させる信号が上記演算手段から出
    力され、その後、上記表示手段を動作させる信号が上記
    演算手段から出力されるように構成したことを特徴とす
    るインバータの入力欠相保護装置。
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