JPH07106308A - ドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング方法

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JPH07106308A
JPH07106308A JP25345393A JP25345393A JPH07106308A JP H07106308 A JPH07106308 A JP H07106308A JP 25345393 A JP25345393 A JP 25345393A JP 25345393 A JP25345393 A JP 25345393A JP H07106308 A JPH07106308 A JP H07106308A
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JP
Japan
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film
etching
sion
antireflection film
based material
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JP25345393A
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English (en)
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Tetsuji Nagayama
哲治 長山
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エキシマ・レーザ・リソグラフィ用の反射防
止膜として好適なSiON(酸化窒化シリコン)系材料
膜の良好なドライエッチングを行う。 【構成】 SiON反射防止膜6aは、通常のSi系材
料用の最適条件でエッチングすると、O* (酸素ラジカ
ル)を放出してレジスト・マスク7のエッジを後退させ
易く、自身のエッジもテーパー化する。そこで、プラズ
マ中に遊離のSを供給できるS2 Cl2 等のハロゲン化
イオウ・ガスを用いてこのO* を捕捉し、マスクの後退
を防止する。余剰のSは堆積して側壁保護膜を形成す
る。 【効果】 SiON反射防止膜6aの端面が垂直加工さ
れる結果、該端面へのイオン入射が防止でき、O* のス
パッタアウトが抑制される。このことは、下層側のW−
ポリサイド膜5のエッチング時の異方性向上にも寄与す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造等の微
細加工分野において行われるドライエッチング方法に関
し、特にエキシマ・レーザ・リソグフィ用の反射防止膜
として好適なSiON系材料膜の良好なエッチングを行
う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の高集積化が加速度的に進行
するに伴い、その最小加工寸法も急速に縮小されてい
る。たとえば、現状で量産ラインに移行されている16
MDRAMの最小加工寸法は約0.5μmであるが、次
世代の64MDRAMでは0.35μm以下、次々世代
の256MDRAMでは0.25μm以下に縮小される
とみられている。
【0003】この微細化度は、マスク・パターンを形成
するフォトリソグラフィ技術に依存するといっても過言
ではない。現行の0.5μmクラスの加工には、高圧水
銀ランプのg線(波長436nm)やi線(波長365
nm)等の可視〜近紫外光源が、また0.35μm〜
0.25μm(ディープ・サブミクロン)クラスでは、
KrFエキシマ・レーザ光(波長248nm)等の遠紫
外光源が用いられる。特に線幅0.4μm以下の微細な
マスクを形成するフォトリソグラフィ技術においては、
ハレーションや定在波効果によるコントラストや解像度
の低下を防止するために、下地材料膜からの反射光を弱
めるための反射防止膜がほぼ必須となる。
【0004】反射防止膜の構成材料としては、従来から
アモルファス・シリコン、TiN、TiON等が多く用
いられてきたが、近年、SiON(酸化窒化シリコン)
系材料が遠紫外領域において良好な光学特性を有するこ
とが示され、エキシマ・レーザ・リソグラフィへの適用
が期待されている。たとえば、W(タングステン)−ポ
リサイド膜やAl系配線膜の反射率をSiON系材料膜
で抑制しながら微細配線加工を行うようなプロセスが、
典型的なプロセスとなる。
【0005】代表的なSiON系材料はSiOx y
表され、その元素組成比はおおよそSi:O:N=2:
1:1である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかるフォ
トリソグラフィによりレジスト・マスクのパターニング
が終了した後には、次工程のエッチング工程において当
然、反射防止膜もエッチングされることとなる。しかし
ながら、たとえばSiOx y の場合、その組成は50
%前後をSiが占めていることからもわかるように、S
iとSiOx (酸化シリコン)との中間的である。当
然、エッチング特性もSiとSiOx の中間的であり、
エッチング条件の最適化に困難を来しているのが現状で
ある。この問題を、図10ないし図12、および図13
ないし図15を参照しながら説明する。
【0007】図10ないし図12は、W−ポリサイド膜
35を被覆するSiON反射防止膜36をエッチングす
るプロセスを示すものである。サンプル・ウェハは、図
10に示されるように、Si基板31上にゲートSiO
x 膜32を介してW−ポリサイド膜35およびSiON
反射防止膜36を順次積層し、さらにその上に所定の形
状にパターニングされたレジスト・マスク37が形成さ
れたものである。上記W−ポリサイド膜35は、下層側
から順に不純物を含有するポリシリコン膜33とタング
ステン・シリサイド(WSix )膜34とが順次積層さ
れたものである。
【0008】いま、このSiON反射防止膜36のエッ
チングを、フルオロカーボン系のエッチング・ガスを用
いてSiOx 用のエッチング条件で行ったとすると、S
iONがSiリッチであることに起因してエッチング速
度が非常に遅くなる。これは、カーボン系ポリマーの堆
積が過剰となるためである。一方、塩素系ガスを用いて
エッチングすると、エッチング時に放出されるO*(酸
素ラジカル)の働きによりレジスト・マスク37が後退
しやすい。
【0009】いずれの場合にも、エッチング後のSiO
N反射防止膜36a(添字aはエッチング後の材料膜に
対して用いる。以下同様。)のエッジは図11に示され
るようにテーパー化し、レジスト・マスク37のエッジ
よりも外側へ突出した状態となる。
【0010】いまこの状態で、W−ポリサイド膜35を
たとえばCl2 /O2 混合ガスを用いてエッチングする
と、エッチング反応生成物としてSiClx ,WClO
x ,COx ,NOx 等が生成することによりエッチング
が進行する。その一方でパターンの側壁面上には、レジ
スト・マスク37のフォワード・スパッタにより供給さ
れる分解生成物に由来するカーボン系ポリマーが堆積
し、側壁保護膜38が形成される。この側壁保護膜38
の堆積量が十分であれば、図11に示されるような異方
性形状を有するゲート電極35aが形成される。
【0011】しかし、このエッチング中にはSiON反
射防止膜16aのエッジがプラズマに曝されており、し
かも塩素系のエッチング種に対する耐性が低いために、
ここから容易にO* が放出される。すなわち、側壁保護
膜38を構成するカーボン系ポリマーは、COx の形で
除去される危険性を常に有している。したがって、側壁
保護膜38の堆積量が不足した状態でエッチングを行う
と、図12に示されるように、アンダカットを生じたゲ
ート電極35b(添字bはアンダカットを生じた材料膜
に対して用いる。)が形成されてしまう。このアンダカ
ットは、WClOx の形でエッチングされ易いWSix
層14bにおいて、最も顕著に発生している。このよう
な現象は、オーバーエッチング時にしばしば観察され
る。
【0012】このアンダカットの問題は、図13ないし
図15に示されるAl系配線膜のエッチングにおいても
生ずる。図13は、SiOx 層間絶縁膜41上にバリヤ
メタル44、Al−1%Si膜45、SiON反射防止
膜46が順次積層され、さらにその上に所定の形状にパ
ターニングされたレジスト・マスク47を形成したサン
プル・ウェハを示している。ここで、上記バリヤメタル
44は、たとえば下層側から順にTi膜42とTiON
膜43とを順次積層したものである。
【0013】上記SiON反射防止膜46をエッチング
すると、エッチング後のSiON反射防止膜46aのエ
ッジは前述の理由によりテーパー化する。この状態で下
層側のAl−1%Si膜45およびバリヤメタル44を
塩素系ガスを用いてエッチングすると、レジスト・マス
ク47に由来するカーボン系ポリマーにより十分量の側
壁保護膜48が堆積している間は、図14に示されるよ
うに異方性形状を有するAl系配線パターン44aが形
成される。
【0014】しかし、SiON反射防止膜46aから放
出されるO* により側壁保護膜48が消費されると、図
15に示されるように、Al−1%Si膜45bにアン
ダカットが生じてしまう。
【0015】このように、ゲート電極やAl系配線パタ
ーンの形状が劣化すると、配線抵抗が設計値から外れた
り、特にゲート電極についてはLDD構造達成用のサイ
ド・ウォールの形成が困難となる等の様々な問題が生ず
る。そこで本発明は、SiON系材料膜のエッチングに
おいてエッチング中に放出されるO* の影響を低減し、
良好なエッチングを実現する方法を提供することを目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の目的
を達するために検討を重ねた結果、SiON系材料膜か
ら放出されるO* を捕捉消費できる化学種をプラズマ中
に供給することが有効であると考え、この化学種として
本願出願人が以前より側壁保護膜の構成物質として提案
しているS(イオウ)が好適であることを見出した。
【0017】本発明のドライエッチング方法は、かかる
知見にもとづいて提案されるものであり、プラズマ中に
ハロゲン系エッチング種と遊離のイオウとを生成し得る
エッチング・ガスを用いてSiON系材料膜のエッチン
グを行うものである。上記SiON系材料膜は、典型的
にはプラズマCVD法により成膜されるが、このときに
用いられる原料ガスの組成によっては、水素原子を含む
組成、すなわちSiOx y z となる場合もある。
【0018】前記エッチング・ガスとしては、S
2 2 ,SF2 ,SF4 ,S2 10,S2Cl2 ,S3
Cl2 ,S2 Cl2 ,SCl2 ,S3 Br2 ,S2 Br
2 ,SBr 2 から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン
化イオウを含むガスを用いることができる。これらハロ
ゲン化イオウは、放電解離条件下でハロゲン系エッチン
グ種と遊離のイオウとを同時に供給できるので、基本的
に単独組成ガスによるSiON系材料膜のエッチングを
可能とする。ただし、どのハロゲン化イオウを用いるか
は、プロセスの内容に応じて選択する。すなわち、
(i)下地材料膜に対して選択性を確保しながらSiO
N系材料膜のみをエッチングするか、あるいは(ii) S
iON系材料膜のエッチングに用いたガスと少なくとも
一部は組成の共通するガスを用いて下地材料もエッチン
グするかに応じて、相応しいハロゲンの種類が決まる。
【0019】前記エッチング・ガスには、プラズマをS
リッチ(S濃度が高い状態)にするために、H2 ,H2
S,シラン系化合物から選ばれる少なくとも1種類のハ
ロゲン・ラジカル消費性化合物を添加しても良い。前記
エッチング・ガスにはまた、窒素系化合物を添加しても
良い。これは、窒素系化合物から解離生成するNと前述
の遊離のSとを反応させ、窒化イオウ系化合物を堆積さ
せるためである。上記窒素系化合物としては、N2 ,N
3 ,NCl3 等が特に好適である。NH3 はSと反応
して固体状の硫化アンモニウムを生成するので、好まし
くない。なお、窒化イオウ系化合物としては、典型的に
はポリマー状物質であるポリチアジル(SN)x が生成
し、単体のSよりも強固な側壁保護効果を発揮する。
【0020】これらSまたは窒化イオウ系化合物の堆積
を併用するエッチングにおいては、この堆積を促進する
ために、前記SiON系材料膜を保持する基板を室温以
下に制御することが有効である。
【0021】なお、上記SiON系材料膜は、その下層
側の材料膜のための反射防止膜として形成するのが典型
的な利用形態である。かかる下層側の材料層としては、
高融点金属シリサイド膜、ポリサイド膜、高融点金属
膜、Al系材料膜、その他、半導体装置の製造に通常用
いられる導電材料層を挙げることができる。なお、Si
ON系材料膜は、その直下の高反射率材料層の反射率を
低減するために用いられるのが一般的であるが、そのさ
らに下側の高反射率材料層からの反射率の低減に用いて
も良い。たとえば、Al系下層配線膜にコンタクトをと
る目的で透明なSiOx 層間絶縁膜にビアホールを形成
するためのリソグラフィを行う場合、このSiOx 層間
絶縁膜上にSiON系の反射防止膜を形成してAl系下
層配線膜からの反射を抑えるようにしても良い。
【0022】
【作用】本発明のポイントは、SiON系材料層のエッ
チング中に放出されるO* を、エッチング・ガスのプラ
ズマ中に生成した遊離のイオウで捕捉することにある。
つまり、O* は放出後直ちにSOx に変換されるので、
レジスト・マスクのエッジ後退が抑制され、SiON系
材料層自身の異方性加工が実現される。さらに、従来の
ようなエッジのテーパー化が生じなくなることにより、
その下層側の材料層をエッチングする際の該エッジから
のO* の放出、およびこれに伴う側壁保護膜の除去を防
止することができる。したがって、下層側の材料層の異
方性エッチングも可能となる。しかも、余剰のSは昇華
温度未満に温度制御されたウェハ上に堆積することがで
き、側壁保護効果の増強に寄与する。
【0023】ただし本発明は、O* による異方性劣化が
特に問題とならない系においても、Sの堆積を併用した
SiON系材料膜の高選択エッチングを実現するもので
ある。
【0024】この遊離のSは、先に列挙したハロゲン化
イオウから供給することができる。これらの化合物は元
来、分子のS/X比〔S原子数とX(ハロゲン)原子数
の比〕が高く、放電解離条件下で比較的容易に遊離のS
を放出することができる。しかも、これらの化合物はS
iON系材料膜からSiを引き抜くために必要なハロゲ
ン系エッチング種の供給源でもある。したがって、これ
らのハロゲン化イオウを用いれば、基本的には単独組成
ガスによるエッチングが可能となる。
【0025】また、ハロゲン系エッチング種が存在する
エッチング反応系に先に列挙されるハロゲン・ラジカル
消費性化合物を添加すると、これらから生成するH*
Si * がF* ,Cl* ,Br* 等のハロゲン・ラジカル
(X* )を捕捉し、ハロゲン化水素(HX)またはハロ
ゲン化珪素(SiXx )等に変換する。これらは、排気
流に乗ってエッチング反応系から除去される。つまり、
エッチング反応系の見掛け上のS/X比が上昇する。こ
れにより、相対的に濃度の高まったSによりO * の捕捉
効率が向上し、また側壁保護膜の形成に関与するSの量
も増大するので、異方性加工を有利に行うことができ
る。特にH2 Sは自身がSの供給源でもあるため、S/
X比の上昇効果が大きい。
【0026】さらに、遊離のSが存在するエッチング反
応系に窒素系化合物を添加すると、SとNとの反応によ
りポリチアジル(SN)x に代表される窒化イオウ系化
合物が生成する。また、上記窒素系化合物から生成した
Nの一部は、O* の捕捉に寄与することができる。
【0027】これらSや窒化イオウ系化合物はいずれも
昇華性もしくは加熱分解性の物質であり、基板の温度が
その昇華/分解温度より低く維持されていればウェハ上
に堆積する。通常のプラズマ・エッチングが行われる条
件下でのSの昇華温度は90℃付近、ポリチアジル(S
N)x の昇華/分解温度は130℃付近であるから、基
板温度を室温以下に維持しておけば、これらを側壁保護
物質としてまず確実に利用することができる。特に、基
板を0℃以下に冷却するいわゆる低温エッチングを行え
ば、ラジカルの反応性も同時に抑制することができるの
で、異方性加工を行う上で極めて有利となる。
【0028】側壁保護に寄与したSや窒化イオウ系化合
物は、エッチング終了後にウェハを昇華/分解温度以上
に加熱すれば容易に除去することができ、またレジスト
・マスクのアッシングを行う際に同時に除去することも
できる。したがって、何らパーティクル汚染を招くもの
ではない。
【0029】なお、SiON系材料膜はエキシマ・レー
ザ波長域において適当な光学定数(n,k)(ただし、
n,kは複素振幅反射率の実数部と虚数部係数をそれぞ
れ表す。)を有していることが本願出願人の検討から明
らかとなっており、エキシマ・レーザ・リソグラフィ用
の反射防止膜として用いた場合に、良好なパターン解像
特性を実現することができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0031】実施例1 本実施例は、ポリサイド・ゲート電極加工において、W
−ポリサイド膜上のSiON反射防止膜をS2 Cl2
スでエッチングした後、その下層のW−ポリサイド膜を
2 Cl2 /O2 混合ガスでエッチングした例である。
このプロセスを、図1ないし図3を参照しながら説明す
る。
【0032】図1に、本実施例でエッチング・サンプル
として用いたウェハの構成を示す。すなわち、Si基板
1上に厚さ約10nmのゲート酸化膜2を介してW−ポ
リサイド膜5およびSiON反射防止膜6が順次積層さ
れ、さらにその上に所定の形状にパターニングされたレ
ジスト・マスク7が形成されている。ここで、上記W−
ポリサイド膜5は、下層側から順に、不純物を含有する
厚さ約100nmのポリシリコン層3と厚さ約100n
mのWSix 層4とが順次積層されたものである。ま
た、上記SiON反射防止膜6は、一例としてSiH4
/N2 O混合ガスを用いたプラズマCVD法により厚さ
23nmに堆積されている。さらに、上記レジスト・マ
スク7は、ポジ型3成分系化学増幅レジスト材料(シプ
レー社製;XP8843)とKrFエキシマ・レーザ・
ステッパを用い、厚さ約1.4μm,パターン幅約0.
25μmに形成されている。
【0033】このウェハをSiO2 加工用のRFバイア
ス印加型有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング装置に
セットし、一例として下記の条件でSiON反射防止膜
6をエッチングした。 S2 Cl2 流量 20 SCCM ガス圧 0.4 Pa マイクロ波パワー 1000 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 40 W(800 kH
z) ウェハ載置電極温度 −10 ℃
【0034】このエッチング工程では、S2 Cl2 から
解離生成する塩素系エッチング種の寄与でSiリッチな
SiON反射防止膜6が速やかにエッチングされた。ま
た、このエッチングに伴って放出されるO* はS2 Cl
2 から生成するSにより捕捉されるため、レジスト・マ
スク7のエッジ後退はみられなかった。この結果、図2
に示されるように、異方性形状を有するSiON反射防
止膜6a(添字aはエッチング後の材料膜に対して用い
る。以下同様。)が得られた。
【0035】なおこの工程においてO* を捕捉してなお
余剰のSが存在する場合には、このSがパターン側壁面
に図示されない側壁保護膜を形成する。
【0036】次に、エッチング条件を一例として下記の
ように切り替え、W−ポリサイド膜5をエッチングし
た。 S2 Cl2 流量 75 SCCM O2 流量 5 SCCM ガス圧 0.4 Pa マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 40 W(2 MHz) ウェハ載置電極温度 −20 ℃ このエッチング工程では、図3に示されるように、W−
ポリサイド膜5がWClOx ,SiClx 等の形で除去
された。ここでは、従来のようにSiON反射防止膜が
テーパー状に露出していないのでO* が放出されること
はなく、しかもSが堆積して側壁保護膜8が形成され
る。この側壁保護膜8は、図3では図示の都合上、厚く
描かれているが、実際には極めて薄い膜である。この結
果、良好な異方性形状を有するゲート電極5aを形成す
ることができた。
【0037】なお、上記側壁保護膜8は、エッチング終
了後にレジスト・マスク7をアッシングする際に同時に
燃焼除去され、ウェハ上に何らパーティクル汚染を発生
させることはなかった。
【0038】実施例2 本実施例では、同様のポリサイド・ゲート電極加工にお
いて、SiON反射防止膜をS2 Cl2 /N2 混合ガス
を用いてエッチングした。すなわち、図1に示されるウ
ェハを有磁場マイクロ波プラズマ・エッチング装置にセ
ットし、一例として下記の条件でW−ポリサイド膜5を
エッチングした。
【0039】 S2 Cl2 流量 20 SCCM N2 流量 10 SCCM ガス圧 0.4 Pa マイクロ波パワー 850 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 40 W(2 MHz) ウェハ載置電極温度 0 ℃
【0040】この工程では、SiON反射防止膜6のエ
ッチングに伴って放出されるO* がSやNに捕捉されて
SOx ,NOx の形で除去される。また、Sの一部はN
と結合して窒化イオウ系化合物を生成し、これが図示さ
れない側壁保護膜を形成した。この結果、図2に示され
るように異方性形状を有するSiON反射防止膜6aが
形成された。
【0041】なお、N2 はこの後のW−ポリサイド膜5
をエッチングするためのエッチング・ガスに添加しても
良い。この場合、側壁保護膜8の主な構成成分は実施例
1で用いたSよりも強固な側壁保護効果を発揮する窒化
イオウ系化合物となるので、異方性加工に必要なイオン
入射エネルギーが低減でき、またそれほど低温までウェ
ハを冷却せずに済むといったメリットが得られる。
【0042】実施例3 本実施例では、Al系配線加工において、Al−1%S
i膜上のSiON反射防止膜をS2 2 ガスでエッチン
グした。このプロセスを、図4ないし図6を参照しなが
ら説明する。図4に、本実施例でエッチング・サンプル
として用いたウェハの構成を示す。このウェハは、Si
2 層間絶縁膜11上にバリヤメタル14、Al−1%
Si層15、厚さ50nmのSiON反射防止膜16が
順次積層されたAl系多層膜が形成され、さらにその上
に厚さ約1.4μm、パターン幅0.25μmのレジス
ト・マスク17が形成されたものである。上記バリヤメ
タル14は、たとえば下層側から順に厚さ約30nmの
Ti層12と厚さ約70nmのTiON層13とが順次
積層されたものである。
【0043】次に、このウェハを有磁場マイクロ波プラ
ズマ・エッチング装置にセットし、一例として下記の条
件でSiON反射防止膜16をエッチングした。 S2 2 流量 30 SCCM ガス圧 0.4 Pa マイクロ波パワー 1000 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 50 W(800 kH
z) ウェハ載置電極温度 0 ℃ このエッチング工程では、S2 2 から解離生成するS
がSiON反射防止膜16から放出されるO* を捕捉し
ながらエッチングが進行し、図5に示されるように異方
性形状を有するSiON反射防止膜16aを形成するこ
とができた。
【0044】なお、上記のようにフッ素系エッチング種
を用いるエッチングによれば、下地のAl−1%Si膜
15が露出しても形成されるAlFx の蒸気圧が低いの
で、高い下地選択性を達成することができた。
【0045】この後は、Al系材料膜のエッチングに最
も一般的に用いられているBCl3/Cl2 混合ガスを
用い、Al−1%Si膜15およびバリヤメタル14を
一括してエッチングした。この工程では、レジスト・マ
スク17のスパッタ生成物に由来する炭素系ポリマーが
堆積し、図6に示されるような側壁保護膜18が形成さ
れながら、Al系配線パターン15aおよびバリヤメタ
ル・パターン14aが形成された。このとき、従来のよ
うにSiON反射防止膜のエッジがレジスト・マスク1
7のエッジより外に突出していないため、O* が放出さ
れることはなく、したがって、側壁保護膜18が除去さ
れることはなかった。
【0046】この結果、オーバーエッチング後にも、配
線パターンの異方性形状は良好に維持された。
【0047】実施例4 本実施例は、コンタクト・ホールのパターニング用にS
iO2 層間絶縁膜上に形成されたSiON反射防止膜
を、コンタクト・ホール開口後にS2 Br2 /H 2 混合
ガスを用いて除去した例である。このプロセスを、図7
ないし図9を参照しながら説明する。
【0048】図7に、本実施例でエッチング・サンプル
として用いたウェハの構成を示す。このウェハは、Al
系下層配線膜21上に厚さ約1μmのSiO2 層間絶縁
膜22、厚さ50nmのSiON反射防止膜23、およ
び厚さ約1.0μmのレジスト・マスク24が順次形成
され、このレジスト・マスク24に設けられた直径0.
25μmの開口部の内部において上記SiON反射防止
膜23とSiO2 層間絶縁膜22とをたとえばCHF3
/CH2 2 混合ガスを用いてエッチングすることによ
り、Al系下層配線膜21に臨むビアホールが開口され
たものである。
【0049】まず、このウェハをたとえばマイクロ波ダ
ウンフロー・アッシング装置にセットし、通常のアッシ
ング条件で図8に示されるようにレジスト・マスク24
を除去した。
【0050】次に、上記ウェハを有磁場マイクロ波プラ
ズマ・エッチング装置にセットし、一例として下記の条
件でSiON反射防止膜を除去した。 S2 Br2 流量 20 SCCM H2 流量 10 SCCM ガス圧 2 Pa マイクロ波パワー 1200 W(2.45 GH
z) RFバイアス・パワー 100 W(800 kH
z) ウェハ載置電極温度 −50 ℃
【0051】本実施例のプロセスは、特にO* による異
方性形状の劣化を問題とするようなプロセスではない
が、SによるO* の捕捉は同様に期待できる。すなわ
ち、Br系エッチング種の寄与によりSiON反射防止
膜23からSi原子が引き抜かれると共に、放出された
* もSOx の形で除去される。過剰なSがSiON防
止膜上23に堆積することも考えられるが、これはRF
バイアス・パワーを高く設定することでスパッタ除去し
ている。しかも、Br系エッチング種を用いているの
で、下地のSiO2 層間絶縁膜22に対しても高選択比
が得られる。
【0052】一方、Al系下層配線膜21の露出面に
は、図9に示されるように表面保護膜26が形成され
る。これは、H2 の添加によりエッチング反応系のS/
Br比が上昇しており、またウェハが低温冷却されてい
ることにより、Sの堆積が促進された結果である。以上
の理由により、本実施例では良好なSiON反射防止膜
23の除去を行うことができた。
【0053】以上、本発明を4例の実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。たとえば、本発明で規定されるハロゲン
化イオウやハロゲン・ラジカル消費性化合物のうち、上
述の実施例で例示されなかったものについても、基本的
には同様の結果が得られる。
【0054】この他、サンプル・ウェハの構成、使用す
るエッチング装置、エッチング条件等の詳細が適宜変更
可能であることは言うまでもない。
【0055】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によればSによるO* の捕捉効果とイオウ系材料の堆
積による側壁保護効果を併用しながら、SiON系材料
膜の良好な異方性加工または選択除去を実現することが
できる。これにより、SiON系材料膜が反射防止膜と
して表面に形成されているような材料層についても、良
好な異方性加工が実現できる。
【0056】このSiON系材料膜の反射防止膜として
の効果は、特にエキシマ・レーザ・リソグラフィにおい
て重要である。したがって本発明は、次世代以降の微細
加工の精度や信頼性を高める上で極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したポリサイド・ゲート電極加工
において、サンプル・ウェハの構成を示す模式的断面図
である。
【図2】図1のSiON反射防止膜が選択的にエッチン
グされた状態を示す模式的断面図である。
【図3】図2のW−ポリサイド膜が異方的にエッチング
された状態を示す模式的断面図である。
【図4】本発明を適用したAl系配線加工において、サ
ンプル・ウェハの構成を示す模式的断面図である。
【図5】図4のSiON反射防止膜が選択的にエッチン
グされた状態を示す模式的断面図である。
【図6】図5のAl−1%Si膜とバリヤメタルが異方
的にエッチングされた状態を示す模式的断面図である。
【図7】本発明を適用したSiON反射防止膜の除去に
おいて、SiO2 層間絶縁膜にビアホールが開口された
直後の状態を示す模式的断面図である。
【図8】図7のレジスト・マスクがアッシングされた状
態を示す模式的断面図である。
【図9】図8のSiON反射防止膜が除去された状態を
示す模式的断面図である。
【図10】従来のポリサイド・ゲート電極加工における
エッチング前のウェハの状態を示す模式的断面図であ
る。
【図11】図10のSiON反射防止膜がテーパー状に
エッチングされた状態を示す模式的断面図である。
【図12】図11のW−ポリサイド膜にアンダカットが
生じた状態を示す模式的断面図である。
【図13】従来のAl系配線加工におけるエッチング前
のウェハの状態を示す模式的断面図である。
【図14】図13のSiON反射防止膜がテーパー状に
エッチングされた状態を示す模式的断面図である。
【図15】図14のAl−1%Si膜にアンダカットが
生じた状態を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・Si基板 5 ・・・W−ポリサイド膜 5a ・・・ゲート電極 6,16,23・・・SiON反射防止膜 7,17,24・・・レジスト・マスク 8,18 ・・・側壁保護膜 15 ・・・Al−1%Si膜 21 ・・・Al系下層配線膜 11,22 ・・・SiO2 層間絶縁膜 25 ・・・ビアホール 26 ・・・表面保護膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ中にハロゲン系エッチング種と
    遊離のイオウとを生成し得るエッチング・ガスを用いて
    SiON系材料膜をエッチングすることを特徴とするド
    ライエッチング方法。
  2. 【請求項2】 前記エッチング・ガスは、S2 2 ,S
    2 ,SF4 ,S2 10,S2 Cl2 ,S3 Cl2 ,S
    2 Cl2 ,SCl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2,SBr
    2 から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン化イオウを
    含むことを特徴とする請求項1記載のドライエッチング
    方法。
  3. 【請求項3】 前記エッチング・ガスは、H2 ,H
    2 S,シラン系化合物から選ばれる少なくとも1種類の
    ハロゲン・ラジカル消費性化合物を含むことを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載のドライエッチング方
    法。
  4. 【請求項4】 前記エッチング・ガスは窒素系化合物を
    含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれ
    か1項に記載のドライエッチング方法。
  5. 【請求項5】 前記エッチングは、前記SiON系材料
    膜を保持する基板を室温以下に制御しながら行うことを
    特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記
    載のドライエッチング方法。
  6. 【請求項6】 前記SiON系材料膜は、その下層側の
    材料膜のための反射防止膜であることを特徴とする請求
    項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のドライエッ
    チング方法。
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