JPH07103249B2 - 熱可塑性樹脂フイルム - Google Patents

熱可塑性樹脂フイルム

Info

Publication number
JPH07103249B2
JPH07103249B2 JP23415390A JP23415390A JPH07103249B2 JP H07103249 B2 JPH07103249 B2 JP H07103249B2 JP 23415390 A JP23415390 A JP 23415390A JP 23415390 A JP23415390 A JP 23415390A JP H07103249 B2 JPH07103249 B2 JP H07103249B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerization
particle size
film
particles
polymer particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23415390A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04114039A (ja
Inventor
純 長谷川
健 藤本
英和 羽根田
慈子 飯田
聡一 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Zeon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zeon Corp filed Critical Zeon Corp
Priority to JP23415390A priority Critical patent/JPH07103249B2/ja
Publication of JPH04114039A publication Critical patent/JPH04114039A/ja
Publication of JPH07103249B2 publication Critical patent/JPH07103249B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、二軸延伸用熱可塑性樹脂フィルムに関し、更
に詳しくは、走行性、耐摩耗性及び強度を改良した二軸
延伸熱可塑性樹脂フィルムに関する。
(従来の技術) ポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルム等の熱
可塑性樹脂フィルム、特に二軸延伸されたものは、優れ
た寸法安定性、機械的強度、透明性等を有していること
から、包装材料として、又は金属蒸着用、写真用、製図
用、電気用、磁気用等の各種テープ材料として用いられ
ている。
従来、上記用途で使用される熱可塑性樹脂フィルム、特
にポリエステルフィルムを用いて磁性テープ等の二次加
工品を製造する際に、種々のトラブルが生じることが知
られている。このトラブルの主原因はフィルムの滑り性
の悪いことにある。即ち、フィルムの滑り性が悪いと、
フィルムの二次加工時における、フィルム巻反の送り出
し、巻き取り、スリット、カッティング、コーティング
等の作業性が低下し、著しく作業能率が落ちる。また、
得られる磁気テープにおいては、テープとしての走行性
の良さが重要な要求品質であるため、特に滑り性の良い
ことが求められている。
従来、この滑り性を改良する手段としては、ワックス;
脂肪族アミド、脂肪酸金属塩等の高級脂肪酸系化合物;
有機ポリシロキサン;二酸化チタン、炭酸カルシウム、
タルク、カオリン、硫酸バリウム、酸化アルミニウム等
各種の不活性な無機化合物等の粒子をフィルム中に分散
させる方法、あるいは、重合に使用する金属化合物触媒
を析出させてその微粒子をフィルム中に分散させる等の
方法が採用されていた。しかし、これらの方法では、十
分な改良効果が得られるとはいえない。また、これらの
いずれの方法においても、使用する不活性粒子の粒子形
状の不均一性や粗大粒子の影響等により、テープ走行時
の耐摩耗性の悪化等が引き起こされるという問題も指摘
されている。更に、これら分散させる粒子の粒子径分布
が広いことによりフィルムの透明性が劣るという問題点
がある。最近、架橋重合体粒子を用いて熱可塑性フィル
ムを製造する方法が報告されている(特開昭61−181837
号公報)。しかし、そこで使用される重合体粒子が乳化
重合法又は懸濁重合法によるものであって粒子製造時に
使用される重合副資材を大量に含むものであることか
ら、これらの粒子を添加したフィルムは耐水劣化性が悪
く、テープのたわみや透明性の低下が起き、また、十分
なフィルム強度が得られないといった問題点がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者等は、前記欠点のない熱可塑性樹脂フィルムを
得るべく鋭意研究を進めた結果、特定の重合法によって
得られる、特定の粒子径と単分散粒子径分布とを有する
架橋重合体粒子を熱可塑性樹脂フィルムに添加すること
により、優れた特性を有する熱可塑性樹脂フィルムが得
られることを見出し、この知見に基いて本発明を完成す
るに至った。
(課題を解決するための手段) かくして、本発明によれば、その重量の0.01〜10%の架
橋重合体粒子を含む熱可塑性樹脂フィルムであって、該
架橋重合体粒子が、疎水性単量体と該単量体の1〜40重
量%のポリメタクリル酸とを、これらを溶解するが疎水
性単量体から得られる重合体を溶解しない溶媒中におい
て、該溶媒に可溶のラジカル重合開始剤を用いて重合転
化率30%以上となるまで重合させ、次いで重合系に該溶
媒に可溶な多官能エチレン性単量体を添加して重合を行
なうことによって得られたものであり、かつ、0.1〜20
μmの粒子径と1.2以下の粒子径分散とを有するもので
あることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムが提供され
る。
本発明において使用する架橋重合体粒子は、疎水性単量
体をポリメタクリル酸の存在下で重合させ、更にこの重
合系に多官能エチレン性単量体を添加して引続き重合を
行なわせて得られるものである。
本発明で使用する疎水性単量体は、25℃において水100g
に対して1g未満しか溶解しない単量体である。その具体
例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、クロルメチルスチレン、ハロゲン化スチレ
ン等の芳香族ビニル単量体;メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アク
リル酸エステル;ブタジエン、イソプレン等の共役ジオ
レフィン類;ビニルピリジン等のビニル単量体を示すこ
とができる。これらの単量体は単独で使用しても、二種
類以上を併用してもよい。
本発明において使用する重合方法は、一般的に分散重合
と呼ばれる方法である。分散重合法を採用することによ
り、単分散粒子径分布を有する架橋重合体粒子を容易に
得ることができる。
高度に架橋された粒子を得る方法としては、懸濁重合法
を用いる方法が知られているが、この方法では粒子径分
布を単分散にすることはその原理より不可能であり、ま
た、特開昭54−97582号記載の方法では、膨潤助剤を使
用する必要があり、かつ、工程が複雑である。
本発明において使用する分散安定剤は、ポリメタクリル
酸である。ポリメタクリル酸は、疎水性単量体の重合を
行なう前にメタクリル酸単量体を先行させて重合させて
得てもよく、また、予め重合して得たポリメタクリル酸
を疎水性単量体と同時に反応系に加えて重合反応を進行
させてもよい。
ポリメタクリル酸は、重合反応終了後、重合体粒子表面
を覆っているが、遠心分離等により除去することができ
るので、不純物を表面に持たない重合体粒子を得ること
ができるという利点がある。
本発明において使用するポリメタクリル酸の重合度は、
特に限定しないが、固形分濃度20%の水溶液のB型粘度
計で測定した粘度が100〜500,000cp、好ましくは50,000
〜150,000cpの範囲のものである。該粘度が余りに低い
ポリメタクリル酸を使用するときは、重合安定性が不十
分であり、余りに該粘度の高いものを使用すると粒子径
の分布が広くなってしまうという問題が起きる。
使用するポリメタクリル酸の量は、疎水性単量体100重
量部に対して1〜40重量部である。1重量部未満では、
疎水性単量体の重合安定性が悪くなり凝固物が多量に発
生してしまい。他方、40重量部を超えると、疎水性単量
体から得られる重合体の粒子径が小さくなってしまう。
本発明で使用する有機溶媒は、疎水性単量体及びポリメ
タクリル酸を溶解するが疎水性単量体から得られる重合
体粒子を溶解しない溶媒である。このような溶媒として
は、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルア
ルコール類、ブチルアルコール類等の低級アルコール
類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ピリ
ジン、ピロール、テトラヒドロフラン等のヘテロ環状化
合物;n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素
類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;塩化メ
チレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等を例
示することができる。これらの有機溶媒は、単独使用で
も2種以上の併用でもよい。また、場合により、水を混
合して使用するすることもできる。上記のうち、低級ア
ルコール類が好ましい。
本発明においては、使用する溶媒に可溶なラジカル重合
開始剤を使用する。通常、過硫酸カリウム、過酸化ベン
ゾイル等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等の
アゾ系開始剤等が使用できるが、これらに限定されるも
のではない。
本発明においては、溶媒、ポリメタクリル酸、疎水性単
量体及び重合開始剤を反応容器中において任意の順序で
混合して均一な溶液系で重合を開始させる。通常、数分
で反応系は透明状態から白濁状態に変化して不均一系に
なる。これは、疎水性単量体の重合体粒子が析出するこ
とによるものである。重合反応温度は、使用する重合開
始剤に応じて適宜選定すればよいが、通常、20℃〜100
℃の範囲である。
本発明においては、次いで重合反応系中に、多官能エチ
レン性単量体を添加して重合を続行させることが必須で
ある。
本発明において使用する多官能エチレン性単量体は、用
いる溶媒に可溶なものであれば特に限定されないが、ジ
ビニルベンゼン等の、共役ジエン系化合物以外のジビニ
ル化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト等の多価(メタ)アクリレートを例示することができ
る。
多官能エチレン性単量体の量は、粒子径分布の単分散性
を損なわない限り特に限定されないが、通常、疎水性単
量体重量に対して、100重量%以下である。100重量%を
超えると、添加した単量体が新たに粒子を作り、粒子径
分布の単分散性が損なわれる。
本発明において、多官能エチレン性単量体にモノエチレ
ン性単量体を併用して重合させることも可能である。こ
の場合において、使用できるモノエチレン性単量体の量
は、多官能エチレン性単量体の900重量%以下である。
これを超えると、十分な架橋密度を有する重合体粒子が
得られない。
多官能エチレン性単量体の添加時期は、疎水性単量体の
重合転化率が30%以上、好ましくは50%以上、より好ま
しくは70%以上となった時点である。30%未満の転化率
で転化すると、凝固物が多量に発生したり、新たな粒子
が生成して粒子径分布の単分散性が損なわれたりする。
多官能エチレン性単量体は、その全量を同時に添加する
必要はなく、適宜分割して使用することができる。この
とき、添加する多官能エチレン性単量体及びモノエチレ
ン性単量体の合計量が、それまでに生成している重合体
粒子の重量に対し、150重量%以下、好ましくは100重量
%以下であることが必要である。100重量%を超えて添
加すると、添加した単量体が新たに粒子を作り、粒子径
分布の単分散性が損なわれる。
多官能エチレン性単量体の添加と同時に、もし必要なら
ば、溶媒、重合開始剤等を添加することも可能である。
かくして、粒子径が0.1〜20μmであり、粒子径分散が
1.2以下である架橋重合体粒子を得ることができる。本
発明において、粒子径分散とは、重量平均粒子径/数平
均粒子径の値をいう。
架橋重合体粒子の表面を分散安定剤として覆っているポ
リメタクリル酸を除去することにより、熱可塑性樹脂フ
ィルム中の不純物を減少させることができるので十分な
フィルム強度を得ることができ、また、熱可塑性樹脂フ
ィルムの吸水性を低下させることができるのでこれを用
いたテープはたわみがないという利点を有する。
架橋重合体粒子表面のポリメタクリル酸を除去するに
は、遠心分離法、半透膜等を利用する透析法、限外濾過
法等の通常の微粒子精製法を用いればよい。ポリメタク
リル酸を完全に除去するためには遠心分離法が好まし
い。また、遠心分離を、水酸化ナトリウム等の塩基によ
り粒子懸濁液をアルカリ性にして行なえば、ポリメタク
リル酸の除去率を向上させることができる。
かくして得られた架橋重合体粒子を熱可塑性樹脂に含有
させ、これから熱可塑性樹脂のシートを得ることができ
る。
本発明において使用できる熱可塑性樹脂は、フィルム状
にできるものであればよく、ポリエステル、ポリアミ
ド、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート等が例示できる。
本発明において使用する架橋重合体粒子の平均粒子径の
範囲は、0.1〜20μmであることが必要である。平均粒
子径が0.1μm未満のときは、実質上、フィルム表面の
凸凹を形成することができず、走行性改良の目的が達成
できない。他方、20μmを超えるときは、フィルム表面
の凸凹が大きくなりすぎて、表面平滑性の低下を引き起
こす。
架橋重合体粒子の量は、熱可塑性樹脂に対して、0.01〜
10重量%の範囲である。0.01重量%未満では、本発明の
効果が得られず、10重量%を超えると、フィルム表面の
凸凹が大きくなりすぎて、フィルムの引き裂き強度の劣
化を招く。
架橋重合体粒子を熱可塑性樹脂に含有させるには、熱可
塑性樹脂をフィルムに成形するときに混合してもよい
が、熱可塑性樹脂の製造時に反応系に添加するのが好ま
しい。これにより、熱可塑性樹脂中への架橋重合体粒子
の分散状態を均一にすることができる。本発明において
使用する架橋重合体粒子は熱安定性が優れているため、
上記の熱履歴によっても変質することがないのでこの方
法に適している。
架橋重合体粒子を含有する熱可塑性樹脂からフィルムを
製造する方法には、特に制限はなく、常法で溶融押出を
行なった後、逐次延伸法、同時二軸延伸法、縦多段延伸
後横延伸する方法、縦延伸−横延伸−縦延伸を順次行な
う方法等により二軸延伸し、次いで常法で熱固定をして
得ることができる。
(発明の効果) かくして本発明によれば、従来のものに比べて走行性、
耐摩耗性及び強度に優れた熱可塑性樹脂フィルムが提供
される。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、実施例中の部及び%は、特に断りのないかぎ
り重量基準である。
また、重合転化率は、疎水性単量体の重合についてはガ
スクロマトグラフィー(日立製作所社製263−50型カラ
ムPEG20M)により、多官能エチレン性単量体添加後の重
合については重量法により測定した。粒子径は、コール
ターマルチサイザー(コールター社製)にて測定した。
摩擦係数はASTM D1894−63に従って、フィルム引張弾
性率は、ASTM D−882に従って測定した。
実施例1 攪拌翼、冷却コンデンサー、窒素ガス導入管及び温度計
を装着した2リットルの反応器の内部を窒素置換し、こ
の反応容器中にエタノール(試薬特級)840g、蒸留水36
0g、メタクリル酸(試薬特級)13.3g、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル(試薬特級。以下AIBNと略称す
る。)0.95gを加え、均一系になるまで攪拌した。次
に、窒素で混合液をバブリングした後、70℃に反応器を
加温して反応を開始させ、そのまま6時間保った。その
後、スチレン(試薬特級)60.0gを反応容器に添加し
て、反応を続けた。スチレン添加から4時間経過後(こ
の時点のスチレンの重合転化率は63%であった。)、ジ
ビニルベンゼン(純度55%、以下同じ。)12gを更に反
応系に添加し、更に6時間反応を続けて粒子懸濁液(粒
子懸濁液Iという。)を得た。得られた架橋重合体の重
合転化率は98.3%であった。架橋重合体粒子は球状で重
量平均粒子径1.98μm、数平均粒子径1.95μmの単分散
粒子径分布を有していた。架橋重合体粒子を遠心分離で
取り出した後、真空乾燥で溶媒を完全に除去した。この
粒子をエチレングリコール又はトルエン中に投入したと
ころ白濁し、粒子がこれらの溶剤に不溶であることが確
認された。
一方で、ジメチルテレフタレート100g、エチレングリコ
ール64g、エステル交換触媒の酢酸カルシウム0.2g及び
重合触媒の酢酸マグネシウム四水塩0.09gを反応器に投
入したのち、加熱昇温を開始し、メタノールを除去しな
がら4時間かけて230℃まで昇温してエステル交換反応
を終了させた。
次に、上記重合体粒子0.5gを添加し、更にエチルアシッ
ドフォスフェート0.04g及び三酸化アンチモン0.04部を
添加したのち、4時間重縮合反応を行なって架橋重合体
粒子を含有するポリエチレンテレフタレートを得た。こ
れを溶融押出機により270℃で押し出し、約40℃の平滑
なドラム上で冷却固化させて未延伸シートを得た。この
シートを85℃で縦方向に2.9倍に延伸し、その後、160℃
で1.4倍に延伸した。更に、110℃で横方向に4倍に延伸
した後、210℃で熱固化させ厚さ15μmのフィルムを得
た。
得られたフィルムについて摩擦係数を測定したところ、
静止摩擦係数0.32、動的摩擦係数0.30であった。また、
フィルム引張弾性率は、縦方向156kg/mm2、横方向290kg
/mm2であった。
比較例1 実施例1の方法に準じて、架橋重合体粒子を添加しない
フィルムを作製して同様の測定を行なったところ、静止
摩擦係数0.44、動的摩擦係数0.42、引張弾性率は縦方向
208kg/mm2、横方向350kg/mm2であった。
実施例2 粒子懸濁液IのpHを5%KOH水溶液で9として3時間撹
拌した後、10,000Gで30分間遠心分離して架橋重合体粒
子を沈澱させた。上澄み液を除去し、粒子の精製を行な
った。なお、上澄み液中のポリメタクリル酸濃度を電気
伝導度滴定により測定したところ、使用したメタクリル
酸の62%相当分のポリメタクリル酸を検出した。得られ
た架橋重合体粒子から実施例1と同様の操作により熱可
塑性樹脂フィルムを得た。このフィルムは、静止摩擦係
数0.29、動的摩擦係数0.27を有し、その引張弾性率は、
縦方向242kg/mm2、横方向380kg/mm2であった。
比較例2 特開昭54−97582号公報記載の方法により、重合体粒子
を作製した。即ち、内部を予め窒素で置換した、攪拌
翼、冷却コンデンサー、窒素ガス導入管及び温度計を装
着した2リットルの反応器に、AIBN2g、1−クロルドデ
カン4g、脱イオン水80g及びラウリル硫酸ナトリウム0.6
gの混合物を超音波発振機で微分散した液を投入し、更
にアセトン14g、シードとしてソープフリー重合法で製
造した粒子径0.7μmのポリスチレン分散液4g(固形分
換算)及び水33gを加えて12時間撹拌を続けた。次に、
反応系に水1400g、ラウリル硫酸ナトリウム2g、スチレ
ン34g及びジビニルベンゼン60gを加えて、80℃で8時間
重合を行なって、重量平均粒子径3.02μm、数平均粒子
径2.54μmの重合体粒子を得た。この粒子を用いて実施
例1と同様にして、熱可塑性樹脂フィルムを作製した。
得られたフィルムは、静止摩擦係数0.35、動的摩擦係数
は0.34であり、引張弾性率は、縦方向138kg/mm2、横方
向254kg/mm2であった。
実施例3 攪拌翼、冷却コンデンサー、窒素ガス導入管及び温度計
を装着した2リットルの反応器の内部を窒素置換し、こ
の反応容器中にエタノール1300g、ポリメタクリル酸
(日本純薬社製AC30H、20%水溶液)を固形分換算で30
g、スチレン60g、AIBN0.95gを加え、撹拌して均一とし
た。次に、窒素でバブリングを行なった後、70℃に反応
器を加温して反応を開始させ、そのまま6時間保った。
この時点のスチレンの重合転化率は58%であった。次い
で、ジビニルベンゼン12gを反応系に添加して6時間反
応を続けたところ最終的な重合転化率は98.3%であっ
た。得られた架橋重合体粒子は、球状で、重量平均粒子
径4.32μm、数平均粒子径4.25μmの単分散粒子径分布
を持ち、エチレングリコール及びトルエンに不溶であっ
た。
この粒子を用いて実施例1と同様にして得たフィルムの
静止摩擦係数は0.31、動的摩擦係数は0.30であり、引張
弾性率は、縦方向213kg/mm2、横方向340kg/mm2であっ
た。
実施例4 メタクリル酸量を3gとするほかは実施例1と同様にし
て、重量平均粒子径2.32μm、数平均粒子径2.14μmの
単分散粒子径分布を有する球状粒子を得た。この粒子
は、エチレングリコール及びトルエンに不溶であった。
この粒子を用いて実施例1と同様にして得たフィルムの
静止摩擦係数は0.34、動的摩擦係数は0.32であり、引張
弾性率は、縦方向205kg/mm2、横方向330kg/mm2であっ
た。
実施例5 メタクリル酸量を21gとするほかは実施例1と同様にし
て、重量平均粒子径1.23μm、数平均粒子径1.08μmの
単分散粒子径分布を有する球状粒子を得た。この粒子
は、エチレングリコール及びトルエンに不溶であった。
この粒子を用いて実施例1と同様にして得たフィルムの
静止摩擦係数は0.30、動的摩擦係数は0.29であり、引張
弾性率は、縦方向233kg/mm2、横方向346kg/mm2であっ
た。
実施例6 スチレン60gに代えてスチレン42gとアクリル酸ブチル18
gの混合物を用い、ジビニルベンゼンの量を50gにするほ
かは実施例1と同様にして、重量平均粒子径1.75μm、
数平均粒子径1.54μmの単分散粒子径分布を有する球状
粒子を得た。この粒子は、エチレングリコール及びトル
エンに不溶であった。
この粒子を用いて実施例1と同様にして得たフィルムの
静止摩擦係数は0.31、動的摩擦係数は0.29であり、引張
弾性率は、縦方向213kg/mm2、横方向314kg/mm2であっ
た。
実施例7 ジビニルベンゼンの添加をスチレン添加から2時間経過
後(この時点のスチレンの重合転化率は38%であっ
た。)とするほかは実施例1と同様にして、重量平均粒
子径1.87μm、数平均粒子径1.69μmの単分散粒子径分
布を有する球状粒子を得た。この粒子は、エチレングリ
コール及びトルエンに不溶であった。
この粒子を用いて実施例1と同様にして得たフィルムの
静止摩擦係数は0.36、動的摩擦係数は0.33であり、引張
弾性率は、縦方向194kg/mm2、横方向364kg/mm2であっ
た。
実施例8 スチレン量を120gとし、ジビニルベンゼン量を30gとす
るほかは実施例1と同様にして、重量平均粒子径5.34μ
m、数平均粒子径4.88μmの単分散粒子径分布を有する
球状粒子を得た。この粒子は、エチレングリコール及び
トルエンに不溶であった。
この粒子を用いて実施例1と同様にして得たフィルムの
静止摩擦係数は0.33、動的摩擦係数は0.31であり、引張
弾性率は、縦方向208kg/mm2、横方向320kg/mm2であっ
た。
これらの実施例及び比較例の結果から、本発明によれ
ば、優れた動的及び静止摩擦係数並びに引張弾性率を有
し、従って、走行性、耐摩耗性及び強度を有する熱可塑
性樹脂フィルムが得られることが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 226/06 MNH (56)参考文献 特開 平2−196810(JP,A) 特開 昭61−181837(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】その重量の0.01〜10%の架橋重合体粒子を
    含む熱可塑性樹脂フィルムであって、該架橋重合体粒子
    が、疎水性単量体と該単量体の1〜40重量%のポリメタ
    クリル酸とを、これらを溶解するが疎水性単量体から得
    られる重合体を溶解しない溶媒中において、該溶媒に可
    溶のラジカル重合開始剤を用いて重合転化率30%以上と
    なるまで重合させ、次いで重合系に該溶媒に可溶な多官
    能エチレン性単量体を添加して重合を行なうことによっ
    て得られたものであり、かつ、0.1〜20μmの粒子径と
    1.2以下の粒子径分散とを有するものであることを特徴
    とする熱可塑性樹脂フィルム。
JP23415390A 1990-09-04 1990-09-04 熱可塑性樹脂フイルム Expired - Fee Related JPH07103249B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23415390A JPH07103249B2 (ja) 1990-09-04 1990-09-04 熱可塑性樹脂フイルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23415390A JPH07103249B2 (ja) 1990-09-04 1990-09-04 熱可塑性樹脂フイルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04114039A JPH04114039A (ja) 1992-04-15
JPH07103249B2 true JPH07103249B2 (ja) 1995-11-08

Family

ID=16966482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23415390A Expired - Fee Related JPH07103249B2 (ja) 1990-09-04 1990-09-04 熱可塑性樹脂フイルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07103249B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3389672B2 (ja) * 1994-03-16 2003-03-24 日本ゼオン株式会社 重合体粒子及び熱可塑性樹脂組成物
JP4228446B2 (ja) * 1999-01-20 2009-02-25 Jsr株式会社 多層フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04114039A (ja) 1992-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH01500438A (ja) ラテックスの凝集方法、得られた凝集ラテックスおよび熱可塑性母材を改質して耐衝撃性をもたせるための該ラテックスの応用
EP1739102A1 (en) Method for producing coagulated particles from emulsion polymerization latex
JP3503091B2 (ja) ポリマースペーサー粒子の製造法
US7767258B2 (en) Polymer particle composition and process for producing the same
JPH07103249B2 (ja) 熱可塑性樹脂フイルム
JPS6132346B2 (ja)
JPS61181837A (ja) 熱可塑性樹脂フイルム
JP3145864B2 (ja) メタクリル系耐衝撃性樹脂組成物の製造方法
JP7342033B2 (ja) 多層構造重合体粒子、それを含む熱可塑性樹脂組成物、成形体及びフィルム
JP3389672B2 (ja) 重合体粒子及び熱可塑性樹脂組成物
JP3009522B2 (ja) 熱可塑性ポリエステル組成物
JPH054966B2 (ja)
JPS6258388B2 (ja)
JPH07329141A (ja) 積層フィルムの製造方法
JP3310362B2 (ja) 耐衝撃性樹脂組成物
JP5484683B2 (ja) アクリル流延フィルム
JP3296075B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
Rattanakawin et al. Synthesis of Photocleavable Block Copolymers for UV Induced Foaming
JP2638240B2 (ja) ポリエステル組成物、その製造方法およびそれからなるフィルム
EP0546184A1 (en) Polyester film and production method therefor
JP2021130745A (ja) 多層構造重合体粒子、それを含有する熱可塑性樹脂組成物、成形体及びフィルム
JPH0154361B2 (ja)
JPH0532871A (ja) 熱可塑性ポリエステル組成物
JP2643513B2 (ja) ポリエステル組成物、その製造方法およびそれからなるフィルム
JP3246169B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071108

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081108

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081108

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091108

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees