JPH07102549A - 地盤改良用噴射管 - Google Patents

地盤改良用噴射管

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JPH07102549A
JPH07102549A JP25191993A JP25191993A JPH07102549A JP H07102549 A JPH07102549 A JP H07102549A JP 25191993 A JP25191993 A JP 25191993A JP 25191993 A JP25191993 A JP 25191993A JP H07102549 A JPH07102549 A JP H07102549A
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昌平 千田
Takehiko Tokoro
武彦 所
Masatoshi Ogida
正俊 扇田
Mineo Murata
峰雄 村田
Norio Takahashi
則雄 高橋
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NIPPON SOGO BOSUI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単なかつ小型の設備により施工を行うことが
でき、かつ改良体の径の増大およびその径の均一化を図
る。 【構成】前記噴射管Rの先方部分に噴射管軸と直交する
方向に突出する張出管30を備えるとともに、この張出
管30内に、先端部に第1噴射ノズル32を備え、かつ
管外方に出没自在の張出噴射内管31を備える。さらに
この張出管30取付位置から先端側の外管部分に第2噴
射ノズル36を備える。前記内管2は内管移動手段によ
り管軸方向に移動自在とされ、この内管移動操作の下、
前記A流路から前記第1噴射ノズル32へ至る流路の開
閉制御がなされるとともに、このA流路からの供給液を
作動液として前記張出噴射内管31の出没動作が制御さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に一旦緩ませた地盤
中に粘度の高いセメント系などの硬練り自硬性材料をい
わば押し込むように圧入することにより改良を図る地盤
改良工法に使用する噴射管に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の地盤改良工法としては、種々の
ものが知られている。その代表例は、薬液注入工法であ
る。この工法は、周知のように、地盤中に挿入した注入
管により低圧で薬液を注入するものである。また、この
場合、薬液を地盤を乱すことなく、浸透圧入させること
を基本思想としている。
【0003】他方で、近年、いわゆるジェットグラウト
工法に代表される高圧噴射工法が多く用いられるように
なってきた。この高圧噴射工法は、地盤をグラウトまた
は水のもつ高圧力により乱しながら同時に地盤中にグラ
ウトを注入するものである。この高圧噴射工法は、極端
にいえば地盤の攪拌工法とも言える。他方、純粋な攪拌
工法としては、主に粘性地盤を対象にし、攪拌羽根を有
する攪拌軸を地盤に挿入した状態で、その攪拌軸を通し
てまたは別途の供給系統からセメント系材料を供給し、
攪拌羽根により地盤を攪拌しながらその攪拌領域をセメ
ント系材料により置換または土砂と攪拌混合するもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、第1の薬液圧
入工法では、浸透圧入を行うために、粘度の低い材料、
主として水ガラス系の材料を用いるので、改良強度は低
いとともに、耐久性に乏しい。さらに、改良強度が低い
理由は、地盤を改良材により置換するのではなく浸透注
入または割裂注入することをもって良しとするので、単
位容積当たりの改良材の占める割合が低く不均一なこと
にも起因している。
【0005】さらに問題点を付言すれば、通常砂質土層
の場合には、浸透注入を行うことができるが、注入条件
のわずかな差異により割裂注入の形態となり、浸透注入
を行うことができないことが多々ある。他方、粘性土層
に注入する場合、割裂注入となり、改良材が逸走するこ
とが多い。このために、目的の領域のみを確実に改良す
ることが困難であり、しかも逸走に伴う材料ロスが多
い。また、目的の改良径は均一にできず、トリー状(樹
木状あるいは脈状)になることが多い。
【0006】第2の高圧噴射工法では、地盤を極端に乱
し、かつスライム(泥水)処理に多大な手間と費用を要
する。さらに、切削および注入を均一に行い、かつスラ
イムの排出を充分に行おうとすれば、改良速度を低下さ
せる必要があり、時間がかかる工法である。しかも、砂
質地盤に対しては、強度として30kg/cm2 以上、粘性
地盤の場合には10kg/cm2 以上を目標にするが、地盤
性状による強度のばらつきや改良体の位置による強度の
ばらつきが極めて大きいことが問題である。特に、粘性
土地盤の場合、切削不十分なことによる土塊の抱き込み
によるばらつきが大きい。
【0007】第3の攪拌工法は、設備が大型化すること
が大きな欠点であり、かつ粘性土層の場合、土粒子と改
良材との混合物が攪拌羽根に共回りしてしまい、攪拌効
果がさほど高くなく、もって改良強度の均一性に欠け
る。他方、この攪拌工法は、前述のように粘性地盤を対
象にする。砂質地盤への適用も不可能ではないが、攪拌
軸および攪拌羽根の地盤に対する抵抗が大きいので、巨
大な攪拌手段を用いない限り適用することができない。
【0008】一方、この課題を解決するために、本発明
者らは、先に特願平3−129473号において、地盤中に挿
入した噴射管の先端部外周面に設けた高圧水噴射ノズル
から高圧水を噴射して対象地盤を緩めながら、または緩
めた後、緩んだ地盤中に硬練りの自硬性材料を圧入して
改良体を造成する工法を提案した。
【0009】しかし、前記高圧水噴射ノズルからの到達
距離には、噴射圧力などとの関係で限界があるととも
に、特に地盤性状によって、すなわち弛緩させ易い地盤
とさせ難い地盤とがあり、単に高圧水のもつエネルギー
のみで弛緩させることは、深さ方向に改良径をばらつか
せる要因である。これに対して、前述の攪拌工法により
大径に地盤を攪拌することも考えたが、この場合には前
述の問題がつきまとうとともに、攪拌羽根を地盤中に挿
入するためには、大きな負荷がかかる。
【0010】そこで、さらに本発明者等は、改良を加
え、先の特願平3−234322号において、噴射管の
先端部に少なくとも拡径噴出状態において管外側に突出
する張出噴射部を設け、この張出噴射部またはこれより
下方の噴射管に、少なくとも張出噴射部の突出長さ分の
地盤領域をカバーして高圧水を噴射する噴射ノズルを設
け、さらに最下部噴射ノズルより先端側に自硬性材料の
注出口を形成し、この噴射管を、地盤に挿入するととも
に、少なくともある深さから所定の深さからまでの間、
前記噴射ノズルから高圧水を噴射させて、少なくとも前
記張出噴射部の突出長さ分の地盤領域を弛緩させて弛緩
泥土柱を形成した後、前記所定の深さに到達した位置で
または引き上げ過程で前記注出口から、前記弛緩泥土柱
に硬練りの自硬性材料を圧入し改良体を造成する地盤改
良工法を提案した。
【0011】ところで、前記特願平3−234322号
における地盤改良工法の場合には、張出噴射管からの高
圧水の噴射や挿入時の噴射ノズルからの噴射の切換えを
確実に制御できるものでなければならない。しかしなが
ら、この制御機構をバルブ操作により行うとすると、誤
動作を招き易く、またその操作も煩雑である。また、従
来のスプール弁により噴射の切換えを行うことも考えら
れるが、弁部における構造が複雑になるとともに、その
個々の噴射口毎に制御する機構も非常に複雑なものとな
る。また、それぞれの噴射ノズルに対し夫々独立の流路
を形成したのでは、噴射管内に形成される流路数が増
え、噴射管構造が複雑なものとなる。
【0012】そこで本発明における課題は、前記特願平
3−234322号における地盤改良工法の実施化に向
けて、該地盤改良工法に好適に使用することができる噴
射管であって、構造が簡単でかつ各噴射の切換えも確実
で、かつ拡径自在機構をも備えた噴射管を提供するもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題は、外管および
内管からなり、前記外管と内管との間隙部分にA流路が
形成されるとともに、前記内管の内通路をB流路とする
二重管構造の地盤改良用噴射管であって、前記噴射管の
先方部分に噴射管軸と直交する方向に突出する張出管を
備えるとともに、この張出管内に管外方に出没自在とさ
れ、かつ先端に第1噴射ノズルを備える張出噴射内管を
収容し、さらにこの張出管取付位置から先端側の外管部
分に第2噴射ノズルを備え、前記内管は噴射管頭部に設
けられた内管移動手段により管軸方向に移動自在とさ
れ、この内管移動操作の下、前記A流路から前記第1噴
射ノズルへ至る流路の開閉制御がなされるとともに、こ
のA流路からの供給液を作動液として前記張出噴射内管
の出没動作が制御され、前記張出噴射内管を張出管内に
収容した状態で前記第2噴射ノズルのみから供給液を噴
射する噴射態様と、前記張出噴射内管が張出管外方に突
出させた状態で前記第1噴射ノズルおよび第2噴射ノズ
ルから共に供給液を噴射する噴射態様との切換えが任意
に選択可能とされたことで解決できる。
【0014】
【作用】本発明噴射管においては、内管移動操作の下
で、A流路から前記第1噴射ノズルへ至る流路の開閉制
御がなされるとともに、前記張出噴射内管の出没動作が
制御される。したがって、流路の切換えを確実に行うこ
とができるとともに、地上側においてその作動状態を管
理することができる。また、噴射管内の構造も複数の流
路を形成する場合に比べると簡易なもので済み、廉価と
なる。また前記張出噴射内管の出没動作は、供給液を作
動液として行うため、複雑な作動機構をも必要としな
い。
【0015】本噴射管を用いた地盤改良に当たっては、
前記張出噴射内管を出没自在とするため、地盤の所定深
さまでは前記第2噴射ノズルからの噴射によって挿入を
容易としながら噴射管の挿入を行った後、張出噴射内管
を進出させた状態で、この先端の第1噴射ノズルから噴
射することによって、前記所定深さ以降の地盤中に大幅
に拡径した地盤改良体を造成することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図面を参照しながら具体例を
挙げてさらに詳説する。図1は、本発明に係る噴射管R
の張出噴射管部分を図示した要部拡大縦断面図である。
噴射管Rは、外管1およびこの外管内壁と僅かの隙間を
形成した状態で内挿された内管2とで基本的に構成さ
れ、前記外管1と内管2とは後述のスライド駆動装置4
により相互に軸方向に移動自在となっている。現実には
外管1が回転駆動手段によりチャックされるため、内管
2が管軸方向に移動する。
【0017】前記外管1は、一般部外管10、10…と
張出噴射管取付部外管11と先端部外管12とが相互に
螺合連結され軸方向に連続されている。内管2との間隙
部分に形成された流路A1は噴射管頭部のスイベルまで
連通しており、スイベルを介して供給される高圧水がこ
の流路A1を通り張出噴射管取付部位まで流入してい
る。
【0018】前記一般部外管10の内壁面には、図4に
示されるように、内側に突出するトルク伝達キー10a
が形成され、一方、内管2の外壁面には外側に突出して
形成された軸方向に連続する突条キー受け20c,20
cが形成され、相互に軸方向移動を許容しながら外管1
に与えられた回転力が内管2に伝達されるようになって
いる。なお、前記トルク伝達キー10aは各単位噴射管
Rのそれぞれに形成されている。また、内管20の外側
に形成された突条20c、20cは内管20を中心に位
置させるためのスペーサーキーである。
【0019】次いで、前記張出噴射管取付外管11に
は、噴射管軸を直交する方向に突出する張出管30が固
設されており、この張出管30内部には張出噴射内管3
1が収容され、破線で示すように張出管30の外側に出
没自在となっている。張出噴射内管31の先端部には第
1噴射ノズル32が取付られており、図2の内管移動状
態の下で前記流路A1より流入した高圧水が該ノズル3
2より噴射管Rの側方に噴射されるようになっている。
なお、張出管30と張出噴射内管31との間に形成され
た環状空間P1は前記張出噴射内管31を収容する際に
作動液を導入し噴射管Rの中心方向に背圧を作用させる
ために形成されたものであり、作動液としては、図3に
示されるように、噴射管R内を回して流路A2→A5を
通して供給された高圧水が使用される。なお、噴射管R
の軸方向同一位置に設けられた張出噴射管33およびそ
の先端側隣接位置に設けられた張出噴射管34、35は
補助のために設けられたものであり、場合によっては無
くすることもできる。
【0020】前記張出管30より先端側位置であって外
管11の外周部分には、噴射管Rの挿入時に噴射管周囲
に弛緩泥土柱を形成するための第2噴射ノズル36が設
けられている。前記A1流路の高圧水がさらに後述の流
路A2および流路A3を経て第2噴射ノイズル36位置
まで到達し前記ノズル36より噴射管側方に噴射され
る。この高圧水噴射状態では、高圧水は同時に流路A4
〜A5を通り前記張出管30内の環状空間P1にも圧力
状態で供給されており、張出噴射内管31を張出管30
内に収容させる方向に押圧力を作用させている。
【0021】前記張出噴射管取付外管11の先端側に連
結された先端部外管12の雌ねじ部12aには、さらに
図示しないがリング状の削孔ビット21aが取付られ
る。
【0022】なお、前記第1噴射ノズル32と、内管先
端口の自硬性材料注出口37との距離は少なくとも50
cm程度、好ましくは1m以上確保すると、高圧水と自硬
性材料Gとの干渉が無くなり良好な改良体を得ることが
できる。
【0023】一方、前記張出噴射管取付部位に相当する
内管2部分には、外周部分に環状流路A2を形成するた
めに、外側壁20と内側壁21とで形成される二重構造
の管体となっており、外側壁20に形成された通孔20
a、20a…を通り前記流路A1と連通し送給液が流入
するようになっている。流路A2に流入した送給液は流
路A2の先端部の通孔20bより流出した後、ここで1
80°方向転換され流路A3に流入する。前記通孔20
b部分にフィルターを設置し、下流側に配設された第1
および第1噴射ノズル32、36における詰まりを防止
することもできる。前記流路A3は、さらに外管11に
形成された流路A4と通孔11aを通して連通され、流
路A5を通じて張出噴射管3の内部に形成された環状空
間P1と連絡している。
【0024】かかる図1に示される状態、すなわち流路
A1→A3まで高圧水が送給されるとともに、A4、A
5を通して張出管30内に高圧水が送られ、張出噴射内
管31を張出管30内に収容させながら第2噴射ノズル
36より高圧水を噴射する状態で、噴射管Rが地盤中に
挿入される。
【0025】その後、地盤の切削過程に移る場合には、
内管2を図2に示される状態、すなわち流路A3から張
出噴射管3内に高圧水が導流される状態となるまで上端
方向に移動させる。前記張出管30内に高圧水が導流さ
れると、高圧水と張出噴射内管31の内壁との抵抗およ
び張出噴射内管31の後端面に衝突する高圧水の背圧力
により前記張出噴射内管31は自動的に前方方向に移動
し、張出管30より突出するとともに、第1噴射ノズル
32からも高圧水が噴射される。
【0026】次いで、噴射管Rのスイベル部分に設けら
れた内管スライド機構について図5に基づいて詳述する
と、本発明に係るスイベルは内管2本体と接合される第
1スイベル内管42を支承する第1スイベル外筒40
と、基本的に外管1本体と接合される第2スイベル内管
43を支承する第2スイベル外筒41とにより構成され
る。なお、この場合、第1スイベル内管42が上方に引
上げ移動されるため、第2スイベル外筒41の基端側延
在部分41aが第1スイベル内管42をも支承するよう
になっている。
【0027】前記第1スイベル外筒40の基端側に削孔
用水または自硬性材料を供給するための供給ホース39
が接続され、内管2を通して削孔用水または置換用材料
を吐出できるようになっている。第1スイベル内管42
の支承はベアリング45、45を介してなされ、第1ス
イベル内管42は回転自在に支持され、このベアリング
45、45の配設位置より基端側には環状シール弁44
が配設されている。また、第1スイベル内管42に形成
された突部42aが前記ベアリング45、45間に嵌合
し軸方向へのズレを無くしている。
【0028】一方、第2スイベル外筒41における第2
スイベル内管43の支承も同様にベアリング48、48
を介してなされ、前記第2スイベル内管43が回転自在
に支承されている。前記ベアリング48、48より基端
側には、漏洩防止のための環状シール弁46、47がそ
れぞれ設けられている。また、第2スイベル内管43に
形成された突部43aが前記ベアリング48、48間に
嵌合に相互の軸方向ズレを防止している。さらに、第2
スイベル外筒41外面に接手49が接続され、この接手
49より高圧水が供給される。
【0029】なお、前記第2スイベル内管43と螺合接
合された外継手60には内方に突出するキー60aが設
けられ、第1スイベル内管43の外面に形成された突条
キー42aと噛み合い、外管側からの回転力を内管に伝
えるようになっている。
【0030】以上のようにして構成されたスイベル機構
に対し、前記第1スイベル外筒40に第1ブラケット5
0を固設するとともに、前記第2スイベル外筒41に第
2ブラケット51を固設し、これら第1および第2ブラ
ケット50、51との間にシリンダー52を跨設し、こ
れらを相互に連結している。
【0031】したがって、シリンダー52の伸縮操作に
より第1スイベル内管42が上方に引き上げられ、第1
スイベル内管42と一体的に連結された内管2本体が噴
射管Rの軸方向に移動自在となっている。
【0032】かかる噴射管Rを用いて、地盤改良を行う
に当たっては、まず図6に示すように、第2噴射ノズル
36より高圧水を噴射させ、その到達距離を張出管30
の長さと同一またはより長くしながら、注出口37から
削孔用水を吐出させて噴射管Rを回転させつつ地盤中の
ある深度まで挿入する。この際に、高圧水の噴射によ
り、地盤が弛緩され1次弛緩域S1 として表される泥土
柱が造成される。なお、この噴射管Rの挿入時における
外管1と内管2との相対的位置関係は図1に示す状態で
ある。
【0033】次いで、ある深度まで達した後地盤切削過
程に移る場合には、噴射管R頭部のスライド駆動手段を
作動し、内管2を図2に示される状態まで移動し、噴射
管R内に供給された高圧水を張出噴射管3に導流し、図
7に示されるように、張出噴射内管31を張出管30よ
り外方に突出させた状態で、噴射管Rを回転し、第2噴
射ノズル36および第1噴射ノズル32の両方から高圧
水を噴射させ、1次弛緩域S1 の外方に拡径された2次
弛緩域をS2 形成しながら地盤貫入を行う。
【0034】その後、地盤貫入が所定深度まで達し、地
盤切削工程が完了したならば、図8に示されるように、
噴射管Rの先端注出口37から自硬性材料Gを吐出させ
ながら、ゆっくりと噴射管Rを上昇させ、この自硬性材
料Gによる置換により改良体Aを下側から造成してい
く。
【0035】両噴射ノズル36、32からの高圧水W
は、地盤の性状(土質、軟弱度など)や目的の改良径に
対応した圧力、好ましくは一般的に50kg/cm2 以上の
圧力、特に好ましくは80〜350kg/cm2 の圧力とす
ることができる。改良域が、地下水位以下の場合には、
高圧水の到達距離が著しく小さくなり、たとえば200
kg/cm2 の圧力で噴射したとしても、改良径は40cm程
度であるため、ジェットグラウト工法のように、前記噴
射管R内に圧縮空気用通路を形成し、高圧水の回りに噴
射空気を沿わせて到達距離の増大を図ることもできる。
【0036】噴射管Rの引き上げ過程において、先端の
注出口37からスランプ(JIS A 1101)が15cm以下の自
硬性材料Gを圧入し改良体Aを造成する。この改良体A
の造成は、地表面まであるいはある深さ位置まで行うこ
とができる。
【0037】この場合、自硬性材料は、スランプ値の好
適な下限としては、5cm以上、より好ましくは8cm以上
である。また、自硬性材料の圧入に際しては、泥土柱の
底部より徐々に上方に噴射管Rを引上げながら行い、自
硬性材料Gが底部より徐々に堆積するように充填してい
く。なお、前記噴射管Rの自硬性材料G中への浸漬長さ
を保ちながら圧入を行うのがよい。前記浸漬長さは、好
ましくは30cm以上、より好ましくは50cm以上とされ
る。自硬性材料の圧入は、ある深さ位置を保ったままで
改良長さ全体を行うようにしてもよいし、噴射管を連続
的または間欠的に引き上げながら行うようにしてもよ
い。
【0038】自硬性材料Gを圧入するときのその態様を
図9および図10に示した。図10における〜は経
時を示す。これらの図面からも、本発明の自硬性材料を
圧入する場合には、クリーム状に圧入されることが判明
される。
【0039】前記自硬性材料としては、セメントモルタ
ル系、セメント粘土系、石灰系などの自硬性のあるもの
が用いることができ、前述のように粘度が高いあるいは
硬練りのものが用いられる。このうち最も好ましいのは
セメントモルタル系のもので、これに微粒子スラグ、ベ
ントナイトなどの他の無機材料、発泡剤、気泡剤、分離
防止剤、減水剤などの各種添加剤などを添加することが
できる。さらに、水ガラスやその硬化剤をある割合で添
加することもできる。
【0040】本発明において、高圧水の圧力としては、
通常噴射管近傍にまたは注入ポンプの出側に設けられる
ゲージの圧力をいう。この圧力としては、50kg/cm2
以上とするのが好ましいが、場合により100kg/cm2
以上とすることが好ましいことがある。噴射水量として
は、5〜150 リットル/分、特に10〜100 リットル/分
が望ましい。本発明における噴射管としては、通常外径
が120 mm以下、特に100 mm以下が好ましい。
【0041】一方、地盤を弛緩させる高圧水としては、
水を用いるのが入手の容易性およびコストの点が好まし
いが、水に界面活性剤を添加すると、地盤に対する切削
性が高まる。また、弛緩・自硬性材料の圧入によって生
成した泥土を、上澄液と濃縮泥土とに分離したのち、そ
の上澄液を用いることができる。たとえば、図11に示
すように、高圧噴射管Rの口元に泥土ピット50を設け
て、自硬性材料Gによる置換に伴って、高圧噴射管Rと
孔壁との間を上昇した泥土71をポンプ72により汲み
上げて、分離装置73により上澄液71Aと濃縮泥土7
1Bとに分離し、その上澄液71Aはポンプ74によ
り、一旦タンク78に貯留し、次の弛緩泥土柱形成のた
めの高圧水として使用する。上澄液を切削用に利用する
と、小さな粒子分を含んでいるので、切削性が良好とな
る。他方、濃縮泥土71Bはホッパー75を介して、ミ
キシングドラム76に供給し、そこにおいて自硬性材料
Gと混合させた後、ポンプ77により高圧噴射管Rに充
填または置換用の自硬性材料として供給することができ
る。また、濃縮泥土を再利用すると、泥水処理がその分
低減する。なお、泥土71を処理することなく、そのま
ま自硬性材料Gに添加することもできる。
【0042】本発明によれば、強度の高い改良体を得る
ことができるので、強度の高い杭体を造成できる。ま
た、この杭体を連設することで、図12に示すように、
柱列杭または柱列壁(連続壁)の造成も行うことができ
る。この場合、単に自硬性材料のみで改良体を造成する
ほか、1本または複数本の鉄筋または適宜の形状の鋼材
(鉄筋類という)を改良体内に挿入することで、その改
良体の補強を図るのが好ましい。さらに、柱列杭または
柱列壁の造成に当たり、本発明によれば噴射管が小径の
もので足りるので、複数の噴射管を一つの昇降機に把持
させて、圧入の際の降下および回転引き上げを行わせる
ことができる。
【0043】なお、本発明噴射管を用いる地盤改良工法
の場合は、地盤を緩めるのに高圧水のみを用いるので、
スライムとしては、高圧噴射工法にみられるようにセメ
ントと土粒子との混合スライムでなく、水と土粒子との
混合物であるので、スライム処理が容易である利点があ
る。しかも、後述のように、水と土粒子の混合物である
と、これを分離して水分(微粒子を含有していてもよ
い)を再度、地盤の弛緩用または自硬性材料の分散用に
用いることで、結果として廃液量を減少でき、スライム
処理費用を大幅に低減できる。
【0044】また、砂質地盤に対しても容易に適用で
き、この点、従来の攪拌工法と顕著な相違がある。しか
も、地盤の対象域の弛緩化と改良材の圧入とを別工程ま
たは別ステージで行うので、高圧噴射工法にみられる改
良強度のばらつきがなくなる。
【0045】なお、本発明噴射管Rは、前述の地盤改良
工法に好適に使用されるが、張出噴射部を内管のスライ
ド操作による送給液の制御の下、伸縮自在とする構成
は、硬化性注入液を外方に噴射し、地盤の固結を図る一
般的な注入工法にも適用することができる。
【0046】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、簡単なか
つ小型の設備により施工を行うことができる、圧密効果
により限定されたまたは目的の個所のみに均一で強固な
改良体を造成することができる、さらに改良体の径の増
大を図り、かつ特に均一な改良径を有する改良体を造成
できるなどの利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る噴射管の高圧水噴射部の一部縦断
面図である。
【図2】本発明に係る噴射管の高圧水噴射部の一部縦断
面図である。
【図3】張出管取付け部における流路のための拡大図で
ある。
【図4】トルク伝達キー取付部分(図1のIV−IV線)の
横断面図である。
【図5】内管スライド駆動装置の一部縦断面図である。
【図6】本噴射管を用いた地盤改良工法の第1工程概要
図である。
【図7】本噴射管を用いた地盤改良工法の第2工程概要
図である。
【図8】本噴射管を用いた地盤改良工法の第3工程概要
図である。
【図9】自硬性材料の圧入状態の模式的概要図である。
【図10】自硬性材料の圧入形態の概略断面図である。
【図11】泥土の再利用例の概要図である。
【図12】柱列杭および柱列壁の造成態様の平面図であ
る。
【符号の説明】
1…外管、2…内管、3…張出噴射管、4…内管スライ
ド駆動装置、30…張出管、31…張出噴射内管、32
…第2噴射ノズル、36…第1噴射ノズル、R…噴射
管、W…高圧水、G…自硬性材料
フロントページの続き (72)発明者 所 武彦 埼玉県入間市下藤沢465 (72)発明者 扇田 正俊 東京都国立市東三丁目19−7 セジュール 国立A2 (72)発明者 村田 峰雄 東京都足立区西新井本町2−30−18 1− 410 (72)発明者 高橋 則雄 東京都渋谷区千駄ケ谷4−20 日本綜合防 水株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外管および内管からなり、前記外管と内管
    との間隙部分にA流路が形成されるとともに、前記内管
    の内通路をB流路とする二重管構造の地盤改良用噴射管
    であって、 前記噴射管の先方部分に噴射管軸と直交する方向に突出
    する張出管を備えるとともに、この張出管内に管外方に
    出没自在とされ、かつ先端に第1噴射ノズルを備える張
    出噴射内管を収容し、さらにこの張出管取付位置から先
    端側の外管部分に第2噴射ノズルを備え、 前記内管は噴射管頭部に設けられた内管移動手段により
    管軸方向に移動自在とされ、この内管移動操作の下、前
    記A流路から前記第1噴射ノズルへ至る流路の開閉制御
    がなされるとともに、このA流路からの供給液を作動液
    として前記張出噴射内管の出没動作が制御され、前記張
    出噴射内管を張出管内に収容した状態で前記第2噴射ノ
    ズルのみから供給液を噴射する噴射態様と、前記張出噴
    射内管が張出管外方に突出させた状態で前記第1噴射ノ
    ズルおよび第2噴射ノズルから共に供給液を噴射する噴
    射態様との切換えが任意に選択可能とされたことを特徴
    とする地盤改良用噴射管。
  2. 【請求項2】前記A流路が高圧水送給路であり、前記B
    流路が自硬性材料送給路である請求項1記載の地盤改良
    装置。
  3. 【請求項3】前記張出噴射内管は、前記第1噴射ノズル
    へ至る流路が開とされるとき、流通する送給液の背圧作
    用により自動的に張出管より外に突出し、前記第1噴射
    ノズルへ至る流路が閉とされるとき同時に前記張出管の
    先端部分に送給液が供給され、送給液の背圧作用により
    前記張出噴射内管を没入動作させるピストン制御である
    請求項1記載の地盤改良用噴射管。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004183377A (ja) * 2002-12-05 2004-07-02 Daiwa Kiko Kk 中掘り工法に使用される球根形成用オーガ掘削ヘッド
JP2004324274A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Nippon Koatsu Concrete Kk オーガドリルの流体噴射装置
JP2006037633A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Taisei Corp 基礎構造及びその構築方法
JP2017125397A (ja) * 2015-12-30 2017-07-20 基盤技研株式会社 高圧噴射ノズル装置およびそれが装着された地盤改良装置

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