JPH07102150A - 水性アクリル−ポリエステルグラフト樹脂組成物およびこれを用いた水性コーティング剤または水性インキ - Google Patents

水性アクリル−ポリエステルグラフト樹脂組成物およびこれを用いた水性コーティング剤または水性インキ

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JPH07102150A
JPH07102150A JP5245621A JP24562193A JPH07102150A JP H07102150 A JPH07102150 A JP H07102150A JP 5245621 A JP5245621 A JP 5245621A JP 24562193 A JP24562193 A JP 24562193A JP H07102150 A JPH07102150 A JP H07102150A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定水性ポリエステルグラフト樹脂組成物お
よびこれを用いた水性コーティング剤または水性インキ 【構成】 【化1】 【化2】 を5重量%以上70重量%以下含有するポリエステルセ
グメントを含む重合体に対して、ケトン基またはアルデ
ヒド基を有する重合性不飽和単量体とカルボキシル基を
有する重合性不飽和単量体とを含む重合性不飽和単量体
混合物をグラフト重合せしめて得たグラフト共重合体を
主成物とする樹脂と、多官能性ヒドラジド化合物とを水
媒体中に溶解ないし分散せしめてなる水性樹脂組成物、
水性コーティング剤または水性インキ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルセグメン
トを含む縮合系重合体とビニル重合体にもとづくグラフ
ト共重合体をベースとする常温架橋型水性コーティング
樹脂組成物に関するものである。更に詳しくは、ポリプ
ロピレン、ポリエステルなどのプラスチック基材に対す
る密着性に優れ、耐水性、耐熱水性、耐溶剤性などの耐
久性に優れた常温架橋型水性樹脂組成物およびこれを用
いた水性コーティング剤または水性インキに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】地球環境汚染や温暖化の問題が深刻にな
るにつれて、コーティング剤・インキの分野においても
従来の溶剤型のコーティング剤・インキから、水性化へ
の転換の動きが高まっている。このような情勢の中で従
来の溶剤型のコーティング樹脂に匹敵する塗膜物性(耐
摩耗性、接着性、耐候性、耐熱性、耐水性、耐溶剤
性)、塗工作業性を有する水性のコーティング樹脂に対
するニーズが強まっているが、現在の技術レベルでは、
水性樹脂の技術水準がまだ溶剤型塗料を置き換えるレベ
ルまで達していない。
【0003】そして、ポリエステル系の水溶性コーティ
ング樹脂としては、スルホン酸基を含む線状の水性高分
子量ポリエステル樹脂がポリエステルフィルムへの易接
着性付与のための下塗り剤として提案されている(US
P4476189)。また、このコーティング剤の接着
性を改良するため、アクリル系樹脂による改質やアクリ
ル樹脂を幹ポリマーとして、親水性のポリエステル樹脂
をグラフト化する方法が提案されている(特開昭63−
46237、特開昭63−34139)。水性高分子量
ポリエステル樹脂をアクリル変性することによって、ポ
リエステルフィルムに対する易接着性に加えてポリプロ
ピレンフィルムに対する易接着性も発現するものの、ラ
ミネート用接着剤などの分野への適用を考えた場合には
不十分なレベルにとどまっている。従来技術にもとづく
これらのポリエステル−アクリル複合系コーティング樹
脂においては、ポリエステル樹脂に対して水溶性または
水分散性を付与するために導入されるイオン性基および
(または)親水性基のために、これらのコーティング樹
脂からの塗膜の耐水性、耐熱水性が溶剤タイプのポリウ
レタン樹脂に比較して大幅に劣らざるを得ないのが現状
である。
【0004】以上述べたように、ポリエステル(PE
T)とポリプロピレン(OPP)という極性の大きく異
なる異種素材に対する密着性させるとともに、耐水性、
耐熱水性、耐溶剤性、耐熱性、耐摩耗性などを有する塗
膜を与えるポリエステル系水性コーティング樹脂は従来
の技術の範囲では製造することが極めて困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
状況において、ポリエステルとポリプロピレンの両素材
への密着性に優れ、耐水性、耐熱水性、耐溶剤性、耐熱
性、耐摩耗性などに優れた塗膜を与える水性樹脂を得る
方法について鋭意検討を行った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決すべく鋭意検討を進めた結果、本発明に到達し
た。すなわち、前記した本発明の目的は、
【化3】
【化4】 を5重量%以上70重量%以下含有する、ポリエステル
セグメントを含む重合体に対して、ケトン基を有する重
合性不飽和単量体とカルボキシル基を有する重合性不飽
和単量体を含む、重合性不飽和単量体混合物をグラフト
重合せしめて得たグラフト共重合体を主成物とする樹脂
と、多官能ヒドラジド化合物とを水媒体中に溶解ないし
分散させてなる常温硬化型水性樹脂組成物によって達成
できる。なお、本発明の樹脂組成物は従来の溶剤型コー
ティング樹脂に近い塗膜物性を有し、水性コーティング
剤、水性インキに用いられるものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
水性樹脂組成物に含まれるグラフト共重合体の幹ポリマ
ーに相当する
【化5】
【化6】 を含むポリエステルセグメントは、例えば次のような方
法によって製造される。すなわち、各種のジオール化合
物の混合物とテレフタル酸(および/またはイソフタル
酸)を含む各種のジカルボン酸の混合物との重縮合反応
を行なうことによって得られる。
【0008】ジオール化合物の例としては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサ
イド付加物、ジメチロールプロピオン酸、ポリカプロラ
クトン、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付
加物などが挙げられる。
【0009】ジカルボン酸化合物の具体的例としては、
テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、無水マレ
イン酸などが挙げられる。分子内に水酸基とカルボキシ
ル基の両者を有するヒドロキシピバリン酸、p−ヒドロ
キシ安息香酸なども本発明のポリエステル重合体の製造
に使用できる。
【0010】本発明の共重合ポリエステル樹脂は、高分
子量の飽和ポリエステル樹脂の公知の製造技術、すなわ
ちDMT法(エステル交換法)または直接重合法によっ
て公知のエステル交換触媒と重合触媒を使用して製造す
ることができる。より具体的に説明すると、DMT法に
よる場合には、エチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ブタンジオール、ペンタンジオールなどのジオ
ール成分とテレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチ
ル、5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルのナトリ
ウム塩とでエステル交換反応を行い、ついで減圧下で重
縮合することによって本発明のSO3 M基を含む共重合
ポリエステル樹脂を得ることができる。
【0011】このエステル交換反応を実施する際には、
ジオールをジエステルに対してモル比で1.0倍以上、
好ましくは1.1倍以上使用することが好ましい。この
エステル交換反応を実施するには通常用いられる酢酸マ
ンガン、酢酸亜鉛、酢酸カルシウムテトラn−ブチルチ
タネートなどの触媒を用いてもよい。エステル交換反応
は一般に常圧下、150〜250℃の温度で行なわれ
る。エステル交換反応は通常その反応率が50〜90%
の範囲まで続けるのが適当である。エステル交換反応の
終了後、エステル交換触媒を失活させるために通常りん
酸、リン酸トリメチルや硫酸、p−トルエンスルホン酸
などが添加される。
【0012】エステル交換触媒を失活させた後、反応混
合物に触媒を添加し、減圧下で重縮合反応を実施し、本
発明の共重合ポリエステル樹脂を得ることができる。通
常使用される触媒の例としては三酸化アンチモン、二酸
化ゲルマニウム、テトラ−n−ブチルチタネートなどが
挙げられる。重縮合反応は通常0.5Torr以下の高
真空下、220〜280℃において実施される。
【0013】本発明において使用されるポリエステルセ
グメントを含む重合体とは、上記の方法によって合成さ
れた末端に水酸基を有する共重合ポリエステル樹脂をそ
のまま使用しても良いが、この共重合ポリエステル樹脂
を適当なジイソシアネート化合物と反応せしめて鎖伸長
させた重合体(ウレタン変性ポリエステル)を使用して
もよい。このウレタン変性ポリエステルの使用は、本発
明のコーティング樹脂組成物から透明性にすぐれた塗膜
がえられる点で好ましい。
【0014】ポリエステルセグメントを含む重合体の代
表的な例としては、下に示すようなタイプが挙げられ
る。 (1)エチレングリコール(EG)、ネオペンチルグリ
コール(NPG)、テレフタル酸(TPA)とイソフタ
ル酸(IPA)より成る共重合ポリエステル(EG/N
PG=50/50(モル比)、TPA/IPA=50/
50(モル比)、OH価=5〜50mg−KOH/g) (2)エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸(SA)より
成る共重合ポリエステル(EG/NPG=50/50
(モル比)、TPA/IPA/SA=45/45/10
(モル比)、OH価=5〜50mg−KOH/g)
【0015】(3)エチレングリコール、ビスフェノー
ルAエチレンオキシド付加体(Bis−AEO)、テレ
フタル酸、イソフタル酸より成る共重合ポリエステル
(EG/Bis−AEO=75/25(モル比)、TP
A/IPA=50/50(モル比)、OH価=5〜50
mg−KOH/g) (4)エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
テレフタル酸、セバシン酸から成る共重合ポリエステル
(EG/NPG=60/40(モル比)、テレフタル酸
/セバシン酸=70/30(モル比)、OH価=5〜5
0mg−KOH/g)
【0016】(5)ブタンジオール、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、セバシン酸から成る共重合ポリエステル
(TPA/IPA/SA=33/33/34(モル
比)、OH価=5〜50mg−KOH/g) (6)エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
テレフタル酸とイソフタル酸より成る共重合ポリエステ
ルオリゴマー(EG/NPG=50/50(モル比)、
TPA/IPA=50/50(モル比)、OH価=15
〜50mg−KOH/g)をジイソシアネート化合物
(4,4′−メチレンビスジイソシアネート、2,4−
トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネートなど)とを末端基
の当量関係がOH/NCO>1の条件において反応させ
て得られたウレタン変性ポリエステルポリオール
【0017】(7)エチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、テレフタル酸とイソフタル酸より成る共重
合ポリエステルオリゴマー(EG/NPG=50/50
(モル比)、TPA/IPA=50/50(モル比)、
OH価=15〜50mg−KOH/g)、ジメチロール
プロピオン酸とイソホロンジイソシアネートとを、末端
基濃度比(OH/NCO=1.5〜2.0)の条件で反
応させて得られた酸価10〜40mg−KOH/gのウ
レタン変性ポリエステルポリオール (8)エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
テレフタル酸とイソフタル酸より成る共重合ポリエステ
ルオリゴマー(EG/NPG=50/50(モル比)、
TPA/IPA=50/50(モル比)、OH価=15
〜50mg−KOH/g)、グリセリンモノアリルエー
テル(ダイセル化学(製))、イソホロンジイソシアネ
ートを末端基濃度比(OH/NCO=1.5〜2.0)
の条件で反応させて得られるペンダントに2重結合を有
するウレタン変性ポリエステルポリオール。
【0018】本発明のポリエステルセグメントを含む重
合体は、適度なレベルのカルボキシル基などのイオン化
しうる官能基を含んでいてもよく、このようなイオン性
基を含む幹ポリマーを使用することによって本発明によ
って得られる水性コーティング樹脂組成物の分散安定性
が向上され、エマルジョン粒子の粒径の微細化にも有効
に寄与するものである。好ましいカルボキシル基の含有
率はポリエステルセグメントを有する重合体の乾燥重量
に対して酸価として1〜100mg−KOH/g、より
好ましくは5〜40mg−KOH/gの範囲である。
【0019】本発明におけるポリエステルセグメントを
含む重合体は、必須成分として、
【化7】
【化8】 を5重量%以上70重量%以下含有するものである。テ
レフタロイル残基および/またはイソフタロイル残基の
含有率が5重量%未満の場合には、本発明の水性樹脂か
ら得られる塗膜の耐溶剤性、耐水性、耐熱性、耐摩耗
性、機械的強度、耐衝撃性が不十分となり好ましくな
い。テレフタロイル残基および/またはイソフタロイル
残基の含有率が70%を超えると本発明のポリエステル
セグメントを有する重合体の有機溶媒への溶解性が不良
となるため、ビニル単量体のグラフト重合の実施が困難
となり、分散性の安定した水性樹脂の製造が困難となり
好ましくない。本発明におけるポリエステルセグメント
を含む重合体の分子量については、ゲル浸透クロマトグ
ラフィーによるポリスチレン換算値でMw(重量平均分
子量)=3,000以上、Mw=100,000以下、
より好ましくはMw=5,000以上、Mw=50,0
00以下であることが望ましい。Mw=3,000未満
の場合には本発明の水性樹脂組成物から得られる塗膜の
靱性、耐摩耗性などが不十分となり好ましくない。Mw
=100,000を超える場合には、グラフト重合を行
なう際の重合安定性と得られた水性樹脂組成物の分散安
定性が悪化し好ましくない。
【0020】本発明のポリエステルセグメントを含む重
合体に対してグラフトさせるために使用される重合性不
飽和単量体の例としては、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキ
シル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ノニ
ル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルな
どのメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチ
ルなどのアクリル酸エステル類、スチレン、p−メチル
スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、
クロルメチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビ
ニル単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルな
どの不飽和ニトリル、ブタジエン、イソプレンなどの共
役ジオレフィン、ジビニルベンゼン、エチレングリコー
ルジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、メタクリ
ル酸アリル、フタル酸ジアリル、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、グリセリンジアリルエーテル、ポ
リエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレートなどの多官能ビニル単量体、
アクリルアミド、メタクリルアミド、n−メチロールメ
タクリルアミドなどアミド系単量体、β−ヒドロキシエ
チルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレー
トなどのヒドロキシ基含有単量体、ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレートな
どのアミノ基含有重合体、メタクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸グリシジルなどのグリシジル基含有単量体、
酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのビニル
単量体が挙げられる。
【0021】良好な塗膜物性を有する水性コーティング
樹脂を得るためには、上記のビニル系単量体の中から、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル
酸ヘキシル、メタクリル酸グリシジルなどのメタクリル
酸エステル類、スチレンなどを主成分とする単量体混合
物を選択することが好ましい。
【0022】本発明で使用されるカルボキシル基を有す
る重合性不飽和単量体の具体的な例としては、メタクリ
ル酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、β−メタ
クリロキシエチルアシッドサクシネート、β−メタクリ
ロキシエチルアシッドマレエート、β−メタクリロキシ
エチルアシッドヘキサヒドフタレート、β−メタクリロ
キシエチルアシッドフタレートなどが挙げられるが、特
にこれらに限られたものではない。本発明のグラフト共
重合体のグラフト鎖中に導入されたカルボキシル基は、
アミンによる中和によってカルボキレート基へ転換され
安定な分散体の形成に寄与する作用を示す。
【0023】アルデヒド基またはケトン基を有するビニ
ル単量体の例としては、アクロレイン、ジアセトンアク
リルアミド、ヒドロキシメチル化ジアセトンアクリルア
ミド、p−ホルミルスチレン、ビニルメチルケトン、ビ
ニルエチルケトン、ビニルブチルケトン、一般式
【化9】 (ここに、R1 はHまたはCH3 、R2 はHまたは炭素
数1〜3個のアルキル基、R3 は炭素数1〜3個のアル
キル基、R4 は炭素数1〜4のアルキル基を示す)で表
わされるアクリル(またはメタクリル)オキシプロペナ
ール、ジアセトンアクリレート、アセトニトリルアクリ
レート、ジアセトンメタクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレートアセチルアセテート、ブタンジオー
ル−1,4−アクリレートアセチルアセテートなどがあ
げられる。
【0024】特に好ましいその単量体としてはジアセト
ンアクリルアミド、アクロレインおよびビニルメチルケ
トンが挙げられる。これらのケトン基を有する単量体
は、グラフト鎖中に2種以上含まれていてもよい。ケト
ン基含有ビニル単量体の使用量は、本発明はグラフト重
合体の乾燥総重量に対して0.5〜30重量%、好まし
くは1〜20重量%である。ケトン基含有ビニル単量体
の使用量が上記の範囲を下まわると、グラフト重合体と
多官能ヒドラジド化合物の反応によって形成される塗膜
の物性(接着性、耐水性、耐熱水性、耐溶剤性)が不十
分なレベルとなる。またケトン基含有ビニル単量体の使
用量が上記の範囲を超えると、本発明の常温硬化型水性
コーティング樹脂組成物の貯蔵安定性が悪くなり、コス
ト的にも不利となる。
【0025】本発明のグラフト共重合体を製造するに
は、本発明のポリエステルセグメントを有する重合体を
有機溶媒中に溶解または分散させた状態とし、ラジカル
重合性の単量体の混合物を添加してグラフト重合を行な
わしめることによって製造できるが、より好ましくは本
発明のポリエステルセグメントを有する重合体の末端ま
たは側鎖にグラフト鎖の導入サイトとしての2重結合を
導入した後、この2重結合含有重合体の存在下にラジカ
ル重合性の単量体の混合物を重合を行なわせ、グラフト
共重合体を得るのがよい。
【0026】この2重結合の導入された重合体を製造す
るための代表的な方法としては次の方法が挙げられる。 (1)ポリエステルの製造時にジカルボン酸成分とし
て、無水マレイン酸などの二重結合を含む化合物、ジオ
ール成分として、グリセリンモノアリルエーテルなどの
二重結合を含む化合物を飽和の2官能化合物と共に併用
し、二重結合を含むポリエステルを製造する。 (2)ポリエステルセグメントを有する重合体のOH末
端基をメタクロイルイソシアネートと反応させることに
より、重合体の末端に2重結合を導入する。
【0027】(3)ポリエステルセグメントを有する重
合体のCOOH末端基をメタクリル酸グリシジルと反応
させることにより、重合体の末端に2重結合を導入す
る。ポリエステルセグメントを有する重合体の末端にカ
ルボキシル基を導入するには、ジオール成分とジカルボ
ン酸成分の重縮合反応によって、ポリエステル重合体を
製造する際に、トリメリット酸、ブタンテトラカルボン
酸などの3個以上のカルボキシル基を有する多価カルボ
ン酸を添加することによって製造できる。また別の方法
としては、OH末端基を有するポリエステル重合体をコ
ハク酸無水物、トリメリット酸、無水ピロメリット酸、
無水フタル酸、無水マレイン酸などの酸無水物基を有す
る化合物と反応させ、OH末端基の一部をカルボキシル
末端基へ変換する方法が挙げられる。
【0028】(4)OH末端基を有するポリエステル重
合体をジイソシアネート化合物と反応させることによっ
て、NCO末端基を導入した後、β−ヒドロキシエチル
メタクリレートなどの分子内に2重結合とヒドロキシ基
を併せ持つ化合物と反応させ、重合体の末端に2重結合
を導入してもよい。 (5)OH末端基を有するポリエステル重合体の共存下
にラジカル重合性の単量体混合物の重合を行わせる際
に、メタクロイルイソシアネートなどのOH末端基との
反応に関与しうるラジカル重合性単量体を共存させてi
n situ(その場)で重合体の末端への2重結合の
導入とグラフト重合の両プロセスを同時に行なわせても
よい。
【0029】ビニル系単量体の重合方法としては、ラジ
カル重合が好ましく、ラジカル重合の開始剤としては、
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルハ
イドロパーオキサイド、1,1′−アゾビス−(シクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス
−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2′−アゾ
ビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過硫酸カ
リウム、2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパ
ン)2塩酸塩、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草
算、過硫酸アンモニウムなどが挙げられ、これらはビニ
ル系単量体に対して0.1〜5wt%の範囲で好適に用
いられる。本発明を実施する上で、通常の乳化重合を行
うときに使用する界面活性剤を使用しなくとも安定な水
性樹脂がえられる。しかしながら、必要に応じて界面活
性剤または自己乳化性ビニル単量体を併用しても差しつ
かえない。
【0030】本発明における幹ポリマー成分に相当する
ポリエステルセグメントを含む重合体とビニル系単量体
からなるグラフト鎖の比率に関しては、ビニル系単量体
の総重量(B)が、ポリエステルセグメントを含む重合
体の総重量(A)に対して、0.1≦B/(A+B)≦
0.9の範囲にあるのがよい。B/(A+B)が0.1
未満の場合にはグラフト重合によって得られた水性樹脂
組成物の分散安定性が悪化し好ましくない。また、この
場合には本発明の水性樹脂から得られる塗膜のOPPへ
の密着性が悪化し好ましくない。B/(A+B)が0.
9を超えると、本発明の水性樹脂から得られる塗膜の耐
水性、耐溶剤性などが悪化し好ましくない。
【0031】本発明において架橋剤として使用される多
官能ヒドラジド化合物の例としては、分子中に2〜30
個の炭素原子を含有する下記の多価カルボン酸ポリヒド
ラジドが挙げられる。しゅう酸ジヒドラジド、マロン酸
ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジ
ヒドラジド(ADH)、セバシン酸ジヒドラジド、ドデ
カンジオン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、
フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、イソ
フタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、
4,4′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、
トリメシン酸トリヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジ
ノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(V
DH)、エノコサン2酸ジヒドラジド、7,11−オク
タデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド、ポリア
クリル酸ヒドラジド、アクリルアミド−アクリル酸ヒド
ラジド共重合体。
【0032】これらの中でもアジピン酸ジヒドラジド、
イソフタル酸ジヒドラジドと1,3−ビス(ヒドラジノ
カルボエチル)−5−イソプロピルヒダントインが好ま
しく使用された。本発明のグラフト共重合体に含まれる
カルボニル基の1当量当り0.01〜2.0当量好まし
くは0.5〜1.5当量のヒドラジド基が使用される。
これらの多官能ヒドラジド化合物に含まれるヒドラジン
基は、本発明の水性分散液の水が乾燥により揮散する
際、グラフト共重合体のカルボニル基と反応し、網目構
造の被膜を形成する。
【0033】本発明において使用される水との混和性を
有する有機溶媒は、本発明のコーティング樹脂組成物を
使用した塗料またはインキからの塗膜形成の際のプラス
チックなどの基材への濡れ性と溶剤の揮散性を向上する
上で有効なものである。その具体的な例としては、メタ
ノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコ
ール、エチルアルコール、工業用エチルアルコール、エ
チレングリコール、エチレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどの
アルコール系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど
のエーテル系溶媒などの単独または混合物が挙げられる
が、これら例示されたものに限られたものではなく、1
00重量部の水に対して1重量部以上添加した状態で均
一に混和しうるものであれば使用できる。これらの中で
も好ましいものは、イソプロピルアルコール、エチルア
ルコール、工業用エチルアルコールである。
【0034】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳しく説
明する。なお、実施例中の物性は次の様にして評価し
た。 1.密着性 本発明の水性コーティング樹脂組成物を、コロナ処理2
軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは(東
レ(株)“ルミラー”P60、12μ)コロナ処理2軸
延伸ポリプロピレンフィルム(東レ(株)“トレファ
ン”2545、20μ)にバーコーターNo.5を使用
して塗布し、一昼夜常乾後、セロテープ剥離テストを行
った。乾燥後の塗布厚を2〜5μの範囲になるよう塗布
条件を設定した。セロテープ剥離テスト後の、塗膜の残
存部分の面積比率から、○(100%残存)、△(70
%以上残存)、×(50%以上剥離)の3段階の判定を
下した。
【0035】2.耐熱水性 前記の方法に作成した塗工品を、沸騰水中に10分間浸
漬し取り出し、外観の変化から次の3段階の判定を下し
た。 ○…沸水テスト前の状態と大差なし △…塗膜がわずかに白化する。塗膜にわずかにシワが発
生する。 ×…塗膜が白化する。塗膜に大きなシワが発生する。塗
膜がベースフィルムから脱落する。
【0036】3.耐溶剤性 1項の方法で作成した塗工品を、エチルアルコールを含
浸させた脱脂綿でラビングを行ない、ベースフィルムが
露出するまでのストローク数で3段階の判定をした。 ○…20回を超える。 △…5〜20回。 ×…5回未満。
【0037】実施例1 還流冷却器、温度計、滴下ロート、窒素吹込み管および
スターラーを備えた1リットル4ッ口フラスコに、メチ
ルエチルケトン160gを仕込んだ後かくはんしながら
飽和共重合ポリエステル樹脂エリーテル3200(ユニ
チカ(株)製、分子量15000の高分子量ポリマー)
22.5gのチップを添加した。内温を30分を要した
80℃まで昇温した後、1時間かくはんを続け、ポリマ
ーのチップを溶解した。滴下ロートから、スチレン(S
T)29.6g、メタクリル酸メチル(MMA)24
g、C12〜C13長鎖アルキルメタクリレート(SL)2
2.5g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EH
A)20g、アクリル酸ブチル(BA)20g、ジアセ
トンアクリルアミド(DAAM)7.5g、アクリル酸
(AA)3.9gとアゾビスイソブチロニトリル1.5
gの混合物を1.5時間をかけて滴下した。80℃でさ
らに1.5時間かくはんを続けた後、160gのイソプ
ロピルアルコールを徐々に滴下し、非水分散体を形成さ
せた。28%のアンモニア水5.9gを滴下して中和し
た後、水713gを滴下して希釈した。続いて、内温を
90℃まで昇温し、低沸点溶媒を留出させた275.5
g。このようにして得られた水性分散体の固形分率は2
0.9%、粘度は0.07ポイズ、pHは7.3であっ
た。
【0038】実施例2 実施例1と同様の反応容器にメチルエチルケトン60g
を仕込み、飽和共重合ポリエステル樹脂エリーテル33
20(ユニチカ(株)製、分子量1800のオリゴマ
ー)22.5gの粉末を添加し、80℃まで内温を昇温
して溶解させた。滴下ロートから、スチレン(ST)2
9.6g、メタクリル酸メチル(MMA)24g、C12
〜C13アルキルメタクリレート(SL)22.5g、ア
クリル酸ブチル(BA)20g、ジアセトンアクリルア
ミド(DAAM)7.5g、アクリル酸(AA)3.9
g、アゾビスイソブチロニトリル1.5gの混合物を
1.5時間かけて滴下した。80℃でさらに1.5時間
かくはんを続けた後、60gのイソプロピルアルコール
を徐々に滴下し、非水分散体を形成させた。28%のア
ンモニア水5.9gを滴下して中和した後、水603g
を滴下して希釈した。続いて窒素をブローさせながら内
温を90℃まで昇温し、低沸点溶剤を留出させた。この
ようにして得られた水性分散体の固形分率は29.35
%、粘度は0.1ポイズ、pHは7.0であった。
【0039】実施例3 実施例1と同様の反応容器にメチルエチルケトン50g
を仕込み飽和共重合ポリエステル樹脂エリーテル332
0(ユニチカ(株)製)22.5gの粉末を添加し80
℃まで内温を昇温して溶解させる。反応容器に窒素を流
通させながら滴下ロートからメチルエチルケトン10g
にメタクリロイルイソシアネート(MAI)1.35g
を溶かした溶液を10分にわたって滴下し、ポリエステ
ル成分に2重結合を導入する。20分間熟成後、滴下ロ
ートから、スチレン(ST)29.6g、メタクリル酸
メチル(MMA)24g、C12〜C13アルキルメタクリ
レート(SL)22.5g、アクリル酸ブチル(BA)
40g、ジアセトンアクリルアミド(DAAM)7.5
g、メタクリル酸(MAA)3.9g、アゾビスイソブ
チロニトリル1.5gの混合物を1.5時間かけて滴下
した。以後実施例3と同様におこなった。得られた水性
分散体の固形分率は29.5%、粘度は0.3ポイズ、
pHは7.3であった。
【0040】実施例4 実施例と同様の反応容器にメチルエチルケトンを120
g仕込み飽和共重合ポリエステル樹脂エリーテル332
0(ユニチカ(株)製)45gの粉末を添加し80℃ま
で内温を昇温して溶解させる。反応容器に窒素ガスを流
通させながら、滴下ロートからメチルエチルケトン10
gにメタクリロイルイソシアネート2.7gを溶かした
溶液を10分にわたって滴下し、ポリエステル成分に2
重結合を導入する。20分間熟成後、滴下ロートからス
チレン(ST)29.6g、メチルメタクリレート(M
MA)16.5g、C12〜C13アルキルメタクリレート
(SL)22.5g、ブチルアクリレート(BA)25
g、ジアセトンアクリルアミド(DAAM)7.5g、
アクリル酸(AA)3.9g、アゾビスイソブチロニト
リル1.5gの混合物を1.5時間かけて滴下した。以
後実施例3と同様におこなった。得られた水性分散体の
固形分率29.8%、粘度は0.5ポイズ、pHは7.
5であった。
【0041】実施例5 実施例1,2,3,4に記載の方法によって調整された
水性分散体A B CDのそれぞれ100grに対し
て、当量のヒドラジド化合物VDH(味の素(株)製)
を添加し常温硬化水性コーティング樹脂を調製した。こ
れらの水性コーティング樹脂の溶液安定性および光沢を
見ると同時にPETフィルム、OPPフィルムに塗布
し、密着性、耐熱水性と耐アルコール性を評価し、表2
に示す結果を得た。
【0042】比較例1,2 バイロン3200、3320の30%溶液(溶媒として
トルエン/メチルエチルケトン=4/1混合溶媒を使
用)をPETフィルムとOPPフィルムに塗布し、密着
性、耐熱水性と耐アルコール性を評価し、表2に示す結
果を得た。
【0043】比較例3 ポリエステル−アクリルグラフト共重合体の水性分散体
Cにジヒドラジド化合物VDHを添加せず、そのままP
ETフィルムとOPPフィルムに塗布し、密着性、耐熱
水性と耐アルコール性を評価し、表2に示す結果を得
た。
【0044】比較例4(アクリル乳化重合体の調製) 還流冷却器、温度計、滴下ロート、窒素吹込み管および
スターラーを備えた1リットル4ッ口フラスコに、メチ
ルエチルケトン60gを仕込み、80℃まで昇温した。
反応容器に窒素を流通させながら、滴下ロートからスチ
レン(ST)39g、メチルメタクリレート(MMA)
31.5g、C12〜C13長鎖アルキルメタクリレート
(SL)22.5g、ブチルアクリレート(BA)3
7.5g、メタクリル酸(MAA)19.5g、アゾビ
スイソブチロニトリル1.5gの混合物を1.5時間か
けて滴下した。さらに80℃3時間カクハンを続けた
後、イソプロピルアルコール200gを添加し、28%
アンモニア水14gを滴下して中和した後H2 O 90
g添加しNV 30.1%粘度0.2ps pH7.5
のアクリル不水溶性樹脂を得た。
【0045】比較例5 実施例2において使用されたエリーテル3320の代り
に、ポリブチレンアジペート(旭電化工業(株)製、分
子量1,000)を使用し、その他の反応条件、操作条
件は変更せずに、水性分散体Eを得た。水性分散体Eの
固形分率は29.2%、粘度は0.09ポイズ、pHは
7.0であった。100gの水性分散体Eに対して、
1.4gのヒドラジド化合物を添加し、常温硬化型水性
コーティング樹脂を調製した。この水性コーティング樹
脂の溶液安定性、塗膜の光沢、PET、OPPフィルム
に対する密着性、耐熱水性と耐アルコール性を評価し、
表2に示す結果を得た。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】実施例6 実施例5の方法によって得られた100gの水性分散体
(A)にヒドラジド化合物VDH(味の素(株)製)
0.9gを添加して均一に溶解し、水性コーティング樹
脂組成物を調製した。酸化チタンR−830(石原産業
(株)製)163g、水性コーティング樹脂組成物
(E)100g、イソプロピルアルコール18g、イオ
ン交換水15gの組成物のミルベースを配合し、バッチ
式サンドグラインダーにて、回転数1600rpmの条
件下で45分間分散した後、ミルベース100重量部に
対して水性コーティング樹脂組成物E 45重量部、イ
ソプロピルアルコール7重量部イオン交換水5重量部を
加えてレッドダウンした。このようにして得られた白イ
ンキを400メッシュのステンレス金網で濾過した後、
単色刷型印刷局式グラビア印刷適性試験機(熊谷理機工
業(株)製)を使用して、2軸延伸ポリプロピレンフィ
ルム(東レ(株)製、“トレファン”2445 20μ
厚)および2軸延伸ポリエステルフィルム(東レ(株)
製、“ルミラー”P60、12μ厚)に印刷を行った。
印刷条件は、印刷速度60m/min、印刷圧力20k
g/cmであった。インキの密着性をセロテープ剥離テ
ストによって調べたところ、両タイプのフィルムともイ
ンキの剥離が認められなかった。
【0049】
【発明の効果】本発明の水性コーティング樹脂組成物お
よびインキ組成物は実施例や比較例より明らかなよう
に、表面の極性の著しく異なるポリエステル、ポリプロ
ピレン両基材への密着性にすぐれ、この組成物より得ら
れる塗膜の耐水性、耐溶剤性が従来の溶剤型の塗料に匹
敵するレベルにあることがわかる。従って、本発明の組
成物はプラスチック成形品、フィルム用の水性塗料、水
性インクの分野に広範囲に使用できると共に地球環境の
保全にも寄与するものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】 【化2】 を5重量%以上70重量%以下含有するポリエステルセ
    グメントを含む重合体に対して、ケトン基またはアルデ
    ヒド基を有する重合性不飽和単量体とカルボキシル基を
    有する重合性不飽和単量体とを含む重合性不飽和単量体
    混合物をグラフト重合せしめて得たグラフト共重合体を
    主成物とする樹脂と、多官能ヒドラジド化合物とを水媒
    体中に溶解ないし分散させてなる水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ケトン基を含む重合性不飽和単量体がジ
    アセトンアクリルアミドである請求項1記載の水性樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の樹脂組成物を用
    いてなる水性コーティング剤。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の樹脂組成物を用
    いてなる水性インキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10130561A (ja) * 1996-10-29 1998-05-19 Dainippon Ink & Chem Inc 水性印刷インキ組成物
JP2022552376A (ja) * 2019-10-17 2022-12-15 ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド 架橋組成物およびそれから形成されたコーティング
CN117106335A (zh) * 2023-08-03 2023-11-24 惠州市华泓新材料股份有限公司 一种高润湿性紫外线光固化胶印油墨树脂及其制备方法与应用

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