JPH07101864B2 - 高能率ディジタル多重化伝送方式 - Google Patents

高能率ディジタル多重化伝送方式

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JPH07101864B2
JPH07101864B2 JP16585891A JP16585891A JPH07101864B2 JP H07101864 B2 JPH07101864 B2 JP H07101864B2 JP 16585891 A JP16585891 A JP 16585891A JP 16585891 A JP16585891 A JP 16585891A JP H07101864 B2 JPH07101864 B2 JP H07101864B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル回線上で多
重化信号を伝送する多重化装置または交換機における高
能率ディジタル多重化伝送方式に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は音声多重化装置または交換機シス
テムの例を、また図2はマルチメディア多重化装置また
は交換機システムの例を示す。図1においては、電話端
末1からの音声データが音声多重化装置/交換機2を介
して中継伝送ネットワーク3に入力され、その音声デー
タは受信側の音声多重化装置/交換機4を介して受信電
話端末5に伝送される。ここで中継伝送ネットワーク3
はディジタル中継回線と中継用音声多重化装置/交換機
を含んでいる。
【0003】図2においては、電話端末1からPBX6
を介して、またデータ端末からパケット交換機7を介し
て、さらにTV会議端末から画像交換機8を介してマル
チメディア多重化装置/交換機9に入力された伝送情報
は中継伝送ネットワーク10に入力され、受信側ではマ
ルチメディア多重化装置/交換機11を介して受信側の
PBX12、パケット交換機13、または画像交換機1
4に出力される。
【0004】このような音声多重化装置、マルチメディ
ア多重化装置等においては、一般に時分割多重(TD
M)式が用いられるが、伝送能率化のための統計多重方
式としてディジタルスピーチインタポレーション(DS
I)多重方式や、ディジタルデータインタポレーション
(DDI)多重方式なども用いられる。DSI方式は音
声の無音区間を検出、有音区間だけを伝送する方式であ
り、またDDI方式は更に音声の無音区間にパケット交
換機など待ち合わせのきくデータ通信メディアからの情
報を補完して多重する方式である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図3及び図4は従来の
TDM多重方式と統計多重方式の帯域割り当て方式の例
である。図3はTDM多重方式を示し、この方式では音
声の各チャネルに一定の帯域が割り当てられ、与えられ
た帯域内でいかに音質を向上させるかという観点で音声
符号器の高能率化が追求される。これに対して図4の統
計多重方式では、複数音声チャネル間で帯域の融通が行
われ、チャネルあたりの等価帯域の拡大と伝送品質の向
上が図られる。
【0006】図5はDSI方式における帯域の割り当て
方式である。この方式では、無音区間の検出によって有
音か無音かによって帯域の割り当てが融通され、音声呼
数が大きいところで帯域の増加と音質向上が図られる。
【0007】以上のように、例えば従来のTDM多重方
式では音声呼数が少ない場合にも最大呼数を想定した帯
域が割り当てられる。すなわち品質が最大呼数時のまま
一定とされ、音声レベルに応じた帯域の融通による平均
帯域の増加が見込めないという問題点がある。
【0008】また、DSI方式では無音区間の検出によ
って無音区間では情報が送られない。すなわち帯域が0
とされることになり、伝送効率の向上が図られるが、輻
輳時には1つの音声チャネルに対する符号化情報がその
まま全部送られるか或いは全て廃棄されることになり、
全て廃棄されるチャネルにおいては音声の品質劣化が著
しくなるという問題点がある。
【0009】本発明は、例えば音声チャネルに対して最
低限の音質を保証するためのコア情報部を必ず多重し、
望ましい音質を得るために必要な付加情報部のうち優先
度の高い部分から順次多重化を行い、輻輳廃棄時にも通
信品質低下を最小限に抑えることによって、統計多重に
おける通信品質の向上と多重化効率の向上を両立させて
追求することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】図6〜図12は
本発明の原理ブロック図である。図6〜図9は、ディジ
タル回線上で多重化信号を伝送する多重化装置、または
交換機における高能率ディジタル多重化伝送方式の原理
ブロック図である。
【0011】図6において、音声符号化手段20は、例
えばADPCMのエムベッデット(Embedded) 音声符号
器であり、音声入力情報をコア情報部と付加情報部とに
分離して符号化を行う。コア情報部はその伝送によって
最低の音質が保証されるものであり、この情報に対して
例えば差分情報などを用いて圧縮符号化が行われる。
【0012】付加情報部は望ましい音質を得るためには
コア情報部と共に伝送する必要があり、かつ情報の廃棄
時に伝送すべき優先度に応じて段階的、例えば10ビット
毎に廃棄することが可能なものであり、例えばコア情報
での予測値と入力信号との差が単純なPCM量子化器に
よって符号化されて送られる補足情報である。
【0013】無音区間検出手段21は、従来の統計多重
方式と同様に音声入力情報の無音区間を他の情報の伝送
に利用するために、無音区間の検出を行う。また多重化
処理手段22は、ディジタル回線上で多重化すべき複数
の音声チャネルのうちで、無音区間検出手段21が無音
を検出した音声チャネルに対しては通信相手先の符号器
との間での動作モードの同期に必要な補助情報(サイド
情報)のみを、また無音を検出しなかった音声チャネル
に対しては、まず前述のコア情報を、一定周期で繰り返
される固定長のディジタルスロットに対して多重化す
る。
【0014】その後多重化処理手段22は固定長ディジ
タルスロットの残りの部分に前述の無音を検出しなかっ
た各音声チャネルの付加情報部を多重化するが、その多
重化に際しては伝送すべき優先度が高い、すなわち重み
の重い部分から、例えば10ビット毎に段階的に多重化
し、帯域不足のため多重不能な付加情報部は廃棄する。
【0015】図7は各音声チャネルに対する伝送要求帯
域に基づく多重化方式の原理ブロック図であり、要求帯
域判定手段23はディジタル回線上で多重化すべき複数
の各音声チャネルに対する音声入力情報の各伝送要求帯
域を判定する。
【0016】そして多重化処理手段22は、無音区間検
出手段21が無音を検出しなかった各音声チャネルの付
加情報部の廃棄にあたって、要求帯域判定手段23の判
定する要求帯域内の付加情報部を前述の伝送の優先度の
低い部分、すなわち重みの軽い部分から、例えば10ビッ
ト毎に段階的に廃棄して各音声チャネルに対する多重化
を行う。
【0017】図8は呼検出結果に応じた多重化方式の原
理ブロック図である。同図において、呼検出手段24は
前述の多重化すべき複数の各音声チャネルが呼を張った
状態か否か、すなわち呼中か呼断かを検出する。そして
多重化処理手段22は、呼検出手段24が呼断状態を検
出した音声チャネルに対しては前述の通信相手先の符号
器との間での同期に必要な情報、すなわちサイド情報を
も含めて一切の符号化情報を伝送せずに、呼が張られた
音声チャネルに対する多重化を行う。
【0018】この呼検出の方法として、多重化装置また
は交換機が音声チャネルに対するシグナリング情報をシ
グナルセンド(SS)信号およびシグナルレシーブ(S
R)信号として伝送している場合には、これらSS信号
とSR信号とを監視して、2つの信号の論理和、または
論理積の値が一定となっている時間に基づいて、音声チ
ャネルの呼中、または呼断の状態を検出する方法が用い
られる。
【0019】図9は多重化装置または交換機がパケット
網やATM網等のラベル多重網に接続されている場合の
多重化方式の原理ブロック図である。同図において、多
重化処理手段22の出力する多重化フレームを、パケッ
ト組立手段25がそのまま、あるいは分割してパケット
化し、ラベル多重網に出力する。なお図9は図6にパケ
ット組立手段25を追加した形になっているが、図7、
図8には同様に追加することも可能である。
【0020】本発明においては、前述のように各音声チ
ャネルに対する音声情報がコア情報部と付加情報部とに
分離されて、音声符号化手段20によって符号化され
る。図13、図14は本発明における音声伝送情報の区
分の説明図である。図13はコア情報部と付加情報部と
の分離を示す。コア情報部は差分情報などを用いて圧縮
符号化が行われ、最低の音質を保証するためのコア情報
と符号器間での動作モードの同期に必要な補助情報であ
るサイド情報とから構成される。
【0021】また、付加情報部は、例えばコア情報での
予測値と入力信号との差が単純なPCM量子化器によっ
て符号化されて送られる補足情報であり、重みの重いビ
ットから順次コア情報部の上に積まれ、輻輳廃棄時には
重みの軽いビット、すなわち上部から段階的に廃棄され
る。そして有音時にはコア情報部と付加情報部とが、ま
た無音時にはコア情報部のうちのサイド情報のみが伝送
され、図8においては呼断時には何も伝送されないこと
になる。
【0022】図14は図6〜図8のそれぞれにおけるデ
ータ送信要求範囲の説明図である。同図において、コア
情報部のうちサイド情報が10ビット、コア情報が20ビッ
トの計30ビット、付加情報がその重みに応じて10ビット
ずつ計50ビットであるとすると、図6の原理ブロック図
においては有音時にはコア(厳密にはコア情報とサイド
情報の和)30ビットと、付加情報50ビットの計80ビット
が伝送され、無音時にはサイド情報10ビットのみが伝送
される。また、輻輳廃棄時には有音時のデータから各音
声チャネルの付加情報の重みの軽いビットから10ビット
ずつ順次廃棄が行われる。その結果、有音時には各チャ
ネルの伝送帯域は有音時のコアのみ30ビットから全ての
付加ビットを含む80ビットの範囲となり、また無音時に
はサイド情報のみの10ビットとなる。
【0023】図7の原理ブロック図においては、有音時
の各チャネルの要求帯域がコアのみ30ビットから付加情
報全てを含む80ビットの間で10ビット毎の任意の値に設
定され、各チャネルの付加ビットはその要求帯域の値を
初期値として輻輳廃棄時には順次10ビットずつ廃棄さ
れ、帯域の調停が行われる。
【0024】図8の原理ブロック図では、呼検出手段2
4が呼断を検出した音声チャネルに対してはサイド情報
10ビットも伝送されず、全て符号化情報が伝送されない
ことになる。そして呼接続時の無音時にはサイド情報10
ビットのみが、有音時にはコアのみ30ビットから付加
情報全てを含む80ビットまでの範囲のデータが、各チャ
ネルに対して伝送される。
【0025】次に本発明においては、伝送効率の一層の
向上を図るために各種の制御データの伝送圧縮も行われ
る。例えば前述のように音声チャネルに対するシグナリ
ング情報をシグナルセンド(SS)およびシグナルレシ
ーブ(SR)信号として伝送する場合には、一定送信周
期を単位として、SS信号を伝送するか否かを示すフラ
グを伝送フレーム上に付加して伝送することによって、
SS信号が変化しない区間におけるシグナリング情報の
伝送圧縮が行われる。
【0026】またデータチャネルを収容して、通信相手
先との間での状態確認のためのレベル信号をリモートシ
グナリング(RS)信号として伝送する場合には、同様
にRS信号の伝送の有無を示すフラグをフレーム上に付
加して伝送し、RS信号の伝送圧縮が図られる。
【0027】以上のように、本発明においては例えば各
音声チャネルの有無/無音の状態に応じて、無音時には
コア情報部のサイド情報のみが、有音時には付加情報部
を含んだデータが伝送され、また輻輳廃棄時には付加情
報部の重みの軽いビットから順次廃棄されることによ
り、通信効率と品質の向上が図られ、さらに各種制御デ
ータの伝送圧縮も行われる。
【0028】
【実施例】図15〜図17は本発明の伝送方式の第1の
実施例の基本構成とその動作の説明図である。図15の
基本構成ブロック図において、実施例は電話機側からの
入力音声情報を符号化する音声符号器30、入力音声情
報の無音区間を検出する無音検出部31、および無音検
出部31の検出結果に応じて音声符号器30の出力を多
重化して回線側に出力する多重化部(MUX)32から
なっている。多重化部32が音声多重化のために使用す
る情報は、音声符号器30の出力する符号化データ(各
チャネルに対する帯域は、例えば80ビットと予め固定さ
れている)と無音検出部31が出力する各音声チャネル
の有音/無音状態である。この無音検出は、無音検出部
31を独立して設けることなく音声符号器30によって
検出することも、また音声符号器30の出力を用いて多
重化部32が検出することも可能である。
【0029】各音声チャネル(添字iで示される)に対
して実際に伝送される音声符号化データ長Vi ′は次式
によって決定される。 W′≧Σ(VDFi ×(Vi ′−Vs ))+N×Vs ・・・・・・(1) 但し Vi ≧Vi ′≧Vmin ・・・・・・(2) ここでVi ′は実際には後述する帯域調停処理によって
各チャネルごとに割り当てられるビット数であり、各チ
ャネルごとの帯域に対応する。あるチャネルの帯域は、
例えばそのチャネルに割り当てられたビット数を1 sec
中のフレーム数倍したものであって、そのチャネル伝送
ビットレートのことである。また要求される最低限の音
質を保証するために、回線設計の段階で収容回線数を次
式に従って決定しておく。
【0030】 W′≧N×Vmin ・・・・・・(3) これらの式において用いられる記号の意味は以下の通り
である。 W′ :回線側使用可能ビット数 Vi :音声符号化データ長(予め固定値として決定
されている値) Vs :音声符号化データのうち、無音時でも送信す
る必要のあるビット数(サイド情報) Vi ′ :送信する音声符号かデータ長 VDFi :有音フラグ N :収容するチャネル数 Vmin :保証する最低限の音質で伝送する場合に必要
な符号化データ長 また、音声符号器30に対する条件としてはVi からV
min の間で段階的に符号化データを削除可能な形式で符
号化を行っていることが必要となり、例えば適応差分
(AD)PCM方式のエムベッデッド符号器などが用い
られる。
【0031】図16は第1の実施例における帯域と音声
品質の状態を示している。無音区間を検出してその無音
の音声チャネルに対してはサイド情報のみを伝送するこ
とにより、音声呼数の増大に伴う帯域、および品質の低
下を避けることができる。そして輻輳廃棄時にもあるチ
ャネルに対するデータが全て一時的に廃棄される可能性
は非常に少なくなり、輻輳時の帯域減少も最低にするこ
とができる。
【0032】なお、図16の品質の図での「DSIによ
る向上」のDSIは統計多重を表わし、平均割り当て帯
域の増加による音質向上を意味する。図17は第1の実
施例における輻輳廃棄時の多重化処理の例である。同図
において、チャネル#2と#4は無音であり、このチャ
ネルに対してはサイド情報のみが送られる。そして輻輳
廃棄時には、例えばチャネル#0の付加ビット5から有
音状態の各チャネルの付加ビット5がチャネル番号の順
に順次廃棄され、さらに付加ビット4がチャネル#0か
ら順次廃棄され、チャネル#3の付加ビット4までの廃
棄で残りのデータが全て多重化されることになり、多重
化順序は各チャネルのサイド情報の多重化、すなわち
から開始され、でチャネル#5の付加ビット4が多重
化された時点で終了する。
【0033】図18〜図20は本発明の伝送方式の第2
の実施例の基本構成とその動作の説明図である。図18
の基本構成ブロック図では、図15の構成要素に加え
て、電話機側から入力される各音声チャネルの音声情報
が要求する伝送帯域を判定する要求帯域判定部33が設
けられる。
【0034】多重化部32が音声多重化のために使用す
る情報は、音声符号器30が出力する符号化データ(そ
の帯域は固定あるいは可変のいずれでもよい)と、無音
検出部31が出力する有音/無音状態と、要求帯域判定
部33が出力する要求品質伝送に必要な音声符号化デー
タ長である。
【0035】ここで音声の有音/無音状態は音声符号器
30によっても、または多重化部32によっても検出す
ることが可能であり、要求品質伝送に必要な音声符号化
データ長は音声符号器30によって検出することも、ま
た多重化部32によって判定することも可能である。
【0036】第2の実施例における多重化方式は、第1
の実施例に対する(1) 〜(3) 式と全く同様に決定れる。
ただし、音声符号化データ長Vi は第1の実施例におけ
ると異なり、予め固定値として決定されている値ではな
く、入力音声情報に対して、例えば要求帯域判定部33
で必要帯域が判定された結果のデータ長である。また音
声符号器30に対する条件も第1の実施例におけると全
く同じである。
【0037】図19は第2の実施例における音声の帯域
と品質を音声呼数に対して示したものである。前述の第
1の実施例では音声の伝送要求レベルが有音/無音の状
態に応じた2つの値のレベルであるのに対して、実施例
2では有音状態に対してさらにレベル分けが行われ、き
めの細かい制御が行われるために、第1の実施例に比べ
てさらに音質が向上する可能性がある。
【0038】図20は第2の実施例における多重化処理
の例である。同図においてチャネル#2と#4は無音状
態であり、サイド情報のみが伝送される。例えばチャネ
ル#0に対する要求帯域は付加ビット3までであり、#
1に対する要求帯域は付加ビット4まで、また#3に対
する要求帯域は付加ビット5までである。そして輻輳廃
棄時には各チャネルの要求帯域の中で最も上にある付加
ビットが、例えば10ビットずつチャネル番号に従って順
次廃棄され、図ではチャネル#1の付加ビット2までの
廃棄で他の部分のデータが全て多重されることになる。
【0039】図21〜図23は伝送方式の第3の実施例
とその動作の説明図である。同図においては、第2の実
施例に対する図18〜図20の構成要素に加えて、呼の
張られていない音声チャネルに対しては一切の符号化デ
ータの伝送を行わないようにするために呼が張られてい
るか否か、すなわち呼中か呼断かを検出する呼検出部3
4が設けられ、また電話機側と音声符号器30の間に交
換機35が示されている。
【0040】そして多重化部32が音声多重化のために
使用する情報としては、第2の実施例に対する情報に加
えて、呼検出部34が検出する呼が張られているか否か
の状態が用いられるが、この状態は交換機35から通知
されることも、また音声符号器30、多重化部32のい
ずれかで判定されることも可能である。
【0041】音声の多重化方式としては第1、第2の実
施例における(1) 式の代わりに次の(4) 式が用いられ
る。 W′≧Σ(VDFi ×(Vi ′−Vs )) +Σ(Vs ×CDFi ) ・・・・・・(4) (2) ,(3) 式は第3の実施例でも全く同様に用いられ
る。なお(4) 式において、CDFi はチャネルiに対す
る呼接続中フラグであり、呼接続時には1、呼断時には
0となる。また音声符号器30に対する条件も前述と全
く同様である。
【0042】本発明では交換機から呼の接続状態の通知
を行わず、符号器または多重化部において呼の接続状態
の検出を行う方式として、例えば音声チャネルのシグナ
リング情報としてのシグナルセンド(SS)およびシグ
ナルレシーブ(SR)信号をモニタして、多重化装置の
間で音声チャネルに対して呼が張られているか否かの状
態を検出する方法を用いる。
【0043】図22、図23は呼検出の実施例である。
図23は送信側から送られるSS信号と受信側から送ら
れるSR信号のモニタによって呼の検出を行うことを示
しており、この検出方法によれば交換機からの状態通知
パスが不要となる。
【0044】図23は呼検出の論理を示している。同図
において、例えばSS,SRとも完全に呼が切れた状態
(アイドル)を1、完全に呼が張られた状態(ビジィ)
を0とすると、SSとSRの論理和がある規定時間τ
1、例えば1秒以上‘0’であれば呼が接続状態にある
ことが判定され、またSS,SRの論理積が規定時間τ
2、例えば1秒以上‘1’であれば音声呼の断状態が検
出される。
【0045】図24は伝送方式の第4の実施例の構成ブ
ロック図である。この実施例では、多重化部32によっ
て作成された多重化フレームがパケット組立部36によ
ってラベル交換網でのパケット形式、例えば固定長パケ
ットやATMセルの形式に組み立てられ、ラベル交換網
内で伝送される。
【0046】図24は図15,図18の第1の実施例に
パケット組立部36を付加した構成となっているが、第
2、第3の実施例に同様にパケット組立部を付加するこ
とも当然可能である。また音声符号器30、無音検出部
31、多重化部32等の作用は第1〜3の実施例におけ
ると同じである。
【0047】図25は伝送方式の第5の実施例の基本構
成ブロック図である。同図は、電話機側から交換機35
を介して入力され、音声符号器30によって符号化され
る複数の音声チャネルに対する音声情報と、パケット交
換機やデータ端末等から交換機37、および収容インタ
フェース38を介して入力されるパケットやデータを多
重化部32によって多重化し、回線側に出力する多重化
装置の実施例である。尚、交換機35,37について
は、交換機能を必要としないような固定経路接続の場合
には不要である。
【0048】有効情報検出部39は収容インタフェース
38に入力されるパケットやデータの伝送の必要性を、
例えばオール1などで伝送の意味のない部分や端末の使
用状態の有無などにより検出するものであり、この検出
は交換機37、または多重化部32によって行うことも
可能である。そして多重化部32がデータ端末やパケッ
ト交換機など音声チャネル以外の他のメディアの多重化
のために使用する情報は、収容インタフェース38が生
成する送信情報(帯域は固定、可変のいずれでもよ
い)、その送信情報に対する有効情報である。
【0049】多重化方式としては、まず交換機37、お
よび収容インタフェース38を介して入力されるパケッ
トやデータの多重化に必要な帯域が回線側使用可能ビッ
ト数W′から差し引かれ、複数の音声チャネルに割り当
て可能な帯域W″が次式によって決定される。
【0050】 W″=W′−(Σ(DAFi ×(Di −Ds-i ))) −ΣDs-i ・・・・・・(5) また、回線設計の段階で要求される最低限の音質が保証
可能なように、収容回線数が次の(6) 式によって決定さ
れる。
【0051】 W′≧N×Vmin +ΣDi ・・・・・・(6) 各音声チャネルの音声情報に対しては、前述の第1〜第
3の実施例における方法のいずれかを用いて多重化が行
われる。また後述のように、過去の履歴から廃棄方法を
決定してもよい。
【0052】なお(5) ,(6) 式においてW″は音声チャ
ネルで使用可能なビット数で、Nは収容する音声チャネ
ルの数、Di はパケットや各データの送信データ長、D
AF i はデータの有効/無効フラグ、Ds-i は各データ
に対応する制御情報である。
【0053】図26,図27は伝送方式の第6の実施例
とその動作の説明図である。図26の構成ブロック図に
おいては、音声符号器を構成するA/D変換器391、
帯域分割フィルタ392、ADPCMエムベッデッド符
号器393〜396と、多重化部(MUX)397のみ
が示され、無音検出部等は省略されている。
【0054】同図において入力音声情報はA/D変換器
391によってディジタル信号に変換され、帯域分割フ
ィルタ392によって例えば0〜1KHzの帯域B1、1
〜2KHzのB2、2〜3KHzのB3、および3〜4KHz
のB4とに分割され、それぞれADPCMエムベッデッ
ド符号器393〜396によって符号化され、マルチプ
レクサ(MUX)397によって多重化され、パケット
網側に出力される。
【0055】図27は帯域分割符号化を行う多重化装置
における廃棄レベルの実施例である。同図において帯域
を4分割した場合に、簡単のために各帯域のコア情報部
を2ビット、付加情報部を3ビットとする。図に示すよ
うに、例えばレベル1では全てのコアビットと付加ビッ
トが廃棄されることなく伝送される。またレベル5では
帯域B1〜B3に対してはそれぞれのコアビット2ビッ
トずつが伝送されるが、最も高周波の帯域B4に対する
コアビットは廃棄され、伝送されない。
【0056】本発明においては、例えば図17で説明し
たように、各音声チャネルの音声の送信帯域を段階分け
して伝送を行うが、回線上の多重化フレームでは各チャ
ネルの送信帯域をコードとして送信する。このコードに
は音声の符号器の種類や動作モードの設定によって異な
る意味を持たせる。
【0057】図28は送信帯域をコードとして伝送する
場合の多重化フレームの実施例である。同図において、
フレームの同期フラグFに続いて各音声チャネルに対す
る送信帯域情報をコード化したRi が多重され、実際の
各チャネルに対する送信情報がその後に多重化される。
この送信帯域コードRi に関してはエラー訂正符号(E
CC)付加して誤り耐力を持たせることにする。
【0058】以上によって可変帯域で音声チャネルを収
容する際に必要な伝送帯域情報を送信相手先に効率的に
送信することができる。音声以外の他のメディアに関し
ても同様のコードで送信帯域、主として送信の必要性の
有無を通知する。データチャネルのように状態が少ない
メディアに関しては使用するビット数を減らすことも可
能であり、この場合には空いた部分にパケット交換機の
データなどを穴埋めすることで、さらに効率向上が可能
になる。
【0059】上述の第5の実施例を示す図25におい
て、音声チャネル以外の他のメディアの中のパケット交
換機など待ち合わせのきくメディアを多重化する場合に
は、最初にそのメディアに必要な最低スループット分の
帯域を確保し、ついで音声多重の調停を行い、その後に
残った帯域をそのメディアに割り当てて回線の有効利用
を図ることもできる。この場合音声の要求帯域、アクテ
ィビティ(有音/無音、呼の状態)に応じて、上述のメ
ディアへの最低スループットの割り当てを可変にするこ
とも可能である。
【0060】次に第1〜第6の実施例において、音声の
符号化情報の廃棄が必要になった場合に過去の履歴、ま
たは各チャネルの優先度等に応じた廃棄の重みづけ情報
を考慮して廃棄を行う方法について説明する。まずチャ
ネル間で重みづけを変える方法としては、回線設定の段
階でチャネルによって異なる最低限の要求音質が保証可
能なように次式により収容回線数が決定される。
【0061】 W′≧Σ(Vmin −i ) ・・・・・・(7) そして実際の多重化に際しては次の(8) ,(9) 式を満足
するように伝送される音声符号化データ長Vi ′が決定
される。
【0062】 W′≧Σ(VDFi ×(Vi ′−Vs )) +ΣVs ×CDFi ・・・・・・(8) Vi ≧Vi ′≧Vmin −i ・・・・・・(9) (7) 〜(9) 式において用いられる記号の意味は第2、第
3の実施例におけるとほぼ同様であるが、最低限の音質
で伝送する場合に必要な符号化データ長Vminが、第1
〜第3の実施例では一定であるのに対して、本方式では
チャネル別の値Vmin −i となる点のみが異なってい
る。
【0063】図29は過去の廃棄の履歴からの現在の伝
送フレームに対する廃棄方法決定方式の実施例である。
同図において(1) に示したように、輻輳廃棄を起こした
場合には要求帯域への復旧が段階的に行われる。また
(2) で示されているように、輻輳時には無音から有音へ
の変化の際の帯域割り当てが低めにされる。なお図29
で矢印は帯域割り当ての決定タイミングを示している。
【0064】図30は本発明を適用する音声多重化シス
テムの実施例である。同図は図2のマルチメディア多重
化伝送システムの一部とほぼ同様であり、同じ部分には
同じ番号を付してある。電話機1から多重化装置9まで
の電話機、および内線系ではアナログ、またはディジタ
ル信号が用いられ、多重化装置9から中継伝送ネットワ
ーク10を経由して、多重化装置11までの中継トラン
ク系ではディジタル符号化伝送が行われる。
【0065】図31、図32は本発明における多重化装
置の基本構成と多重化ユニットの処理の基本例である。
図31は多重化装置を含む多重化伝送システムの構成図
であり、多重化装置40および41は伝送路42の両端
に接続されている。各多重化装置は各音声チャネルに対
応するコーデック(CODEC)43と多重化ユニット(MU
X/DMUX)44とから構成されている。
【0066】図32は多重化ユニットの処理の基本例で
ある。本発明においては、音声符号化情報が前述のよう
にコアビットと付加ビットとに分離されて伝送されるエ
ムベッデッド多重化方式が用いられる。コアビットは廃
棄を許容できない基本情報であり、付加ビットは多重化
ユニットにおいて複数の音声情報が輻輳した場合に廃棄
可能な冗長ビットである。付加ビットを廃棄すると当然
音質は低下するが、その場合でもコアビットは伝送され
るためコアビットの持つ音質は最低限保証される。
【0067】また付加ビットも輻輳時に段階的に廃棄さ
れるために輻輳の程度が低い場合には音質の低下も最小
限とすることができる。さらに通話中でない場合や通話
中の無音部分については無音声圧縮が行われ、伝送路へ
の送出を行われない。
【0068】図32において、チャネル3に対しては無
音声圧縮が行われ、そのコアビットも伝送されない。ま
た付加ビットは輻輳の状況に応じてその抑圧レベルが調
整され、チャネル2に対する付加ビットは全く伝送され
ないが、チャネル1とチャネル4に対する付加ビットは
伝送される。
【0069】次に本発明における統計的多重方式、すな
わち同じ伝送路に送出される音声チャネル間のアクティ
ビティ変動を利用した統計的多重方式における必要機能
を、図31,図32を用いて説明する。図32のフレー
ムフォーマットにおいて、ヘッダ情報の中に各チャネル
に対する伝送の有無や各チャネルの伝送情報の送信帯域
などが伝送される。
【0070】まず各音声チャネルのアクティビティ識別
方法とその通知経路について説明する。図31の多重化
装置40内のコーデック43のコーダ(CODER)はアクテ
ィビティ識別情報として呼接続状態の識別、有音/無音
の識別、送信要求の重みづけ情報の識別を行い、その結
果を多重化ユニット44のマルチプレクサ(MUX)へ
通知する。ここで呼接続状態はシグナリング情報のモニ
タによって識別し、有音/無音の状態は後述するボイス
ディテクタ(VDET)により識別し、また送信要求の
重みづけ情報としては、SN比を尺度として最大8レベ
ル/チャネル程度の情報を作成する。
【0071】多重化ユニット44内のマルチプレクサは
以上のような情報を基にして回線多重の調停を行う。調
停の結果、要求帯域よりも帯域が削減されることがあ
る。また符号器の情報は全てマルチプレクサへ送られ、
要求帯域以上の送信も場合によっては可能とする。回線
多重の調停後にマルチプレクサはコーダより渡された通
話呼の識別結果、有音/無音状態、およびマルチプレク
サでの調停結果の送信レベル(コード)を、例えば伝送
路42を介して送信相手先の多重化装置41内の多重化
ユニット44のデマルチプレクサ(DMUX)に通知す
る。
【0072】デマルチプレクサは受け取ったこれらの情
報を多重化装置41内のコーデック43のデコーダ、ま
たは次段中継用マルチプレクサにそのまま通知し、デコ
ーダはデマルチプレクサからの送信レベルの通知によっ
て渡される符号化データの大きさを認識し、廃棄発生を
この情報によって検出する。
【0073】本発明の統計的多重方式におけるその他の
必要機能としては、システムとしての中継交換機能、伝
送路の伝送誤りに対する対策、および伝送路の利用効
率、各チャネルに対する伝送品質の変動状況に関するモ
ニタ機能が必要となる。
【0074】以上のことから、エムベッデッド多重化の
導入時に必要となる機能は第1に音声伝送の冗長性の検
出機能であり、これは符号器において呼の使用の有無、
有音/無音を識別し、多重化ユニットへ必要な伝送帯域
を通知する機能である。
【0075】第2の機能はエムベッデッド多重化の調停
処理機能であり、これは多重化ユニット内のマルチプレ
クサにおいて不要な符号化情報を削除し、余った帯域を
他の音声チャネルへ融通する機能である。
【0076】第3の機能は廃棄情報通知機能であり、こ
れは多重化ユニット間でマルチプレクサが各チャネルの
伝送帯域を通知する機能であり、周期的に送出される固
定長フレームのヘッダ情報としてその内容が通知され
る。回線エラー対策としてヘッダに誤り訂正符号が付加
される。
【0077】第4の機能はロギング機能であり、マルチ
プレクサおよび外部コンソールによって実現され、外部
コンソールから回線の使用状況、各チャネルの音声品質
の変動状況が確認可能となる。
【0078】図33は音声符号器の実施例の構成ブロッ
ク図である。同図において音声符号器内では、例えば音
声信号の送受信に用いる4線に加えて、ダイヤルパルス
等のシグナリング情報の送受用の2本(SS/SR)を
加えた6線インタフェース45、SS,SR信号のモニ
タにより呼を検出するコールディテクタ(CDET)4
6、内部バスインタフェース送出用の多重化処理部(M
UX)47、送信用の内部バスインタフェース回路4
8、音声符号をディジタル信号に変換するアナログ/デ
ィジタル変換部49、廃棄を許さないコアビットと段階
的な廃棄を許す付加ビットに分離した音声符号を出力す
る符号器(CODER)50、およびA/D変換部49の出力
を用いて無音区間を検出するボイスディテクタ(VDE
T)51が送信用に用いられる。
【0079】一方、受信用には受信用の内部バスインタ
フェース回路52、内部バスインタフェース受信用の多
重化分離処理部(DMUX)53、符号化データを復合
する音声信号復合器(DECODER)54、音声の無音区間の
違和感を低減するための雑音挿入回路であるノイズミッ
クス部(NMIX)55、ディジタル/アナログ変換部
56、OD回線インタフェース57が用いられる。
【0080】図34,図35は有音/無音判定方式の概
要の説明図である。図34は、図33の音声符号器内で
音声の無音区間を検出するボイスディテクタ(VDE
T)51による有音/無音の判定に関係する部分を示し
ている。なおA/D変換器570は図33における変換
器49と56とを合わせたものに相当する。
【0081】図35は有音/無音の判定方法の説明図で
ある。音声検出器51はA/D変換器570により符号
化された音声データを一定の時間単位を区切りとして分
析し、その音声データ列を解析することにより、その区
間が有音であるか無音であるかを判定する。
【0082】図36は有音/無音判定処理の実施例の説
明図である。同図において、送信音声信号から直流オフ
セットを除去するためにハイパスフィルタ(HPF)5
80に音声信号が入力され、高周波信号に対して2つの
処理が行われる。
【0083】第1の処理においては、581で入力信号
に対する電力計算が行われ、582でその電力が閾値以
上であるか否かが判定され、閾値以上の場合には状態判
定部585によって有音と判定される。
【0084】第2の処理では一定時間、すなわち1フレ
ームのデータが数個のサブフレームに分割された各サブ
フレーム毎に零交差数、すなわち信号が0レベルを通過
する回数が583でカウントされ、584で閾値と比較
されて、零交差数が閾値以上の場合に状態判定部585
によって有音と判定される。
【0085】すなわち、第1の処理、または第2の処理
のいずれかにおいて有音と判定された場合には、判定結
果は有音となるが、第1の処理による判定は大きな音を
有音とする意味を持ち、また第2の処理は「か」または
「さ」というような無声音で始まることば、すなわち音
は小さいが高い周波成分を持つ言葉の語頭を検出する意
味を持つ。
【0086】以上図33から図36の説明では、無音検
出を音声符号器内のボイスディテクタが行うものとした
が、この有音/無音の判定を図31,図32における多
重化ユニット44が行うことも可能である。この場合に
は多重化ユニットが符号化情報を理解し、音声の無音状
態を識別することになる。一番簡単な実現方法は、多重
化ユニット内に音声符号器の復号化部と前述のボイスデ
ィテクタを内蔵し、符号化情報を一旦復号し、音声符号
器内で行われるのと同様に無音検出を行うものである。
【0087】次に図18〜図20で説明した伝送方式の
第2の実施例における要求帯域判定部33の実現法につ
いて説明する。要求帯域判定部33は、前述のように音
声符号器30よって兼用することも可能である。本発明
において用いられる音声符号器は符号化部、復号化部と
が同期して予測器を動かす予測符号化を用いており、符
号化部においては入力信号と予測器の予測結果の差分
(予測誤差)を量子化する処理が行われている。
【0088】このような原理の符号器では、符号化部で
復号化部が再生する信号と等価な信号を容易に生成可能
であり、これを行うものは一般にローカルデコーダとい
われる。そこで符号器側で一定サンプル毎に入力信号と
ローカルデコーダによる再生信号との誤差電力を計算
し、それを入力信号電力で割ったセグメンタルSNRと
呼ばれる値を伝送される帯域レベル分全て計算し、一定
のSNR値を満足する最低帯域レベルを伝送要求帯域と
判定する。このセグメンタルSNRと送信帯域レベルと
の関係については後述する。
【0089】これに対して、音声符号器と独立して要求
帯域判定部を設ける場合には、その処理は無音検出器と
類似の処理となる。すなわち、前述のボイスディテクタ
は単純な1/0の判定を行うものであるが、この判定を
レベル分けし、それぞれに対応する帯域を要求帯域と判
定することによって実現される。例えば完全な有音、灰
色の有音、灰色の無音、完全な無音と4レベルに分ける
ような判定を行うことができる。また多重化ユニットに
よって要求帯域を判定する場合には、前述の無音検出と
同様に多重化ユニット内で音声復号処理を行った上で、
音声符号器による判定と同様の処理を行うことで実現さ
れる。
【0090】図37,図38はエムベッデッドADPC
M符号化方式の説明図である。図37は通常のADPC
M符号化方式の構成ブロック図である。この図は従来の
高圧縮符号化方式の例であり、入力音声情報に対して
は、減算器590によって予測器593の出力との差分
が取られ、その差分が量子化器591によって符号化さ
れ、符号化情報として出力される。また符号化情報は逆
量子化器592によって適応予測のために予測器593
に入力される。この方式は送信側と受信側の同期動作を
前提としており、データ廃棄が発生した場合には無音化
処理を必要とする。
【0091】図38はエムベッデッドADPCM符号化
方式のブロック図である。同図を図37の通常のADP
CM方式と比較すると、量子化器591の出力であるコ
ア情報と付加情報の和としてこの符号化情報からビット
削除部594により付加ビットが削除され、削除された
結果としてのコアビットのみが逆量子化器595を介し
て予測器596に入力される点が異なっている。すなわ
ち予測器596を通る予測信号を生成する内部ループは
コアビットのみで回っており、実際にADPCM符号化
を行っているビットはコアビットのみとなる。前述の
「差分情報を用いたコア情報部の圧縮符号化」とはこの
内部ループを意味し、またコア情報での予測値は予測器
596の出力を意味する。
【0092】このエムベッデッドADPCM符号化方式
において、送信側の量子化器591はコアビット+付加
ビットのビット数に対応する分解能を持っている。また
逆量子化器595はコアビット数だけの分解能を持って
いる。
【0093】これに対して、受信側では受信される付加
ビット数に応じて分解能が向上する逆量子化器を持ち、
それによって復号化が行われる。このことは等価的には
付加ビットは単にPCM符号化されているということを
意味する。言い換えれば、コアビットは符号化部と復合
化部で同じ予測ループを回る差分符号化を行っているの
に対し、付加ビットは予測ループには使われていないた
めに単純なPCM符号化されているということになる。
【0094】図39は多重化装置内の音声・データの転
送経路の説明図である。この図によって音声チャネルの
アクティビティ識別方法とその通知経路等について説明
する。まずからでPBX60から音声LS(ライン
セット、端末収容部)61に、例えばアナログ信号とし
ての音声情報と10PPSのダイヤルパルスとしてのシ
グナリング情報が与えられ、これらの情報を基に音声信
号の高圧縮符号化、例えば 0.4Kbpsでのサンプリングに
よるシグナリング情報の2値符号化、および音声のアク
ティビティ検出が行われる。
【0095】音声のアクティビティとしては、前述のよ
うにシグナリング情報のモニタによる通話呼の識別、ボ
イスディテクタによる有音/無音の識別、コーダがSN
比を尺度にして作成する送信要求の重みづけ情報の3種
類がある。シグナリング情報のモニタによる通話呼の識
別方法は図21〜図23で説明した通りである。
【0096】次にからで、音声LS61からMUX
64に検出されたアクティビティ情報が後述するコード
形式(Ri コード)を用いてからの中継交換ユニッ
ト(EXU)62,63を経由して通知される。
【0097】MUX64は各チャネルに対応して渡され
たアクティビティ情報(Ri コード)に基づいて回線多
重の調停を行い、その結果を3ビットコード形式でDM
UXに通知する。後述するように送信帯域割り当てコー
ドは計4ビットであるが、残りの1ビットはシグナリン
グ情報の伝送圧縮に使用される。この場合、通話呼と有
音/無音状態の識別は音声LS61から渡された情報を
使用し、送信レベルはMUXでの調停結果によって決定
され、から 外1 の回線65,66を経由
【0098】
【外1】
【0099】て 外2 で受信側MUX′64に送られ
る。
【0100】
【外2】
【0101】受信側のMUX′内のDMUXは、調停結
果に基づく伝送情報を 外3 から
【0102】
【外3】
【0103】外4 で、 外5 〜 外6 のEXU6
2,63経由で音声LS61、また
【0104】
【外4】
【0105】
【外5】
【0106】
【外6】
【0107】は次段中継用MUXへ送る。音声LS61
はDMUXから送られるアクティビティ情報を基にし
て、送信元の音声LSから渡される音声の符号化情報の
大きさを認識し、その認識結果に基づいて音声の復号処
理を行う。この時中継段による廃棄の発生の有無もこの
情報によって検出される。そして復号結果を外7 から
【0108】
【外7】
【0109】外8 でPBX60に送る。
【0110】
【外8】
【0111】なお、図31,図32におけるCODEC
43は図39では音声LS61内に位置し、図33の音
声符号器は音声LS61の中身に相当する。
【0112】多重化装置内には複数のMUX64を制御
するノード制御部67があり、このノード制御部には各
音声チャネルに対する符号器の性質に依存する、付加ビ
ットの廃棄に対する音質劣化の性質を考慮した多重化パ
ラメータが予め記憶され、システム立ち上げ時にそのパ
ラメータがMUX64に設定される。このパラメータ
は、例えば無音から有音に復旧するときにコアビットだ
けを送っても音質劣化が少ないなどの符号器の性質に基
づくものである。さらに多重化装置内には、データチャ
ネル用のデータLS68、パケット交換機70用のイン
タフェース69が設けられている。
【0113】ここで図25の伝送方式の第5の実施例に
おける有効情報検出部39の実現法について説明する。
ここでは単純に多重化処理フレーム周期内のデータがオ
ール‘1’の時に無効と判定し、そのフレーム中のデー
タを送信しないというフラグ(後述するアイドルフラ
グ)のみを受信側に伝送し、受信側ではアイドルフラグ
により送信の有無を確認して、無送信のフレームに対し
てはオール‘1’の情報を生成するとい手順で不要な情
報の送信抑圧を行う例を用いて説明する。
【0114】図39において、有効情報検出部はデータ
LS68、または多重化ユニット64のいずれかに組み
込まれる。データLS68で検出する場合には、多重化
処理フレーム1、周期分のデータを1度メモリ、または
シフトレジスタに書き込み、書き込まれた値が全て
‘1’か否かを判定するコンパレータを設けることによ
り実現できる。あるいはデータLS68にプロセッサを
搭載し、多重化処理フレーム1周期分のデータが全て
‘1’か否かを判定させる方法によっても実現可能であ
る。
【0115】次に多重化ユニットで検出する場合には、
データLS内と同様に、メモリまたはシフトレジスタと
コンパレータをデータチャネル数分持たせて検出する
か、あるいは後述する図45のプロセッサ77によって
ソフト的に判定するかのどちらかを取ることができる。
後者の方法を用いる方がハードウェア規模が小さくな
る。
【0116】図40は送信帯域割り当てコードの実施例
である。同図において送信帯域割り当てコードは4ビッ
トであるが、音声チャネルに対してその下位3ビットが
コード化された送信帯域情報(RI2〜RI0)の送信
に用いられ最上位ビットb3はシグナリング伝送フラグ
の送信に用いられる。このシグナリング伝送フラグはシ
グナリング情報の伝送時に1、圧縮時に0とされる。シ
グナリング情報が変化したフレームに対してのみシグナ
リング情報が伝送され、変化しない場合には受信側のD
MUXが最後に受信したシグナリング情報を音声チャネ
ルに出力する。
【0117】データチャネルに対しては、最上位ビット
にリモートシグナリング(RS)信号伝送フラグが伝送
時1、圧縮時0として伝送される。その意味はシグナリ
ング伝送フラグと全く同様である。最下位ビットb0に
はアイドルフラグがデータ領域の伝送の必要性の有無を
示すものとして送信され、その値は伝送時には1、圧縮
時には0とされる。さらに中間のビットb1とb2に
は、パケット交換機からのデータが詰め込まれる。
【0118】図41は送信帯域情報のコードテーブルの
実施例である。同図において、調停の結果多重化されて
送信される各音声チャネルに対する送信帯域情報RI2
〜RI0が音声呼の切断中、無音時、及び有音時(6段
階)に応じて3ビットのコードに変換されて伝送される
ことになる。そして送信レベルは、例えば2kbps毎にレ
ベル1からレベル7までに対応するものとなる。
【0119】次に、前述のように例えば音声符号器で、
ローカルデコーダによりセグメンタルSNRを用いて送
信要求レベルを決定する場合の判定アルゴリズムを図4
1のレベルと関連させて説明する。
【0120】この判定アルゴリズムにおいては、まず第
1に多重化フレーム周期毎に各送信帯域レベル2〜7に
対応するセグメンタルSNR、すなわちSNR(2)〜
SNR(7)が計算され、次にSNR(2)から順番に
レベルに対応して、SNRの判定閾値SNR(TH)、
例えば25dBとの比較によって閾値より大きいものが見つ
かった時点でそのレベルが送信帯域要求レベルとされ
る。レベル7まで比較した時点で、全てのセグメンタル
SNRが閾値SNR(TH)よりも小さかった場合に
は、レベル7が送信帯域要求レベルとされる。
【0121】図42は64kbps回線に多重された回線上の
シリアルデータの実施例である。同図において1フレー
ムは 640ビットで構成され、その伝送時間は10msであ
る。そしてその 640ビットは 160ビットずつの4つの相
0〜3相に分けられ、1ビットの伝送時間は15.6μs で
ある。
【0122】図43,図44はフレーム構成の実施例で
ある。図43はフレームの全体構成を示し、1フレーム
は0〜3の4つの相からなり、各相の先頭11ビット、合
計44ビットはヘッダ部として、また各相の12ビット目か
ら最終ビット、すなわち 160ビット目までの合計 596ビ
ットがデータ多重部として用いられる。
【0123】図44はヘッダ部の構成を示す。同図にお
いて、ヘッダ部は0〜3の各相に対してそれぞれ11ビッ
トであるが、最初のビットのF1〜F3はフレーム同期
パターンとして用いられ、またSENDは対装置警報ビ
ットとして用いられる。各相の第2ビット目から第9ビ
ット目まで、合計32ビットは8チャネルの多重時にはそ
れぞれ4ビットずつの送信帯域割り当てコードRi (#
k)、またはパケット交換機よりのパケットPKTの伝
送に用いられる。各相の第10ビットと11ビットは、送信
帯域割り当てコードRi (#k)に対する誤り訂正符号
ECCの格納領域とされる。
【0124】図45は多重化ユニットの実施例の構成ブ
ロック図である。同図において、多重化ユニットは各チ
ャネルとのインタフェースとしてのバスインタフェース
回路71、回線インタフェースとしてのバスインタフェ
ース回路72、各チャネルからの送信依頼情報が入力さ
れ、多重化フレーム情報が出力されるツーポートRAM
73、ツーポートRAM73に対する書込制御部74、
プログラムやデータを格納するRAM75、パケットチ
ャネル用の入力インタフェース回路76、多重化及び分
離処理用の演算処理プロセッサ77、パケットチャネル
用の出力インタフェース回路78、受信データ用のツー
ポートRAM79、ツーポートRAM79に対する書込
制御部80、各チャネルからの送信依頼情報を多重化周
期に同期させるためのバッファ回路としての多重化フレ
ームアライナー部82、又、その周期タイミング検出回
路としてのMSYNC部83、MUX間のフレーム同期
確立回路としてのフレームアライナー81及びフレーム
タイミング検出回路としてのSYNC部84から構成さ
れている。
【0125】図39においてノード制御部67は各多重
化ユニット64に前述のように多重化パラメータを設定
するが、この設定は各多重化ユニット64のパッケージ
に対する制御バスを通じて行われる。
【0126】図45においては、そのような制御バスは
省略されているが、具体的には例えばプロセッサ77の
メモリバスにノード制御部67からの設定情報が書き込
まれるレジスタを接続し、多重化プログラムを実行中の
プロセッサ77が必要に応じてそのレジスタの内容をリ
ードするという構成方式が考えられる。
【0127】図46は多重化ユニットの概略処理実施例
のフローチャートである。同図において、S85で処理
待ちタイムアウト用のタイマが起動された後に多重化
(MUX)処理が行われる。多重化処理ではS86で各
チャネルの送信依頼情報が受信、すなわち図45のツー
ポートRAM73から読み出され、S87で音声チャネ
ルの帯域調停処理が行われ、S88で送信帯域割り当て
コード(Ri コード)が作成され、S89で誤り訂正符
号が、S90で伝送路フレームが作成され、S91で伝
送路フレームの送信、すなわちツーポートRAM73へ
の書き込みが行われる。
【0128】受信データの分離(DMUX)処理におい
ては、S92で伝送路フレームが受信、すなわち図45
のツーポートRAM79から読み出され、S93で誤り
訂正符号を用いた訂正処理が行われ、S94で伝送路フ
レームが各チャネル別のデータに分解され、S95で各
チャネルへの受信情報と送信帯域割り当てコード(R i
コード)の通知フレームが作成され、S96で各チャネ
ルへの受信通知フレームが送出、すなわちツーポートR
AM79へ書き込まれ、S97で次の処理周期までのタ
イマが張られる。
【0129】なお、S87における帯域調停処理は図4
5のプロセッサ77によって行われる。調停処理のプロ
グラムはRAM75に格納されるか、あるいはプロセッ
サ77にマスクROMとして内蔵される。
【0130】図47は処理周期の説明図である。処理周
期Tは例えば5msまたは10msなどの一定値とされ、この
一定周期毎にタイマのタイムアウトが起こる。そしてこ
の周期の中で多重化(MUX)処理と分離(DMUX)
処理とが行われ、残りの時間がアイドル、すなわちタイ
マのタイムアウト待ち状態となる。
【0131】図47、図48は多重化時の帯域調停処理
の第1の実施例のフローチャートである。同図47、図
48は図16、図17の伝送方式の第1の実施例、図1
8〜図20の第2の実施例、および図21〜図23の第
3の実施例等に対応する帯域調停処理である。ここでは
図13,図14で説明したように処理周期Tの間におけ
るサイド情報は10ビット、コア情報は20ビット、合計コ
ア情報部は30ビットであり、付加情報部は10ビットずつ
計50ビットからなるものとする。
【0132】伝送路速度は64kbps、多重化フレーム生成
周期Tは5ms、収容チャネル数は8チャネルとし、フレ
ームフォーマットとしてはフラグビット4ビット、送信
帯域割り当てコード4×8ビット=32ビット、誤り訂正
符号ECC8ビット、シグナリング情報2×8ビット=
16ビットを除いて、音声チャネルへの割り当て可能ビッ
ト数BWは 260ビットであるとする。また最低限の音質
で音声を伝送する時に必要な符号化データ長Vmin は30
ビットとする。
【0133】すなわち、実際に送信される各チャネルの
音声符号化データ長Vi ((1) 式のVi に相当する)の
初期値(要求帯域)は図15〜図17の第1の実施例で
は無音時に10ビット、有音時に80ビットの2つのレベル
のみ、図18〜図20の第2の実施例では無音時には10
ビット、有音時には30〜80ビットで可変、図21〜図2
3の第3の実施例では呼断時は0ビット、呼接続時で無
音時は10ビット、有音時では30〜80ビットで可変とされ
る。
【0134】図48で処理が開始されると、まずステッ
プS100で各チャネルの音声符号化データ長の初期
値、例えば各音声チャネルからの要求帯域Vi の総和が
8つのチャネルに対して取られ、S101でその総和が
音声チャネルへの割り当て可能ビット数BW、ここでは
260ビットから差し引かれてLBWが求められる。そし
てS102でLBWの値が正か0であるか否かが判定さ
れ、正か0である場合には要求帯域が全て満足されるこ
とになるので、調停を行うことなく処理を終了する。
【0135】S102でLBWが負である場合には帯域
が不足していることになるので、まずS103であるチ
ャネルj、例えば前回のフレーム送信時に調停によって
最後に廃棄されたビットを含むチャネルの次のチャネル
に対する音声符号化データ長が、最低限の音質で伝送す
る場合の符号化データ長Vmin より小さいか等しいか否
かが判定される。Vmin より小さいか等しい場合にはそ
のチャネルに対するデータをこれ以上廃棄できないため
に、S105でjの値が歩進され、S100からの処理
が繰り返される。
【0136】S103でVj がVmin より大きい場合に
はS104でそのチャネルに対する音声データが10ビッ
ト廃棄され、S105でjの値が歩進された後、S10
0以降の処理が繰り返される。そしてS102でLBW
が0か正となった時点で全て処理が終了する。
【0137】図49では図48のフローチャートを用い
た調停の実施例である。図49において、T=1〜15は
多重化フレーム作成時の調停タイミングを示している。
まずT=1ではチャネル1から8の全てのチャネルから
の要求帯域は全て10ビット、すなわち無音状態に相当
し、各チャネルに要求通りの10ビットがそれぞれ割り当
てられる。
【0138】T=2においては各チャネルからの要求帯
域は全て50ビットであり、その合計400ビットは前述の
BW 260ビットより大きいために、データの廃棄が必要
となる。例えば廃棄をチャネル1から開始するものとす
れば、まずチャネル1からチャネル8までについてそれ
ぞれ10ビットが廃棄される。さらにチャネル1からチャ
ネル6までもう一度10ビットが廃棄される。これによっ
て計 140ビットが廃棄され、調停が終了する。
【0139】T=3以降においては同様にして調停が行
われるが、T=3では音声データの廃棄はチャネル7、
すなわちT=2で最後のデータが廃棄されたチャネル6
の次から開始され、チャネル7と8およびチャネル1〜
チャネル4に対しては合計40ビット、チャネル5とチャ
ネル6に対しては合計30ビットが廃棄されて調停が終了
する。
【0140】以下、同様にして調停が行われるが、T=
7および8においてチャネル8に対して廃棄が30ビット
で止められているのは30ビットがコアビットであるから
であり、またT=9でチャネル8に対して廃棄が行われ
ないのは無音時のサイド情報を捨てないためである。
【0141】図50,図51は帯域調停処理の第2の実
施例のフローチャートである。図50,図51は、図2
9で説明した過去の廃棄履歴から現在の伝送フレームに
対する廃棄方法を決定する処理の実施例である。図5
0,図51においてコア情報部、付加情報部、収容チャ
ネル数、音声チャネルへの割り当て可能ビット数等は全
て図48における第1の実施例と同様のものとする。
【0142】図51,図51で処理が開始されると、ま
ずS106でチャネルの番号を示すiが1とされ、S1
07で廃棄モードの更新処理として後述するサブルーチ
ンDISCMD(ディスカードモードリニューアルサブ
ルーチン、廃棄モード更新サブルーチン)が実行され、
その後S116でiの値が歩進され、S117でiの値
が8より小さいか否かが判定され、小さい場合にはS1
07からの処理が繰り返される。
【0143】図52は図50,図51におけるS10
7、すなわち廃棄モード更新処理実施例のフローチャー
トである。図53〜図55は図50,図51のフローチ
ャートを用いた調停の実施例であり、また図56は図5
0,図51のフローチャートによる帯域調停処理におけ
る各変数の値の関係の実施例である。図50,図51、
および図52のフローチャートを図53〜図55および
図56の実施例を用いて説明する。
【0144】図53は第1の調停実施例に対する図49
と同様の図であり、T=1〜15の各調停タイミングに
おいて各チャネルに対する要求帯域と調停処理の結果割
り当てられた帯域とを示している。各調停タイミングに
おける各チャネルに対する表示の第1行は左側が要求帯
域、右側が割り当て帯域である。また第2行の最も左側
は後述する廃棄モードフラグDF(ディスカードモード
フラグ)、中央は廃棄ダメージ変数DMG(ダメージフ
ァクター)、最も右側は最低割り当て帯域に対する余裕
度GAP(ギャップファクター)を示す。これらについ
ては後に詳述する。
【0145】チャネル1〜チャネル8に対するこれらの
調停結果の右側に、全体としての要求帯域と割り当て帯
域とが示されている。要求帯域のうち右側は各チャネル
に対する符号器からの要求の合計であり、左側は後述す
る廃棄モードを考慮した要求帯域の合計である。
【0146】例えばT=1においては、各チャネルに対
する符号器からの要求合計80ビットと廃棄モードを考慮
した要求帯域の合計とは一致しているが、T=2では図
29の(2) で説明したように無音状態から有音への復旧
を行うために帯域の割り当てが低めにされる。ここでは
有音復旧直後、すなわちT=2での各チャネルに対する
割り当てをコア情報部30ビットのみとするために、各チ
ャネルからの要求帯域をコア情報そのもの30ビットとみ
なして、合計は 240ビットとなっている。
【0147】図53における廃棄モードフラグDF、廃
棄ダメージ変数DMG、および最低割当帯域に対する余
裕度GAPは、図50,図51および図52の処理を経
て、調停処理が行われた後の値を示す。なお、GAP=
9はGAPが負の値となっていることを示すものであ
る。これらの値の決定について図54を用いてフローチ
ャートの処理と共に説明する。
【0148】図54は調停タイミングT=1から11に
対するあるチャネルの符号器からの要求に対して、実際
にどれだけの帯域が割り当てられるかを示している。な
おここでのチャネルは図53内のある1つのチャネルに
相当するものである。
【0149】図54の調停タイミングT=1において、
図50、図51のS107で廃棄モードの更新処理が行
われる。すなわち、図41のS108で要求ビットVi
=80ビットを用いてGAPが求められる。ここで最低限
の音質で音声を伝送するのに必要な符号化データ長Vi
min は図48におけると同様に30ビットとする。その結
果GAPは5となり、次にS109で要求ビットVi
i min より小さいか否かが判定される。
【0150】この場合にはVi の方が大きいので、S1
10で廃棄モードフラグが0であるか否かが判定され
る。ここで廃棄モードフラグDFは廃棄時には1、非廃
棄時には0となるフラグである。この場合は最初の調停
タイミングであり、まだ廃棄モードに入っていないもの
とすれば、そのフラグの値は0のままで、廃棄モード更
新処理は終了して図50,図51のS116に移行す
る。S117で8つのチャネルに対する廃棄モード更新
処理が行われたと判定されると、S118以降の処理に
移行する。
【0151】図50、図51のS118からS124ま
での処理は、第1の調停処理実施例を示す図48と本質
的に同様の処理を行うためのものである。すなわち、各
チャネルからの要求に対して、その合計が音声チャネル
への割り当て可能ビット数BWより大きい場合に調停処
理によって各チャネルの帯域が10ビットずつ廃棄され、
LBWの値が0か正となった時点でS125の処理に移
行する。ただし図48と異なりS122で10ビットが廃
棄されたチャネルに対しては、S123で廃棄ダメージ
変数DMGの値が歩進される。
【0152】図50、図51のS125でチャネルの番
号iが1とされた後に、S126でDMGの値が正であ
るか否かが判定される。図54のT=1の時点では調停
処理が開始されたばかりであり、この時DMGの値が0
であるとすればS127を経由することなく、S128
でDMGの値が0であるか否かが判定される。ここでは
次にS129で廃棄モードフラグDFが0とされ、S1
31でチャネル番号iの値が歩進されS132でiが8
より小さいか否かが判定され、8より小さい場合にはS
126からの処理が繰り返され、8に等しくなった時点
で処理が終了する。ここではS118からS124にお
ける処理で、このチャネルに対する要求ビットが全く削
減されなかったとしており、その結果このチャネルへの
割り当てビットVi ′は80ビットとなる。
【0153】図54の調停タイミングT=2では無音区
間となり、要求ビットは10ビットとなる。その結果、図
52のS108においてGAPの値は−2となり、また
S109で要求ビットがVi min より小さいものと判定
され、S114で無音から有音への変化履歴を参照する
か否かが判定される。ここでは図29の(2) で説明した
ように無音状態から有音へ変化する際の帯域割り当てを
低めにするために、S115でDMGの値が変更され
る。ここでVi max の値を80ビットとするとDMGの値
は6となり、図50,図51のS116の処理に移行す
る。
【0154】図50,図51のS118からS124の
処理において、このチャネルに対する割り当てビットは
要求ビットより削減されることがなく、S126でDM
Gが正であるか否かが判定される。この時点ではDMG
は6となっており、S127でその値が1だけ差し引か
れ、S128でDMG=0でないと判定され、S130
で廃棄モードフラグDFが1とされることになる。なお
S127で決定されたDMGの値が図54における次回
DMGの値である。
【0155】調停タイミングT=3における処理はT=
2における処理と同様である。T=4で要求ビットが80
ビットとなると図52のS108におけるGAPの値は
5となり、S109,110の処理を経てS111でG
APとDMGとが比較され、この場合はGAPと前回の
DMGとが等しいために、S112の処理を経てS11
3でVi が30ビットにされた後に、図50,図51のS
116の処理に移行する。
【0156】図50,図51のS118からS124の
処理においては、すでにVi が30ビットとなっているた
めにそれ以上の廃棄はおこわれず、S125,126の
処理を経てS127でDMGが4とされ、S130でD
Fが1とされ、このチャネルに対する処理を終了する。
【0157】T=5以降においても要求ビットは全て80
ビットであるが、T=8までは割り当てビットが10ビッ
トずつ増加されるのみで、T=9において最終的に要求
ビットと割り当てビットとが一致する。すなわちT=
2、および3の無音区間に対してT=4〜8は廃棄履歴
を引きずる期間である。この期間ではDMGの値が1ず
つ減少していき、その値が0となった時点で廃棄履歴を
引きずる期間が終了する。すなわちDMGという変数は
過去の廃棄発生の度合いを次のフレーム以降に伝えて行
くためのものである。
【0158】図55は輻輳廃棄が起こった場合のその履
歴の引きずりを説明する図である。すなわちT=1にお
いては、(b) のT=1と同様に要求ビットがそのまま割
り当てられるが、T=2では80ビットの要求に対して図
52のS108でGAPの値が5とされた後に、図52
ではビットの廃棄が行われず、図50,図51のS11
8からS124までの処理で輻輳のために40ビットの廃
棄が行われ、割当てビットが40ビットになったものとす
る。この時DMGの値は、前回DMG=0に対して、S
123で40ビットの廃棄に対して4加算され、DMGは
4となる。これが最終DMGである。そしてS127で
1引かれた後のDMG=3が次回DMGの値となる。
【0159】T=3以降においても要求ビットは常に80
ビットであるが、T=3,4および5においては、次回
DMGが1ずつ引かれながら次のタイミングに伝えられ
るために、T=3〜5においては割り当てビットが10
ずつ増加され、T=6において要求ビットがそのまま割
り当てビットとなる。
【0160】図56は、要求ビットと前回のDMGの値
に応じて、図50,図51のフローチャートにおける各
変数がどのように決定されるかを示す例である。図5
0,図51においては縦の欄のみが意味を持ち、横の並
びは全く無関係である。
【0161】まず最も左側の場合には要求ビットが40ビ
ット、前回のDMGが0の時であり、GAPは図52の
S108で1となる。図56では廃棄モードフラグDF
が全て1となっていたものと仮定すると、S111でG
APとDMGが比較されるがここではGAPがDMGよ
りも大きいために、DMGの値は変化せず0のままであ
る。この値が図56におけるGAPの下に示されたDM
Gの値である。そしてVi の値は変化することなく、図
50,図51のS116の処理に移行する。この時のV
i の値が新Vi である。
【0162】その後図50,図51のS118〜124
において輻輳廃棄が行われるが、この輻輳廃棄において
ここではこのチャネルに対して割り当て可能なビット数
が40ビットであるものと仮定したが、この値が実Vi
して示されている。その結果要求ビットは廃棄されるこ
となくそのまま最終Vi 、すなわち割り当てビットとな
り、最終DMG、次回DMGおよびDFは全て0とされ
て処理が終了する。
【0163】左側から2番目の欄は要求ビットが40ビッ
トであるが前回DMGが2となっている場合である。こ
の時には図52のS108でGAPが1とされ、S11
1でDMGがGAPより大きいためにS112でDMG
が1とされ、S113でVi すなわち新Vi が30ビット
とされて、図50、図51のS116の処理に移行す
る。前述のようにS118から124の処理において輻
輳に対する割り当て可能ビットはこのチャネルに対して
40ビットであるものと仮定しているが、すでにV i は30
ビットとなっているのでその値が最終Vi となり、S1
25以降の処理に移行する。そしてS127でDMGの
値が0とされ、これが次回DMGとなり、またDFの値
も0となる。
【0164】左側から5番目の欄においては要求ビット
70ビットに対して前回DMGが2となっているために、
図52のS113で新Vi の値が50ビットとされた後
に、図50,図51のS118以降の処理において輻輳
廃棄が行われる。前述のようにこのチャネルには40ビッ
トしか割り当てられないためにS122で10ビットが廃
棄され、S123でDMG、すなわち最終DMGが3と
される。その後S127でDMGの値が2とされ、その
結果DFは1となり、処理を終了する。
【0165】図48から図56で説明した帯域調停処理
においては、過去の廃棄履歴をどのように引きずるかが
問題となる。この廃棄履歴の引きずり方のモード設定
は、図39においてノード制御部67によって各多重化
ユニット64に設定される多重化パラメータの内容の一
部である。
【0166】この廃棄履歴の引きずり方のモードとして
は、第1に廃棄履歴を引きずらないモード、すなわち図
48の調停を行うモード、第2に廃棄履歴を引きずり、
1回の調停毎に1段階ずつ復旧させるモード、すなわち
図50、図51の調停を行うモードに加えて、例えば第
3のモードとして5回の調停毎に1段階ずつ復旧させる
モードを考えることができる。このモードでは、図51
におけるS127のDMGi の減算処理が5回に1回行
われることになる。
【0167】図57は本発明の高能率ディジタル多重化
伝送方式を用いるパケット交換網の実施例の基本構成ブ
ロック図である。図57において、多重化装置は図31
におけると全く同様の構成であり、多重化装置135と
パケット網137a、およびパケット網137aと多重
化装置136の間にはパケットの組み立てと分解を行う
パケットインタフェース部(PAD)140があり、多
重化フレームとパケットとの変換が行われる。
【0168】図58は図57におけるパケットインタフ
ェース部140の実施例の構成ブロック図である。図5
8において、多重化部側からのパケットにはヘッダ付加
部141によってパケットヘッダが付加され、パケット
に組み立てられた後に速度吸収バッファ142を介して
パケットはパケット網側に出力される。またパケット網
側から入力されるパケットは、到着揺らぎ吸収バッファ
143によってパケット交換の揺らぎが吸収され、ヘッ
ダ除去部144によってパケットヘッダが除去され、多
重化フレームとされて多重化部側に出力される。
【0169】図59は図58の速度吸収バッファ142
の作用の説明図である。図58において、MUX側から
速度V1 で入力される多重化フレームにヘッダ付加部1
41によってヘッダが付加されるために、パケット網側
への送信速度V2 はV1 と同じにはならず、一様の速度
で転送する場合にはV2 の方がV1 より大きくなる。こ
の速度差を吸収するのが速度吸収バッファ142であ
る。なおパケット網側への転送を、パケットが溜まって
転送可能となった時点でバースト的に行う方法もある
が、このような場合には速度吸収バッファ142は転送
待ちバッファとして用いられる。なお図59は一様速度
での転送状態を示している。
【0170】図60は同じく図58における到着揺らぎ
吸収バッファ143の作用の説明図である。送信側から
パケット網に対して一定速度でパケットが送出されて
も、受信側に到着するパケットの到着遅延時間は一定で
なく、バラつきを持っている。その到着遅延時間のバラ
つきを吸収するのが到着ゆらぎ吸収バッファ143であ
り、このバッファからヘッダ除去部144への出力は一
定速度となる。
【0171】図61(a),(b) はパケットフォーマットの
実施例である。図61(a) においてはそれぞれの多重化
フレームにヘッダ部が付加されるだけでそのままパケッ
トとされ、パケット網側に出力される。図61(b) にお
いては各多重化フレームが複数のパケットに分割され、
それぞれのパケットにパケットヘッダが付加され、その
ヘッダには多重化フレームの再組立用の識別子などが挿
入されて、パケット網側に出力される。
【0172】図61(a) において、例えば多重化フレー
ム周期は5ms、多重化フレーム長は48バイトであり、パ
ケット網側への実行スループットは76.8kbpsとなり、ま
たパケットのフォーマットはATMセルのフォーマット
としてヘッダ部5バイト、データ部48バイトである。
【0173】また図61(b) において、例えば多重化フ
レーム周期は5ms、多重化フレーム長は96バイトであ
り、パケット網側への実行スループットは153.6 kbpsと
なる。またパケットのフォーマットは、図61(a) と同
じくヘッダ部5バイト、データ部48バイトである。ここ
では多重化フレームが分割されて送信されるが、多重化
ユニットは多重化フレームの同期を取る機能を持ってお
り、受信側のパケットインタフェース部はフレームの組
立を行う必要はなく、データ部に余分な制御ビットを付
加する必要はない。
【0174】図62は帯域分割符号化時(図26,図2
7)の送信帯域情報のコードテーブルの実施例である。
この送信帯域コードは、各チャネルに対して例えば4ビ
ットとされ、その下位3ビットRI2〜0が送信側のマ
ルチプレクサ(MUX)と受信側のデマルチプレクサ
(DMUX)間で送信される。上位1ビットは、例えば
後述する廃棄モードの通知などに用いられる。
【0175】図26,図27に示したように、サイド情
報を分割された各帯域の情報と別にすれば、各帯域B1
〜B4に対する各廃棄レベルにおける送信ビット数はカ
ッコ内の数字で示される。例えば廃棄レベル1に対して
はB1〜B4に対して送信ビット数は全て5であり、こ
の時の送信レベルは40kbps、送信帯域情報コードは11
0であり、廃棄レベル5に対してはB1〜B3に対して
は送信ビット数は2、B4に対しては0となり、送信レ
ベルは12kbps、コードは010となる。
【0176】図63は帯域分割符号化を行う多重化装置
における多重化処理の実施例フローチャートである。同
図において、S(ステップ)170で各音声チャネルに
対する最低帯域、すなわちVmin が設定される。この最
低帯域は各チャネルの番号jによって異なるものとし、
また過去の廃棄履歴を反映させるために、無音状態から
有音状態に変化したチャネル、および前回の廃棄レベル
が5であったチャネルに対する最低帯域は廃棄レベル5
とされ、また前回の廃棄レベルが1〜4のチャネルに対
しては廃棄レベル4とされる。
【0177】次にS171で音声の要求帯域の計算、す
なわち例えば図13,14において付加ビット50ビット
のうち音声チャネルによっては伝送の必要がない部分を
除いた各チャネルの伝送要求帯域の総和が計算され、S
172で多重化フレーム内の余りの帯域が計算される。
そしてS173で余りの帯域の有無が判定され、余り帯
域がある場合(0を含む)には各チャネルの要求帯域の
多重化が可能となるために処理を終了する。
【0178】S173で余り帯域がない場合には、S1
74で廃棄可能チャネルの有無が判定される。廃棄可能
チャネルがない場合にはS175で各チャネルの最低帯
域が廃棄レベル5まで下げられて、また廃棄可能チャネ
ルがある場合にはS75の処理を経由することなくS1
76の処理に移行する。S176では廃棄可能チャネル
を対象として廃棄レベルを1段階アップし、S171の
処理に戻る。以後S173で余り帯域有りと判定される
まで処理が続行され、余り帯域有りと判定された時点で
処理を終了する。
【0179】図64,図65は話者の音声の周波数特性
に対応する廃棄モードの実施例である。例えば図26,
図27において、各帯域B1〜B4のそれぞれに対する
符号器393〜396はそれぞれある一定期間音声のパ
ワーを計測し、その平均値を算出する。図64は例えば
男性の話者の帯域別の音声パワーのスペクトル分布であ
る。この分布は帯域B1におけるパワーを用いて正規化
されたものである。図65は女性の話者の場合の音声の
スペクトル分布を示す。これらのスペクトル分布をある
閾値(破線)を境界として各帯域の重要性を判定し、図
64では帯域B1を重視する廃棄モード1を、また図6
5では帯域B1とB2とを重視する廃棄モード2を用い
ることにする。
【0180】図66は廃棄モードを指定した場合の送信
帯域情報のコードテーブルの実施例である。同図におい
ては有音時に前述のサイド情報に加えて廃棄モードを識
別するためのサイド情報として1ビット、送信レベルと
して1kbpsを追加使用するものとしている。
【0181】図66において、例えば廃棄レベル5では
モード1、すなわち男性話者に対する各帯域B1〜B4
の送信ビット数はモード2と同一であるが、廃棄レベル
4においてはモード1ではモード2と異なってB1に対
する送信ビット数が4となっているのに対して、B4に
対する送信ビット数は0ビットとなっている。
【0182】図67,図68は廃棄モード決定と受信側
へのモード通知処理の実施例フローチャートである。図
67は送信側から廃棄モードを通知し、受信側から変更
受け付けが戻されてから新しいモードによる廃棄が行わ
れる場合のフローチャートである。同図において、S1
78で各帯域の音声パワーを測定する前に予めデフォル
トとして定められている廃棄モードが音声符号機(コー
ダ)からマルチプレクサに通知され、S179でそのデ
フォルトの廃棄モードがマルチプレクサから受信側のデ
マルチプレクサに通知される。
【0183】S180で送信側のコーダが有音区間の各
帯域のパワーを測定し、S181で話者タイプにより廃
棄モードを判定し、S182でマルチプレクサへその廃
棄モードを通知する。
【0184】マルチプレクサはS183で廃棄モードを
受信側のデマルチプレクサに通知し、S184で受信側
のデマルチプレクサから変更受け付けの通知を受け取
り、S185で受信側のデマルチプレクサに対して変更
開始を通知し、新しいモードの廃棄を行う。
【0185】図68は廃棄モードを音声のサイド情報と
して通知する場合のフローチャートである。この場合に
は受信側のデマルチプレクサから変更受け付けの通知を
受け取ることなく、廃棄モードの変更が行われる。ま
ず、S186でデフォルトとしてのモードが通知され、
S187で有音区間の各帯域のパワーが測定され、S1
88で廃棄モードが判定され、S189で音声のサイド
情報として廃棄モードが受信側に通知される。
【0186】ここで図64から図68で説明した廃棄モ
ードの決定法についてさらに説明する。図67,図68
のS180、またはS187の処理としての有音区間の
各帯域のパワー測定は次のように行われる。
【0187】まず第1に有音/無音の判定周期、例えば
数msから数十ms毎に各帯域のパワーをnサンプル分測定
する。各帯域の判定周期毎のパワーは、Sk を対象とす
る帯域の入力信号成分として、次式で与えられる。
【0188】
【数1】
【0189】ここでiはnずつ増加させる。次に各帯域
毎に有音時のみの平均電力を計算するために、判定周
期、例えば有音/無音判定周期に直して1000周期の間
で、有音の場合のみに上式のパワー計算結果を累算し、
その結果を累算回数で除算する。すなわち次式により有
音時平均電力が求められる。
【0190】
【数2】
【0191】ここでVDFi は有音判定時に‘1’とな
る有音フラグ 次にS181、またはS188の廃棄モード決定は、図
64,図65で説明したように周波数特性分布の計算に
基づいて行われる。このスペクトル分布は、帯域B1に
対する有音時平均電力を1として、例えば帯域B2に対
してはB2の有音時平均電力を帯域B1の有音時平均電
力で割ることによって求められる。図64,図65では
全ての帯域に対して一定の閾値でスペクトル分布を判定
する方法が説明されているが、実際には各帯域毎に閾値
を変化させることもできる。
【0192】図69は保留状態のチャネルを無音状態と
して伝送圧縮を図るシステムの実施例の構成ブロック図
である。同図においては、電話が保留状態の場合は、無
音状態として保留音を伝送することなく伝送帯域の圧縮
が図られる。保留中という状態は例えば前述のRi コー
ドの中に挿入されて、受信側に通知される。
【0193】図69において送信側では、電話機で保留
ボタンが押されるとで直接に、またはPBXで電話機
の出す保留音パターンを検出するとで、または音声符
号器(コーダ)の入力側で保留音パターンを検出すると
でその結果が保留状態検出器(R−DET)191に
よって検出され、受信側では保留音重畳器(R−MI
X)192によってで音声符号器の出力側、または
でPBX、またはで電話機において保留音が重畳され
る。保留状態の解除は電話機におけるフック状態の変
化、保留解除ボタンによってで、またはPBX、コー
ダの入力側でシグナリング信号のモニタの併用によりフ
ック状態の変化、保留音のパターンとの不一致によって
、またはでR−DET191に通知され、以後は音
声が前述の方式によって受信側に伝送される。
【0194】図69において、保留状態検出器(R−D
ET)はPBX,COD,またはMUXのブロック内に
内蔵させることもできる。図70、図71はこの保留状
態検出器を交換機に内蔵する実施例である。図70にお
いて、交換機内に設置された保留状態検出器R−DET
は、保留状態を検出した時保留音検出信号を出力する。
【0195】図71は保留状態判定法の説明図である。
その判定方法としては、呼接続中に着呼側が規定時間オ
ンフック状態になった場合には保留状態と判断し、また
保留状態中に規定時間オンフック状態になった場合には
保留状態解除と判断する。この規定時間の例としては、
例えば50msから1秒の間が考えられる。呼接続中に発呼
側がオンフックするとその場で呼が切られるが、着呼側
では30秒位オンフック状態にしないと呼が切れない規定
になっていることが多く、そのためこのような保留とい
う操作が可能である。
【0196】図72は保留状態検出器R−DETを多重
化装置に内蔵させる実施例である。同図において、交換
機からシグナリング信号が保留状態検出器に入力され、
保留状態検出器(R−DET)は図71におけると同様
の方式で保留状態を検出する。
【0197】図73は多重化装置が各種の伝送メディア
を収容するシステムの全体構成ブロック図である。同図
において、電話機に加えて端末が接続されたモデム、お
よびFAXが電話機に加えてPBXに接続されている。
そして多重化装置内のマルチプレクサ(MUX)の出力
はネットワークポート(NP)を介して伝送路に出力さ
れる。この場合には、例えば情報の廃棄が許されないF
AXがPBXを介してどのコーダに接続されるかは特定
することができない。
【0198】すなわち、図73においては伝送メディア
によって全ての情報がコア情報に相当し、付加情報はな
いことになるために、そのようなメディアから送られる
情報を符号化する符号器は伝送メディアの要求帯域をそ
のまま廃棄することなく、符号化を行う必要がある。こ
のためには、例えばFAXのプロトコルを検出して、そ
の検出信号が入力されたコーダは入力情報を廃棄するこ
となく符号化を行う必要がある。
【0199】図74〜図76はFAXプロトコル検出結
果に応じて符号化を行う符号器の実施例の構成ブロック
図である。図74は、図示しないFAXプロトコル検出
器からの検出信号を受けて、コーダが要求帯域を廃棄す
ることなく符号化後の信号をマルチプレクサに送る例で
ある。
【0200】図75はコーダ自体がFAXプロトコルを
検出し、入力信号がFAXからの信号である時には要求
帯域を廃棄することなく符号化を行い、入力信号が音声
である時には前述の廃棄方式に従って符号化を行う例で
ある。また図76は、分岐部によって分岐された入力信
号が通常の音声用コーダとFAXプロトコル終端部の両
方に入力され、FAXプロトコル終端部がFAXプロト
コルを検出した場合にはセレクタを介してFAXプロト
コル終端部の出力を、また検出しない場合には通常の音
声用コーダの出力をマルチプレクサに送出する。
【0201】図75においてはコーダがFAXプロトコ
ルを検出する方式を示しているが、この場合の検出方法
を図77に示すG3−FAXの伝送手順の概要を用いて
説明する。図75において、コーダはフェーズAにおけ
るCNGトーンまたはCEDトーンの送出を検出した時
点でFAXからのデータと判断する。
【0202】図73においては、多重化装置に各種の伝
送メディアが収容されるシステムについて説明したが、
このようなシステムではメディアの性質に応じて符号器
による符号化方法を変化させることも考えられる。例え
ば、図75においては、前述のように符号器がFAXプ
ロトコルを検出し、FAX信号に応じた帯域を選択する
こともでき、この場合には図76に示したようにFAX
プロトコル終端部を併用した符号器を用いる必要がなく
なる。
【0203】またプッシュボタン電話の場合には、トー
ン信号を検出した時点でトーンコードのみを送るような
符号化を行えば、トーン検出時には非常に低いレートの
伝送、例えば1kbps以下の伝送を行うことができる。更
にパソコン通信における信号は通常の会話音声とは違う
帯域で符号化か可能であり、MODEMによっても、変
調方式の違いにより必要な符号化速度が異なる。
【0204】図73のようなシステムにおいては、要求
帯域を全て廃棄させないチャネル数は限定し、少なくと
もその廃棄不可のチャネルに対しては廃棄が行われない
ようにする必要がある。このようなチャネル数限定の方
法としては、例えば番号計画画による方法がある。図7
3においてFAXを収容する多重化装置側の入力ポート
を#1のみに限定したい場合には、例えばFAXのダイ
ヤル番号を7×××とし、通常の電話の番号を8×××
とするように番号を計画する。この番号体系を予めPB
Xに設定し、ダイヤル番号が7×××の時には#1のポ
ートに接続し、8×××であれば#2〜#nのポートに
接続することによってFAXを2回線張ろうとしても#
1のポートがビジィとなっているために2番目の呼はブ
ロッキングされて、廃棄不可の状態を取れるチャネル数
は限定される。
【0205】またこのような廃棄不可のチャネルが存在
する場合には、廃棄可能なチャネルに対しては更に廃棄
可能なビット数を増加させることが必要になる。例えば
図26,図27において帯域B1〜B3に対してはレベ
ル5においてもコアビットが伝送されるが、これら全て
のコアビットを伝送しないレベル6、すなわち無音状態
までの廃棄を可能とする必要がある。
【0206】図78は無音状態までの廃棄を可能にする
ために、図63のフローチャートへ追加される処理の実
施例である。同図の処理は図63におけるS175とS
176の間に挿入される処理であり、各チャネルの最低
帯域がレベル5に設定された後にS200で廃棄可能チ
ャネルがあるか否かが判定される。そして廃棄可能チャ
ネルがない時にはS201で無音状態までの廃棄、すな
わちDSI的な廃棄が可能なチャネルの最低帯域がレベ
ル6に設定されて、S176の処理に移行する。なお図
63のS174で廃棄可能チャネルがある場合には、当
然S200および201の処理を経由することなくS1
76の処理に移行する。
【0207】図79は呼接続が行われている音声チャネ
ル数が少なく、付加情報部の廃棄の必要がない時、また
は付加情報部の廃棄による音質劣化が音声検出器の動作
による音質劣化より少ない時に、音声検出器の動作を停
止、またはその検出結果を無視するシステムの構成ブロ
ック図である。同図において、例えばマルチプレクサ
(MUX)は呼の数をカウントして廃棄の必要性の有無
を判定し、廃棄の必要がない時には音声検出器無視/停
止信号をコーダに出力することによって、音声検出器の
使用による音質の劣化を防止することができる。
【0208】このように呼の数が少なく情報廃棄の可能
性がない場合に、音声検出器の動作を停止させることに
よって音質の劣化を防止することができる。音声検出器
は音声の有音または無音の状態の検出を行い、不要な音
声情報をカットしてネットワーク内の伝送効率を向上さ
せる目的で使用されるが、当然音声検出器を使用しない
場合に比べて音質の劣化が生じる。例えば電話機のハン
ドセットのマイクには話者の声と周囲雑音との両方が入
ってくるが、話者が喋らない時に無音状態として音声情
報をカットすると、周囲雑音が伝送されず雰囲気が伝わ
らなくなることになる。また会話の内容を判定して無音
検出をするならよいが通常の無音検出器では、切って欲
しくない部分が無音と判定されてしまい、音質が劣化す
ることもある。このような音質劣化は使用呼数が少なく
廃棄が発生しない状態でも同様に起こるために、音声検
出器の動作を停止することによって、音質の向上が図れ
ることになる。
【0209】また、情報発信元の多重化装置または交換
機と受信側の多重化装置または交換機の間に中継用の交
換機が設けられる場合には、各中継段の交換機において
呼が接続されたチャネル数のデータを情報の伝送方向と
反対の通信パスを介して情報発信元の多重化装置または
交換機が収集して、付加情報部の廃棄の必要がない時に
は情報発信元での音声検出器の動作を停止、またはその
検出結果を無視することによって、伝送される情報の音
質を向上させることができる。通常の回線設計では最も
輻輳した状態を想定して接続可能な音声チャネル数の選
定が行われるために、実際には廃棄の必要がない場合も
多く、多段中継時にも音質の向上が図れることになる。
この場合には情報発信元の多重化装置、または交換機が
各中継段の交換機のチャネル数のデータを収集する代わ
りに、呼接続されたチャネル数が少ない呼中継段の交換
機が情報伝送方向と反対の通信パスを利用して、送信元
の音声検出器に対する動作停止信号を伝送することも可
能である。
【0210】次に図79において、符号化情報の廃棄に
よる音質劣化が音声検出器の動作による音質劣化より少
ないか否かを判定する方法について説明する。この判定
は、例えば単純に回線の容量と多重度、および実際に呼
が張られているチャネル数の関係から決定できる。例え
ば64kbpsの回線に多重を行う場合に、図41に示したよ
うな特性を持つ符号器に対して、事前の評価で5チャネ
ルまでは無音検出器を停止させた方が音質が良いという
評価結果が出ていたとする。これは全チャネルが有音
で、段階的な廃棄で、例えば11kbpsのようにある帯域ま
で廃棄することがあっても符号化情報を一切送らない無
音状態の伝送に比較して符号化による劣化が少ないとい
う結果が出たことを意味する。
【0211】この場合には、多重化フレームのヘッダ等
のオーバーヘッドにより、例えば少なくとも3チャネル
までは付加情報部が廃棄されることがなく、また4〜5
チャネルの多重が、符号化情報の廃棄による音質劣化の
方が音声検出器の動作による音質劣化より少ない場合に
相当する。
【0212】図80はラインセットにおける一多重化単
位の被多重化データをさらに復数個に分割して多重伝送
する分割多重方式の基本構成ブロック図である。多重化
部(MUX)ではラインセットからの一多重化単位の全
情報を取り込んだ後に多重化処理を行うと、この多重化
情報が伝送路に送出されるまでの遅延時間が大きくな
る。また多重化分離部(DMUX)でも、一多重化単位
毎に分離を行っていたために遅延時間が大きくなる。
【0213】一多重化単位は通常10ms程度が適当である
が、例えば多段中継を行った場合には前述の遅延の影響
はさらに大きくなる。このため一多重化単位の情報をさ
らに分割することにより、遅延時間を低減させる分割多
重方式が図80に示されている。
【0214】図80において、ラインセット210a,
210b,・・・における一多重化単位の情報をさらに
分割する分割数を‘n’として、分割多重方式を説明す
る。図80において、まずラインセット210a,21
0b,・・・は分割数nに応じて一多重化単位のデータ
をn分割可能な形で出力する。またこの一多重化単位の
情報に対して、伝送要求帯域を示す情報(または伝送の
必要性の有無を示す情報)は対象となる被多重化情報に
先立って、あるいはその先頭と同時に多重化ユニット内
のMUX部211が取り込めるものとする。
【0215】多重化ユニット内のMUX部211は、輻
輳廃棄時における帯域を調停する帯域調停部213と、
その調停結果に従ってラインセットからの一多重化単位
の情報を分割多重する分割多重部214とによって構成
され、この多重化および伝送路への送出処理は、ライン
セットからの一多重化単位に対する処理時間の1/nの
時間内に、各分割データに対し終了するものとする。ま
た第1分割目の被多重化情報を取り込んだ時には、同時
に、またはそれに先立って取り込んでいる伝送要求帯域
の情報に従って帯域調停を行い、分割多重処理と合わせ
て1/nの時間内に全て終了するものとする。
【0216】次に多重化ユニット内のDMUX部212
は各チャネル情報を一多重化単位分まとめて分離し、ラ
インセットに送出する一括分割部215と、分割多重さ
れた順、すなわち第1分割目の被多重化情報から順次分
離して、分離後直ちにラインセットに送出する分割分離
部216から構成されている。図80で説明する分割多
重方式では、最初に、伝送路から到着する多重化情報の
うちで各チャネルの伝送帯域を表わす情報を復元できる
分だけの情報を取り込み、それを復元し、その復元情報
に従って、分割多重されたデータを分割分離してライン
セットに送出する。
【0217】すなわち、図80ではMUX部211にお
いて一多重化単位の情報の1/nを取り込んだ時点で次
々と多重化を行い、伝送路に送出する。このために、一
多重化単位の情報の全てを取り込んでから多重化する場
合に比べて、多重化遅延が低減する。またDMUX部2
12において、分割分離により一多重化単位の情報が順
次分割分離されるために、一括して分離する場合に比べ
多重化分離遅延が低減する。
【0218】図81〜図83は分割多重方式の実施例の
説明図である。同図81〜図83においては、2つのチ
ャネルの一多重化単位分の情報をn=2,すなわち2分
割多重する場合を例として説明する。
【0219】両チャネルの一多重化単位(10ms)の情報
,をそれぞれ40ビット、伝送要求帯域を示す情報
, をここではそれぞれ2ビットとし、伝送路の伝送
容量、すなわち固定長フレームの長さを64ビットとす
る。
【0220】MUX部211は、まず伝送の要求帯域を
示す情報、を取り込み、帯域調停を行う。〜の
データの合計は84ビットとなり、20ビットの帯域が不足
するために、帯域調停が行われ、調停結果は例えば図8
2となる。
【0221】MUX部211は続いて第1分割情報−
1、−1を取り込み、調停結果a,bに従って、チャ
ネル2の第1分割情報を多重化する。多重化に際して廃
棄の有無を受信側に伝えるために、送信帯域情報c,d
を分割して付加する。その結果第1分割多重化情報は図
76にその詳細を示す−1のようになり、これが伝送
路に送出される。続いてMUX部211は第2分割情報
−2、−2を取り込み、調停結果に従って同様の多
重化を行って伝送路に送出する。送出される情報は(c)
に−2としてその詳細が示されている。
【0222】次に図81〜図83において、DMUX部
212による分割分離について説明する。DMUX部2
12はまず一多重化単位分の時間をかけて2分割多重化
情報を取り込み、これから伝送帯域を示す情報を復元す
る。これにより取り込んだ多重化情報をどのチャネルに
どれだけ分配すればよいかが識別可能となる。
【0223】そして伝送帯域情報c,dに従って、第1
分割多重化情報′−1からチャネル1には0ビット、
チャネル2には20ビットを分離し、復元された伝送帯域
情報を合わせてそれぞれのチャネルのラインセットに送
出する。次に第2分割多重化情報′−2から同様にチ
ャネル1に対して0ビット、チャネル2には20ビットを
分離し、ラインセットに送出する。
【0224】図84,図85は一多重化単位の分割多重
処理の実施例のフローチャートである。図84はチャネ
ルに対する一多重化単位の多重化情報Xi と、それに対
する伝送要求帯域を示す情報Ri を示す。一単位の多重
化情報は1/nに分割され、分割データはラインセット
から到着する順にXi 1 ,Xi 2 ,・・・Xinとされ、
また伝送の要求帯域を示す情報Ri もn等分され、R
i 1 ,Ri 2 ,・・・R i n とされている。これらの分
割データは帯域調停の結果一部廃棄され、実際に伝送さ
れる分の情報はXi 1 ′,Xi 2 ′,・・・Xi n ′と
なる。
【0225】図85は分割多重のフローチャートであ
る。同図において、まずS218で帯域調停が行われ
る。この帯域調停については前述の調停方式のいずれか
を用いるものとする。そして各チャネルに対して、それ
ぞれの分割データに対して実際に伝送される伝送割り当
てビット数Xi ′が決定される。
【0226】その後S219でnが1とされ、S220
でまずn分割多重の第1番目の分割データに対する多重
が行われる。ここでは最初に全チャネルに対する分割デ
ータの第1番目が取り込まれ、その分割データのうち伝
送割り当て分が切り出される。チャネル1から順に伝送
帯域を示す情報Ri n 、および割り当てデータXi n
が伝送路の伝送容量Cをn当分した領域に多重され、伝
送路に送出される。そしてS221でnの値が歩進さ
れ、分割データのn番目までS220の処理が繰り返さ
れる。
【0227】図86は図81〜図83のDMUX部21
2で行われる一括分離のフローチャートである。まずS
222で分割データの順番を示すnが1とされ、S22
3で第1分割データがストアされ、S224でnの値が
歩進され、n個の分割多重データをストアするまでS2
23の処理が繰り返される。
【0228】n個の分割データがストアされ終わると、
S225でストアされた一多重化単位分のデータから、
各チャネルに対する伝送帯域を示す情報Riが復元さ
れ、S226でチャネル番号を示すiが1とされ、S2
27で伝送帯域情報Ri の値に従ってチャネルiに対し
て伝送された分割データが切り出され、順序に従って結
合されて、S228でチャネルiに対するラインセット
にデータXi が送出される。S227,228の処理が
チャネル数分だけ繰り返されて、一括分離が終了する。
【0229】図87は分割分離処理の実施例のフローチ
ャートである。同図においてS225までの処理は図8
6の一括分離の場合と全く同様である。その後S229
で分割データの順番を示すnが1とされ、S230でチ
ャネル番号を示すiが1とされ、S231で伝送帯域を
示す情報Ri の値に従って、ストアされたn番目の多重
化情報からチャネルiに対する伝送データXi n′が切
り出され、S232でそのデータがチャネルiに対する
ラインセットに送出される。S231、232の処理が
チャネル数分だけ繰返された後に、S230から232
までの処理が分割データの個数n回だけ繰り返されて、
分割分離の処理が終了する。
【0230】図88〜図90は分割多重方式による遅延
低減の説明図である。図88〜図90は、ラインセット
における一多重化単位に相当する時間(基本多重化単
位)をtとし、n分割多重の場合の遅延時間を比較した
ものである。n分割多重することにより、MUX部では
ラインセット情報の取り込み遅延、多重化処理の遅延、
伝送路への多重化情報の送出遅延、それぞれが1/nと
なり、一多重化単位に相当する時間が実質的にt/nに
なる効果があり、多重化遅延が低減される。またDMU
X部ではn分割多重により、遅延時間が2tから(n+
1)t/nとなる。
【0231】その結果全体の遅延時間の削減分をTとす
ると、Tは
【0232】
【数3】
【0233】となり、nが大きい場合には一多重化単位
の約3倍相当分遅延時間が削減されることになる。
【0234】図91,図92は、音声検出情報の符号器
と多重化装置への同時通知による、音声品質保護方式の
実施例の説明図である。図91は従来方式を示す。音声
検出器は、ある一定時間を単位として、その単位時間が
有音であるか無音であるかを示す音声検出情報を出力す
るものであり、当然音声データに比べてその一定時間だ
け遅れて判定結果が出力される。このために、その音声
検出情報は音声符号器で処理された符号化情報と位相を
合わせて多重化装置に伝送されていた。
【0235】音声検出の際に問題となるのは、話頭,語
頭などの音声の無音から有音への変化点であり、この変
化点を確認する手段としては種々の方法が考えられる
が、より自然な再生音を生むためには音声検出情報を実
質的に時間的に繰り上げて出力し、有音状態を保護する
ガードタイム方式が必要となる。しかしながら、このガ
ードタイム方式では、前述のように音声検出情報と符号
化情報との位相を合わせて音声符号器に送出するために
音声情報を一旦メモリに格納する必要があり、余分な記
憶領域を必要とする上に、音声伝送の遅延が大きくな
る。
【0236】図92は本発明における方式であり、音声
検出器による検出結果は音声符号器に対すると同時に多
重化装置内の多重化処理部に通知される。このため音声
符号器による処理、すなわち符号化に要する時間だけ音
声情報より先行して多重化処理部に検出結果が通知され
ることになり、無音から有音に変化する点としての語
頭、話頭点の保護、すなわち音声品質の保護を音声情報
を余分に遅延させることなく実現することが可能とな
る。
【0237】図93,図94は無音区間における送信側
ノイズレベルに応じて、受信側にノイズを生成する方式
の実施例である。一般に無音時には送信側から受信側に
音声データは送信されず、受信側では無音区間にノイズ
を挿入して、ユーザに呼の切断感や無音、有音切り替え
時の違和感を低減させるが、この時受信側で挿入される
ノイズのレベルは送信側のノイズレベルとは無関係に一
定レベルに設定されていることが多く、送信側と受信側
のノイズレベルの差が大きい場合には違和感を感じると
いう問題点があった。
【0238】そこで本発明においては、図93に示すよ
うに、送信側の音声検出器が無音を検出した場合には同
時にノイズレベルを測定して、そのレベルを示す情報を
受信側に送り、図94に示すように受信側ではそのノイ
ズレベル情報に従って、無音区間に対してノイズを生成
する。
【0239】前述のように音声チャネルに対するシグナ
リング信号をシグナルセンド(SS)信号、およびシグ
ナルレシーブ(SR)信号によって伝送する場合に、S
S,SR両信号の論理和が一定時間‘0’となっている
ときに呼接続状態と、また両信号の論理積が一定時間
‘1’となっているときに呼断状態と判定する。
【0240】この呼検出は、シグナリング信号(SS,
SR)が音声符号器、多重化ユニットを経由することか
ら、符号器と多重化ユニットのいずれにおいても実行で
きる。ソフトウェア的に行う場合には図23のアルゴリ
ズムを用いればよく、例えば図45の多重化ユニット内
のプロセッサ77によって実行される。ハードウェアに
よる場合には後述する呼検出回路を各音声符号器内に設
けるか、多重化ユニット内に音声チャネル数分だけ設置
すればよい。
【0241】図95は呼検出回路の実施例の構成ブロッ
ク図である。同図において、呼検出回路はSS,SR両
信号が入力されるオアゲート235、オアゲートの出力
がD入力に入力されるDフリップフロップ236、Dフ
リップフロップ236のQ出力がリセット端子に入力さ
れるカウンタ237、Dフリップフロップ236の外9
出力がリセット端子に入力されるカウンタ238、2
つのカウンタ237
【0242】
【外9】
【0243】,238のキャリー出力がそれぞれセット
端子、リセット端子に入力されるRSフリップフロップ
239から構成されている。
【0244】図95において、SSおよびSR信号が共
に0の時にはDフリップフロップ236のQ出力は0、
外10 出力は1となり、カウンタ238はリセットさ
れ、
【0245】
【外10】
【0246】カウンタ237はクロック入力毎にカウン
トアップし、一定時間、ここではτ1 = 640msとなった
時にキャリー信号を出力し、RSフリップフロップ23
9は呼接続状態の検出結果として、Q=1を出力する。
【0247】これに対してSS,SR信号が共に1であ
る時には、カウンタ237はリセットされ、カウンタ2
38はτ2 = 640msまでクロックパルスをカウントし、
その時点でキャリー信号を出力し、RSフリップフロッ
プ239は呼断を示すQ出力として0を出力する。
【0248】またSS,SR信号としてシグナリング情
報を伝送するシステムでは、シグナリング信号が発呼処
理中以外はほとんど変化しない性質を利用して、アウト
バンド方式でシグナリングを伝送する場合に必要な帯域
の削減が可能となる。図96はシグナリング信号の例で
ある。同図において、発信側では起動後シグナリング信
号は選択数字信号送信開始まで0の一定値を保ち、選択
数字信号送信時には0または1の値を取るが、その後は
再び0で一定となる。また受信側では応答するまでは1
であるが、応答後には0で一定となる。
【0249】本発明においては、直前に伝送したフレー
ムのシグナリングビット、例えば4ビットがオール0、
またはオール1で、かつ現在伝送するフレームのシグナ
リングビットが全く変化しない場合にのみ伝送圧縮を行
う。オール0、またはオール1という条件を付加した理
由は、回線ランダムエラーに対する耐力を持たせるため
である。
【0250】すなわち受信側では、伝送圧縮に入る際に
はオール0、またはオール1というルールを基にして圧
縮時の伸長処理を行い、万一伝送路エラーが発生した際
には多数決論理で誤り訂正を行うことにする。また音声
以外の他のメディア、すなわちデータチャネルのリモー
トシグナリング(RS)信号、すなわち端末間で状態確
保を行うためのレベル信号についても全く同様の伝送圧
縮方式を用いることができる。
【0251】図97,図98はシグナリング圧縮処理の
実施例フローチャートである。図97は送信側における
処理の実施例であり、処理が開始されるとまずS240
でシグナリング情報がオール0か、またはオール1のい
ずれかであるか否かが判定される。そのいずれでもない
場合には、シグナリング情報を伝送することを示す1
を、S241でシグナリング伝送フラグに設定して処理
を終了する。
【0252】S240でオール0、またはオール1のい
ずれかである場合には、S242でそのシグナリング情
報が前回のフレームに対するものと変化していないか否
かが判定される。変化している場合にはシグナリング情
報を送る必要があるので、S241でシグナリング伝送
フラグに1を設定して処理を終了する。前回から変化し
ていない場合には圧縮モードとして、S243でシグナ
リング伝送フラグに0を設定して処理を終了する。
【0253】図98は受信側におけるシグナリング圧縮
処理の実施例であり、処理が開始されるとまずS244
で受信したシグナリング伝送フラグが0と1のいずれか
であるかが判定される。伝送フラグが1の場合にはシグ
ナリング情報が伝送されていることになるので、S24
5で入力シグナリング情報を保持し、S246でそれを
出力して処理を終了する。
【0254】S244でシグナリング伝送フラグが0で
ある場合には、伸長モードとしてS247で現在保持し
ているシグナリング情報、すなわち最後に受信したシグ
ナリング情報がオール0、またはオール1であるか否か
が判定されオール0、またはオール1のいずれかである
場合にはS248でその保持値が出力されて処理を終了
する。
【0255】オール0またはオール1のいずれでもない
場合には伝送エラーがあったことになるので、その訂正
を行うためにS249で1の数が1,2または3のいず
れであるかが判定される。1または3の場合にはS25
0で多数決論理による訂正が行われ、また2の場合には
S251で回線切断状態とみなしてオール1に訂正が行
われた後に、S248で訂正された保持値が出力され、
処理を終了する。
【0256】以上の実施例では、本発明をデータ転送に
適用した例を示したが、本発明は音声の伝送にのみ適用
されるものではなく、例えば、画像データの伝送にも応
用可能である。図99は本発明を画像処理に適用した場
合の構成図を示すものである。この実施例は図7に示さ
れた実施例と同様であり、同一部分については同一番号
を付してその説明を省略する。この実施例における違い
は、音声符号化手段20の代わりに画像符号化手段2
0′が用いられる点である。
【0257】図100は要求帯域決定の一例を示す図で
あり、8kbpsの伝送速度を有する伝送レート0において
は単にサイド情報が伝送されるのみである。伝送レート
1,2,3においては伝送速度はそれぞれ256 kbps,10
24kbps,2048kbpsであり、高伝送レートにおいて帯域調
停が行われる。
【0258】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、例えば音声チャネルに対しては最低限の音質を保
証するためのコア情報部を必ず多重し、望ましい音質を
得るために必要な付加情報部のうち優先度の高い部分か
ら順次多重化を行うことにより、輻輳廃棄時にも通信品
質低下を最小限に押さえることが可能になる。また例え
ばパケット交換機などの待ち合わせのきくメディアに対
しては、最初にパケット交換機の最低スループット分の
パケットデータの帯域を確保した後、残りの帯域にまず
音声チャネルの音声を多重化し、さらに残りの帯域にパ
ケットを多重化することができ、効率的な多重化フレー
ムが構成される。このように本発明によれば統計多重に
おける通信品質の向上と多重化効率の向上を両立させて
追求することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】音声多重化装置または交換機システムの例を示
す図である。
【図2】マルチメディア多重化装置または交換機システ
ムの例を示す図である。
【図3】従来のTDM多重化方式のを示す図である。
【図4】従来の統計多重化方式の例を示す図である。
【図5】DSI方式における帯域割り当て方式を示す図
である。
【図6】本発明の高能率ディジタル多重化伝送方式の原
理ブロック図である。
【図7】本発明の音声チャネルに対する伝送要求帯域に
基づく多重化方式の原理ブロック図である。
【図8】本発明の呼検出結果に応じた多重化方式の原理
ブロック図である。
【図9】本発明の多重化装置または交換機がパケット網
やATM網等のラベル多重網接続されている場合の多重
化方式の原理ブロック図である。
【図10】本発明の原理ブロック図である。
【図11】本発明の原理ブロック図である。
【図12】本発明の原理ブロック図である。
【図13】本発明における音声伝送情報の区分の説明図
であり、コア情報部と付加情報部との分離を示す図であ
る。
【図14】本発明における音声伝送情報の区分の説明図
であり、データ送信要求範囲を示す図である。
【図15】本発明の伝送方式の第1の実施例の基本構成
ブロック図である。
【図16】本発明の伝送方式の第1の実施例における帯
域と音声品質の状態を示す図である。
【図17】本発明の伝送方式の第1の実施例における輻
輳廃棄時の多重化処理の例を示す図である。
【図18】本発明の伝送方式の第2の実施例の基本構成
ブロック図である。
【図19】本発明の伝送方式の第2の実施例における音
声の帯域と品質を音声呼数に対して示した図である。
【図20】本発明の伝送方式の第2の実施例における多
重化処理の例を示す図である。
【図21】本発明の伝送方式の第3の実施例の基本構成
ブロック図である。
【図22】本発明の伝送方式の第3の実施例における呼
検出を示す図である。
【図23】本発明の伝送方式の第3の実施例における呼
検出を示す図である。
【図24】本発明の伝送方式の第4の実施例の基本構成
ブロック図である。
【図25】本発明の伝送方式の第5の実施例の基本構成
ブロック図である。
【図26】本発明の伝送方式の第6の実施例の基本構成
ブロック図である。
【図27】本発明の伝送方式の第6の実施例の帯域分割
符号化を行う多重化装置における廃棄レベルを示す図で
ある。
【図28】送信帯域をコードとして伝送する場合の多重
化フレームの実施例を示す図である。
【図29】過去の廃棄履歴からの現在の伝送フレームに
対する廃棄方法決定方式の実施例示す図である。
【図30】本発明を適用する音声多重化伝送システムの
実施例を示す図である。
【図31】本発明における多重化装置を含む多重化伝送
システムの構成図である。
【図32】本発明における多重化ユニットの処理の基本
例を示す図である。
【図33】音声符号器の実施例の構成ブロック図であ
る。
【図34】有音/無音判定方式の概要を説明する図であ
る。
【図35】有音/無音の判定方法の説明図である。
【図36】有音/無音の判定処理の実施例を説明する図
である。
【図37】通常のADPCM符号化方式の構成ブロック
図である。
【図38】エムベッデッドADPCM符号化方式のブロ
ック図である。
【図39】多重化装置内の音声・データの転送経路を説
明する図である。
【図40】送信帯域割り当てコードの実施例を示す図で
ある。
【図41】送信帯域情報のコードテーブルの実施例を示
す図である。
【図42】回線上のシリアルデータの実施例を示す図で
ある。
【図43】フレームの全体構成を示す図である。
【図44】ヘッダ部の構成を示す図である。
【図45】多重化ユニットの実施例の構成を示すブロッ
ク図である。
【図46】多重化ユニットの概略処理実施例のフローチ
ャートである。
【図47】多重化ユニットにおける処理周期の説明図で
ある。
【図48】帯域調停処理の第1の実施例のフローチャー
トである。
【図49】図48のフローチャートを用いた調停の実施
例を示す図である。
【図50】帯域調停処理の第2の実施例のフローチャー
トである。
【図51】帯域調停処理の第2の実施例のフローチャー
トである。
【図52】廃棄モード更新処理実施例のフローチャート
である。
【図53】図50,51のフローチャートを用いた調停
の実施例を示す図である。
【図54】図50,51のフローチャートを用いた調停
の実施例を示す図である。
【図55】図50,51のフローチャートを用いた調停
の実施例を示す図である。
【図56】図50,51のフローチャートによる帯域調
停処理における各変数の値の関係の実施例を示す図であ
る。
【図57】本発明を適用するパケット交換網の実施例の
構成を示すブロック図である。
【図58】図57のパケットインタフェース部の構成を
示すブロック図である。
【図59】速度吸収バッファの作用を説明する図であ
る。
【図60】到着揺らぎ吸収バッファの作用を説明する図
である。
【図61】パケットフォーマットの実施例を示す図であ
る。
【図62】帯域分割符号化時の送信帯域情報のコードテ
ーブルの実施例を示す図である。
【図63】帯域分割型符号器を用いる多重化処理の実施
例のフローチャートである。
【図64】音声の周波数特性に対応する廃棄モードの実
施例を示す図である(男性の場合)。
【図65】音声の周波数特性に対応する廃棄モードの実
施例を示す図である(女性の場合)。
【図66】各廃棄モードに対する送信帯域情報のコード
テーブルの実施例を示す図である。
【図67】廃棄モード決定と受信側へのモード通知処理
の実施例のフローチャートである。
【図68】廃棄モード決定と受信側へのモード通知処理
の実施例のフローチャートである。
【図69】保留状態のチャネルを無音状態として伝送圧
縮を図るシステムの実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図70】保留状態検出器を交換機に内蔵する実施例を
説明する図である。
【図71】保留状態検出器を交換機に内蔵する実施例を
説明する図である。
【図72】保留状態検出器を多重化装置に内蔵する実施
例の構成を示すブロック図である。
【図73】多重化装置が各種の伝送メディアを収容する
システムの全体構成を示すブロック図である。
【図74】FAXプロトコル検出結果に応じて符号化を
行う符号器の実施例の構成を示すブロック図である。
【図75】FAXプロトコル検出結果に応じて符号化を
行う符号器の実施例の構成を示すブロック図である。
【図76】FAXプロトコル検出結果に応じて符号化を
行う符号器の実施例の構成を示すブロック図である。
【図77】G3−FAXの伝送手順の概要を示す図であ
る。
【図78】無音状態までの廃棄を可能にするための図6
3のフローチャートへの追加処理の実施例を示す図であ
る。
【図79】無音検出器の動作を停止または検出結果を無
視することのできるシステムの構成を示すブロック図で
ある。
【図80】分割多重方式の基本構成を示すブロック図で
ある。
【図81】分割多重方式の実施例を説明する図である。
【図82】分割多重方式の実施例を説明する図である。
【図83】分割多重方式の実施例を説明する図である。
【図84】一多重化単位の分割多重処理の実施例を説明
する図である。
【図85】一多重化単位の分割多重処理実施例のフロー
チャートである。
【図86】一括分離処理の実施例のフローチャートであ
る。
【図87】分割分離処理の実施例のフローチャートであ
る。
【図88】分割多重方式による遅延低減を説明する図で
ある。
【図89】分割多重方式による遅延低減を説明する図で
ある。
【図90】分割多重方式による遅延低減を説明する図で
ある。
【図91】音声検出情報の符号器と多重化処理部への同
時通知による音声品質保護方式の実施例を説明する図で
ある。
【図92】音声検出情報の符号器と多重化処理部への同
時通知による音声品質保護方式の実施例を説明する図で
ある。
【図93】無音区間における送信側ノイズレベルに応じ
たノイズの受信側における生成方式の実施例を説明する
図である。
【図94】無音区間における送信側ノイズレベルに応じ
たノイズの受信側における生成方式の実施例を説明する
図である。
【図95】呼検出回路の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図96】シグナリング信号の例を示す図である。
【図97】シグナリング伝送圧縮処理の実施例のフロー
チャートである。
【図98】シグナリング伝送圧縮処理の実施例のフロー
チャートである。
【図99】本発明の原理ブロック図である。
【図100】要求帯域判定結果を示す図である。
【符号の説明】
20 音声符号化手段 21 無音区間検出手段 22 多重化処理手段 23 要求帯域判定手段 24 呼検出手段 25 パケット組立手段 30 音声符号器 31 無音検出部 32 多重化部 33 要求帯域判定部 34 呼検出部 36 パケット組立部 39 有効情報検出部 40,41 多重化装置 43 コーデック(CODEC :音声符号器) 44 多重化ユニット(MUX/DMUX) 61 音声LS(ラインセット) 67 ノード制御部 68 データLS(ラインセット) 77 プロセッサ 140 パケットインタフェース部(PAD) 191 保留状態検出器(R−DET) 210a,210b ラインセット 214 分割多重部 216 分割分離部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 高男 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 西山 直美 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 荒牧 隆弘 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 阿比留 健一 福岡県福岡市博多区博多駅前3丁目22番地 8号 富士通九州ディジタル・テクノロジ 株式会社内 (72)発明者 信本 俊明 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 甘利 英敏 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 古川 圭一 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 倉永 和彦 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−20938(JP,A) 特開 昭60−144037(JP,A) 特開 昭62−256543(JP,A) 特開 昭62−241446(JP,A)

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル回線上で多重化信号を伝送す
    る多重化装置において、 音声入力情報、最低の音質を保証するためのコア情報
    部と、望ましい音質を得るためには該コア情報部と共に
    伝送する必要があり、かつ伝送すべき優先度に応じて段
    階的に廃棄することが可能な付加情報部とに分離して符
    号化を行う音声符号化手段と、 音声情報の伝送の必要の有無を判別するために該音声入
    力情報の無音区間を検出する無音区間検出手段と、 前記ディジタル回線上で多重化すべき複数の音声チャネ
    ルのうちで、該無音区間検出手段が無音を検出した音声
    チャネルに対しては通信相手先の符号器との間での同期
    に必要な情報のみを、また無音を検出しなかったチャネ
    ルに対しては該コア情報部を一定周期で繰り返される固
    定長ディジタルスロットに対して多重化し、該多重化の
    結果としての該固定長ディジタルスロットの残りの部分
    に該無音を検出しなかった各音声チャネルの付加情報部
    を前記伝送すべき優先度の高い部分から段階的に多重化
    し、帯域不足のための多重不能な付加情報部を廃棄する
    多重化処理手段とを有することを特徴とする高能率ディ
    ジタル多重化伝送方式。
  2. 【請求項2】 前記ディジタル回線上で多重化すべき複
    数の各音声チャネルに対する音声入力情報の各伝送要求
    帯域を判定する要求帯域判定手段を備え、 前記多重化処理手段が前記無音を検出しなかった各音声
    チャネルの付加情報部の廃棄時に該要求帯域判定手段が
    判定する各音声チャネルごとの要求帯域内の付加情報部
    それぞれ前記優先度の低い部分から段階的に廃棄する
    ことを特徴とする請求項1記載の高能率ディジタル多重
    化伝送方式。
  3. 【請求項3】 前記多重化すべき複数の各音声チャネル
    が呼を張った状態か否かを検出する呼検出手段を備え、 前記多重化処理手段が、該呼検出手段が呼断状態を検出
    した音声チャネルに対しては前記通信相手先の符号器と
    の間での同期に必要な情報をも含めて一切の符号化情報
    を伝送しないことを特徴とする請求項1、あるいは2記
    載の高能率ディジタル多重化伝送方式。
  4. 【請求項4】 前記多重化処理手段が出力する多重化フ
    レームをそのまままたは分割してパケット化するパケッ
    ト組立手段を備え、 該パケットを、前記多重化装置が、自装置が接続される
    ラベル多重化網に出力することを特徴とする請求項1、
    2、又は3記載の高能率ディジタル多重化伝送方式。
  5. 【請求項5】 前記多重化装置に、前記ディジタル回線
    上で多重化すべき複数の各音声チャネルに対する各符号
    器の性質に依存する前記付加情報部の廃棄に対する音質
    劣化の発生の性質を考慮した多重化パラメータを保持
    し、該多重化パラメータを前記多重化処理手段に設定す
    るノード制御部を備え、 該多重化処理手段が該多重化パラメータと直前の伝送フ
    レームでの付加情報部の廃棄の履歴とに基づき現在の伝
    送フレームに対する付加情報部の廃棄方法を決定するこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、または4記載の高能
    率ディジタル多重化伝送方式。
  6. 【請求項6】 前記多重化装置が、複数の音声チャネル
    に加えて、データ端末を含めた他のメディアであるデー
    タチャネルの伝送情報を多重化し、ディジタル回線上で
    該多重化信号を伝送する多重化装置または交換機であっ
    て、 該各データチャネルに対して情報伝送の必要性の有無を
    検出する有効情報検出部を備え、 前記多重化処理手段が、最初に該有効情報検出分が検出
    した伝送の必要のあるデータチャネルの伝送情報を多重
    化した後に、前記複数の音声チャネルに対する多重化を
    行うことを特徴とする請求項1、2、3、4あるいは5
    記載の高能率ディジタル多重化伝送方式。
  7. 【請求項7】 前記多重化装置が、複数の音声チャネル
    に加えて、データ端末を含めた他のメディアであるデー
    タチャネルの伝送情報とパケット交換機からのパケット
    データとを合わせて多重化し、ディジタル回線上で該多
    重化信号を伝送する多重化装置または交換機であって、 該各データチャネルに対して情報伝送の必要性の有無を
    検出する有効情報検出部を備え、 前記多重化処理手段が該パケット交換機の最低スループ
    ット保証値を予め保存し、該有効情報検出部が検出した
    伝送の必要のあるデータチャネルの伝送情報と該パケッ
    ト交換機の最低スループット分のパケットデータとを多
    重化するとともに、前記複数の音声チャネルに対す多重
    化を行い、さらに前記固定長ディジタルルスロットの残
    りの部分にパケットデータを多重化することを特徴とす
    る請求項1、2、3、4あるいは5記載の高能率ディジ
    タル多重化伝送方式。
  8. 【請求項8】記多重化処理手段を構成する多重化部
    が、前記無音を検出しなかった各音声チャネルに対する
    コア情報部を全て伝送できない時に特定周波数成分に対
    するコア情報部を選択的に廃棄することを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5、6または7記載の高能率ディ
    ジタル多重化伝送方式。
  9. 【請求項9】 前記音声符号化手段内に帯域分割型符号
    を設け、該帯域分割型符号器、または前記音声符号化
    手段を構成する多重化部が前記各音声チャネルの音声の
    周波数特性を検出し、 該多重化部が該検出された周波数特性に対応する廃棄モ
    ードに基づいて、前記コア情報部の選択的廃棄を含めて
    多重化処理を行うことを特徴とする請求項8記載の高能
    率ディジタル多重化伝送方式。
  10. 【請求項10】 前記多重化処理手段が、伝送帯域をコ
    ード化するためのコードテーブルを保持し、前記ディジ
    タル回線上で実際に伝送される各チャネルに対する伝送
    情報の帯域を伝送フレーム上でコード化して伝送するこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7ある
    いは8記載の高能率ディジタル多重化伝送方式。
  11. 【請求項11】 前記多重化装置が、前記複数の音声チ
    ャネルのうちで保留状態のチャネルを検出したとき、該
    チャネルの保留状態を通信相手側の多重化装置または交
    換機に通知し、 該送信相手側の多重化装置または交換機が内蔵する保留
    音パターンを出力し、該多重化装置または交換機相互間
    の中継伝送路上では無音状態として伝送圧縮を図ること
    を特徴とする請求項1、2、3または4記載の高能率デ
    ィジタル多重化伝送方式。
  12. 【請求項12】 前記多重化装置が音声を含む各種の伝
    送メディアを収容し、 前記音声符号化手段を構成する符号器が、各種の伝送メ
    ディアに必要な情報品質を得るために、各メディアの性
    質に応じて符号化方法や廃棄を許容しないコア情報部の
    ビット数を変化させた符号化を行い、 前記多重化処理部を構成する多重化部が該各符号器の要
    求に応じて伝送メディアに対応した多重化処理を行うこ
    とを特徴とする請求項1、2、3または4記載の高能率
    ディジタル多重化伝送方式。
  13. 【請求項13】 前記多重化装置が複数の音声チャネル
    のうちで呼が接続されているチャネル数を検出し、前記
    付加情報部の廃棄の必要がない時、または該付加情報部
    の廃棄による音質劣化が前記無音区間検出手段を構成す
    る音声検出器の動作による音声劣化より少ない時に、該
    音声検出器の動作を停止、または該音声検出器の検出結
    果を無視することにより不要な音質劣化を回避すること
    特徴とする請求項1、2、3または4記載の高能率ディ
    ジタル多重化伝送方式。
  14. 【請求項14】 情報発信元の前記多重化装置が、前記
    パケット網またはATM網等のラベル多重網内で該情報
    の中継段となる交換機において、呼が接続されたチャネ
    ル数のデータを情報伝送方向と反対の通信パスを介して
    収集し、 前記付加情報部の廃棄の必要がない時、前記無音区間検
    出手段を構成する音声検出器の動作を停止、または該音
    声検出器の検出結果を無視することにより、不要な音質
    劣化を回避することを特徴とする請求項1、2、3また
    は4記載の高能率ディジタル多重化伝送方式。
  15. 【請求項15】 前記音声符号化手段および無音区間検
    出手段を構成するラインセットが、該ラインセットにお
    ける一多重化単位の被多重化データと、該データに対す
    る伝送の必要性の有無、または伝送要求帯域を示す情報
    とを出力し、 前記多重化処理手段が、該伝送の必要性の有無、または
    伝送要求帯域を示す情報を最初に取り込み、該情報に基
    づいて各チャネルの伝送帯域を決定する帯域調停部と、 該帯域調停の結果に応じて、該ラインセットからの一多
    重化単位の被多重化データを複数個の分割データに分割
    して順次取り込み、該取り込みの度に、該分割データを
    多重化して伝送路に送出する分割多重部とを備え、多重
    化に伴う遅延時間を低減することを特徴とする請求項
    1、2、3または4記載の高能率ディジタル多重化伝送
    方式。
  16. 【請求項16】 前記多重化処理手段が、伝送路から受
    信する前記ラインセットにおける一多重化単位の被多重
    化データから、各チャネルの伝送帯域を表わす情報を最
    初に復元し、該復元情報に従って、受信した被多重化デ
    ータを分割多重された順序に従って、分割データ毎に分
    離して前記ラインセットに出力する分割分離部を備え、
    多重化分離に伴う遅延時間を合わせて低減することを特
    徴とする請求項15記載の高能率データ多重化伝送方
    式。
  17. 【請求項17】 前記ラインセットが、前記音声符号化
    手段および無音区間検出手段を構成するラインセットに
    加えて、データチャネルに対するラインセットを含むこ
    とを特徴とする請求項15または16記載の高能率ディ
    ジタル多重化伝送方式。
  18. 【請求項18】 前記無音検出手段を構成する音声検出
    器の有無/無音の判定結果を、前記音声符号化手段を構
    成する符号器と前記多重化処理手段を構成する多重化処
    理部とに同時に送出し、該符号器による音声符号化の時
    間よりも音声情報の遅延を増加させることなく、音声情
    報品質を保護することを特徴とする請求項1、2、3ま
    たは4記載の高能率ディジタル多重化伝送方式。
  19. 【請求項19】 前記無音検出手段を構成する音声検出
    器が、無音を検出した音声チャネルに対して送信側にお
    けるノイズレベルを測定し、 前記多重化処理手段が、該チャネルに対して通信相手先
    の符号器との間での同期に必要な情報に加えて、該ノイ
    ズレベルを示す情報を前記固定長ディジタルスロットに
    対して多重化し、 受信側で該ノイズレベルを示す情報に応じて無音区間に
    対してノイズを生成することを特徴とする請求項1、
    2、3または4記載の高能率ディジタル多重化伝送方
    式。
  20. 【請求項20】 前記高能率ディジタル多重化伝送方式
    において、音声チャネルに対するシグナリング情報をシ
    グナルセンド(SS)信号およびシグナルレシーブ(S
    R)信号として伝送するときに、 該SS信号とSR信号とを監視して該SS,SR両信号
    の値の論理和および論理積を取り、該論理和または論理
    積の値が一定となっている時間に基づいて、前記音声チ
    ャネルの呼中または呼断の状態を検出することを特徴と
    する請求項3記載の高能率ディジタル多重化伝送方式。
  21. 【請求項21】 前記高能率ディジタル多重化伝送方式
    において、音声チャネルに対するシグナリング情報をシ
    グナルセンド(SS)信号およびシグナルレシーブ(S
    R)信号として伝送するときに、 一定送信周期単位に対して該SS信号を伝送するか否か
    を示すフラグを伝送フレーム上に付加して伝送し、該S
    S信号が変化しない区間に対するシグナリング情報の伝
    送圧縮を行うことを特徴とする請求項3記載の高能率デ
    ィジタル多重化伝送方式。
  22. 【請求項22】 前記高能率ディジタル多重化伝送方式
    において、収容されるデータチャネルに対して通信相手
    先との間で状態確認のためのレベル信号をリモートシグ
    ナリング(RS)信号として伝送するときに、 一定送信周期単位に対して該RS信号を伝送するか否か
    を示すフラグを伝送フレーム上に付加して伝送し、該R
    S信号が変化しない区間に対するリモートシグナリング
    情報の伝送圧縮を行うことを特徴とする請求項3記載の
    高能率ディジタル多重化伝送方式。
  23. 【請求項23】 ディジタル回線上で多重化信号を伝送
    する多重化装置において、 音声入力情報、最低の音質を保証するためのコア情報
    部と、望ましい音質を得るためには該コア情報部と共に
    伝送する必要があり、かつ伝送すべき優先度に応じて段
    階的に廃棄することが可能な付加情報部とに分離して符
    号化を行う音声符号化手段と、音声情報の伝送の必要の有無を判別するために該音声入
    力情報の無音区間を検出する無音区間検出手段と、 前記ディジタル回線上で多重化すべき複数の音声チャネ
    ルのうちで、該無音区間検出手段が無音を検出しなかっ
    たチャネルに対しては該コア情報部を一定周期で繰り返
    される固定長ディジタルスロットに対して多重化し、
    多重化の結果としての該固定長ディジタルスロットの残
    りの部分に該無音を検出しなかった各音声チャネルの付
    加情報部を前記伝送すべき優先度の高い部分から段階的
    に多重化し、帯域不足のための多重不能な付加情報部を
    廃棄する多重化処理手段とを有することを特徴とする高
    能率ディジタル多重化伝送方式。
  24. 【請求項24】 ディジタル回線上で多重化信号を伝送
    する交換機において、 音声入力情報、最低の音質を保証するためのコア情報
    部と、望ましい音質を得るためには該コア情報部と共に
    伝送する必要があり、かつ伝送すべき優先度に応じて段
    階的に廃棄することが可能な付加情報部とに分離して符
    号化を行う音声符号化手段と、 音声情報の伝送の必要の有無を判別するために該音声入
    力情報の無音区間を検出する無音区間検出手段と、 前記ディジタル回線上で多重化すべき複数の音声チャネ
    ルのうちで、該無音区間検出手段が無音を検出した音声
    チャネルに対しては通信相手先の符号器との間での同期
    に必要な情報のみを、また無音を検出しなかったチャネ
    ルに対しては該コア情報部を一定周期で繰り返される固
    定長ディジタルスロットに対して多重化し、該多重化の
    結果としての該固定長ディジタルスロットの残りの部分
    に該無音を検出しなかった各音声チャネルの付加情報部
    を前記伝送すべき優先度の高い部分から段階的に多重化
    し、帯域不足のための多重不能な付加情報部を廃棄する
    多重化処理手段とを有することを特徴とする高能率ディ
    ジタル多重化伝送方式。
  25. 【請求項25】 ディジタル回線上で多重化信号を伝送
    する多重化装置または交換機において、 画像入力情報を、最低の画質を保証するためのコア情報
    部と、望ましい画質を得るためには該コア情報部と共に
    伝送する必要があり、かつ伝送すべき優先度に応じて段
    階的に廃棄することが可能な付加情報部とに分離して符
    号化を行う画像符号化手段と、 画像情報の伝送に必要な帯域を判別するために該画像入
    力情報の伝送帯域を判定する要求帯域判定手段と、 前記ディジタル回線上で多重化すべき複数の画像チャネ
    ルのうちで、該要求帯域判定手段が伝送を不要と判定し
    た画像チャネルに対しては通信相手先の符号器との間で
    の同期に必要な情報のみを、また伝送が必要と判定され
    たチャネルに対しては該コア情報部を一定周期で繰り返
    される固定長ディジタルスロットに対して多重化し、該
    多重化の結果としての該固定長ディジタルスロットの残
    りの部分に伝送が必要と判定された各画像チャネルの付
    加情報部を前記伝送すべき優先度の高い部分から段階的
    に多重化し、帯域不足のための多重不能な付加情報部を
    廃棄する多重化処理手段とを有することを特徴とする高
    能率ディジタル多重化伝送方式。
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