JPH0699785B2 - 真空ろう付け用アルミニウム合金軟質板の製造方法 - Google Patents
真空ろう付け用アルミニウム合金軟質板の製造方法Info
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- JPH0699785B2 JPH0699785B2 JP7811789A JP7811789A JPH0699785B2 JP H0699785 B2 JPH0699785 B2 JP H0699785B2 JP 7811789 A JP7811789 A JP 7811789A JP 7811789 A JP7811789 A JP 7811789A JP H0699785 B2 JPH0699785 B2 JP H0699785B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、真空ろう付け時の座屈変形の少ないアルミニ
ウム合金軟質板の製造方法に関する。
ウム合金軟質板の製造方法に関する。
[従来の技術] 車輌用、各種産業用のコンデンサー、ラジエター、エバ
ポレーター等の熱交換器のフィン材には、加工性が良好
で耐食性も優れ、しかも軽量である等の理由でアルミニ
ウム合金が用いられている。そして、アルミニウム合金
の接合方法としては、大きくわけてフラックスろう付け
と、フラックスを用いない真空ろう付けがある。フラッ
クスろう付けは、フラックス自体が高価であることや、
洗浄工程や排水処理の問題があるため、近年では真空ろ
う付けが多用されている。そして、大型の熱交換器の需
要の増加に伴ない、真空加熱炉も大型化してきた。
ポレーター等の熱交換器のフィン材には、加工性が良好
で耐食性も優れ、しかも軽量である等の理由でアルミニ
ウム合金が用いられている。そして、アルミニウム合金
の接合方法としては、大きくわけてフラックスろう付け
と、フラックスを用いない真空ろう付けがある。フラッ
クスろう付けは、フラックス自体が高価であることや、
洗浄工程や排水処理の問題があるため、近年では真空ろ
う付けが多用されている。そして、大型の熱交換器の需
要の増加に伴ない、真空加熱炉も大型化してきた。
ところが、大型の真空加熱炉でろう付けした場合、従来
のフラックスろう付けや小型の真空加熱炉によるろう付
けでは生じなかったろう付け時のエロージョンが原因
で、フィンの座屈が発生した。
のフラックスろう付けや小型の真空加熱炉によるろう付
けでは生じなかったろう付け時のエロージョンが原因
で、フィンの座屈が発生した。
耐エロージョンに関してはいくつかの論文があり、エロ
ージョンの発生は、ろう溶融開始温度までに亜結晶粒が
残存している場合に顕著であり、逆に粗大に再結晶しや
すい場合にはエロージョンの発生しにくいことがわかっ
ている(鈴木ら;軽金属、vol.34、No.2[1984]p708、
当摩ら;軽金属、vol.37、No.2[1987]p119など)。さ
らに大型の真空加熱炉ではろう付け加熱時の昇温速度が
ゆるやかになるので、エロージョンが生じやすい。
ージョンの発生は、ろう溶融開始温度までに亜結晶粒が
残存している場合に顕著であり、逆に粗大に再結晶しや
すい場合にはエロージョンの発生しにくいことがわかっ
ている(鈴木ら;軽金属、vol.34、No.2[1984]p708、
当摩ら;軽金属、vol.37、No.2[1987]p119など)。さ
らに大型の真空加熱炉ではろう付け加熱時の昇温速度が
ゆるやかになるので、エロージョンが生じやすい。
[発明が解決しようとする課題] 以上のことから、本発明ではろう付け時の座屈変形を小
さくしようとするものである。
さくしようとするものである。
大型の真空加熱炉は5〜100℃/hrというゆるやかな昇温
速度によるろう付けであるが、従来の場合、100℃/hrよ
り速い昇温速度によるろう付けである。さらに大型の熱
交換器の場合、フィン材にかかる荷重は約0.2kgf/cm2で
ある。
速度によるろう付けであるが、従来の場合、100℃/hrよ
り速い昇温速度によるろう付けである。さらに大型の熱
交換器の場合、フィン材にかかる荷重は約0.2kgf/cm2で
ある。
そこで、本発明を実施するに当り、フィンコア組立品に
0.2kgf/cm2に相当する荷重をかけながらの真空ろう付け
を行い、耐座屈性を調べることで、座屈変形量の小さい
フィン材を得ることができた。
0.2kgf/cm2に相当する荷重をかけながらの真空ろう付け
を行い、耐座屈性を調べることで、座屈変形量の小さい
フィン材を得ることができた。
さらに詳しく説明すると、フィン材には強度、耐食性が
必要とされることから、Mnを含むA3003系合金が本用途
に使われることが多い。A3003系合金においてはAl−Mn
系化合物が析出して再結晶挙動を支配する。真空ろう付
けは約10℃/hrの比較的遅い昇温で550℃以上まで加熱す
るが、このとき、再結晶が十分に起らずに、亜結晶粒組
織が残存するとろうの侵食によりエロージョンが起る。
エロージョンが起ると強度が著しく低下し、局部変形
(座屈)して、ろう付け後に形状不良となり好ましくな
い。エロージョンを起しにくくするには、真空ろう付け
の加熱時にろう材が溶ける(温度に達する)以前に、材
料が十分に再結晶するようにすればよい。
必要とされることから、Mnを含むA3003系合金が本用途
に使われることが多い。A3003系合金においてはAl−Mn
系化合物が析出して再結晶挙動を支配する。真空ろう付
けは約10℃/hrの比較的遅い昇温で550℃以上まで加熱す
るが、このとき、再結晶が十分に起らずに、亜結晶粒組
織が残存するとろうの侵食によりエロージョンが起る。
エロージョンが起ると強度が著しく低下し、局部変形
(座屈)して、ろう付け後に形状不良となり好ましくな
い。エロージョンを起しにくくするには、真空ろう付け
の加熱時にろう材が溶ける(温度に達する)以前に、材
料が十分に再結晶するようにすればよい。
本発明ではこれらの条件を種々検討した結果、Fe、Mn、
Si、Cu量と析出物の分布サイズを規制することで、ろう
付け時の座屈変形を小さくすることができることを見出
した。
Si、Cu量と析出物の分布サイズを規制することで、ろう
付け時の座屈変形を小さくすることができることを見出
した。
[課題を解決するための手段] 本発明は、Mn:1.0〜1.6%(重量%、以下同じ)、Fe:0.
8%以下、Si:0.4%以下、Cu:0.2%以下を含む残部Alと
不可避不純物で、かつ、Fe/Si=1〜4 Mn/Si=3〜12 である合金材料を、通常の半連続鋳造法で鋳塊とし、58
0〜600℃で8〜20hrまたは600℃を越える融点以下で3
〜20hr加熱し、450〜550℃で熱間圧延し、冷間圧延を行
わないかまたは冷間圧延を行った後、350〜450℃で5〜
20hr加熱処理し、さらに板厚減少率30%以上の冷間圧延
を行い、300〜450℃で1〜20hr加熱処理することによ
り、材料内の金属間化合物のうち、0.1〜1μmの大き
さの化合物を1×105個/mm2以上、0.1μm未満の大き
さの化合物を1×104個/mm2以下とすることを特徴とす
る真空ろう付け用アルミニウム合金軟質板の製造方法で
ある。
8%以下、Si:0.4%以下、Cu:0.2%以下を含む残部Alと
不可避不純物で、かつ、Fe/Si=1〜4 Mn/Si=3〜12 である合金材料を、通常の半連続鋳造法で鋳塊とし、58
0〜600℃で8〜20hrまたは600℃を越える融点以下で3
〜20hr加熱し、450〜550℃で熱間圧延し、冷間圧延を行
わないかまたは冷間圧延を行った後、350〜450℃で5〜
20hr加熱処理し、さらに板厚減少率30%以上の冷間圧延
を行い、300〜450℃で1〜20hr加熱処理することによ
り、材料内の金属間化合物のうち、0.1〜1μmの大き
さの化合物を1×105個/mm2以上、0.1μm未満の大き
さの化合物を1×104個/mm2以下とすることを特徴とす
る真空ろう付け用アルミニウム合金軟質板の製造方法で
ある。
ろう付け時に座屈変形の少ないようにするには、高温変
形しにくい材料であるとともに、エロージョンの起りに
くい材料である必要があるが、本発明ではMnとCuを適当
添加することで、大型の真空ろう付け時にかかる応力
(約0.2kgf/cm2)に耐えうるだけの高温強度を得ること
ができる。エロージョンが起りにくい点については、成
分と合せて析出物の分布状態により決定される材料内部
の組織が最も影響ある因子といえる。つまり、ろう付け
時にエロージョンの起りにくい材料とするには、ろう付
け時に粗大に再結晶しやすいことが必要で、そのために
は、ろう付け前の軟質板の状態で、大きさ0.1〜1μm
の微細な析出物が1×105個/mm2以上の分布密度を有す
ることが必要である。析出物が1μmより大きくなる
と、フィン加工後のろう付け加熱の際の再結晶の核とし
て働きやすくなり、結晶粒を細く形成させてしまうため
好ましくない。また、分布密度が面積率で1×105個/m
m2より少ない場合、ろう付け加熱前の析出量が不十分
で、ろう付け加熱時に析出しやすくなり、結晶粒が細く
なってしまうため好ましくない。また、ろう付け時に粗
大に再結晶させるためには、ろう付け前の軟質板の状態
で、0.1μm未満の極微細な化合物が多いと再結晶を阻
害するので、極力これを少なくすることが必要である。
実験的調査によれば、1×104個/mm2以下であれば、実
用上充分な性能が得られることが判った。
形しにくい材料であるとともに、エロージョンの起りに
くい材料である必要があるが、本発明ではMnとCuを適当
添加することで、大型の真空ろう付け時にかかる応力
(約0.2kgf/cm2)に耐えうるだけの高温強度を得ること
ができる。エロージョンが起りにくい点については、成
分と合せて析出物の分布状態により決定される材料内部
の組織が最も影響ある因子といえる。つまり、ろう付け
時にエロージョンの起りにくい材料とするには、ろう付
け時に粗大に再結晶しやすいことが必要で、そのために
は、ろう付け前の軟質板の状態で、大きさ0.1〜1μm
の微細な析出物が1×105個/mm2以上の分布密度を有す
ることが必要である。析出物が1μmより大きくなる
と、フィン加工後のろう付け加熱の際の再結晶の核とし
て働きやすくなり、結晶粒を細く形成させてしまうため
好ましくない。また、分布密度が面積率で1×105個/m
m2より少ない場合、ろう付け加熱前の析出量が不十分
で、ろう付け加熱時に析出しやすくなり、結晶粒が細く
なってしまうため好ましくない。また、ろう付け時に粗
大に再結晶させるためには、ろう付け前の軟質板の状態
で、0.1μm未満の極微細な化合物が多いと再結晶を阻
害するので、極力これを少なくすることが必要である。
実験的調査によれば、1×104個/mm2以下であれば、実
用上充分な性能が得られることが判った。
成分については、Fe、Si、Mnの量が特に析出状態に影響
を与える。これらの元素はAlと化合し、安定相であるα
相として析出しやすい。
を与える。これらの元素はAlと化合し、安定相であるα
相として析出しやすい。
Fe/Si=1〜4が適当である。1未満であると固溶Si量
が増加し、ろう付け加熱時のSiの析出による結晶粒微細
化が起りやすくなる。また、4より大きいと、1μmよ
り大きい粗大なAl−Mn−Fe化合物を生じやすくなり、再
結晶粒が微細になりやすくなり、さらに0.1〜1μmのA
l−Mn−Si化合物の析出も阻害してしまう。
が増加し、ろう付け加熱時のSiの析出による結晶粒微細
化が起りやすくなる。また、4より大きいと、1μmよ
り大きい粗大なAl−Mn−Fe化合物を生じやすくなり、再
結晶粒が微細になりやすくなり、さらに0.1〜1μmのA
l−Mn−Si化合物の析出も阻害してしまう。
一方、 Mn/Si=3〜12が適当である。3未満であると
同じく固溶Si量が増えるため好ましくないし、12より大
きいと固溶Mn量が増し、ろう付け加熱時のAl−Mn化合物
の析出により結晶粒が微細になりやすい。
同じく固溶Si量が増えるため好ましくないし、12より大
きいと固溶Mn量が増し、ろう付け加熱時のAl−Mn化合物
の析出により結晶粒が微細になりやすい。
成分の絶対量としては、Fe≦0.8%、1.0≦Mn≦1.6%、S
i≦0.4%が適当である。いずれも最大値を越えて添加さ
れると、1μm以上の粗大な化合物が形成しやすくな
り、かつ固溶量も増加するため、前述のとおりろう付け
加熱時の結晶粒が微細になりやすい。Mn量が1%未満の
場合は、高温強度が劣ってしまう。Cuは高温強度を得る
ためには積極的に添加した方がよい。しかし、0.2%を
越えて添加された場合、耐食性が劣るためCu≦0.2%が
好ましい。
i≦0.4%が適当である。いずれも最大値を越えて添加さ
れると、1μm以上の粗大な化合物が形成しやすくな
り、かつ固溶量も増加するため、前述のとおりろう付け
加熱時の結晶粒が微細になりやすい。Mn量が1%未満の
場合は、高温強度が劣ってしまう。Cuは高温強度を得る
ためには積極的に添加した方がよい。しかし、0.2%を
越えて添加された場合、耐食性が劣るためCu≦0.2%が
好ましい。
製造条件は、微細化合物の大きさ、分布をコントロール
するために限定される。鋳塊加熱を580℃以上で8hr以上
行うことは、0.1μm未満の化合物を溶入化させること
によって、その分布を減らし、一部を0.1μm以上の大
きさに成長させるためである。温度は高く、長時間ほど
好ましい。しかし実用上、経済性から20hr以内とする。
600℃以上では反応が速いため、3時間以上加熱すれば
よい。
するために限定される。鋳塊加熱を580℃以上で8hr以上
行うことは、0.1μm未満の化合物を溶入化させること
によって、その分布を減らし、一部を0.1μm以上の大
きさに成長させるためである。温度は高く、長時間ほど
好ましい。しかし実用上、経済性から20hr以内とする。
600℃以上では反応が速いため、3時間以上加熱すれば
よい。
熱間圧延、中間焼鈍は、合金板の厚みを調整するために
行われるが、その後の加熱処理で再び合金成分の析出を
促進させるためには、30%以上の冷間加工が加えられて
いると都合がよい。熱間圧延は450〜550℃、中間焼鈍の
加熱処理は350〜450℃で5〜20hr行うとよい。
行われるが、その後の加熱処理で再び合金成分の析出を
促進させるためには、30%以上の冷間加工が加えられて
いると都合がよい。熱間圧延は450〜550℃、中間焼鈍の
加熱処理は350〜450℃で5〜20hr行うとよい。
最終的に行う合金板の加熱処理は、合金成分を析出さ
せ、かつ、その大きさを大きくするためである。その温
度が300℃未満では効果が小さいし、450℃より高いと再
結晶粒が粗大に成長して、合金板の強度、加工性を損い
好ましくない。
せ、かつ、その大きさを大きくするためである。その温
度が300℃未満では効果が小さいし、450℃より高いと再
結晶粒が粗大に成長して、合金板の強度、加工性を損い
好ましくない。
このようにして作られた軟質板材のフィン加工に際して
は、20%より大きい加工度では再結晶粒が粗大になりに
くいため20%以下の加工度が好ましい。
は、20%より大きい加工度では再結晶粒が粗大になりに
くいため20%以下の加工度が好ましい。
再結晶粒が細かいと、粒界部分へのろう材の侵入が多く
なって好ましくない。ろう付けのための加熱に当って、
550℃まで加熱昇温したときに再結晶粒径は100μm以上
好ましくは200〜500μmの大きさに成長することが、ろ
う材によるエロージョン防止(軽減)と構造体の強度維
持のために好ましい。
なって好ましくない。ろう付けのための加熱に当って、
550℃まで加熱昇温したときに再結晶粒径は100μm以上
好ましくは200〜500μmの大きさに成長することが、ろ
う材によるエロージョン防止(軽減)と構造体の強度維
持のために好ましい。
ろう付け時の昇温速度を5〜100℃/hrとするのは、これ
より速い昇温では、本発明条件によらなくても、好結果
が期待できること、また、遅い場合はろう付け構造体の
工業生産において経済的、設備能力的にほとんどあり得
ないことから限定した。
より速い昇温では、本発明条件によらなくても、好結果
が期待できること、また、遅い場合はろう付け構造体の
工業生産において経済的、設備能力的にほとんどあり得
ないことから限定した。
[実施例] 表1に示す成分を有するアルミニウム合金鋳塊を半連続
鋳造法で造塊した。鋳塊加熱を580℃×10hrの条件で行
い、550℃で熱間圧延し、その後0.4mmまで冷間圧延し
た。中間焼鈍を400℃×10hrの条件で行い、0.2mmまで冷
間圧延した。板厚減少率は50%である。0.2mm厚板の焼
鈍を350℃×3hrの条件で行い軟質板とした。
鋳造法で造塊した。鋳塊加熱を580℃×10hrの条件で行
い、550℃で熱間圧延し、その後0.4mmまで冷間圧延し
た。中間焼鈍を400℃×10hrの条件で行い、0.2mmまで冷
間圧延した。板厚減少率は50%である。0.2mm厚板の焼
鈍を350℃×3hrの条件で行い軟質板とした。
0.2mm厚軟質板の0.1mm未満と0.1〜1μmの大きさの析
出物の分布を画像解析装置((株)ニレコ製、Luzex50
0)を用いて測定し、表1にその結果を示す。
出物の分布を画像解析装置((株)ニレコ製、Luzex50
0)を用いて測定し、表1にその結果を示す。
このようにして作成した軟質板をフィンピッチ2.7mm、
フィン高さ9〜11mmのフィンに成形した。フィン高さ9m
mの場合のフィン加工度は5〜15%、フィン高さ10mmの
場合のフィン加工度は5〜20%、フィン高さ11mmの場合
のフィン加工度は10〜25%であった。(この値は断面の
硬度変化から推計した) そして、第1図に示すように、フィン1の上下をJIS
A 3003にJIS A 4004をクラッドした板2、3で挟
み、実験用フィンコアとした。このコアに応力0.2kgf/c
m2相当の重りをのせ、真空度約5×10-6Torrの真空加熱
炉にて600℃まで加熱しろう付けした。
フィン高さ9〜11mmのフィンに成形した。フィン高さ9m
mの場合のフィン加工度は5〜15%、フィン高さ10mmの
場合のフィン加工度は5〜20%、フィン高さ11mmの場合
のフィン加工度は10〜25%であった。(この値は断面の
硬度変化から推計した) そして、第1図に示すように、フィン1の上下をJIS
A 3003にJIS A 4004をクラッドした板2、3で挟
み、実験用フィンコアとした。このコアに応力0.2kgf/c
m2相当の重りをのせ、真空度約5×10-6Torrの真空加熱
炉にて600℃まで加熱しろう付けした。
昇温速度は5〜100℃/hr(No.1〜18)と120〜500℃/hr
(No.19)とした。そして、第2図に示すようにろう付
け後の座屈量αを測定し表1に示した。
(No.19)とした。そして、第2図に示すようにろう付
け後の座屈量αを測定し表1に示した。
また、0.2mmt軟質板の耐食性を確認するために、5%食
塩水(35℃)を100時間噴霧し、JIS Z 2371に準拠し
て耐食性試験を行い、その結果をJIS A 1050と相対
的に比較して評価し、表1に示した。なお、JIS A1050
の成分は、Fe:0.26%、Si:0.08%で他は0.01%以下の不
可避不純物であり、製造法は実施例の場合と同じとし
た。
塩水(35℃)を100時間噴霧し、JIS Z 2371に準拠し
て耐食性試験を行い、その結果をJIS A 1050と相対
的に比較して評価し、表1に示した。なお、JIS A1050
の成分は、Fe:0.26%、Si:0.08%で他は0.01%以下の不
可避不純物であり、製造法は実施例の場合と同じとし
た。
表1の各材料について説明する。
本発明による板材はNo.1〜8である。No.1はFe/Siを上
限の4.0、Mn量を上限近傍の1.58%とした材料である。N
o.2はFe/Siを下限近傍の1.1、Mn量を上限の1.60%とし
た材料である。No.3はMn/Siを下限近傍の3.2、Si量を上
限近傍の0.38%とした材料である。No.4はMn/Siを上限
近傍の11.1とした材料である。No.5はFe量を上限近傍の
0.77%、Cu量を上限近傍の0.18%とした材料である。N
o.6はMn量を下限近傍の1.08%とした材料である。No.7
はFe/SiおよびMn/Siを下限近傍とし、0.1〜1μmの析
出物の分布密度を下限近傍とした材料である。No.8はフ
ィン高さを10mmとし、フィン加工度を上限の20%まで上
げたものである。
限の4.0、Mn量を上限近傍の1.58%とした材料である。N
o.2はFe/Siを下限近傍の1.1、Mn量を上限の1.60%とし
た材料である。No.3はMn/Siを下限近傍の3.2、Si量を上
限近傍の0.38%とした材料である。No.4はMn/Siを上限
近傍の11.1とした材料である。No.5はFe量を上限近傍の
0.77%、Cu量を上限近傍の0.18%とした材料である。N
o.6はMn量を下限近傍の1.08%とした材料である。No.7
はFe/SiおよびMn/Siを下限近傍とし、0.1〜1μmの析
出物の分布密度を下限近傍とした材料である。No.8はフ
ィン高さを10mmとし、フィン加工度を上限の20%まで上
げたものである。
比較材はNo9〜19である。No.9はFe/Siの上限を越える材
料である。No.10はFe/Siを下限を下まわる材料である。
No.11はMn/Siの上限を越える材料である。No.12はMn/Si
の下限を下まわる材料である。
料である。No.10はFe/Siを下限を下まわる材料である。
No.11はMn/Siの上限を越える材料である。No.12はMn/Si
の下限を下まわる材料である。
No.13はFe量の上限を越える材料である。
No.14はMn量の上限を越える材料である。
No.15はSi量の上限を越える材料である。
No.16はCu量の上限を越える材料である。
No.17はMn量を極端に小さくし、かつFe/Si、Mn/Siを下
限近傍とすることで、0.1〜1μmの析出物の分布密度
を下限より下まわるようにした材料である。No.18はフ
ィン高さを11mmとし、フィン加工度を20%を越える25%
まで上げたものである。No.19はろう付け加熱時の昇温
速度を100℃/hrを上まわる120〜500℃/hrとしたもので
ある。
限近傍とすることで、0.1〜1μmの析出物の分布密度
を下限より下まわるようにした材料である。No.18はフ
ィン高さを11mmとし、フィン加工度を20%を越える25%
まで上げたものである。No.19はろう付け加熱時の昇温
速度を100℃/hrを上まわる120〜500℃/hrとしたもので
ある。
表1のNo.1〜8の本発明による板材のろう付け構造体
は、座屈試験結果から100μm以下の座屈量を示し、耐
座屈性に優れていることがわかる。また、耐食性もJIS
A 1050より若干劣るものがあるものの良好といえ
る。
は、座屈試験結果から100μm以下の座屈量を示し、耐
座屈性に優れていることがわかる。また、耐食性もJIS
A 1050より若干劣るものがあるものの良好といえ
る。
表1のNo.9〜15、No.17〜19の比較例によるろう付け構
造体は、100μm以上の座屈量を示し、耐座屈性に劣る
ことがわかる。また、Cu量が0.2%を越えるNo.16は耐食
性に劣る。
造体は、100μm以上の座屈量を示し、耐座屈性に劣る
ことがわかる。また、Cu量が0.2%を越えるNo.16は耐食
性に劣る。
実施例2 付に表2に示す合金A、Bを半連続鋳造法で鋳塊とな
し、表3に示すような製造条件を組み合せて得られた0.
2mm厚軟質板の化合物の分布と、実施例1と同様にして
試験したフィン座屈量は表3のとおりであった。
し、表3に示すような製造条件を組み合せて得られた0.
2mm厚軟質板の化合物の分布と、実施例1と同様にして
試験したフィン座屈量は表3のとおりであった。
No.24〜27の如く、熱処理条件が不適当なときは、0.1μ
m未満の析出物が多くなり、ろう付け時にエロージョン
を招き、座屈しやすくなる。
m未満の析出物が多くなり、ろう付け時にエロージョン
を招き、座屈しやすくなる。
[発明の効果] 本発明によれば、ゆるやかな昇温速度による大型真空ろ
う付けにおいて、座屈の少ないアルミニウム合金軟質板
を得ることができる。
う付けにおいて、座屈の少ないアルミニウム合金軟質板
を得ることができる。
第1図は本発明の実施例の試験片の説明図、第2図は試
験結果の説明図である。 1…フィン、2、3…板
験結果の説明図である。 1…フィン、2、3…板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉知 輝雄 兵庫県尼崎市西長洲本通2―6 住友精密 工業株式会社内 (72)発明者 安孫子 哲男 兵庫県尼崎市西長洲本通2―6 住友精密 工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】Mn:1.0〜1.6%(重量%、以下同じ)、Fe:
0.8%以下、Si:0.4%以下、Cu:0.2%以下を含む残部Al
と不可避不純物で、かつ、Fe/Si=1〜4 Mn/Si=3〜12 である合金材料を、通常の半連続鋳造法で鋳塊とし、58
0〜600℃で8〜20hrまたは600℃を越える融点以下で3
〜20hr加熱し、450〜550℃で熱間圧延し、冷間圧延を行
わないかまたは冷間圧延を行った後、350〜450℃で5〜
20hr加熱処理し、さらに板厚減少率30%以上の冷間圧延
を行い、300〜450℃で1〜20hr加熱処理することによ
り、材料内の金属間化合物のうち、0.1〜1μmの大き
さの化合物を1×105個/mm2以上、0.1μm未満の大き
さの化合物を1×104個/mm2以下とすることを特徴とす
る真空ろう付け用アルミニウム合金軟質板の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7811789A JPH0699785B2 (ja) | 1989-03-31 | 1989-03-31 | 真空ろう付け用アルミニウム合金軟質板の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7811789A JPH0699785B2 (ja) | 1989-03-31 | 1989-03-31 | 真空ろう付け用アルミニウム合金軟質板の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02259052A JPH02259052A (ja) | 1990-10-19 |
JPH0699785B2 true JPH0699785B2 (ja) | 1994-12-07 |
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ID=13652941
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JP7811789A Expired - Fee Related JPH0699785B2 (ja) | 1989-03-31 | 1989-03-31 | 真空ろう付け用アルミニウム合金軟質板の製造方法 |
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JP (1) | JPH0699785B2 (ja) |
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-
1989
- 1989-03-31 JP JP7811789A patent/JPH0699785B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH02259052A (ja) | 1990-10-19 |
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