JPH0698591B2 - 高速切断機用の制御装置 - Google Patents

高速切断機用の制御装置

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JPH0698591B2
JPH0698591B2 JP1236573A JP23657389A JPH0698591B2 JP H0698591 B2 JPH0698591 B2 JP H0698591B2 JP 1236573 A JP1236573 A JP 1236573A JP 23657389 A JP23657389 A JP 23657389A JP H0698591 B2 JPH0698591 B2 JP H0698591B2
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cutting
cut
slider
speed
motor
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義洋 秦野
吉光 山口
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日本電装株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、直線的に移動している被切断物、特に自動車
用熱交換器例えば、放熱器,凝縮器に用いられるところ
の偏平チューブを高速度でかつ高精度に定寸切断するた
めの高速切断機用の制御装置の改良に関するものであ
る。
「従来の技術」 従来の高速切断機用の制御装置の一例として、特公昭60
-36916号,および特公昭61-4638号に開示されたものに
ついて説明する。
第6図に従来の高速切断機用の制御装置の概略構成を示
す。被切断物たる偏平チューブ1は図示しないチューブ
製造機から連続的に供給され、所定の切断長さで切断さ
れる。偏平チューブ1の供給側には回転自在のコンタク
トローラ2が接触させてある。コンタクトローラ2は、
該コンタクトローラ2が一定角度回転するごとに1個ず
つパルスを発生するエンコーダ3に連結してある。
偏平チューブ1を切断するための切断刃18と雌刃20とで
切断機構が構成される。該切断機構は、被切断物の移動
線とほぼ平行な面内で回転される。切断機構が1回転す
るごとに被切断物が1回切断される。切断モータ30は、
変速機構を介して切断刃18を駆動するとともに、前記切
断機構を偏平チューブ1と同速度で追従させることがで
きるようになっている。切断モータ30には、該切断モー
タ30が一定角度回転するごとに1個ずつパルスを発生す
るエンコーダ76が連結してある。
偏平チューブ1の切断長さは設定レジスタ68により設定
される。
偏平チューブ1が移動するとコンタクトローラ2が回転
し、エンコーダ3は偏平チューブ1の移動量に比例した
数のパルスを発生し、該パルスはカウンタ88に供給さ
れ、加算される。一方、エンコーダ76は、切断モータ30
の回転角度すなわち該切断モータ30の回転による切断機
構の移動量に比例したパルスを発生し、該パルスがカウ
ンタ88に供給され、減算される。カウンタ88の値はさら
にデジタル減算器90に供給されて、切断長さから減算さ
れ、この結果が設定長さに対する残りの長さ(残長)と
してデジタル/アナログ変換器(以下単にD/A変換器と
いう)91によりアナログの残長速度信号に変換されてア
ナログ加減算器94に供給される。エンコーダ76の出力パ
ルスはD/A変換器93へ供給されて切断モータ30の回転速
度に応じたアナログ電圧に変換されてアナログ加減算器
94へ供給される。またアナログ加減算器94にはエンコー
ダ3からのパルスがD/A変換器にて偏平チューブ1の走
行速度に応じたアナログ電圧として供給される。この結
果アナログ加減算器94では、被切断物の走行速度信号か
ら回転速度信号及び残長速度信号が引算され、その残り
がダイオード95を通じて切断モータ駆動回路たる速度制
御サーボモータ駆動回路96へ供給され、この速度制御サ
ーボモータ駆動回路96の出力により切断モータ30が駆動
される。
このような制御装置により、切断機構の1回転の移動長
よりも被切断物の切断長さが長い場合には切断機構は一
定時間低速で回転し、切断刃18が偏平チューブ1に接す
るまでに、その偏平チューブ1に沿う速度成分が、偏平
チューブ1の走行速度と等しくなるよう増速される。ま
た切断機構の1回転の移動長よりも被切断物の切断長さ
が短い場合には、切断刃18が偏平チューブ1に近づくま
では偏平チューブ1に接する時よりも速度を速くし、偏
平チューブ1と接触し始めると、切断機構の偏平チュー
ブ1に沿う速度成分が偏平チューブ1の走行速度と一致
するように減速される。
「発明が解決しようとする課題」 上記構成の従来の高速切断機用の制御装置では、制御機
構が1回転する間の回転速度を変化させているが、切断
機構の慣性力のために、該切断機構の回転速度を大幅に
変化させることが困難であった。
また、回転速度の加減速時間の短縮には限度があり、被
切断物の移動速度を高速化することや、切断長さの設定
範囲を拡大することが充分にはできなかった。
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたものであ
り、その課題とするところは、切断精度を落とすことな
く、被切断物の移動速度が向上でき、かつ切断長さの設
定範囲が拡大できるような高速切断機の切断制御装置を
提供することである。
「課題を解決するための手段」 上記課題を解決するための本発明の高速切断機用の制御
装置は、偏心量調節可能な偏心ピンを有するクランク機
構と、該クランク機構を介して切断モータにより被切断
物に沿って往復運動するスライダと、該スライダに取り
付けられるとともに前記切断モータにより変速機構を介
して回転する回転切断刃と雌刃とで構成される切断機構
と、前記偏心ピンの偏心量を調節する段取モータとを有
し、前記スライダを被切断物と同一速度にて追従させ回
転切断刃により被切断物を切断するとともに偏心ピンの
偏心量を調節してスライダの追従距離を変更できるよう
構成した高速切断機用の制御装置であって、前記被切断
物に転接して回転するコンタクトローラと、該コンタク
トローラに連結され被切断物の移動量に比例した数のパ
ルスを発生するエンコーダと、前記パルスを任意の比率
で分周する比率設定手段と、該比率設定手段にて分周さ
れたパルスにより前記切断モータを駆動する切断モータ
駆動回路と、前記段取モータを駆動する段取モータ駆動
回路と、前記被切断物の切断長さに応じた分周の比率を
演算して前記比率設定手段に出力するとともに、前記回
転切断刃が被切断物を切断するときのスライダの移動速
度が被切断物の移動速度に等しくなるような被切断物の
切断長さに応じた偏心ピンの偏心量を演算して前記段取
モータ駆動回路に出力する演算手段とを備えることを特
徴とする。
「作用」 上記構成の本発明による高速切断機の切断制御装置は、
本出願人による先の出願である特開昭63-47008号に開示
されたところの、回転切断刃を有する切断機構を備えた
スライダを往復運動させるクランク機構のクランク半径
を段取モータにより変更自在な高速切断機に適用される
切断制御装置である。
被切断物にコンタクトローラが転接され、該コンタクト
ローラの回転に伴いエンコーダによりパルスが発生され
て比率設定手段に出力される。この比率設定手段では演
算手段から指令された比率により前記パルスが分周され
る。前記演算手段は被切断物の所定の切断長さに基づ
き、被切断物が前記切断長さ分移動する時に回転切断刃
が1回転するような比率指令を前記比率設定手段に出力
するとともに、段取モータ駆動回路に回転切断刃の角度
位置の関数である偏心ピンの偏心量を出力する。前記比
率設定手段を経て所定の比率に分周されたパルスは切断
モータ駆動回路に出力され、切断モータは一定の速度で
回転駆動される。被切断物の切断長さを変更する時に
は、前記切断モータ駆動回路により被切断物がその切断
長さ分だけ移動した時に回転切断刃が1回転する様に切
断モータの回転が制御され、前記段取モータ駆動制御手
段により前記クランク機構のクランク半径は回転切断刃
が被切断物を切断するときのスライダの移動速度が被切
断物の移動速度に等しくなるように制御されるので、回
転切断刃が1回転する間での切断モータの加減速が不要
となる。
「実施例」 以下本発明の実施例につき説明する。
まず高速切断機の構成について第1図,第2図を参照し
て説明する。被切断物であるところの熱交換器用の偏平
チューブ1は、帯状のチューブ素材を管状に成形加工す
る造管機、チューブを偏平形状に加工するバーチカルロ
ーラ、チューブ表面にはんだメッキを施すためのはんだ
メッキ炉、チューブの歪取りを行うためのサイジングロ
ーラ等からなる、図示略のチューブ製造機から連続的に
供給され、ガイドプレート21により案内されて移動す
る。偏平チューブ1の供給側にコンタクトローラ2が接
触させてある。コンタクトローラ2はアナログ・デジタ
ル変換器であるエンコーダ3に連結されている。このエ
ンコーダ3はコンタクトローラ2が一定角度回転するご
とに1個ずつのパルスを発生する。
切断モータ30は、ベース31に固定したステー32に固設さ
れている。切断モータ30には該切断モータ30が一定角度
回転するごとに1個のパルスを発生する、アナログ・デ
ジタル変換器であるエンコーダ76が連結されている(第
4図参照)。切断モータ30のシャフト33には歯車34が固
着されている。クランク軸35の下端に固着した歯車36が
前記歯車34と噛合している。回転フランジ管37は、前記
クランク軸35に対してベアリング38,39により回転自在
に取り付けられるとともにベース31に対しベアリング4
0,41により回転自在に取り付けてある。クランク軸35の
上面にはピン42により遊星歯車43が回転自在に取り付け
られ、一方前記回転フランジ管37の上面には内歯歯車44
が固着してあり、遊星歯車43と内歯歯車44が噛合してい
る。この遊星歯車のピッチサークル径D1と内歯歯車のピ
ッチサークル径D0の比率は1:2に設定してある(第3図
参照)。また遊星歯車43の上面には取付板45が固着さ
れ、該取付板45に偏心ピン46が植設され、該偏心ピン46
のセンタ遊星歯車43のピッチサークル上に位置するよう
配置してある。前記内歯歯車44の上面には直線状のガイ
ド溝47を形成する一対のガイド48,48が固設され、一
方、前記偏心ピン46にはスライド管49がメタル50を介し
て回転自在に挿着され、該スライド管49が前記ガイド溝
47内を直線的に滑動しうるよう該ガイド溝47に遊嵌され
ている。更に偏心ピン46にはワッシャ51及びメタル52を
介して連結ロッド9の一端が回転自在に取り付けられて
いる。
次に、差動歯車装置53には、シャフト54,55が回転自在
に取り付けられるとともに歯車56が固着されている。そ
して、シャフト54はベース31に固設した段取モータ57と
連結され、シャフト55には歯車58が固着され、該歯車58
は前記クランク軸35に固着した歯車60と噛合している。
また、歯車56は前記回転フランジ管37に固着した歯車59
と噛合している。この差動歯車装置53の減速比及び歯車
56と歯車59並びに歯車58と歯車60の歯数比は、段取モー
タ57が駆動されず、シャフト54が回転しないとき、前記
クランク軸35と回転フランジ管37の回転数が同一になる
よう設定されている。そして、段取モータ57を駆動して
シャフト54を回転させると回転フランジ管37の回転数が
変化し、クランク軸35の回転数と差が生じるよう構成さ
れている。この差動歯車装置53は歯車34→歯車36→クラ
ンク軸35→歯車60→歯車58→歯車56→歯車59により形成
される切断モータ30と回転フランジ管37の間のトルク伝
達経路内に配設され、回転フランジ管37の回転数をクラ
ンク軸35の回転数と同一回転数及びこれと異なる回転数
の間で切り替え設定するための回転数可変機構として機
能する。
次に、回転フランジ管37に固着した前記歯車59と歯車15
が噛合し、更に該歯車15がスプライン軸17の一端に取り
付けたねじ歯車16と噛合している。スプライン軸17はス
ライダ12のベアリング22により回転自在に取り付けら
れ、その他端には回転切断刃18が固定されている。スラ
イダ12は2本のレール13,13によりベース31に滑動自在
に取り付けられ、側面には前記連結ロッド9の他端に結
合された扇形歯車11と噛合するラック14が刻設され、矢
印A,Bのごとく往復運動するようにしてある。スライダ1
2の上面には前記回転切断刃18が挟装される雌刃20を有
する切断刃保持器19が固定されている。回転切断刃18と
雌刃20よりなる切断機構は、第5図に示すごとく、回転
切断刃18には外周の一部に半径方向に突出した楔形刃先
18aを設けてあり、雌刃20には偏平チューブ1が嵌挿す
る孔20aを設けてある。しかして、この切断機構は、連
結ロッド9の一端が取り付けられている偏心ピンの偏心
量を調節し、偏平チューブ1と同速度でスライダ12を追
従させることができるようになっており、前記スライダ
12が偏平チューブ1に追従している時点において回転切
断刃18が回転して偏平チューブ1を切断するように回転
切断刃18の刃先18aの中心角度αを選定してある。
次に制御装置の構成につき第4図を参照して説明する。
偏平チューブ1にはコンタクトローラ2が転接され、該
コンタクトローラ2にエンコーダ3が連結されている。
比率設定手段75はラッチ65と加算器66を備えている。エ
ンコーダ3の出力パルスはラッチ65のクロックに入力さ
れる。ラッチ65は前記パルスが入力されるたびに、加算
器66にて比率データ72とラッチ65の前回保持データ73を
加算した加算データ74を保持する。ラッチ65の保持デー
タ73の最上位ビットが、切断モータ駆動回路たる位置制
御サーボモータ駆動回路67に接続される。また、該位置
制御サーボモータ駆動回路67には、切断モータ30に連結
されたエンコーダ76からフィードバックパルスが供給さ
れる。上記構成の比率設定手段75において、保持データ
73の最上位ビットがエンコーダ3のパルスにより所定の
パルスを発生させる。該所定のパルスに基づいて、位置
制御サーボモータ駆動回路67は切断モータ30を駆動させ
る。
ここで、演算手段69は設定レジスタ68に設定された切断
長さを読み取って所定の演算を行い、比率データ72を出
力する。また演算手段69は前記設定長さに基づいて所定
の演算を行い、偏心ピン46の偏心量を求めてパルス発生
器70に発生パルス数を指示する。パルス発生器70より出
力されるパルスは段取モータ駆動回路71に供給され、段
取モータ57を所定の回転位置まで回転駆動させる。
「作動」 上記構成の作動につき説明する。
まず、高速切断機の作動につき、主として第1図,第2
図を参照して説明する。
図示略のチューブ製造機から偏平チューブ1が供給さ
れ、第1図で右方に移動を開始すると、該偏平チューブ
1に接触しているコンタクトローラ2が回転し、これに
伴いエンコーダ3がパルスを発生し、第4図図示の比率
設定手段75および位置制御サーボモータ駆動回路67によ
り制御パルスが切断モータ30に供給され、該切断モータ
30が所定の切断長さを得ることのできる回転速度で駆動
される。
切断モータ30の回転に伴い、歯車34,歯車36を介してク
ランク軸35が回転する。更にクランク軸35の回転に伴
い、歯車60,歯車58,差動歯車機構53,歯車56,歯車59を介
して回転フランジ管37も回転する。通常切断時、段取モ
ータ57は停止しているので、クランク軸35と回転フラン
ジ管37は同一回転速度で回転を続ける。従って、回転フ
ランジ管37に固着した内歯歯車44とクランク軸37に回転
自在に取り付けた遊星歯車43も同一回転速度で回転する
ため遊星歯車43はピン42の回りに自転することなく内歯
歯車44とかみ合いながら内歯歯車44に沿って公転する。
その結果、遊星歯車43に植設した偏心ピン46は予め設定
されていた偏心量rを保ちつつ回転する。そして連結ロ
ッド9に往復運動を生ぜしめ、扇形歯車11が揺動し、ス
ライダ12がレール13,13に沿って矢印A,Bのごとく往復運
動する。
一方、切断モータ30のトルクは回転フランジ管37から歯
車59,歯車15,ねじ歯車16を介してスプライン軸17へ伝達
され、該スプライン軸17が回転する。そして前記スライ
ダ12の往工程中(矢印A)において該スライダ12が偏平
チューブ1の移動速度と同速度で追従したときに回転切
断刃18により偏平チューブ1が切断される。
偏平チューブ1の切断長さが短い場合にはスライダ12の
一往復につき回転切断刃18を1回転させて1回切断する
が、偏平チューブの切断長さが長い場合にはスライダ12
の工程が長くなり、該スライダ12の慣性等により切断速
度の高速化に限度があるため、歯車59と歯車15の回転比
を選択し、スライダ12の2往復あるいは3往復・・・・
に対し回転切断刃18を1回転させて1回切断する。
なお、歯車59と歯車15の回転比を2:1に設定してスライ
ダ12の2往復で回転切断刃18を1回転させる場合、偏平
チューブ1の切断長さをLとすれば、スライダの追従距
離は次式で得られる。
スライダ追従距離=(L+切断代)/4 故に、偏心ピン46の偏心量の調節によるスライダ12の追
従距離の変更により、偏平チューブ1の切断長さLをあ
る範囲内で無段階に選定できる。
次に偏平チューブ1の切断長さLを変更する場合につい
て述べる。
上記説明したようにスライダ12が2往復する間に1回切
断を行う場合、スライダ追従距離は次式で求められる。
スライダ追従距離=(L+切断代)/4 従って、上式で求められる追従距離となるよう偏心ピン
46の偏心量を設定しなければならない。それには段取モ
ータ57を短時間駆動しシャフト54を回転させる。する
と、いままでクランク軸35と同一回転速度で回転してい
た回転フランジ管37の回転速度が変更され、回転フラン
ジ管37とクランク軸35の間に回転速度差が発生する。そ
の結果遊星歯車43がピン42の回りに自転し、第3図に示
すように差動角θが生じる。遊星歯車43のピッチサーク
ル径D1と内歯歯車44のピッチサークル径D0の比率は1:2
に設定してあるので差動角θの発生に伴い、遊星歯車43
に植設した偏心ピン46のセンタO1は内歯歯車44の半径方
向に直線の軌跡を描いて変位する。従って偏心ピン46は
ガイド溝47に沿って直線的に移動する。所定の偏心量r1
に設定した後、段取モータ57を停止する。すると再びク
ランク軸35と回転フランジ管37が同一の回転速度で回転
するので遊星歯車43は自転を停止し、新たに設定された
偏心量r1を維持したまま内歯歯車44に沿って公転する。
一方、切断モータ30は後述の制御装置の作動により、変
更後の切断長さで偏平チューブ1を切断できる回転速度
にて回転を開始し段取が完了する。
次に制御装置の作動につき主として第4図を参照して説
明する。
偏平チューブ1が右方向に移動するとエンコーダ3は偏
平チューブ1の移動量に比例したパルスを発生する。該
パルスはラッチ65と加算器66とで構成された比率設定手
段75にて、演算手段69より供給される比率データ72に従
って、所定の比率分分周され、その分周パルスが位置制
御サーボモータ駆動回路67に出力される。このときの比
率データ72の値をB,加算器に設定できるデータの値をA,
該データのビット数をnとすれば、次式で表される関係
が成立する。
B=A/2n この式により、加算器に設定できるデータの値Aが求め
られる。なお0≦A≦2n-1の関係が成立する。
また、比率データ72の値Bは、演算手段69において、設
定レジスタ68で設定された切断長さに基づいて演算され
た値である。切断長さをL,コンタクトローラ2の円周を
l,切断モータ30のフィードバック用のエンコーダ76の分
解能をP1,コンタクトローラ2用のエンコーダ3の分解
能をP2,切断1回あたりの切断モータ30の回転数をaと
すれば、次式で表される関係が成立する。
B=(l×a×P1)/(L×P2) この式により、比率データ72の値Bを未知数として演算
を行う。
位置制御サーボモータ駆動回路67は前記分周パルスに従
い切断モータ30を回転させ、回転切断刃18が回転して偏
平チューブ1を切断する。このようにして、偏平チュー
ブ1が設定レジスタ68により設定された切断長さ分移動
した時に、回転切断刃18が1回転して、偏平チューブ1
を定寸に切断する。
また演算手段69は前記比率データ72を演算するととも
に、クランクをなす偏心ピンの偏心量を演算してパルス
発生器70に発生パルス数を指示する。偏心ピンの偏心量
をr,切断長さをL,差動角をθとすれば、次式で表される
関係が成立する。
θ=arc cos(L/2πr) この式により、偏心量rを未知数として演算を行う。パ
ルス発生器は前記パルス数の指令に従い、パルスを段取
モータ駆動回路71に供給する。段取モータ駆動回路71
は、段取モータ57を所定位置まで回転させて偏心ピンの
偏心量を変更し、回転切断刃18が偏平チューブ1を切断
する時のスライダ12の、偏平チューブ1の移動方向の速
度と、偏平チューブ1の移動速度とが等しくされる。
本実施例によれば、設定長さの変更が高速切断機を停止
させることなく行えるので、チューブ製造機を停止させ
る必要がなく、設備稼働率の大幅な向上、並びにチュー
ブ製造機の停止に起因する不良チューブの発生を防止し
て不良率の低減を図ることができる。
「他の実施例」 本発明は上記実施例の細部にまで限定されるものではな
く、例えば比例設定手段は、ラッチと加算器とで構成さ
れる以外に、入力パルスに対して出力パルスを任意な比
率で分周できるものであればよい。
また、上記実施例ではクランクピンの偏心量を変更する
ために、遊星歯車を用いたが、偏心量が変更自在な他の
機構を用いるのであってもよい。
「発明の効果」 以上述べたように本発明の高速切断機用の制御装置は、
被加工物に転接して回転するコンタクトローラと、該コ
ンタクトローラに連結され被切断物の移動量に比例した
数のパルスを発生するエンコーダと、前記パルスを任意
の比率で分周する比率設定手段と、該比率設定手段にて
分周されたパルスにより切断モータを駆動する切断モー
タ駆動回路と、被切断物の切断長さに応じた分周の比率
を演算して前記比率設定回路に出力する演算手段を備え
ているので、被切断物を一定長さに切断する限りにおい
て切断モータおよび該切断モータによって駆動される切
断機構の加減速が不要になるので、切断加工の精度を落
とすことなく、被切断物の移動速度を高速化でき、かつ
切断長さの設定範囲を拡大できるという優れた効果があ
る。
また、段取モータを駆動する段取モータ駆動回路を備
え、前記演算手段は回転切断刃が被切断物を切断すると
きのスライダの移動速度が被切断物の移動速度に等しく
なるような被切断物の切断長さに応じた偏心ピンの偏心
量を演算して前記段取モータ駆動回路に出力するので、
切断長さの変更は、所望の切断長さを設定するだけで、
複雑な制御を必要とすることなく容易に行えるという優
れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例である高速切断機を示す平面
図、第2図は前記高速切断機の要部拡大断面図、第3図
は前記高速切断機の遊星歯車と内歯歯車の作用を示す説
明図、第4図は前記高速切断機用の制御装置の構成を示
す説明図、第5図は回転切断刃を示す拡大図、第6図は
従来の高速切断機用の制御装置の構成を示す説明図であ
る。 1……(被切断物たる)偏平チューブ、2……コンタク
トローラ、3……エンコーダ、12……スライダ、18……
回転切断刃、20……雌刃、30……切断モータ、46……偏
心ピン、57……段取モータ、67……(切断モータ駆動回
路たる)位置制御サーボモータ駆動回路、69……演算手
段、71……段取モータ駆動回路、75……比率設定手段。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏心量調節可能な偏心ピンを有するクラン
    ク機構と、該クランク機構を介して切断モータにより被
    切断物に沿って往復運動するスライダと、該スライダに
    取り付けられるとともに前記切断モータにより変速機構
    を介して回転する回転切断刃と雌刃とで構成される切断
    機構と、前記偏心ピンの偏心量を調節する段取モータと
    を有し、前記スライダを被切断物と同一速度にて追従さ
    せ回転切断刃により被切断物を切断するとともに偏心ピ
    ンの偏心量を調節してスライダの追従距離を変更できる
    よう構成した高速切断機用の制御装置であって、 前記被切断物に転接して回転するコンタクトローラと、 該コンタクトローラに連結され被切断物の移動量に比例
    した数のパルスを発生するエンコーダと、 前記パルスを任意の比率で分周する比率設定手段と、 該比率設定手段にて分周されたパルスにより前記切断モ
    ータを駆動する切断モータ駆動回路と、 前記段取モータを駆動する段取モータ駆動回路と、 前記被切断物の切断長さに応じた分周の比率を演算して
    前記比率設定手段に出力するとともに、前記回転切断刃
    が被切断物を切断するときのスライダの移動速度が被切
    断物の移動速度に等しくなるような被切断物の切断長さ
    に応じた偏心ピンの偏心量を演算して前記段取モータ駆
    動回路に出力する演算手段とを備えることを特徴とす
    る、 高速切断機用の制御装置。
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