JPH0696820B2 - 繊維集積体の製造方法 - Google Patents

繊維集積体の製造方法

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JPH0696820B2
JPH0696820B2 JP23378186A JP23378186A JPH0696820B2 JP H0696820 B2 JPH0696820 B2 JP H0696820B2 JP 23378186 A JP23378186 A JP 23378186A JP 23378186 A JP23378186 A JP 23378186A JP H0696820 B2 JPH0696820 B2 JP H0696820B2
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友仁 伊藤
秀敏 平井
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株式会社豊田自動織機製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、繊維集積体の製造方法に係り、詳しくは繊維
の多くが一次元配向したとくに繊維強化金属の製造に用
いて好適な繊維集積体の製造方法に関する。
[従来の技術] 従来、繊維強化金属の製造に使用される短繊維又はウイ
スカ等の比較的短い繊維の集積体を得るため、たとえば
濾過膜を内張りした多孔円筒体内に繊維分散液を供給
し、遠心作用により濾液を飛散させて繊維の中空積体を
成形するようにした遠心成形方法(特開昭60−65200号
公報)や、シリンダ内に供給した繊維分散液をプランジ
ャで加圧する一方、下底部から濾過材を介して濾液を積
極排出するようにした吸引成形方法などが知られてい
る。
しかし上記の成形方法によって得られた繊維集積体は、
繊維の多くが三次元方向に配向したものであって繊維の
体積率が低く、とくに繊維強化金属の狙いが強度の向上
や熱膨張の抑制にある場合には、きわめて不満足な結果
しか得られなかった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、繊維の多くが一次元配向した繊維集積体を得
るために、誘電液体中に繊維を分散させた繊維懸濁液
を、正負電極間に醸成された電界内に注入して該繊維を
静電配向させると同時に橋絡させ、同配向繊維を順次沈
降させて集積するという技術思想を基礎としている。
しかして電荷の注入により上記正負電極側のそれぞれに
発生し陽イオン及び陰イオンの流動が、上記繊維懸濁液
の対流起生原因となるのを防止するため、正電極の内側
には陰イオン交換膜を、負電極の内側には陽イオン交換
膜をそれぞれ並設して、上記発生イオンの繊維配向域へ
の透過侵入を阻止するようになされている。
ところが長時間にわたって繊維の静電配向が継続される
と、上記発生イオンの増殖蓄積にともないイオン交換膜
を超えて繊維配向域へと侵入するごく一部の透過イオン
の量も比例的に増加し、果ては該透過イオンの流動に起
因する繊維懸濁液の対流が繊維の配向に乱れを生じさせ
ることになる。
本発明は、上記透過イオンの量を皆無若しくは無視しう
る程度に抑制して、静電配向繊維の配向性を高精度に確
保することを解決すべき技術課題とするものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上記課題解決のため、上記基礎技術に加え正負
電極の各内側にイオン交換膜を並設して、該イオン交換
膜と対峙する電極との挟間界域に上記繊維懸濁液とは独
立した誘電液体の流れを創成するという新規な構成を採
用している。
このようにイオン交換膜と対峙する電極との挟間界域に
独立した誘電液体の流れを創成すると、正負電極側のそ
れぞれに発生した陽イオン及び陰イオンは、上記挟間界
域に創成される誘電液体の流れに乗って増蓄されること
なく逐次流出排除されるため、イオン交換膜を透過する
イオンは無視しうる程度に減少して繊維懸濁液の対流す
なわち繊維配向の攪乱要因は完全に払拭され、該懸濁液
中の繊維の多くは乱れを生じることなく一次元方向に高
精度に静電配向される。
繊維集積体の製造は、短繊維、ウイスカ等の繊維を誘電
液体中に分散させて繊維懸濁液とすることから始まる。
上記繊維としては、短繊維及びウイスカの範疇に入るも
ののすべてを用いることができ、その径及び長さはとく
に限定されない。該繊維の材質としては、繊維懸濁液と
して所定の電界内に注入された際、誘電液体中で静電配
向するものであればよく、例えば、アルミナ、シリカ、
アルミナーシリカ、ベリリヤ、炭素、炭化珪素、窒化珪
素、ガラスのほか各種金属等を使用することができる。
また、該繊維のうちの2種以上を混合して使用すること
もできる。
上記誘電液体とは、電圧の印加により誘電性を示す液体
をいい、これには四塩化炭素、フッ素塩素置換炭化水
素、n−ヘキサン又はシクロヘキサン等が挙げげられ
る。これらの誘電液体のうち四塩化炭素がとくに好まし
く、また、フッ素塩素置換炭化水素は取扱い上、安全性
の面で優れている。なお、該誘電液体中に繊維をなるべ
く均一に分散させるには、通常界面活性剤を特にノニオ
ン系界面活性剤を適当量添加することが望ましい。
続いては上記繊維懸濁液を正負電極間に醸成される電界
内に注入して、誘電液体中で個々の繊維をその一端が正
電極に他端が負電極に指向した(一次元配向)状態に配
向させ、同時に橋絡をともなってこれを沈降させること
である。
正負電極間に電圧を印加して醸成される上記電界の強さ
は、通常0.5〜5kv/cmで、これが0.2kv/cm程度以上では
繊維の静電配向が十分でなく、また10kv/cm程度以上に
おいては繊維懸濁液に攪乱が生じて繊維の配向精度が劣
化する。もっとも好ましい該電界の強さは約1〜2kv/cm
である。なお、該電界の強さは、使用繊維の種類、誘電
液体の誘電特性及び製造される繊維集積体の厚さなどに
より、もっとも好ましい値が設定される。
なお、本発明においては、上記繊維懸濁液中の繊維を静
電的に配向橋絡させて沈降せしめる際、繊維配向域を画
するイオン交換膜と対峙する電極との挟間界域に該繊維
懸濁液とは独立した誘電液体の連続又は間歇的な流れを
創成して、正負電極側のそれぞれに発生するイオンを増
蓄させることなく流出排除するようになされており、該
イオン交換膜を透過して繊維配向域へと侵入するイオン
は皆無に近い程度に制限されるので、イオンの流動に起
因する繊維懸濁液の対流を生ずることなく、繊維は安定
して静電配向される。
沈降した配向繊維は順次容器の内底壁上に集積される
が、これが所望厚さに達するまでの間上記繊維懸濁液の
注入は続けられ、器の底壁からはほぼ等量の液の排出が
行われる。この場合液の排出には注意が肝要で、液に力
学的な乱れの生じない程度に流量を調節したうえで、自
然流出若しくは吸引排出させることが望ましい。上記流
排出は容器の内底面上に配設された濾過体を介して行う
ことが、流量の調節ばかりでなく繊維の漏出や液の乱れ
を防止するうえで効果的であり、該濾過体としては例え
ば多孔質セラミックなどを使用することができる。
かくて集積を終え、残留誘電液体の排出除去をまって取
出された繊維集積体は、所望の寸法形状に裁断するなど
して繊維強化金属繊維成形体となされるものである。
本発明方法の実施には、図に模式的に示すような装置が
用いられる。図中1は、例えば非導電性材料からなり繊
維懸濁液を注入しうるよう上方の開放された有底箱形状
の容器で、その内側壁には互いに対向した正及び負の電
極2、3が取付けられ、正電極2の内側には陰イオン交
換膜4が、負電極3の内側には陽イオン交換膜5がそれ
ぞれ並設されている。該イオン交換膜4、5は導電性繊
維の短絡を防ぐと同時に繊維配向域6を画し、さらに正
電極2側に発生した陽イオン及び負電極3側に発生した
陰イオンが上記繊維配向域6へ透過侵入するのを阻止し
ている。そして容器1にはイオン交換膜4、5と対峙す
る電極2、3との各挟間界域7、7に独立した誘電液体
の流れを創成するための通路8、8が設けられ、該通路
8、8は上記挟間界域7、7中の誘電液体が下方の排出
部8a,8aを介して連続又は間歇的に排出されたとき、こ
れを等量の新たな誘電液体が上方の供給部8b、8bから供
給されるよう制御される。勿論、該排出部8a、8aから排
出された誘電液体をイオン除去工程を経て該供給部8b、
8bへと還流させるような循環系となすことも可能であ
る。
上記容器1の底壁には例えば吸引装置とも接続可能な導
管9及びコック10からなる排液手段が設けられ、これと
連通する同容器1の内底壁上には上記繊維配向域6の全
域にわたって例えばセラミックからなる濾過体11が装設
されている。なお、12は正負電極2、3間に所定の電界
を醸成するため、該正負電極2、3と接続された電圧印
加装置である。また、図は繊維懸濁液が注入されたの
ち、その誘電液体中でで静電配向され、かつ橋絡した繊
維群13が沈降して、濾過体13上に順次集積される状態を
示したものである。
[発明の効果] 本発明の繊維集積体の製造方法は、繊維を誘電液体中に
分散させた繊維懸濁液を正負電極間に醸成された電界内
に注入し、該繊維を静電的に配向橋絡させて沈降せしめ
る際、繊維配向域を画するイオン交換膜と対峙する電極
との挟間界域に該繊維懸濁液とは独立した誘電液体の流
れを創成して、正負電極側のそれぞれに発生するイオン
を増蓄させることなく流出排除するようにしたものであ
るから、イオン交換膜を透過して繊維配向域へと侵入す
るイオンは皆無に近い程度に制限されて、イオンの流動
に起因する繊維懸濁液の対流を生じることがなく、従っ
て短繊維は勿論、微小なウイスカを使用した場合でも配
向性のきわめて良好な繊維集積体を得ることができる。
さらに、このような繊維配向性の向上に対随してより高
い繊維体積率の集積体が得られるので、該集積体を用い
て格段と高強度な繊維強化金属を製造することができ
る。
[実施例] 以下、実施例により本発明を説明する。
実験例1 第1図に示す装置において、正負電極間隔を2cm、少量
のノニオン系界面活性剤を添加した誘電液体の容器内液
面高さを15cmとし、イオン交換膜と対峙する電極との各
挟間界域に独立した誘電液体を15cc/minの流量で流し続
けた状態で、正負電極間に2kvの電圧を印加して10Hr経
過したのち、誘電液体中に繊維濃度5g/の繊維を分散
させた繊維懸濁液を注入し、印加電圧を除々に高めなが
ら目視により繊維の攪乱が認知されたときの電圧値を測
定した。
実験例2 当初の印加電圧を10kvとした以外は実験例1と同様の条
件で、繊維の攪乱が認知されたときの電圧値を測定し
た。
比較例1 イオン交換膜と対峙する電極との各挟間界域に独立した
誘電液体を流さなかった以外は実験例1と同様の条件
で、繊維の攪乱が認知されたときの電圧値を測定した。
比較例2 当初の印加電圧を10kvとした以外は比較例1と同様の条
件で、繊維の攪乱が認知されたときの電圧値を測定し
た。
実験例1、2及び比較例1、2の各測定電圧値を表1に
示す。
【図面の簡単な説明】
図は本発明を実施するための装置を模式的に示す断面図
である。 1……容器、2……正電極 3……負電極、4……陰イオン交換膜 6……陽イオン交換膜、6……繊維配向域 7……挟間界域、6……通路 11……濾過体、12……電圧印加装置 13……繊維群

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電液体中に繊維を分散させた繊維懸濁液
    を、正負電極間に醸成された電界内に注入して該繊維を
    静電配向させると同時に橋絡させ、同配向繊維を順次沈
    降させて集積するようにした繊維集積体の製造方法にお
    いて、上記正負電極の各内側にイオン交換膜を並設し
    て、該イオン交換膜と対峙する電極との挟間界域に上記
    繊維懸濁液とは独立した誘電液体の流れを創成すること
    を特徴とする繊維集積体の製造方法。
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